JP3249375B2 - 光記録媒体 - Google Patents
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Landscapes
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度に情報を保
存することができる光記録媒体、特に片側から再生光を
照射して再生する2層型の高密度光ディスクなどに適応
することができる光記録媒体に関するものである。
存することができる光記録媒体、特に片側から再生光を
照射して再生する2層型の高密度光ディスクなどに適応
することができる光記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、映画等の動画を直径120mmの
コンパクトディスクサイズに2時間以上記録できるデジ
タルビデオディスク(DVD)の開発が盛んに行われて
いる。このようなDVDでは、記録容量を増大させるた
めに2層の信号層を有するものが提案されている。
コンパクトディスクサイズに2時間以上記録できるデジ
タルビデオディスク(DVD)の開発が盛んに行われて
いる。このようなDVDでは、記録容量を増大させるた
めに2層の信号層を有するものが提案されている。
【0003】このような2層光ディスクとしては、信号
ピットを形成した2枚の樹脂基板を、各信号面を対向さ
せて貼り合わせ、それぞれの信号面側に反射層を形成し
た両側読み取り方式の2層光ディスクと、一方の反射層
を半透明層とし、再生光を片側のみから照射し、再生す
る片側読み取り方式の2層光ディスクとが提案されてい
る。
ピットを形成した2枚の樹脂基板を、各信号面を対向さ
せて貼り合わせ、それぞれの信号面側に反射層を形成し
た両側読み取り方式の2層光ディスクと、一方の反射層
を半透明層とし、再生光を片側のみから照射し、再生す
る片側読み取り方式の2層光ディスクとが提案されてい
る。
【0004】またマルチメディアCD(MMCD)にお
いては、透明樹脂基板上に半透明膜からなる第1層目の
反射膜を形成し、この上に透明膜を介して金属膜からな
る2層目の反射膜を形成した2層光ディスクが知られて
いる。
いては、透明樹脂基板上に半透明膜からなる第1層目の
反射膜を形成し、この上に透明膜を介して金属膜からな
る2層目の反射膜を形成した2層光ディスクが知られて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のような片側読み
取り方式のDVD2層光ディスクやMMCDにおいて
は、2つの信号層の間に透明樹脂層が設けられており、
再生光入射側から遠い信号層は、透明樹脂層を通過して
きた再生光が照射されることになる。本発明者らは、こ
のように透明樹脂層を通過してきた再生光により2層目
の信号層を再生すると、再生信号の品質が低下すること
を見出した。すなわち、透明樹脂層が複屈折性を有して
おり、このため透明樹脂層を通過した再生光により再生
すると、複屈折の影響を受けて再生信号の品質が低下す
ることを見出した。
取り方式のDVD2層光ディスクやMMCDにおいて
は、2つの信号層の間に透明樹脂層が設けられており、
再生光入射側から遠い信号層は、透明樹脂層を通過して
きた再生光が照射されることになる。本発明者らは、こ
のように透明樹脂層を通過してきた再生光により2層目
の信号層を再生すると、再生信号の品質が低下すること
を見出した。すなわち、透明樹脂層が複屈折性を有して
おり、このため透明樹脂層を通過した再生光により再生
すると、複屈折の影響を受けて再生信号の品質が低下す
ることを見出した。
【0006】本発明の目的は、片側から再生光を照射し
て再生する2層型光ディスクのように、透明樹脂層を介
して複数の信号層が設けられている光記録媒体におい
て、再生光が透明樹脂層を通過することによる再生信号
の劣化を低減することができる光記録媒体を提供するこ
とにある。
て再生する2層型光ディスクのように、透明樹脂層を介
して複数の信号層が設けられている光記録媒体におい
て、再生光が透明樹脂層を通過することによる再生信号
の劣化を低減することができる光記録媒体を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の光記録媒体は、
情報が保存された信号層に再生光を照射することにより
該信号層に保存された情報が再生される光記録媒体であ
り、信号層として再生光が入射する側から順に設けられ
る第1の信号層及び第2の信号層と、第1の信号層と第
2の信号層の間に設けられる、透明樹脂材料を主成分と
して含有した透明樹脂層とを備え、上記透明樹脂材料と
逆の複屈折性を有する材料を第1の信号層と第2の信号
層との間に存在させたことを特徴としている。
情報が保存された信号層に再生光を照射することにより
該信号層に保存された情報が再生される光記録媒体であ
り、信号層として再生光が入射する側から順に設けられ
る第1の信号層及び第2の信号層と、第1の信号層と第
2の信号層の間に設けられる、透明樹脂材料を主成分と
して含有した透明樹脂層とを備え、上記透明樹脂材料と
逆の複屈折性を有する材料を第1の信号層と第2の信号
層との間に存在させたことを特徴としている。
【0008】本発明に従う好ましい実施形態の1つで
は、透明樹脂材料と逆の複屈折性を有する材料は、透明
樹脂層中に混合されている。このような材料は、透明樹
脂層を形成する透明樹脂材料中に混合することが好まし
く、この混合材料を用いて、スピンコート法などにより
透明樹脂層を形成する。
は、透明樹脂材料と逆の複屈折性を有する材料は、透明
樹脂層中に混合されている。このような材料は、透明樹
脂層を形成する透明樹脂材料中に混合することが好まし
く、この混合材料を用いて、スピンコート法などにより
透明樹脂層を形成する。
【0009】本発明における「透明樹脂層」及び「透明
樹脂材料」の「透明」は、再生光に対して透明であるこ
とを意味している。また、本発明で用いられる透明樹脂
材料と逆の複屈折性を有する材料も、再生光に対し透明
であることが好ましい。
樹脂材料」の「透明」は、再生光に対して透明であるこ
とを意味している。また、本発明で用いられる透明樹脂
材料と逆の複屈折性を有する材料も、再生光に対し透明
であることが好ましい。
【0010】また本発明における信号層は、光記録媒体
において情報が保存される領域を示しており、例えば、
コンパクトディスク(CD)のように記録ピットが形成
された凹凸を有する反射面が情報の保存される領域とな
る場合、この記録ピットが形成された凹凸を有する反射
面が信号層となる。
において情報が保存される領域を示しており、例えば、
コンパクトディスク(CD)のように記録ピットが形成
された凹凸を有する反射面が情報の保存される領域とな
る場合、この記録ピットが形成された凹凸を有する反射
面が信号層となる。
【0011】本発明において、透明樹脂材料と逆の複屈
折性を有する材料としては、透明樹脂材料と逆の複屈折
性を有するモノマーまたは、これらのモノマーの重合体
が一例として挙げられる。例えば、透明樹脂材料が正の
複屈折性を有するポリマーである場合には、負の複屈折
性を有するモノマー及び/またはそれらの重合体を用い
ることができる。上述のように、本発明に従う好ましい
実施形態では、このような負の複屈折性を有するモノマ
ー及び/またはそれらの重合体を、透明樹脂材料中に混
合し透明樹脂層を形成する。
折性を有する材料としては、透明樹脂材料と逆の複屈折
性を有するモノマーまたは、これらのモノマーの重合体
が一例として挙げられる。例えば、透明樹脂材料が正の
複屈折性を有するポリマーである場合には、負の複屈折
性を有するモノマー及び/またはそれらの重合体を用い
ることができる。上述のように、本発明に従う好ましい
実施形態では、このような負の複屈折性を有するモノマ
ー及び/またはそれらの重合体を、透明樹脂材料中に混
合し透明樹脂層を形成する。
【0012】本発明において、逆の複屈折性を有する材
料の使用量は、特に限定されるものではなく、後述する
ように、透明樹脂材料中に実際に混合して複屈折性を測
定するなどの方法によって、最も複屈折性を低減する量
を求めて使用することができる。
料の使用量は、特に限定されるものではなく、後述する
ように、透明樹脂材料中に実際に混合して複屈折性を測
定するなどの方法によって、最も複屈折性を低減する量
を求めて使用することができる。
【0013】従来の2層型光ディスクなどの光記録媒体
において、第1の信号層と第2の信号層の中間層となる
透明樹脂層が複屈折性を有する理由は、以下の通りであ
る。すなわち、ポリマーは一般に大きな複屈折性を有し
ており、例えばスピンコートや延伸等の応力が加わった
状態で成形されると、その応力の方向に応じた複屈折が
生じる。従って、透明樹脂層が応力の加わった状態で成
形されるために、複屈折性を生じるものと考えられる。
このような複屈折性を有するポリマー中に光が入射する
と、その応力の方向に平行な偏光成分が、垂直な偏光成
分に対して、位相が進んだり、あるいは位相が遅れたり
する。このような位相の進みや遅れは、互いに逆符号の
複屈折性の関係にあり、ポリマーの種類に依存してい
る。
において、第1の信号層と第2の信号層の中間層となる
透明樹脂層が複屈折性を有する理由は、以下の通りであ
る。すなわち、ポリマーは一般に大きな複屈折性を有し
ており、例えばスピンコートや延伸等の応力が加わった
状態で成形されると、その応力の方向に応じた複屈折が
生じる。従って、透明樹脂層が応力の加わった状態で成
形されるために、複屈折性を生じるものと考えられる。
このような複屈折性を有するポリマー中に光が入射する
と、その応力の方向に平行な偏光成分が、垂直な偏光成
分に対して、位相が進んだり、あるいは位相が遅れたり
する。このような位相の進みや遅れは、互いに逆符号の
複屈折性の関係にあり、ポリマーの種類に依存してい
る。
【0014】本発明においては、透明樹脂層の主成分と
なる透明樹脂材料と逆符号の複屈折性を有する材料を第
1の信号層と第2の信号層との間に存在させることによ
り、透明樹脂層の複屈折性を低減している。また、上述
のように、好ましい実施形態では、逆符号の複屈折性を
有する材料を透明樹脂層中に混合している。
なる透明樹脂材料と逆符号の複屈折性を有する材料を第
1の信号層と第2の信号層との間に存在させることによ
り、透明樹脂層の複屈折性を低減している。また、上述
のように、好ましい実施形態では、逆符号の複屈折性を
有する材料を透明樹脂層中に混合している。
【0015】図2は、本発明において、透明樹脂材料と
逆符号の複屈折性を有する材料を存在させることによ
り、透明樹脂層の複屈折性を低減させることができる原
理を説明するための図である。図2(a)は、透明樹脂
材料のみが含有された従来の透明樹脂層と同様の状態を
示している。図2(a)において、矢印で示す方向は、
透明樹脂層を形成する際に透明樹脂材料9にかかった応
力の方向を示しており、この方向に透明樹脂材料9が配
向している。このような透明樹脂材料9の配向により、
複屈折性が生じる。
逆符号の複屈折性を有する材料を存在させることによ
り、透明樹脂層の複屈折性を低減させることができる原
理を説明するための図である。図2(a)は、透明樹脂
材料のみが含有された従来の透明樹脂層と同様の状態を
示している。図2(a)において、矢印で示す方向は、
透明樹脂層を形成する際に透明樹脂材料9にかかった応
力の方向を示しており、この方向に透明樹脂材料9が配
向している。このような透明樹脂材料9の配向により、
複屈折性が生じる。
【0016】図2(b)は、本発明に従い逆符号の複屈
折性を有する材料を含有させた状態を示している。図2
(b)に示すように、透明樹脂材料9の配向方向と垂直
方向に、逆符号の複屈折性を有する材料10が配向して
いることがわかる。このように透明樹脂材料9に対し、
該透明樹脂材料9と逆符号の複屈折性を有する材料10
を含有させておくことにより、全体として複屈折性が相
殺され、複屈折性が低減する。従って、透明樹脂層を通
過した再生光に対する複屈折性の影響は低減され、再生
信号の品質を向上させることができる。
折性を有する材料を含有させた状態を示している。図2
(b)に示すように、透明樹脂材料9の配向方向と垂直
方向に、逆符号の複屈折性を有する材料10が配向して
いることがわかる。このように透明樹脂材料9に対し、
該透明樹脂材料9と逆符号の複屈折性を有する材料10
を含有させておくことにより、全体として複屈折性が相
殺され、複屈折性が低減する。従って、透明樹脂層を通
過した再生光に対する複屈折性の影響は低減され、再生
信号の品質を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に従う一実施形態
の光ディスクを示す断面図である。図1を参照して、本
実施形態の光ディスクは、透明基板1と透明基板2と
を、透明樹脂材料としての紫外線硬化樹脂からなる透明
樹脂層5で貼り合わせることにより形成されている。透
明基板1及び2としては、例えばPC(ポリカーボネー
ト)やPMMA(ポリメチルメタクリレート)などの基
板材料が用いられる。
の光ディスクを示す断面図である。図1を参照して、本
実施形態の光ディスクは、透明基板1と透明基板2と
を、透明樹脂材料としての紫外線硬化樹脂からなる透明
樹脂層5で貼り合わせることにより形成されている。透
明基板1及び2としては、例えばPC(ポリカーボネー
ト)やPMMA(ポリメチルメタクリレート)などの基
板材料が用いられる。
【0018】基板1の内側の面には、第1の信号層3が
形成されている。第1の信号層3は、基板1の内側面に
ピットを形成し、この上にZnSなどの誘電体膜等から
なる半透明膜を形成することにより形成されている。
形成されている。第1の信号層3は、基板1の内側面に
ピットを形成し、この上にZnSなどの誘電体膜等から
なる半透明膜を形成することにより形成されている。
【0019】基板2の内側の面には、第2の信号層4が
形成されている。第2の信号層4は、基板2の内側面上
に記録ピットを形成し、この上にAl膜などの金属膜か
らなる反射膜を形成することにより形成されている。
形成されている。第2の信号層4は、基板2の内側面上
に記録ピットを形成し、この上にAl膜などの金属膜か
らなる反射膜を形成することにより形成されている。
【0020】第1の信号層の半透明膜からなる反射膜及
び第2の信号層の反射膜は、いずれも例えばスパッタリ
ング法により形成することができる。図1に示すよう
に、基板1及び基板2のそれぞれの厚みは約0.6mm
であり、透明樹脂層5は約40μmの厚みに形成されて
いる。
び第2の信号層の反射膜は、いずれも例えばスパッタリ
ング法により形成することができる。図1に示すよう
に、基板1及び基板2のそれぞれの厚みは約0.6mm
であり、透明樹脂層5は約40μmの厚みに形成されて
いる。
【0021】第1の信号層3を再生するには、例えば赤
色半導体レーザのレーザ光(再生光)6を対物レンズ8
で絞り、第1の信号層3上に集光させ、その反射光を検
出することにより再生することができる。第1の信号層
3は、例えば30%程度の反射率を有する。
色半導体レーザのレーザ光(再生光)6を対物レンズ8
で絞り、第1の信号層3上に集光させ、その反射光を検
出することにより再生することができる。第1の信号層
3は、例えば30%程度の反射率を有する。
【0022】第2の信号層4を再生する際には、例えば
赤色半導体レーザのレーザ光(再生光)7を対物レンズ
8により絞り、第2の信号層4上に集光させる。そし
て、第2の信号層4で反射された再生光を検出すること
により、第2の信号層4に保存された情報を再生するこ
とができる。
赤色半導体レーザのレーザ光(再生光)7を対物レンズ
8により絞り、第2の信号層4上に集光させる。そし
て、第2の信号層4で反射された再生光を検出すること
により、第2の信号層4に保存された情報を再生するこ
とができる。
【0023】このような第2の信号層4の再生の際、レ
ーザ光7が透明樹脂層5中を通過し第2の信号層4に到
達する。従って、従来のように透明樹脂層5が透明樹脂
材料のみからなり複屈折性を有する場合には、第2の信
号層4で反射される再生光が複屈折性の影響を受け、再
生信号の品質が劣化する。本実施形態では、このような
透明樹脂層5における複屈折性を低減させるため、透明
樹脂材料と逆の複屈折性を有する材料を透明樹脂層5中
に添加混合している。
ーザ光7が透明樹脂層5中を通過し第2の信号層4に到
達する。従って、従来のように透明樹脂層5が透明樹脂
材料のみからなり複屈折性を有する場合には、第2の信
号層4で反射される再生光が複屈折性の影響を受け、再
生信号の品質が劣化する。本実施形態では、このような
透明樹脂層5における複屈折性を低減させるため、透明
樹脂材料と逆の複屈折性を有する材料を透明樹脂層5中
に添加混合している。
【0024】図3は、このような逆の複屈折性を有する
材料及びその添加量を決定するための複屈折性の評価方
法を説明するための模式図である。ここにおいて説明す
る複屈折性の評価方法は、その一例であり、その他の評
価方法により複屈折性を評価し、添加する材料及びその
量を決定してもよい。図3を参照して、波長650nm
を有する赤色半導体レーザを光源11として用い、サン
プル14の両側にクロスニコル配置の偏光子13をそれ
ぞれ設け、光源11からのレーザ光をコリメーターレン
ズ12により整形し、偏光子13の一方を通してサンプ
ル14に照射し、偏光子13の他方を介して光検出器1
5で検出する。サンプル14が複屈折性を有する場合に
は、透過光量がその複屈折性に応じて大きくなるので、
これを光検出器15によって検出することにより、サン
プル14の複屈折性を評価することができる。
材料及びその添加量を決定するための複屈折性の評価方
法を説明するための模式図である。ここにおいて説明す
る複屈折性の評価方法は、その一例であり、その他の評
価方法により複屈折性を評価し、添加する材料及びその
量を決定してもよい。図3を参照して、波長650nm
を有する赤色半導体レーザを光源11として用い、サン
プル14の両側にクロスニコル配置の偏光子13をそれ
ぞれ設け、光源11からのレーザ光をコリメーターレン
ズ12により整形し、偏光子13の一方を通してサンプ
ル14に照射し、偏光子13の他方を介して光検出器1
5で検出する。サンプル14が複屈折性を有する場合に
は、透過光量がその複屈折性に応じて大きくなるので、
これを光検出器15によって検出することにより、サン
プル14の複屈折性を評価することができる。
【0025】サンプル14として、従来より一般に透明
樹脂材料として用いられている紫外線硬化樹脂(商品名
「UVS HC−329」、MOROHOSHI PRINTING INK C
O.,LTD製)を用い、これにポリスチレン、ポリメタクリ
ル酸メチル(PMMA)、及びトランス−スチルベンを
種々の濃度で混合し、この混合物をガラス基板上にスピ
ンコートし紫外線を照射して硬化させた後、その複屈折
性を図3に示す装置で評価した。この結果、ポリスチレ
ン及びポリメタクリル酸メチルの場合は、紫外線硬化樹
脂に対する含有濃度を大きくすると、複屈折性も大きく
なったのに対し、トランス−スチルベンの場合、紫外線
硬化樹脂に混合すると、3重量%の濃度まで複屈折性は
単調に減少し、3重量%で全く複屈折性が消失し、さら
にその後濃度を高めていくと、再び複屈折性が増大する
ことが確認された。これは、ポリスチレン及びポリメタ
クリル酸メチルが紫外線硬化樹脂と同じ符号の複屈折性
を有しているのに対し、トランス−スチルベンは紫外線
硬化樹脂と逆符号の複屈折性を有しており、濃度が3重
量%のときに複屈折性が相殺されたものと考えられる。
従って、図1に示す実施形態においては、トランス−ス
チルベンを3重量%紫外線硬化樹脂に混合したものを使
用し、透明樹脂層5として用いている。
樹脂材料として用いられている紫外線硬化樹脂(商品名
「UVS HC−329」、MOROHOSHI PRINTING INK C
O.,LTD製)を用い、これにポリスチレン、ポリメタクリ
ル酸メチル(PMMA)、及びトランス−スチルベンを
種々の濃度で混合し、この混合物をガラス基板上にスピ
ンコートし紫外線を照射して硬化させた後、その複屈折
性を図3に示す装置で評価した。この結果、ポリスチレ
ン及びポリメタクリル酸メチルの場合は、紫外線硬化樹
脂に対する含有濃度を大きくすると、複屈折性も大きく
なったのに対し、トランス−スチルベンの場合、紫外線
硬化樹脂に混合すると、3重量%の濃度まで複屈折性は
単調に減少し、3重量%で全く複屈折性が消失し、さら
にその後濃度を高めていくと、再び複屈折性が増大する
ことが確認された。これは、ポリスチレン及びポリメタ
クリル酸メチルが紫外線硬化樹脂と同じ符号の複屈折性
を有しているのに対し、トランス−スチルベンは紫外線
硬化樹脂と逆符号の複屈折性を有しており、濃度が3重
量%のときに複屈折性が相殺されたものと考えられる。
従って、図1に示す実施形態においては、トランス−ス
チルベンを3重量%紫外線硬化樹脂に混合したものを使
用し、透明樹脂層5として用いている。
【0026】図1に示す実施形態において、第1の信号
層3及び第2の信号層4の記録ピットを、最短ピット
0.4μmのEFM信号とし、トラックピッチを0.8
2μmとした。また第1の信号層3と第2の信号層4は
互いに逆向きのスパイラルとなるように信号層を形成し
た。波長650nmの赤色半導体レーザを再生光の光源
として用い、対物レンズの開口数0.6のピックアップ
を用いて、第2の信号層4を再生したところ、ジッタ値
は4.5%であった。比較として、トランス−スチルベ
ンを混合していない紫外線硬化樹脂を用いて透明樹脂層
を形成した以外は、図1に示す実施形態と同様にして光
ディスクを作製し、同様にして第2の信号層を再生した
ところ、そのジッタ値は8.5%であった。従って、本
発明に従い透明樹脂材料と逆の複屈折性を有するトラン
ス−スチルベンを第1の信号層と第2の信号層の間に存
在させることにより、ジッタ値が大幅に改善され、再生
信号の品質を大幅に改善することができた。
層3及び第2の信号層4の記録ピットを、最短ピット
0.4μmのEFM信号とし、トラックピッチを0.8
2μmとした。また第1の信号層3と第2の信号層4は
互いに逆向きのスパイラルとなるように信号層を形成し
た。波長650nmの赤色半導体レーザを再生光の光源
として用い、対物レンズの開口数0.6のピックアップ
を用いて、第2の信号層4を再生したところ、ジッタ値
は4.5%であった。比較として、トランス−スチルベ
ンを混合していない紫外線硬化樹脂を用いて透明樹脂層
を形成した以外は、図1に示す実施形態と同様にして光
ディスクを作製し、同様にして第2の信号層を再生した
ところ、そのジッタ値は8.5%であった。従って、本
発明に従い透明樹脂材料と逆の複屈折性を有するトラン
ス−スチルベンを第1の信号層と第2の信号層の間に存
在させることにより、ジッタ値が大幅に改善され、再生
信号の品質を大幅に改善することができた。
【0027】図4は、本発明に従う他の実施形態の光デ
ィスクを示す斜視図である。図4に示す光ディスクは、
MMCDと一般に呼ばれるディスク構造である。図4を
参照して、PCなどから形成される透明基板21の上に
は、ZnSなどの誘電体膜等から形成される半透明膜が
形成されており、この半透明膜が1層目の反射膜(第1
の信号層)22となる。1層目の反射膜22の上には、
紫外線硬化樹脂などから形成される透明樹脂層24が設
けられている。透明樹脂層24の上には、Al膜などか
らなる金属反射膜が形成されている。この金属反射膜が
2層目の反射膜(第2の信号層)23となる。1層目の
反射膜22及び2層目の反射膜23には記録ピット25
が形成され、情報が保存されている。図4に示すよう
に、本実施形態において、透明基板21の厚みは約1.
2mmであり、透明樹脂層24の厚みは約40μmであ
る。
ィスクを示す斜視図である。図4に示す光ディスクは、
MMCDと一般に呼ばれるディスク構造である。図4を
参照して、PCなどから形成される透明基板21の上に
は、ZnSなどの誘電体膜等から形成される半透明膜が
形成されており、この半透明膜が1層目の反射膜(第1
の信号層)22となる。1層目の反射膜22の上には、
紫外線硬化樹脂などから形成される透明樹脂層24が設
けられている。透明樹脂層24の上には、Al膜などか
らなる金属反射膜が形成されている。この金属反射膜が
2層目の反射膜(第2の信号層)23となる。1層目の
反射膜22及び2層目の反射膜23には記録ピット25
が形成され、情報が保存されている。図4に示すよう
に、本実施形態において、透明基板21の厚みは約1.
2mmであり、透明樹脂層24の厚みは約40μmであ
る。
【0028】本実施形態の光ディスクにおいても、2層
目の反射膜23を再生する際、再生光は透明基板21及
び1層目の反射膜22を通過し、さらに透明樹脂層24
を通過し、2層目の反射膜23に照射される。従って、
透明樹脂層24が複屈折性を有する場合には、この複屈
折性の影響を受ける。本実施形態では、図1に示す実施
形態と同様に、トランス−スチルベンを3重量%紫外線
硬化樹脂に混合したものを用い、透明樹脂層24を形成
している。従って、透明樹脂層24の複屈折性は大幅に
低減されており、2層目の反射膜23からの再生信号の
品質を大幅に改善することができる。
目の反射膜23を再生する際、再生光は透明基板21及
び1層目の反射膜22を通過し、さらに透明樹脂層24
を通過し、2層目の反射膜23に照射される。従って、
透明樹脂層24が複屈折性を有する場合には、この複屈
折性の影響を受ける。本実施形態では、図1に示す実施
形態と同様に、トランス−スチルベンを3重量%紫外線
硬化樹脂に混合したものを用い、透明樹脂層24を形成
している。従って、透明樹脂層24の複屈折性は大幅に
低減されており、2層目の反射膜23からの再生信号の
品質を大幅に改善することができる。
【0029】上記実施形態では、再生専用型の2層型光
ディスクを例にした説明したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、例えば、第1の信号層及び第2の信
号層の少なくとも一方が書き換え可能型である光ディス
クにも適用することができる。例えば、第1の記録層及
び第2の記録層の一方に相変化薄膜を形成し、書き換え
可能な信号層と再生専用の信号層を有する2層型光ディ
スクにも適用することができる。
ディスクを例にした説明したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、例えば、第1の信号層及び第2の信
号層の少なくとも一方が書き換え可能型である光ディス
クにも適用することができる。例えば、第1の記録層及
び第2の記録層の一方に相変化薄膜を形成し、書き換え
可能な信号層と再生専用の信号層を有する2層型光ディ
スクにも適用することができる。
【0030】また、上記実施形態では、逆の複屈折性を
有する材料としてトランス−スチルベンを用いたが、本
発明はこれに限定されるものではなく、透明樹脂層の主
成分となる透明樹脂材料と混合して複屈折性を低減する
ことができる材料であれば種々の低分子化合物、モノマ
ー、及びポリマーを使用することができる。
有する材料としてトランス−スチルベンを用いたが、本
発明はこれに限定されるものではなく、透明樹脂層の主
成分となる透明樹脂材料と混合して複屈折性を低減する
ことができる材料であれば種々の低分子化合物、モノマ
ー、及びポリマーを使用することができる。
【0031】
【発明の効果】本発明の光記録媒体では、透明樹脂材料
と逆の複屈折性を有する材料を第1の信号層と第2の信
号層との間に存在させることにより、透明樹脂層の複屈
折性を低減させている。従って、信号層に再生光を照射
して再生する際の透明樹脂層による複屈折性の影響を低
減することができ、高い品質の再生信号を得ることがで
きる。
と逆の複屈折性を有する材料を第1の信号層と第2の信
号層との間に存在させることにより、透明樹脂層の複屈
折性を低減させている。従って、信号層に再生光を照射
して再生する際の透明樹脂層による複屈折性の影響を低
減することができ、高い品質の再生信号を得ることがで
きる。
【図1】本発明に従う一実施形態の光ディスクを示す断
面図。
面図。
【図2】透明樹脂層における透明樹脂材料の配向状態及
び逆の複屈折性を有する材料の配向状態を示す模式図。
び逆の複屈折性を有する材料の配向状態を示す模式図。
【図3】本発明に従う実施形態において用いる複屈折性
の評価方法を説明するための模式図。
の評価方法を説明するための模式図。
【図4】本発明に従う他の実施形態の光ディスクを示す
斜視図。
斜視図。
1,2…基板 3…第1の信号層 4…第2の信号層 5…透明樹脂層 6,7…レーザ光 8…レンズ 21…透明基板 22…1層目の反射膜 23…2層目の反射膜 24…透明樹脂層 25…ピット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/24
Claims (2)
- 【請求項1】 情報が保存された信号層に再生光を照射
することにより該信号層に保存された情報が再生される
光記録媒体であって、 前記信号層として前記再生光が入射する側から順に設け
られる第1の信号層及び第2の信号層と、 前記第1の信号層と前記第2の信号層との間に設けられ
る、透明樹脂材料を主成分として含有した透明樹脂層と
を備え、 前記透明樹脂材料と逆の複屈折性を有する材料を前記第
1の信号層と前記第2の信号層との間に存在させたこと
を特徴とする光記録媒体。 - 【請求項2】 前記逆の複屈折性を有する材料が前記透
明樹脂層中に混合されている請求項1に記載の光記録媒
体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04317696A JP3249375B2 (ja) | 1996-02-29 | 1996-02-29 | 光記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04317696A JP3249375B2 (ja) | 1996-02-29 | 1996-02-29 | 光記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09237436A JPH09237436A (ja) | 1997-09-09 |
JP3249375B2 true JP3249375B2 (ja) | 2002-01-21 |
Family
ID=12656584
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04317696A Expired - Fee Related JP3249375B2 (ja) | 1996-02-29 | 1996-02-29 | 光記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3249375B2 (ja) |
-
1996
- 1996-02-29 JP JP04317696A patent/JP3249375B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09237436A (ja) | 1997-09-09 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |