JP3185952B2 - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents
可逆性感熱記録媒体Info
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- JP3185952B2 JP3185952B2 JP34355492A JP34355492A JP3185952B2 JP 3185952 B2 JP3185952 B2 JP 3185952B2 JP 34355492 A JP34355492 A JP 34355492A JP 34355492 A JP34355492 A JP 34355492A JP 3185952 B2 JP3185952 B2 JP 3185952B2
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- Japan
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- reversible thermosensitive
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可逆性感熱記録媒体に
関し、とくに温度の変化により透明度を変化させること
で所望の文字、記号、パターン等(以下「文字等」と記
す)を可逆的に書き込むことが可能な可逆性感熱記録媒
体に関する。本発明の感熱記録媒体は、たとえば各種の
プリペイド方式の磁気カードの磁気記録内容に対応した
数字等を印字して、磁気記録内容を視認可能とする用途
に有効に利用できる。
関し、とくに温度の変化により透明度を変化させること
で所望の文字、記号、パターン等(以下「文字等」と記
す)を可逆的に書き込むことが可能な可逆性感熱記録媒
体に関する。本発明の感熱記録媒体は、たとえば各種の
プリペイド方式の磁気カードの磁気記録内容に対応した
数字等を印字して、磁気記録内容を視認可能とする用途
に有効に利用できる。
【0002】
【従来の技術】感熱記録媒体において、可逆性感熱記録
塗料で構成された感熱記録層は、外部から熱を加えられ
たときに、その温度に応じて、透明な状態からほとんど
不透明な白濁状態までの範囲でその光透過性を変え、冷
却後にはその状態を保持する性質をもつので、文字等を
書換え可能に書き込むことができる。このような可逆性
感熱記録塗料として、たとえば特開昭63−39378
号、特開昭63−130380号、特開平1−1237
88号公報等に記載されたものが知られている。これら
公知の可逆性感熱記録塗料は、基本的には、 (1) 樹脂母材 (2) 高級脂肪酸 (3) 有機溶媒 の3成分からなっている。樹脂母材としては、一般に塩
化ビニル・酢酸ビニル共重合体が使用されている。また
高級脂肪酸としては、炭素数16〜24程度の脂肪酸、
たとえばステアリン酸あるいはベヘン酸が多く用いられ
ている。有機溶媒は、高級脂肪酸を溶解し得るもので、
一般的にはテトラヒドロフラン(THF)が使用され
る。
塗料で構成された感熱記録層は、外部から熱を加えられ
たときに、その温度に応じて、透明な状態からほとんど
不透明な白濁状態までの範囲でその光透過性を変え、冷
却後にはその状態を保持する性質をもつので、文字等を
書換え可能に書き込むことができる。このような可逆性
感熱記録塗料として、たとえば特開昭63−39378
号、特開昭63−130380号、特開平1−1237
88号公報等に記載されたものが知られている。これら
公知の可逆性感熱記録塗料は、基本的には、 (1) 樹脂母材 (2) 高級脂肪酸 (3) 有機溶媒 の3成分からなっている。樹脂母材としては、一般に塩
化ビニル・酢酸ビニル共重合体が使用されている。また
高級脂肪酸としては、炭素数16〜24程度の脂肪酸、
たとえばステアリン酸あるいはベヘン酸が多く用いられ
ている。有機溶媒は、高級脂肪酸を溶解し得るもので、
一般的にはテトラヒドロフラン(THF)が使用され
る。
【0003】また特開平3−193386号公報には、
高級脂肪酸として、分子内に水酸基またはオキソ基を含
有するものを使用することにより、透明部と不透明部と
のコントラストが高く、また透明化させる際の加熱温度
範囲が広くなることが示唆されている。
高級脂肪酸として、分子内に水酸基またはオキソ基を含
有するものを使用することにより、透明部と不透明部と
のコントラストが高く、また透明化させる際の加熱温度
範囲が広くなることが示唆されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のような可逆性感
熱記録媒体において、文字等を記録し、もしくは消去す
る動作は、実際にはサーマルヘッドによる熱印字で行な
われるのが普通であるが、通常のサーマルヘッドの印字
時における温度を狭い範囲に厳格に維持することは容易
でないので、感熱記録層を構成している可逆性感熱記録
塗料の特性として、透明化するのに必要な温度の範囲が
できるだけ広いことが望まれる。前述の特開平3−19
3386号公報の発明は、この温度の範囲の拡大を目指
すものであるが、透明化が達成される温度範囲は約5℃
程度で、十分なものとはいえず、透明化温度のさらなる
拡大が望まれている。
熱記録媒体において、文字等を記録し、もしくは消去す
る動作は、実際にはサーマルヘッドによる熱印字で行な
われるのが普通であるが、通常のサーマルヘッドの印字
時における温度を狭い範囲に厳格に維持することは容易
でないので、感熱記録層を構成している可逆性感熱記録
塗料の特性として、透明化するのに必要な温度の範囲が
できるだけ広いことが望まれる。前述の特開平3−19
3386号公報の発明は、この温度の範囲の拡大を目指
すものであるが、透明化が達成される温度範囲は約5℃
程度で、十分なものとはいえず、透明化温度のさらなる
拡大が望まれている。
【0005】本発明は、常温から所定の温度に加熱する
過程で透明になり、ついで常温に戻しても透明を維持で
きる温度の範囲、すなわち透明化温度範囲を拡大し、実
用性の高い可逆性感熱記録媒体を提供することを目的と
している。
過程で透明になり、ついで常温に戻しても透明を維持で
きる温度の範囲、すなわち透明化温度範囲を拡大し、実
用性の高い可逆性感熱記録媒体を提供することを目的と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による可逆性感熱
記録媒体は、樹脂母材と、下記の一般式
記録媒体は、樹脂母材と、下記の一般式
【0007】
【化2】 (式中、Aは炭素数12以上の直鎖飽和炭化水素基、X
はAの任意の炭素原子に結合した−OH、nは2以上の
整数である。)で表される有機カルボン酸誘導体と、こ
の誘導体に対する溶媒とからなる塗料で構成された感熱
記録層を備えていることを特徴とする。
はAの任意の炭素原子に結合した−OH、nは2以上の
整数である。)で表される有機カルボン酸誘導体と、こ
の誘導体に対する溶媒とからなる塗料で構成された感熱
記録層を備えていることを特徴とする。
【0008】本発明において、脂肪酸成分として、上記
の一般式で表される有機カルボン酸誘導体を使用するこ
とが重要である。
の一般式で表される有機カルボン酸誘導体を使用するこ
とが重要である。
【0009】このような−OH置換脂肪酸を使用するこ
とによって透明化温度範囲が拡大される理由は、透明化
温度まで加熱されたときに、広い温度範囲で溶解状態を
保つことができることによると推測される。またこれら
の物質は、樹脂母材に対する相溶性が高いことも、透明
化温度範囲の拡大に寄与していると考えられる。−OH
基の数が2未満の場合には、このような顕著な効果は得
られないことが実験の結果明らかになった。また有機カ
ルボン酸誘導体の主鎖の炭素原子数が14未満のもので
は、融点が低いため、透明化温度域が低く、実用的でな
い。
とによって透明化温度範囲が拡大される理由は、透明化
温度まで加熱されたときに、広い温度範囲で溶解状態を
保つことができることによると推測される。またこれら
の物質は、樹脂母材に対する相溶性が高いことも、透明
化温度範囲の拡大に寄与していると考えられる。−OH
基の数が2未満の場合には、このような顕著な効果は得
られないことが実験の結果明らかになった。また有機カ
ルボン酸誘導体の主鎖の炭素原子数が14未満のもので
は、融点が低いため、透明化温度域が低く、実用的でな
い。
【0010】本発明において、好適な−OH置換脂肪酸
の例としては、ジヒドロキシベヘン酸、ジヒドロキシス
テアリン酸、トリヒドロキシステアリン酸、およびテト
ラヒドロキシステアリン酸を包含する。具体的には、1
3,14−ジヒドロキシベヘン酸、9,10−ジヒドロ
キシステアリン酸、9,10,12−トリヒドロキシス
テアリン酸、および9,10,12,13−テトラヒド
ロキシステアリン酸が挙げられる。
の例としては、ジヒドロキシベヘン酸、ジヒドロキシス
テアリン酸、トリヒドロキシステアリン酸、およびテト
ラヒドロキシステアリン酸を包含する。具体的には、1
3,14−ジヒドロキシベヘン酸、9,10−ジヒドロ
キシステアリン酸、9,10,12−トリヒドロキシス
テアリン酸、および9,10,12,13−テトラヒド
ロキシステアリン酸が挙げられる。
【0011】
【0012】樹脂母材としては、通常の可逆性感熱記録
塗料に使用されている物質、たとえばポリ塩化ビニル;
あるいは塩化ビニルと塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ビ
ニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸エステル、ア
クリロニトリルまたはポリエステルの1種または2種以
上との共重合体等を使用することができる。中でも、塩
化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(たとえばユニオン
カーバイド社製商品名「VMCH」)を有利に使用でき
る。
塗料に使用されている物質、たとえばポリ塩化ビニル;
あるいは塩化ビニルと塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ビ
ニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸エステル、ア
クリロニトリルまたはポリエステルの1種または2種以
上との共重合体等を使用することができる。中でも、塩
化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(たとえばユニオン
カーバイド社製商品名「VMCH」)を有利に使用でき
る。
【0013】本発明の好ましい実施態様において、前述
の可逆性感熱記録塗料は、白濁状態での濃度すなわち白
色度を上昇させて、他の領域との視覚的コントラストを
向上させるために、 R1−COOR2 (2) (ここでR1は炭素数10以上のアルキル基、R2は炭素
数1以上のアルキル基である。)で表されるエステルを
含有することができる。好ましいエステルは、ステアリ
ルステアレート、ステアリルベヘネート、ベヘニルステ
アレート、ベヘニルベヘネート等である。
の可逆性感熱記録塗料は、白濁状態での濃度すなわち白
色度を上昇させて、他の領域との視覚的コントラストを
向上させるために、 R1−COOR2 (2) (ここでR1は炭素数10以上のアルキル基、R2は炭素
数1以上のアルキル基である。)で表されるエステルを
含有することができる。好ましいエステルは、ステアリ
ルステアレート、ステアリルベヘネート、ベヘニルステ
アレート、ベヘニルベヘネート等である。
【0014】これらのエステルの添加量にとくに制限は
ないが、実験の結果によれば、高級脂肪酸:エステルの
比が重量で1:50〜50:1、好ましくは1:1〜
1:15の範囲になるように添加したときに良好な結果
が得られた。
ないが、実験の結果によれば、高級脂肪酸:エステルの
比が重量で1:50〜50:1、好ましくは1:1〜
1:15の範囲になるように添加したときに良好な結果
が得られた。
【0015】本発明による記録媒体における可逆性感熱
記録層の加熱温度と光透過度との関係を図1に示す。可
逆性感熱記録層がT1〜T2の範囲の温度に加熱され、つ
いでT0(常温)まで冷却されたとすると、この層はそ
の最も高い透明度を有する。つぎにこの層がT3以上の
高い温度まで加熱されたのちT0まで冷却されると、透
明度の最も低い白濁した状態となる。またT0〜T1まで
の間、またはT2〜T3までの間の温度に加熱した後T0
まで冷却した場合には、加熱時の温度に対応して変化す
る透明度をもつ。そしてこの透明度の変化は完全に可逆
的であり、加熱および冷却を繰り返す毎に所望の透明度
を得ることができる。このT1〜T2の温度範囲が、前述
の透明化温度範囲に相当し、本発明によれば、この透明
化温度範囲が大幅に拡大される。
記録層の加熱温度と光透過度との関係を図1に示す。可
逆性感熱記録層がT1〜T2の範囲の温度に加熱され、つ
いでT0(常温)まで冷却されたとすると、この層はそ
の最も高い透明度を有する。つぎにこの層がT3以上の
高い温度まで加熱されたのちT0まで冷却されると、透
明度の最も低い白濁した状態となる。またT0〜T1まで
の間、またはT2〜T3までの間の温度に加熱した後T0
まで冷却した場合には、加熱時の温度に対応して変化す
る透明度をもつ。そしてこの透明度の変化は完全に可逆
的であり、加熱および冷却を繰り返す毎に所望の透明度
を得ることができる。このT1〜T2の温度範囲が、前述
の透明化温度範囲に相当し、本発明によれば、この透明
化温度範囲が大幅に拡大される。
【0016】
【実施例】以下に本発明の一実施例による感熱記録媒体
を、磁気カードに適用した場合について説明する。
を、磁気カードに適用した場合について説明する。
【0017】図2において、基材1の一方の表面に、磁
性層2、平滑層3、金属蒸着層4、可逆性感熱記録層
5、および耐摩耗性の保護層6がこの順序で形成されて
いる。なお可逆性感熱記録層5と保護層6との間、また
は保護層6上に、必要に応じて任意の視覚的記号または
パターンを形成するための印刷層7を設けてもよい。基
材1としては、たとえばポリエチレンテレフタレート、
エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニルおよびポリカーボネート
等の合成樹脂シート、あるいは合成紙等を用いることが
できる。
性層2、平滑層3、金属蒸着層4、可逆性感熱記録層
5、および耐摩耗性の保護層6がこの順序で形成されて
いる。なお可逆性感熱記録層5と保護層6との間、また
は保護層6上に、必要に応じて任意の視覚的記号または
パターンを形成するための印刷層7を設けてもよい。基
材1としては、たとえばポリエチレンテレフタレート、
エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニルおよびポリカーボネート
等の合成樹脂シート、あるいは合成紙等を用いることが
できる。
【0018】平滑層3は、この上に形成される金属蒸着
層表面が鏡面となるために適度な平滑性を与えるもので
ある。この例では、紫外線硬化型樹脂(大日本インキ化
学工業製「C7−164」)を磁性層2上に塗布した
後、紫外線で硬化して形成された厚さ2〜4μmのもの
である。
層表面が鏡面となるために適度な平滑性を与えるもので
ある。この例では、紫外線硬化型樹脂(大日本インキ化
学工業製「C7−164」)を磁性層2上に塗布した
後、紫外線で硬化して形成された厚さ2〜4μmのもの
である。
【0019】保護層6は、磁気カードの表面を保護する
ためのもので、たとえばセルロース系樹脂、ウレタン系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ系
樹脂、アクリル系樹脂等の耐摩耗性および耐熱性の良好
な材料によって形成される。これらの樹脂には、可塑剤
としてフタル酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エス
テル等を添加することができ、また滑性を付与するもの
として、低分子ポリエチレン、オレイルアマイド、ステ
アリルアマイド、シリコーン等を添加することができ
る。さらに塗料として塗布する際には、他の層を侵すこ
とのない溶剤を使用することが必要であり、たとえばグ
リコールエーテル系やアルコール系等の溶剤から適宜選
択するのが好ましい。なお、使用する溶剤の量を少なく
するために、アクリル系、エポキシ系、ポリエステル系
等の紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂を用いること
ができる。この保護層6の厚さは、たとえば10μm以
下、好ましくは1〜5μm程度である。
ためのもので、たとえばセルロース系樹脂、ウレタン系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ系
樹脂、アクリル系樹脂等の耐摩耗性および耐熱性の良好
な材料によって形成される。これらの樹脂には、可塑剤
としてフタル酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エス
テル等を添加することができ、また滑性を付与するもの
として、低分子ポリエチレン、オレイルアマイド、ステ
アリルアマイド、シリコーン等を添加することができ
る。さらに塗料として塗布する際には、他の層を侵すこ
とのない溶剤を使用することが必要であり、たとえばグ
リコールエーテル系やアルコール系等の溶剤から適宜選
択するのが好ましい。なお、使用する溶剤の量を少なく
するために、アクリル系、エポキシ系、ポリエステル系
等の紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂を用いること
ができる。この保護層6の厚さは、たとえば10μm以
下、好ましくは1〜5μm程度である。
【0020】可逆性感熱記録層5は、前述の樹脂母材お
よび有機カルボン酸誘導体を主体とする混合物に、必要
に応じて前記のエステルを添加したのち、有機溶媒を加
えてボールミル中で1時間程度分散させ、さらにたとえ
ばワイヤーバーのような装置を用いて適当な厚さに塗布
し、乾燥することにより形成することができる。
よび有機カルボン酸誘導体を主体とする混合物に、必要
に応じて前記のエステルを添加したのち、有機溶媒を加
えてボールミル中で1時間程度分散させ、さらにたとえ
ばワイヤーバーのような装置を用いて適当な厚さに塗布
し、乾燥することにより形成することができる。
【0021】好適な配合例を下に示す。
【0022】(配合例1) 13,14−ジヒドロキシベヘン酸 1部 ステアリルステアレート 5部 VMCH 12部 THF 136部 透明化温度範囲は68℃〜88℃であった。
【0023】(配合例2) 13,14−ジヒドロキシベヘン酸 1部 ステアリルステアレート 15部 VMCH 32部 THF 100部 透明化温度範囲は60℃〜80℃であった。
【0024】その他の適当な配合例を下に示す。
【0025】(配合例3) 9,10−ジヒドロキシステアリン酸 15部 VMCH 30部 THF 155部 (配合例4) 13,14−ジヒドロキシベヘン酸 1部 ベヘニルベヘネート 5部 VMCH 12部 THF 136部 (実験例)本発明の効果を実証するための実験を行なっ
た。
た。
【0026】まず、9,10−ジヒドロキシステアリン
酸とVMCHとを重量比で1:2の割合で使用し、さら
に9,10−ジヒドロキシステアリン酸に対して種々の
割合でステアリルステアレートを添加し、その10部に
対して100部のTHFを加えて攪拌溶解させて塗料と
した。この塗料を用いて、ポリエチレンテレフタレート
基材上に形成されたアルミニウム蒸着層の上に、ワイヤ
ーバーにより厚さ約4μmの塗膜を形成した。
酸とVMCHとを重量比で1:2の割合で使用し、さら
に9,10−ジヒドロキシステアリン酸に対して種々の
割合でステアリルステアレートを添加し、その10部に
対して100部のTHFを加えて攪拌溶解させて塗料と
した。この塗料を用いて、ポリエチレンテレフタレート
基材上に形成されたアルミニウム蒸着層の上に、ワイヤ
ーバーにより厚さ約4μmの塗膜を形成した。
【0027】この塗膜について、その透明化領域の温度
を測定し、その結果を下の表1に示す。透明化温度の測
定は、試料をオーブン内で加熱して感熱記録層を白濁化
したのち、熱傾斜試験機(東洋精機(株)製、TYPE-HG1
00)を使用して、52℃から2℃ずつ温度を上昇させ、
透明状態を維持した温度範囲を測定することにより行な
われた。また濃度計(マクベス社製、RD−918)を
使用して、試料表面の透明部分と白濁部分の濃度(Opti
cal Density、「O.D.」と記す)を測定し、その結果も
あわせて表1に示す。
を測定し、その結果を下の表1に示す。透明化温度の測
定は、試料をオーブン内で加熱して感熱記録層を白濁化
したのち、熱傾斜試験機(東洋精機(株)製、TYPE-HG1
00)を使用して、52℃から2℃ずつ温度を上昇させ、
透明状態を維持した温度範囲を測定することにより行な
われた。また濃度計(マクベス社製、RD−918)を
使用して、試料表面の透明部分と白濁部分の濃度(Opti
cal Density、「O.D.」と記す)を測定し、その結果も
あわせて表1に示す。
【0028】(比較例)上記の試験において、9,10
−ジヒドロキシステアリン酸の代わりに12−ヒドロキ
システアリン酸を使用した以外は同様に操作して得た可
逆性感熱記録層について、その透明化領域の温度を測定
した。その結果を下の表1に示す。
−ジヒドロキシステアリン酸の代わりに12−ヒドロキ
システアリン酸を使用した以外は同様に操作して得た可
逆性感熱記録層について、その透明化領域の温度を測定
した。その結果を下の表1に示す。
【0029】
【表1】 上の表1から、分子の主鎖に2個の−OH基を含有する
9,10−ジヒドロキシステアリン酸を使用した実験例
の場合には、1個のみの−OHを基含有する12−ヒド
ロキシステアリン酸を使用した比較例の場合と比較し
て、透明化領域の温度範囲が大幅に拡大していることが
明らかである。
9,10−ジヒドロキシステアリン酸を使用した実験例
の場合には、1個のみの−OHを基含有する12−ヒド
ロキシステアリン酸を使用した比較例の場合と比較し
て、透明化領域の温度範囲が大幅に拡大していることが
明らかである。
【0030】また上の表1から、実験例の場合にはエス
テルの添加量が高級脂肪酸:エステルの重量比で1:1
より多い場合には、透明化温度範囲、コントラストとも
に良好な結果が得られることがわかる。
テルの添加量が高級脂肪酸:エステルの重量比で1:1
より多い場合には、透明化温度範囲、コントラストとも
に良好な結果が得られることがわかる。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明の可逆性感熱記録媒
体は、その可逆性感熱記録層を形成するための塗料とし
て、下記の一般式
体は、その可逆性感熱記録層を形成するための塗料とし
て、下記の一般式
【0032】
【化3】 (式中、Aは炭素数12以上の直鎖飽和炭化水素基、X
はAの任意の炭素原子に結合した−OH、nは2以上の
整数である。)で表される有機カルボン酸誘導体と、こ
の誘導体に対する溶媒とからなる塗料を使用することに
より、透明化させるための温度領域を大幅に拡大するこ
とが可能となる。したがって透明化のための加熱時の温
度管理が容易になる。
はAの任意の炭素原子に結合した−OH、nは2以上の
整数である。)で表される有機カルボン酸誘導体と、こ
の誘導体に対する溶媒とからなる塗料を使用することに
より、透明化させるための温度領域を大幅に拡大するこ
とが可能となる。したがって透明化のための加熱時の温
度管理が容易になる。
【0033】さらにこの塗料にエステルを添加した場合
には、白濁状態での白色度が向上し、文字等の視認性が
向上する。
には、白濁状態での白色度が向上し、文字等の視認性が
向上する。
【図1】本発明の磁気記録媒体に用いられた可逆性感熱
記録層の加熱温度と透明度との関係を示すグラフ。
記録層の加熱温度と透明度との関係を示すグラフ。
【図2】本発明の一実施例による感熱記録媒体の部分縦
断面図。
断面図。
1 基材 2 磁性層 3 平滑層 4 金属蒸着層 5 可逆性感熱記録層 6 保護層 7 印刷層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−193386(JP,A) 特開 平5−62247(JP,A) 特開 平5−77548(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/36
Claims (4)
- 【請求項1】 樹脂母材と、下記の一般式 【化1】 (式中、Aは炭素数12以上の直鎖飽和炭化水素基、X
はAの任意の炭素原子に結合した−OH、nは2以上の
整数である。)で表される有機カルボン酸誘導体と、こ
の誘導体に対する溶媒とからなる塗料で構成された感熱
記録層を備えていることを特徴とする可逆性感熱記録媒
体。 - 【請求項2】 前記塗料が、 R1−COOR2 (2) (ここでR1は炭素数10以上のアルキル基、R2は炭素
数1以上のアルキル基である。)で表されるエステルを
含有している請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体。 - 【請求項3】 前記エステルが、ステアリルステアレー
ト、ステアリルベヘネート、ベヘニルステアレートまた
はベヘニルベヘネートである請求項1に記載の可逆性感
熱記録媒体。 - 【請求項4】 前記有機カルボン酸誘導体が、ジヒドロ
キシベヘン酸、ジヒドロキシステアリン酸、トリヒドロ
キシステアリン酸、およびテトラヒドロキシステアリン
酸からなる群から選ばれたものである請求項1に記載の
可逆性感熱記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34355492A JP3185952B2 (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | 可逆性感熱記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34355492A JP3185952B2 (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | 可逆性感熱記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06166262A JPH06166262A (ja) | 1994-06-14 |
JP3185952B2 true JP3185952B2 (ja) | 2001-07-11 |
Family
ID=18362425
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34355492A Expired - Fee Related JP3185952B2 (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | 可逆性感熱記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3185952B2 (ja) |
-
1992
- 1992-12-01 JP JP34355492A patent/JP3185952B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06166262A (ja) | 1994-06-14 |
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