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JP3310108B2 - 高分子組成物の製造方法 - Google Patents

高分子組成物の製造方法

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JP3310108B2
JP3310108B2 JP11320394A JP11320394A JP3310108B2 JP 3310108 B2 JP3310108 B2 JP 3310108B2 JP 11320394 A JP11320394 A JP 11320394A JP 11320394 A JP11320394 A JP 11320394A JP 3310108 B2 JP3310108 B2 JP 3310108B2
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Japan
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low
molecular
molecular weight
mixing
medium
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真一 豊澤
博貴 山崎
成彦 真下
康 今井
貴裕 松瀬
美英 深堀
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高分子組成物の製造方法
に係り、更に詳しくは相構造がコントロールされ、低弾
性率、多量の低分子材の均一分散性、低分子材のブリー
ド(抑制)性、汎用性及び工業的生産性に優れた、高分
子組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子材料分野において、近年、用途の
多様性と相俟って、高性能、高機能性、汎用性を有す
る、非常に低弾性率の高分子組成物、例えば非常に低弾
性率のゴム組成物、非常に低弾性率のプラスチック組成
物が求められ、その組成物を得る製造方法、つまり多量
の低分子材と高分子材料のブレンド技術が強く要請され
ている。
【0003】このブレンド技術に関連して重要な、高分
子材料のブレンド物の相構造について、学術的にも、熱
力学的取扱い、レオロジー的考察等により、相分離のメ
カニズムと物性発現の研究が幅広く展開され、特に、材
料間の相溶性と温度を基本パラメーターとする熱力学的
研究が盛んであり、平衡状態におけるブレンド物の相構
造が理論的に予測されることが示されている。このよう
に相溶領域、準安定領域、非相溶領域における相分離機
構の研究は盛んであるがそのようなブレンド物の相構造
を作り出す製造方法、製造装置関係に関しては殆ど注目
されてこなかった。
【0004】周知の通り、多量の低分子材と高分子材料
をブレンドして、相構造がコントロールされ、均一な高
分子組成物を製造することは決して容易なことではな
い。一つの製造方法として、一般の混練機を用いて、両
材料を混練りする方法があるが多くの場合、高分子材料
がローター間で滑って、有効な混練りができない。一
見、混合できたように見える場合でも、このような不完
全混練では低分子材のが表面にブリードし易い。また、
他の製造方法として、相溶性の良い、低分子材と高分子
材料とを長時間(極端な場合、数日間)混合し、膨潤さ
せる方法もあるが工業的生産には不適である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かくして、相構造、諸
物性に優れた低弾性率の高分子材料を容易に製造する方
法を見出すことが大きな課題であった。
【0006】以上述べてきたことから明らかなように、
本発明の目的は相構造がコントロールされ、低弾性率、
多量の低分子材の均一分散性、低分子材のブリード(抑
制)性、汎用性及び工業的生産性に優れた、高分子組成
物の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の高分子組成物の
製造方法は少なくとも、低分子材と結晶構造や凝集構造
などの硬質ブロックを形成しやすい部分とアモルファス
構造などの軟質ブロックとを一緒にもち合わせている
体材とを混合して、低分子材保持媒体材複合物を得る工
程(A)と該複合物と少なくとも高分子材料とを混合す
る工程(B)とを含む、高分子組成物の製造方法であっ
て、工程(A)は、低分子材が100℃において5×1
5センチポイズ以下の粘度を有し、低分子材と媒体材
の各々の溶解度パラメーター値の差が3.0以下であ
り、低分子材と媒体材との重量比が1.0以上である、
低分子材と媒体材とを、混合機により、剪断速度V=v
/t(sec-1)〔v(m/sec):ローターの回転
周速度、t(m):固定壁とローターとのクリアラン
ス〕が5.0×102 以上である剪断条件下で、混合温
度を媒体材の融点又はガラス転移点以上として混合し、
媒体材が三次元連続の網状骨格構造を有する低分子材保
持媒体材複合物を得る工程であり、及び工程(B)は該
複合物と、低分子材と高分子材料の各々の溶解度パラメ
ーター値の差が4.0以下であり、低分子材と高分子材
料との重量比が0.5以上である高分子材料とを、混合
機により、回転速度20〜100r.p.m.で、混合
温度を30〜100℃として混合する工程である、両工
程を含む、ことを特徴とする。
【0008】本発明者らは材料、混合条件、相構造及び
その物性に着目して、鋭意検討を重ねた結果、所定低分
子材と媒体材とを混合機により特定の剪断条件下で混合
すると、媒体材が系全体に均一に分散する三次元連続の
網状骨格相構造を形成して、多量の低分子材を保持する
複合物が得られ、次に、この複合物と所定の高分子材料
とを特定の混合条件で混合することによって、前記目的
が達成されることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
高分子組成物の製造方法は低分子材と媒体材とを、混合
機により特定の剪断条件及び温度で混合し、媒体材が三
次元連続の網状骨格構造をとっている低分子材保持媒体
材複合物を得る工程(A)及びこの複合物と高分子材料
等を、混合機により特定の混合条件で混合する工程
(B)からなっている。
【0010】工程(A)における剪断条件は本発明の目
的達成のためには極めて重要な要件であり、混合機の剪
断速度をV=v/t(sec-1)(v(m/sec):
ローターの回転周速度、t(m):固定壁とローターと
のクリアランス)と定義するとき、剪断速度Vは5.0
×102 (sec-1)以上であり、好ましくは1.0×
103 (sec-1)以上であり、さらに好ましくは2.
5×10-3(sec-1)以上であり、最も好ましくは
5.0×103 (sec-1)以上である。Vは混合機の
大きさに関係なく周速度vとクリアランスtの函数で表
されるがv及びtは混合機の大きさに関係する、特にv
は混合機のローターの回転数と回転周長つまりローター
の大きさに依存する。従ってv及びtを個別に規定する
ことは難しいが通常、vは0.5(m/sec-1)以上
が好ましく、1.0(m/sec-1)以上がより好まし
く、2.0(m/sec-1)以上が最も好ましい。通
常、tは3×10-3(m)以下が好ましく、2×10-3
(m)以下がより好ましく、1×10-3(m)以下が最
も好ましい。
【0011】このような工程(A)の方法により、媒体
材が三次元連続の網状骨格構造であり、低分子材と媒体
材がミクロンオーダーで均一に分散し、多量の低分子材
を保持した媒体材複合物を容易に得ることができる。
【0012】前記、剪断速度Vが5.0×102 未満で
は得られる複合物は三次元連続の網状骨格相構造をとり
得ず、本発明の目的を達成することはできない。
【0013】本発明の工程(A)における混合に用いら
れる混合機は前記、剪断速度Vを満足する高剪断型混合
機であれば全て用いることができる。
【0014】一般に材料同志の混合、混練に用いられる
設備は剪断力を殆ど働かせないで、均一分散させること
を目指す混合機と、剪断力を働かせることにより、構成
成分の大きさを減少させながら成分の均一化を目指す混
練機に大別される。この混合機としては主に攪拌翼の回
転を利用するボンブレンダー、タンブルミキサ、ヘンシ
ェルミキサ等があり、一方、混練機としては2本のロー
ル又はローター間の剪断作用を利用するオープンロール
やバンバリーミキサー、又は単軸スクリュー及び2軸ス
クリューの押出機等が用いられる。しかし、これら汎用
の混合機、混練機はいずれも剪断速度Vが1×10
2 (sec-1)程度以下であり、これでは本発明の目的
を達成できないので、本発明の工程(A)には適しな
い。
【0015】また本発明の工程(A)における低分子材
と媒体材の混合温度は媒体材の融点(媒体材が結晶構造
を持つ場合)以上又はガラス転移点(媒体材が凝集構造
を持つ場合)以上の温度に保つことが好ましい。ただ
し、低分子材と媒体材の相溶性が極めて良好な場合、上
記融点未満やガラス転移点未満の温度で混合することも
可能である。
【0016】前記、工程(B)において、前記複合物と
高分子材料等の混合は混合機の回転数が20〜100
r.p.m.、好ましくは30〜80r.p.m.で、
温度が30〜100℃、好ましくは40〜90℃である
条件で実施される。回転数及び温度がこの条件範囲をは
ずれると本発明の効果が得にくいので好ましくない。
【0017】本発明の工程(B)における混合に用いら
れる混合機は前記混合条件を満足するものであれば全て
使用できる。
【0018】前記工程(A)と工程(B)の組合せによ
って、相構造がコントロールされ、低弾性率、多量の低
分子材の均一分散性、低分子材のブリード(抑制)性に
優れた高分子組成物を容易に得ることができる。工程
(A)で得られる複合物が高分子材料中に均一に分散す
る統一的なメカニズムは必ずしも明らかでないが本発明
の工程(B)によりこの複合物の多くは微小粒に分断し
た状態で高分子材料中に保持されるものと考えられる。
工程(A)及び(B)を経ず、多量の低分子材と媒体材
と高分子材料とを同時に混合しても、また多量の低分子
材と高分子材料を直接混合しても、目的とるす高分子組
成物を得ることはできない。
【0019】本発明の高分子組成物の製造方法に用いら
れる低分子材としては100℃における粘度が5×10
5 センチポイズ以下、好ましくは1×105 センチポイ
ズ以下の材料である。分子量の観点から付言すれば低分
子材の数平均分子量は20,000以下、好ましくは1
0,000以下、より好ましくは5,000以下であ
る。通常、室温で液体又は液体状の材料が好適に用いら
れる。また、親水性、疎水性のいずれの低分子材も使用
できる。
【0020】低分子材としては前記の条件を満たすもの
であればすべて使用でき、特に制限されないが例示すれ
ば次のような材料を挙げることができる。
【0021】軟化材: 鉱物油系、植物油系、合成系
等の各種ゴム用或いは樹脂用軟化剤。鉱物油系として
は、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系等の
プロセス油等が挙げられる。植物油系としては、ひまし
油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、
やし油、落花生油、木ろう、パインオイル、オリーブ油
等が挙げられる。
【0022】可塑剤: フタル酸エステル、フタル酸
混基エステル、脂肪族二塩基酸エステル、グリコールエ
ステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、ステアリン
酸エステル等の各種エステル系可塑剤、エポキシ系可塑
剤、その他プラスチック用可塑剤又は、フタレート系、
アジペート系、セバケート系、フォスフェート系、ポリ
エテール系、ポリエステル系等のNBR用可塑剤。
【0023】粘着付与剤: クマロン樹脂、クマロン
−インデン樹脂、フェノールテルペン樹脂、石油系炭化
水素、ロジン誘導体等の各種粘着付与剤(タッキファイ
ヤー)。
【0024】オリゴマー: クラウンエテール、含フ
ッ素オリゴマー、ポリイソブチレン、キシレン樹脂、塩
化ゴム、ポリエチレンワックス、石油樹脂、ロジンエス
テルゴム、ポリアルキレングリコールジアクリレート、
液体ゴム(ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴ
ム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリクロロプ
レン等)、シリコーン系オリゴマー、ポリ−α−オレフ
ィン等の各種オリゴマー。
【0025】滑剤: パラフィン、ワックス等の炭化
水素系滑剤、高級脂肪酸、オキシ脂肪酸等の脂肪酸系滑
剤、脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド等の脂
肪酸アミド系滑剤、脂肪酸低級アルコールエステル、脂
肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエ
ステル等のエステル系滑剤、脂肪アルコール、多価アル
コール、ポリグリコール、ポリグリセロール等のアルコ
ール系滑剤、金属石鹸、混合系滑剤等の各種滑剤。
【0026】その他、ラテックス、エマルジョン、液
晶、歴青組成物、粘土、天然のデンプン、糖、更に無機
系のシリコンオイル、フォスファゼンなども低分子材と
して適している。更に、牛油、豚油、馬油糖の動物油、
鳥油或いは魚油:はちみつ、果実、又はチョコレート、
ヨーグルト等の乳製品系、炭化水素系、ハロゲン化炭化
水素系、アルコール系、フェノール系、エーテル系、ア
セタール系、ケトン系、脂肪酸系、エステル系、窒素化
合物系、硫黄化合物系等の有機溶剤:或いは、種々の薬
効成分、土壌改質剤、肥料類、石油類、水、水溶液が適
している。これらの成分は1種で用いても2種以上混合
しても良い。
【0027】低分子材は高分子組成物の要求特性、用
途、また本発明の他の成分である媒体材、高分子材料と
の相溶性等を勘案して、最適なものが選択され、最適な
量で使用される。
【0028】本発明にの高分子組成物の製造方法に用い
られる媒体材とは低分子材と高分子材料との媒体として
の機能を有する材料であり、本発明の目的達成に重要な
成分である。詳しくは、前述のように多量の低分子材と
高分子材料との均一な組成物を可能とするため、多量低
分子材と媒体材を用いて、多量の低分子材を保持した低
分子材保持媒体材複合物を先ず得て、これと高分子材料
との組合せで目的とする多量の低分子材を保持した高分
子組成物を得ようとするものである。ここで、前記した
低分子材を”保持する”とは低分子材が媒体材及び高分
子材料に均一に分散し、ブリードしないか、ブリードが
抑制されることを意味するものである。勿論、高分子組
成物の目的によってはブリードの程度をコントロールす
ることも容易に行うことができる。
【0029】本発明の媒体材は前記したような機能を有
する、多量の低分子材を保持する複合物を形成する材料
あり、この保持能力を十分発現させるために、工程
(A)による複合物中で三次元連続の網状骨格相構造を
とる媒体材が選択される。媒体材としては、結晶構造や
凝集構造などの硬質ブロックを形成しやすい部分とアモ
ルファス構造などの軟質ブロックとを一緒にもち合わせ
ている高分子材料又はこの高分子材料を構成要素とする
各種材料が用いられる。
【0030】媒体材としては例えば、スチレン系(ブタ
ジエンスチレン系、イソプレンスチレン系等)、塩化ビ
ニル系、オレフィン系(ブタジエン系、イソプレン系、
エチレンプロピレン系等)、エステル系、アミド系、ウ
レタン系などの熱可塑性エラストマーの水添、その他に
よる変性物、スチレン系、ABS系、オレフィン系(エ
チレン系、プロピレン系、エチレンプロピレン系、エチ
レンスチレン系、プロピレンスチレン系等)、アクリル
酸エステル系(アクリル酸メチル系等)、メタクリル酸
エステル系(メタクリル酸メチル系等)、カーボネート
系、アセタール系、ナイロン系、ハロゲン化ポリエーテ
ル系(塩化ポリエテール系等)、ハロゲン化オレフィン
系(塩化ビニル系、四フッ化エチレン系、フッ化−塩化
エチレン系、フッ化エチレンプロピレン系等)、セルロ
ース系(アセチルセルロース系、エチルセルロース系
等)、ビニリデン系、ビニルブチラール系、アルキレン
オキサイド系(プロピレンオキサイド系等)等の熱可塑
性樹脂のゴム変性物などが挙げられる。
【0031】
【0032】本発明における低分子材、媒体材及び低分
子材保持媒体材複合物に関して、一部、特開平5−23
9256号公報及び特開平5−194763号公報に記
載されている。媒体材としてはこの公報に開示された三
次元連続の網状骨格構造を有するものが本発明におい
て、好適に使用される。
【0033】本発明における媒体材は特に制限されない
が通常のバルク状、粒状、ゲル状、フォーム状、不織布
状等の使用形態をとることができる。また、低分子材を
包含するカプセルを内蔵した形態でも用いることができ
る。
【0034】また、多量の低分子材と媒体材を含む低分
子材保持媒体材複合物を得るに当たっては、用いる低分
子材と媒体材の各々の溶解度パラメーター値の差が3.
0以下、好ましくは2.5以下となるよう、両材料が選
択される。この差が3.0を越えると相溶性の点から、
低分子材を多量に保持されにくく、高分子組成物の低弾
性率化に障害となり、また、低分子材のブリードが発生
し易くなるので、好ましくない。
【0035】さらに、低分子材と媒体材の重量比は1.
0以上であり、2.0以上が好ましく、3.0以上がさ
らに好ましい。この重量比が1.0未満では非常に低弾
性率の高分子組成物を得ることが困難となり、本発明の
目的を達成することができない。
【0036】本発明の高分子組成物の製造方法で用いら
れる高分子材料は汎用性のある材料であればよく、特に
制限されない。即ち、通常の熱可塑性材料又は熱硬化性
材料を広く用いることができる。
【0037】熱可塑性材料としては例えば、スチレン系
(ブタジエンスチレン系、イソプレンスチレン系等)、
塩化ビニル系、オレフィン系(ブタジエン系、イソプレ
ン系、エチレンプロピレン系等)、エステル系、アミド
系、ウレタン系などの各種熱可塑性エラストマー、並び
に、それらの水添、その他による変性物、スチレン系、
ABS系、オレフィン系(エチレン系、プロピレン系、
エチレンプロピレン系、エチレンスチレン系、プロピレ
ンスチレン系等)、塩化ビニル系、アクリル酸エステル
系(アクリル酸メチル系等)、メタクリル酸エステル系
(メタクリル酸メチル系等)、カーボネート系、アセタ
ール系、ナイロン系、ハロゲン化ポリエーテル系(塩化
ポリエテール系等)、ハロゲン化オレフィン系(四フッ
化エチレン系、フッ化−塩化エチレン系、フッ化エチレ
ンプロピレン系等)、セルロース系(アセチルセルロー
ス系、エチルセルロース系等)、ビニリデン系、ビニル
ブチラール系、アルキレンオキサイド系(プロピレンオ
キサイド系等)等の熱可塑性樹脂、及びこれらの樹脂の
ゴム変性物などが挙げられる。
【0038】一方、熱硬化性材料即ち、硬化剤の存在下
又は非存在下で熱硬化する材料としては例えば、エチレ
ンプロピレンゴム(EPR、EPDM)、ニトリルゴム
(NBR)、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、クロ
ロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレン
ゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブ
タジエンゴム(BR)、アクリルゴム、エチレン−酢ビ
ゴム(EVA)、ポリウレタン等の一般ゴム、シリコー
ンゴム、フッ素ゴム、エチレンアクリルゴム、ポリエス
テルエラストマー、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴ
ム、ハイパロン、塩素化ポリエチレン等の特殊ゴム、フ
ェノール、ユリア、メラミン、アニリン、不飽和ポリエ
ステル、ジアリルフタレート、エポキシアルキド、ケイ
素、ポリイミド、などの各熱硬化樹脂が挙げられる。
【0039】本発明においては低分子材と高分子材料の
各々の溶解度パラメーター値の差が4.0以下、好まし
くは3.0以下となるように、両材料が選択される。低
分子材は低分子材保持媒体材複合物の形で高分子材料と
混合されるが、この場合も低分子材と高分子材料の相溶
性が問題となる。このパラメーターの差が4.0を越え
ると相溶性の点から前記複合物中に多量に保持された低
分子材材は高分子材料中に保持されにくく、高分子組成
物の弾性率の低下に支障をきたし、また低分子材のブリ
ードが発生し易くなるので好ましくない。
【0040】また、低分子材と高分子材料の重量比は
0.5以上であり、好ましくは0.8以上、より好まし
くは1.0以上を要する。この重量比が0.5未満では
非常に低弾性率の高分子組成物を得ることが難しくなる
ので好ましくない。
【0041】本発明の製造方法により高分子組成物は低
弾性率領域で、所望の弾性率にコントロールすることが
できる。例えば測定温度25℃におけるアスカーC硬度
で、10以下の超低弾性率化も容易に達成できる。
【0042】本発明においては材料成分として、前記の
低分子材、媒体材、高分子材料の他に、必要に応じて、
更に、次のような充填材を配合してもよい。即ち、クレ
ー、ケイ藻土、カーボンブラック、シリカ、タルク、硫
酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、金属
酸化物、マイカ、グラファイト、水酸化アルミニウム等
の鱗片状無機充填剤、各種の金属粉、木片、ガラス粉、
セラミックス粉、粒状ないし粉末ポリマー等の粒状ない
し粉末状固体充填剤、その他各種の天然又は人工の短繊
維、長繊維(例えば、ワラ、毛、ガラスファイバー、金
属ファイバー、その他各種のポリマーファイバー等)等
を用いることができる。
【0043】本発明の製造方法で得られる高分子組成物
は、あらゆる産業分野、特に家電、スポーツ用品、産業
機器、精密機器、輸送機器、建築、土木、医療、レジャ
ー等に好適に用いられる。
【0044】以下に本発明の製造方法で得られる高分子
組成物の用途に関し、詳述する。本発明の高分子組成物
は、多量の液体のような低分子材を保持することが可能
であるため弾性率を極めて低い範囲までコントロールで
きる。本組成物は幅広い産業分野における商品の提供が
可能である。例えば、防振・制振・緩衝材として、シー
ル材、パッキング、ガスケット、グロメット等の固定部
材、マウント、ホルダー、インシュレーター等の支持部
材、ストッパー、クッション、バンパー等の緩衝部材が
挙げられる。また、本組成物は例えば製品として、クー
ラー、洗濯機、冷蔵庫、扇風機、掃除機、ドライヤー、
プリンター、送風機等の振動・音を発生する装置又は家
電製品に好ましく用いられる。更に衝撃吸収材としてグ
ラブ、ミット、ゴルフクラブ、テニスラケット等のスポ
ーツ用品、靴中底用、各種玩具、オーディオ機器、電子
・電気機器、あるいはベッド、椅子、特に長時間同じ姿
勢を続ける医療用ベッド、理容用・美容用ベッド、観劇
用椅子、さらには振動をうける車輌用座席用材料として
好適に用いられる。
【0045】また、義足、義手、ロボット、心電図測定
用電極材、低周波治療器用電極材等の医療機器にも用い
られる。更に超低硬度ゴムとしてOA機器用、免震ゴ
ム、防振ゴム、さらにはレース用タイヤ等にも用いられ
る。また低硬度プラスチックとして各種の成形材料とし
て好適である。また低分子材の外部への放出のコントロ
ールが可能であるため、芳香剤、医療用剤、機能材等の
放出性を利用した各種徐放性材料にも用いられる。
【0046】また、各種の液体のような低分子材を固体
状として取り扱えることから、電解液膜、液晶膜、接着
膜、塗料膜等の機能材料としての用途が好適である。
【0047】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが本発明の主旨を越えないかぎり、本実施例に
限定されるものではない。
【0048】〔実施例1〕工程(A)として下記、低分
子材と媒体材を用いて、図1に示す混合機を用いて、両
者の混合を行った。混合方法を図1に従って説明する。
【0049】所定量の液体(低分子材)と媒体材を混合
機に添加する。軸受10で支持された、ローター(ター
ビン)シャフト12に連結されたローター(タービン)
14の高速回転を行い、生じる吸引作用を利用して、攪
拌物を固定壁(ステーター)16の下部より吸入し、高
速回転するローター14と固定壁16のクリアランスに
より攪拌物は強力な剪断・衝撃・乱流等の作用をうけ、
吐出孔18より上方に向かって吐出する。この上昇する
流れを上部の転流板20によって変流し、混合機の側面
にそって下降させ、再び混合機の底部に帰する。
【0050】本実施例における混合条件は次の通りであ
る。 剪断速度V:1.0×104 (sec-1)、ローターの
回転周速度v:5.0(m/sec)、 固定壁とロー
ターとのクリアランスt:5×10-4(m)、 混合温
度:170℃、混合時間:1時間 この工程(A)で得られた、液体保持媒体材複合物は媒
体材が三次元連続の網状骨格相構造をとり、多量の液体
を含有するにも拘らず、液体のブリードは少なく、均一
なものであった。
【0051】次に工程(B)として、この複合物と下記
に示した高分子材料をブラベンダーで、回転数60r.
p.m.、40℃、10分間混合を行った。得られた高
分子組成物を155℃、30分間硬化させた。得られた
硬化物は25℃のアスカーC硬度24を示した。この高
分子組成物及び硬化物はいずれも低分子材のブリードは
なく、均一なものであった。このようにして得られた高
分子組成物の硬化物は汎用の低分子材及び高分子材料等
を用いているため、汎用性があり、多量の低分子材を保
持した非常に低弾性率の材料であることがわかった。
【0052】 材料 ─────────────────────────────── 液体(低分子材) 合成アロマ系オイル1) 媒体材 水添SBR(分子量9万) 高分子材料 SBR2) ─────────────────────────────── 液体の粘度(100℃) 6センチポイズ 液体と媒体材とのSP値3)の差 0.4 液体と高分子材料とのSP値3)の差 0.5 液体と媒体材との混合重量比 4 液体と高分子材料との混合重量比 2 ─────────────────────────────── 1)日本サン石油社製 Zー300 2)SBR(日本合成ゴム社製 1507)は予め下記
混合物にしておき、使用に供した。
【0053】 SBR 100重量部 白艶華CC 3重量部 カーボン 3重量部 硫黄 2重量部 その他(促進剤等) 2.5重量部 3)溶解度パラメーター値 〔比較例1〕比較例1は工程(A)における、液体(低
分子材)と媒体材との混合を混合機を用いて、次の混合
条件で行った以外、実施例1と同様に実施した。
【0054】剪断速度V:1.0×102 (se
-1)、ローターの回転周速度v:0.05(m/se
c)、 固定壁とローターとのクリアランスt:5×1
-4(m)、 混合温度:170℃、混合時間:1時間 この結果、液体と媒体材との均一な混合物は得られなか
った。
【0055】
【発明の効果】本発明の高分子組成物の製造方法は上記
構成としたので、相構造がコントロールされ、低弾性
率、多量の低分子材の均一分散性、低分子材のブリード
(抑制)性、汎用性に優れた高分子組成物を容易に製造
できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1に用いる混合機の概略を示
す断面図である。
【符号の説明】
10 軸受 12 ローターシャフト 14 ローター 16 固定壁 18 吐出孔 20 転流板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 5/00 C08K 5/00 (72)発明者 深堀 美英 東京都八王子市散田町2−9−7 (56)参考文献 特開 平1−287170(JP,A) 特開 昭51−147562(JP,A) 特開 昭51−6243(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08 C08J 3/20 B29B 7/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、低分子材と結晶構造や凝集
    構造などの硬質ブロックを形成しやすい部分とアモルフ
    ァス構造などの軟質ブロックとを一緒にもち合わせてい
    媒体材とを混合して、低分子材保持媒体材複合物を得
    る工程(A)と該複合物と少なくとも高分子材料とを混
    合する工程(B)とを含む、高分子組成物の製造方法で
    あって、 工程(A)は、低分子材が100℃において5×105
    センチポイズ以下の粘度を有し、低分子材と媒体材の各
    々の溶解度パラメーター値の差が3.0以下であり、低
    分子材と媒体材との重量比が1.0以上である、低分子
    材と媒体材とを、 混合機により、剪断速度V=v/t(sec-1)〔v
    (m/sec):ローターの回転周速度、t(m):固
    定壁とローターとのクリアランス〕が5.0×102
    上である剪断条件下で、混合温度を媒体材の融点又はガ
    ラス転移点以上として混合し、 媒体材が三次元連続の網状骨格構造を有する低分子材保
    持媒体材複合物を得る工程であり、及び工程(B)は該
    複合物と、低分子材と高分子材料の各々の溶解度パラメ
    ーター値の差が4.0以下であり、低分子材と高分子材
    料との重量比が0.5以上である、高分子材料とを、 混合機により、回転速度20〜100r.p.m.で、
    混合温度を30〜100℃として混合する工程である、
    両工程を含む、 ことを特徴とする高分子組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記高分子材料が、カーボンブラックを
    充填した高分子材料であることを特徴とする請求項1に
    記載の高分子組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記高分子材料が、更に硫黄を配合した
    高分子材料であることを特徴とする請求項2に記載の高
    分子組成物の製造方法。
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