JP3593539B2 - セルロース繊維品の処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は綿、麻などのセルロース繊維品の処理方法に関する。更に詳しくはセルロース繊維品に防しわ性、寸法安定性、ウォッシュ・アンド・ウェア性、ドレープ性、可縫性を付与する処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、セルロース繊維品に防縮性及びウォッシュ・アンド・ウェア性を付与する方法として、▲1▼グリオキザールやエポキシ樹脂を用いて架橋する方法、▲2▼高圧水蒸気を用いてセルロース繊維品を処理する方法、及び▲3▼シルケット加工や液体アンモニア加工によるセルロース繊維品の改質法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記▲1▼の方法はセルロース繊維品の引張強度や引裂強度が低下したり、繊維品が変色するおそれがあるばかりでなく、これらの樹脂で加工した繊維品には人体に有害なホルマリンが残留することがあった。また上記▲2▼の方法は処理装置が高価であるにもかかわらず十分な性能が得られにくい問題点があった。更に上記▲3▼の方法はシルケット加工や液体アンモニア加工だけではセルロース繊維品の改質効果が不十分であり、樹脂加工を併用しなければならない煩わしさがあった。
本発明の目的は、セルロース繊維品に対して、強度低下や変色を起こすことなく、ホルマリンの残留もなく、簡便に防しわ性、寸法安定性、ウォッシュ・アンド・ウェア性、ドレープ性、可縫性を付与するセルロース繊維品の処理方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、0.5〜3重量%のアンモニウム塩を含むpH5.0〜8.5の第1水溶液にセルロース繊維品を30〜60℃で20〜60分間含浸する工程と、前記第1水溶液に含浸したセルロース繊維品を1〜10重量%の柔軟剤を含むpH6〜9の第2水溶液に含浸する工程と、前記第2水溶液に含浸したセルロース繊維品を10〜30重量%の形態安定化剤と1〜15重量%のアルカリ剤を含むpH9〜11の第3水溶液に含浸する工程と、前記第3水溶液に含浸したセルロース繊維品を140〜180℃で45〜180秒間乾熱処理する工程と、前記乾熱処理したセルロース繊維品を0.01〜1重量%の酸を含むpH0.5〜4の第4水溶液に含浸する工程とを含むセルロース繊維品の処理方法である。
【0005】
請求項1に係る方法によれば、第1水溶液で処理すると、セルロース繊維表面の濡れ性を改善し、側鎖の末端基の活性化を促進させる。また、第2水溶液で処理すると、セルロース繊維を柔軟化するとともに強力低下を抑制する。また、第3水溶液で処理すると、セルロースのアモルファス領域を改質し、擬似結晶領域を増大させる。乾熱処理を行うと、第3水溶液による処理工程での反応が完了する。最後に第4水溶液で処理すると、第3水溶液による処理でアルカリ性となったセルロース繊維品が酸により中性化される。この結果、これらの処理の相乗効果により、セルロース繊維品の防しわ性、寸法安定性、ウォッシュ・アンド・ウェア性、ドレープ性、可縫性が改善される。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のセルロース繊維品を構成するセルロース繊維としては綿、麻等の天然セルロース繊維、レーヨン、キュプラ、ポリノジック等の再生セルロース繊維、リヨセル等の溶剤紡糸セルロース繊維がある。セルロース繊維品としては、これらの繊維から作られるスライバー、糸、織物、編物、不織布等がある。本発明のセルロース繊維品はセルロース繊維100%である必要はなく、他の繊維、例えば羊毛繊維、絹繊維等の蛋白繊維、、ポリエステル、アセテート、ナイロン等の化学繊維との混紡、混織、混編を行った繊維品を含む。この場合セルロース繊維を少なくとも50重量%含む。
本発明の第1水溶液は、0.5〜3重量%、好ましくは0.8〜1.5重量%のアンモニウム塩を含むpH5.0〜8.5、好ましくはpH7.5〜8.5の水溶液である。上記アンモニウム塩が0.5重量%未満では薬剤の浸透効果が十分に達されずセルロース繊維表面の濡れ性が改善されない。また3重量%を越えた場合には薬品が過剰となる。アンモニウム塩としては、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム及びリン酸三アンモニウム等が例示される。これらを単独又は組み合わせて用いる。この第1水溶液にセルロース繊維品を含浸して30〜60℃、好ましくは35〜50℃で20〜60分間、好ましくは20〜45分間処理する。処理温度及び処理時間が上限値を越えると処理が不均一になり、下限値未満になると処理不足になる。
【0007】
本発明の第2水溶液は、1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の柔軟剤を含むpH6〜9、好ましくはpH7〜8の水溶液である。上記柔軟剤が1重量%未満では引裂強度を保持することができず、好ましい風合いが得られない。10重量%を越えるとべとついて風合不良になるとともに、滑脱抵抗力が低下する。柔軟剤としては、シリコーン樹脂、エポキシシリコーン樹脂、変成シリコーン等が例示される。これらを単独又は組み合わせて用いる。
本発明の第3水溶液は、10〜30重量%、好ましくは10〜20重量%の形態安定化剤と、1〜15重量%、好ましくは1〜6重量%のアルカリ剤を含むpH9〜11、好ましくはpH10〜11の水溶液である。上記形態安定化剤が10重量%未満ではセルロース繊維品の形態が安定化せず、30重量%を越えると薬品が過剰となる。形態安定化剤としては、ヒドロキシエチル化合物やメトキシエチル化合物が例示される。上記アルカリ剤が1重量%未満では薬剤の固着が不十分であり、15重量%を越えると強力低下が著しくなる。アルカリ剤としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸水素アンモニウムが例示される。これらを単独又は組み合わせて用いる。
本発明の第4水溶液は、0.01〜1重量%、好ましくは0.05〜0.2重量%の酸を含むpH0.5〜4、好ましくはpH2〜3の水溶液である。上記酸が0.5重量%未満では中和が不十分であり、4重量%を越えるとセルロース繊維品が損傷する。酸としては、酢酸、硫酸、蟻酸、塩酸が例示される。これらを単独又は組み合わせて用いる。
【0008】
【実施例】
次に本発明の実施例を比較例とともに説明する。
<実施例1>
麻100%シャツ地を用意した。浸透洗浄精練剤(ツヤック(株)21−DF−10)0.5重量%とアンモニウム塩である炭酸水素アンモニウム10g/l(1.0g重量%)を含むpH8.0の第1水溶液に上記シャツ地を含浸し、40℃で30分間処理した。
次いで反応性シリコーン樹脂エマルジョン(ツヤック(株)40−Q−SI)3.0重量%とエポキシシリコーン樹脂(ツヤック(株)40−Q−SE)1.0重量%と浸透洗浄精練剤(ツヤック(株)21−DF−10)2.0重量%を含む20℃でpH7.5の第2水溶液を用意し、上記第2水溶液に0.2分間含浸した後、マングルで脱液し、110℃で5分間乾燥した。
次に浸透洗浄精練剤(ツヤック(株)21−DF−10)0.5重量%と形態安定化剤であるビスヒドロキシエチルスルホン(ツヤック(株)40−BS−50)15.0重量%と炭酸ナトリウム4.0重量%を含むpH10.5の第3水溶液に上記シャツ地を含浸し、25℃で30分間処理した。
次に160℃で90秒間前記第3水溶液で処理した上記シャツ地を乾熱処理した。更に酢酸0.1重量%を含む第4水溶液に、前記乾熱処理したセルロース繊維品を含浸し、40℃で15分間処理した。
【0009】
<実施例2>
実施例1と同じ麻100%シャツ地を用意し、実施例1と同じ第1水溶液に実施例1と同様に上記シャツ地を含浸して処理した。
次いで、反応性シリコーン樹脂エマルジョン(ツヤック(株)40−Q−SI)3.0重量%とエポキシシリコーン樹脂(ツヤック(株)40−Q−SE)2.0重量%と浸透洗浄精練剤(ツヤック(株)21−DF−10)2.0重量%を含む20℃でpH7.5の第2水溶液を用意し、上記第2水溶液に0.2分間含浸した後、マングルで脱液し、110℃で5分間乾燥した。
次に実施例1と同じ第3水溶液に実施例1と同様に上記シャツ地を含浸して処理した。更に実施例1と同様に上記シャツ地を乾熱処理した。更に実施例1と同じ第4水溶液に実施例1と同様に上記シャツ地を含浸して処理した。
【0010】
<実施例3>
実施例1と同じ麻100%シャツ地を用意した。浸透洗浄精練剤(ツヤック(株)21−DF−10)0.5重量%とアンモニウム塩である硫酸アンモニウム10g/l(1.0g重量%)を含むpH5.4の第1水溶液に上記シャツ地を含浸し、40℃で30分間処理した。
次いで実施例1と同じ第2水溶液を用意し、上記硫酸アンモニウムを含む第1水溶液で処理したシャツ地を実施例1と同様に上記第2水溶液に含浸した後、脱液し乾燥した。
次に実施例1と同じ第3水溶液に実施例1と同様に上記シャツ地を含浸して処理した。更に実施例1と同様に上記シャツ地を感熱処理した。更に実施例1と同じ第4水溶液に実施例1と同様に上記シャツ地を含浸して処理した。
<実施例4>
実施例1と同じ麻100%シャツ地を用意した。第1水溶液の処理を30℃で20分間にした以外は、実施例1と同様に処理した。
【0011】
<比較例1>
実施例1と同じ麻100%シャツ地を用意した。実施例1において、第1水溶液による処理を行わない以外、実施例1とそれぞれ同じ第2水溶液、第3水溶液、乾熱処理及び第4水溶液を用いて実施例1と同様に上記シャツ地を処理した。
<比較例2>
実施例1と同じ麻100%シャツ地を用意した。実施例1において、第2水溶液による処理を行わない以外、実施例1とそれぞれ同じ第1水溶液、第3水溶液、乾熱処理及び第4水溶液を用いて実施例1と同様に上記シャツ地を処理した。
【0012】
<実施例5>
綿100%シャツ地を用意した。浸透洗浄精練剤(ツヤック(株)21−DF−10)0.5重量%とアンモニウム塩である炭酸水素アンモニウム10g/l(1.0g重量%)を含むpH8.0の第1水溶液に上記シャツを含浸し、40℃で30分間処理した。
次いで反応性シリコーン樹脂エマルジョン(ツヤック(株)40−Q−SI)3.0重量%とエポキシシリコーン樹脂(ツヤック(株)40−Q−SE)1.0重量%と浸透洗浄精練剤(ツヤック(株)21−DF−10)2.0重量%を含む20℃でpH7.5の第2水溶液を用意し、上記第2水溶液に0.2分間含浸した後、マングルで脱液し、110℃で5分間乾燥した。
次に浸透洗浄精練剤(ツヤック(株)21−DF−10)0.5重量%と形態安定化剤であるビスヒドロキシエチルスルホン(ツヤック(株)40−BS−50)15.0重量%と炭酸ナトリウム4.0重量%を含むpH10.5の第3水溶液に上記シャツ地を含浸し、25℃で30分間処理した。
次に160℃で90秒間前記第3水溶液で処理した上記シャツ地を乾熱処理した。更に酢酸0.1重量%を含む第4水溶液に前記乾燥処理したセルロース繊維品を含浸し、40℃で15分間処理した。
【0013】
<実施例6>
実施例5と同じ綿100%シャツ地を用意し、実施例5と同じ第1水溶液に実施例5と同様に上記シャツ地を含浸して処理した。
次いで、反応性シリコーン樹脂エマルジョン(ツヤック(株)40−Q−SI)3.0重量%とエポキシシリコーン樹脂(ツヤック(株)40−Q−SE)2.0重量%と浸透洗浄精練剤(ツヤック(株)21−DF−10)2.0重量%を含む20℃でpH7.5の第2水溶液を用意し、上記第2水溶液に0.2分間含浸した後、マングルで脱液し、110℃で5分間乾燥した。
次に実施例5と同じ第3水溶液に実施例5と同様に上記シャツ地を含浸して処理した。更に実施例5と同様に上記シャツ地を乾熱処理した。更に実施例5と同じ第4水溶液に実施例5と同様に上記シャツ地を含浸して処理した。
【0014】
<実施例7>
実施例5と同じ綿100%シャツ地を用意した。浸透洗浄精練剤(ツヤック(株)21−DF−10)0.5重量%とアンモニウム塩である硫酸アンモニウム10g/l(1.0g重量%)を含むpH5.4の第1水溶液に上記シャツ地を含浸し、40℃で30分間処理した。
次いで実施例5と同じ第2水溶液を用意し、上記硫酸アンモニウムを含む第1水溶液で処理したシャツ地を実施例5と同様に上記第2水溶液に含浸した後、脱液し乾燥した。
次に実施例5と同様に第3水溶液に実施例5と同様に上記シャツ地を含浸して処理した。更に実施例5と同様に上記シャツ地を感熱処理した。更に実施例5と同じ第4水溶液に実施例5と同様に上記シャツ地を含浸して処理した。
<実施例8>
実施例5と同じ綿100%シャツ地を用意した。第1水溶液の処理を30℃で20分間にした以外は、実施例5と同様に処理した。
【0015】
<比較例3>
実施例5と同じ綿100%シャツ地を用意した。実施例5において、第1水溶液による処理を行わない以外、実施例5とそれぞれ同じ第2水溶液、第3水溶液、乾熱処理及び第4水溶液を用いて実施例5と同様に上記シャツ地を処理した。
<比較例4>
実施例5と同じ綿100%シャツ地を用意した。実施例5において、第2水溶液による処理を行わない以外、実施例5とそれぞれ同じ第1水溶液、第3水溶液、乾熱処理及び第4水溶液を用いて実施例5と同様に上記シャツ地を処理した。
【0016】
<評価1>
実施例1〜8で処理したシャツ地と、比較例1〜4で処理したシャツ地について、それぞれの防しわ性を調べるための試験方法(JIS L1059−1998(モンサント法)) により評価した。この試験方法では、大きさ15mm×40mmのシャツ地試料片を2枚の金属片からできた金属試料挟に挟み込んで、500gの荷重を5分間かけた後、除重する。一端を試料挟に挟み込んだまま試料片の他端を試料挟から取り出し、試料片の自由端を下に向け、5分後の開角度を180で除して百分率(防しわ率)を求める。この結果を表1に示す。
表1から明らかなように、第1〜第4水溶液のうち、第1水溶液又は第2水溶液で処理しなかった比較例1〜4のシャツ地の防しわ率が31.7〜45.6%と小さかったのに対して、第1〜第4水溶液で処理した実施例1〜8のシャツ地の防しわ率は63.5〜77.8%と大きく、防しわ率が良好であった。
【0017】
【表1】
【0018】
<評価2>
実施例1〜8で処理したシャツ地と、比較例1〜4で処理したシャツ地について、それぞれの寸法変化率を調べるための試験方法(JIS L1096−1999 8.64 D法)により評価した。この試験方法では、大きさ約25cm×25cmのシャツ地試料片を採取し、20cm×20cmのところにマークを付した後、約50℃の石けん水溶液中に試料片を20分間浸漬する。試料片を取り出し、約50℃の温水で20分間水洗した後、脱水し、水平状態で自然乾燥する。浸漬前と乾燥後の試料片のマークの間隔を測定し、百分率(寸法変化率)を求める。この結果を表2に示す。
表2から明らかなように、第1〜第4水溶液のうち、第1水溶液又は第2水溶液で処理しなかった比較例1〜4のシャツ地の寸法変化率が−8.8〜−3.6%と大きく収縮したのに対して、第1〜第4水溶液で処理した実施例1〜8のシャツ地の寸法変化率は−2.2〜−0.3%と小さく良好であった。
【0019】
【表2】
【0020】
<評価3>
実施例1〜8で処理したシャツ地と、比較例1〜4で処理したシャツ地について、それぞれのウォッシュ・アンド・ウェア性を調べるための試験方法(JISL1096−1999 8.23.1 A法)により評価した。この試験方法では、大きさ約40cm×40cmのシャツ地試料片を採取し、試料片の端にほつれ防止を施し、所定の箇所にマークを付した後、約40℃の温水で洗濯機を用いて洗濯する。試料片を脱水することなく、たて方向が垂直になるように、数箇所をつかみ、室温で風通しのないところでつるして乾燥する。洗濯前と乾燥後の試料片のマークの間隔を測定し、百分率(寸法変化率)を求める。この結果を表3に示す。表3から明らかなように、第1〜第4水溶液のうち、第1水溶液又は第2水溶液で処理しなかった比較例1〜4のシャツ地の洗濯後のしわの評価が2.0〜2.5級と低い等級であったのに対して、第1〜第4水溶液で処理した実施例1〜8のシャツ地の洗濯後のしわの評価は3.0〜3.8級と高い等級となり、実施例1〜8のシャツ地はウォッシュ・アンド・ウェア性が高いことが判った。
【0021】
【表3】
【0022】
<評価4>
実施例1〜8で処理したシャツ地と、比較例1〜4で処理したシャツ地について、それぞれのウォッシュ・アンド・ウェア性を調べるためのウールマーク試験方法 No.281 (IWS TM281) により評価した。この試験方法では、大きさ500×500 mmの織物試料を採取し、試料の端にほつれ防止を施し、所定の箇所にマークを付した後、40℃±3℃の温水で洗濯機で洗濯する。洗濯を3サイクル行った後、乾燥した。乾燥したシャツ地にアイロンをかけた後、適当な布帛のなめらかさ用の写真と比較してシャツ地のなめらかさを調べた。この結果を表4に示す。
表4から明らかなように、第1〜第4水溶液のうち、第1水溶液又は第2水溶液で処理しなかった比較例1〜4のシャツ地の洗濯後のシャツ地のなめらかさの評価が2級と低い等級であったのに対して、第1〜第4水溶液で処理した実施例1〜8のシャツ地の洗濯後のシャツ地のなめらかさの評価は3〜3−4級と高い等級となった。
【0023】
【表4】
【0024】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の処理方法によれば、アンモニウム塩を含む第1水溶液でセルロース繊維表面の濡れ性を改善するとともに、側鎖の末端基の活性化を促進させ、柔軟剤を含む第2水溶液でセルロース繊維を柔軟化するとともに強力低下を抑制し、形態安定化剤とアルカリ剤を含む第3水溶液でセルロースのアモルファス領域を改質し、擬似結晶領域を増大させることにより、セルロース繊維品に対して、強度低下や変色を起こすことなく、ホルマリンの残留もなく、簡便に防しわ性、寸法安定性、ウォッシュ・アンド・ウェア性、ドレープ性、可縫性を付与することができる。
Claims (6)
- 0.5〜3重量%のアンモニウム塩を含むpH5.0〜8.5の第1水溶液にセルロース繊維品を30〜60℃で20〜60分間含浸する工程と、
前記第1水溶液に含浸したセルロース繊維品を1〜10重量%の柔軟剤を含むpH6〜9の第2水溶液に含浸する工程と、
前記第2水溶液に含浸したセルロース繊維品を10〜30重量%の形態安定化剤と1〜15重量%のアルカリ剤を含むpH9〜11の第3水溶液に含浸する工程と、
前記第3水溶液に含浸したセルロース繊維品を140〜180℃で45〜180秒間乾熱処理する工程と、
前記乾熱処理したセルロース繊維品を0.01〜1重量%の酸を含むpH0.5〜4の第4水溶液に含浸する工程と
を含むセルロース繊維品の処理方法。 - アンモニウム塩が炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム及びリン酸三アンモニウムを少なくとも1種含む請求項1記載の処理方法。
- 柔軟剤がシリコーン樹脂、エポキシシリコーン樹脂、変成シリコーン樹脂を少なくとも1種含む請求項1記載の処理方法。
- 形態安定化剤がヒドロキシエチル化合物及びメトキシエチル化合物を少なくとも1種含む請求項1記載の処理方法。
- アルカリ剤が炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア水及び炭酸水素アンモニウムを少なくとも1種含む請求項1記載の処理方法。
- 酸が酢酸、硫酸、蟻酸、塩酸を少なくとも1種含む請求項1記載の処理方法。
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