JP3469847B2 - 窒化物系半導体素子およびその製造方法 - Google Patents
窒化物系半導体素子およびその製造方法Info
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Description
体(以下、窒化物系半導体と呼ぶ)を用いた発光ダイオ
ード素子、半導体レーザ素子、受光素子、トランジスタ
等の半導体素子に関する。
た半導体素子の研究開発が進められいる。
の例を示す模式的な断面図である。図15に示すよう
に、半導体レーザ素子は、サファイア基板81上にバッ
ファ層82、アンドープGaN層83、n−GaNコン
タクト層84、n−AlGaNクラッド層85、n−G
aN光ガイド層86、発光層87、p−GaN光ガイド
層88が順に形成されてなる。p−GaN光ガイド層8
8の所定幅の領域上にリッジ状にp−AlGaNクラッ
ド層89が形成されており、このリッジ状のp−AlG
aNクラッド層89の側面に電流狭窄層91が形成され
ている。さらに、p−AlGaNクラッド層89の上面
および電流狭窄層91上にp−GaNコンタクト層90
が形成されている。p−GaNコンタクト層90からn
−GaNコンタクト層84までの一部領域が除去されて
n−GaNコンタクト層84が露出し、メサ形状が形成
されている。露出したn−GaNコンタクト層84の所
定領域上にn電極93が形成され、p−GaNコンタク
ト層90の所定領域上にp電極92が形成されている。
発光層87で発生した光の閉じ込めを効果的に行うた
め、および良好な垂直方向の遠視野像を得るためには、
n−AlGaNクラッド層85とn−GaN光ガイド層
86との屈折率の差を大きくするか、またはn−AlG
aNクラッド層85の厚さを大きくする必要がある。
ド層85とn−GaN光ガイド層86との屈折率の差を
大きくする方法として、n−AlGaNクラッド層85
のAl組成を大きくすることが考えられる。しかしなが
ら、n−AlGaNクラッド層85のAl組成を大きく
すると、n−AlGaNクラッド層85においてクラッ
クが発生しやすくなる。このため、n−AlGaNクラ
ッド層85においてAl組成を大きくすることは困難で
ある。また、n−AlGaNクラッド層85の厚さを大
きくすると、n−AlGaNクラッド層85においてク
ラックが発生しやすくなる。このため、n−AlGaN
クラッド層85の膜厚を大きくすることは困難である。
特に300nmよりも波長の短い紫外線領域の光に対し
て高い感度を有する受光素子においては、受光部のAl
GaN層のAl組成および膜厚を大きくする必要があ
る。
高く膜厚の大きなAlGaN層においてはクラックが発
生しやすいため、受光部のAlGaN層のAl組成およ
び膜厚を大きくすることは困難である。このため、短波
長の光に対して高い感度を有する受光素子の実現は困難
である。
れかつ素子特性の向上が図られた窒化物系半導体素子お
よびその製造方法を提供することである。
に係る窒化物系半導体素子は、基板上に、単結晶の窒化
物系半導体からなり第1の格子定数を有する第1の層
と、単結晶の窒化物系半導体からなる能動素子領域とが
この順で形成された窒化物系半導体素子であって、第1
の層と能動素子領域との間に、第1の格子定数よりも小
さな第2の格子定数を有し少なくとも一部が非単結晶の
窒化物系半導体からなる第2の層が形成されたものであ
る。
動素子領域とは、例えば発光体ダイオード素子や半導体
レーザ素子の発光層や活性層、導波路素子のコア層、P
INフォトダイオードのI層、フォトダイオードやHB
T(ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)のpn接合部
分、FET(電界効果型トランジスタ)のチャネル部分
等に相当する。
は、第1の層よりも小さな格子定数を有する第2の層の
少なくとも一部が非単結晶状態の窒化物系半導体からな
る。このような第2の層においては、第1の層との格子
定数の差により発生する歪みが緩和されるので、第2の
層においてはクラックの発生が防止される。
においては、第2の層におけるクラックの発生を防止す
ることが可能となるため、第2の層上に形成された能動
素子領域において良好な結晶性が実現できる。したがっ
て、このような窒化物系半導体素子においては、素子特
性の向上が図られる。
さな第3の格子定数を有する層を1または複数含んでも
よい。
て第1の層上に形成されているため、第1の層よりも小
さな格子定数を有する能動素子領域内の層においては、
第2の層により、第1の層との格子定数の差により発生
する歪みが緩和される。それにより、第1の層よりも小
さな格子定数を有する能動素子領域内の層においては、
クラックの発生が防止される。
らなる島状またはストライプ状の非単結晶層と、単結晶
の窒化物系半導体からなる単結晶層とを含み、単結晶層
間または単結晶層内に非単結晶層が分散配置された構造
を有してもよい。このような非単結晶層を含む第2の層
においては、非単結晶層により、第1の層との格子定数
との差により発生する歪みが緩和される。したがって、
第2の層においてはクラックの発生が防止される。
ンドギャップを有する層を1または複数含んでもよい。
1)からなってもよい。また、第1の層はGaNからな
ってもよい。この場合、AlX Ga1-X Nからなる第2
のは、GaNからなる第1の層よりも小さな格子定数を
有する。
された第2の層は、少なくとも一部が非単結晶状態のA
lX Ga1-X Nから構成されている。このため、第2の
層においては、第1の層との格子定数の差により発生す
る歪みが緩和される。それにより、GaNからなる第1
の層上に形成されたAlX Ga1-X Nからなる第の層に
おいて、クラックの発生を防止することが可能となる。
の発生が防止されることから、第2の層の膜厚およびA
l組成を大きくすることが可能となる。
の場合、クラッド層におけるクラックの発生を防止する
ことが可能となり、半導体素子を構成する層において良
好な結晶性が実現される。
AlGaNからなるクラッド層を有する窒化物系半導体
素子においては、クラッド層の膜厚およびAl組成を大
きくするとともにクラッド層におけるクラックの発生を
防止することが可能となる。それにより、窒化物系半導
体素子において、素子特性の向上を図ることが可能とな
る。
法は、基板上に、単結晶の窒化物系半導体からなり第1
の格子定数を有する第1の層を形成する工程と、第1の
層上に、第1の格子定数よりも小さな第2の格子定数を
有し少なくとも一部が非単結晶の窒化物系半導体からな
る第2の層を形成する工程と、第2の層上に単結晶の窒
化物系半導体からなる能動素子領域を形成する工程とを
含むものである。
法においては、第1の層上に、少なくとも一部が非単結
晶状態の窒化物系半導体からなる第2の層を形成する。
な格子定数を有するが、第2の層は少なくとも一部が非
単結晶状態の窒化物系半導体からなるため、第2の層に
おいては第1の層との格子定数の差により発生する歪み
が緩和される。それにより、第2の層においてクラック
の発生が防止される。
の製造方法によれば、第2の層におけるクラックの発生
を防止することが可能となるため、第2の層上に形成さ
れた能動素子領域において良好な結晶性が実現できる。
したがって、製造された窒化物系半導体素子において
は、素子特性の向上が図られる。
態となる成長温度で成長させてもよい。この場合、第2
の層の成長温度を低くすることにより、非単結晶状態の
窒化物系半導体からなる第2の層を容易に形成すること
ができる。したがって、この方法によれば、第2の層に
おけるクラックの発生を容易に防止することができる。
導体素子として、半導体レーザ素子について説明する。
体レーザ素子を示す模式的な斜視図である。図1の半導
体レーザ素子100は、以下のようにして作製される。
ず、図2(a)に示すように、サファイア(0001)
面基板1上に、バッファ層2、アンドープGaN層3、
n−GaNコンタクト層4、n−AlGaN第2クラッ
ド層5、n−GaN第1クラッド層6、多重量子井戸
(MQW)構造を有するMQW発光層7、p−GaN第
1クラッド層8、p−AlGaN第2クラッド層9およ
びp−GaNキャップ層10を順に成長させる。なお、
各層2〜10の組成、膜厚および成長時の基板温度は表
1に示す通りである。
法(有機金属化学的気相成長法)により成長させる。こ
の場合、原料ガスとして、トリメチルアルミニウム(T
MAl)、トリメチルガリウム(TMGa)、トリメチ
ルインジウム(TMIn)、NH3 、シランガス(Si
H4 )、シクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2M
G)を用いる。ここでは、n型ドーパントとしてSiを
用いており、p型ドーパントとしてMgを用いている。
n−Al0.3 Ga0.7 Nを600℃と低い基板温度で成
長させてn−AlGaN第2クラッド層5を形成する。
このように成長時の基板温度を低くすることにより、非
単結晶状態のn−Al0.3 Ga0.7 Nが成長する。した
がって、形成されたn−AlGaN第2クラッド層5
は、全体が非単結晶状態のn−Al0.3 Ga0.7 Nから
構成される。
0.7 Nから構成されるn−AlGaNクラッド層5にお
いては、Al組成を0.3と大きくかつ膜厚を1μmと
大きくしても、後述する製造工程においてクラックが発
生しない。
第2クラッド層5以外の各層2〜4,6〜10は、全体
が単結晶状態の窒化物系半導体から構成される。
2クラッド層5の成長時の基板温度を600℃としてい
るが、n−AlGaN第2クラッド層5の成長時の基板
温度は600℃に限定されるものではない。n−AlG
aN第2クラッド層5の成長時の基板温度は、非単結晶
状態のAlGaNが成長する温度、すなわち500〜7
00℃の範囲内であればよい。
結晶状態またはアモルファス状態のことである。なお、
多結晶状態とは、結晶の〈0001〉方向が揃っていな
い部分が存在する結晶状態のことである。これに対し
て、単結晶状態とは、結晶の〈0001〉方向がほぼ揃
っている結晶状態のことである。
のGaN障壁層と膜厚4nm程度のIn0.15Ga0.85N
井戸層とが交互に積層されてなる。この場合、GaN障
壁層は5層であり、In0.15Ga0.85N井戸層は4層で
ある。
aNキャップ層10の全面に、例えばECR(電子サイ
クロトロン共鳴)プラズマCVD法により、厚さ0.2
μm程度のSi3 N4 等のシリコン窒化物からなる電流
狭窄層13を形成する。次に、フォトリソグラフィおよ
びBHF(緩衝フッ酸)によるウェットエッチングで、
幅2μm程度のストライプ状の領域のシリコン窒化物を
除去し、p−GaNキャップ層10を露出させる。それ
により、ストライプ状の電流通路12が形成される。
6Torrの減圧MOVPE法により、電流狭窄層13
上およびストライプ状開口部内のp−GaNキャップ層
10上に厚さ3〜5μmのp−GaNからなるp−Ga
Nコンタクト層11を形成する。この際、p−GaNキ
ャップ層10の露出した部分に選択的にp−GaNが成
長するように、成長条件を適切に調整する。例えば、基
板温度を約100℃上昇させ、NH3 の量を約3倍に増
加させる。
aNキャップ層10の露出した部分にp−GaNが成長
し、電流通路12にあたる部分が形成される。一方、電
流狭窄層13上にはp−GaNは結晶成長しない。引続
き結晶成長を継続すると、p−GaNが電流通路12上
に成長するとともに、電流通路12上に成長したp−G
aNの側面から横方向に結晶成長が開始し、電流狭窄層
13上にp−GaNからなるp−GaNコンタクト層1
1が形成される。例えば、電流通路12にあたる部分を
中心として幅約8μmでp−GaNコンタクト層11が
形成される。
−GaNコンタクト層11とは幅2μm程度のストライ
プ状の電流通路12で接続され、p−GaNキャップ層
10とp−GaNコンタクト層11との間に、電流通路
12の部分を除いて、厚さ0.2μm程度のSi3 N4
からなる電流狭窄層13が形成される。
スクおよびEB(電子ビーム)蒸着法を用いて、p−G
aNコンタクト層11を含む領域に、例えば幅10μm
程度のストライプ形状で厚さ3〜5μmのNi膜を蒸着
する。このNi膜をマスクとして用い、例えばCF4 を
エッチングガスとして用い、反応性イオンエッチング
(RIE)法により、n−GaNコンタクト層4が露出
するまでp−GaNコンタクト層11からn−GaNコ
ンタクト層4までをメサ状にエッチングする。その後、
マスクとして用いたNi膜を塩酸等を用いて除去する。
N4 等の絶縁膜16をECRプラズマCVD法、フォト
リソグラフィおよびエッチングによりp−GaNコンタ
クト層11からn−コンタクト層4までの側面および電
極形成領域を除いたn−GaNコンタクト層4の上面に
形成する。そして、n−GaNコンタクト層4の露出し
た表面上に、例えばAu/Tiからなるn電極15を形
成し、p−GaNコンタクト層11上にAu/Pdから
なるp電極14を形成する。
状の電流通路12に沿った方向に共振器長300μmの
共振器構造を形成する。それにより、図1の構造を有す
る半導体レーザ素子100が形成される。
面にSi3 N4 、SiO2 、Al2O3 、TiO2 等を
積層した誘電体多層膜等の端面高反射膜や低反射膜を形
成してもよい。
ては、n−GaNコンタクト層4上に、非単結晶状態の
AlGaNからなりn−GaNコンタクト層4に比べて
小さな格子定数を有するn−AlGaN第2クラッド層
5が形成されている。
るn−AlGaN第2クラッド層5においては、単結晶
状態のAlGaNから構成される場合に比べて、n−G
aNコンタクト層4との格子定数の差により発生する歪
が緩和される。したがって、このようなn−AlGaN
第2クラッド層5においては、Al組成を0.3と大き
くし、かつ膜厚を1μmと大きくしても、クラックが発
生しない。それにより、半導体レーザ素子100を構成
する各層2〜11において、良好な結晶性が実現でき
る。
かつクラックの発生が防止されたn−AlGaN第2ク
ラッド層5を有する半導体レーザ素子100において
は、光の閉じ込めを効果的に行うとともに、良好な垂直
方向の遠視野像を得ることが可能となる。したがって、
半導体レーザ素子100においては、素子特性の向上を
図ることが可能となる。
ザ素子は、図1のn−AlGaN第2クラッド層5の代
わりに図5に示す構造を有するn−AlGaN第2クラ
ッド層20が形成された点を除いて、第1の半導体レー
ザ素子100と同様の構造を有する。
ラッド層20は、膜厚50nm程度の多単結晶状態のS
iドープAl0.25Ga0.75Nからなる多結晶n−AlG
aN層20aと、膜厚50nm程度の単結晶状態のSi
ドープAl0.25Ga0.75Nからなる単結晶n−AlGa
N層20bとが交互に積層されてなる。例えば、この場
合においては、多結晶n−AlGaN層20aと単結晶
n−AlGaN層20bとが10周期で積層されてい
る。
2クラッド層20は、全体が非単結晶状態のAlGaN
からなる第1の実施例のn−AlGaN第2クラッド層
5とは異なり、一部が非単結晶状態のAlGaNから構
成される。
は、n−AlGaN第2クラッド層20の形成方法のみ
が第1の実施例の半導体レーザ素子の製造方法と異な
る。n−AlGaN第2クラッド層20は、以下の方法
により形成される。
時には、まず基板温度を600℃に保ち、膜厚50nm
程度のSiドープAl0.25Ga0.75Nを成長させる。こ
のように成長時の基板温度を低くすることにより、多結
晶状態のSiドープAl0.25Ga0.75Nからなる多結晶
n−AlGaN層20aが形成される。
50nm程度のSiドープAl0.25Ga0.75Nを成長さ
せる。このように成長時の基板温度を高くすることによ
り、単結晶状態のSiドープAl0.25Ga0.75Nからな
る単結晶n−AlGaN層20bが形成される。
aの形成工程および単結晶n−AlGaN層20bの形
成工程を交互にそれぞれ10回繰り返して行う。それに
より、多結晶n−AlGaN層20aと単結晶n−Al
GaN層20bとが10周期積層されてなる膜厚1μm
のn−AlGaN第2クラッド層20が形成される。
n−GaNコンタクト層4上に、n−GaNコンタクト
層4よりも小さな格子定数を有しかつ多結晶n−AlG
aN層20aを含むn−AlGaN第2クラッド層20
が形成されている。
を含むn−AlGaN第2クラッド層20においては、
全体が単結晶状態のAlGaNからなる場合に比べて、
n−GaNコンタクト層4との格子定数の差により発生
する歪が緩和される。このため、n−AlGaN第2ク
ラッド層20のAl組成を0.25と大きくしかつ膜厚
を1μmと大きくしても、n−AlGaN第2クラッド
層20においてはクラックが発生しない。それにより、
半導体レーザ素子を構成する各層において、良好な結晶
性が実現できる。
かつクラックの発生が防止されたn−AlGaN第2ク
ラッド層20を有する本参考例の半導体レーザ素子にお
いては、光の閉じ込めを効果的に行うことが可能になる
とともに、良好な垂直方向の遠視野像を得ることが可能
となる。したがって、半導体レーザ素子において、素子
特性の向上が図られる。
層20は、多結晶n−AlGaN層20aと単結晶n−
AlGaN層20bとがこの順で積層されているが、積
層の順序はこれに限定されるものではない。単結晶n−
AlGaN層20bと多結晶n−AlGaN層20bと
がこの順で積層されたn−AlGaN第2クラッド層を
形成した場合においても、上記と同様の効果が得られ
る。
ザ素子は、図1のn−AlGaN第2クラッド層5およ
びn−GaN第1クラッド層6の代わりに、図6に示す
n−AlGaN第2クラッド層21およびn−InGa
N第1クラッド層6Aが形成された点を除いて、第1の
参考例の半導体レーザ素子100と同様の構造を有す
る。
ラッド層21は、n−GaNコンタクト層4上に形成さ
れた複数のストライプ状の多結晶n−AlGaN層21
aと、この多結晶n−AlGaN層21aの間で露出し
たn−GaNコンタクト層4上に形成された単結晶n−
AlGaN層21bとから構成される。
は、膜厚1μm程度の多結晶状態のSiドープAl0.25
Ga0.75Nからなる。また、単結晶n−AlGaN層2
1bは、膜厚1μm程度の単結晶状態の単結晶状態のS
iドープAl0.25Ga0.75Nからなる。
2クラッド層21は、一部が非単結晶状態のAlGaN
から構成される。
N第2クラッド層21上に、膜厚50nm程度のSiド
ープIn0.05Ga0.95Nからなるn−InGaN第1ク
ラッド層6Aが形成されている。
子は、n−AlGaN第2クラッド層21およびn−I
nGaN第1クラッド層6Aの形成方法のみが第1の参
考例の半導体レーザ素子の製造方法と異なる。n−Al
GaN第2クラッド層21およびn−InGaN第1ク
ラッド層6Aは、以下の方法により形成される。
21の形成時には、まず基板温度を600℃に保ち、n
−GaNコンタクト層4上に膜厚1μm程度のSiドー
プAl0.25Ga0.75Nを成長させる。このように成長時
の基板温度を低くすることにより、多結晶状態のSiド
ープAl0.25Ga0.75Nからなる多結晶n−AlGaN
層21aがn−GaNコンタクト層4上に形成される。
用いて、上記の多結晶n−AlGaN層21aの所定領
域上に、例えば幅20μm程度のストライプ形状で厚さ
が3〜5μmのWを蒸着する。このWをマスクとして用
いて、例えばCF4 をエッチングガスとして用い、反応
性イオンエッチング(RIE)法により、マスクが形成
されていない領域の多結晶n−AlGaN層21aをエ
ッチングしn−GaNコンタクト層4を露出させる。こ
のようにして、n−GaNコンタクト層4の所定領域上
に、ストライプ形状を有する複数の多結晶n−AlGa
N層21aを形成する。
ストライプ状の多結晶n−AlGaN層21a間で露出
したn−GaNコンタクト層4上に、膜厚1μm程度の
SiドープAl0.25Ga0.75Nを選択的に成長させる。
このように成長時の基板温度を高くすることにより、多
結晶n−AlGaN層21a間で露出したn−GaNコ
ンタクト層4上に、全体が単結晶状態のSiドープAl
0.25Ga0.75Nからなる単結晶n−AlGaN層21b
が形成される。
層21aと単結晶n−AlGaN層21bとから構成さ
れるn−AlGaN第2クラッド層21を形成する。n
−AlGaN第2クラッド層21の表面がほぼ平坦とな
った後、マスクとして用いたWを塩酸等を用いて除去す
る。
lGaN第2クラッド層21上に膜厚50nm程度の単
結晶状態のSiドープIn0.05Ga0.95Nを成長させ、
n−InGaN第1クラッド層6Aを形成する。
n−GaNコンタクト層4上に、n−GaNコンタクト
層4よりも小さな格子定数を有しかつ多結晶n−AlG
aN層21aを含むn−AlGaN第2クラッド層21
が形成されている。
を含むn−AlGaN第2クラッド層21においては、
全体が単結晶状態のAlGaNからなる場合に比べて、
n−GaNコンタクト層4との格子定数の差により発生
する歪が緩和される。このため、n−AlGaN第2ク
ラッド層21のAl組成を0.25と大きくしかつ膜厚
を1μmと大きくしても、n−AlGaN第2クラッド
層21においてはクラックが発生しない。それにより、
半導体レーザ素子を構成する各層において、良好な結晶
性が実現できる。
かつクラックの発生が防止されたn−AlGaN第2ク
ラッド層21を有する本実施例の半導体レーザ素子にお
いては、光の閉じ込めを効果的に行うことが可能になる
とともに、良好な垂直方向の遠視野像を得ることが可能
となる。したがって、半導体レーザ素子において、素子
特性の向上が図られる。
aN層21b間にストライプ状の多結晶n−AlGaN
層21aが形成されたn−AlGaN第2クラッド層2
1を形成する場合について説明したが、多結晶n−Al
GaN層の形状は任意の形状でもよく、例えば単結晶n
−AlGaN層内に島状の多結晶n−AlGaN層が形
成されてなるn−AlGaN第2クラッド層を形成して
もよい。この場合においても、上記と同様の効果が得ら
れる。
例においては、n−AlGaN第2クラッド層が非単結
晶状態のAlGaNから構成される場合について説明し
たが、単結晶状態のAlGaNからなるn−AlGaN
第2クラッド層を形成するとともに、非単結晶状態のA
lGaNから構成される層をn−AlGaN第2クラッ
ド層とは別に形成してもよい。この場合について以下に
説明する。
体レーザ素子を示す模式的な斜視図である。図7に示す
半導体レーザ素子は、以下の点を除いて、図1の半導体
レーザ素子100と同様の構造を有する。
n−GaNコンタクト層4上に、全体が多結晶状態のS
iドープAl0.3 Ga0.7 Nからなる膜厚0.6μmの
多結晶n−AlGaN層22が形成されている。この多
結晶n−AlGaN層22上に、全体が単結晶状態のS
iドープAl0.3 Ga0.7 Nからなる膜厚0.45μm
のn−AlGaN第2クラッド層23が形成され、さら
にn−GaN第1クラッド層6が形成されている。
製造方法は、以下の点を除いて、第1の参考例の半導体
レーザ素子の製造方法と同様である。
に保ち、n−GaNコンタクト層4上にSiドープAl
0.3 Ga0.7 Nを成長させる。このように成長時の基板
温度を低くすることにより、全体が多結晶状態のSiド
ープAl0.3 Ga0.7 Nからなる多結晶n−AlGaN
層22を形成する。
晶n−AlGaN層22上にSiドープAl0.3 Ga
0.7 Nを成長させる。このように成長時の基板温度を高
くすることにより、全体が単結晶状態のSiドープAl
0.3 Ga0.7 Nからなるn−AlGaN第2クラッド層
23を形成する。
n−GaNコンタクト層4上に、多結晶n−AlGaN
層22を介して、単結晶状態AlGaNからなるn−A
lGaNクラッド層23が形成されている。このように
多結晶n−AlGaN層22が形成されているため、n
−AlGaNクラッド層23においては、n−GaNコ
ンタクト層4との格子定数の差により発生する歪が緩和
される。したがって、単結晶状態のAlGaNからなる
n−AlGaNクラッド層23においてもクラックの発
生が防止される。このため、n−AlGaN第2クラッ
ド層23のAl組成を大きくしかつ膜厚を大きくして
も、n−AlGaN第2クラッド層23においてクラッ
クが発生しない。それにより、半導体レーザ素子の各層
において良好な結晶性が実現できる。
かつクラックの発生が防止されたn−AlGaN第2ク
ラッド層23を有する半導体レーザ素子においては、光
の閉じ込めを効果的に行うとともに、良好な垂直方向の
遠視野像を得ることが可能となる。したがって、半導体
レーザ素子において素子特性の向上を図ることが可能と
なる。
状態のAlGaNからなる多結晶n−AlGaN層22
を形成する場合について説明したが、第2および第3の
参考例の場合と同様、一部が多結晶状態のAlGaNか
らなる多結晶n−AlGaN層を形成してもよい。この
場合においても上記と同様の効果が得られる。
例においては基板としてサファイアを用いているが、基
板はサファイアに限定されるものではない。基板として
は、スピネル等の絶縁体基板、GaN、GaAs、Ga
P、InP等のIII −V族半導体基板、Si、SiC等
の基板を用いてもよい。
からなる基板、あるいは基板側に形成されたクラッド層
よりも屈折率が大きい材料からなる基板を用いた場合に
は、半導体レーザ素子における光の閉じ込めを効率よく
行うため、および良好な垂直方向の遠視野像を得るため
に、特に基板側のクラッド層を厚くする必要がある。し
たがって、このような基板を有する半導体レーザ素子に
おいては、本発明を適用することにより、クラッド層に
おいてクラックの発生を防止しながら膜厚を大きくする
ことが可能となるため、本発明により大きな効果が得ら
れる。例えば、基板として、Si、GaAs、GaN等
の基板が用いられた半導体レーザ素子においては、本発
明による効果が大きい。
体レーザ素子を示す模式的な斜視図である。
ザ素子においては、直径が50.8mmのn−GaN
(0001)面基板31が用いられている。
1μm程度のSiドープn−Al0.35Ga0.65Nからな
るn−AlGaN第2クラッド層32、膜厚50nm程
度のSiドープGaNからなるn−GaN第1クラッド
層33、InGaNからなるMQW発光層34、膜厚4
0nm程度のMgドープGaNからなるp−GaN第1
クラッド層35、膜厚0.45μm程度のMgドープA
l0.3 Ga0.7 Nからなるp−AlGaN第2クラッド
層36および膜厚3〜5μmのMgドープGaNからな
るp−GaNコンタクト層37が順に形成されている。
の形成時には、基板温度を600℃に保ってn−GaN
基板31上にSiドープAl0.35Ga0.65Nを成長させ
る。このような低い基板温度でSiドープAl0.35Ga
0.65Nを成長させることにより、全体が非単結晶状態の
AlGaNからなるn−AlGaN第2クラッド層32
が形成される。
ッド層32以外の層33〜37は、全体が単結晶状態の
窒化物系半導体から構成されている。
ンドープGaN障壁層と膜厚4nm程度の圧縮歪のアン
ドープInGaN井戸層とが交互に積層された多重量子
井戸構造を有する。MQW発光層34において、例え
ば、GaN障壁層は5層であり、InGaN井戸層は4
層である。
−GaN第1クラッド層35の所定幅の領域上にストラ
イプ状に形成される。p−AlGaN第2クラッド層3
6は断面が台形形状を有しており、上面の幅が2μm程
度である。
このp−AlGaN第2クラッド層36が電流通路38
にあたっており、p−GaN第1クラッド層35とp−
GaNコンタクト層37とはp−AlGaN第2クラッ
ド層36で接続されている。p−GaN第1クラッド層
35とp−GaNコンタクト層37との間には、p−A
lGaN第2クラッド層36の部分を除いて、膜厚0.
2μm程度の単結晶状態のSiドープGaNからなる電
流狭窄層39が形成されている。さらに、p−GaNコ
ンタクト層37上にp電極14が形成され、n−GaN
基板31の裏面にn電極15が形成されている。
多結晶状態のAlGaNからなりn−GaN基板31に
比べて小さな格子定数を有するn−AlGaN第2クラ
ッド層32がn−GaN基板31上に形成されている。
されるn−AlGaN第2クラッド層32においては、
単結晶状態のAlGaNから構成される場合に比べて、
n−GaN基板31との格子定数の差により発生する歪
が緩和される。したがって、このようなn−AlGaN
第2クラッド層32においては、膜厚を1μmと大きく
しかつAl組成を0.35と大きくしても、クラックが
発生しない。それにより、半導体レーザ素子を構成する
各層において、良好な結晶性が実現される。
かつクラックの発生が防止されたn−第2クラッド層3
2を有する半導体レーザ素子においては、光の閉じ込め
を効果的に行うとともに、良好な垂直方向の遠視野像を
得ることが可能となる。したがって、半導体レーザ素子
において素子特性の向上を図ることが可能となる。
態のAlGaNから構成されるn−AlGaN第2クラ
ッド層32を形成する場合について説明したが、第2の
参考例および第1の実施例の場合と同様、一部が非単結
晶状態のAlGaNから構成されるn−AlGaN第2
クラッド層を形成してもよい。この場合においても上記
と同様の効果が得られる。
第2クラッド層32が非単結晶状態のAlGaNから構
成される場合について説明したが、第3の参考例の場合
のように、単結晶状態のAlGaNからなるn−AlG
aN第2クラッド層を形成するとともに、非単結晶状態
のn−AlGaNからなる層を形成してもよい。
1上に多結晶状態のAlGaNからなる多結晶n−Al
GaN層を形成し、さらにその上に単結晶状態のAlG
aNからなるn−AlGaN第2クラッド層を形成した
構造としてもよい。この場合においては、多結晶n−A
lGaN層により、n−AlGaN第2クラッド層にお
いて、n−GaN基板31の格子定数との差により発生
する歪が緩和される。このため、単結晶状態のAlGa
Nからなるn−AlGaN第2クラッド層においても、
クラックの発生を防止しつつ膜厚およびAl組成を大き
くすることが可能となる。したがって、この場合におい
ても、上記と同様の効果が得られる。
例において、発光層の材料はInGaNに限定されるも
のではない。n型層のバンドギャップより小さなバンド
ギャップを有する材料から構成されていれば、発光層を
構成する材料は如何なる材料であってもよい。
層構造の発光層や、AlGaN/GaN/AlGaN量
子井戸構造を有する発光層等を形成する場合において
は、InGaNからなる発光層を形成する場合に比べ
て、発光層のバンドギャップが大きくなる。このような
バンドギャップの大きな発光層を有する半導体レーザ素
子においては、クラッド層のバンドギャップを発光層の
バンドギャップより大きくするために、AlGaBNや
Al組成の大きなAlGaN等から構成されるバンドギ
ャップのより大きなクラッド層を形成する必要がある。
成の大きなAlGaNから構成されるクラッド層は、I
nGaNからなる発光層を形成した場合のクラッド層に
比べて、格子定数定数がより小さくなる。したがって、
AlGaN、GaN等からなる発光層を形成する場合に
おいては、本発明を適用することにより、クラックを発
生することなく格子定数のより小さなクラッド層を形成
することが可能となる。このため、本発明による効果が
大きい。
n型の第2クラッド層の材料はAlGaNに限定される
ものではなく、AlGaBN、AlBN、AlBInG
aN等、下地の層と格子定数の異なる材料であれば上記
と同様の効果が得られる。
AlGaBNからなるn−AlGaBNクラッド層を形
成した場合においては、クラックの発生を防止しつつn
−AlGaBNクラッド層のAl組成およびB組成、な
らびに膜厚を大きくすることが可能となる。したがっ
て、上記と同様の効果が得られる。
料も、上記の参考例及び実施例の材料に限定されるもの
ではない。各層は、III 族窒化物系半導体から構成され
ていればよい。
の半導体レーザ素子以外に、面発光型半導体レーザ素子
にも適用可能である。また、本発明は、半導体レーザ素
子以外の半導体素子、すなわち発光ダイオード素子、導
波路素子トランジスタ、受光素子等にも適用可能であ
る。この場合について以下に説明する。
ダイオード素子を示す模式的な斜視図である。
ァイア基板41上に、膜厚15nmのAlGaNからな
るバッファ層42、膜厚0.5μmのアンドープGaN
層43、膜厚4μmのn−GaNコンタクト層44、膜
厚0.5μmのn−Al0.2Ga0.8 Nからなるn−A
lGaNクラッド層45、膜厚0.05μmのGaN発
光層46および膜厚0.05μmのp−GaN層47が
順に形成されてなる。
ッド層45の形成時に、基板温度600℃でn−Al
0.2 Ga0.8 Nを成長させる。このような低い基板温度
でn−Al0.2 Ga0.8 Nを成長させることにより、全
体が多結晶状態のAlGaNからなるn−AlGaNク
ラッド層45が形成される。
て、n−AlGaNクラッド層45以外の各層42〜4
4,46,47は、全体が単結晶状態の窒化物系半導体
から構成されている。
ト層44までの一部領域が除去されてn−GaNコンタ
クト層44が露出し、メサ形状が形成される。この露出
したn−GaNコンタクト層44上にn電極15が形成
されている。また、p−GaN層47上にp電極14が
形成されている。
いては、n−GaNコンタクト層44上に、多結晶状態
のAlGaNからなりn−GaNコンタクト層44に比
べて小さな格子定数を有するn−AlGaNクラッド層
45が形成されている。
n−AlGaNクラッド層45においては、単結晶状態
のAlGaNからなる場合に比べてn−GaNコンタク
ト層44との格子定数の差により発生する歪が緩和され
る。したがって、このようなn−AlGaNクラッド層
45においては、膜厚およびAl組成を大きくしてもク
ラックが発生しない。それにより、発光ダイオード素子
101を構成する各層において良好な結晶性が実現され
る。
かつクラックの発生が防止されたn−AlGaNクラッ
ド層45を有する発光ダイオード素子101において
は、キャリアのGaN発光層46への閉じ込めを効果的
に行うことが可能となる。したがって、発光ダイオード
素子101において素子特性の向上を図ることが可能と
なる。
状態のAlGaNから構成されるn−AlGaNクラッ
ド層45を形成する場合について説明したが、一部が多
結晶状態のAlGaNから構成されるn−AlGaNク
ラッド層を形成してもよい。この場合においても、上記
と同様の効果が得られる。
ラッド層45が多結晶状態のAlGaNから構成される
場合について説明したが、単結晶状態のAlGaNから
なるn−AlGaNクラッド層を形成するとともに、多
結晶状態のn−AlGaNからなる層を別に形成しても
よい。
クト層44上に多結晶状態のn−AlGaNからなる多
結晶n−AlGaN層を形成し、さらにその上に単結晶
状態のn−AlGaNからなるn−AlGaNクラッド
層を形成してもよい。この場合、多結晶n−AlGaN
層により、n−AlGaNクラッド層において、n−G
aNコンタクト層との格子定数の差により発生する歪が
緩和される。このため、単結晶状態のAlGaNからな
るn−AlGaNクラッド層において、クラックの発生
を防止することが可能となる。したがって、この場合に
おいても、上記と同様の効果が得られる。
材料はGaNに限定されるものではなく、InGaN単
層、InGaN/GaN量子井戸構造、InGaN/A
lGaN量子井戸構造、GaN/AlGaN量子井戸構
造、AlGaN単層等の場合においても、上記と同様の
効果が得られる。
子井戸構造、GaN/AlGaN量子井戸構造、AlG
aN単層等の発光波長の短い材料から構成される場合に
は、キャリアの発光層への閉じ込めを効果的に行うため
に、Al組成の高いクラッド層を形成する必要がある。
このため、このような場合においては、本発明によるク
ラック発生の防止の効果が顕著である。
波路素子を示す模式的な斜視図である。
イア基板51上に、膜厚15nmのAlGaNからなる
バッファ層52、膜厚3μmのアンドープGaN層5
3、膜厚0.5μmのn−Al0.3 Ga0.7 Nからなる
多結晶n−AlGaN層54、膜厚1μmのn−Al
0.3 Ga0.7 Nからなるn−AlGaNクラッド層5
5、膜厚0.1μmのコアGaN層56、膜厚1.5μ
mのp−Al0.3 Ga0.7 Nからなるp−AlGaNク
ラッド層57が順に形成されてなる。
N層54の形成時に、基板温度600℃でn−Al0.3
Ga0.7 Nを成長させる。このような低い基板温度でn
−Al0.3 Ga0.7 Nを成長させることにより、全体が
多結晶状態のAlGaNから多結晶n−AlGaN層5
4が形成される。
GaN層54以外の層52〜57は、全体が単結晶状態
の窒化物系半導体から構成されている。
ープGaN層53までの一部領域が除去されてアンドー
プGaN層53が露出し、メサ形状が形成されている。
p−AlGaNクラッド層57からアンドープGaN層
53の側面およびアンドープGaN層53の上面に、誘
電体膜17が形成されている。
アンドープGaN層53上に、多結晶n−AlGaN層
54を介してn−AlGaNクラッド層55が形成され
ている。このように多結晶n−AlGaN層54が形成
されているため、n−AlGaNクラッド層55におい
ては、アンドープGaN層53との格子定数の差により
発生する歪が緩和される。したがって、単結晶状態のA
lGaNからなるn−AlGaNクラッド層55のAl
組成および膜厚を大きくしても、n−AlGaNクラッ
ド層55においてはクラックが発生しない。
かつクラックの発生が防止されたn−AlGaNクラッ
ド層55を有する導波路素子102においては、光の閉
じ込めを効果的に行うとともに、良好な垂直方向の遠視
野像を得ることが可能となる。したがって、導波路素子
102においては、素子特性の向上を図ることが可能と
なる。したがって、導波路素子102において素子特性
の向上が図られる。
態のAlGaNから構成される多結晶n−AlGaN層
54を形成する場合について説明したが、一部が多結晶
状態のAlGaNから構成される多結晶n−AlGaN
層を形成してもよい。この場合においても、上記と同様
の効果が得られる。
n型あるいはp型とする場合について記載したが、クラ
ッド層はアンドープであってもよい。この場合において
も、上記と同様の効果が得られる。
波路素子を示す模式的な斜視図である。
て、図10の導波路素子102と同様の構造を有する。
μmのアンドープGaN層53上に、膜厚1μmの多結
晶状態のn−Al0.4 Ga0.6 Nからなるn−AlGa
Nクラッド層55Aが形成されており、n−AlGaN
クラッド層55A上に膜厚0.1μmのコアGaN層5
6および膜厚1μmのp−Al0.4 Ga0.6 Nクラッド
層57が形成されている。
ド層55Aの形成時には、基板温度600℃でn−Al
0.4 Ga0.6 Nを成長させる。このような低い基板温度
でn−Al0.4 Ga0.6 Nを成長させることにより、全
体が多結晶状態のAlGaNからなるn−AlGaNク
ラッド層55Aが形成される。
53上に、多結晶状態のAlGaNからなりアンドープ
GaN層53に比べて小さな格子定数を有するn−Al
GaNクラッド層55Aが形成されている。
n−AlGaNクラッド層55Aにおいては、単結晶状
態のAlGaNから構成される場合に比べてアンドープ
GaN層53との格子定数の差により発生する歪が緩和
される。したがって、このようなn−AlGaNクラッ
ド層55Aにおいては、膜厚およびAl組成を大きくし
てもクラックが発生しない。
かつクラックの発生が防止されたn−AlGaNクラッ
ド層55Aを有する導波路素子においては、光の閉じ込
めを効果的に行うとともに、良好な垂直方向の遠視野像
を得ることが可能となる。したがって、この導波路素子
においては、素子特性の向上を図ることが可能となる。
状態のAlGaNから構成されるn−AlGaNクラッ
ド層55Aを形成する場合について説明したが、一部が
多結晶状態のAlGaNから構成されるn−AlGaN
クラッド層を形成してもよい。この場合においても、上
記と同様の効果が得られる。
n型あるいはp型とする場合について記載したが、クラ
ッド層はアンドープであってもよい。この場合において
も、上記と同様の効果が得られる。
光素子を示す模式的な断面図である。
サファイア基板61上に、AlGaNからなる膜厚15
nm程度のバッファ層62、膜厚0.5μm程度のアン
ドープGaN層63、SiドープGaNからなる膜厚4
μm程度のn−GaNコンタクト層64、SiドープA
l0.4 Ga0.6 Nからなる膜厚1μm程度の第1のn−
AlGaN層65、SiドープAl0.4 Ga0.6 Nから
なる膜厚約0.1μm程度の第2のn−AlGaN層6
6、Al0.35Ga0.65Nからなる高抵抗AlGaN膜6
7、MgドープAl0.35Ga0.65Nからなる膜厚約0.
1μm程度のp−AlGaN層68およびMgドープG
aNからなる膜厚0.05μm程度のp−GaNコンタ
クト層69が順に積層されてなる。
N層65の形成時に、基板温度600℃でSiドープA
l0.4 Ga0.6 Nを成長させる。このような低い基板温
度でSiドープAl0.4 Ga0.6 Nを成長させることに
より、全体が多結晶状態のAlGaNから構成される第
1のn−AlGaN層65が形成される。
−AlGaN層65以外の各層62〜64,66〜69
は、全体が単結晶状態の窒化物系半導体から構成されて
いる。また、サファイア基板61は単結晶状態のサファ
イアから構成されている。
lGaN層65、第2のn−AlGaN層66、高抵抗
AlGaN膜67、p−AlGaN層68およびp−G
aNコンタクト層69により受光部PRが構成されてい
る。
第1のn−AlGaN層65およびp−GaNコンタク
ト層69のキャリア濃度は約1×1018cm-3である。
また、第2のn−AlGaN層66およびp−AlGa
N層68のキャリア濃度は約1×1017cm-3である。
受光素子とする場合においては、高抵抗AlGaN膜6
7の膜厚を0.1μmとする。
バランシェフォトダイオード)とする場合においては、
高電圧を印加した際に膜内の電界強度が過度に大きくな
らないようにするために、高抵抗AlGaN膜67の膜
厚を大きくする。ただし、高抵抗AlGaN膜67の膜
厚を大きくし過ぎると、受光素子103のオート速度が
低下する。したがって、この場合の高抵抗AlGaN膜
67の膜厚は、実用化の上で十分なオート速度が実現可
能な膜厚、例えば0.5μm程度とする。
膜およびAl膜をこの順で積層してなる2層構造のn電
極75が形成されている。また、p−コンタクト層69
上には、Ni膜およびAu膜をこの順で積層してなる2
層構造のp電極74が形成されている。さらに、第1の
n−AlGaN層65からp−GaNコンタクト層69
の周部に、高抵抗領域HRが形成されている。
子103の作製時には、水素イオンを用いたイオンイン
プランテーションによる高抵抗化処理を行う。以下、図
13および図14を参照しながら高抵抗領域HRの形成
方法を説明する。
基板61上に各層62〜67が形成された半導体ウエハ
を上面から見た図である。図13および図14中の鎖線
Aは、素子分離線を示している。すなわち、鎖線Aで区
画された領域が、個々の素子形成領域に相当する。ま
た、図14中の破線Bは、水素イオンを打ち込んだ領域
と打ち込んでいない領域の境界を示している。
で示す領域70に、ウエハの厚さ方向に水素イオンを打
ち込む。この場合、水素イオンを打ち込む深さは、第1
のn−AlGaN層65に達する深さとする。
ンを打ち込んだ領域を帯状にフォトエッチングし、n−
GaNコンタクト層64を帯状に露出させる。この露出
したn−GaNコンタクト層64に、個々の受光素子1
03に対応してn電極75を形成する。また、水素イオ
ンを打ち込んでいない領域にp電極74を形成する。
は、p電極74およびn電極を構成する各膜を、例えば
EB蒸着法や各種のスパッタ蒸着法により積層する。さ
らに、リフトオフ法や化学的エッチング等により、p電
極74をリング状に形成し、n電極75をストライプ状
に形成する。このようにしてp電極74およびn電極7
5を形成した後、鎖線Aに沿って個々の受光素子103
に分離する。なお、必要に応じて、p電極74およびn
電極75の形成後に加熱処理を行ってもよい。
−GaNコンタクト層64上に、多結晶状態のAlGa
Nからなりn−GaNコンタクト層64よりも小さな格
子定数を有する第1のn−AlGaN層65が形成され
ている。さらに、この第1のn−AlGaN層65上
に、n−GaNコンタクト層64よりも小さな格子定数
を有し単結晶状態のAlGaNからなる各層66〜68
が形成されている。
なる第1のn−AlGaN層65においては、単結晶状
態のAlGaNからなる場合に比べて、n−GaNコン
タクト層64との格子定数の差により発生する歪が緩和
される。また、この第1のn−AlGaN層65によ
り、第2のn−AlGaN層66、高抵抗AlGaN膜
67およびp−AlGaN層68においても、n−Ga
Nコンタクト層64との格子定数の差により発生する歪
が緩和される。
は、受光部PRの各層65〜68におけるクラックの発
生が防止され、良好な結晶性が実現される。特に、この
場合においては、第1のn−AlGaN層65におい
て、クラックの発生を防止しながらAl組成および膜厚
を大きくすることが可能となる。
ックの発生を防止しながら受光部PRのAlGaN層の
Al組成および膜厚を大きくすることが可能となるた
め、短波長の光に対して高い感度を有する受光素子10
3を実現することが可能となる。
状態のAlGaNから構成される第1のn−AlGaN
層65を形成する場合について説明したが、一部が多結
晶状態のAlGaNから構成される第1のn−AlGa
N層を形成してもよい。この場合においても、上記と同
様の効果が得られる。
の実施例の半導体素子においては、基板上に先にn型層
を形成しているが、基板上にp型層を先に形成してもよ
い。
の実施例の半導体素子の各層は、上記の以外の結晶成長
方法でも成長が可能である。例えば、HVPE法や、T
MAl、TMGa、TMIn、NH3 、SiH4 、Cp
2 Mgを原料ガスとして用いるガスソースMBE法によ
っても成長可能である。また、各層を構成する半導体の
結晶構造はウルツ鉱型構造であってもよく、あるいは閃
亜鉛鉱型構造であってもよい。
子を示す模式的な斜視図である。
的な工程断面図である。
的な工程断面図である。
的な工程断面図である。
子の一部を示す模式的な断面図である。
子の一部を示す模式的な断面図である。
子を示す模式的な斜視図である。
子を示す模式的な斜視図である。
素子を示す模式的な斜視図である。
示す模式的な斜視図である。
示す模式的な斜視図である。
す模式的な断面図である。
平面図である。
平面図である。
図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 基板上に、単結晶の窒化物系半導体から
なり第1の格子定数を有する第1の層と、単結晶の窒化
物系半導体からなる能動素子領域とがこの順で形成され
た窒化物系半導体素子であって、前記第1の層と前記能
動素子領域との間に、前記第1の格子定数よりも小さな
第2の格子定数を有し少なくとも一部が非単結晶の窒化
物系半導体からなる第2の層が形成され、前記第2の層
は、非単結晶の窒化物系半導体からなる島状またはスト
ライプ状の非単結晶層と、単結晶の窒化物系半導体から
なる単結晶層とを含み、前記単結晶層間または前記単結
晶層内に前記非単結晶層が分散配置されたことを特徴と
する窒化物系半導体素子。 - 【請求項2】 前記能動素子領域は、前記第1の格子定
数よりも小さな第3の格子定数を有する層を1または複
数含むことを特徴とする請求項1記載の窒化物系半導体
素子。 - 【請求項3】 前記能動素子領域は、前記第2の層より
も小さなバンドギャップを有する層を1または複数含む
ことを特徴とする請求項1または2に記載の窒化物系半
導体素子。 - 【請求項4】 前記第2の層はAl X Ga 1-X N(0<
X≦1)からなることを特徴とする請求項1〜3のいず
れかに記載の窒化物系半導体素子。 - 【請求項5】 前記第1の層はGaNからなることを特
徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の窒化物系半導
体素子。 - 【請求項6】 前記第2の層はクラッド層であることを
特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の窒化物系半
導体素子。 - 【請求項7】 基板上に、単結晶の窒化物系半導体から
なり第1の格子定数を有する第1の層を形成する工程
と、前記第1の層上に、前記第1の格子定数よりも小さ
な第2の格子定数を有する非単結晶の窒化物系半導体か
らなる島状またはストライプ状の非単結晶層と、単結晶
の窒化物系半導体からなる単結晶層とを含み、前記単結
晶層間または前記単結晶層内に前記非単結晶層が分散配
置された 第2の層を形成する工程と、前記第2の層上に
単結晶の窒化物系半導体からなる能動素子領域を形成す
る工程とを含むことを特徴とする窒化物系半導体素子の
製造方法。 - 【請求項8】 前記第2の層は、窒化物系半導体が非単
結晶状態となる成長温度で成長させることを特徴とする
請求項7記載の窒化物系半導体素子の製造方法。
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