JP3460871B2 - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents
可逆性感熱記録媒体Info
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Description
関し、とくに温度の変化により透明度を変化させること
で所望の文字、数字、記号、パターン等(以下「文字
等」と記す)を可逆的に書込むことが可能な可逆性感熱
記録媒体に関する。本発明の可逆性感熱記録媒体は、た
とえば各種のプリペイド方式の磁気カードの磁気記録内
容に対応した文字等を印字して、磁気記録内容を目視可
能とする用途に有効に利用できる。
熱記録塗料を用いて形成された可逆性感熱記録層は、外
部から熱を加えられたときに、その温度に応じて、透明
な状態から白濁状態までの範囲でその光透過性を変え、
冷却後にはその状態を保持する性質をもつので、文字等
を可逆的に書込むことができ、通常は透明状態の背景に
白濁させた文字等を表示させている。このような可逆性
感熱記録材料として、たとえば特開昭63−39378
号、特開昭63−130380号、特開平2−1363
号公報等に記載されたものが知られている。
的には、樹脂母材、脂肪族カルボン酸および有機溶媒の
3成分からなっている。樹脂母材としては、一般に塩化
ビニル・酢酸ビニル共重合体が使用されている。また脂
肪族カルボン酸としては、炭素数16〜24程度の高級
脂肪酸、たとえばステアリン酸あるいはベヘン酸が多く
用いられている。有機溶媒は、樹脂母材、脂肪族カルボ
ン酸を溶解し得るもので、一般的にはテトラヒドロフラ
ン(THF)が使用される。
て、文字等を書込み(白濁化)、もしくは消去(透明
化)する動作を、サーマルヘッドにより行うと、或る領
域に書込み、消去を繰り返すうち、或る回数に達したの
ちに、書込まれた文字等の印字濃度(すなわちコントラ
スト)が急激に低下したり、あるいは消去が充分に行え
なくなるという現象が生じる。通常、明瞭な印字品質が
得られる書換え回数は20回程度であり、それ以上の書
換えを行うと、明瞭な印字および消去が行えなくなる。
したがって、これ以上の書換えが必要な用途では、前記
のような可逆性感熱記録媒体は使用できないことにな
る。
に、可逆性感熱記録に直接関与している成分、具体的に
は樹脂母材を架橋させることが提案されている。たとえ
ば特開平3−227688号には、ヒドロキシル変成塩
化ビニル/酢酸ビニル共重合体をイソシアネートで架橋
させることにより書換え耐久性を向上させることが開示
されている。
材を架橋により強化した場合には、書換え耐久性はたし
かに向上するが、樹脂母材は可逆的記録に直接関与して
いることから、記録特性に影響を与える可能性が高く、
可逆性感熱記録層を構成する塗料の配合等の設計が難し
くなる。
体の書換え可能回数を大幅に上回る多数回の書換えが可
能で、しかも可逆性感熱記録層の設計が容易な可逆性感
熱記録媒体を提供することである。
より透明状態と白濁状態とを可逆的に繰り返す可逆性感
熱記録層を備えた可逆性感熱記録媒体において、前記可
逆性感熱記録層は、脂肪族カルボン酸、樹脂母材および
架橋型樹脂を含有し、前記架橋型樹脂は架橋剤との架橋
反応により硬化されており、前記架橋型樹脂および架橋
剤は、前記樹脂母材とは架橋していなく、かつ、前記樹
脂母材が分子内に水酸基を含有しないポリ塩化ビニルま
たは塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体であり、前記架橋
型樹脂がポリオールまたはポリオール共重合体であり、
前記架橋剤がイソシアネート化合物であることを特徴と
する可逆性感熱記録媒体が提供される。
脂母材、脂肪族カルボン酸および溶媒を主成分とする塗
料を用いて形成された可逆性感熱記録層に、使用された
樹脂母材とは反応しない架橋型樹脂を添加したことであ
る。したがって得られた可逆性感熱記録層では、樹脂母
材はそのままの形態で存在しているので、所期の可逆性
を低下させることなく、優れた書換え耐久性が発揮され
る。
基を含有しないポリ塩化ビニルまたは塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体である。架橋型樹脂の例として、下記の
ような架橋型樹脂と架橋剤との組み合わせを使用するこ
とができる。
利用するもの: (架橋型樹脂) ポリオール、ポリオール共重合体。
う用語は、上記のポリオール、ポリオール共重合体を総
称するものとして使用される。
の配合比率にとくに制限はないが、好ましい範囲は、樹
脂母材100重量部に対して、架橋型樹脂25重量部〜
100重量部の範囲内である。また架橋型樹脂としてポ
リオールとイソシアネート化合物の組み合わせを使用す
る場合には、ポリオール100重量部に対して、イソシ
アネート化合物1重量部〜50重量部、好ましくは5重
量部〜25重量部の割合が妥当である。
ボン酸、樹脂母材、架橋型樹脂および架橋剤を含有する
塗料を塗工した後、加熱乾燥により前記架橋型樹脂を前
記架橋剤との架橋反応により硬化させて得られる。
録媒体を、図1に示した磁気カードに適用した場合につ
いて説明する。
磁性層2、平滑層3、反射層4、可逆性感熱記録層5、
保護層6、および印刷層7をこの順序で形成したもので
ある。
フタレート、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニルおよびポリ
カーボネート等の合成樹脂シート、あるいは合成紙等を
用いることができる。
を蒸着により数百オングストローム、好ましくは300
〜800オングストロームの厚さに形成され、その上に
形成される可逆性感熱記録層5の文字等の情報を反射光
で見やすくするものである。
酸、樹脂母材、熱架橋型樹脂および架橋剤を有機溶媒に
溶解した塗料を用い、反射層4上に、ワイヤーバーのよ
うな適宜の塗布手段により塗布、加熱乾燥して、たとえ
ば厚さ約4μmの厚さに設けられる。
るが、必要に応じてさらに40℃程度で数時間以上保存
して架橋させてもよい。
の高級脂肪酸、炭素数14以上のオキシ酸、好ましくは
炭素数14以上で水酸基を2以上持つオキシ酸、または
ジカルボン酸、好ましくは炭素数26以下のジカルボン
酸等が使用できる。
族カルボン酸とのエステルを添加してもよい。
素数11以上の脂肪族カルボン酸とのエステルを組み合
わせて使用すると、広い透明化温度範囲が得られるので
好ましい。ジカルボン酸と前記エステルとの添加割合
は、重量比で1:50〜50:1が好ましく、特に好ま
しくは1:1〜1:15の範囲である。
範囲を拡大させるために、樹脂母材より低いガラス転移
点(Tg)、好ましくは50℃以下のガラス転移点をも
つ樹脂(以下、「低Tg樹脂」という)を必要により含
有させることができ、このような樹脂としては、アクリ
ル系樹脂、ポリエステル系樹脂、あるいはポリアミド系
樹脂を使用することが好ましい。
化ビニル−酢酸ビニル共重合体である。
保護するためのもので、たとえばセルロース系樹脂、ウ
レタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、エ
ポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等の耐摩耗性および耐熱
性の良好な材料によって形成される。これらの樹脂に
は、可塑剤としてフタル酸エステル、脂肪酸エステル、
リン酸エステル等を添加することができ、また滑性を付
与するものとして、低分子ポリエチレン、オレイルアマ
イド、ステアリルアマイド、シリコーン等を添加するこ
とができる。
た。
て、下記実施例1、参考例1〜4、および比較例1、2
の組成からなる塗料をそれぞれ使用して形成した可逆性
感熱記録層5を有する試料を調製した。なお可逆性感熱
記録層5は、アルミニウムからなる反射層4上に、ワイ
ヤーバーにより塗布後、130℃で1分乾燥し、厚さ約
4μmで形成された。
子内に水酸基を含有する樹脂を使用した例、実施例1は
樹脂母材として分子中に水酸基を含有しない樹脂を使用
した本発明の実施例であり、比較例1は架橋剤を含有せ
ず、したがって架橋する樹脂を含有しない例、比較例2
は樹脂母材として架橋型樹脂を使用した例である。なお
各実施例および比較例において、「部」は「重量部」で
ある。
消去耐久性テストを実施した。このテストは、8ドット
/mmのサーマルヘッドを用いて、3.12msec/
lineの速度で印字および消去を行うサイクルを1回
とカウントし、このサイクルを所定回数だけ繰り返すこ
とにより行われた。なお、ここでの印字は、透明状態す
なわち反射層4の背景に白濁化させて文字等を表わすよ
うにした。各サイクル毎に、可逆性感熱記録層5の印字
濃度と消去濃度が、マクベス反射濃度計を用いて測定さ
れた。
印字濃度に達したエネルギー+0.01mJ/dotと
した。また消去エネルギーは可逆性感熱記録層が最も透
明化した時の反射濃度±10%以内に収まるようにでき
る消去エネルギー範囲の中央値のエネルギーを印加し
た。
おいて、印字濃度および消去濃度は、反射濃度として表
わされているので、値が大きくなるほど濃度が低下して
いることを示す。
1の試料では、32回の印字、消去後にも印字濃度およ
び消去濃度の変化はきわめて僅かであるのに対し、比較
例1の試料では、4回で消去濃度、また16回で印字濃
度に低下が認められ、32回でとくに印字濃度が急激に
低下していることがわかる。なお参考例2〜4の試料
も、参考例1の試料と同等の結果を示した。
リメチロールプロパン1molとを反応させたポリイソ
シアネート化合物(架橋剤) (比較例2) ドデカン二酸 5部 ベヘニルベヘネート 25部 水酸基を含有する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 (ユニオンカーバイド社製商品名「VMCH」) 60部 コロネートL(日本ポリウレタン工業(株)製) 5部 THF 500部 以上の実施例1および比較例2の各試料について、室温
(22℃)または高温(40℃)の下でそれぞれ3日お
よび1週間保存した後のサーマルヘッドによる消去エネ
ルギー範囲の経時変化を測定した。その結果を下記の表
1に示す。なお、ここで消去エネルギー範囲は、図3に
示すように、可逆性感熱記録層5が最も透明化したとき
の反射濃度±10%以内に収まるようにできる消去エネ
ルギーの範囲である。
去エネルギー範囲の経時変化がきわめて少ないのに対し
て、樹脂母材を架橋させた比較例では、とくに高温で保
存した後にサーマルヘッドによる消去エネルギー範囲が
著しく狭まっていることがわかる。
体によれば、可逆性感熱記録に関係のない樹脂を添加し
てこれを架橋させることにより硬化させたので、記録特
性に影響を与えず、またサーマルヘッドによる書換えを
多数回にわたって繰り返しても、初期の印字性能が大き
く低下することがなく、また室温または高温の下で数日
から1週間保存した後のサーマルヘッドによる消去エネ
ルギー範囲の経時変化がきわめて少ないという効果が得
られる。
部分縦断面図。
しによる反射濃度の変化を測定した結果を示すグラフ。
度と、印加エネルギー、消去エネルギー範囲、飽和印字
濃度および印字エネルギーの関係を示すグラフ。
Claims (2)
- 【請求項1】 加熱により透明状態と白濁状態とを可逆
的に繰り返す可逆性感熱記録層を備えた可逆性感熱記録
媒体において、前記可逆性感熱記録層は、脂肪族カルボ
ン酸、樹脂母材および架橋型樹脂を含有し、前記架橋型
樹脂は架橋剤との架橋反応により硬化されており、前記
架橋型樹脂および架橋剤は、前記樹脂母材とは架橋して
いなく、かつ、前記樹脂母材が分子内に水酸基を含有し
ないポリ塩化ビニルまたは塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体であり、前記架橋型樹脂がポリオールまたはポリオ
ール共重合体であり、前記架橋剤がイソシアネート化合
物であることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。 - 【請求項2】 前記樹脂母材と前記架橋型樹脂の配合比
率が、前記樹脂母材100重量部に対して、前記架橋型
樹脂25重量部〜100重量部の割合である請求項1に
記載の可逆性感熱記録媒体。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP26939594A JP3460871B2 (ja) | 1994-11-02 | 1994-11-02 | 可逆性感熱記録媒体 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26939594A JP3460871B2 (ja) | 1994-11-02 | 1994-11-02 | 可逆性感熱記録媒体 |
Publications (2)
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---|---|
JPH08127183A JPH08127183A (ja) | 1996-05-21 |
JP3460871B2 true JP3460871B2 (ja) | 2003-10-27 |
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Family Applications (1)
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JP26939594A Expired - Fee Related JP3460871B2 (ja) | 1994-11-02 | 1994-11-02 | 可逆性感熱記録媒体 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3460871B2 (ja) |
-
1994
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