JP3458863B2 - 固体電解質型燃料電池用固体電解質焼結体 - Google Patents
固体電解質型燃料電池用固体電解質焼結体Info
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Description
に用いられる固体電解質焼結体に関するものである。
野および用途において研究開発されている。固体電解質
を使用する技術分野として例えば、固体電解質型燃料電
池(以下「SOFC」という。)は、従来開発されてき
たリン酸型、溶融炭酸塩型など他の燃料電池に比べて発
電効率が良く、排熱温度も高いため効率的な利用が可能
な発電システムを構築できるということで近年特に注目
を浴びている。
般に図3に示した平板型のものと、図示しないが円筒型
のものとに大きく分類される。また、この図3に示した
平板型のものにおいても、図4(a)に示した外部マニ
ホールドタイプのものと、図4(b)に示した内部マニ
ホールドタイプのものとが代表的なものとして挙げられ
る。
Cの構造について簡単に説明すると、燃料ガスが接する
燃料極20aと空気が接する酸素極20bとの間に固体
電解質板30を挟み、燃料極20aの外側および酸素極
20bの外側にそれぞれセパレータ40a、40bを設
けた構造の単セル50が多数層にわたって積層状に設け
られてなる。
おいては、燃料極に燃料ガス(水素、一酸化炭素等)が
接触し、酸素極には酸化ガス(空気、もしくは酸素)が
接触する。そして、酸素極で生成した酸素イオン(O
2−)が固体電解質内を移動して燃料極に到達し、燃料
極では酸素イオンが水素(H2)と反応して電子を放出
する。これにより酸素極と燃料極との間に電位差が発生
し、電気の流れが生ずるものである。
電解質の電気的特性、特に導電率が電池の性能に大きく
影響する。従来この種の固体電解質としては、安定化ジ
ルコニアが用いられてきた。この安定化ジルコニアは、
ジルコニア(ZrO2)が高温度(約1150℃付近)
で単斜晶から正方晶へ結晶構造が変化することに伴ない
容積変化が生じることから、この容積変化を防ぐ手段と
してカルシウム(Ca)やイットリウム(Y)などの酸
化物を固溶させて結晶構造の安定化を図ったものであ
る。
ムの代わりにスカンジウムの酸化物を固溶させたスカン
ジア安定化ジルコニア(Sc2O3 Stabilized ZrO
2 、以下「ScSZ」という。)が、その導電率の高さ
等の特徴から注目を集めるに至っている。かかるScS
Z固体電解質は、主材料であるジルコニア(ZrO2)
にスカンジア(Sc2O3)を8〜15モル%固溶する
のが普通であった。ジルコニアに8〜15モル%のスカ
ンジアを固溶させると、その結晶構造はほぼ全部が立方
晶となり、完全に安定化された状態となる。このScS
Z固体電解質は、製造方法にもよるが約0.38S/c
m という固体電解質としては最高水準の導電率を達成
することができる。
来技術における立方晶のScSZ固体電解質の場合、以
下の問題点を有していた。まず、立方晶のScSZ固体
電解質は機械的強度が低く、これを補うため、SOFC
に使用する場合には、固体電解質板の厚さを0.2〜0.
3mm程度又はそれ以上とする必要があった。特に、い
わゆる自立膜平板型のSOFCにおいては、固体電解質
板自体にガスの圧力や熱歪等に耐える強度が求められる
ので、無理に固体電解質板を薄くすると、疲労等により
破壊しやすく長期耐久性に難点が生じていた。
全電気抵抗はその分大きくなるので、ScSZ固体電解
質本来の高い導電率を有効に活用できず、結果的にSO
FCの発電性能を上げることができなかった。また、8
〜15モル%という多量のスカンジアを固溶させるの
で、スカンジウム(Sc)が高価格であることから、材
料コストを上昇させることともなっていた。
めになされたものであり、その目的とするところは、導
電率と機械的強度とのバランスに優れた固体電解質型燃
料電池用の固体電解質焼結体を提供することにより、こ
の固体電解質焼結体を用いた固体電解質型燃料電池(S
OFC)において、発電性能と恒久的使用との両立を実
現し、かつ材料コストの上昇を抑制することにある。
るため本発明者らは、種々の組成によるスカンジア−ジ
ルコニア系の固体電解質について実験研究を重ねた結
果、ジルコニアに3〜6モル%のスカンジアを固溶させ
た粉末を主成分とし、低温度で焼成してなるスカンジア
部分安定化ジルコニアより形成された固体電解質焼結体
が前記目的に適合することを見い出だした。
電池用固体電解質焼結体は、請求項1に記載のように、
ジルコニアに対し3〜6モル%の範囲内でスカンジアが
固溶され、かつ、その結晶構造が正方晶単相よりなるス
カンジア部分安定化ジルコニアより形成されてなること
を要旨とするものである。
電解質焼結体は、その結晶構造が正方晶単相となってお
り、機械的強度の低い立方晶や導電率が低い単斜晶を含
有しておらず、未反応のスカンジア相の残留もない。そ
のため、従来の立方晶に安定化されたジルコニアより形
成された固体電解質焼結体と比較して、導電率ではやや
劣るものの、機械的強度は約5倍と特に優れ、固体電解
質型燃料電池に要求される導電率と機械的強度とのバラ
ンスに優れる。 また、高価なスカンジウムの含有割合を
従来より減少させることができるので、低コストな固体
電解質焼結体となる。
満であると、ジルコニアの単斜晶が析出する。この単斜
晶のジルコニアは導電率が著しく低く、イオン電導の障
害となって固体電解質焼結体の全電気抵抗を増大させる
ので、好ましくない。また、単斜晶のジルコニアは、温
度変化による結晶相変態(約1150℃付近で起こる)
に伴う体積変化の主因である点でもその存在は好ましく
ない。一方、スカンジアの固溶量が6モル%を超える
と、立方晶のジルコニアの体積比率が多くなり、前記し
た機械的強度の問題が発生するとともに材料コストが上
昇するので、好ましくない。
電解質型燃料電池用固体電解質焼結体は、平板状に形成
されていることが好ましい。
解質自体にガスの圧力や熱歪みなどに耐える強度が要求
される、いわゆる自立膜平板型の固体電解質型燃料電池
の固体電解質として特に好適に用いることが可能とな
る。また、その板厚を従来より薄くしても、固体電解質
型燃料電池用として実用レベルで充分使用に耐え得る機
械的強度を発現でき、更にその強度を得るのに必要な板
厚も薄くて済むことからも材料コストを削減することが
できる。
板状に形成された固体電解質型燃料電池用固体電解質焼
結体は、その板厚が100〜300μmの範囲内にある
ことが好ましい。
る。以下に述べる実施例では、平板型の固体電解質型燃
料電池に供される固体電解質焼結体を想定して説明する
こととする。図1は、固体電解質焼結体の原料粉末であ
るスカンジア部分安定化ジルコニア(Sc 2 O 3 Parti
ally-Stabilized ZrO 2 、以下「ScPSZ」とい
う。)粉末の製造工程を示したものである。図1(a)
はゾルゲル法による製造工程であり、図1(b)は後述
する共沈法による製造工程を示している。最初に第1の
実施例として図1(a)のゾルゲル法による製造工程お
よびそれにより得られるScPSZ粉末、このScPS
Z粉末を原料に用いて板状に形成された固体電解質板
(以下「ScPSZ板」という。)について説明する。
スカンジウム粉末1とジルコニウム粉末2を用意する。
そして、これらの粉末を、後述する加熱処理後のScP
SZ 粉末におけるジルコニアに対するスカンジアの固溶
量が3〜6モル%となるように配合し、硝酸と水とに加
熱しながら溶解して混合溶液3となす。このときの混合
溶液3はスカンジウムとジルコニウムの硝酸塩の混合溶
液となっている。
する。ここでゾル化物4として添加するのは、蟻酸とポ
リエチレングリコール(以下「PEG」という。)であ
る。添加量は、蟻酸についてはモル%で前記硝酸の2倍
程度、PEGについては混合溶液全体に対して200m
l/1kg程度がよい。これにより、スカンジアとジル
コニアとの混合ゾル6が得られる。
合ゲル8とする。加熱温度は約120℃で、1日乾固す
れば、混合ゲル8が得られる。そして、この混合ゲル8
を700〜800℃で約12時間加熱処理すると、Sc
PSZ粉末10を得ることができる。かくして得られた
ScPSZ粉末10は、スカンジアとジルコニアとが原
子レベルで均一性よく混合して正方晶の単相となってお
り、立方晶、単斜晶等の他相や未反応のスカンジア相を
含有していない。
SZ粉末10からScPSZ板を製造する工程を説明す
る。まず、上記工程で得られたScPSZ粉末10は2
0〜30μm程度の粒子径を有しているので、粉砕して
粒子径を2〜3μm程度に整粒してから以下に説明する
成形、焼成に供する。
れば、初めに整粒済みのScPSZ粉末を板厚100〜
300μmの板(およそ20cm角板)に成形する。こ
の成形手段としては、この実験例では静水圧プレス機
(CIP)を用いて1t/cm2の押圧力により加圧成
形している。ただし、この成形手段に限られるものでは
なく、従来一般に用いられているドクターブレード法や
カレンダーロール法により薄板を製作するものであって
もよい。尚、このときScPSZ粉末に微量のアルミナ
又はムライトを混合して成形してもよい。そしてしかる
後、この成形板を1500〜1700℃の温度で焼成す
る。これによりスカンジア(Sc2O3)がジルコニア
(ZrO2)中に3〜6モル%の範囲で固溶され、か
つ、正方晶単相よりなるScPSZより板状に形成され
たScPSZ板が得られる。
製した組成均一性及び結晶性のよいScPSZ粉末より
焼成を行っているので粉末の焼結性がよく、1700℃
以下の比較的低い焼成温度で焼結体であるScPSZ板
を得ることができるのである。また、焼成時間も従来の
ものより短縮されている。微量のアルミナ又はムライト
を混合した場合には、これらが焼結助剤として作用する
ため、焼結性が更によくなる。これらのことにより、空
隙の少ない緻密な組織よりなり、機械的強度にも優れた
ScPSZ板を得ることができる。
(S/cm)を測定し、従来の物理混合法によるScP
SZ粉末から得られたScPSZ板の導電率と比較し
た。その結果を表1に示す。表1によれば、ゾルゲル法
により得られた本発明に係るScPSZ板の導電率は
0.13S/cm であり、従来のScPSZ板の導電率
0.08S/cm と比較して5割強良好な値となってい
る。
a)を測定し、立方晶単相より成るScSZ粉末を原料
に用いて板状に形成された従来の固体電解質板(以下
「ScSZ板」という。)の曲げ強度と比較した。その
結果を表2に示す。表2によれば、本発明に係るScP
SZ板の曲げ強度は約1300MPaであり、ScSZ
板の曲げ強度275MPaと比較して約5倍の値を示し
ている。
カンジウムとジルコニウムとの混合が原子レベルで均一
であり焼結性に優れ、未反応スカンジア相の残留がな
く、従って結晶相が単相でその安定性に優れ、そして高
い導電率と高い機械的強度とを有し、かつ不純物の混入
がほとんどない緻密な焼結体となっている。
Z板を固体電解質型燃料電池(SOFC)の固体電解質
板として使用した場合には、0.04〜0.06mm程度
の厚さがあれば充分使用に耐える機械的強度を有する。
従って、板厚全体での電気抵抗が低く、0.2〜0.3m
m厚のScSZ板の電気抵抗を下回る。
体電解質板に適用する際には、その両面に燃料極と酸素
極とを形成すればよい。これらの電極の形成に当たって
は、例えばいわゆるスラリーコーティング法により、こ
れらの極材料のセラミックス粉末を泥状にしてこのSc
PSZ板の片面と反対側の面とにそれぞれ塗布し、しか
る後所定温度で焼成すればよい。
i)40重量%−ジルコニア(ZrO2 )60重量%の
ニッケル−ジルコニア系サーメットを50μm程度の厚
さでこのScPSZ板の片面にコーティングし、140
0〜1500℃の温度で焼成する。これによりScPS
Z板の片面に薄膜状の燃料極が形成されることとなる。
トロンチウムマンガネイト(La(Sr)MnO3)材
料を50μm程度の厚さでScPSZ板の前述の燃料極
とは反対側の面にコーティングし、1150℃前後の温
度で焼成する。これによりScPSZ板の反対側の面
に、同じく薄膜状の酸素極が形成されることとなる。
尚、酸素極の材料の配合比率としては、ランタンマンガ
ネイト95〜85モル%に対し、ストロンチウム5〜1
5モル%程度とするのが適当である。かかる固体電解質
型燃料電池(SOFC)では、本発明に係るScPSZ
板を使用しているので、SOFCとしての発電性能に優
れ、また固体電解質板の強度も充分で恒久的使用を図る
ことができる。
する。第2の実施例は、ScPSZ粉末の製造工程とし
て、前記のゾルゲル法の代わりに共沈法を採ったもので
あり、それ以外は前記第1の実施例と同様である。共沈
法によるScPSZ粉末の製造工程を図1(b)に示
す。共沈法による場合でも、初めにスカンジウム粉末1
とジルコニウム粉末2を用意し、これらの粉末を、後述
する加熱処理後のScPSZ粉末におけるジルコニアに
対するスカンジアの固溶量が3〜6モル%となるように
配合し、硝酸と水とに加熱溶解して混合溶液3となすま
では前記のゾルゲル法の場合と同様である。
剤5を添加する。沈澱剤5として添加するのは、アンモ
ニア水である。混合溶液3は酸性であるので、アルカリ
性のアンモニア水により中和されることになる。そして
このとき、混合溶液3のスカンジウムイオンやジルコニ
ウムイオンと、アンモニア水に含まれる水酸イオンとが
結合して、溶解度の低い沈澱7として析出する。この沈
澱7は、水酸化スカンジウム(Sc(OH)3 )と水
酸化ジルコニウム(Zr(OH)4 )との混合物であ
り、水酸化スカンジウムと水酸化ジルコニウムとが原子
レベルで混合しあって非晶質状になっていると考えられ
る。また、沈澱剤5として尿素を用いても良い。この場
合は尿素を混合し、70〜80℃に加熱することによっ
て尿素がアンモニアに分解するので均一にアンモニアを
混合するのと同じ効果が得られる。
燥を行う。ここで洗浄には、pH7の純水を用いる。不
純物の混入を防ぐためである。また、pHの低い酸性の
水を用いると沈澱7が再び溶解してしまう。沈澱7を純
水でよく洗浄したら、乾燥して乾燥粉9を得る。乾燥粉
9は水酸化スカンジウムと水酸化ジルコニウムとの混合
粉末である。
同様の700〜800℃での加熱処理を約12時間施
す。これにより、水酸化物よりなる乾燥粉9が熱分解し
て水分と酸化物とに分かれ、水分は蒸発して逃げるの
で、結局残るのはスカンジウムとジルコニウムとの複合
酸化物の粉末、即ちScPSZ粉末11である。このS
cPSZ粉末11も、ScPSZ粉末10と同様にスカ
ンジアとジルコニアとが原子レベルで均一性よく混合し
て正方晶の単相となっている。
する際にもゾルゲル法によるものと同様に焼結性がよ
く、1700℃以下の比較的低い焼成温度と短い焼結時
間で良好な焼結体を得ることができる。この場合も、前
記第1実施例と同様に、微量のアルミナ又はムライトを
混合させて、焼結性を更に向上させることができる。そ
して得られるScPSZ板も、前記第1実施例と同様に
優れた導電率を示し、空隙の少ない緻密な組織により優
れた機械的強度を示すことが確認された。従って、この
ScPSZ板を固体電解質型燃料電池(SOFC)に使
用すれば、優れた発電性能を発揮し、安定して使用する
ことができる。
のいずれの方法でも、結晶性、均一性、緻密性等に優れ
たScPSZ粉末を得て、これを成形、焼成することに
より、固体電解質型燃料電池に要求される導電率と機械
的強度とのバランスに優れたScPSZ板を得ることが
できる。かかるScPSZ板では、立方晶のScSZ板
の場合よりもスカンジア配合比率が少なく、また必要な
板厚も薄くてすむことから、高価なスカンジウムを多量
に使用する必要がないので、材料コストが安い。
ジウムとジルコニウムとを硝酸に溶解した硝酸塩の混合
溶液から製造することとしたが、硝酸塩以外の出発原料
を用いることとしてもよい。ここで使用可能な出発原料
としては、硫酸塩やあるいはハロゲン化物等が考えられ
る。
体電解質焼結体によれば、導電率と機械的強度とのバラ
ンスに優れるので、この固体電解質焼結体を固体電解質
型燃料電池に適用した場合には、発電性能と恒久的使用
との両立が可能となり、かつ、材料コストの低い固体電
解質型燃料電池を得ることができる。したがって、その
産業上の有益性は極めて高い。
cPSZ粉末のゾルゲル法による製造工程を示し、
(b)は同じく固体電解質焼結体の原料粉末であるSc
PSZ粉末の共沈法による製造工程を示した図である。
する製造工程図を示した図である。
電池(SOFC)の単セル構造の一例を示した図であ
る。
外部マニホールドタイプのもの、 (b)は同じく内部
マニホールドタイプのものの概略構成を示した図であ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 ジルコニアに対し3〜6モル%の範囲内
でスカンジアが固溶され、かつ、その結晶構造が正方晶
単相よりなるスカンジア部分安定化ジルコニアより形成
されてなることを特徴とする固体電解質型燃料電池用固
体電解質焼結体。 - 【請求項2】 前記固体電解質型燃料電池用固体電解質
焼結体は、平板状に形成されていることを特徴とする請
求項1に記載の固体電解質型燃料電池用固体電解質焼結
体。 - 【請求項3】 前記固体電解質型燃料電池用固体電解質
焼結体は、その板厚が100〜300μmの範囲内にあ
ることを特徴とする請求項2に記載の固体電解質型燃料
電池用固体電解質焼結体。
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JP17121193A Expired - Lifetime JP3458863B2 (ja) | 1993-06-17 | 1993-06-17 | 固体電解質型燃料電池用固体電解質焼結体 |
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