JP3487867B2 - 投与量カウンターを備えたディスペンサ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、作動回数を表示するための作動表示装置を
持つディスペンサに関する。詳細には、本発明は、エア
ゾール容器内に収容された薬剤を患者に投与するのに用
いられる計量投与量吸入器に関する。

気管支拡張剤療法などで、エアゾールに含まれた薬剤
で患者の治療を行うことは周知である。更に、このよう
な療法について、エアゾールに含まれた薬剤を使用し、
エアゾール容器が配置された管状ハウジング又はスリー
ブ及び管状ハウジングの外に延びる出口チューブを持つ
吸入器装置によって、このような薬剤を患者に投与する
ことが周知である。このような吸入器装置で使用される
エアゾール容器は、一端に設けられた出口バルブ部材に
よる作動の度毎に所定の投与量の薬剤を送出するように
設計されている。出口バルブ部材は、容器を動かないよ
うに保持しながらバルブ部材を押すこと又はバルブ部材
を動かないように保持しながら容器を押すことのいずれ
かによって開放できる。このような装置を使用する場合
には、エアゾール容器は、その出口バルブ部材が支持体
を介して出口チューブ、例えばノズル又はマウスピース
と連通した状態で管状ハウジング内に配置される。例え
ば気管支拡張療法で薬剤の分配に使用する場合には、患
者がハウジングを或る程度直立した状態に保持し、吸入
装置のマウスピース又はノズルを患者の口又は鼻に入れ
る。エアゾール容器を支持体に向かって押し、所定の投
与量の薬剤を容器から分配し、その後、患者がこれを吸
入する。

このような周知の装置を使用する場合に生じる一つの
問題点は、患者が容器内の薬剤の量を任意の時期に確認
できないということである。このことは、極端な場合、
重篤な気管支痙攣を起こした患者が薬剤の投与を必要と
した場合に容器が既に空になっていたために投与量を容
器が分配しない場合があるということを意味する。

上述の問題点に対する解決策では、投与量表示装置を
使用することが提案されている。この装置は、代表的に
は、エアゾール容器から送出された投与回数又はエアゾ
ール容器内に残る投与回数を計数し、これによって、患
者は、これから使用するための薬剤が容器内にどれ程残
っているのかを確認できる。代表的には、投与量表示装
置には、容器をハウジングに対して移動させることによ
って作動される割り送り（即ち計数）機構が設けられて
おり、予め設定された相対的移動量により数を進める。

米国特許第4,817,822号には、第１実施例において、
エアゾール容器の突出した部分の端部に投与量表示装置
が取り外し自在に取り付けられたエアゾールディスペン
サが記載されている。投与量カウンターの作動機構は、
エアゾール容器の端部から管状ハウジングの外面に沿っ
て延びるハウジング内に配置されている。

米国特許第4,817,822号には、投与量表示装置の作動
機構がハウジングの隔室内に配置されており、エアゾー
ル容器に取り付けられた作動部材によって作動される、
投与量表示装置を持つディスペンサが記載されている。

WO96/16686には、投与量表示装置の作動機構が電子式
であり、作動部材がハウジングの壁内に組み込んだマイ
クロスイッチからなるエアゾールディスペンサが記載さ
れている。電子式計数機構及びマイクロスイッチは、気
密封止された包囲体内に収容されている。

米国特許第5,482,030号には、エアゾール容器の装着
時にエアゾール容器の出口チューブの近くでハウジング
内に配置されており且つハウジングに連結された機械式
投与量表示装置を持つエアゾールディスペンサが記載さ
れている。

多くの様々な薬品が、様々な大きさの容器本体及び／
又は必要とされる仕様に従ったバルブを必要とするエア
ゾール容器の形態で販売されている。従って、エアゾー
ル容器によって寸法が異なるということは通常のことで
ある。同じ製品の間ですら、製造許容差による寸法のば
らつきがある。

上文中に論じた全ての投与量表示装置に共通の問題点
は、容器本体とハウジングとの間の相対的な移動によっ
て作動される割り送り機構に、例えば様々なエアゾール
容器間の寸法の違いによる容器に対する割り送り機構の
様々な作動前位置を補償するための手段が設けられてい
ないということである。従って、割り送り機構の寸法
を、これらの割り送り機構が使用される製品に従って定
めなければならず、そのため、他の製品と互換性がな
い。更に、割り送り機構が数を正確に記録するために、
任意の特定の装置の構成要素の寸法を、必要とされる高
い許容差に合わせて製造しなければならない。

本発明者は、容器と割り送り機構との様々な相対位置
を補償する連結機構を使用することによってこの問題点
を改善できるということを発見した。この連結機構は、
容器を割り送り機構に連結するように作用する。一つの
特徴では、連結装置は、割り送り機構を容器の休止位置
に連結するように作用する。明らかに関連した別の特徴
では、連結機構は、容器を割り送り機構の開始割り送り
（即ち開始時の数値）位置に連結するように作用する。

本発明の一つの特徴によれば、支持体を持つハウジン
グと、出口を有し、ハウジングに対する移動に応じて、
出口を通して分配を行う、ハウジング内に挿入可能な容
器と、ハウジングに対する容器の休止位置からの移動に
よって作動できる割り送り機構を持つ作動表示器と、割
り送り機構を休止位置に連結するように作用する連結機
構とを有する、ディスペンサが提供される。

適当には、連結機構は、容器が休止位置にあるとき、
割り送り機構を開始割り送り位置に位置決めするように
作用する。

一つの特徴では、連結機構は、容器をハウジングに挿
入したとき、割り送り機構をゼロ位置に位置決めするよ
うに作用する。

別の特徴では、連結機構は、休止位置からの容器の初
期（プライミング）」）移動に応じて、割り送り機構を
ゼロ位置に位置決めするように作用する 本発明の別の特徴によれば、支持体を持つハウジング
と、出口を有し、ハウジングに対する移動に応じて、出
口を通して分配を行う、ハウジング内に挿入可能な容器
と、ハウジングに対する容器の移動によって開始割り送
り位置から作動できる割り送り機構を持つ作動表示器
と、容器を開始割り送り位置に連結するように作用する
連結機構とを有する、ディスペンサが提供される。

連結機構を使用することによって、広範な製造許容差
内で製造されたバルブ及びアクチュエータを持つディス
ペンサで使用でき、様々な寸法で製作された所定範囲の
バルブ及びアクチュエータを装着できる、一つの大きさ
の作動表示器を形成できる。

適当には、割り送り機構は、容器をハウジングに対し
て所定量移動することによって作動できる。

適当には、割り送り機構は、ディスペンサの作動中の
第２部材に対する移動によって駆動される第１部材の所
定の回転移動による作動回数を表示する。適当には、第
２部材は、ディスペンサの作動中、ハウジングに対して
不動のままである。

一つの好ましい特徴では、第１部材は、連結機構を介
してシャフトによって支持されたピニオンを含み、第２
部材はラックを含む。

別の好ましい特徴では、第１部材は、連結機構を介し
て第２部材と係合するヨークを含む。

適当には、連結機構は、摩擦駆動機構を含む。

適当には、容器は、エアゾール容器である 適当には、容器は、計量された投与量を提供する。好
ましくは、作動表示器は、容器から分配された投与量の
回数又は容器内に残る投与量の回数を表示する。

適当には、本発明のディスペンサは、支持体を持つハ
ウジングと、前記支持体との間で相対的な移動が起こら
ないように前記支持体に連結できる出口部材を持つ、前
記出口から分配できるようにするために前記ハウジング
に対して移動自在の容器と、前記ハウジング内に配置で
きる作動表示器とを含む。好ましくは、容器及び作動表
示器は、単一のユニットとしてハウジングから可逆的に
取り外し可能である。

適当には、作動表示器は、出口部材の近くで容器と係
合できる。更に好ましくは、作動表示器は出口部材と係
合可能である。

適当には、作動表示器には、容器のネック部分と係合
可能なグリップ部材が設けられている。好ましくは、ネ
ック部分は出口部材と隣接しているか或いは出口部材に
設けられている。

ハウジングには、出口、更に好ましくはマウスピース
の形態の出口が設けられている。好ましくは、ディスペ
ンサには、分配された投与量が容器から出口に通過する
通路が設けられている。

適当には、ディスペンサは、使用者の吸気に応じて作
動できる吸気作動式吸入器である。

好ましくは、本発明のディスペンサは、容器が取り外
し自在に配置されたハウジングと、このハウジングから
延びる出口と、容器の出口部材を受け入れるように構成
された前記ハウジング内に設けられた支持体と、容器の
内容物が出口まで通過できる通路とを有し、出口部材
は、ハウジングの支持体に動かないように保持されてお
り、容器の本体は、その内容物を計量された投与量で分
配するために出口及びハウジングに対して移動自在であ
り、容器から分配された投与量の回数又は容器内に残る
投与量の回数を表示するための作動表示器を持つ作動表
示装置を更に有する、エアゾールディスペンサである。
更に好ましくは、作動表示装置は、容器及び作動表示装
置をハウジングから単一のユニットとして取り外すこと
ができるように出口部材の近くで容器に密に連結されて
いる。

好ましくは、本発明のディスペンサは、容器が取り外
し自在に配置されたハウジングと、このハウジングから
延びる出口と、容器の出口部材を受け入れるためにハウ
ジング内に形成されており且つ容器の内容物が出口まで
通過できる通路を持つ支持体と、出口部材はハウジング
の支持体に動かないように保持されており、容器本体
は、その内容物を計量された投与量で分配するために出
口及びハウジングに対して移動自在であり、更に窓が設
けられており、この窓を通して作動表示器を見ることが
できる、計量投与量吸入器である。

次に、本発明によるディスペンサを添付図面を参照し
て説明する。

第１図は、エアゾールディスペンサの標準的な吸入装
置の断面図であり、 第２図は、吸入装置のエアゾールディスペンサに装着
された投与量表示装置の断面図であり、 第３図は、第２図の投与量表示装置で使用される計数
機構の斜視図であり、 第４図は、第３図のカウンター機構の作動順序を示す
図であり、 第５図は、吸入装置のハウジングに装着した投与量表
示装置の第２実施形態の横断面図及び縦断面図であり、 第６図は、本発明の第３実施形態による投与量表示装
置の分解図であり、 第７図は、第６図の投与量表示装置をエアゾール容器
及びハウジングとともに示す分解斜視図であり、 第８図は、休止位置の第６図の投与量表示装置を持つ
吸入装置の概略断面図であり、 第９図は、第８図の吸入装置の作動位置での概略断面
図である。

第１図に示す標準的な計量投与量吸入器は、エアゾー
ル容器２を内側に置くことができる管状ハウジング１を
有する。このハウジングは、一端（説明の便宜のため、
下文において、装置の上端と考える）が開放しており、
他端が閉鎖している。ハウジング１の閉鎖端から出口３
が横方向に延びている。図示の実施形態では、出口３
は、患者の口に入れるようになったマウスピースの形態
であるが、所望であれば、患者の外鼻孔に挿入するため
のノズルとして設計されていてもよい。

エアゾール容器２の一端には、出口バルブステム４が
設けられている。このバルブ部材を押して、エアゾール
容器から計量された投与量を解放でき、又は別の態様で
は、バルブステム４を固定し、容器の本体をバルブ部材
に対して移動させることによって投与量を解放できる。

第１図に明瞭に示すように、エアゾール容器２は、ハ
ウジングの開放した上端から一端が突出するようにハウ
ジング１内に配置されている。ハウジングの内側には、
容器２の外面をハウジングの内面から離間された状態に
保持するためのスペーサリブ（図示せず）が設けられて
いるのがよい。ハウジング１の下端には支持体５が設け
られており、この支持体には、エアゾール容器２のバル
ブステム４を配置でき且つ支持できる通路６が設けられ
ている。支持体５に設けられた第２通路７は、出口３の
内部に向かって差し向けられている。かくして、部品が
第１図に示す位置にある場合には、エアゾール容器２の
突出した部分を押して容器をバルブステム４に対して移
動し、バルブを開放し、エアゾールに入った薬剤を通路
７を通して出口３に放出し、患者がこの出口から吸入で
きる。エアゾール容器を一杯に押し込む度毎に１回分の
投与量がエアゾール容器から解放される。

第２図は、第１図の装置と同様であるが、本発明によ
る投与量表示装置が組み込んである装置の下部分を示
す。投与量表示装置の本体８は、グリップ10が形成され
た管状部分９によってエアゾール容器に密に取り付けら
れている。管状部分９は、リップ10の形態のグリップが
バルブフェルール11のネック12の周囲と係合するとき、
バルブフェルール11の周囲としっかりと係合する。これ
は、組み立て中、バルブフェルール11をエアゾール容器
２にクリンプ止めするときに形成される。かくして、管
状部分９及びリップ10がエアゾール容器に対して密な連
結部を形成する。この連結部は、管状部分９をバルブフ
ェルール11に押し付けることによってひとたび組み立て
られると、容易には外すことができない。

管状部分９の下方の本体８の部分は、カウンター機構
13及び駆動ピニオン14を取り付けるためのクレードル22
を形成する。駆動ピニオン14は、カウンター機構駆動シ
ャフト15に摩擦取り付けされている。駆動ピニオン14に
は、多数の歯又はペグ21が形成されており、これらの歯
又はペグ21は、ハウジング１の内側に成形された、ハウ
ジング１のベースからバルブステム４と平行に延びるラ
ック形態のポスト17に形成された多数の凹所即ち溝と係
合できる。

第３図及び第４図に示すように、駆動シャフト15は、
カウンター機構13の駆動ヨーク16に連結されている。駆
動ヨーク16は、星型ホイール19の両側に間隔が隔てられ
た二つの切り換えラッチ18a及び18bを有し、駆動ヨーク
16は、切り換えラッチ18aが星型ホイール19の一方の側
部と係合した第4b図に示す第１位置と、切り換えラッチ
18bが星型ホイール19の他方の側部と係合した第4d図に
示す第２位置との間で、駆動シャフト15の軸線を中心と
して傾斜できる。星型ホイール19は、欧州特許第028010
4号の第１図乃至第３図の参照番号２乃至８を参照して
説明されているのと同様の機構を介して、３枚の数字ホ
イール33に連結されている。これらの数字ホイールの周
面には、以下に説明するように、数字が印刷してある。
ハウジング１内に配置するとき、カウンター機構13は、
エアゾールが通路７から出る際にエアゾールの行路の邪
魔にならないように支持体５の側方及び後方に配置する
のに十分小さい。

エアゾール容器２は、この容器に予め組み込んだ投与
量表示装置とともに患者に提供できる。別の態様では、
第２図に示す位置に配置された投与量表示装置とともに
ハウジング１を患者に提供でき、エアゾール容器２を別
に提供する。この場合、患者は、バルブステムが最初に
ハウジング１に入るようにエアゾール容器２をハウジン
グに挿入するように指示される。最初に容器をハウジン
グに挿入するとき、投与量表示装置の管状部分９及びリ
ップ10は、リップ10がネック12の周りにスナップ嵌めす
るまで、エアゾール容器２のバルブフェルール11の周囲
に載る。その後、投与量表示装置をエアゾール容器２に
取り付ける。

投与量表示装置を容器に取り付ける他の手段には、接
着剤取り付け、溶接したシュリンクスリーブ、熱成形、
クリンプ加工、超音波溶接、及び投与量表示装置の取り
付け部材に設けられた返しによって固定的に穿刺可能な
Ｏ−リングエラストマーを容器に設けることが含まれる
と考えられる。

装置を作動するため、エアゾール容器の突出した部分
を、第１図を参照して説明したように押し込む。投与量
表示機構を備えたエアゾール容器がハウジング１内で移
動するとき、駆動ピニオン14はポスト17との係合により
回転を開始し、駆動シャフト15及び駆動ヨーク16を回転
させる。駆動ヨーク16が駆動シャフト15の回転に従って
傾斜するに従って切り換えラッチ18aが移動し、星型ホ
イール19と係合し（第4a図参照）、切り換えラッチ18a
がこの方向でこれ以上移動できなくなるまで、星形ホイ
ールを反時計廻り方向に半歯ピッチの一回転増分だけ回
転させる。切り換えラッチは、星型ホイールの二つの隣
接した歯の間に位置決めされる（第4b図参照）。この時
点で、駆動シャフト15はこれ以上移動できなくなり、エ
アゾール容器をハウジング１内にこれ以上移動させる
と、ピニオン14と駆動シャフト15との間が摩擦連結され
ているため、駆動ピニオン14がポスト17との係合するこ
とにより回転し続ける。

バルブステム４がその一杯に押し込まれた位置に達
し、計量された投与量の薬剤がエアゾール容器から放出
されたとき、エアゾール容器をその元の位置に戻すこと
ができる。エアゾール容器及び投与量表示機構がそれら
の元の位置に戻ると、駆動ピニオン14は駆動シャフト15
及び駆動ヨーク16とともに反対方向に回転し始める。か
くして、駆動ヨーク16が傾斜し、これにより、切り換え
ラッチ18aが移動して星型ホイール19と係合した状態か
ら外れると同時に切り換えラッチ18bが移動して星型ホ
イールと係合し（第4c図参照）、切り換えラッチ18bが
この方向でこれ以上移動できなくなる（第4d図参照）ま
で、星型ホイールを反時計廻り方向に半歯ピッチの一回
転増分だけ回転させる。この場合も、駆動シャフト15
は、この時点でこれ以上回転できなくなり、エアゾール
容器をハウジング１の外に移動させる場合には、駆動ピ
ニオン14が駆動シャフト15に摩擦連結されているため、
駆動ピニオン14がポスト17との係合により回転し続け
る。このようにして、摩擦連結が空動き連結として作用
し、作動中のバルブステムの移動長さが様々なバルブを
持つエアゾール容器で投与量表示装置を使用できるとい
うことがわかる。

エアゾールディスペンサを作動する度毎に、星型ホイ
ールが、上文中に説明したように、反時計廻り方向に２
移動増分だけ回転する。これらの移動は、カウンター機
構を介して数字ホイール33の適当な移動に変換され、数
字ホイールの印刷された周面の各々の一つの数字が、ハ
ウジング１の後側に設けられた窓20を通して明らかに見
え（第２図に示すように）、薬剤の更なる投与量が分配
されたことを表示する。数字ホイール33を３枚設けるこ
とによって、投与量カウンターを数百回の投与量を計数
するのに使用できる。明らかに、ディスペンサ内に100
回以下の量しか収容されていない場合には、投与量カウ
ンターはこれよりも少数の数字ホイールからなるのがよ
い。別の態様では、一千回それ以上の投与量が収容され
ている場合には、一つ又はそれ以上の追加の数字ホイー
ルを追加するのがよい。

クリーニングを行うためにエアゾール容器２をハウジ
ングから取り外す場合には、エアゾール容器２は、ハウ
ジング１から通常の方法で引き出すことができる。容器
を引き出すとき、駆動ピニオン14と駆動シャフト15との
間が摩擦連結されているため、カウンター機構を更に割
り送りすることなく、駆動ピニオンをポスト17と係合し
た状態から外すのに必要な移動を行うことができる。ひ
とたび取り外されると、投与量表示装置と干渉したりこ
れを損傷したりするおそれなしに、ハウジング１を上文
中に説明したようにクリーニングできる。この際投与量
表示装置は、エアゾール容器２にしっかりと連結された
ままである。

ハウジング１が清浄になったとき、投与量表示装置を
備えたエアゾール容器２をハウジング１に再挿入でき
る。挿入中、駆動ピニオン14がポスト17と係合し、回転
を開始し、バルブステム４が支持体５内に配置されたエ
アゾール容器の通常の休止位置に達するまで回転し続け
る。駆動ピニオン14が回転するとき、摩擦連結は、上文
中に説明したように、空動き機構として作用し、エアゾ
ール容器が、駆動ピニオン14とポスト17との最初の係合
とバルブステム４が支持体５内にある位置との間で移動
できるようにする。このようにして、摩擦連結は、フェ
ルールから突出したバルブステムの様々な長さを自動的
に吸収し補償する。この様々な長さは、本発明以外の方
法では、割り送り機構に対する容器の相対的開始位置を
変化させてしまう。

第５図は、本発明によるエアゾールディスペンサで使
用できる変形例の空動き連結機構を示す。この実施形態
では、駆動ヨーク16には、二つの弾性アーム30がピニオ
ンの代わりに形成されており、これらのアーム間でポス
ト17が把持係合されている（第5a図参照）。ポスト17の
表面（図示せず）にはリブが形成されており、これらの
リブは、加えられた荷重が摩擦に打ち勝つまでアーム30
がポスト17を把持するようにアーム30とポスト17との間
で必要な所定連結の摩擦を発生する粗い表面仕上げを提
供する。

装置の作動時にエアゾール容器及び投与量表示機構を
移動させると、アーム30とポスト17との間が摩擦係合し
ているため、駆動ヨーク16がシャフト15（第５図には示
さず）の軸線を中心として傾斜し、その結果、切り換え
ラッチ18aが移動し、第１実施形態に関して上文中に論
じたように、星型ホイール19と係合する。切り換えラッ
チ18aがその移動限度に達したとき、駆動ヨーク16はこ
れ以上移動することができず、エアゾール容器をハウジ
ング１内にこれ以上移動させると、アーム30が、摩擦連
結により、ポスト17を下方に摺動する。その元の位置に
戻すとき、駆動ヨーク16は、切り換えラッチ18bが移動
して星型ホイール19と係合し、これ以上移動できなくな
るまで他方の方向に傾斜する。エアゾール容器をこれ以
上移動し、ハウジング１から外すと、アーム30がポスト
17を上方に摺動する。

第６図乃至第９図は、本発明による電気機械的投与量
表示装置を装着した吸入器を示す。この投与量表示装置
は、上文中に論じた機械式の実施形態と同様に、グリッ
プを備えて形成された管状部分41によってエアゾール容
器にしっかりと取り付けられている。管状部分41は、リ
ップ形態のグリップがバルブフェルール11のネック12の
周囲と係合するとき、バルブフェルール11の周囲と密に
係合する。かくして、管状部分41及びリップは、エアゾ
ール容器に対して密な連結部を形成し、この連結部は、
管状部分41をバルブフェルール11に押し付けることによ
ってひとたび組み立てられると、容易には外すことがで
きない。

管状部分41の下方の本体40の部分は、カウンター機構
43を取り付けるためのクレードル22を形成し、スイッチ
スライド44を収容するためのチャンバを画成する。スイ
ッチスライド44は、シリコーンゴム製の円筒形ワッシャ
であり、缶及び投与量表示装置がアクチュエータハウジ
ング内に取り付けられた状態で、ハウジングに形成され
ており且つ本体40の穴を通って突出したピン45に摩擦嵌
めする直径のボアを有する。スイッチスライド44は、ピ
ン45に摩擦嵌めされているため、押されない限り、ピン
に沿って移動することがない。二つの接点部材46、47
は、両方とも、スイッチ接点及び回路基板接点を有し、
一方が電池接点を有する。これらの接点部材は、電池接
点及び回路基板接点が、電池48の第１端子及びプリント
回路基板（PCB）49の夫々と常に接触するように取り付
けられている。スイッチ接点は互いに接触していない
が、ピン45の両側に位置決めされており、チャンバ内で
のスイッチスライド44の移動の上限を構成する。かくし
て、スイッチスライド44は、第９図に示すその上位置に
あるとき、両スイッチ接点を接触させ、スイッチスライ
ドのシリコーンゴムの導電性により、これらの接点間の
回路を閉じる。ここに説明した実施形態ではスイッチス
ライドはシリコーンゴム製であるが、別の態様におい
て、金属又は何らかの導電体で形成された挿入体がその
上面に設けられた非導電性のゴムで形成してもよいとい
うことは理解されよう。

PCB49は、接点部材46、47に接続されている他、電池
の他方の端子及び３つの数字液晶ディスプレー（LCD）5
0に従来の方法で接続されている。PCBは、以下に更に詳
細に論じたように投与量表示器を検査でき、プログラム
でき、作動状態にできる論理を提供する特定用途用集積
回路（ASIC）を含む。スイッチ接触回路を何回閉じたの
かの記録を保持するため、エアゾール容器内に残る投与
回数をLCDに表示する。かくして、ASICは、周知の方法
に従って設計されており且つプログラムされている。

デジタルディスプレーの代わりに、LCDを等価の表示
をディスプレーするように別の態様でフォーマットでき
る。エアゾール容器をアクチュエータハウジングに取り
付けると、窓20を通してLCD50が見える。第７図に示す
実施形態では、LCD及び窓は、ハウジングの後側に配置
してあるが、ハウジングの前側又は別の部分に配置して
もよい。

カウンター機構43は、噴出する際のエアゾールの邪魔
にならないように、ハウジングに成形されたステムブロ
ック（支持体５）の側方及び後方に配置するのに十分小
さい。

装置を作動するため、アクチュエータハウジングに装
着された場合のエアゾール容器の突出した部分を上文中
に説明したように押し込む。投与量表示機構を備えたエ
アゾール容器がハウジング内でその休止位置（第８図参
照）から移動するとき、スイッチスライド44を収容した
チャンバは、ピン45に取り付けられたスイッチスライド
44の上面がスイッチ接点46、47に当ってスイッチ回路を
閉じるまで、下方に移動する。これにより、ASICはLCD5
0が表示する数値を減少する。エアゾール容器を移動し
続けると、スイッチスライドがピンに摩擦嵌めしている
ため、バルブステムがその移動限度に達してこれ以上移
動しなくなる（第９図参照）まで、スイッチスライド44
をピン45に沿って下方に押すとき、薬剤の計量された投
与量がバルブから放出される。このようにして、スイッ
チスライド44がピン45に摩擦嵌めされているため、バル
ブステムはスイッチ回路を閉じた後に大きく移動でき、
そのため、空動き連結体として作用する。次いで、エア
ゾール容器をハウジング内でその元の位置に戻すことが
でき、戻るとき、スイッチスライド44を収容するチャン
バが上方に移動し、スイッチ接点46、47がスイッチスラ
イド44から遠ざかるように移動し、スイッチ回路を開
く。次いで、本体40がスイッチスライド44の下面に当
り、スイッチスライドは、バルブステムがその休止位置
（第８図参照）に戻るまでピン45に沿って引上げられ
る。

投与量表示装置が、送出されるべき異なる投与回数分
を収容した様々な大きさのエアゾール容器と関連して使
用する上で適しているように設計されているため、ASIC
は投与量表示装置を組み込んだエアゾール容器の大きさ
に従って工場で設定されるように設計されている。投与
量表示装置を組み立て、最初に電池を接続するとき、AS
ICは自動試験モードに入る。この後、スイッチを付勢す
ることによってプログラムモードに入り、適当な投与回
数（例えば200回、120回、80回、又は60回）から数が減
少するように数える即ちカウントダウンするようにプロ
グラムできる。これは、パッケージングラインで自動的
に行うことができる。プログラム後、ASICは計数モード
に入る。このモードでは、LCDは、スイッチ接点回路が
閉じると数値を減少する。表示がゼロに達すると、ASIC
は、数値を減少する計数をこれ以上行わないように設計
されている。スイッチの「跳ね上がり」による偽りの読
みが起こらないようにするため、ASICは、スイッチ回路
が所定長さの時間にわたって閉じられた後にだけ、数値
を減少する計数を行うように周知の方法で設計されてい
るのがよい。エアゾール容器が作動後に作動位置で動か
なくなった場合やスイッチ回路が機械的損傷や汚染によ
って閉じたまま動かなくなった場合には、ASICは、LCD
を消し、使用者に問題が生じたことを警告する。

上文中に説明した本発明の他の実施形態と同様に、エ
アゾール容器はアクチュエータハウジングから通常の方
法で引き出すことができる。容器を引き出すとき、本体
40は、スイッチスライドをピン45に沿ってこのピンから
完全に外れるまで引き上げる。ひとたび取り外される
と、ハウジングのクリーニングを投与量表示装置と干渉
したりこれを損傷したりすることなく行うことができ、
投与量表示装置はエアゾール容器にしっかりと連結され
たままである。

夫々の形状のため投与量表示装置の本体がハウジング
に関して正しく配向されている場合にのみ行うことがで
きるエアゾール容器の再挿入中、スイッチスライド44は
ピン45と係合し、上面がスイッチ接点に当たるまでこの
ピンによって押し上げられる。エアゾール容器を更に深
く挿入すると、スイッチスライド44は、バルブステムが
支持体５内に着座するまで、ピン45に沿って押出し下げ
られる。

ASICのプログラムにより、一つの設計の投与量表示装
置を様々な容量の多くのエアゾール容器と関連して使用
できるということは理解されよう。スイッチ機構によ
り、バルブステムの長さが異なりステム移動仕様が異な
る多くの異なるバルブと関連して同じ設計の投与量表示
装置を使用できる。

本発明を患者が手動操作で作動できる計量投与量吸入
器に関して詳細に説明したが、他の作動機構に代えても
よいということは理解されよう。詳細には、患者の吸気
により作動が補助され、吸気に応じて作動が行われ、好
ましくは吸気によって作動がトリガーされる呼吸作動式
吸入器が考えられる。

本発明のディスペンサは、薬剤、特に呼吸器系疾患の
治療用の薬剤を放出するのに適している。かくして、適
当な薬剤は、例えば、コデイン、ジヒドロモルヒネ、エ
ルゴタミン、フェンタニール、又はモルヒネ等の鎮痛
剤、ジルチアゼム等の狭心症の薬剤、クロモグリケー
ト、ケトティフェン、又はネドクロミル等の抗アレルギ
ー剤、セファロスポリン、ペニシリン、ストレプトマイ
シン、スルホナミド、テトラサイクリン、及びペンタミ
ジン等の抗感染剤、メタピリレン等の抗ヒスタミン剤、
ジプロピオン酸ベクロメタゾン、プロピオン酸フルチカ
ゾン、フルニソリド、ブデソニド、ロフレポニド、フロ
ン酸モメタゾン、又はトリアムシノロン・アセトニド等
の抗炎症剤、ノスカピン等の鎮咳剤、アルブテロール、
サルメテロール、エフェドリン、アドレナリン、フェノ
テロール、ホルモテロール、イソプレナリン、メタプロ
テレノール、フェニレフリン、フェニルプロパノラミ
ン、ピルブテロール、レプロテロール、リミテロール、
テルブタリン、イソエタリン、ツロブテロール、又は
（−）−４−アミノ−3,5−ジクロロ−α−〔〔〔６−
〔２−（２−ピリジニル）エトキシ〕ヘキシル〕メチ
ル〕ベンゼンメタノール等の気管支拡張剤、アミロリド
等の利尿剤、イプラトピウム、チオトロピウム、アトロ
ピン、又はオキシトロピウム等の抗コリン作用剤、コル
チゾン、ヒドロコルチゾン、又はプレドニソロン等のホ
ルモン、アミノフィリン、コリン・テオフィリネート、
リシン・テオフィリネート、又はテオフィリン等のキサ
ンチン、インシュリン又はグルカゴン等の治療用蛋白質
及びペプチドから選択できる。適当な場合には、薬剤
は、薬効及び／又は安定性を最適化するため、塩（例え
ばアルカリ金属又はアミン塩として、又は酸添加塩とし
て）の形態で、又はエステル（例えば低アルカリエステ
ル）として、又は溶媒化合物（例えば水和物）として使
用できるということは当業者には明らかであろう。

好ましい薬剤は、アルブテロール、サルメテロール、
プロピオン酸フルカチゾン、ジプロピオン酸ベクロメタ
ゾン、及びこれらの塩又は溶媒化合物、例えばアルブテ
ロールの硫酸塩やサルメテロールのキシナフォエート等
から選択される。

更に、薬剤は、組み合わせて送出できる。有効成分の
組み合わせを含む好ましい配合は、サルブタモル（例え
ば自由基又は硫酸塩）又はサルメテロール（例えばキシ
ナフォエート塩）を、ベクロメタゾンエステル（例えば
ジプロピオン酸ベクロメタゾン）又はフルカチゾンエス
テル（例えばプロピオン酸フルカチゾン）等の抗炎症ス
テロイドと組み合わせて含む。

本開示は、単に例示の目的でなされたものであって、
本発明は、その変形、変更、及び改善を含むということ
は理解されよう。

以上の説明及び請求の範囲を含む本出願は、本願以降
の出願に関して優先権の基礎として使用できる。このよ
うな本願以降の出願の請求の範囲は、その出願に記載さ
れた特徴のうちの任意の特徴又はこれらの特徴の組み合
わせに関する。発明の特徴は、製品、方法、又は使用の
請求の範囲の形態をとることができ、以下の請求の範囲
のうちの一つ又はそれ以上を例として、及び限定を伴わ
ずに含むことができる。

フロントページの続き (72)発明者 ジェイムズ、ウィリアム、ゴッドフリー イギリス国ハートフォードシャー、ウェ ア、パーク、ロード グラクソ、ウェル カム、ピーエルシー内 (56)参考文献 特開 平３−21250（ＪＰ，Ａ) 実開 平６−26891（ＪＰ，Ｕ) 実開 平４−50059（ＪＰ，Ｕ) 特表 平３−501225（ＪＰ，Ａ) 特表 昭62−500361（ＪＰ，Ａ) 西独国実用新案公開8602238（ＤＥ, Ａ) 米国特許5482030（ＵＳ，Ａ) 米国特許5263475（ＵＳ，Ａ) 国際公開93／24167（ＷＯ，Ａ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61M 15/00 A61M 11/00

Claims (13)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】支持体を持つハウジングと、 出口を有し、前記ハウジングに対する移動に応じて、前
   記出口を通して分配を行う、前記ハウジング内に挿入可
   能な容器と、 前記ハウジングに対する容器の休止位置からの移動によ
   って作動できる計数機構を持つ作動表示器と、 前記計数機構を前記容器に前記休止位置のところで連結
   するように作用する連結機構とを有する、ディスペン
   サ。
2. 【請求項２】前記連結機構は、前記容器が前記休止位置
   にあるとき、前記計数機構を開始計数位置に位置決めす
   るように作用する、請求項１に記載のディスペンサ。
3. 【請求項３】前記連結機構は、前記容器を前記ハウジン
   グに挿入したとき、前記計数機構を計数ゼロ位置に位置
   決めするように作用する、請求項１又は２に記載のディ
   スペンサ。
4. 【請求項４】前記連結機構は、前記休止位置からの前記
   容器の初期移動に応じて、前記計数機構を計数ゼロ位置
   に位置決めするように作用する、請求項１又は２に記載
   のディスペンサ。
5. 【請求項５】支持体を持つハウジングと、 出口を有し、前記ハウジングに対する移動に応じて、前
   記出口を通して分配を行う、前記ハウジング内に挿入可
   能な容器と、 前記ハウジングに対する容器の移動によって開始計数位
   置から作動できる計数機構を持つ作動表示器と、 前記容器を前記計数機構に前記開始計数位置のところで
   連結するように作用する連結機構とを有する、ディスペ
   ンサ。
6. 【請求項６】前記計数機構は、前記ディスペンサの作動
   中の第２部材に対する移動によって駆動される第１部材
   の所定の回転移動による作動回数を表示する、請求項１
   乃至５のうちのいずれか一項に記載のディスペンサ。
7. 【請求項７】前記第２部材は、前記ディスペンサの作動
   中、前記ハウジングに対して不動のままである、請求項
   ６に記載のディスペンサ。
8. 【請求項８】前記第１部材は、前記連結機構を介してシ
   ャフトによって支持されたピニオンを含み、前記第２部
   材はラックを含む、請求項６又は７に記載のディスペン
   サ。
9. 【請求項９】前記第１部材は、前記連結機構を介して前
   記第２部材と係合するヨークを含む、請求項６又は７に
   記載のディスペンサ。
10. 【請求項１０】前記容器は、エアゾール容器である、請
    求項１乃至９のうちのいずれか一項に記載のディスペン
    サ。
11. 【請求項１１】前記容器は、計量された投与量を提供す
    る、請求項１乃至10のうちのいずれか一項に記載のディ
    スペンサ。
12. 【請求項１２】前記作動表示器は、前記容器から分配さ
    れた投与量の回数又は容器内に残る投与量の回数を表示
    する、請求項11に記載のディスペンサ。
13. 【請求項１３】使用者の吸気に応じて作動できる、請求
    項１乃至12のうちのいずれか一項に記載のディスペン
    サ。