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JP3581750B2 - 油圧エレベータの下降速度制御装置 - Google Patents

油圧エレベータの下降速度制御装置 Download PDF

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JP3581750B2
JP3581750B2 JP03906096A JP3906096A JP3581750B2 JP 3581750 B2 JP3581750 B2 JP 3581750B2 JP 03906096 A JP03906096 A JP 03906096A JP 3906096 A JP3906096 A JP 3906096A JP 3581750 B2 JP3581750 B2 JP 3581750B2
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喜作 長谷川
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、油圧エレベータに係り、詳しくは油圧エレベータの下降速度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来の技術による油圧回路図である。
図6において、油圧エレベータの上昇過程では、タンク127 内の作動油はストレーナ103 及び配管104 を経てインバータモータ102 で駆動される油圧ポンプ101 によって加圧され、この加圧された作動油は配管105 、106 及びパイロットチェック弁107 を経た後、さらに配管108 ,109 を経てシリンダ110 に至り、ラム111 を上昇させる。
ラム111 の上部には人及び/または貨物積載用のカーゴ112 が装着されている。
ラム111 の上昇速度は、インバータモータ102 に与える周波数を、上昇開始時は低い周波数から高い周波数に逐次変化させ、従って油圧ポンプ101 の回転速度は低回転から次第に高回転へと移行し、ラム111 の上昇速度は低速から高速へと移行する。
またラム111 の上昇の停止時は高い周波数を逐次低い周波数に変化させてラム111 の上昇速度を低くした後、停止位置に合わせてインバータモータ102 の電源を切ることによって得られる。。
【0003】
油圧エレベータの下降過程については、電磁弁123をONにすることにより該電磁弁接続はa位置からb位置に変わるため、シリンダ110内のラム111を持ち上げていた作動油の圧力は配管109,120,絞り弁122、配管121を経、さらに電磁弁123,配管124を経てパイロットチェック弁107の閉止機能を解放する。
このことによりシリンダ110内の圧油は配管109,108,パイロットチェック弁107,配管106,105,を経て油圧ポンプ101に至り、油圧ポンプ101を油圧モータとして回転させ作動油は配管104,ストレーナ103を経てタンク127へ戻る。
油圧ポンプ101が油圧モータとして回転することによりインバータモータ102も一緒に回転するのであるが、インバータモータ102に与える周波数を変化させることによりインバータモータ102の回転速度、従って油圧ポンプ101の油圧モータとしての回転速度を変化させることができ、シリンダ110からの作動油の流れを加減できるつまりラム111の下降速度の加減ができるものである。従ってラム111の下降開始時には低い周波数から次第に高い周波数に変化させてインバータモータ102の回転速度を次第に早め、下降停止直前時には再び低い周波数に変化させる。このようにすることによって、油圧ポンプ101の油圧モータとしての回転速度は低回転から高回転へ移行し、シリンダ110内の作動油は初めゆっくりと、周波数が高くなるにつれて高速でながれ、再び周波数を低くすることによって流れは少なくなる。この状態になったと時、電磁弁123をOFFすることによりシリンダ110からの作動油の圧力の配管124への加圧はくなり、従って配管124内の作動油の残圧力は配管125、絞り126,配管128を経てタンク127aへ通じて下がるからパイロットチェック弁107は閉止機能を回復し、シリンダ110内の作動油の移動は停止する。つまりエレベータは停止する。
なお、ここで絞り弁122は電磁弁123をONにしたとき、パイロット式チェック弁107の開弁を適当な時間をかけて行うことによりラム111の下降初期の速度を滑らかに増加させるため、配管124内の圧力を徐々に上昇させるためのものであり、また、絞り弁126は電磁弁123をOFFしたとき、パイロット式チェック弁107の閉弁を適当な時間をかけて行うことにより配管124内の圧力を除々に低下させ、ラム111の下降停止に至る減速を滑らかに行うものである。
また、タンク127aは、図示は別々であるがタンク127と一体のものである。さらに、リリーフ弁115は配管105、106内の圧力が設定圧を上回った場合配管113,114,119によりタンク127へ逃がす回路であり、チェック弁117はパイロットチェック弁107が閉じているにも拘わらず油圧ポンプ101がインバータモータ102と共に慣性で回転し続けようとするとき配管105,106,113などが負圧になるのを防ぐためのものである。
【0004】
図7は上記パイロットチェック弁107 の説明図である。
弁本体171 の内部に主弁172 があり、主弁172 はばね173 で下方に押し付けられ、油圧ポンプからの配管106 とシリンダ110 への配管108 との連通を遮断している。
弁本体171 の下部にはピストン174 があり、ピストン174 の上部にはロッド175 を固着してあって、この両者は一体で上下動可能であり、配管124 からの圧力油の導入により上方に押し上げられる。
ロッド175 の上端175aは配管124 からの圧力が0のとき、主弁の下端面172aと接近して配置されている。
油圧エレベータの上昇時、つまりラム111 の上昇時は、油圧ポンプ101 はインバータモータ102 が低周波数で回転することにより作動油を配管106 から弁室176 へ導入加圧する。
弁室176 の圧力がシリンダ110 から配管108 により導かれた圧力によりばね173 とともに主弁172 を下方に押し付ける力を上回ったとき主弁172 は上方に押し上げられ、配管106 と配管108 を連通しラム111 は上昇を始める。
その後はインバータモータ102 の周波数を増すことによって上昇速度は早くなり、また、上昇を停止しようとするときは逐次周波数を下げ、上昇速度が十分下がったところで油圧ポンプ101 の回転を停止することによって配管106 からの送油は停止し、主弁172 は閉じラム111 の上昇は停止する。
【0005】
つぎに油圧エレベータの下降時、つまりラム111 を下降させるには、電磁弁123 をONすることによってシリンダ110 内の圧力がパイロット圧として配管124 に導かれる。
ピストン174 の直径は主弁172 の直径よりも多少大きくしてあるから、配管124 に導かれたパイロット圧はピストン174 とロッド175 により主弁172 を押し上げ、従ってシリンダ110 内の作動油は配管109 ,108 から配管106 、105 を通り油圧ポンプ101 を油圧モータとして回転させながらタンク127 へ戻る。
なお、電磁弁123 をONするときはインバータ102 をラム111 上昇時とは逆方向に低周波で低速に回転させて下降を開始させた後、逐次周波数を増すことによって高速下降に移す。
下降を停止しようとするときは、周波数を逐次下げ十分に下がったところで電磁弁123 をOFFすることによって配管124 内の圧力は排圧されるから、ピストン174 とロッド175 は主弁172 によって押し戻され、主弁は閉じラムの下降は停止する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが通常のインバータを用いて油圧ポンプを駆動す場合、ラムの上昇過程や下降開始時は順調に作動し問題はないが、ラムの下降停止時インバータモータの周波数が十分に低く抑えられず、従ってラム停止直前のラムの下降速度が十分な低速まで下げられないので停止信号を与えて停止する時の衝撃が若干大きい。つまりエレベータとしては下降停止時の乗り心地が少し悪いという問題点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
そこでこの発明は通常のインバータを用いてその周波数が十分低く抑えられなくても下降停止時の衝撃を殆どなくして快適な油圧エレベータの下降速度制御方法を提供するものである。本発明の油圧エレベータの下降速度制御装置は、インバータモータにより駆動される油圧ポンプから吐出された作動油をパイロットチェック弁を経て油圧シリンダに送り油圧エレベータを上昇させ、
下降時には前記油圧シリンダ内の作動油の一部を取り出してパイロット圧油すると共に、下降指令により前記パイロットチェック弁を開弁させることにより、前記油圧シリンダ内の作動油を前記油圧シリンダから前記パイロットチェック弁へと上昇時と逆方向に流して前記油圧ポンプに送り、前記油圧ポンプを油圧モータとして回転させながら油圧エレベータを下降させる油圧エレベータの制御装置において
下降開始時から下降停止直前まで低速ピストンにパイロット圧油を送り前記パイロットチェック弁を少し開弁作動させる低速用電磁弁と、下降開始後からある下降速度に達した後より下降停止の若干前まで高速ピストンにパイロット圧油を送り前記パイロットチェック弁をさらに大きく開弁作動させる高速用電磁弁とを設けてなる構成としている
つまり、下降時に用いるパイロットチェック弁の開弁機構として、パイロット圧油は、油圧シリンダ内の作動油を用い、2個のピストンと該ピストンをそれぞれ作動させる2個の電磁弁およびその配管などからなる低速開弁装置及び高速開弁装置の2段からなるものとし、下降開始時から下降停止直前まで低速開弁装置を作動させてパイロットチェック弁内の主弁の開弁量を少なくしてパイロットチェック弁内を流れる作動油の油量を少量に抑え、下降開始後からある下降速度に達した後より下降停止の若干前までは高速開弁装置を作動させることとし、インバータモータの周波数制御による油圧ポンプの回転速度制御と組み合わせて下降開始時より下降停止時の速度変化をより滑らかにする。
この場合において、低速ピストンにその作動量を調整するストッパを設け、これによりパイロットチェック弁の開弁量を調整できるようにしているつまり、上述のパイロットチェック弁内の主弁を流れる油量調節方法として、低速開弁装置を構成するピストンにその作動量を調整するストッパを設け、パイロットチェック弁内を流れる少量の作動油流量を調節することができる
また、高速ピストンと高速用電磁弁との間に非常用電磁弁と絞り弁を設け、高速下降時に停電等の異常が発生した場合、油圧エレベータは滑らかに減速し下降停止することができるようにされているつまり、高速下降時異常が発生した場合には、非常用電磁弁とその排油配管に設けた絞り弁によって油圧エレベータは低速で滑らかに下降することができる。
そしてまた、油圧シリンダと、高速用電磁弁及び低速用電磁弁との間にチェック弁を有する電磁弁を設け、油圧エレベータの停止時に、油圧シリンダ内の作動油が高速用電磁弁側及び低速用電磁弁側に漏れないようにしてラムの停止位置を確保できるようにしているつまり上述のチェック弁を有する電磁弁を設けることにより、高速用電磁弁及び低速用電磁弁などから作動油の多少の漏れがあっても、油圧シリンダ内の油量に影響なく、ラム停止位置を確保できる。
【0008】
【作用】
以下にその作用について説明する。
油圧エレベータを下降させるときは、カーゴを支えているラムを押し上げているシリンダ内の油圧をパイロット圧として利用し、パイロットチェック弁を開弁させると、シリンダ内の作動油はパイロットチェック弁を通り、油圧ポンプの吐出側へと逆流して油圧ポンプを油圧モータとしてラム上昇時とは逆に回転させながらタンクへ戻り始める。
つまり油圧エレベータは下降を始めるのである。
下降しつつある油圧エレベータを停止させようとするときは、インバータモータの周波数を極力下げて、油圧モータとして回転している油圧ポンプの回転速度をできるだけ低回転に抑えることによって作動油の流れを絞り、エレベータの下降速度を下げてやる。
しかし従来の技術で述べたように、パイロットチェック弁を開弁させるピストンが1段の構造では開弁量の調整が難しく、また通常のインバータモータでは周波数を1Hz程度に下げてもエレベータの下降速度はすぐに停止してもよい程度には下がらない。
そこでこの発明では、パイロットチェック弁を開弁させる開弁機構を低速開弁装置と高速開弁装置の2段とした。
低速開弁装置はシリンダ内の油圧を低速用電磁弁を介して低速ピストンを押し上げ、パイロットチェック弁を極く僅か開弁させる装置であり、高速開弁装置は同様にシリンダ内の油圧を高速用電磁弁を介して高速ピストンを押し上げ、パイロットチェック弁を大きく開弁させる装置である。
【0009】
そこで上述の低速及び高速開弁装置の操作方法としては、下降開始信号を与えることにより低速用電磁弁がONし、シリンダ内の室力はパイロット圧として低速ピストンを押し上げ、パイロットチェック弁の主弁を極く僅か開弁させる。
従ってシリンダ内の作動油はパイロットチェック弁内を逆流し、油圧エレベータはゆっくり下降を開始し、また油圧ポンプは油圧モータとして回転し始める。
同時にインバータモータも低い周波数で低速で回転させるが、数秒後にはある速度に達するからこのとき高速電磁弁をONし、従って高速ピストンは主弁を押し上げパイロットチェックを大きく開弁させる。
作動油は急速に流れようとするがインバータの周波数制御で逐次エレベータの下降速度を増すようにし最高速度までもってゆく。
高速で下降しているときは両開弁装置が作用しており、従ってパイロットチェック弁は十分開弁していてかつインバータモータも高速で回転している。
いま下降を停止しようとする時は、まずインバータモータの周波数を下げ、油圧ポンプの油圧モータとしての回転速度が十分下がったところで高速用電磁弁をOFFし、従って高速ピストンは主弁の押し上げはなくなり、低速開弁装置のみの作用に切り換わり油圧エレベータは微速下降に移る。
数秒間ののち停止位置に合わせて低速用電磁弁をOFFすることによって低速ピストンによる主弁の押し上げは無くなり、エレベータは滑らかに停止する。
【0010】
さらに、上述のパイロットチェック弁内の主弁を流れる微量の油量調節方法として、低速ピストンに設けたストッパは、低速ピストンの作動量を調整、制限することが可能となり、これにより、パイロットチェック弁内の主弁の開弁量が調整され、パイロットチェック弁内を流れる微量の作動油の流量が調節できラム11の下降速度を適当な微速に調整できる。
また、高速ピストンと高速用電磁弁とを結ぶ配管の間に設けた非常用電磁弁は、高速下降時異常が発生した場合、例えば停電の時にはすべての電磁弁がOFFされるため該非常用電磁弁およびその排油側に設けた絞り弁とによって高速ピストンを押し上げていた作動油は該絞り弁によりゆっくりと排油されるから、主弁はゆっくりと閉弁し、油圧エレベータは低速で安全に下降して停止することができる。
さらに上述の構造に加えて、シリンダの圧力をパイロット圧力として取り出部分と高速用電磁弁および低速用電磁弁とを結ぶ配管の間にチェック弁を有する電磁弁を設けることにより、高速用電磁弁および低速用電磁弁などから作動油の多少の漏れがあっても、シリンダ内の油量に影響はなく、ラム停止位置を確保できることとしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
次にこの発明の実施例について説明する。
図1はこの発明である油圧エレベータの下降制御装置の説明図である。
図1において、油圧エレベータの上昇過程では、タンク27内の作動油はストレーナ3及び配管4を経てインバータモータ2で駆動される油圧ポンプ1によって加圧され、この加圧された作動油は配管5,6を経てパイロットチェック弁7に至り、その圧力がシリンダ10内の圧力による力に主弁72を抑えているばね73の力を加えた力を上回れば、パイロットチェック弁7内の主弁72を押し上げた後さらに配管8,9を経てシリンダ10に至り、ラム11を上昇させる。
ラム11の上部には人及び/または貨物積載用のカーゴ12が装着されている。
ラム11の上昇速度は、インバータモータ2に与える周波数を、上昇開始時は低い周波数から高い周波数に逐次変化させ、従って油圧ポンプ1の回転速度は低回転から次第に高回転へと移行し、ラム11の上昇速度は低速から高速へと移行する。
またラム11の上昇の停止時はインバータモータに与えられた高い周波数を逐次低い周波数に変化させてラム11の上昇速度を低くした後停止位置に合わせて停止信号を与えることによって得られる。
【0012】
油圧エレベータの下降過程については、下降信号を与えると低速用電磁弁33をONし、従って該低速用電磁弁33の位置はcからdにに変わるため、シリンダ10内のラム11を押し上げていた作動油の圧油は配管9、30,絞り弁31を経て、さらに低速用電磁弁33,配管34を経て低速ピストン77を押し上げ同時に高速ピストン74も同じ量押し上げる。高速ピストン74にはロッド75が固着されており、このロッドの先端部75aが主弁72の底面72bを押し上げるのである。この押し上げる量は僅かであるのでパイロットチェック弁7の閉弁機能を少しだけ開放する。このことによりシリンダ10内の作動油は配管9,8,パイロットチェック弁7,配管6,5を経て油圧ポンプ1に至り、油圧ポンプ1を油圧モータとして緩やかに回転させ、作動油は配管4,ストレーナ3を経てタンク27へ戻る。つまりラム11は緩やかに下降し始める。下降信号を与えると同時にインバータモータ2もスイッチがONされ、極く低速で回転を始める。油圧ポンプ1が油圧モータとして回転することによりインバータモータ2も一緒に回転するが、この回転速度がある速度に達したた時高速用電磁弁23はONされ、該高速用電磁弁23の位置はaからbに変わり、従ってシリンダ10内の作動油の圧油は絞り弁22,高速用電磁弁23,配管24を経て、高速ピストン74をさらに押し上げる。高速ピストン74の主弁72を押し上げる量は大きく、従ってラム11は高速で下降が可能となる。しかしこの時インバータモータ2は周波数を制御し、油圧ポンプ1の油圧モータとしての回転速度の上昇を適度に抑えながら高速下降へ移行する。
【0013】
つぎに高速下降から停止させようとするときには、インバータモータ2に与える周波数を制御することによりインバータモータ2の回転速度、従って油圧ポンプ1の油圧モータとしての回転速度を逐次下げ、作動油の流れを抑えてラム11の下降速度を低くする。
インバータモータ2の周波数を1Hz程度にしたとき、高速用電磁弁23をOFFすることにより該高速用電磁弁の位置はbからaにもどり、従って高速ピストン74を押し上げていた圧力油は配管24,高速用電磁弁23,配管25,絞り26,配管28,38を経てタンク27aに戻るので高速ピストン74の押し上げをやめる。
しかしまだ低速ピストン77は主弁72を押し上げているのでラム11は極く微速で下降しており、この時点で低速用電磁弁33をOFFにすれば、該低速用電磁弁33の位置はdからcに戻り、従って低速ピストン77を押し上げていた圧力油は配管34,低速用電磁弁33,配管35,絞り弁36,配管37,38を経てタンク27a戻るので低速ピストン77も主弁72の押し上げをやめる。従って主弁72は閉じるからラム11は下降を停止する。停止前の下降速度が極く微速であるので停止時の速度変化は少なく滑らかに停止する。
【0014】
上述のラム11の下降開始から停止までをグラフで表したのが図2である。
図において、縦軸はSを下降開始点とする時間であり、横軸は主弁72の押し上げ量及びインバータ2の回転速度を表す。
Sで下降信号を与えられると低速用電磁弁33がONし低速ピストン77はAだけ主弁72を押し上げ、従ってシリンダ10内の作動油はパイロットチェック弁7を経て油圧ポンプ1を油圧モータとして回転させるが、油圧ポンプ1を駆動するインバータモータ2も回転し始め、この回転速度がP点に至った時高速用電磁弁23がONし高速ピストン74はロッド75で主弁72をB押し上げる。
しかしインバータモータ2は周波数の制御により逐次その回転速度を上げることによって、油圧ポンプ1は油圧モータとして滑らかに下降速度を上げてゆく。ラム11の下降を停止しようとするときは、周波数の制御によりインバータモータ2の回転速度を逐次下げてゆき、その回転速度がQ点に達したとき高速用電磁弁23をOFFすることにより、高速ピストン75による主弁72の押し上げはなくなりAだけの押し上げ量となり、ラムの下降速度も極く微速となる。
ここで低速用電磁弁OFFすれば主弁72の押し上げは無くなりラム11は滑らかに停止するのである。
【0015】
図3は既述の低速ピストン77にストッパを設けた説明図である。
図3において、低速ピストン77aは主弁72を押し上げる量を調節するためにその中心部にストッパボルト78を通し、該ストッパボルト78の頭部にはストッパ78aを固着して設け、下端部はナット79を用いて低速ピストン77aの作動量を必要範囲に止めるすなわち下端部のナット79を締める(緩める)方向に回転すると、頭部のストッパ78aの位置がより下部(上部)になり、これにより低速ピストン77の作動量が小さく(大きく)なるそして、主弁72の押し上げ量を小さく(大きく)する。つまり、図2のAを必要範囲に調整して、ラム11の下降開始時および下降停止時の速度変化を適切な量に収めようとするものである。
【0016】
図4はこの発明の非常時用の装置に関する説明図である。
図2または図3において、ラム11が高速で下降中、つまり、高速用電磁弁23および低速用電磁弁33がONになっているとき、停電が発生したとする。
停電によって前記両電磁弁23、33はOFFされるから、それぞれの弁の位置は高速用電磁弁23はb位置からa位置に、低速電磁弁33は位置から位置に変わり、従って主弁72を押し上げて開弁していた高速ピストン74および低速ピストン77は押し上げを止めるので主弁72は急激に閉弁し、従ってラム11は急激に下降を停止することとなり危険を伴う。
この危険を防止しようとしたのが図4に示す回路である。
図4に示す回路は、前記目的のために高速ピストン74とその制御用の高速電磁弁23との間に非常用電磁弁43および絞り弁41、46とチェック弁42からなる安全回路を設けたものである。
まず、この回路の正常時におけるラム11の下降時の作動について説明する。
なお、低速用電磁弁33の作動については前述とかわらないので省略する。
ラム11の下降信号が与えられて低速用電磁弁33がONにされた後、高速用電磁弁23に信号が入りONすると同時に非常用電磁弁43もONする。従って高速用電磁弁23はaからbに変わり、非常用電磁弁43の位置もeからfに変わるのでシリンダ10内の作動油は配管9,20,絞り22、高速用電磁弁23を経てさらに、チェック弁42、非常用電磁弁43、配管44を経て高速ピストン74を押し上げて主弁72を大きく開弁するからラム11は高速下降に移る。
ラム11の下降停止に際しては、先ずインバータモータ2の周波数制御による油圧ポンプ1の油圧モータとしての回転速度制御後、高速用電磁弁23のみをOFFする。この時の高速ピストンを押し上げていた作動油の流れは、配管44,非常用電磁弁43、絞り弁41,高速電磁弁23を経、タンク27aに排出される。その後は低速用電磁弁33のOFFによりラム11の下降は停止に至り、非常用電磁弁43は低速用電磁弁33と同時にOFFする。
次にラム11の高速下降時における非常時として停電時の作動について説明する。
高速下降時は停電が発生したときは全ての電磁弁がOFFとなり、高速用電磁弁23はb位置からa位置へ、非常用電磁弁43は位置から位置へ、低速用電磁弁33はd位置からc位置へ一斉に切りわる。主弁72を開弁するため高速ピストン74を押し上げていた作動油は配管44から非常用電磁弁43を通り、配管45、絞り弁46、配管47,49,38を経てタンク27aに排出されるが、高速ピストンを押し上げていた作動油は絞り弁46により徐々にタンク27aに排出されることになるので、主弁72は急速に閉じることがない
このため高速下降中の停電であってもラム11の下降は滑らかに減速し停止に至るのである。
【0017】
図5はこの発明におけるラムの停止位置確保方法の説明図である。
図4において、シリンダ10内の作動油は配管9 ,20を通り絞り弁22を経て高速用電磁弁23へ、また配管30、絞り弁31を経て低速用電磁弁33へと導かれているが、ラム11の停止時つまり両電磁弁23および33がOFF状態で長時間経過するときは、高速用電磁弁23においては配管48へ、低速用電磁弁33においては配管35へ漏油することが考えられる。
この漏油によりラム11の停止位置がずれることになる。
図5はこのずれを防ぐため、シリンダ10内の作動油が該シリンダ10を出た後にチェック弁を有する電磁弁51を設け、ラム11の停止時は該電磁弁51はOFFでその位置はgにすることにより、チェック弁による作動油の流失は無くなり、ラム11の停止位置は確保できる。
【0018】
【発明の効果】
この発明は上記に詳しく述べたとおり、インバータモータにより駆動される油圧ポンプから吐出された作動油をパイロットチェック弁を経て油圧シリンダに送り油圧エレベータを上昇させ、下降時には前記油圧シリンダ内の作動油の一部を取り出してパイロット圧油すると共に、下降指令により前記パイロットチェック弁を開弁させることにより、前記油圧シリンダ内の作動油を前記油圧シリンダから前記パイロットチェック弁へと上昇時と逆方向に流して前記油圧ポンプに送り、前記油圧ポンプを油圧モータとして回転させながら油圧エレベータを下降させる油圧エレベータの制御装置において下降開始時から下降停止直前まで低速ピストンにパイロット圧油を送り前記パイロットチェック弁を少し開弁作動させる低速用電磁弁と、下降開始後からある下降速度に達した後より下降停止の若干前まで高速ピストンにパイロット圧油を送り前記パイロットチェック弁をさらに大きく開弁作動させる高速用電磁弁とを設けることを構成としている
つまり下降時に用いるパイロットチェック弁の開弁機構として、パイロット圧油は、油圧シリンダ内の作動油を用い、2個のピストンと該2個のピストンをそれぞれ制御作動させる2個の電磁弁およびその配管などからなる低速開弁装置及び高速開弁装置の2段からなるものとし、下降開始時から下降停止直前まで低速開弁装置を作動させてパイロットチェック弁内の主弁の開弁量を少なくしてパイロットチェック弁内を流れる作動油の流量を少量に抑え、下降開始後からある下降速度に達した後より下降停止の若干前までは高速開弁装置を作動させることとし、インバータモータの周波数制御による油圧ポンプの回転速度制御と組み合わせて下降開始時の速度変化を、より滑らかにすることを特徴とする油圧エレベータの下降速度制御装置である。
さらに、上述のパイロットチェック弁の主弁を流れる油量調節方法として、低速開弁装置を構成するピストンにその作動量を調整するストッパを設け、パイロットチェック弁内を流れる少量の作動油を調整できる。
また、高速ピストンと高速用電磁弁との間に非常用電磁弁と絞り弁を設け、高速下降時に停電等の異常が発生した場合には該非常用電磁弁と絞り弁によって油圧エレベータは滑らかに減速し停止に至るのである
さらにまた、上述の構造に加えて、油圧シリンダの作動油パイロット圧油として取り出す部分と高速用電磁弁および低速用電磁弁とを結ぶ配管の間にチェック弁を有する電磁弁を設け、高速用電磁弁および低速用電磁弁などから作動油の漏れがあっても、油圧シリンダ内の作動油量には影響がなく、ラム停止位置を確保できるなど各種の特徴を有する油圧エレベータの下降速度制御装置を提供するものである。
そして、本願の上記各発明においては、高級なインバータモータを使用することもなく実用性のある油圧エレベータの下降制御装置が得られる
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の説明図である。
【図2】ラムの下降開始から停止までをグラフで表した図である。
【図3】低速ピストンにストッパを設けた説明図である。
【図4】非常時用の装置に関する説明図である。
【図5】ラムの停止位置確保方法の説明図である。
【図6】従来の技術の説明図である。
【図7】従来の技術におけるパイロットチェック弁の説明図である。
【符号の説明】
1 油圧ポンプ
2 インバータモータ
7 パイロットチェック弁
10 油圧シリンダ
23 高速用電磁弁
33 低速用電磁弁
51 電磁弁
74 高速ピストン
77 低速ピストン
78 ストッパ

Claims (4)

  1. インバータモータにより駆動される油圧ポンプから吐出された作動油をパイロットチェック弁を経て油圧シリンダに送り油圧エレベータを上昇させ、
    下降時には前記油圧シリンダ内の作動油の一部を取り出してパイロット圧油すると共に、下降指令により前記パイロットチェック弁を開弁させることにより、前記油圧シリンダ内の作動油を前記油圧シリンダから前記パイロットチェック弁へと上昇時と逆方向に流して前記油圧ポンプに送り、前記油圧ポンプを油圧モータとして回転させながら油圧エレベータを下降させる油圧エレベータの制御装置において
    下降開始時から下降停止直前まで低速ピストンにパイロット圧油を送り前記パイロットチェック弁を少し開弁作動させる低速用電磁弁と、下降開始後からある下降速度に達した後より下降停止の若干前まで高速ピストンにパイロット圧油を送り前記パイロットチェック弁をさらに大きく開弁作動させる高速用電磁弁とを設けてなることを特徴とする油圧エレベータの下降速度制御装置
  2. 請求項1の低速ピストンにその作動量を調整するストッパを設け、これによりパイロットチェック弁の開弁量を調整できるようにしたことを特徴とする油エレベータの下降速度制御装置。
  3. 請求項1,又は2の高速ピストンと高速用電磁弁との間に非常用電磁弁と絞り弁を設け、高速下降時に停電等の異常が発生した場合、油圧エレベータは滑らかに減速し下降停止することができるようにしたことを特徴とする油エレベータの下降速度制御装置。
  4. 請求項1,又は2,又は3において、油圧シリンダと、高速用電磁弁及び低速用電磁弁との間にチェック弁を有する電磁弁を設け、油圧エレベータの停止時に、油圧シリンダ内の作動油が高速用電磁弁側及び低速用電磁弁側に漏れないようにしてラムの停止位置を確保できるようにしたことを特徴とする油エレベータの下降速度制御装置。
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