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JP3598706B2 - 流体伝動装置 - Google Patents

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JP3598706B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダンパ機能を有する直結クラッチを含む流体伝動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開昭61−252958号公報に開示されているように、直結クラッチを有する流体伝動装置においては、直結クラッチ作動時(クラッチ係合時)のエンジンからのトルク変動を抑えるために、ばね等のダンパ機構が設けられている。
【0003】
このとき、(燃費向上のために)直結走行可能領域をより低車速域にまで広げるためには、前記ダンパ機構の捩じり剛性を低く設定するとよい。
【0004】
これを、図33に示す振動伝達系の簡易モデルを用いて説明する。
【0005】
図33において、I1はエンジン及び自動変速機1次側(自動変速機入力側から直結クラッチのダンパ機構まで:ダンパ機構の上流)の慣性モーメント、I2は自動変速機2次側(前記ダンパ機構の下流)の慣性モーメント、Bは車体を表わしている。又、K1は直結クラッチのダンパ機構の捩じり剛性、K2はドライブシャフトの捩じり剛性を表わし、F1は摩擦による減衰項、V1、V2は速度による減衰項を表わす。
【0006】
直結走行の場合、例えば4気筒エンジンの場合、300rpm 付近に、慣性モーメントI1、I2が同位相で振動する1次モード共振点があり、1000rpm 付近に、慣性モーメントI1、I2が逆位相で振動する2次モード共振点がある。このうち、1次モード共振点はエンジンの使用可能領域外のため問題にならず、実際の直結走行時に問題となるのは2次モード共振点である。
【0007】
従って、直結可能領域を低車速域にまで広げるためには、2次モード共振点のエンジン回転数をなるべく低回転側に設定すればよいことが分かる。従来、この2次モード共振点を下げる方法として、捩じり剛性K1、K2を低減する方法と、慣性モーメントI1、I2の配分を最適化する方法が提案されている。
【0008】
前記特開昭61−252958号公報に係る従来技術においては、ばね定数が小さく、ストローク長の大きい圧縮コイルばねを用いて捩じり剛性K1を低減していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のいずれの方法も物理的な制約があり、直結可能領域の低車速域への拡大には限界があった。それは、スペース上の限界からダンパ機構の捩じり剛性K1の低減化には限界があり、一方ドライブシャフトの捩じり剛性K2を大幅に下げることも事実上不可能だからである。
【0010】
又、慣性モーメントI1、I2の配分についても、構造上これらを自由に設定することは不可能に近く、所定値で妥協しなければならなかった。
【0011】
例えば、慣性モーメントI1を小さくしようとすると、エンジン及び自動変速機1次側の振動が大きくなり、補機類駆動ベルトのいわゆる「鳴き」や、耐久性上の問題が発生する。
【0012】
これらの問題を解決するために、本出願人は既に特願平7−280211号において、装置の重量や、収容スペースを大きくすることなく、又車両の振動特性を悪化させることなく、直結クラッチの直結可能領域をより低車速域側に拡大し、燃費の向上を図ると共に補機類の耐久性を向上させることのできる流体伝動装置を提案している。
【0013】
しかしながら、ここで提案されている流体伝動装置には、更に改良すべき点があった。
【0014】
即ち、ダイナミックダンパ機能の付加により、当初狙いとしていた周波数域の振動を抑えることはできたが、別の周波数域での振動が新たに発生してしまうという問題があった。
【0015】
本発明は、上記提案に係る装置を改良したものであり、上記装置の有する問題を解決するべくなされたもので、ダイナミックダンパ機能の付加により新たに発生する振動を抑制し、且つ装置を大型化することなく、簡単に構成することのできる流体伝動装置を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本請求項1の発明は、ダンパ機構を有する直結クラッチを含む流体伝動装置において、前記流体伝動装置の一部であって、該直結クラッチが作動状態にあるときにトルク伝達に寄与しない部材が、トルク伝達に寄与する部材に弾性体を介して弾性支持されると共に、前記直結クラッチが作動状態にあるときに、前記弾性体による弾性支持によって特定の周波数域で新たに発生する振動を抑制することのできる振動抑制手段を備え、前記トルク伝達に寄与しない部材が、タービンであることを備えたことにより、前記課題を達成したものである
また、本請求項2の発明は、ダンパ機構を有する直結クラッチを含む流体伝動装置において、前記流体伝動装置の一部であって、該直結クラッチが作動状態にあるときにトルク伝達に寄与しない部材と、前記流体伝動装置の一部であって、前記直結クラッチが作動状態にあるときにトルク伝達に寄与する部材と、前記トルク伝達に寄与しない部材が前記トルク伝達に寄与する部材に弾性支持されるための弾性体と、前記直結クラッチが作動状態にあるときに、前記弾性体による弾性支持によって特定の周波数域で新たに発生する振動を抑制することのできる振動抑制手段とを備えている。
さらに、本請求項3の発明は、ダンパ機構を有する直結クラッチを含む流体伝動装置において、前記流体伝動装置の一部であって、該直結クラッチが作動状態にあるときにトルク伝達に寄与しない部材が、トルク伝達に寄与する部材に弾性体を介して弾性支持されると共に、前記直結クラッチが作動状態にあるときに、前記弾性体による弾性支持によって特定の周波数域で新たに発生する振動を抑制することのできる振動抑制手段を備え、前記トルク伝達に寄与しない部材が、タービンおよびステータであることを特徴としている。
【0017】
即ち、本請求項2の発明によれば、流体伝動装置の一部であって、前記直結クラッチが作動状態にあるときにトルク伝達に寄与しない部材(例えばタービン等)をトルク伝達に寄与する部材に弾性体を介して弾性支持するようにしている。この結果、直結クラッチが作動状態にあるとき、このトルク伝達に寄与しない部材をダイナミックダンパとして機能させることができる。
【0018】
更に、本発明は、前記ダイナミックダンパ機能の付加により特定の周波数域で新たな振動が発生したとしても、振動抑制手段によりこれを抑制するようにしている。
【0019】
【発明の実施の形態】
好ましい実施の形態は、前記振動抑制手段が、摩擦減衰手段であることである。これにより、簡単な構成で新たな振動を抑制することができる。
【0020】
他の好ましい実施の形態は、前記摩擦減衰手段の摩擦減衰力を調整する手段を備えたことである。これによれば、例えば油圧サーボ等の調整手段により、精密且つ正確な摩擦減衰力の制御を行うことができ、新たに発生する振動レベルを、広い周波数範囲にわたって低減することができる。
【0021】
他の好ましい実施の形態は、前記振動抑制手段が、粘性減衰手段であることである。これにより、新たに発生する振動レベルを低減することができ、流体伝動装置本体の振動特性は広い範囲にわたって規定値を満足する。
【0022】
他の好ましい実施の形態は、前記振動抑制手段が、前記弾性体の弾性力を可変とする弾性力可変手段であることである。これにより、前記弾性体が前記振動抑制手段をも兼ねることができるため、装置の大型化を招くことなく、新たな振動を抑制することができる。
【0023】
他の好ましい実施形態は、直結クラッチが所定以上の回転数のとき前記弾性体の弾性作用を無効とする手段を備えたことである。これにより、エンジンの高回転域において、ダイナミックダンパ機能を完全に阻止することができ、新たな悪影響を完全に無くすことができる。
【0024】
他の好ましい実施の形態は、前記弾性体が板ばねであり、且つ、前記弾性力可変手段が、該板ばねの有効長を可変にするように、遠心力を利用して板ばねの一端部側に対して相対移動可能に該板ばねの他端部側に取付けられた慣性部材から構成されることである。これにより、新たな振動を抑制しつつ、装置全体をコンパクトに構成することが可能となる。
【0025】
他の好ましい実施の形態は、前記板ばねの幅または厚さの少なくとも一方が、半径方向内側より外側の方が小さくされていることである。これにより、振動の減衰に最適なばね特性が得られる。
【0026】
他の好ましい実施の形態は、前記慣性部材を半径方向内側に押圧する補助ばねが設けられ、該補助ばねが、半径方向外側へ行くほど前記板ばねとの距離が離れるように板ばねに対して所定角度を持って斜めに取付けられていることである。これにより、慣性部材を押圧する補助ばねが板ばねの制約を受けなくなる。よって、補助ばねのばね特性の設定が比較的容易に行えるようになる。
【0027】
さらに、他の好ましい実施の形態は、前記振動抑制手段が、前記トルク伝達に寄与しない部材の慣性量を増減する手段よりなることである。これにより、ダイナミックダンパを付与したことによって生ずる新たな周波数域の振動の該周波数域を適当に変更でき、結果として該振動を抑えることができる。
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態のより具体的な例を詳細に説明する。
【0029】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る流体伝動装置の概略を表わす縦断面図である。
【0030】
図1において、トルクコンバータ(流体伝動装置)2は、主として、ポンプ4、タービン6、ステータ8及び直結クラッチ10とから構成されている。
【0031】
この直結クラッチ10のロックアップピストン12は、トルクコンバータ2のフロントカバー14の内面に当接するライニング(摩擦板)16を有している。ロックアップピストン12には、リベット18によりドライブプレート20が一体的に取り付けられている。又、ロックアップピストン12とドライブプレート20の間には、中間プレート22が設けられている。この中間プレート22は長孔24を有し、その中を前記リベット18が移動するようになっている。
【0032】
前記ドライブプレート20は、外側ダンパスプリング26及び中間プレート22を介して、ドリブンプレート28にトルク伝達を行う。ドリブンプレート28は、リベット30によりタービンハブ32に固定されている。タービンハブ32の内周にはスプライン34が設けられ、ここから図示しない出力軸(変速機入力軸)へトルクが伝達される。
【0033】
又、前記ロックアップピストン12の内周のフランジ部36は、タービンハブ32の軸受部38に滑動可能に取り付けられ、シール40によって封止されている。
【0034】
又、タービン6の内周にはリベット42により伝達部材44が一体的に取り付けられている。この伝達部材44は、内側ダンパスプリング46を介してドリブンプレート28に連結されている。
【0035】
又、タービン6にはディスクハブ60が一体化して取付けられている。このディスクハブ60の端部にはディスク62が、ドリブンプレート28に面し、軸方向摺動可能に取付けられている。又、ディスク62のタービン6側にはディスク62に対向してプレート64が設けられている。プレート64は、外径側がドリブンプレート28の外径側端部28aに沿って軸方向移動可能且つドリブンプレート28と相対回転不能なように取付けられている。又、このプレート64は、ばね体66によってディスク62側に押圧されている。ばね体66はスナップリング68により軸方向の移動が規制されている。
【0036】
ディスク62とプレート64の間及び、ディスク62とドリブンプレート28の間には、摩擦材(振動抑制手段)70が設けられている。摩擦材70は、これらの向かい合う面の両面に設けられていてもよいし、片面に設けられていてもよい。あるいは、面の表面を加工して所定の効果が得られるような摩擦力を生じるようにしてもよい。
【0037】
以下第1実施形態の作用を説明する。
【0038】
直結クラッチ作動時には、ロックアップピストン12が(公知の構成により)油圧の作用によって図の右方へ移動しフロントカバー14側に押し付けられる。フロントカバー14は図示しないエンジンにより駆動される。従ってエンジンからのトルクはライニング16を介してロックアップピストン12に直接的に伝達される。
【0039】
ロックアップピストン12と一体化されているドライブプレート20は、外側ダンパスプリング26の一端を押す。このため、外側ダンパスプリング26の他端は、中間プレート22を押すことになる。中間プレート22に伝えられたトルクは、ドリブンプレート28を介して出力部材であるタービンハブ32に伝達される。
【0040】
上述したようにタービン6は、タービン6に固定された伝達部材44と内側ダンパスプリング46を介してタービンハブ32に対して相対回転可能に配置されている。即ち、直結クラッチ10が作動状態にあるときにトルク伝達に寄与しない部材としてのタービン6が、弾性体としての内側ダンパスプリング46を介して、トルク伝達に寄与する部材としてのタービンハブ32に弾性支持されているものである。
【0041】
ここで、ディスク62とプレート64は摩擦材70を介して接触しており、ばね体66によってドリブンプレート28側へ押圧されている。これにより、タービン6とタービンハブ32が相対回転しようとする場合に、プレート64及びドリブンプレート28とディスク62との間に摩擦力による引摺りが発生する。その結果、新たに発生する本体の振動レベルを下げることができる。
【0042】
このように本実施形態によれば、ダイナミックダンパ機能を付加したことによる新たな振動も抑えることができ、広い周波数範囲で、本体慣性の振動レベルを許容値以下にすることができる。
【0043】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0044】
図2は、第2実施形態に係る流体伝動装置の概略を表わす縦断面図である。
【0045】
本第2実施形態は、上の第1実施形態における2枚の摩擦材70を1枚にして取付位置を変えたものである。
【0046】
即ち、図2において、伝達部材144とタービンハブ132の間にプレート164が設けられている。このプレート164はタービンハブ132に対し、軸方向にのみ摺動可能で、相対回転不能である。プレート164とタービンハブ132の間には、摩擦材170が設けられている。摩擦材170はプレート164又はタービンハブ132のいずれに取付けられていてもよい。
【0047】
伝達部材144とプレート164の間には、ばね体166が設けられている。このばね体166はプレート164をタービンハブ132側へ押し付けている。これにより、タービン106とタービンハブ132が相対回転しようとする場合に、プレート164とタービンハブ132との間に摩擦力による引摺りが発生する。その結果、新たに発生する振動を抑制することができる。
【0048】
なお、ばね体166の押圧力に対するタービンハブ132からの反力は、ワッシャ(又はベアリング)172を介してスナップリング168で受けている。
【0049】
又、他の構成については、前述した第1実施形態と基本的に同じであるため、同一又は類似の部材に下2桁が同一の符号を図中で付すこととし、説明を省略する。
【0050】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0051】
図3は、第3実施形態に係る流体伝動装置の概略を表わす縦断面図である。
【0052】
本第3実施形態は、上の第2実施形態を多少変更し、新たに摩擦減衰力を調整する手段として押圧ピストン280を組み込んだものである。
【0053】
図3において、伝達部材244と、タービンハブ232に結合されたドリブンプレート228の支持凸部228aとの間には、摩擦減衰手段を構成するリング状の3枚のプレート264、266、268が、軸線方向に並べて配設されている。3枚のプレート264、266、268のうち真ん中のプレート264は、伝達部材244にスプライン274を介して軸方向移動可能で(伝達部材244と)相対回転不能に取り付けられている。伝達部材244側の端部のプレート268は、ドリブンプレート228の支持凸部228aの先端にスプライン276を介して取り付けられ、スナップリング272により脱け止めされている。又、ドリブンプレート228側のプレート266は、ドリブンプレート228に対して、相対回転不能かつ軸線方向移動自在に取り付けられている。これらプレート264、266、268の相互間には、摩擦材270が挟まれている。
【0054】
前記ドリブンプレート228側のプレート266は、自身の半径方向中間部に貫通孔266bを有するもので、該貫通孔266bに、ドリブンプレート228に突設した支持凸部228aが貫通させることで、ドリブンプレート228に保持されている。
【0055】
図4は、ドリブンプレート228と前記プレート266の関係を示す、図3のIV方向から見た正面図である。この図に示すように、プレート266の貫通孔266bは、同一円周上に間隔的に配され、周方向に所定長さを有した略円弧形の細長い矩形孔として形成されている。ドリブンプレート228の支持凸部228aは、各貫通孔226bに対応して同一円周上に突設されている。各支持凸部228aの外周に形成されたスプライン228bは、前記プレート266の貫通孔266bの外周側孔縁に形成されたスプライン276と嵌合し、これにより、プレート266は、ドリブンプレート228に対して軸線方向にスライドするものの、相対回転不能に結合されている。
【0056】
このプレート266は、ドリブンプレート228の支持凸部228aよりも内周側に、押圧ピストン280による押圧部266aを有している。この押圧ピストン280は、タービンハブ232の円筒部232aと、ドリブンプレート228の支持凸部228aの基部円筒部228bとの間に形成された環状空間に、シール材282、284を介して液密的に軸線方向摺動自在に嵌め込まれている。そして、押圧ピストン280とタービンハブ232との間に、押圧ピストン280を押圧移動するための液圧室290が形成されている。
【0057】
又、タービンハブ232の円筒部232aの外周には、伝達部材244の軸方向位置を決めるスナップリング268が固定され、そのスナップリング268によって、押圧ピストン280を液圧室290側に付勢する皿ばね286の内周端が受け止められている。液圧室290には、タービンハブ232内の液圧通路292及び出力軸296内の液圧通路294を通じて、液圧が送り込まれるようになっている。摩擦材270での摩擦係合力は、押圧ピストン280に対する皿ばね286による図の右側への付勢力と液圧室290の液圧による図の左側への付勢力とのバランスに依存して発生される。
【0058】
上記の構造では、支持凸部228aの内周側に押圧ピストン280を配置することで、摩擦減衰手段の周辺及び押圧ピストン280の周辺の機構が薄型になっている。
【0059】
前記押圧ピストン280の作動回路としては、図5に示すような構成をとることができる。図5において、297はデューティソレノイドバルブ、298は制御バルブである。図のバルブでは、右半分が直結クラッチ210がOFF状態のとき、左半分がON状態のときをそれぞれ示している。
【0060】
デューティソレノイドバルブ297は、ポート297aから入力される例えばセカンダリ圧等の比較的低圧の元圧を公知の方法でデューティ制御してポート297bよりデューティ制御圧を出力する。
【0061】
制御バルブ298には直結クラッチ210をON−OFFするための油圧(の分圧)がそのポート298aに入力されている。又ポート298bには、デューティソレノイドバルブ297からの前記デューティ制御圧が入力されている。更にポート298cは図3の押圧ピストン280背面の液圧室290に連結され、ポート298dには(高圧)のライン圧がかけられている。図の符号298eはスプリング、298fはスプールである。
【0062】
直結クラッチ210がOFFのときは、制御バルブ298のポート298aに(直結クラッチ210をONとするための)油圧(の分圧)がかからないため、スプリング298eによりスプール298fが押し下げられ図の右半分の状態となる。従って(高圧の)ライン圧がポート298d、298cを介して直接液圧室290に導入され、強い摩擦係合力が発生する。
【0063】
一方、直結クラッチ210がONのときは、制御バルブ298のポート298aに(直結クラッチ210をONとするための)油圧(の分圧)がかかるため、スプール298fは図の左半分の状態となり、ポート298dのライン圧は遮断される。又、その代わりにデューティソレノイドバルブ297からのデューティ制御圧がポート298b、298cを介して液圧室290に導入される。このデューティ制御圧は、前述したように比較的低圧の元圧をベースに調圧されたものであるため、調圧の精度が高く、従って液圧室290内の液圧を非常に精密に増減制御でき、押圧ピストン280による摩擦係合力を高精度に微調整できる。
【0064】
次に第3実施形態の作用を説明する。
【0065】
この第3実施形態では、タービン206とタービンハブ232が相対回転しようとする場合に、伝達部材244とタービンハブ232との間に、押圧ピストン280の押圧力によって調整された引摺り(摩擦係合力)を発生させることができる。よって、押圧ピストン280の押圧力の調整の仕方で、どの回転領域の変動レベルをどの程度下げるかを選択することができ、新たに発生する振動を広い範囲にわたり抑制することができる。
【0066】
なお、他の構成については前述した第1実施形態と基本的に同じであるため、同一又は類似の部材に下2桁が同一の符号を図中で付すこととし、説明を省略する。
【0067】
また、上記の例では、液圧を用いてプレート266に対する押圧力を可変とする場合を示したが、電磁力を用いてプレート266の押圧力を調整できるようにすることも可能である。
【0068】
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
【0069】
図6は、第4実施形態に係る流体伝動装置の概略を表わす縦断面図である。
【0070】
又、図6の矢印VII 方向から見た図を図7に示す。更に図7のVIII−VIII線に沿う断面を図8に示す。
【0071】
本第4実施形態は、振動抑制手段に粘性衰退手段を用いたものである。
【0072】
即ち、図6において、ドリブンプレート328のケージ部328a及び328bの中にシリンダ382が固定され、タービンハブ332と一体化されて設けられている。このシリンダ382中にピストン384が摺動可能に嵌め込まれている。又、図8に示されるように、ピストン384は中央に溝384aを有し、伝達部材344の先端のツメ部344aがこの溝384aに引っかかっている。シリンダ382の内部382a、382bは油液で満たされている。
【0073】
伝達部材344がタービンハブ332と相対回転すると、図8においてツメ部344aが左又は右へ移動する。その結果、ピストン384も左又は右へ移動する。このとき、シリンダ382の内部382a、382bは油液で満たされているため、ピントン384が移動してこの油液に圧力がかかると、ピストン384とシリンダ382の隙間から油液が外部へ流出する。よって、このときの油液の粘性により、ダイナミックダンパとしての伝達部材344の作動が制限される。これにより、新たに発生する振動を抑制することができる。
【0074】
なお、他の構成については前述した第1実施形態と同様であり、同一又は類似の部材に下2桁同一の符号を図中で付して説明を省略することとする。
【0075】
又、図9に示すように、ピストン384に、シリンダ382の内部382a、382bと外部を連通する貫通孔384b、384cを設けて、減衰量が最適値になるようにしてもよい。
【0076】
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
【0077】
図10は第5実施形態に係る流体伝動装置の概略を表わす縦断面図、図11〜図13はその細部構成を示す図、図14は同装置の要部拡大図である。
【0078】
本第5実施形態は、上記第1実施形態における弾性体である内側ダンパスプリング46を、板ばね446として、この板ばね446の弾性力を可変とするようにしたものである。
【0079】
図10、図14において、板ばね446は、半径方向に延ばされており、内周端が、リベット430でドリブンプレート428及びタービンハブ432と一体に固定されている。板ばね446は途中で90°捻られており、上部(外径側)が周方向に撓むようになっている。又、タービン406には突起部488が取付けられている。この突起部488は板ばね446の両端(外径側)に接触する。これにより、タービン406は弾性的にタービンハブ432に連結される。
【0080】
板ばね446には、質量体(慣性部材)490が組み付けられている。図11は質量体490の構成、図12は板ばね446の構成を示し、図13は板ばね446と質量体490の組み付け状態を示す。
【0081】
この場合の板ばね446は、図12に示すように、ばねとして機能する先端部分(外周側)が、幅(s)一定、厚さ(t)一定の長方形状に形成されている。板ばね446には、図11、図13に示すように、中央部に溝を有する質量体490が、板ばね446が該溝部に入るように取付けられている。質量体490が板ばね446を挟んでいる部分は保持カバー492で覆われ、質量体490は、コイル状の補助ばね494により内径側へ押圧されている。又、板ばね446の上部(外周側)は保持カバー492より上に突き出ており、上端がタービン側に固定した突起部488の溝488aに入り、突起部488と接触するようになっている。保持カバー492は溶接(又はカシメ)によりドリブンプレート428に固定されている。又、質量体490は半径方向に移動可能となっている。
【0082】
なお、他の構成については前述した第1実施形態と基本的に同じであるため、同一又は類似の部材に下2桁が同一の符号を図中で付すこととし、説明を省略する。
【0083】
以下、第5実施形態の作用を説明する。
【0084】
タービン406は、板ばね446を介してタービンハブ432に対して微小な相対回転可能に弾性的に連結されている。
【0085】
直結クラッチ作動状態において、第1実施形態と同様にしてドリブンプレート428が回転すると、リベット430によって一体となった板ばね446が回転する。
【0086】
回転数が低い場合には、質量体490は、コイル状の補助ばね494により、内周側に押し付けられている。このとき、図10に示すように質量体490より上(外周側)にある板ばね446の部分L1が長く、これが板ばね446の有効長となるため、ばね定数が小さくなる。従って、共振周波数は小さくなる。
【0087】
又、回転数が高くなると、質量体490は、遠心力により図14に示すようにコイル状の補助ばね494に抗して外周側へ移動する。このため、質量体490より上に出ている板ばね442の部分L2は短くなる。これにより、板ばね446の有効長は小さくなるため、ばね定数は大きくなる。従って、共振周波数は大きくなる。
【0088】
このように、本実施形態では、ダイナミックダンパのばね定数をエンジン回転数に応じて変化させることにより、ダンパ共振点を、低回転のときは低周波数側に、高回転のときは高周波数側になるようにすることで、ダイナミックダンパによる振動の低減を広い周波数域で達成することができる。
【0089】
又、本実施形態では内側ダンパスプリング46の代わりに、板ばね446及び板ばね446に取付けた質量体490によって弾性力可変手段を構成するようにしたため、装置全体を小型化することが可能である。
【0090】
〔第6実施形態〕
次に第6実施形態を図15、図16を用いて説明する。
【0091】
この第6実施形態は、第5実施形態の板ばね446を、半径方向外側へ行くほど幅の狭くなった台形状の板ばね446Bで置き換え、質量体490が遠心力で半径方向外側へ移動するにつれて増大するばね定数の増加割合を、前記第5実施形態よりも小さい方に修正するようにしたものである。
【0092】
即ち、この場合の板ばね446bは、図16に示すように、板厚tは一定であるが、先端に行くほど幅sが狭くなるような台形状に形成されている。そして、図15に示すように、質量体490を組み付けたときに、ばね機能を発揮する部分に、ちょうど台形状部分が対応するようになっている。
【0093】
この台形状の板ばね446Bを用いた第6実施形態では、前記第5実施形態と同様に、質量体490が半径方向内側にあるとき、板ばね446Bの有効長が長いのでバネ定数が小さく、質量体490が外側に移動するにつれて、有効長が短くなるので、バネ定数が大きくなる。従って基本的には回転数が大きく、遠心力が増大するほど、質量体490が外側へ移動するので、バネ定数が大きくなり、共振周波数が大きくなる。
【0094】
ここで、第5実施形態の板ばね446と第6実施形態の板ばね446Bの違いについて検討してみる。いま、流体伝動装置の半径方向の中心線(出力軸)回りに、全体が角速度ωで回転しているときの、板ばね446、446Bの有効長分のばね定数Kと、角速度ωの2乗値の関係を図17に示す。又、ダイナミックダンパの共振周波数の関係式より得た理想のばね定数を同図に合わせて示す。
【0095】
理想のばね定数は点線Cのように直線状になる。これに対して、長方形の板ばね446の場合(第5実施形態の場合)は実線Aのようになる。この実線Aの特性を、なるべく点線Cの特性に近付けることができれば、それだけ広い回転数範囲でダイナミックダンパによる回転変動低減効果を得ることができる。つまり、質量体が遠心力で外径方向に移動するにつれて、板ばねのバネ定数Kが大きくなるが、そのばね定数の増大率をできるだけ弱めることで、実際に得られるばね定数を点線Cに近付けることができる。
【0096】
第6実施形態の台形状の板ばね446Bによれば、それを実現することができる。即ち、台形状の板ばね446Bは、先端に行くほど幅Sが小さくなっており、その断面2次モーメントが小さくなるので、長方形ばね446の場合の特性Aよりも、点線の理想の特性Cに近付いた特性Bを示すことになる。このため、広い回転数範囲でダイナミックダンパによる回転変動のレベルを低下させることができるようになる。
【0097】
なお、第6実施形態では、板ばね446Bの板幅Sを先端(半径方向外周)へ行くほど小さくすることで、先端側へ行くほど断面2次モーメントが小さくなるようにしたが、板厚tを先端へ行くほど減らすことによっても、断面2次モーメントを同じように小さくして、第6実施形態と同様のばね定数Kの調整を行うことができる。もちろん板幅S、板厚tの双方を小さくするようにしてもばね定数Kを調整できる。
【0098】
〔第7実施形態〕
次に第7実施形態を図18、19、20、21を用いて説明する。
【0099】
上記第5実施形態では、コイル状の補助ばね494の内部に、板ばね446を通した場合を説明した。しかし、そうすると、補助ばね494を設計する際に、板ばね446が補助ばね494の内側で支障なく移動できるように、補助ばね494のコイル径を一定値以上に大きくしなくてはならないという制約がある。
【0100】
そこで、本第7実施形態では、板ばね446を補助ばね494Bの外に出し、補助ばね494Bを板ばね446の両側に一対配置した。そして、そのままではなお補助ばね494Bが板ばね446の邪魔になるおそれがあるので、補助ばね446を角度を付けて板ばね446の両側に配置した。即ち、図18に概略構成を示すように、補助ばね494Bを、半径方向外側へ行くほど板ばね446との距離が離れるように、板ばね446に対して所定角度αを持って斜めに配した。
【0101】
具体的には、図19に示すように、コイル状の補助バネ494Bの内部に伸縮ガイド495を配置し、補助ばね494Bが、斜めの姿勢で自身の軸線方向に安定して伸縮し得るようになっている。
【0102】
この伸縮ガイド495は、シリンダ状の本体495aにスライド自在にロッド495bを組み付けたもので、本体495aの後端とロッド495bの先端に、ばね座付きのブラケット495c、495dを有している。これらブラケット495c、495dは、図20、図21に詳細を示すように、ピン495eによって保持カバー492の肩部492aに結合され、一方、ピン495fによって質量体490に結合されている。そして、伸縮ガイド495の外周に補助ばね494Bが嵌装され、両端のブラケット495c、495dのばね座にて、補助ばね494Bの両端が受け止められている。従って、質量体490に対して、質量体490の移動方向と斜めの方向から補助ばね494Bの付勢力を作用させている。
【0103】
これによれば、板ばね496が自由に動け、又、補助ばね494Bの設計も容易となる。
【0104】
なお、上記の例では、伸縮ガイド495をコイル状の補助ばね494Bの内側に設けたが、外側に設けてもよい。つまり、図22、図23に示すように、伸縮ガイド496を、内部空間を有する管状のものとして製作し、その内部にコイル状の補助ばね494Bを収容してもよい。伸縮ガイド496は、互いにスライド嵌合する内筒496aと外筒496bとを備え、内筒496aと外筒496bの各先端に、ばね座を兼ねたブラケット496c、496dが設けられている。そして、これらブラケット496c、496dを、保持ケースの肩部と質量体にピン495e、495fで結合している。
【0105】
〔第8実施形態〕
次に第8実施形態を説明する。
【0106】
前記第5、第6、第7実施形態では、内側ダンパスプリングとして板ばね446、446Bを用い、板ばね446、446Bの有効長を、質量体490の移動で変化させることにより、板ばね446、446Bのばね定数を変化、つまりダイナミックダンパの弾性力を可変としたが、本第8実施形態では、内側ダンパスプリングとしてコイルスプリングを用い、且つコイルスプリングの弾性力を可変としている。
【0107】
図24は第8実施形態に係る流体伝動装置の縦断面図であり、図25は図24のXXV 矢視方向から見た図である。
【0108】
この実施形態では、コイルスプリングが内側ダンパスプリング546として用いられている。内側ダンパスプリング546は、円周方向に対に並べて配置されており、対をなす内側ダンパスプリング546の対向端部間に、伝達部材544の係合凸部544aが挿入され挟持されている。
【0109】
図25を用いて説明する。この図において、線N1は係合凸部544aが中立位置にあるときの基準線である。この基準線N1は、ドリブンプレート528の半径上にあり、図25の下側が内周側、上側が外周側となっている。
【0110】
一対の内側ダンパスプリング546、546は、基準線N1に対して対称配置されており、基準線N1に対して図中左側と右側は同じ構成になっている。ここでは、基準線N1に近い方を前端側、遠い方を後端側として説明する。又、左側の構成と右側の構成は、係合凸部544aの存在する円周上に円周方向に沿って配されていてもよいし、同円の接線上に直線的に配されていてもよい。図25では、直線的に配されている場合を示している。
【0111】
ドリブンプレート528のスプリング保持部550は、前端が、係合凸部544aの挿入孔550aに通じている。このスプリング保持部550の後端には、開口550cを有する後端壁550bが存在する。このスプリング保持部550には中間コマ575がスライド自在に挿入され、中間コマ575の前端に設けたフランジ575aと係合凸部544a間に、主となる内側ダンパスプリング546が配されている。又、フランジ575aとスプリング保持部550の後端壁550b間に、副となる補助スプリング576が配されている。これらスプリング546、576は、予圧を与えられた状態で直列にセットされており、条件に応じて、両方のスプリング546、576の弾性力を合わせた力を発揮したり、片方のスプリング546の弾性力のみを発揮したりする。
【0112】
スプリング保持部550の更に後端側にはケージ570が設けられ、その内部には移動コマ572が収容されている。ケージ570は、スプリング保持部550の後端壁550bに設けた開口550cを介してスプリング保持部550と通じており、半径方向内周側の内周壁570aと、後端壁570bと、半径方向外周側の外周壁570cとを有し、内部に移動コマ572が半径方向に移動可能に設けられている。
【0113】
ケージ570の後端壁570bは、半径方向外側に行くほど基準線N1側に近寄るように傾斜している。移動コマ572はこの傾斜に対応した形状をなし、ケージ570の後端壁57bに対向する側面が傾斜壁572aとなっている。又、他方の側面は、スプリング保持部550の後端壁550bの開口550cより突出した中間コマ575の後端面に当たる当接面572bとなっている。移動コマ572は、ばね580によって半径方向内側に付勢されており、遠心力によって外方へ移動する。そして、移動位置に応じて、傾斜壁572aがケージ570の後端壁570bに当接することで、移動コマ572が中間コマ575に押された際の中間コマ575の移動限位置を規定する。中間コマ575が移動限まで押されると、補助スプリング576による弾性作用が無効になり、内側ダンパスプリング546のみが弾性力を発揮する。
【0114】
以下に第8実施形態の作用を説明する。
【0115】
回転数が低いときは、台形の移動コマ572は、ばね580により内径側に押されている。このときは、移動コマ572とケージ570の後端壁570bとの間に隙間SHがあるため、中間コマ575は隙間SH分だけ自由に移動可能となり、この状態では内側ダンパスプリング546と補助スプリング576とが直列的に作用することになり、この結果、ダンパ機構としてのトータルのばね定数が小さくなる。
【0116】
一方、回転数が高くなると、移動コマ572は遠心力で外径側に移動し、隙間SHは小さくなる。すると、中間コマ575がケージ570に対してその移動が拘束されるようになり、補助スプリング576が作用しなくなり内側ダンパスプリング546のみが作用することになる。この結果、ダンパ機構としてのトータルのばね定数が大きくなる。
【0117】
このように、遠心力を利用してダイナミックダンパのばね定数を多段に変化させ得るので、エンジン回転数に応じて、ダイナミックダンパの共振点をずらすことにより、広い回転数範囲で良好なダンパ特性が得られる。又、この構造は、板ばねを使用する場合に比べて低コストに実現できる。
【0118】
〔第9実施形態〕
次に第9実施形態を説明する。
【0119】
図26は第9実施形態の要部構成を示し、図25と同じ側からドリブンプレート528Bを見た図である。
【0120】
前記第8実施形態では、移動コマ572や中間コマ575を用いて内側ダンパスプリングの弾性力を調節する場合を示したが、本第9実施形態では、図26に示すように、爪590a付きのストッパ590を用いることで、内側ダンパスプリング546の弾性力を2段階に調節できるようにしている。
【0121】
即ち、回転数が所定以上になると、遠心力によってストッパ590が外径側に移動し、ストッパ590の両端の爪590aが、コイルスプリングよりなる内側ダンパスプリング546の線間に食い込んで、内側ダンパスプリング546の有効長を初期値L5から縮小値L4へ変更する。初期値L5から縮小値L4に有効長が短縮することにより、ばね定数が大きくなり、これにより、ダイナミックダンパの共振周波数が変更される。ストッパ590は、ドリブンプレート528Bに設けた半径方向のガイド孔591に、ロッド部590aをスライド自在に挿入することで、安定して半径方向に変位できるよう支持され、ばね592により半径方向内側に付勢されている。
【0122】
〔第10実施形態〕
次に第10実施形態を説明する。
【0123】
図27は第10実施形態に係る流体伝動装置の縦断面図、図28は図27のXXVIII矢視方向から見た図である。
【0124】
ダイナミックダンパ機能を付加した直結クラッチ付き流体伝動装置では、ロックアップ時に、全てのエンジン回転数領域でダイナミックダンパが作用することになるため、ダイナミックダンパがない場合に比べて、回転変動レベルが良好になる領域が存在する。しかし、反面、逆に悪化する領域がある。
【0125】
その問題を解決するために、全体にヒステリシスを付加する方法が考えられるが、そうした場合、悪化代が低減される一方、良好だった領域も効果が目減りしてしまう。
【0126】
そこで、本第10実施形態では、エンジン回転数が所定以上になった際に、ダイナミックダンパの弾性体の作用を無効とするようにした。
【0127】
即ち、図27、図28に示すように、ドリブンプレート628と伝達部材644の係合凸部644aとを、内側ダンパスプリング646を介して弾性的に連結する一方、内側ダンパスプリング646と同じ円周上の他の位置に、回転数が所定以上になったときに、ドリブンプレート628と伝達部材644の係合凸部644bとをロックするストッパ670を設けた。
【0128】
ストッパ670は、ドリブンプレート628に形成したスライドケージ674内に、半径方向にスライド自在に収容されており、ばね672によって半径方向内側に付勢されている。
【0129】
図29は図28の同部分の拡大図である。
【0130】
ストッパ670は、連結部670aの両端に一対の脚部670bを設けたコ字状をなし、脚部670bの外側面670dにて、スライドゲージ674の両ガイド壁674aを摺動する。又、脚部670bの内側面670cは傾斜面となっており、遠心力によりストッパ670が、ばね672の力に抗して半径方向外方に移動したとき、傾斜した内側面670cが、伝達部材644の係合凸部644bの傾斜面644cに圧接することで、係合凸部644bの円周方向(矢印Y方向)の動きを止める。即ち、係合凸部644bとストッパ670がロックすることで、伝達部材644とドリブンプレート628がロックされ、内側ダンパスプリング646の作用が無効とされる。この場合、傾斜面644cの傾きθは、余り大きいとロックする作用が弱くなり、余り小さいとロックするポイントが設定しにくくなる。
【0131】
ロックするポイントは、ダイナミックダンパにより良好な効果が得られる領域から悪い効果が出る領域への切り替わり点に設定する。そうすることで、ダイナミックダンパによる特性の悪化分のみを、ダイナミックダンパがないときのレベルまで低減することができる。
【0132】
なお、ダイナミックダンパ機能を止めるストッパ670が遠心力によって半径方向外側に移動する際に、ストッパ670とスライドケージ674の接触部間、及びストッパ670と係合凸部644bの接触部間に、打音が発生する可能性があるが、図30に示すように、接触部に緩衝材678、678を設ければ、打音の発生を防止することができる。図と反対の接触部側に緩衝材678、678を設けても勿論よい。
【0133】
〔特性について〕
次に第8実施形態と第10実施形態の特性について述べる。
【0134】
図31は、エンジン回転数と回転変動レベルの関係を示す特性図である。
【0135】
図31において、Aはダイナミックダンパを設けない場合の特性、Bはダイナミックダンパを設けた場合の特性、Cは第10実施形態の特性、Dは第8実施形態の特性を示す。
【0136】
ダイナミックダンパを設けたBの場合、点Pより小さい範囲でレベル低減効果が見られるが、点Pを超えた領域で反対に変動が大きくなってしまう。それを解消するべく、第10実施形態による特性Cでは、点P以降の領域でダイナミックダンパの機能を無効にすることにより、ダイナミックダンパの付加による悪影響を無くしている。つまり、その領域では、ダイナミックダンパを設けないレベルに低減している。
【0137】
又、第8実施形態の特性Dによれば、ダイナミックダンパのばね定数、即ち共振周波数がエンジン回転数に応じて切り替わるため、第10実施形態に比べてa領域で回転変動が大幅に低減される。しかし、bの領域では悪化する。但し、現実的には、この悪化領域はエンジン回転数が大きい範囲であるため、爆発変動トルクが小さくなることと、車両振動特性上感度が低くなることのため、悪影響は少ない。
【0138】
又、その悪影響を最小限に抑えるために、第8実施形態と第10実施形態を組み合わせることもできる。その場合の特性をEで示す。この場合は、bの領域に移行するまでは、ダイナミックダンパを有効化しておき、bの領域に移行した時点で、ダイナミックダンパを無効にする。つまり、bの領域の開始点にロックのポイントを設定するのである。
【0139】
なお、上記第5〜第10実施形態では、内側ダンパスプリングのばね定数を変化させるための質量体、移動コマ、ストッパの移動や、ロックのためのストッパの移動を遠心力を利用して行ったが、これに限定されるものではなく、油圧によるものや、ソレノイドの電磁力によるもの等、様々な方法が可能である。
【0140】
又、振動抑制手段は上記実施形態で述べたような摩擦減衰手段や粘性衰退手段や弾性体の弾性力可変手段の他にも、慣性体の質量(慣性力)を可変にするものでもよい。
【0141】
〔第11実施形態〕
次に第11実施形態を説明する。
【0142】
図32は第11実施形態に係る流体伝動装置の縦断面図である。
【0143】
この実施形態では、振動抑制手段として、ダイナミックダンパの慣性体の質量を可変とする機構を採用している。
【0144】
前述の実施形態では、ダイナミックダンパの慣性体として、タービンのみを用いる場合を示したが、本実施形態では、必要に応じて、ダイナミックダンパの慣性体として、タービン706のみを用いるときと、タービン706とステータ708を一緒に結合して用いるときとを選択できるようにしている。
【0145】
つまり、ロックアップ時に空転しているステータ708を、都合の良いときだけ、更にダイナミックダンパの慣性体として利用するようにしているのである。これによれば、ダイナミックダンパの慣性を可変とすることで、共振周波数を変化させ、結果として新たに発性する共振領域での振動を低減する得ることができる。
【0146】
具体的な構成としては、図32に示すように、ステータ708のハブ708aと、タービン706に結合された伝達部材744との間に、両者を必要に応じて結合するコーンクラッチ766を設け、該クラッチ766をクラッチピストン780で作動させるようにしている。クラッチピストン780は、伝達部材744の側面に設けた環状凹所に、シール材782、784を介して液密に嵌め込まれている。そのため、クラッチピストン780と伝達部材744間に設けられた液圧室790に、出力軸796中の液圧通路794及び伝達部材744中の液圧通路792を通して液圧を導入すると、該クラッチピストン780が軸線方向に移動し、コーンクラッチ766が係合する。なお、クラッチピストン780は、スナップリング768で内周端が止められた皿ばね786により液圧室790側に付勢されている。液圧790への液圧の導入制御は、図5を用いて説明した第3実施形態と同様の構成により実現すればよい。
【0147】
この装置では、低回転時には、直結クラッチ710の係合と共に液圧によってクラッチピストン780が図中左方へ押されることで、コーンクラッチ766が係合状態となり、ダイナミックダンパの慣性が、「タービン慣性」+「ステータ慣性」となり共振周波数(振動低減周波数)は低くなる。
【0148】
又、高回転時には、コーンクラッチ766が解放されることにより、ダイナミックダンパの慣性が、「タービン慣性」のみになり、共振周波数が高められる。従って、ダイナミックダンパの共振周波数が変化することで、エンジン回転数の広い範囲に亘って良好な振動特性が得られるようになる。この場合は、液圧を利用して精度良く、慣性量を切り替えることができるので、ダイナミックダンパの効果の現れ方に明らかな変化を与えることができる。
【0149】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、装置構成を大型化することなく、ダイナミックダンパ機能を付加したことによる新たな周波数域における振動も抑えることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る流体伝動装置の概略を表わす縦断面図
【図2】本発明の第2実施形態に係る流体伝動装置の概略を表わす縦断面図
【図3】本発明の第3実施形態に係る流体伝動装置の概略を表わす縦断面図
【図4】図3の摩擦減衰部をIV方向から見た図
【図5】第3実施形態に係る摩擦減衰部の摩擦減衰力を可変とするための液圧回路図
【図6】本発明の第4実施形態に係る流体伝動装置の概略を表す縦断面図
【図7】図6の粘性減衰部をVII 方向から見た図
【図8】図7のVIII−VIII線に関する断面図
【図9】図8のピストンの変形例を示す断面図
【図10】本発明の第5実施形態に係る流体伝動装置の概略を表わす縦断面図
【図11】第5実施形態に係る弾性力可変手段を構成する質量体を示す斜視図
【図12】第5実施形態に内側ダンパスプリングとして用いる板ばねの一部斜視図
【図13】第5実施形態に係る弾性力可変手段の構成を示す斜視図
【図14】第5実施形態における質量体の働きを示す要部拡大縦断面図
【図15】本発明の第6実施形態に係る弾性力可変手段の構成を示す斜視図
【図16】図15の板ばねの一部斜視図
【図17】第6実施形態の特性図
【図18】本発明の第7実施形態に係る弾性力可変手段の構成を示す概略図
【図19】図18の具体化例を示す図
【図20】図19のXX部の斜視図
【図21】図19のXXI 部の斜視図
【図22】図19の一部の変形例を示す断面図
【図23】図22の部品の外観図
【図24】本発明の第8実施形態に係る流体伝動装置の概略を表す縦断面図
【図25】図24のXXV 方向から見た図
【図26】本発明の第9実施形態に係る弾性力可変手段の構成を示す概略図
【図27】本発明の第10実施形態に係る流体伝動装置の概略を表す縦断面図
【図28】図27のXXVIII方向から見た図
【図29】図28のXXIX部の拡大図
【図30】図29の一部変形例を示す図
【図31】第8実施形態と第10実施形態の特性を他と比較して示す特性図
【図32】本発明の第11実施形態に係る流体伝動装置の概略を表す縦断面図
【図33】従来の振動伝達系を示す簡易モデルの模式図
【符号の説明】
2、102、202、302、402、502、
602、702…トルクコンバータ
4、104、204、304、404、505、
604、704…ポンプ
6、106、206、306、406、506、
606、706…タービン
8、108、208、308、408、508、
608、708…ステータ
10、110、210、310、410、510、
610、710…直結クラッチ
12、112、212、312、412、512、
612、712…ロックアップピストン
14、114、214、314、414、514、
614、714…フロントカバー
16、116、216、316、416、516、
616、716…ライニング
18、30、42、118、130、142、218、230、
242、318、330、342、430、418、430、
442、518、530、542、718、730…リベット
20、120、220、320、420、520、
620、720…ドライブプレート
22、122、222、322、422、522、
622、722…中間プレート
24、124、224、324、424、524、
624、724…長孔
26、126、226、326、426、526、
626、726…外側ダンパスプリング
28、128、228、328、428、528、
628、728…ドリブンプレート
32、132、232、332、432、532、
632、732…タービンハブ
34、134、234、334、432、534、
634、734…スプライン
36、136、236、336、436、536、
636、736…フランジ部
38、138、238、338、438、538、
638、738…軸受部
40、140、240、340、440、540、
640、740…シール
44、144、244、344、444、544、
644、744…伝達部材
46、146、246、546、646、
746…内側ダンパスプリング
60…ディスクハブ
62…ディスク
64、164、264、266、268…プレート
66、166…ばね体
68、168、276、268…スナップリング
70、170、270…摩擦材
172…ワッシャ(ベアリング)
228a…支持凸部
266a…押圧部
266b…貫通孔
274、276…スプライン
280…押圧ピストン
282、284…シール材
286…皿ばね
290…液圧室
292、294…液圧通路
297…ソレノイドバルブ
298…制御バルブ
344a…ツメ部
382…シリンダ
384…ピストン
446、446B…板ばね
488…突起部
490…質量体
492…保持カバー
494、494B…ばね
544a…係合凸部
550…スプリング保持部
550b…後端壁
550c…開口
570…ケージ
570a…内周壁
570b…後端壁
570c…外周壁
572…移動コマ
572a…傾斜壁
572b…当接壁
575…中間コマ
575a…フランジ
580…ばね
590…ストッパ
590a…爪
592…ばね
644a、644b…係合凸部
670…ストッパ
670b…脚部
670c…内側面
670d…外側面
672…ばね
674…スライドケージ
677、678…緩衝材
766…コーンクラッチ
780…作動ピストン
790…液圧室

Claims (12)

  1. ダンパ機構を有する直結クラッチを含む流体伝動装置において、
    前記流体伝動装置の一部であって、該直結クラッチが作動状態にあるときにトルク伝達に寄与しない部材が、トルク伝達に寄与する部材に弾性体を介して弾性支持されると共に、
    前記直結クラッチが作動状態にあるときに、前記弾性体による弾性支持によって特定の周波数域で新たに発生する振動を抑制することのできる振動抑制手段を備え、
    前記トルク伝達に寄与しない部材が、タービンであることを特徴とする流体伝動装置。
  2. ダンパ機構を有する直結クラッチを含む流体伝動装置において、
    前記流体伝動装置の一部であって、該直結クラッチが作動状態にあるときにトルク伝達に寄与しない部材と、
    前記流体伝動装置の一部であって、前記直結クラッチが作動状態にあるときにトルク伝達に寄与する部材と、
    前記トルク伝達に寄与しない部材が前記トルク伝達に寄与する部材に弾性支持されるための弾性体と、
    前記直結クラッチが作動状態にあるときに、前記弾性体による弾性支持によって特定の周波数域で新たに発生する振動を抑制することのできる振動抑制手段と
    を備えたことを特徴とする流体伝動装置。
  3. ダンパ機構を有する直結クラッチを含む流体伝動装置において、
    前記流体伝動装置の一部であって、該直結クラッチが作動状態にあるときにトルク伝達に寄与しない部材が、トルク伝達に寄与する部材に弾性体を介して弾性支持されると共に、
    前記直結クラッチが作動状態にあるときに、前記弾性体による弾性支持によって特定の周波数域で新たに発生する振動を抑制することのできる振動抑制手段を備え、
    前記トルク伝達に寄与しない部材が、タービンおよびステータであることを特徴とする流体伝動装置。
  4. 請求項1から3のいずれかにおいて、前記振動抑制手段が、摩擦減衰手段であることを特徴とする流体伝動装置。
  5. 請求項4において、前記摩擦減衰手段の摩擦減衰力を調整する手段を備えたことを特徴とする流体伝動装置。
  6. 請求項1から3のいずれかにおいて、前記振動抑制手段が、粘性減衰手段であることを特徴とする流体伝動装置。
  7. 請求項1から3のいずれかにおいて、前記振動抑制手段が、前記弾性体の弾性力を可変とする弾性力可変手段であることを特徴とする流体伝動装置。
  8. 請求項7において、直結クラッチが所定以上の回転数のとき前記弾性体の弾性作用を無効とする手段を備えたことを特徴とする流体伝動装置。
  9. 請求項7において、前記弾性体が板ばねであり、且つ、前記弾性力可変手段が、該板ばねの有効長を可変にするように、遠心力を利用して板ばねの一端部側に対して相対移動可能に該板ばねの他端部側に取付けられた慣性部材から構成されたことを特徴とする流体伝動装置。
  10. 請求項9において、前記板ばねの幅または厚さの少なくとも一方が、半径方向内側より外側の方が小さくされていることを特徴とする流体伝動装置。
  11. 請求項7において、前記慣性部材を半径方向内側に押圧する補助ばねが設けられ、該補助ばねが、半径方向外側へ行くほど前記板ばねとの距離が離れるように板ばねに対して所定角度を持って斜めに取付けられていることを特徴とする流体伝動装置。
  12. 請求項1において、前記振動抑制手段が、前記トルク伝達に寄与しない部材の慣性量を増減する手段よりなることを特徴とする流体伝動装置。
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