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JP2014199953A - 半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 Download PDF

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JP2014199953A
JP2014199953A JP2014152754A JP2014152754A JP2014199953A JP 2014199953 A JP2014199953 A JP 2014199953A JP 2014152754 A JP2014152754 A JP 2014152754A JP 2014152754 A JP2014152754 A JP 2014152754A JP 2014199953 A JP2014199953 A JP 2014199953A
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JP2014152754A
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智彦 杉山
Tomohiko Sugiyama
智彦 杉山
角谷 茂明
Shigeaki Sumiya
茂明 角谷
実人 三好
Makoto Miyoshi
実人 三好
田中 光浩
Mitsuhiro Tanaka
光浩 田中
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NGK Insulators Ltd
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

【課題】光出力の大きい半導体発光素子を実現する。
【解決手段】第1のIII族窒化物からなる単一層である発光層と、第2のIII族窒化物からなりn型の導電型を呈するn型層と、第3のIII族窒化物からなりp型の導電型を呈するp型層と、を表面が一様に平坦な基材上にそれぞれが基材の面内方向において連続する態様にて備え、発光層がp型層とn型層との間に位置する半導体発光素子において、p型層の、発光層とは異なる側の界面、および、n型層の基材側の界面が一様に平坦であるとともに、発光層とn型層との界面である第1の界面が、平坦部を有するとともにp型層の側からn型層の側に向けて突出した曲面形状の複数の第1の凸部を有し、発光層とp型層側において当該発光層に隣接する隣接層との界面である第2の界面が、平坦部を有するとともにp型層の側から前記n型層の側に向けて突出した曲面形状の複数の第2の凸部を有するようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、III族窒化物半導体を用いた発光素子に関する。
深紫外域(例えばλ≦270nm)に発光波長を有するダイオード構造型の発光素子(以下、LEDとも称する)として、Al組成比の高いAlGa1−xN(概ねx≧0.4)からなる化合物半導体を発光層に用い、該発光層の形成材料よりもさらにAl組成比が高い(バンドギャップが大きい)AlGaNからなるn型層およびp型層によって発光層を挟み込む構造がすでに公知である(例えば、非特許文献1参照)。なお、n型層およびp型層を発光層の形成材料よりもバンドギャップが大きい材料にて形成するのは、LEDの発光効率を向上させるためである。
高Al組成のp型AlGaNは、アクセプタ準位が深くホールキャリア濃度が低いため、これを用いてp型層を構成する場合、発光効率の向上という効果が得られる一方で、p型層の導電率が低くなり、かつp型層と電極とのコンタクト抵抗が高くなるという不具合も生じる。非特許文献1に開示された発光素子においては、高Al組成のp型AlGaNからなるp型導電層の上にp型GaNからなるコンタクト層を形成し、該コンタクト層に対して電極を形成することで、コンタクト抵抗の低減が図られている。
しかしながら、GaNはAlGaNよりもバンドギャップが小さいため、GaNからなるコンタクト層を設けた場合、発光層から放出される光の一部がコンタクト層によって吸収されてしまうため、LEDからの光取り出し効率が悪く光出力が小さいという問題が生じる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、光出力の大きい半導体発光素子を実現することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、第1のIII族窒化物からなる単一層である発光層と、第2のIII族窒化物からなりn型の導電型を呈するn型層と、第3のIII族窒化物からなりp型の導電型を呈するp型層と、を、表面が一様に平坦な所定の基材の上に、それぞれが前記基材の面内方向において連続する態様にて備え、前記発光層が前記p型層と前記n型層との間に位置する半導体発光素子であって、前記p型層の、前記発光層とは異なる側の界面、および、前記n型層の前記基材側の界面が一様に平坦であるとともに、前記発光層と前記n型層との界面である第1の界面が、平坦部を有するとともに前記p型層の側から前記n型層の側に向けて突出した曲面形状の複数の第1の凸部を有し、前記発光層と前記p型層側において当該発光層に隣接する隣接層との界面である第2の界面が、平坦部を有するとともに前記p型層の側から前記n型層の側に向けて突出した曲面形状の複数の第2の凸部を有する、ことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の半導体発光素子であって、Alw1Ga1−w1N(0.8≦w1≦1.0)なる組成のIII族窒化物からなる中間層を備え、前記中間層が前記隣接層であり、前記中間層と前記発光層との界面が前記第2の界面である、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の半導体発光素子であって、前記中間層と前記p型層との界面が、平坦部を有するとともに、前記第2の界面に備わる前記複数の第2の凸部に対応する位置に前記p型層の側から前記n型層の側に向けて突出した曲面形状の複数の第3の凸部を有する、ことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2または請求項3に記載の半導体発光素子であって、前記中間層がAlNからなることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の半導体発光素子であって、前記p型層の側から前記n型層の側へと突出する前記複数の第1の凸部が、前記n型層の表面をエッチングすることにより形成されたものである、ことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の半導体発光素子であって、前記第1のIII族窒化物がAly1Gaz1N(0<y1<1、0<z1<1、y1+z1=1)であり、前記第3のIII族窒化物がBx3Aly3Gaz3N(0≦x3<1、y1<y3≦1、0<z3<1、x3+y3+z3=1)である、ことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項6に記載の半導体発光素子であって、少なくとも前記第2の界面の近傍において、前記第3のIII族窒化物がBx3Aly3Gaz3N(0<x3<1、y1<y3≦1、0<z3<1、x3+y3+z3=1)である、ことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1または請求項2に記載の半導体発光素子であって、前記第1および第2の凸部について、外周端部から水平距離が最大となる2点を選択したときの当該距離を前記凸部の幅wと定義し、対応する前記平坦部の位置を基準としたときの前記凸部の最底部までの鉛直距離を前記凸部の高さhと定義するときに、幅wが100nm〜1000nmであり、高さhが25nm〜500nmであり、比h/wの値が1/4〜1/2であり、前記第1の凸部同士の間隔および前記第2の凸部同士の間隔が100nm〜1000nmである、ことを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項3に記載の半導体発光素子であって、前記第1ないし第3の凸部について、外周端部から水平距離が最大となる2点を選択したときの当該距離を前記凸部の幅wと定義し、対応する前記平坦部の位置を基準としたときの前記凸部の最底部までの鉛直距離を前記凸部の高さhと定義するときに、幅wが100nm〜1000nmであり、高さhが25nm〜500nmであり、比h/wの値が1/4〜1/2であり、前記第1の凸部同士の間隔、前記第2の凸部同士の間隔、および前記第3の凸部同士の間隔が100nm〜1000nmである、ことを特徴とする。
請求項10の発明は、半導体発光素子の製造方法であって、表面が一様に平坦な所定の基材の上に第1のIII族窒化物からなる発光層を前記基材の面内方向において連続する単一層として形成する発光層形成工程と、前記所定の基材の上に、第2のIII族窒化物からなり、n型の導電型を呈するn型層を前記基材の面内方向において連続する態様にて形成するn型層形成工程と、前記所定の基材の上に、第3のIII族窒化物からなり、p型の導電型を呈するp型層を前記基材の面内方向において連続する態様にて形成するp型層形成工程と、を備え、前記発光層を前記n型層に隣接形成するとともに、前記n型層形成工程においては、前記発光層との界面である第1の界面については前記n型層の表面をエッチングすることによって平坦部を有するとともに前記p型層の側から前記n型層の側に向けて突出した曲面形状の複数の第1の凸部を有するように、前記基材側の第2の界面については一様に平坦となるように、前記n型層を形成し、前記p型層形成工程においては、前記発光層と異なる側の第3の界面が一様に平坦となるように、前記p型層を形成する、ことを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項10に記載の半導体発光素子の製造方法であって、前記発光層形成工程においては、前記p型層側の第4の界面が、平坦部を有するとともに前記p型層の側から前記n型層の側に向けて突出した曲面形状の複数の第2の凸部を有するように、前記発光層を形成する、ことを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項11に記載の半導体発光素子の製造方法であって、前記発光層形成工程において前記n型層の表面形状に沿って前記発光層を形成することによって、前記第1の界面に備わる前記複数の第1の凸部に対応する位置に前記第4の界面の前記複数の第2の凸部を形成させる、ことを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項10ないし請求項12のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法であって、Alw1Ga1−w1N(0.8≦w1≦1.0)なる組成のIII族窒化物からなる中間層を前記発光層に隣接させて形成する中間層形成工程、をさらに備えることを特徴とする。
請求項14の発明は、請求項13に記載の半導体発光素子の製造方法であって、前記中間層形成工程において前記発光層の表面形状に沿って前記中間層を形成することによって、前記発光層と前記中間層との界面を前記第4の界面として形成するとともに、前記p型層形成工程において前記p型層を前記中間層の表面形状に沿って形成することで、前記中間層と前記p型層との界面が、平坦部を有するとともに、前記第4の界面に備わる前記複数の第2の凸部に対応する位置に前記p型層の側から前記n型層の側に向けて突出した曲面形状の複数の第3の凸部を有するようにする、ことを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項13または請求項14に記載の半導体発光素子の製造方法であって、前記中間層をAlNにて形成することを特徴とする。
請求項16の発明は、請求項10ないし請求項15のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法であって、前記第1のIII族窒化物がAly1Gaz1N(0<y1<1、0<z1<1、y1+z1=1)であり、前記第3のIII族窒化物がBx3Aly3Gaz3N(0≦x3<1、y1<y3≦1、0<z3<1、x3+y3+z3=1)である、ことを特徴とする。
請求項17の発明は、請求項16に記載の半導体発光素子の製造方法であって、前記p型層形成工程においては、前記発光層の側の前記p型層と隣接層との界面近傍において、前記第3のIII族窒化物がBx3Aly3Gaz3N(0<x3<1、y1<y3≦1、0<z3<1、x3+y3+z3=1)であるように前記p型層を形成する、ことを特徴とする。
請求項18の発明は、請求項10に記載の半導体発光素子の製造方法であって、前記第1の凸部について、外周端部から水平距離が最大となる2点を選択したときの当該距離を前記凸部の幅wと定義し、対応する前記平坦部の位置を基準としたときの前記凸部の最底部までの鉛直距離を前記凸部の高さhと定義するときに、幅wが100nm〜1000nmであり、高さhが25nm〜500nmであり、比h/wの値が1/4〜1/2であり、前記第1の凸部同士の間隔が100nm〜1000nmであるように、前記第1の凸部を形成する、ことを特徴とする。
請求項19の発明は、請求項11または請求項12に記載の半導体発光素子の製造方法であって、前記第1および第2の凸部について、外周端部から水平距離が最大となる2点を選択したときの当該距離を前記凸部の幅wと定義し、対応する前記平坦部の位置を基準としたときの前記凸部の最底部までの鉛直距離を前記凸部の高さhと定義するときに、幅wが100nm〜1000nmであり、高さhが25nm〜500nmであり、比h/wの値が1/4〜1/2であり、前記第1の凸部同士の間隔および前記第2の凸部同士の間隔が100nm〜1000nmであるように、前記第1および第2の凸部を形成する、ことを特徴とする。
請求項20の発明は、請求項14に記載の半導体発光素子の製造方法であって、前記第1ないし第3の凸部について、外周端部から水平距離が最大となる2点を選択したときの当該距離を前記凸部の幅wと定義し、対応する前記平坦部の位置を基準としたときの前記凸部の最底部までの鉛直距離を前記凸部の高さhと定義するときに、幅wが100nm〜1000nmであり、高さhが25nm〜500nmであり、比h/wの値が1/4〜1/2であり、前記第1の凸部同士の間隔、前記第2の凸部同士の間隔、および前記第3の凸部同士の間隔が100nm〜1000nmであるように、前記第1ないし第3の凸部を形成する、ことを特徴とする。
請求項21の発明は、請求項10ないし請求項20のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法であって、前記n型層形成工程においては、前記第2のIII族窒化物からなり表面が平坦なn型層用結晶層を成長させる工程と、前記n型層用結晶層の前記表面にマスクを形成する工程と、前記ウェットエッチングにより前記n型層用結晶層の表面に複数の窪みを形成する工程と、前記マスクを除去する工程と、をこの順で行うことによって前記n型層を形成する、ことを特徴とする。
請求項1ないし請求項21の発明によれば、層組成が同じであるにも関わらず、従来よりも光出力の高い半導体発光素子が、実現される。
特に、発光層からn型層の側へと放出される光がより効率的に外部へ取り出されることにより、光出力が増大する。
特に、請求項1ないし請求項9、請求項11、請求項12、および請求項14の発明によれば、発光層からp型層の側へと放出された光のうち、途中で反射されてn型層の側へと向かう光の割合が多くなることにより、p型層における吸収が抑制されて発光層にて生じた光がより効率的に外部へと取り出されることになり、結果として光出力が増大する。
特に、請求項2ないし請求項4、および請求項13ないし請求項15の発明によれば、中間層を備えることにより、ねらいの発光波長の光についての発光効率が高い半導体発光素子が実現される。
本発明の実施の形態に係る発光素子10の構造を模式的に示す図である。 凸部I12、I22、およびI32の形状を特定するパラメータの定義を示すための図である。 発光素子10において発光層4から発せられる光の方位について説明するための図である。 発光層4’内の点P’から放出された光が界面I1’、I2’に入射する様子を示す図である。 発光層4内の点Pから放出された光が界面I1、I2に入射する様子を示す図である。 窪み3bの形成およびこれに引き続く層形成の様子を模式的に示す図である。 SiOマスク100の上面図である。 比較例1に係る発光素子20の構造を模式的に示す図である。 比較例2に係る発光素子30の構造を模式的に示す図である。
<発光素子の概略構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る発光素子10の構造を模式的に示す図である。なお、図1以降の各図における各部の比率は、必ずしも実際のものを反映したものではない。図1に示すように、発光素子10は、基板1の上に、下地層2と、第1導電層3と、発光層4と、中間層5と、第2導電層6と、コンタクト層7とをこの順に隣接形成させた積層構造を有する。換言すれば、下地層2の上において第1導電層3と第2導電層6とで発光層4と中間層5とを上下から挟み込み、さらにその上にコンタクト層7を備える積層構造体を、基板1の上に設けたものであるともいえる。
また、第1導電層3の一部は露出しており、その露出部分にカソード電極部8が設けられてなる。なお、カソード電極部8のことをカソード電極パッド8とも称する。カソード電極パッド8は、Ti/Al/Ni/Auによって形成されてなる。
さらに、コンタクト層7の上には、アノード電極層9aとアノード電極パッド9bとからなるアノード電極部9が設けられてなる。アノード電極層9aは、コンタクト層7の略全面に形成されてなる。アノード電極パッド9bは、係るアノード電極層9aの一部に設けられてなる。アノード電極層9aとアノード電極パッド9bとは、Ni/Auによって形成されてなる。
発光素子10は、カソード電極パッド8とアノード電極パッド9bとの間に所定の電圧を印加することで生じる、発光層4におけるキャリアの再結合による励起発光を、素子外部に向けて出射するものである。
基板1は、サファイア、MgO、ダイヤモンドやAlN、AlGaN、AlInN、AlInGaNなどの単結晶基材1aと、該単結晶基材1aの上にAlN、AlGaN、AlInN、AlInGaNなどのIII族窒化物の結晶をエピタキシャル形成させてなる表面層1bとからなる、いわゆるエピタキシャル基板である。例えば、厚みが数百μm程度のC面単結晶サファイアを単結晶基材1aとして用い、その上に、MOCVD法によって0.1μm〜数μm程度の厚みのAlN単結晶層を表面層1bとしてエピタキシャル成長させたものを基板1とするのが好適な一例である。単結晶基材1a、表面層1bの材料としては、外部量子効率を向上させる観点から、所望の発光波長の吸収係数が小さい材料を選択することが望ましい。ただし、表面層1bを有しておらず単結晶基材そのものを基板1として用いる態様であってもよい。
このような基板1の上に、MOCVD法などの公知のエピタキシャル成長法によって所定のIII族窒化物からなる複数の層を順次にエピタキシャル成長させることで、上述の積層構造を構成する各層が形成されてなる。
なお、第1導電層3は、n型の導電型を有するように形成されてなる。このようにn型の導電型を有する部位を、n型の導電部もしくはn型層と総称する場合がある。また、第2導電層6とコンタクト層7とは、いずれもp型の導電型を有するように形成されてなる。このようにp型の導電型を有する部位を、p型の導電部もしくはp型層と総称する場合がある。
発光層4は、発光素子10において発光を担う層であり、Aly1Gaz1N(0<y1<1、0<z1<1、y1+z1=1)なる組成のIII族窒化物にて数nm〜数十nm程度の厚みに形成されてなる。紫外領域に発光波長を有するように発光素子10を構成する場合であれば、0.1≦y1≦0.9をみたすように発光層4を形成する。ここで、紫外領域に発光波長を有するとは、発光波長が210nm以上340nm以下の範囲にあることを意味する。なお、0.25≦y1≦0.6をみたすように発光層4を形成すれば、発光波長が250nm以上300nm以下の範囲にある発光が得られる。例えば、Al0.49Ga0.51NなるIII族窒化物で発光層4を形成した場合には、265nmの発光波長の発光が得られる。
本実施の形態に係る発光素子10においては、発光層4とその隣接層である第1導電層3および中間層5との界面の形状が特徴的である。その詳細については後述する。
第1導電層3は、n型の導電型を有する。第1導電層3は、第2導電層6(より具体的にはクラッド層6a)と併せ、発光層4にキャリア(第1導電層3においては主に電子、第2導電層6においては主にホール)を供給し、かつキャリアの閉じこめ効果を高める目的で設けられる層である。すなわち、第1導電層3は、いわゆるクラッド層として機能する。係る目的を満たすべく、第1導電層3は、発光層4を構成するIII族窒化物よりも、バンドギャップが大きなIII族窒化物で形成されてなる。
発光層4がAly1Gaz1N(0<y1<1、0<z1<1、y1+z1=1)なるIII族窒化物で形成されてなる場合、第1導電層3は、さらにAlリッチなAly2Gaz2N(y1<y2≦1.0、0≦z2<z1、y2+z2=1)なるIII族窒化物に、Siなどのn型のドーパントをドープすることによって形成されてなる。より好ましくは、少なくとも発光層4との接合部近傍においては、y1<y2≦1.0かつ0.6≦y2≦1.0をみたすように形成される。係る場合、発光素子10の発光特性がより向上するからである。
例えば、発光層4をAl0.49Ga0.51NなるIII族窒化物で形成する場合であれば、n型ドーパントとしてのSi原子を2×1018/cm程度含むAl0.6Ga0.4Nからなる層を1μm程度の厚みに形成するのが好適である。
なお、上述したように、第1導電層3の一部は露出させられてなり、その露出部分にカソード電極部8が設けられてなる。すなわち、第1導電層3は、カソード電極部8とのコンタクト層としての役割をも担う。
下地層2は、第1導電層3を構成するIII族窒化物と略同一組成のIII族窒化物にて形成されてなる。ただし、下地層2は、第1導電層3と違い、ドーパントはドープされていない高抵抗層である。下地層2は、数百nm〜数μm程度の厚みに形成されるのがその好適な一例である。
第2導電層6は、p型の導電型を有する。第2導電層6は、少なくとも発光層4へのキャリアの閉じ込めが実現されるように設けられる層である。本実施の形態に係る発光素子10においては、第2導電層6が、この閉じ込め効果を担うクラッド層6aと、発光層4へのキャリア供給効率を高めるためのキャリア供給層6bとの2層からなるものとする。
クラッド層6aは、上述したように、第1導電層3と併せ、発光層4におけるキャリアの閉じこめ効果を高める目的で設けられる層である。従って、発光層4を構成するIII族窒化物よりも、バンドギャップが大きなIII族窒化物で形成されてなる。
発光層4がAly1Gaz1N(0<y1<1、0<z1<1、y1+z1=1)なるIII族窒化物で形成されてなる場合、クラッド層6aは、さらにAlリッチなBx3Aly3Gaz3N(0≦x3<1、y1<y3≦1、0<z3<1、x3+y3+z3=1)なるIII族窒化物に、Mgなどのp型のドーパントをドープすることによって形成されてなる。より好ましくは、クラッド層6aは、少なくとも発光層4との接合部近傍においては0<x3<1をみたすように形成される。すなわち、B(ホウ素)を含有するように形成される。係る場合、発光素子10の光出力がより向上する。これは、発光層4とクラッド層6aに小さい屈折率を持つ材料を用いるほど、発光層4とクラッド層6aとの界面における反射率が大きくなり、その結果として、発光層4からの光がコンタクト層7の側へと通過することが抑制されて光の取り出し効率が高められることによる。
一方、キャリア供給層6bは、発光層4に対しキャリアが効率的に供給されるように設けられる層である。キャリア供給層6bは、クラッド層6aよりもバンドギャップが小さいIII族窒化物にて形成される。
例えば、発光層4をAl0.49Ga0.51NなるIII族窒化物で形成する場合、クラッド層6aについては、p型ドーパントとしてのMg原子を1×1019/cm程度含むAl0.6Ga0.4Nからなる層を、数十nm程度の厚みに形成し、キャリア供給層6bについては、p型ドーパントとしてのMg原子を3×1019/cm程度含むAl0.3Ga0.7Nからなる層を、数十nm程度の厚みに形成するのが、好適な一例である。
なお、発光層4との接合部近傍においてBを含有するようにクラッド層6aを形成した場合、クラッド層6aの屈折率が小さくなるので、発光層4からの光が中間層5とクラッド層6aとの界面で反射する割合が相対的に大きくなり、コンタクト層7における光の吸収が抑制される。結果的に、発光素子10からの光の取り出し効率が高まる。
なお、キャリア供給層6bは単一組成で構成される必要はなく、超格子構造としたり組成傾斜構造とすることもできる。こうした構造は、p型キャリア濃度の向上や、抵抗低減の役割を担う。
コンタクト層7は、アノード電極部9との間で良好なオーミック接触を得るために、第2導電層6とアノード電極部9との間に形成される。第2導電層6がキャリア供給層6bを有してなる場合は、キャリア供給層6bの上に設けられる。
コンタクト層7は、p型の導電型を有する。コンタクト層7は、発光層4を構成するIII族窒化物よりもバンドギャップが小さいIII族窒化物に、Mgなどのp型のドーパントをドープすることによって形成される。第2導電層6がキャリア供給層6bを有してなる場合は、キャリア供給層6bよりもバンドギャップが小さいIII族窒化物を用いて形成される。例えば、GaNを用いるのが好適な一例である。なお、コンタクト層7を、発光層4を構成するIII族窒化物よりもバンドギャップが小さいIII族窒化物にて形成するのは、アノード電極層9aとのコンタクト特性を良好に確保するためである。
コンタクト層7は、その機能が確保される範囲において適宜の厚みに形成されてよい。例えば、100nm以上の厚みを有するように形成することもできる。100nmよりも厚くコンタクト層7を形成した場合、三次元核成長段階から二次元成長段階に移行するため、表面が平坦な結晶層として形成され、比抵抗を低減できる。200nm程度に設けるのが好適な一例である。
なお、コンタクト層7を、III族窒化物の組成や不純物濃度が異なる複数の層からなる多層構造を有するように形成してもよい。例えば、Al、Ga、In組成を変調若しくは超格子構造にしたり、表面近傍でp型のドーパント濃度を上げたりすることにより、p型電極との接触抵抗を低減することも可能である。
中間層5は、発光素子10において、発光層4からの所望の発光波長(ねらいの発光波長)での発光を良好に生じさせる目的で設けられる。中間層5は、好ましくは、Alw1Ga1−w1N(0.8≦w1≦1.0)なるIII族窒化物にて、より好ましくはAlNにて、5nm以下の厚みに、好ましくは1nm程度の厚みに形成される。中間層5を5nmより厚く形成することは、立ち上がり電圧を大きくする必要が生じるため好ましくない。
特にAlNを用いて中間層5を形成する場合、中間層5の厚みは、第2導電層6から発光層4へのキャリア注入が阻害されないように、トンネル電流が支配的になるような範囲内とすることが望ましい。
中間層5は、発光素子10における光出力の向上という本発明の作用効果を得るうえにおいては、必須の構成ではない。ただし、中間層5を設けない場合、300nm帯においてねらいの発光波長以外での不要な発光が生じることが、本発明の発明者によって確認されている。これは、第2導電層6(クラッド層6aとキャリア供給層6b)にドープされてなるMg原子が発光素子10の作成過程で発光層4に拡散することが原因と考えられる事象である。本実施の形態においては、中間層5を設けることによってMgの拡散を防止することにより、このような不要な発光を抑制し、かつ、ねらいの発光波長の光についての発光効率を向上させるようにしている。なお、この効果は、原子間の結合力が強く、格子定数が最も小さいAlNの場合に顕著となる。また、Gaを含まないAlNを用いて中間層5を形成する場合、二元系の材料が持つ面内での組成均一化の効果も、発光効率の向上に寄与している。ただし、この場合、中間層5に不純物程度のGa、Inが含まれることは、組成不均一を引き起こすことにはならないので、排除されない。
<発光層と隣接層との界面の形状と光取り出し効率>
上述したように、本実施の形態に係る発光素子10においては、発光層4とこれに隣接する第1導電層3および中間層5との界面の形状が特徴的である。以下、この点について説明する。
図1に示すように、発光層4と第1導電層3との界面I1は、一様に平坦ではなく、平坦部I11を有するとともに第2導電層6の側から第1導電層3の側に向けて突出した(図1においては図面上側から下側に向けて突出している)曲面形状の複数の凸部I12を有する。加えて、発光層4と中間層5との界面I2も同様に、平坦部I21と複数の凸部I22とを有する。さらには、図1に示す場合においては、中間層5とクラッド層6aとの界面も同様に、平坦部I31と複数の凸部I32とを有する。より一般的な表現をすれば、凸部I12、I22、およびI32は、p型層の側からn型層の側に向けて突出していることになる。なお、図1に示す場合においては、各界面に形成された凸部I12、I22、およびI32の水平方向の位置が略一致しているが、これは必須の構成ではない。凸部I12、I22、およびI32は、球面の一部であるのが好適であるが、放物面その他の二次曲面の一部などであってもよい。
図2は、凸部I12、I22、およびI32の形状を特定するパラメータの定義を示すための図である。なお、図2においては、凸部I12を例として示しているが、凸部I22およびI32についても同様である。具体的には、凸部I12の外周端部から水平距離が最大となる2点を選択したときの当該距離を、凸部I12の幅wと定義する。また、平坦部I11の位置を基準としたときの凸部I12の最底部までの鉛直距離を凸部I12の高さhと定義する。幅wは、100nm〜1000nm程度であるのが好適であり、高さhは25nm〜500nm程度であるのが好適である。
発光素子10において、界面I1およびI2さらにはI3がこのような形状にて形成されるのは、発光層4で生じた光の取り出し効率を高めるためである。具体的にいえば、発光層4で生じた光が、コンタクト層7において吸収されることをできるだけ抑制するとともに、第1導電層3の側からより多くの光を取り出すためである。より詳細には、上述した態様にて凸部I12、I22を設けることで、発光素子10は、次の2通りの作用効果を奏するものとなっており、これらの作用効果の組合せによって、光の取り出し効率が高められてなる。第1の作用効果は、凸部を設けない場合に比して、発光層4内の任意の発光点からコンタクト層7の側へと向かう光の割合が相対的に低く、第1導電層3の側へと向かう光の割合が相対的に高くなったことである。第2の作用効果は、凸部を設けない場合に比して、発光層4内の任意の発光点から発せられて界面I2に入射する光の透過比率が相対的に低く(反射比率が相対的に高く)、界面I1に入射する光の透過比率が相対的に高く(反射比率が相対的に低く)なったことである。
まず、第1の作用効果について説明する。図3は、発光素子10において発光層4から発せられる光の方位について説明するための図である。なお、図3においては、対比のため、凸部I12を有さない平坦な仮想界面I1’および凸部I22を有さない平坦な仮想界面I2’を破線にて示している。仮想界面I1’および仮想界面I2’は略水平面として想定される。また、仮想界面I1’、I2’で挟まれた凸部が存在しない場合の発光層4を特に、発光層4’と称することとする。
いま、発光層4において界面I1の凸部I12と界面I2の凸部I22の間に位置する任意の点Pから放出される光と、発光層4’内の点P’から放出される光について考える。発光層4、4’においては、任意の位置において等方的な発光が生じる。それゆえ、ある任意の発光点から放出される光のうち、コンタクト層7の側へと向かう光の割合や、第1導電層3の側へと向かう光の割合の相対的な大小は、当該方向へと向かう光が取り得る出射方位を示す角度範囲の大小によって表すことができる。
そこでまず、発光層4’内の点P’からの光の放出を考えると、界面I1’、I2’は点P’を挟んで平行に位置しているので、点P’から放出された光は界面I1’、I2’に均等に到達する。換言すれば、点P’から放出されて界面I2’に達する光の放出方位についての角度範囲をα’とし、界面I1’に達する光の放出方位についての角度範囲をβ’とするとき、α’、β’は、理論上は180°に近い鈍角となる(実際の発光素子においてはサイズの制約によってさらに小さい角度となり得るが、このことは本質的な問題ではない)。
一方、点Pからの光の放出についてみれば、凸部I12と平坦部I11との境界位置Qと点Pとを結ぶ線分T1と、凸部I22上の接点Rと点Pとを結ぶ線分(接線)T2とに挟まれる鈍角の角度範囲のみが、(平坦部I21に到達する場合も含めて)界面I2に到達する光の放出方位であり、他の角度範囲は界面I1に到達する光の放出方位となる。よって、点Pから放出されて界面I2に達する光の放出方位についての角度範囲をαとし、界面I1に達する光の放出方位についての角度範囲をβとすると、α<α’かつ、β>β’が成り立つことになる。これらの関係は、任意の点P、P’について成り立つ。
ゆえに、発光素子10においては、凸部を設けない場合に比して、発光層4から放出される光のうち、コンタクト層7の側へと向かう光の割合が相対的に小さく、第1導電層3の側へと向かう光の割合が相対的に大きくなっている。すなわち、発光素子10は、上述した第1の作用効果を奏するものとなっている。
次に、第2の作用効果について説明する。図4は、発光層4’内の点P’から放出された光が界面I1’、I2’に入射する様子を示す図であり、図5は、発光層4内の点Pから放出された光が界面I1、I2に入射する様子を示す図である。
まず、図4に示すように、発光層4’内の点P’から放出された光L1’、L2’が界面I2’に対して任意の入射角θで入射する場合を考えると、光L1’、L2’の放出方位同士がなす角度範囲γ1’内に向けて点P’から放出される光の入射角は、θよりも小さい。同様に、点P’から放出された光L3’、L4’が界面I1’に対して同じく入射角θで入射する場合についても、光L3’、L4’の入射方位同士がなす角度範囲γ2’内に向けて点P’から放出される光の入射角はθよりも小さい。
次に、図5に示すように、発光層4内の点Pから放出された光L1、L2が同じ入射角θで界面I2に対して入射する場合を考える。なお、図5においては、理解の助けのために光L1’、L2’、L3’、L4’を重ね合わせている。図5に示すように、界面形状の違いを反映して、光L1、L2の入射方位同士がなす角度範囲γ1は、図4の場合の角度範囲γ1’よりも小さい。また、点Pから放出された光L3、L4がやはり入射角θで界面I1に対して入射する場合については、光L3、L4の入射方位同士がなす角度範囲γ2は、図4の場合の角度範囲γ2’よりも大きい。すなわち、コンタクト層7の側へ向けて放出される光についてはγ1<γ1’が成り立ち、第1導電層3の側へ向けて放出される光については、γ2>γ2’が成り立っている。
θは任意の角度であるので、図4および図5は結局のところ、発光層から放出されて中間層5との界面に入射する光においては、凸部I22を設けた場合の方が凸部I22を設けない場合よりも入射角が大きい光の割合が相対的に多く、発光層から放出されて第1導電層3との界面に入射する光においては、凸部I12を設けた場合の方が凸部I12を設けない場合より入射角がθよりも小さい光の割合が相対的に多いということを、意味していることになる。
一般に、界面にある方向から光が入射する場合、入射角が大きいほど透過する割合が小さく、入射角が小さいほど透過する割合が大きい。このことを併せ考えると、発光素子10においては、凸部I12、I22を備えることにより、発光層4内の任意の発光点から界面I2に入射する光の透過比率が相対的に低く、界面I1に入射する光の透過比率が相対的に高くなっていることになる。すなわち、発光素子10は、上述した第2の作用効果を奏するものとなっている。
以上を踏まえると、発光層と隣接層との界面に凸部を備える発光素子10においては、第1の作用効果によって、発光層4からコンタクト層7へと向かう光の割合が相対的に少なく、第1導電層3へと向かう光の割合が相対的に多くなっている。加えて、第2の作用効果によって、コンタクト層7の側の界面I2に入射する光の透過比率が相対的に小さくなっている。これにより、発光素子10においては、コンタクト層7にまで到達する光の割合が相対的に小さくなっているので、自ずから、コンタクト層7における吸収は少なくなっている。その一方で、第1導電層3を通じて外部に発せられる光の割合は相対的に大きくなっている。なお、第1導電層3およびこれに隣接する下地層2とは、発光層4の形成材料よりもバンドギャップの大きい略同一の組成のIII族窒化物にて形成されているので、第1導電層3の側へと向かった光は好適に外部へと通過する。従って、第1導電層3の側へと向かう光の割合が相対的に大きくなることはそのまま、発光素子10における光出力が増大することを意味する。
結果として、本実施の形態に係る発光素子10は、コンタクト層7にて吸収される光の割合を抑制しつつ、光の取り出し効率を高めたものとなっている。すなわち、発光素子10においては、高い光出力が実現されてなる。
しかも、本実施の形態に係る発光素子10においては、中間層5とクラッド層6aとの界面I3も界面I2の凸部I22と同様の凸部I32を含む構成を有している。それゆえ、界面I3を平坦に形成した場合に比して、界面I2を通過して中間層5からさらにコンタクト層7の側へと向かおうとする光については、第1導電層3の側へと反射される比率が相対的に高く、界面I3を通過してコンタクト層7の側へと向かう比率が相対的に低くなっている。従って、発光素子10は、コンタクト層7における光の吸収がさらに抑制される一方で、光出力がより高められたものとなっている。具体的には、発光素子10の光出力は、同じ組成の材料を用い、界面I1、I2を平坦に形成した場合に比して、50%程度高くなる。
なお、コンタクト層7における光の吸収の抑制と、発光素子における光の取り出し効率の向上という効果を良好に得るには、凸部I12、I22、I32の比h/wの値は1/4〜1/2程度であるのが好適である。h/wの値が1/4より小さい場合や1/2よりも大きい場合は、界面I2さらには界面I3に向かう光の入射角を相対的に増大させる効果や、界面I1に向かう光の入射角を相対的に低減させる効果は十分に得られない。
また、凸部同士の間隔は、100nm〜1000nm程度であるのが好適である。1000nmよりも凸部同士の間隔が大きい場合は、平坦部が相対的に支配的となり、凸部を設けることの効果が十分に得られない。また、100nmよりも凸部同士の間隔を小さくしようとする場合、平坦部は少なくなるが、凸部の形成プロセスに高い加工精度が要求される。現実的には、後述するような加工プロセスを用いて凸部同士の間隔を100nm未満にしようとすると、平坦部を介さず直接に凸部同士が隣接する箇所が少なからず形成されることで界面I1、I2、I3が凹部と凸部が混在するランダム凹凸面となるので、結果として十分な効果が得られない。
このことは、平坦部をある程度残しつつ部分的に凸部を備えるように発光層の界面を形成することが、コンタクト層7における光の吸収の抑制と、発光素子における光の取り出し効率の向上に対して効果的であることを意味している。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、発光層と隣接層との界面に、p型層の側からn型層の側に向かう凸部を設けることで、層組成が同じであるにも関わらず、従来よりも光出力の高い発光素子が実現される。
<発光素子の作製方法>
次に、本実施の形態に係る発光素子10の作製方法の一例を示す。ここでは、発光層4をAly1Gaz1N(0<y1<1、0<z1<1、y1+z1=1)で形成し、下地層2と第1導電層3とをAly2Gaz2N(y1<y2≦1.0、0≦z2<z1、y2+z2=1)で形成し、中間層5をAlw1Ga1−w1N(0.8≦w1≦1.0)で形成し、クラッド層6aをBx3Aly3Gaz3N(0≦x3<1、y1<y3≦1、0<z3<1、x3+y3+z3=1)で形成し、キャリア供給層6bをAly4Gaz4N(01<y4<y3、0<z4<1、y4+z4=1)で形成し、コンタクト層7をGaNで形成する場合について説明する。なお、以下に示す作製方法はあくまで例示であって、必ずしもこれに限られるわけではない。
まず、C面単結晶サファイアからなる厚みが数百μm程度の単結晶基材1aを用意し、その上に、MOCVD装置によって、数μm程度の厚みのAlN層を表面層1bとしてエピタキシャル成長させる。これによって基板1が得られる。なお、上述したように、サファイアやSiCなどの単結晶基材をそのまま基板1として用いてもよい。
引き続き、MOCVD装置を用いて、基板1の上に下地層2および第1導電層3を次のように順次にエピタキシャル成長させる:
(1)下地層2を数百nm程度の厚みに形成する;
(2)第1導電層3を、Si原子濃度が2×1018/cm程度となるようにSiをドーピングしつつ、1μm程度の厚みに形成する。
第1導電層3が形成されると、この時点までで得られた積層構造体をいったんMOCVD装置から取り出す。そして、第1導電層3の表面3aに、界面I1の凸部I12となる窪み3bを形成する処理を行う。図6は、窪み3bの形成およびこれに引き続く層形成の様子を模式的に示す図である。
まず、第1導電層3の表面3aの上に、従来公知のフォトリソグラフィープロセスとフッ化水素(HF)溶液によるエッチングにより、図6(a)に示すような多数の開口部101を有するSiOマスク100を形成する。図7は、SiOマスク100の上面図である。なお、図6および図7に示すSiOマスク100における開口部101の形成態様はあくまで例示であって、開口部の数、配置位置、間隔などの種々の形成要件は適宜に定められる。すなわち、図7においては開口部101が正方格子状に形成されているが、これはあくまで例示に過ぎない。
その後、水酸化カリウム(KOH)溶液でウェットエッチングを行う。これにより、SiOマスク100の開口部101の直下の部分においてエッチングが進行し、図6(b)に示すように、当該部分に曲面形状を有する窪み3bが形成される。なお、図2に示した凸部I12の幅wおよび高さhがそれぞれ、窪み3bの幅および深さに相当する。SiOマスク100の開口部のサイズやKOH溶液によるウェットエッチングの条件を適宜調整することで、幅wと高さhとを適宜に設定することができる。
SiOマスク100をHF溶液で除去すると、図6(c)に示すように、第1導電層3の表面3aは、窪み3bと平坦部3cとからなる、上述の界面I1に相当する形状となる。
第1導電層3に対するエッチングの終了後、再びMOCVD法を用いて、発光層4、中間層5、クラッド層6a、キャリア供給層6b、コンタクト層7となるIII族窒化物層を次のように順次にエピタキシャル成長させる:
(3)発光層4を、10nm程度の厚みに形成する;
(4)中間層5を、1nm程度の厚みに形成する;
(5)クラッド層6aを、Mg原子濃度が1×1019/cm程度となるようにMgをドーピングしつつ、数十nm程度の厚みに形成する;
(6)キャリア供給層6bを、Mg原子濃度が3×1019/cm程度となるようにMgをドーピングしつつ、数十nm程度の厚みに形成する;
(7)コンタクト層7を、Mg原子濃度が1×1020/cm程度となるようにMgをドーピングしつつ、数百nm程度の厚みに形成する。
このとき、発光層4および中間層5の厚みは合わせても10nm程度であって窪み3aの深さ(つまりは凸部I12の高さ)hに比して小さいので、図7(d)、(e)に示すように、両層は第1導電層3の表面3aに沿って形成されることになる。これにより、発光層4の表面4aにおいては、窪み3bが存在する位置の直上に窪み4bが形成され、平坦部3cが存在する位置の直上が平坦部4cとなる。同様に、中間層5の表面5aにおいても、窪み3b、4bが存在する位置の直上に窪み5bが形成され、平坦部3c、4cが存在する位置の直上が平坦部5cとなる。結果として、上述のような界面I1、I2、およびI3が形成されることになる。
コンタクト層7までを形成した積層構造体に対し、フォトリソグラフィープロセスとRIE法とを用いて、第1導電層3の一部を露出させる。
次に、クラッド層6a、キャリア供給層6b、およびコンタクト層7におけるMgイオンの活性化処理として、窒素雰囲気中での800℃の熱処理を数十分間施す。
続いて、フォトリソグラフィープロセスと真空蒸着法とを用いて、第1導電層3の露出部分に、カソード電極パッド8となるTi/Al/Ni/Au膜を適宜の厚みにパターニングする。その後、オーミック性接触特性を良好なものとするために、窒素雰囲気中での900℃以上の温度での熱処理を、好ましくは1000℃での熱処理を数十秒間施す。通常GaNの場合700℃程度での熱処理であるが、III族元素のうちAlの濃度が40%以上となるn型III族窒化物材料でオーミック性コンタクトを実現するには、900℃以上の温度で熱処理することが好ましい。
さらに、フォトリソグラフィープロセスと真空蒸着法とを用いて、コンタクト層7の最上面に、アノード電極層9aとなるNi/Au膜をパターニングする。その後、オーム性接触特性を良好なものとするために窒素雰囲気中での600℃の熱処理を数分間施す。
さらに、フォトリソグラフィープロセスと真空蒸着法とを用いて、アノード電極層9aの上面の一部領域に、アノード電極パッド9bとなるNi/Au膜をパターニングする。
以上のプロセスを経ることで、発光素子10は作製される。
<変形例>
第1導電層3の表面3aに窪み3bを形成する方法は、上述のKOH溶液によるウェットエッチングに限られず、ドライエッチングや機械加工などの手法を用いてもよいし、あるいは第1導電層3の成長条件を調整して、第1導電層3の形成過程において直接に窪み3bが形成されるようにしてもよい。
上述の実施の形態においては、発光層4に隣接する第1導電層3と中間層5との双方の界面が、凸部を有するようにしているが、いずれか一方の界面にのみ凸部が設けられる態様であってもよい。係る場合においても、双方の界面がともに平坦な場合に比べると、光出力は向上する。また、中間層5とクラッド層6aとの界面が凸部を有することは、必須の態様ではない。
上述の実施の形態においては、基板の上にn型層、発光層、p型層をこの順に形成するとともに、発光層と隣接層との界面にp型層の側からn型層の側に向けて突出する凸部を形成している。これに代わり、基板の上にp型層、発光層、n型層をこの順に形成するようにしてもよい。この場合も、発光層と隣接層との界面にp型層の側からn型層の側に向けて突出する凸部を形成することで、上述の実施の形態と同様の効果が得られる。
(実施例1)
本実施例では、上述の実施の形態にて示した手順で3種類の発光素子10を作製し、その特性を評価した。具体的には、凸部I12(窪み3b)の幅wと高さhとの比h/wの値を1/4、1/3、1/2の3水準に違えたほかは、同一の手順にてそれぞれの発光素子10を作製した。
まず、厚みが400μmの単結晶C面サファイアを単結晶基材1aとして用意し、その上に、MOCVD装置を用いて表面層1bとしてのAlN層を1μmの厚みにエピタキシャル成長させることで基板1を得た。
次いで、基板1の上にAl0.6Ga0.4Nからなる層を0.5μmの厚みにエピタキシャル成長させることによって下地層2を形成し、続けて、Si原子濃度が2×1018/cm程度となるようにSiをドーピングしつつ、Al0.6Ga0.4Nからなる層を1μmの厚みにエピタキシャル成長させることによって、第1導電層3を形成した。
その後、ここまでで得られた積層構造体をMOCVD装置から取り出し、フォトリソグラフィープロセスとHF溶液によるエッチングにて正方格子状に多数の開口部101を有するSiOマスク100を形成した。SiOマスク100におけるそれぞれの開口部101のサイズは100nmとし、開口部101同士の間隔は200nmとした。
続いて、窪み3bを形成するために、KOH溶液によるエッチングを行った。エッチングは、窪み3bの幅wと高さhの比h/wが上述の3水準のいずれかとなるようにした。h/w=1/4の場合であれば、代表的な幅wと高さhの値は、それぞれ200nm、50nmである。
KOHエッチングが終了すると、再びMOCVD装置を用い、発光層4、中間層5、クラッド層6a、キャリア供給層6b、およびコンタクト層7となるIII族窒化物層を順次にエピタキシャル成長させた。
具体的には、発光層4としては、Al0.49Ga0.51Nからなる層を10nmの厚みに形成した。中間層5としては、AlNからなる層を1nmの厚みに形成した。クラッド層6aとしては、Mg原子濃度が1×1019/cm程度となるようにMgをドーピングしつつ、Al0.6Ga0.4Nからなる層を25nmの厚みに形成した。キャリア供給層6bとしては、Mg原子濃度が3×1019/cm程度となるようにMgをドーピングしつつ、Al0.3Ga0.7Nからなる層を25nmの厚みに形成した。コンタクト層7としては、Mg原子濃度が1×1020/cm程度となるようにMgをドーピングしつつ、GaNからなる層を0.2μmの厚みに形成した。
得られた積層構造体に対し、フォトリソグラフィープロセスとRIE法とを用い、第1導電層3となるAl0.6Ga0.4N層の一部を露出させた。なお、その際の非エッチング領域の概略寸法は0.5mm×0.5mmとした。
次に、クラッド層6aとなるAl0.6Ga0.4N層、キャリア供給層6bとなるAl0.3Ga0.7Nからなる層、およびコンタクト層7となるGaN層におけるMgイオンの活性化処理として、窒素雰囲気中での800℃の熱処理を25分間行った。
続いて、フォトリソグラフィープロセスと真空蒸着法とを用いて、第1導電層3となるAl0.6Ga0.4N層の露出部分に、カソード電極パッド8としてのTi/Al/Ni/Au膜をそれぞれ15nm、70nm、12nm、60nmの厚みでパターニングした。その後、オーム性接触特性を良好なものとするために、窒素雰囲気中での900℃の熱処理を30秒間行った。
さらに、フォトリソグラフィープロセスと真空蒸着法とを用いて、コンタクト層7となるGaN層の最上面に、アノード電極層9aとなるNi/Au膜をそれぞれ6nm、12nmの厚みにパターニングした。その後、オーム性接触特性を良好なものとするために窒素雰囲気中での600℃の熱処理を30秒間行った。
さらに、フォトリソグラフィープロセスと真空蒸着法とを用いて、アノード電極層9aとしてのNi/Au膜の上面の一部領域に、アノード電極パッド9bとなるNi/Au膜をそれぞれ5nm、60nmの厚みにパターニングした。以上により、発光素子10が得られた。なお、断面TEMにより、得られたそれぞれの発光素子10について、界面I1、I2、I3にそれぞれ凸部I12、I22、I32が形成されていることを確認した。
それぞれの発光素子10に対して、アノード電極部9とカソード電極部8の間に正バイアスを加えたところ、いずれも、波長265nmの紫外線発光が確認された。また、入力電流60mA時の基板1側からの光出力は、それぞれ、以下の通りであった。
h/w=1/4→17.8μW;
h/w=1/3→18.2μW;
h/w=1/2→18.5μW。
(比較例1)
第1導電層3の成長後にウェットエッチングを行うことなく、実施例1と同様の手順で発光層4以降の層形成を引き続いて行うことにより、発光素子20を作製した。図8は、比較例1に係る発光素子20の構造を模式的に示す図である。一様に平坦な表面を有する第1導電層3の上に発光層4以降の各層が形成されることにより、発光素子20においては、発光層4と中間層5との界面および中間層5とクラッド層6aとの界面も、一様に平坦に形成されてなる。
得られた発光素子20に対して、アノード電極部9とカソード電極部8の間に正バイアスを加えたところ、波長265nmの紫外線発光が確認された。また、入力電流60mA時の基板1側からの光出力は、11.4μWであった。
(比較例2)
窪み3bを形成するためのマスク形成およびエッチング処理を行うことに代えて、第1導電層3まで成長させた後、MOCVD装置から素子を取り出し、第1導電層3の表面3aに対してBClガスによる反応性イオンエッチング(RIE)を行ったほかは、実施例1と同様の手順で、発光素子30を作製した。図9は、比較例2に係る発光素子30の構造を模式的に示す図である。
発光素子30においては、上述のように第1導電層3の表面に対してRIEがなされた結果、第1導電層3と発光層4との界面I31が、凹部と凸部とがランダムに混在する態様にて凹凸が形成されかつ平坦部を有さないランダム凹凸面となっている。なお、図9においては界面I31の凹凸形状を規則的に表現しているが、これは図示の都合に過ぎない。
加えて、発光層4および中間層5の厚みが薄いために、発光層4と中間層5との界面I32、および中間層5とクラッド層6aとの界面I33も、同様のランダム凹凸面として形成されてなる。
得られた発光素子30に対して、アノード電極部9とカソード電極部8の間に正バイアスを加えたところ、波長265nmの紫外線発光が確認された。また、入力電流60mA時の基板1側からの光出力は、12.1μWであった。
(実施例1と比較例1、2との対比)
実施例1および比較例2の結果を、比較例1の結果と対比すると、実施例1では比較例1に比して約50%〜60%程度大きな光出力が得られたのに対して、比較例2における光出力は比較例1と大差がなかった。係る結果は、実施例1のように界面I1、I2、およびI3をp型層の側からn型層の側に向けて突出した曲面形状の凸部を有するように形成することが、紫外域の発光における光出力を向上させるうえで有効であり、一方、比較例2のように、界面I1、I2、およびI3をランダム凹凸面として形成しても、光出力の向上の効果は顕著には得られないことがわかる。
比較例2に係る発光素子30において、十分な効果が得られなかったのは、界面I1、I2、およびI3をランダム凹凸面として形成した場合、個々の入射位置における入射角は種々様々な値となるが、平均的な入射角が、界面が平坦な場合とあまり違いがないためであると考えられる。
(実施例2)
クラッド層6aの組成をB0.1Al0.9Nとした他は、実施例1と同様の手順で発光素子10を作製した。なお、h/w=1/4とした。
得られた発光素子に対して、アノード電極部9とカソード電極部8の間に正バイアスを加えたところ、波長265nmの紫外線発光が確認された。また、入力電流60mA時の基板1側からの光出力は、21.3μWであった。
すなわち、クラッド層6aの組成をB0.1Al0.9Nとすることで、Al0.6Ga0.4N層にてクラッド層6aを形成していた実施例1の場合よりもさらに光出力が高くなることが確認された。これは、Bを加えたことによりクラッド層6aの屈折率が小さくなり、発光層4からクラッド層6aに向かう光が、中間層5とクラッド層6aとの界面I3で反射される割合が実施例1の発光素子10よりもさらに増え、結果として、コンタクト層7における光の吸収がより低減されたためであると考えられる。
1 基板
1a 単結晶基材
1b 表面層
2 下地層
3 第1導電層
3a (第1導電層の)表面
3b (第1導電層の)窪み
3c (第1導電層の)平坦部
4 発光層
5 中間層
6a クラッド層
6b キャリア供給層
7 コンタクト層
8 カソード電極部
9 アノード電極部
10、20、30 発光素子
100 SiOマスク
101 (SiOマスクの)開口部
I1、I2、I3 界面
I11、I21、I31 平坦部
I12、I22、I32 凸部

Claims (21)

  1. 第1のIII族窒化物からなる単一層である発光層と、
    第2のIII族窒化物からなりn型の導電型を呈するn型層と、
    第3のIII族窒化物からなりp型の導電型を呈するp型層と、
    を、表面が一様に平坦な所定の基材の上に、それぞれが前記基材の面内方向において連続する態様にて備え、前記発光層が前記p型層と前記n型層との間に位置する半導体発光素子であって、
    前記p型層の、前記発光層とは異なる側の界面、および、前記n型層の前記基材側の界面が一様に平坦であるとともに、
    前記発光層と前記n型層との界面である第1の界面が、平坦部を有するとともに前記p型層の側から前記n型層の側に向けて突出した曲面形状の複数の第1の凸部を有し、
    前記発光層と前記p型層側において当該発光層に隣接する隣接層との界面である第2の界面が、平坦部を有するとともに前記p型層の側から前記n型層の側に向けて突出した曲面形状の複数の第2の凸部を有する、
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 請求項1に記載の半導体発光素子であって、
    Alw1Ga1−w1N(0.8≦w1≦1.0)なる組成のIII族窒化物からなる中間層を備え、
    前記中間層が前記隣接層であり、前記中間層と前記発光層との界面が前記第2の界面である、
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  3. 請求項2に記載の半導体発光素子であって、
    前記中間層と前記p型層との界面が、平坦部を有するとともに、前記第2の界面に備わる前記複数の第2の凸部に対応する位置に前記p型層の側から前記n型層の側に向けて突出した曲面形状の複数の第3の凸部を有する、
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  4. 請求項2または請求項3に記載の半導体発光素子であって、
    前記中間層がAlNからなることを特徴とする半導体発光素子。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の半導体発光素子であって、
    前記p型層の側から前記n型層の側へと突出する前記複数の第1の凸部が、前記n型層の表面をエッチングすることにより形成されたものである、
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の半導体発光素子であって、
    前記第1のIII族窒化物がAly1Gaz1N(0<y1<1、0<z1<1、y1+z1=1)であり、
    前記第3のIII族窒化物がBx3Aly3Gaz3N(0≦x3<1、y1<y3≦1、0<z3<1、x3+y3+z3=1)である、
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  7. 請求項6に記載の半導体発光素子であって、
    少なくとも前記第2の界面の近傍において、
    前記第3のIII族窒化物がBx3Aly3Gaz3N(0<x3<1、y1<y3≦1、0<z3<1、x3+y3+z3=1)である、
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  8. 請求項1または請求項2に記載の半導体発光素子であって、
    前記第1および第2の凸部について、外周端部から水平距離が最大となる2点を選択したときの当該距離を前記凸部の幅wと定義し、対応する前記平坦部の位置を基準としたときの前記凸部の最底部までの鉛直距離を前記凸部の高さhと定義するときに、
    幅wが100nm〜1000nmであり、高さhが25nm〜500nmであり、比h/wの値が1/4〜1/2であり、
    前記第1の凸部同士の間隔および前記第2の凸部同士の間隔が100nm〜1000nmである、
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  9. 請求項3に記載の半導体発光素子であって、
    前記第1ないし第3の凸部について、外周端部から水平距離が最大となる2点を選択したときの当該距離を前記凸部の幅wと定義し、対応する前記平坦部の位置を基準としたときの前記凸部の最底部までの鉛直距離を前記凸部の高さhと定義するときに、
    幅wが100nm〜1000nmであり、高さhが25nm〜500nmであり、比h/wの値が1/4〜1/2であり、
    前記第1の凸部同士の間隔、前記第2の凸部同士の間隔、および前記第3の凸部同士の間隔が100nm〜1000nmである、
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  10. 半導体発光素子の製造方法であって、
    表面が一様に平坦な所定の基材の上に第1のIII族窒化物からなる発光層を前記基材の面内方向において連続する単一層として形成する発光層形成工程と、
    前記所定の基材の上に、第2のIII族窒化物からなり、n型の導電型を呈するn型層を前記基材の面内方向において連続する態様にて形成するn型層形成工程と、
    前記所定の基材の上に、第3のIII族窒化物からなり、p型の導電型を呈するp型層を前記基材の面内方向において連続する態様にて形成するp型層形成工程と、
    を備え、
    前記発光層を前記n型層に隣接形成するとともに、
    前記n型層形成工程においては、前記発光層との界面である第1の界面については前記n型層の表面をエッチングすることによって平坦部を有するとともに前記p型層の側から前記n型層の側に向けて突出した曲面形状の複数の第1の凸部を有するように、前記基材側の第2の界面については一様に平坦となるように、前記n型層を形成し、
    前記p型層形成工程においては、前記発光層と異なる側の第3の界面が一様に平坦となるように、前記p型層を形成する、
    ことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  11. 請求項10に記載の半導体発光素子の製造方法であって、
    前記発光層形成工程においては、前記p型層側の第4の界面が、平坦部を有するとともに前記p型層の側から前記n型層の側に向けて突出した曲面形状の複数の第2の凸部を有するように、前記発光層を形成する、
    ことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  12. 請求項11に記載の半導体発光素子の製造方法であって、
    前記発光層形成工程において前記n型層の表面形状に沿って前記発光層を形成することによって、前記第1の界面に備わる前記複数の第1の凸部に対応する位置に前記第4の界面の前記複数の第2の凸部を形成させる、
    ことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  13. 請求項10ないし請求項12のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法であって、
    Alw1Ga1−w1N(0.8≦w1≦1.0)なる組成のIII族窒化物からなる中間層を前記発光層に隣接させて形成する中間層形成工程、
    をさらに備えることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  14. 請求項13に記載の半導体発光素子の製造方法であって、
    前記中間層形成工程において前記発光層の表面形状に沿って前記中間層を形成することによって、前記発光層と前記中間層との界面を前記第4の界面として形成するとともに、前記p型層形成工程において前記p型層を前記中間層の表面形状に沿って形成することで、前記中間層と前記p型層との界面が、平坦部を有するとともに、前記第4の界面に備わる前記複数の第2の凸部に対応する位置に前記p型層の側から前記n型層の側に向けて突出した曲面形状の複数の第3の凸部を有するようにする、
    ことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  15. 請求項13または請求項14に記載の半導体発光素子の製造方法であって、
    前記中間層をAlNにて形成することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  16. 請求項10ないし請求項15のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法であって、
    前記第1のIII族窒化物がAly1Gaz1N(0<y1<1、0<z1<1、y1+z1=1)であり、
    前記第3のIII族窒化物がBx3Aly3Gaz3N(0≦x3<1、y1<y3≦1、0<z3<1、x3+y3+z3=1)である、
    ことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  17. 請求項16に記載の半導体発光素子の製造方法であって、
    前記p型層形成工程においては、前記発光層の側の前記p型層と隣接層との界面近傍において、
    前記第3のIII族窒化物がBx3Aly3Gaz3N(0<x3<1、y1<y3≦1、0<z3<1、x3+y3+z3=1)であるように前記p型層を形成する、
    ことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  18. 請求項10に記載の半導体発光素子の製造方法であって、
    前記第1の凸部について、外周端部から水平距離が最大となる2点を選択したときの当該距離を前記凸部の幅wと定義し、対応する前記平坦部の位置を基準としたときの前記凸部の最底部までの鉛直距離を前記凸部の高さhと定義するときに、
    幅wが100nm〜1000nmであり、高さhが25nm〜500nmであり、比h/wの値が1/4〜1/2であり、
    前記第1の凸部同士の間隔が100nm〜1000nmであるように、
    前記第1の凸部を形成する、
    ことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  19. 請求項11または請求項12に記載の半導体発光素子の製造方法であって、
    前記第1および第2の凸部について、外周端部から水平距離が最大となる2点を選択したときの当該距離を前記凸部の幅wと定義し、対応する前記平坦部の位置を基準としたときの前記凸部の最底部までの鉛直距離を前記凸部の高さhと定義するときに、
    幅wが100nm〜1000nmであり、高さhが25nm〜500nmであり、比h/wの値が1/4〜1/2であり、
    前記第1の凸部同士の間隔および前記第2の凸部同士の間隔が100nm〜1000nmであるように、
    前記第1および第2の凸部を形成する、
    ことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  20. 請求項14に記載の半導体発光素子の製造方法であって、
    前記第1ないし第3の凸部について、外周端部から水平距離が最大となる2点を選択したときの当該距離を前記凸部の幅wと定義し、対応する前記平坦部の位置を基準としたときの前記凸部の最底部までの鉛直距離を前記凸部の高さhと定義するときに、
    幅wが100nm〜1000nmであり、高さhが25nm〜500nmであり、比h/wの値が1/4〜1/2であり、
    前記第1の凸部同士の間隔、前記第2の凸部同士の間隔、および前記第3の凸部同士の間隔が100nm〜1000nmであるように、
    前記第1ないし第3の凸部を形成する、
    ことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  21. 請求項10ないし請求項20のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法であって、
    前記n型層形成工程においては、
    前記第2のIII族窒化物からなり表面が平坦なn型層用結晶層を成長させる工程と、
    前記n型層用結晶層の前記表面にマスクを形成する工程と、
    前記ウェットエッチングにより前記n型層用結晶層の表面に複数の窪みを形成する工程と、
    前記マスクを除去する工程と、
    をこの順で行うことによって前記n型層を形成する、
    ことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
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