JP3577691B2 - 面状発熱体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、便座ヒータ等に用いられる面状発熱体に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知の通り、面状発熱体は抵抗発熱線とアルミ箔とから成り、主に便座ヒータ、電気冷蔵庫の霜取り用ヒータ、電気ガマの保温用ヒータ、床パネルヒータ等に利用されている。そして、上記便座ヒータに着目すると、従来は抵抗発熱線の被覆材として塩化ビニルが使用されていた。この塩化ビニルは、それ自体の耐熱温度が約105℃である。そして、上記塩化ビニルを被覆材として用いた抵抗発熱線は、上記のように塩化ビニルの耐熱温度が約105℃であるため抵抗発熱線1m当りに約10Wの電力が限度であり、それ以上の電力が出力されると、上記塩化ビニルでできた被覆材はその限界とされている耐熱温度を越えてしまうものであった。
【0003】
例えば、上記面状発熱体を便座ヒータとして使用する場合は、人がその便座に座って暖かいと感じるためには抵抗発熱線の電力が約55〜60W必要であり、この大きさの電力を出力しても、上記抵抗発熱線の被覆材が熱により溶けないようにする為には、上記抵抗発熱線の長さが約5.5〜6.0m必要であった。
【0004】
このような長さを有する抵抗発熱線を用いた面状発熱体は、上記アルミ箔の面積に比して抵抗発熱線の長さが十分長いので、上記抵抗発熱線を上記アルミ箔の表面に略均一に行き渡らせることができるものである。
【0005】
しかし、上記抵抗発熱線の長さが上記アルミ箔の長さに比して長いので、上記抵抗発熱線を上記アルミ箔の表面に溶着して固定するために、上記アルミ箔の表面上で上記抵抗発熱線を引きまわす工数が多くなり、面状発熱体の製造コストが高くなってしまうものである。
【0006】
そこで、上記抵抗発熱線の被覆材としてシリコン樹脂等の耐熱温度の高い材質のものが用いられることが考えられる。例えば上記シリコン樹脂は、それ自体の耐熱温度が約200℃となっており、理論上は、抵抗発熱線1m当りに約50Wの電力を出力させることができるものである。従って、上記便座ヒータとして使用する場合に必要な電力を出力させるには上記抵抗発熱線の長さは、約1.1〜1.2mで十分である。
【0007】
しかし、上記抵抗発熱線の長さが約1.1〜1.2mでは上記便座ヒータの面状発熱体のアルミ箔上に十分行き渡らないので、最低限行き渡らせるためには、上記抵抗発熱線の長さをある程度長くしなければならない。そうすると、上記抵抗発熱線全体に必要以上の電力が出力されてしまい、特に上記抵抗発熱線近傍では、要求以上に便座シート等の伝熱面が局部的に熱くなってしまい、皮膚が部分的にヤケドをしてしまう恐れがあるものである。これは他の用途の場合、例えば床パネルヒータ等でも同様である。
【0008】
従って、本発明の目的とする所は、上述の如き従来の技術の有する問題点を解決するものであって、抵抗発熱線の長さを短くしても必要とする電力を出力することができ、而も上記抵抗発熱線の被覆材がその限界とされている耐熱温度を越えたりすることがなく、且つアルミ箔の表面に固定された抵抗発熱線上の伝熱面全体の温度を略均一にすることができる面状発熱体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決する為の手段】
上記目的を達成する為に本発明は次の技術的手段を有する。即ち、発明の実施の形態に対応する添付図面中に使用した符号を用いて説明すると、本発明はアルミ箔2と抵抗発熱線3とからなる面状発熱体1であって、上記アルミ箔2の表面4に上記抵抗発熱線3を固定した状態で上記抵抗発熱線3に電源12から電流を流すことにより上記抵抗発熱線3が発熱し、この熱が上記アルミ箔2に伝わり、上記アルミ箔2の表面4に固定された抵抗発熱線3上の伝熱面11が熱を帯びるような面状発熱体に於て、
上記アルミ箔2には複数の穴6が形成されており、この複数の穴6は、上記アルミ箔2に固定されている抵抗発熱線3に近づくに従い大きく形成され、遠ざかるに従い小さく形成されていることを特徴とする面状発熱体1である。
【0010】
また、その他の特徴とする所は、上記抵抗発熱線3の被覆材8として、シリコン樹脂を用いることを特徴とするものである。
【0011】
そして、他の特徴とする所は、便座シート10の下面に設置することにより便座ヒータ9とすることを特徴とするものである。
【0012】
本発明は、上記技術的手段より成り、アルミ箔2に複数の穴6が形成されており、上記複数の穴6は上記アルミ箔2の表面4に固定された抵抗発熱線3に近づくに従い大きく形成され、且つ遠ざかるに従い小さく形成されているので、上記抵抗発熱線3に電流を流すことにより上記抵抗発熱線3が発熱し、その熱が上記アルミ箔2全体に伝わるが、上記アルミ箔2上の抵抗発熱線3に近い部分の熱は大きな穴6により発散され易く、遠くなるに従い上記穴6は小さくなるため、熱が発散されにくくなり、上記アルミ箔2の表面4に固定された抵抗発熱線3上の伝熱面11の温度をほぼ均一にすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明する。図1から図6は本発明の面状発熱体1を便座ヒータ9として用いた場合の実施の形態である。本発明の面状発熱体1はアルミ箔2と抵抗発熱線3とから成る。そして、上記抵抗発熱線3に着目すると、上記抵抗発熱線3は、電源12から電流を流すことにより電力が生じて発熱するものである。更に、上記抵抗発熱線3は、図4に示すように芯線7と被覆材8とから成る。上記抵抗発熱線3を上記アルミ箔2の表面4に固定するには、上記抵抗発熱線3に外部から熱を加えることにより、上記被覆材8を上記アルミ箔2の表面4に溶着して固定するものである。
【0014】
そして、上記被覆材8に着目すると、本発明の抵抗発熱線3は、被覆材8としてシリコン樹脂等の耐熱温度の高い材質のものを使用している。例えば、上記シリコン樹脂を被覆材8として用いた場合、上記シリコン樹脂の耐熱温度は約200℃となっており、上記抵抗発熱線3は1m当たり約50Wの電力を出力することができ、而も上記被覆材8が、その限界とされている耐熱温度を越えてしまうようなことがないものである。
【0015】
このようにして、上記本発明の抵抗発熱線3は、被覆材8の耐熱温度が高いため、同じ長さであっても、従来の塩化ビニルを被覆材8として用いた抵抗発熱線3に比べてより大きな電力を出力することができるので、上記抵抗発熱線3の長さを短くすることができ、上記抵抗発熱線3をアルミ箔2の表面4に固定する際、上記アルミ箔2上で上記抵抗発熱線3を途中で折り返したり、湾曲させる回数を減らすことができ、上記抵抗発熱線3のアルミ箔2上への引き回し工数を少なくすることができると共に、上記面状発熱体1の製造コストを低く抑えることができるものである。
【0016】
そして、上記アルミ箔2に着目すると、上記アルミ箔2は、プレス機等により複数の穴6が形成されている。更に、上記複数の穴6に着目すると、図2に示すように、上記複数の穴6は、上記アルミ箔2に固定された抵抗発熱線3に近づくに従い大きく形成され、且つ抵抗発熱線3から遠ざかるに従い小さく形成されている。尚、抵抗発熱線3と抵抗発熱線3との間は、図2に示すように、その略中間点に近づくに従い上記穴6を小さく形成する。
【0017】
次に、上記面状発熱体1の動作について説明する。上記面状発熱体1を便座シート10の下面に設置するには、図6に示すように上記面状発熱体1の表面4側、即ち、上記アルミ箔2に上記抵抗発熱線3を固定した面を上向きにして、上記便座シート10の下面に対向するように取り付けることにより、便座ヒータ9を形成するものである。そして、上記面状発熱体1の抵抗発熱線3に接続されている電源12から抵抗発熱線3に電流を流し、電力を出力する。これにより、上記抵抗発熱線3が発熱し、この熱が上記抵抗発熱線3を固定しているアルミ箔2に伝わる。このようにして上記アルミ箔2全体が熱を帯びるものである。所で、上記アルミ箔2は、熱源である上記抵抗発熱線3に近い部分ほど高温になり易く、抵抗発熱線3から近い部分と遠い部分とで温度差が生じてしまう。
【0018】
しかし、図1に示すように、本発明のアルミ箔2は複数の穴6が形成されており、この複数の穴6に着目すると、上記複数の穴6は、図2に示すように、上記アルミ箔2に固定されている抵抗発熱線3に近づくに従い大きく形成され、且つ抵抗発熱線3から遠ざかるに従い小さく形成されているものである。このような複数の穴6が形成されていることにより、上記抵抗発熱線3の近傍では、上記穴6が大きく形成されているので熱が発散され易く、上記抵抗発熱線3から遠い部分では上記穴6が小さく形成されているので熱が発散されにくくなるため、これにより、上記便座ヒータ9の伝熱面11の温度をほぼ均一にすることができると共に、上記便座ヒータ9に人が座ってもヤケドする恐れがなく、上記便座ヒータ9の伝熱面11全体が均等に暖かいものである。
【0019】
尚、上記アルミ箔2に形成された複数の穴6のうち、最も大きい穴6、即ち上記抵抗発熱線3に最も近い穴6は、上記抵抗発熱線3の下部に位置しても良く、上記複数の穴6は、平面から見た場合、図2に示すような円形だけでなく、楕円形や多角形等の穴6としても良く、またスリット状としてもよい。
【0020】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明によると次のような効果を奏する。
即ち、請求項1記載の発明によると、アルミ箔に複数の穴が形成されており、上記複数の穴は、上記アルミ箔の表面に固定された抵抗発熱線に近づくに従い大きく形成され、且つ遠ざかるに従い小さく形成されているので、上記抵抗発熱線に電流を流すことにより上記抵抗発熱線が発熱し、その熱が上記アルミ箔全体に伝わるが、上記アルミ箔上の抵抗発熱線に近い部分の熱は、大きな穴により発散され易く、遠くなるに従い上記穴は小さくなるため熱が発散されにくくなり、上記アルミ箔の表面に固定された抵抗発熱線上の伝熱面の温度をほぼ均一にすることができて、上記伝熱面に人の皮膚が触れてもヤケドをする恐れがない。
【0021】
そして、請求項2記載の発明によると、抵抗発熱線の被覆材としてシリコン樹脂を用いており、このシリコン樹脂は、耐熱温度が約200℃となっているため、上記抵抗発熱線に高い電力を出力することができ、上記抵抗発熱線の長さを短くすることができるので、アルミ箔の表面に上記抵抗発熱線を固定する際の引き回し工数を少なくすることができ、面状発熱体の製造コストを低く抑えることができる。
【0022】
そして、請求項3記載の発明によると、面状発熱体を便座シートの下面に設置することにより、便座ヒータとすることで、上記便座ヒータの伝熱面の温度をほぼ均一にすることができると共に、上記便座ヒータに人が座ってもヤケドをする恐れがなく、上記便座ヒータの伝熱面全体が均等に暖かいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の面状発熱体を示す平面図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】図1のA−A線に沿った断面図である。
【図4】本発明の面状発熱体を構成する抵抗発熱線の一部断面斜視図である。
【図5】本発明の面状発熱体を便座ヒータに適用した使用例を示す平面図である。
【図6】図5のB−B線に沿った断面図である。
【符号の説明】
1 面状発熱体
2 アルミ箔
3 抵抗発熱線
4 表面
5 裏面
6 穴
7 芯線
8 被覆材
9 便座ヒータ
10 便座シート
11 伝熱面
12 電源
Claims (3)
- アルミ箔2と抵抗発熱線3とから成る面状発熱体1であって、上記アルミ箔2の表面4に上記抵抗発熱線3を固定した状態で上記抵抗発熱線3に電源12から電流を流すことにより上記抵抗発熱線3が発熱し、この熱が上記アルミ箔2に伝わり、上記アルミ箔2の表面4に固定された抵抗発熱線3上の伝熱面11が熱を帯びるような面状発熱体に於て、
上記アルミ箔2には複数の穴6が形成されており、この複数の穴6は、上記アルミ箔2に固定されている抵抗発熱線3に近づくに従い大きく形成され、遠ざかるに従い小さく形成されていることを特徴とする面状発熱体。 - 上記抵抗発熱線3の被覆材8として、シリコン樹脂を用いることを特徴とする請求項1記載の面状発熱体。
- 便座シート10の下面に設置することにより、便座ヒータ9とすることを特徴とする請求項1又は2記載の面状発熱体。
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