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JP3513796B2 - 飛灰中のダイオキシン類分解方法 - Google Patents

飛灰中のダイオキシン類分解方法

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JP3513796B2
JP3513796B2 JP13020698A JP13020698A JP3513796B2 JP 3513796 B2 JP3513796 B2 JP 3513796B2 JP 13020698 A JP13020698 A JP 13020698A JP 13020698 A JP13020698 A JP 13020698A JP 3513796 B2 JP3513796 B2 JP 3513796B2
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dioxins
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heating
temperature
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賢士 保田
力男 篠原
喜一 長屋
信広 前田
紀之 中村
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Hitachi Zosen Corp
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Hitachi Zosen Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、産業廃棄物焼却炉
からの飛灰中に含まれるダイオキシン類を分解する方法
に関する。 【0002】 【発明の背景】都市ごみ焼却炉や産業廃棄物焼却炉から
排出される排ガス中に含まれるダイオキシン類が人体に
及ぼす影響が問題となり、上記排ガス中のダイオキシン
類の排出規制が実施されることとなった。そのため、排
出基準を満足するために各種の技術が導入されており、
例えば、都市ごみ焼却炉や産業廃棄物焼却炉から出た排
ガスを、急冷した後、バグフィルタや電気集塵機によっ
て集塵し、それによって排ガス中からダイオキシン類を
含む飛灰を分離除去する手段が採用されている。ところ
が、排ガスの集塵により生成された飛灰も、依然ダイオ
キシン類を含んでいるため、これを例えば埋立て処理す
るにしても、ダイオキシン類を分解して無害化しておく
必要があった。 【0003】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】この
ような飛灰中のダイオキシン類を分解する方法として、
従来、飛灰を不活性ガス雰囲気中で200℃〜550℃
の温度で加熱し脱塩素化する方法が提案されている。 【0004】しかしながら、上述した従来の方法は、都
市ごみ焼却炉からの飛灰についてはダイオキシン類の分
解を良好に行なうことができたが、産業廃棄物焼却炉か
らの飛灰についてはダイオキシン類の分解が良好に行な
われなかった。 【0005】本発明の目的は、産業廃棄物焼却炉からの
飛灰に含まれるダイオキシン類を分解する方法を提供す
ることにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するにあ
たって、本発明者らは、まず、都市ごみ焼却炉から出た
排ガスをバグフィルタにより集塵して得られた飛灰(以
下、「飛灰1」という。)と、産業廃棄物焼却炉から出
た排ガスをバグフィルタにより集塵して得られた飛灰
(以下、「飛灰2」という。)について、それぞれ元素
分析を行なった。図1は、飛灰1および飛灰2の元素分
析の結果を示すものである。図1から明らかなように、
飛灰1では、Caが最も多く、次いでSi、Al等が多
くみられるが、Clが相対的に少ない。塩素イオンの結
合は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Pb等のその
他の金属の優先順位で起こることから、飛灰1の場合、
少なくともCaは水酸化物の形で存在していると考えら
れる。一方、飛灰2は、Na、K、Clを多く含んでお
り、これらの元素は塩化ナトリウムおよび塩化カリウム
として存在し、飛灰2のベース物質を構成している。ま
た、飛灰2は、Zn、Pbも相対的に多く含んでおり、
これらの元素はZnCl2 、PbCl2 といった低融点
物質として存在している。 【0007】また、1gの飛灰1を100gの水に溶解
させた水溶液についてpHを測定したところ、pH1
2.8であった。同様に、1gの飛灰2を100gの水
に溶解させた水溶液についてpHを測定したところ、p
H5.4であった。これらの測定結果から、飛灰1はア
ルカリ性状態にあり、飛灰2は弱酸性状態にあることが
判明した。なお、飛灰1がアルカリ性状態にあるという
上記測定結果からみても、飛灰1中のCaが水酸化物の
形で存在していることが裏付けられる。 【0008】次に、本発明者らは、飛灰1および飛灰2
について、加熱によるダイオキシン類の分解実験を行な
った。実験装置としては電気加熱炉を用い、この炉内を
窒素ガス雰囲気にした状態で、各飛灰を250〜350
℃の温度で1時間加熱した。加熱後、飛灰を取り出して
ダイオキシン類の分解率を調べた。なお、一般的にダイ
オキシン類の濃度はTEQ(毒性等価換算濃度)で表さ
れるが、これは物理化学現象を解析する場合には不適当
と考えられるので、ここではトータルのダイオキシン類
で議論する。もちろん、トータルのダイオキシン類が減
少すれば、特別な理由の無い限りTEQも減少すると考
えられる。 【0009】図2は、各飛灰についての加熱温度とダイ
オキシン分解率との関係を示すものである。図2から判
るように、飛灰1の場合、ポリ塩化ジベンゾ−p−ダイ
オキシン(以下「PCDDs」という。)、ポリ塩化ジ
ベンゾフラン(以下「PCDFs」という。)ともに、
加熱温度の上昇に伴って分解率が増加している。一方、
飛灰2の場合、加熱温度が300℃を越えると、分解率
がマイナスの値、即ち、ダイオキシン類が増加したこと
を示している。 【0010】図3および図4は、飛灰2についての加熱
温度とダイオキシン類分解率の関係を、ダイオキシン類
の種類別に詳細に調べた結果を示している。図3から判
るように、PCDDsの場合、相対的に塩素数の少ない
テトラクロロジベンゾ−p−ダイオキシン(T4CDD
s)、ペンタクロロジベンゾ−p−ダイオキシン(P5
CDDs)およびヘキサクロロジベンゾ−p−ダイオキ
シン(H6CDDs)についてはプラスの分解率を示し
ているが、相対的に塩素数の多いヘプタクロロジベンゾ
−p−ダイオキシン(H7CDDs)およびオクタクロ
ロジベンゾ−p−ダイオキシン(O8CDDs)につい
てはマイナスの分解率を示している。また、図4から判
るように、PCDFsの場合、加熱温度が300℃を越
えるときには、テトラクロロジベンゾフラン(T4CD
Fs)、ペンタクロロジベンゾフラン(P5CDF
s)、ヘキサクロロジベンゾフラン(H6CDFs)、
ヘプタクロロジベンゾフラン(H7CDFs)およびオ
クタクロロジベンゾフラン(O8CDFs)のいずれに
ついてもマイナスの分解率を示しており、特に塩素数が
大きいものほど加熱温度が350℃のときの分解率が著
しく低下している。つまり、飛灰2の場合、300℃を
越える温度で加熱すると、塩素数の多いダイオキシン類
が増加するという多塩素化反応が起こっており、この反
応は特にPCDFsについて顕著である。 【0011】さらに、加熱後の各飛灰の状態を肉眼およ
び顕微鏡で観察したところ、飛灰1については、いずれ
の加熱温度の場合でも、加熱前の状態と比べて変化がみ
られなかった。これに対し、飛灰2については、加熱温
度が300℃以上の場合、肉眼で観察すると収縮したよ
うに見え、さらに顕微鏡で観察すると飛灰粒子が融着し
た状態になっていた。 【0012】以上の実験結果を総合すると、飛灰2につ
いてのダイオキシン類の多塩素化反応のプロセスは、次
のように考えることができる。まず、飛灰2には、塩化
ナトリウムや塩化カリウムといった塩化物が大半を占め
るベース物質と、PbCl2、ZnCl2 等の低融点物
質と、ダイオキシン類とが共存している。このような組
成の飛灰2を、そのベース物質と低融点物質との共融点
(260℃)以上に加熱すると、局部的に低融点物質の
周囲が融解して融液状態になる。なお、この共融点は飛
灰の組成に依存するものであって、飛灰1gを水100
gに溶解させた水溶液のpHが7付近になる場合には、
共融点も300℃になると推測できる。上記融液中には
ダイオキシン類も共存し、融液中で一部イオン化した塩
素がダイオキシン類に付加し、あるいは水素イオンと置
換することによって、多塩素化反応が起こる。このよう
にして、ダイオキシン類の多塩素化が進むと考えられ
る。 【0013】以上の実験的事実に基づく鋭意研究の結
果、本発明を完成するに至った。 【0014】本発明による飛灰中のダイオキシン類分解
方法は、亜鉛および/または鉛と、これに対し化学当量
以上の塩素とを含むとともに、飛灰1gを100gの水
に溶解させた水溶液のpHが7以下となる産業廃棄物焼
却炉からの飛灰を、不活性ガス雰囲気中において、その
ベース物質と低融点物質との共融点よりも低い温度であ
って、かつダイオキシン類の分解が進む温度、即ち、2
00〜300℃の温度で加熱することにより、多塩素化
によるダイオキシン類の増加を起こすことなく、ダイオ
キシン類の分解を可能にしたものである。 【0015】 【実施例】実施例1 前述の飛灰2(産業廃棄物焼却炉から出た排ガスをバグ
フィルタにより集塵して得られた飛灰)50kgを、電
気加熱炉に投入し、窒素ガス流中で、200℃および2
50℃の各温度で1〜3時間加熱した。その後、電気加
熱炉から飛灰2を取り出してダイオキシン類の分解率を
調べた。結果を、以下の表1に示す。 【0016】 【表1】 表1から明らかなように、200℃および250℃いず
れの加熱温度についてもプラスの分解率、即ち、ダイオ
キシン類の減少を示している。また、加熱時間の増加に
つれて分解率も上昇し、特に250℃の温度で3時間加
熱した場合には、98.9%という極めて良好な結果が
得られた。 【0017】参考例 飛灰2・50kgに消石灰2.5kgを添加し、これら
を良く混合した。得られた混合物1gを100gの水に
溶解させた水溶液のpHを測定したところ、12であっ
た。上記混合物を電気加熱炉に投入し、窒素ガス流中
で、300℃および350℃の各温度で1〜3時間加熱
した。その後、電気加熱炉から飛灰2を取り出してダイ
オキシン類の分解率を調べた。結果を、以下の表2に示
す。 【表2】 表2から明らかなように、300℃および350℃いず
れの加熱温度についてもプラスの分解率、即ち、ダイオ
キシン類の減少を示している。また、加熱時間が1時間
や2時間の場合でも、実施例1の場合と比べて高い分解
率となっており、3時間の場合には分解率99.9%で
あって、ほぼ完全にダイオキシン類が分解されていた。 【0018】 【発明の効果】本発明によれば、従来の方法ではダイオ
キシン類の分解がうまく行なわれなかった産業廃棄物焼
却からの飛灰について、これに含まれるダイオキシン類
の分解を極めて良好に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】都市ごみ焼却炉からの飛灰(飛灰1)および産
業廃棄物焼却炉からの飛灰(飛灰2)の元素分析結果を
示す図である。 【図2】飛灰1および飛灰2のダイオキシン類加熱分解
実験の結果を示す図である。 【図3】飛灰2についてのダイオキシン類加熱分解実験
の結果を、PCDDsの付加塩素数別に示す図である。 【図4】飛灰2についてのダイオキシン類加熱分解実験
の結果を、PCDFsの付加塩素数別に示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A62D 3/00 654 B09B 3/00 ZAB (72)発明者 前田 信広 大阪市住之江区南港北1丁目7番89号 日立造船株式会社内 (72)発明者 中村 紀之 大阪市住之江区南港北1丁目7番89号 日立造船株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−19616(JP,A) 特開 平9−225431(JP,A) 特公 平6−38863(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09B 3/00 A62D 3/00 F23J 1/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 亜鉛および/または鉛と、これに対し化
    学当量以上の塩素とを含むとともに、飛灰1gを100
    gの水に溶解させた水溶液のpHが7以下となる産業廃
    棄物焼却炉からの飛灰を、不活性ガス雰囲気中で200
    〜300℃の温度で加熱することを特徴とする、飛灰中
    のダイオキシン類分解方法。
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