JP2001273680A - 光ディスク - Google Patents
光ディスクInfo
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- JP2001273680A JP2001273680A JP2000161802A JP2000161802A JP2001273680A JP 2001273680 A JP2001273680 A JP 2001273680A JP 2000161802 A JP2000161802 A JP 2000161802A JP 2000161802 A JP2000161802 A JP 2000161802A JP 2001273680 A JP2001273680 A JP 2001273680A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thickness
- layer
- resin film
- substrate
- optical disk
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- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 光透過層の複屈折の増加を最小限に抑
え、信号特性の劣化のない高品質な光ディスクを得る。 【解決手段】 凹凸形状または溝形状の情報信号1を有
する基板2上に、反射膜3、接着剤層8、前記基板2よ
り厚みが薄い樹脂フィルム層6をこの順に積層し、前記
樹脂フィルム層6と接着剤層8を通して基板2上の情報
信号1を再生する光ディスク10において、前記接着剤
層8の厚さが100μm以下であり、かつ、前記樹脂フ
ィルム層6の樹脂フィルムの光弾性定数と引張弾性率と
厚さの乗算値が−0.2〜0.2mmの範囲である光デ
ィスク10。
え、信号特性の劣化のない高品質な光ディスクを得る。 【解決手段】 凹凸形状または溝形状の情報信号1を有
する基板2上に、反射膜3、接着剤層8、前記基板2よ
り厚みが薄い樹脂フィルム層6をこの順に積層し、前記
樹脂フィルム層6と接着剤層8を通して基板2上の情報
信号1を再生する光ディスク10において、前記接着剤
層8の厚さが100μm以下であり、かつ、前記樹脂フ
ィルム層6の樹脂フィルムの光弾性定数と引張弾性率と
厚さの乗算値が−0.2〜0.2mmの範囲である光デ
ィスク10。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度な光ディス
ク、特に、樹脂フィルムと接着剤を介して信号を読み取
る光ディスクに係わるものである。
ク、特に、樹脂フィルムと接着剤を介して信号を読み取
る光ディスクに係わるものである。
【0002】
【従来の技術】近年情報記録の分野においては、光学情
報記録方式に関する研究が各所で進められている。この
光学情報記録方式は、非接触で記録・再生が行えるこ
と、磁気記録方式に比べて一桁以上も高い記録密度が達
成できること、再生専用型、追記型、書換可能型のそれ
ぞれのメモリー形態に対応できる、等の数々の利点を有
し、安価な大容量ファイルの実現を可能とする方式とし
て産業用から民生用まで幅広い用途が考えられているも
のである。その中でも特に、再生専用型のメモリー形態
に対応した光ディスクであるデジタルオーディオディス
クや光学式ビデオディスク等は広く普及している。
報記録方式に関する研究が各所で進められている。この
光学情報記録方式は、非接触で記録・再生が行えるこ
と、磁気記録方式に比べて一桁以上も高い記録密度が達
成できること、再生専用型、追記型、書換可能型のそれ
ぞれのメモリー形態に対応できる、等の数々の利点を有
し、安価な大容量ファイルの実現を可能とする方式とし
て産業用から民生用まで幅広い用途が考えられているも
のである。その中でも特に、再生専用型のメモリー形態
に対応した光ディスクであるデジタルオーディオディス
クや光学式ビデオディスク等は広く普及している。
【0003】上記デジタルオーディオディスク等の光デ
ィスクは、情報信号を示すピットやグルーブ等の凹凸パ
ターンが形成された透明基板である光ディスク基板上
に、アルミニウム膜等の金属薄膜よりなる反射膜が形成
され、更にこの反射膜の腐食や傷付きを防ぐための保護
膜が上記反射膜上に形成された構成となっている。な
お、このような光ディスクの情報を再生する際には、光
ディスク基板側より上記凹凸パターンにレーザ光等の再
生光を照射し、その入射光と戻り光の反射率の差によっ
て情報を検出する。そして、このような光ディスクを製
造する際には、まず射出成形等の手法により上記凹凸パ
ターンを有する光ディスク基板を形成し、この上に上記
金属薄膜から成る反射膜を蒸着等の手法により形成し、
さらにその上に紫外線硬化型樹脂等を塗布して上記保護
膜を形成する。
ィスクは、情報信号を示すピットやグルーブ等の凹凸パ
ターンが形成された透明基板である光ディスク基板上
に、アルミニウム膜等の金属薄膜よりなる反射膜が形成
され、更にこの反射膜の腐食や傷付きを防ぐための保護
膜が上記反射膜上に形成された構成となっている。な
お、このような光ディスクの情報を再生する際には、光
ディスク基板側より上記凹凸パターンにレーザ光等の再
生光を照射し、その入射光と戻り光の反射率の差によっ
て情報を検出する。そして、このような光ディスクを製
造する際には、まず射出成形等の手法により上記凹凸パ
ターンを有する光ディスク基板を形成し、この上に上記
金属薄膜から成る反射膜を蒸着等の手法により形成し、
さらにその上に紫外線硬化型樹脂等を塗布して上記保護
膜を形成する。
【0004】ところで、最近ではさらなる高記録密度化
が要求されており、これに対応するべく、光学ピックア
ップの再生光を照射するための対物レンズの開口数(以
下、NAと称する)を大きくして再生光のスポット径を
小さくすることが提案されている。例えば、これまで使
用されてきたデジタルオーディオディスクの対物レンズ
のNAが0.45であるのに対し、デジタルオーディオ
ディスクの6〜8倍の記録容量を有するとされて近年注
目されている光学式ビデオディスク(例えば、Digital
Versatile Disc、以下、DVDと称する)においては、
対物レンズのNAを0.60程度としている。
が要求されており、これに対応するべく、光学ピックア
ップの再生光を照射するための対物レンズの開口数(以
下、NAと称する)を大きくして再生光のスポット径を
小さくすることが提案されている。例えば、これまで使
用されてきたデジタルオーディオディスクの対物レンズ
のNAが0.45であるのに対し、デジタルオーディオ
ディスクの6〜8倍の記録容量を有するとされて近年注
目されている光学式ビデオディスク(例えば、Digital
Versatile Disc、以下、DVDと称する)においては、
対物レンズのNAを0.60程度としている。
【0005】このように対物レンズのNAを大きくする
と、再生光が照射されてこれが通過する光ディスクの基
板の厚さを薄くする必要がある。これは、光学ピックア
ップの光軸に対してディスク面が垂直からずれる角度
(チルト角)の許容量が小さくなるためであり、このチ
ルト角が基板の厚さによる収差や複屈折の影響を受けや
すい為である。従って基板の厚さを薄くしてチルト角を
なるべく小さくするようにしている。例えば、前述のデ
ジタルオーディオディスクにおいては、基板の厚さは
1.2mm程度とされているのに対し、例えばDVDと
いったデジタルオーディオディスクの6〜8倍の記録容
量を有するとされる光学式ビデオディスクにおいては、
基板の厚さは0.6mm程度とされている。
と、再生光が照射されてこれが通過する光ディスクの基
板の厚さを薄くする必要がある。これは、光学ピックア
ップの光軸に対してディスク面が垂直からずれる角度
(チルト角)の許容量が小さくなるためであり、このチ
ルト角が基板の厚さによる収差や複屈折の影響を受けや
すい為である。従って基板の厚さを薄くしてチルト角を
なるべく小さくするようにしている。例えば、前述のデ
ジタルオーディオディスクにおいては、基板の厚さは
1.2mm程度とされているのに対し、例えばDVDと
いったデジタルオーディオディスクの6〜8倍の記録容
量を有するとされる光学式ビデオディスクにおいては、
基板の厚さは0.6mm程度とされている。
【0006】しかしながら、今後さらなる高記録密度化
が要求されるものと思われ、基板のさらなる薄型化が必
要となってくるものと思われる。そこで、例えば基板の
一主面に凹凸を形成して情報記録層とし、この上に反射
膜を設け、さらにこの上に光を透過する薄膜である光透
過層を設けるようにし、光透過層側から再生光を照射し
て情報記録層の情報を再生するような光記録媒体が提案
されている。このようにすれば、光透過層を薄型化して
いくことで対物レンズの高NA化に対応可能である。
が要求されるものと思われ、基板のさらなる薄型化が必
要となってくるものと思われる。そこで、例えば基板の
一主面に凹凸を形成して情報記録層とし、この上に反射
膜を設け、さらにこの上に光を透過する薄膜である光透
過層を設けるようにし、光透過層側から再生光を照射し
て情報記録層の情報を再生するような光記録媒体が提案
されている。このようにすれば、光透過層を薄型化して
いくことで対物レンズの高NA化に対応可能である。
【0007】ところが、このように光透過層を薄型化し
ていくと、光ディスクの製造において一般的な手法であ
る熱可塑性樹脂を使用した射出成形により光透過層を形
成するのが困難となる。例えば0.1mmの光透過層を
小複屈折、透明性良好に形成するのは、現行では不可能
に近い。
ていくと、光ディスクの製造において一般的な手法であ
る熱可塑性樹脂を使用した射出成形により光透過層を形
成するのが困難となる。例えば0.1mmの光透過層を
小複屈折、透明性良好に形成するのは、現行では不可能
に近い。
【0008】そこで、光透過層を紫外線硬化型樹脂によ
り形成する方法が特開平8−235638号公報等に開
示されているが、均一な厚さの光透過層を形成するのが
難しく、情報の再生を安定して行うことが難しい。この
ような問題に対して、厚さ0.1mm程度の樹脂製のフ
ィルムを接着剤を用いてローラー圧着、あるいは紫外線
硬化型の接着剤を用いたスピンコート法等により貼り付
けることで光透過層とする方法が特開平10−2836
83号公報等に開示されている。
り形成する方法が特開平8−235638号公報等に開
示されているが、均一な厚さの光透過層を形成するのが
難しく、情報の再生を安定して行うことが難しい。この
ような問題に対して、厚さ0.1mm程度の樹脂製のフ
ィルムを接着剤を用いてローラー圧着、あるいは紫外線
硬化型の接着剤を用いたスピンコート法等により貼り付
けることで光透過層とする方法が特開平10−2836
83号公報等に開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光ディスク
の重要な特性の一つに再生光が通過する光透過層の複屈
折がある。複屈折とは非等方性材料に入射した光が互い
に垂直な振動方向を持つ二つの光波に分かれる現象であ
る。この二つの光波はそれぞれ異なる速度で進むため、
試料から出てくるときには光路差(位相差)を生じる。
この光路差が大きくなると再生信号特性に悪影響を及ぼ
してしまうため、光透過層の複屈折は極力小さくしなけ
ればならない。このような課題に対して、従来から基板
の成形技術の改良や基板材料の改良等の対策が施されて
おり、貼り合わせ型の光ディスクに対しても同様の対策
が施されている。
の重要な特性の一つに再生光が通過する光透過層の複屈
折がある。複屈折とは非等方性材料に入射した光が互い
に垂直な振動方向を持つ二つの光波に分かれる現象であ
る。この二つの光波はそれぞれ異なる速度で進むため、
試料から出てくるときには光路差(位相差)を生じる。
この光路差が大きくなると再生信号特性に悪影響を及ぼ
してしまうため、光透過層の複屈折は極力小さくしなけ
ればならない。このような課題に対して、従来から基板
の成形技術の改良や基板材料の改良等の対策が施されて
おり、貼り合わせ型の光ディスクに対しても同様の対策
が施されている。
【0010】ところが、上述した薄い樹脂製のフィルム
を接着剤により貼り付けて光透過層とした光ディスクの
場合、フィルムを貼り付ける工程や再生時においてフィ
ルムの複屈折が増加してしまうという問題があった。つ
まり、例えばローラー圧着によってフィルムを貼り付け
る方法において、ローラーからの圧力のバラツキや接着
剤の厚さのバラツキによってフィルム面内に部分的に応
力歪みが発生し、この応力歪みによって複屈折が信号特
性、特に再生信号出力の一周中の変動に影響するレベル
まで増加してしまうのである。
を接着剤により貼り付けて光透過層とした光ディスクの
場合、フィルムを貼り付ける工程や再生時においてフィ
ルムの複屈折が増加してしまうという問題があった。つ
まり、例えばローラー圧着によってフィルムを貼り付け
る方法において、ローラーからの圧力のバラツキや接着
剤の厚さのバラツキによってフィルム面内に部分的に応
力歪みが発生し、この応力歪みによって複屈折が信号特
性、特に再生信号出力の一周中の変動に影響するレベル
まで増加してしまうのである。
【0011】一方、紫外線硬化型の接着剤を用いてスピ
ンコート法によりフィルムを貼り付ける方法において
は、紫外線の光量を上げて接着剤の硬化速度を上げた場
合や、貼り合わせの際にゴミや気泡を巻き込んだ状態で
硬化すると接着剤層に硬化歪みが発生することになる。
また、光ディスクは再生時に高速で回転させるため、遠
心力によっても接着剤層の歪みが発生することになる。
このように接着剤層に歪みが発生すると、フィルムは接
着剤層と直接接しているので、接着剤層が歪むことによ
ってフィルムにも歪みが発生し複屈折が増加してしまう
のである。
ンコート法によりフィルムを貼り付ける方法において
は、紫外線の光量を上げて接着剤の硬化速度を上げた場
合や、貼り合わせの際にゴミや気泡を巻き込んだ状態で
硬化すると接着剤層に硬化歪みが発生することになる。
また、光ディスクは再生時に高速で回転させるため、遠
心力によっても接着剤層の歪みが発生することになる。
このように接着剤層に歪みが発生すると、フィルムは接
着剤層と直接接しているので、接着剤層が歪むことによ
ってフィルムにも歪みが発生し複屈折が増加してしまう
のである。
【0012】さらに高温多湿といった条件下(例えば真
夏の車内)での使用時には、光透過層は樹脂製であるの
で当然軟らかくなり、その結果歪みの量も大きくなるの
で複屈折も増加する、といった具合に信頼性の面でも問
題があった。本発明は上記問題点に着目してなされたも
のであり、接着剤の硬化速度を上げたり、万が一ゴミや
気泡を巻き込んでしまった場合、また高速回転中でも複
屈折の増加を最小限に抑え、信号特性の劣化のない高品
質な光ディスクを提供することを目的とするものであ
る。
夏の車内)での使用時には、光透過層は樹脂製であるの
で当然軟らかくなり、その結果歪みの量も大きくなるの
で複屈折も増加する、といった具合に信頼性の面でも問
題があった。本発明は上記問題点に着目してなされたも
のであり、接着剤の硬化速度を上げたり、万が一ゴミや
気泡を巻き込んでしまった場合、また高速回転中でも複
屈折の増加を最小限に抑え、信号特性の劣化のない高品
質な光ディスクを提供することを目的とするものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題に
鑑みなされたものであり、凹凸形状または溝形状の情報
信号1を有する基板2上に、反射膜3、接着剤層8、前
記基板2より厚みが薄い樹脂フィルム層6をこの順に積
層し、前記樹脂フィルム層6と接着剤層8を通して基板
2上の情報信号1を再生する光ディスク10において、
前記接着剤層8の厚さが100μm以下であり、かつ、
前記樹脂フィルム層6の樹脂フィルムの光弾性定数と引
張弾性率と厚さの乗算値が−0.2〜0.2mmの範囲
である光ディスク10を提供することにより解決したも
のである。
鑑みなされたものであり、凹凸形状または溝形状の情報
信号1を有する基板2上に、反射膜3、接着剤層8、前
記基板2より厚みが薄い樹脂フィルム層6をこの順に積
層し、前記樹脂フィルム層6と接着剤層8を通して基板
2上の情報信号1を再生する光ディスク10において、
前記接着剤層8の厚さが100μm以下であり、かつ、
前記樹脂フィルム層6の樹脂フィルムの光弾性定数と引
張弾性率と厚さの乗算値が−0.2〜0.2mmの範囲
である光ディスク10を提供することにより解決したも
のである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、かかる解決手段の優位性
につき詳述する。すなわち、本発明者等は、上記問題点
に対して鋭意検討を重ねた結果、光透過層として使用す
る樹脂フィルムの光弾性定数と引張弾性率と厚さが大き
く影響していることを見い出した。等質等方な透明物体
でも内部応力を生じさせると光学的に異方性となり、一
時的に複屈折性を呈するという現象は光弾性現象として
知られており、上記の光弾性定数は(1)式で示すように
内部応力と複屈折の間の比例定数である。 Δn = C・σ (1) ここで、Δn:複屈折 C:光弾性定数 σ:内部応力 そして、光ディスクの再生上問題となるのは光路差 で
あり、その光路差は(2)式で表される。 R=Δ
n・d = C・σ・d (2) ここで、R:光路差 Δn:複屈折 d:光路長 C:
光弾性定数 σ:内部応力
につき詳述する。すなわち、本発明者等は、上記問題点
に対して鋭意検討を重ねた結果、光透過層として使用す
る樹脂フィルムの光弾性定数と引張弾性率と厚さが大き
く影響していることを見い出した。等質等方な透明物体
でも内部応力を生じさせると光学的に異方性となり、一
時的に複屈折性を呈するという現象は光弾性現象として
知られており、上記の光弾性定数は(1)式で示すように
内部応力と複屈折の間の比例定数である。 Δn = C・σ (1) ここで、Δn:複屈折 C:光弾性定数 σ:内部応力 そして、光ディスクの再生上問題となるのは光路差 で
あり、その光路差は(2)式で表される。 R=Δ
n・d = C・σ・d (2) ここで、R:光路差 Δn:複屈折 d:光路長 C:
光弾性定数 σ:内部応力
【0015】光弾性現象は、応力が加わった時に歪みが
生じ、その歪みによって生じる分子配向が原因で起こる
現象であり、光ディスク基板の複屈折の発生原因もこの
分子配向であることが知られている。従って従来の光透
過層用の樹脂フィルムにおいても、光弾性定数の小さい
材料を使用したり、成型条件によって分子配向を制御す
るなどして光透過層の複屈折の低減が図られている。と
ころが光弾性定数には温度依存性があり、温度が上がり
材料が軟らかくなると光弾性定数も増加してしまう。こ
れは、材料が軟らかくなると応力が加わったときの歪み
の量が増し、その結果分子配向も大きくなるためであ
る。従って、高温多湿といった過酷な条件下での使用も
想定される光ディスクの光透過層用の材料としては、光
弾性定数だけ考慮しても光ディスクの使用条件を満たす
ことが出来ないのである。
生じ、その歪みによって生じる分子配向が原因で起こる
現象であり、光ディスク基板の複屈折の発生原因もこの
分子配向であることが知られている。従って従来の光透
過層用の樹脂フィルムにおいても、光弾性定数の小さい
材料を使用したり、成型条件によって分子配向を制御す
るなどして光透過層の複屈折の低減が図られている。と
ころが光弾性定数には温度依存性があり、温度が上がり
材料が軟らかくなると光弾性定数も増加してしまう。こ
れは、材料が軟らかくなると応力が加わったときの歪み
の量が増し、その結果分子配向も大きくなるためであ
る。従って、高温多湿といった過酷な条件下での使用も
想定される光ディスクの光透過層用の材料としては、光
弾性定数だけ考慮しても光ディスクの使用条件を満たす
ことが出来ないのである。
【0016】そこで本発明者等は、光弾性定数とともに
プラスチックフィルムの引張弾性率に着目した。引張弾
性率は材料の機械的な強度を表しており、温度が上がる
と低下するという光弾性定数とは全く逆の温度依存性を
持っている。そして、光弾性定数と引張弾性率を掛け合
わせた数値というのは、互いの温度依存性を打ち消し合
うことになるので温度依存性のない新たな物性値とな
り、この物性値をある範囲内に抑えれば高温多湿の環境
条件においても複屈折の増加を抑えることができるので
ある。そして、光ディスクの再生上直接問題となるのは
分かれた2つの光の光路差であり、その光路差は(2)式
から分かるように光路長、すなわちフィルムの厚さに比
例する。従って、上記の光弾性定数と引張弾性率を掛け
合わせた物性値にフィルムの厚さを掛け合わせた数値を
ある範囲内に抑えれば、非常に高品質で信頼性の高い光
ディスクを提供できることを見出したのである。
プラスチックフィルムの引張弾性率に着目した。引張弾
性率は材料の機械的な強度を表しており、温度が上がる
と低下するという光弾性定数とは全く逆の温度依存性を
持っている。そして、光弾性定数と引張弾性率を掛け合
わせた数値というのは、互いの温度依存性を打ち消し合
うことになるので温度依存性のない新たな物性値とな
り、この物性値をある範囲内に抑えれば高温多湿の環境
条件においても複屈折の増加を抑えることができるので
ある。そして、光ディスクの再生上直接問題となるのは
分かれた2つの光の光路差であり、その光路差は(2)式
から分かるように光路長、すなわちフィルムの厚さに比
例する。従って、上記の光弾性定数と引張弾性率を掛け
合わせた物性値にフィルムの厚さを掛け合わせた数値を
ある範囲内に抑えれば、非常に高品質で信頼性の高い光
ディスクを提供できることを見出したのである。
【0017】また、上記した問題は薄い樹脂フィルムを
貼り合わせる接着剤の厚さにも密接に関係していること
も見出したのである。樹脂フィルムに発生する歪みは接
着剤に発生する歪みに起因しているので、接着剤の厚さ
が薄い場合は、接着剤層に発生した歪みの影響が樹脂フ
ィルムに対して出にくいことになる。反対に厚い場合は
樹脂フィルムに対する影響が大きく出ることになるが、
その場合は樹脂フィルムよりも接着剤層そのものの複屈
折の影響が大きくなってしまい、上記物性値を適用でき
なくなってしまうのである。そこで、本発明は、薄い樹
脂フィルムを接着剤を介して貼り合わせて光透過層とす
る光ディスクに発生する上記問題に対して、請求項記載
の如くに構成することにより解決したものなのである。
貼り合わせる接着剤の厚さにも密接に関係していること
も見出したのである。樹脂フィルムに発生する歪みは接
着剤に発生する歪みに起因しているので、接着剤の厚さ
が薄い場合は、接着剤層に発生した歪みの影響が樹脂フ
ィルムに対して出にくいことになる。反対に厚い場合は
樹脂フィルムに対する影響が大きく出ることになるが、
その場合は樹脂フィルムよりも接着剤層そのものの複屈
折の影響が大きくなってしまい、上記物性値を適用でき
なくなってしまうのである。そこで、本発明は、薄い樹
脂フィルムを接着剤を介して貼り合わせて光透過層とす
る光ディスクに発生する上記問題に対して、請求項記載
の如くに構成することにより解決したものなのである。
【0018】本発明の光ディスクは再生専用型、追記
型、記録可能型いずれの種類の光ディスクにも適用でき
る。再生専用型の場合、ピットと呼ばれる凹凸形状の情
報信号が形成された基板のピット側に、金属層からなる
反射層をスパッタリング法等により形成し、その反射層
面と樹脂フィルムとを接着剤を介して貼り合わせること
で作製される。
型、記録可能型いずれの種類の光ディスクにも適用でき
る。再生専用型の場合、ピットと呼ばれる凹凸形状の情
報信号が形成された基板のピット側に、金属層からなる
反射層をスパッタリング法等により形成し、その反射層
面と樹脂フィルムとを接着剤を介して貼り合わせること
で作製される。
【0019】追記型の場合、案内溝と場合によって一部
再生専用の情報のためのピットが形成された基板の上
に、金属層からなる反射層を形成し、さらにその上に主
として有機色素からなる記録層をスピンコート法等によ
り形成し、その記録層面と樹脂フィルムとを接着剤を介
して貼り合わせることで作製される。
再生専用の情報のためのピットが形成された基板の上
に、金属層からなる反射層を形成し、さらにその上に主
として有機色素からなる記録層をスピンコート法等によ
り形成し、その記録層面と樹脂フィルムとを接着剤を介
して貼り合わせることで作製される。
【0020】記録可能型の場合、案内溝と場合によって
アドレス信号用のエンボスピット等の信号が形成された
基板の上に、反射層、第二の誘電体層、記録層、第一の
誘電体層をスパッタリング法等により順次形成する。そ
して、第一の誘電体層面と樹脂フィルムを接着剤を介し
て貼り合わせることで作製される。
アドレス信号用のエンボスピット等の信号が形成された
基板の上に、反射層、第二の誘電体層、記録層、第一の
誘電体層をスパッタリング法等により順次形成する。そ
して、第一の誘電体層面と樹脂フィルムを接着剤を介し
て貼り合わせることで作製される。
【0021】前記したいずれの種類の光ディスクにおい
ても金属層からなる反射層が形成されるが、その材料と
しては、Au、Al、Ag、Pt、Pd、Ni、Cu等
の金属や金属合金、金属化合物等が用いられる。
ても金属層からなる反射層が形成されるが、その材料と
しては、Au、Al、Ag、Pt、Pd、Ni、Cu等
の金属や金属合金、金属化合物等が用いられる。
【0022】また追記型における有機色素からなる記録
層の材料としては、情報の記録に用いるレーザを吸収し
得る吸収スペクトルを示す例えばシアニン色素、メロシ
アニン色素、アゾメチン色素、アゾ色素、フタロシアニ
ン色素およびこれらの色素構造を配位子として有する金
属錯体等が用いられる。
層の材料としては、情報の記録に用いるレーザを吸収し
得る吸収スペクトルを示す例えばシアニン色素、メロシ
アニン色素、アゾメチン色素、アゾ色素、フタロシアニ
ン色素およびこれらの色素構造を配位子として有する金
属錯体等が用いられる。
【0023】また記録可能型における第一ならびに第二
の誘電体層の材料としては、金属の酸化物、窒化物、硫
化物、例えばZnS-SiO2、ZnS、SiO2、Ta2
O5、Si3N4、AlN、Al2O3、AlSiON、Z
rO2、TiO2などの単体あるいはこれらの混合物が用
いられる。記録層の材料としてはアモルファス−結晶間
の反射率変化あるいは屈折率変化を利用する相変化材
料、例えばGe-Sb-Te系やAg-In-Te-Sb系
等が用いられる。
の誘電体層の材料としては、金属の酸化物、窒化物、硫
化物、例えばZnS-SiO2、ZnS、SiO2、Ta2
O5、Si3N4、AlN、Al2O3、AlSiON、Z
rO2、TiO2などの単体あるいはこれらの混合物が用
いられる。記録層の材料としてはアモルファス−結晶間
の反射率変化あるいは屈折率変化を利用する相変化材
料、例えばGe-Sb-Te系やAg-In-Te-Sb系
等が用いられる。
【0024】前記樹脂フィルムは、その種類に特に指定
はなく、材質としては例えばポリカーボネート、ポリメ
チルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、トリアセチル
セルロース等、光ディスクの再生波長の光を透過する材
質であれば良い。
はなく、材質としては例えばポリカーボネート、ポリメ
チルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、トリアセチル
セルロース等、光ディスクの再生波長の光を透過する材
質であれば良い。
【0025】光弾性定数の大きさはその材質の分子構造
に起因する部分が大きく、分子的に等方構造を有してい
るものが好ましいが、光弾性定数には正(例えばポリカ
ーボネートやポリエチレンテレフタレート)と負(例え
ばポリメチルメタクリレートやポリ−α−メチルスチレ
ン)の値があり、それらを適当にブレンドすることによ
って制御することもできる。引張弾性率の大きさも分子
構造に影響されるが、成形後に延伸処理をすることによ
って強度を上げることも可能である。以下、添付図面を
参照して本発明の一実施例を説明する。
に起因する部分が大きく、分子的に等方構造を有してい
るものが好ましいが、光弾性定数には正(例えばポリカ
ーボネートやポリエチレンテレフタレート)と負(例え
ばポリメチルメタクリレートやポリ−α−メチルスチレ
ン)の値があり、それらを適当にブレンドすることによ
って制御することもできる。引張弾性率の大きさも分子
構造に影響されるが、成形後に延伸処理をすることによ
って強度を上げることも可能である。以下、添付図面を
参照して本発明の一実施例を説明する。
【0026】
【実施例1】図1に示すように、例えば、最短ピット長
0.4μm、トラックピッチ0.74μmのEFM信号
のピット群1が形成されている直径120mm、厚さ
0.9mmのポリカーボネート基板2を射出成形によっ
て作製し、ピット群1上にアルミニウムの反射膜3をス
パッタリング法により約600Åの厚さに成膜する。な
お、ピット形成は波長413nmのKrレーザ光により
行った。そして、反射膜3が成膜された光ディスク基板
を、反射膜3を上にしてスピンコーターのターンテーブ
ル4上に装着し(図1a)、次に、ターンテーブル4を
低速回転させながら反射膜3上に紫外線硬化型の接着剤
5を塗布する(図1b)。
0.4μm、トラックピッチ0.74μmのEFM信号
のピット群1が形成されている直径120mm、厚さ
0.9mmのポリカーボネート基板2を射出成形によっ
て作製し、ピット群1上にアルミニウムの反射膜3をス
パッタリング法により約600Åの厚さに成膜する。な
お、ピット形成は波長413nmのKrレーザ光により
行った。そして、反射膜3が成膜された光ディスク基板
を、反射膜3を上にしてスピンコーターのターンテーブ
ル4上に装着し(図1a)、次に、ターンテーブル4を
低速回転させながら反射膜3上に紫外線硬化型の接着剤
5を塗布する(図1b)。
【0027】次に、予め準備しておいた上記ポリカーボ
ネート基板2より若干小径である外径119mm、内径
30mm、厚さ300μmのドーナツ形状の光透過層用
樹脂フィルム6を、塗布した紫外線硬化型の接着剤5の
上に載置する(図1c)。しかる後、ターンテーブル4
を高速回転させ、余分な接着剤7を振り切ることによっ
て、反射膜3と樹脂フィルム6の間に接着剤層8を形成
する(図1d)。
ネート基板2より若干小径である外径119mm、内径
30mm、厚さ300μmのドーナツ形状の光透過層用
樹脂フィルム6を、塗布した紫外線硬化型の接着剤5の
上に載置する(図1c)。しかる後、ターンテーブル4
を高速回転させ、余分な接着剤7を振り切ることによっ
て、反射膜3と樹脂フィルム6の間に接着剤層8を形成
する(図1d)。
【0028】その後樹脂フィルム6側から紫外線9を照
射することによって接着剤層8を硬化させることにより
再生専用型の光ディスク10を作製する(図1e)。な
お、硬化後の接着剤層8の厚さはターンテーブルの回転
数を制御することにより5μmとした。
射することによって接着剤層8を硬化させることにより
再生専用型の光ディスク10を作製する(図1e)。な
お、硬化後の接着剤層8の厚さはターンテーブルの回転
数を制御することにより5μmとした。
【0029】この時、様々な光弾性定数、引張弾性率お
よび厚さの光透過層用プラスチック製フィルムを使って
作製した光ディスク10の、樹脂フィルム側から再生光
を入射させ信号を読み取った時の再生時の一周中の再生
信号振幅の変動を、波長670nm、開口数NA0.7
であるレーザーピックアップを用いて測定した。なお引
張弾性率の測定は試験法ASTM−D638に従って行
い、光弾性定数はエリプソメーターにて、厚さ100μ
mの樹脂フィルムを用い、波長633nmで荷重変化に
よる複屈折測定より算出した。
よび厚さの光透過層用プラスチック製フィルムを使って
作製した光ディスク10の、樹脂フィルム側から再生光
を入射させ信号を読み取った時の再生時の一周中の再生
信号振幅の変動を、波長670nm、開口数NA0.7
であるレーザーピックアップを用いて測定した。なお引
張弾性率の測定は試験法ASTM−D638に従って行
い、光弾性定数はエリプソメーターにて、厚さ100μ
mの樹脂フィルムを用い、波長633nmで荷重変化に
よる複屈折測定より算出した。
【0030】図2は、樹脂フィルムの最適範囲を示すも
のであり、横軸に光弾性定数×引張弾性率×厚さの値、
縦軸に一周中の再生信号の振幅の最大値/最小値の値を
とったものである。この図より明らかな如く、測定環境
温度を常温としての23℃、現行のこの種光ディスクの
規格値の上限よりも温度条件を厳しくした80℃のいず
れにおいても、光弾性定数と引張弾性率と厚さの乗算値
を、−0.2〜0.2mmの範囲に設定することによっ
て良好な信号特性が得られることがわかる。すなわち、
このような温度差のある条件によっても、樹脂フィルム
の光弾性定数と引張弾性率と厚さの乗算値を上記の範囲
に設定すれば、環境面での劣化が少ない、換言すれば、
温度依存性がない高品質で信頼性の高い光ディスクが得
られるものなのである。
のであり、横軸に光弾性定数×引張弾性率×厚さの値、
縦軸に一周中の再生信号の振幅の最大値/最小値の値を
とったものである。この図より明らかな如く、測定環境
温度を常温としての23℃、現行のこの種光ディスクの
規格値の上限よりも温度条件を厳しくした80℃のいず
れにおいても、光弾性定数と引張弾性率と厚さの乗算値
を、−0.2〜0.2mmの範囲に設定することによっ
て良好な信号特性が得られることがわかる。すなわち、
このような温度差のある条件によっても、樹脂フィルム
の光弾性定数と引張弾性率と厚さの乗算値を上記の範囲
に設定すれば、環境面での劣化が少ない、換言すれば、
温度依存性がない高品質で信頼性の高い光ディスクが得
られるものなのである。
【0031】
【実施例2〜5】実施例2〜5において、接着剤層の厚
さのみを20μm、40μm、70μm、100μmと
し、他は実施例1と同様な方法により評価した結果を図
3〜6に示す。いずれの膜厚においても、光弾性定数と
引張弾性率と厚さの乗算値を、−0.2〜0.2mmの
範囲に設定することによって良好な信号特性が得られる
ことがわかる。
さのみを20μm、40μm、70μm、100μmと
し、他は実施例1と同様な方法により評価した結果を図
3〜6に示す。いずれの膜厚においても、光弾性定数と
引張弾性率と厚さの乗算値を、−0.2〜0.2mmの
範囲に設定することによって良好な信号特性が得られる
ことがわかる。
【0032】
【比較例1〜3】比較例1〜3において、接着剤層の厚
さのみを120μm、150μm、200μmとし、他
は実施例1と同様な方法により評価した結果を図7〜9
に示す。光弾性定数と引張弾性率と厚さの乗算値に関係
なく再生信号振幅の変動が大きくなっていることがわか
る。すなわち、接着剤層の厚さは、100μm以下でな
ければならないことがわかる。
さのみを120μm、150μm、200μmとし、他
は実施例1と同様な方法により評価した結果を図7〜9
に示す。光弾性定数と引張弾性率と厚さの乗算値に関係
なく再生信号振幅の変動が大きくなっていることがわか
る。すなわち、接着剤層の厚さは、100μm以下でな
ければならないことがわかる。
【0033】
【実施例6】最短ピット長0.254μm、トラックピ
ッチ0.6μmのEFM信号のピット群が形成されてい
る直径120mm、厚さ1.1mmのポリカーボネート
基板および外径119mm、内径30mm、厚さ100
μmの樹脂フィルムを用いて実施例1と同様な方法によ
り光ディスクを作製した。なお、なお、ピット形成は波
長351nmのArレーザ光により行った。そして波長
413nm、レンズNA0.8のレーザピックアップを
用いて特性値とジッタ値の関係を調べたところ、実施例
1と同様に、光弾性定数と引張弾性率と厚さの乗算値を
−0.2〜0.2mmの範囲に設定することによって良
好な信号特性を得ることが出来た。
ッチ0.6μmのEFM信号のピット群が形成されてい
る直径120mm、厚さ1.1mmのポリカーボネート
基板および外径119mm、内径30mm、厚さ100
μmの樹脂フィルムを用いて実施例1と同様な方法によ
り光ディスクを作製した。なお、なお、ピット形成は波
長351nmのArレーザ光により行った。そして波長
413nm、レンズNA0.8のレーザピックアップを
用いて特性値とジッタ値の関係を調べたところ、実施例
1と同様に、光弾性定数と引張弾性率と厚さの乗算値を
−0.2〜0.2mmの範囲に設定することによって良
好な信号特性を得ることが出来た。
【0034】
【比較例4】実施例6において接着剤層の厚さを120
μm、150μm、200μmとし、実施例6と同様な
方法により評価した結果、光弾性定数と引張弾性率と厚
さを掛け合わせた数値に関係なく再生信号振幅の変動が
大きくなってしまった。
μm、150μm、200μmとし、実施例6と同様な
方法により評価した結果、光弾性定数と引張弾性率と厚
さを掛け合わせた数値に関係なく再生信号振幅の変動が
大きくなってしまった。
【0035】
【実施例7】最短ピット長0.19μm、トラックピッ
チ0.36μmのEFM信号のピット群が形成されてい
る直径120mm、厚さ1.1mmのポリカーボネート
基板および外径119mm、内径30mm、厚さ100
μmの樹脂フィルムを用いて実施例1と同様な方法によ
り光ディスクを作製した。なおピット形成は波長266
nmのYAG4倍波レーザ光によって行った。そして波
長413nm、レンズNA0.8のレーザピックアップ
を用いて特性値とジッタ値の関係を調べたところ、実施
例1と同様に、光弾性定数と引張弾性率と厚さを掛け合
わせた数値を−0.2〜0.2mmの範囲に設定するこ
とによって良好な信号特性を得ることが出来た。
チ0.36μmのEFM信号のピット群が形成されてい
る直径120mm、厚さ1.1mmのポリカーボネート
基板および外径119mm、内径30mm、厚さ100
μmの樹脂フィルムを用いて実施例1と同様な方法によ
り光ディスクを作製した。なおピット形成は波長266
nmのYAG4倍波レーザ光によって行った。そして波
長413nm、レンズNA0.8のレーザピックアップ
を用いて特性値とジッタ値の関係を調べたところ、実施
例1と同様に、光弾性定数と引張弾性率と厚さを掛け合
わせた数値を−0.2〜0.2mmの範囲に設定するこ
とによって良好な信号特性を得ることが出来た。
【0036】
【比較例5】実施例7において接着剤層の厚さを120
μm、150μm、200μmとし、実施例7と同様な
方法により評価した結果、光弾性定数と引張弾性率と厚
さを掛け合わせた数値に関係なく再生信号振幅の変動が
大きくなってしまった。
μm、150μm、200μmとし、実施例7と同様な
方法により評価した結果、光弾性定数と引張弾性率と厚
さを掛け合わせた数値に関係なく再生信号振幅の変動が
大きくなってしまった。
【0037】
【実施例8】トラックピッチ0.36μmの案内溝が形
成されている直径120mm、厚さ0.9mmのポリカ
ーボネート基板を射出成形によって作製し、案内溝上に
Auの反射層をスパッタリング法により約600Åの厚
さに形成し、その反射層の上に化1で示される有機色素
金属錯体をスピンコート法により記録層として形成し
た。
成されている直径120mm、厚さ0.9mmのポリカ
ーボネート基板を射出成形によって作製し、案内溝上に
Auの反射層をスパッタリング法により約600Åの厚
さに形成し、その反射層の上に化1で示される有機色素
金属錯体をスピンコート法により記録層として形成し
た。
【0038】
【化1】
【0039】そして実施例1と同様な方法により樹脂フ
ィルムを貼り合わせることにより、追記型の光ディスク
を作製した。波長413nm、レンズNA0.8のレー
ザピックアップを用いてEFM信号を記録し再生信号の
ジッタ値を調べたところ、実施例1と同様に、光弾性定
数と引張弾性率と厚さを掛け合わせた数値を−0.2〜
0.2mmの範囲に設定することによって良好な信号特
性を得ることが出来た。
ィルムを貼り合わせることにより、追記型の光ディスク
を作製した。波長413nm、レンズNA0.8のレー
ザピックアップを用いてEFM信号を記録し再生信号の
ジッタ値を調べたところ、実施例1と同様に、光弾性定
数と引張弾性率と厚さを掛け合わせた数値を−0.2〜
0.2mmの範囲に設定することによって良好な信号特
性を得ることが出来た。
【0040】
【比較例6】実施例8において接着剤層の厚さを120
μm、150μm、200μmとし、実施例8と同様な
方法により評価した結果、光弾性定数と引張弾性率と厚
さを掛け合わせた数値に関係なく再生信号振幅の変動が
大きくなってしまった。
μm、150μm、200μmとし、実施例8と同様な
方法により評価した結果、光弾性定数と引張弾性率と厚
さを掛け合わせた数値に関係なく再生信号振幅の変動が
大きくなってしまった。
【0041】
【実施例9】トラックピッチ0.36μmの案内溝が形
成されている直径120mm、厚さ0.9mmのポリカ
ーボネート基板を射出成形によって作製し、案内溝上に
Al-Tiの反射層をスパッタリング法により約150
nmの厚さに形成し、その反射層の上に第二誘電体層
(ZnS-SiO2)、相変化記録層(組成:Ag0.0
5−In0.05−Te0.30−Sb0.60)、第
一誘電体層(ZnS-SiO2)をスパッタリング法によ
り順次形成した。それぞれの膜厚は第二誘電体層20n
m、相変化記録層23nm、第一誘電体層50nmであ
った。そして実施例1と同様な方法により樹脂フィルム
を貼り合わせることにより、記録可能型の光ディスクを
作製した。波長413nm、レンズNA0.8のレーザ
ピックアップを用いてEFM信号を記録し再生信号のジ
ッタ値を調べたところ、実施例1と同様に、光弾性定数
と引張弾性率と厚さを掛け合わせた数値を−0.2〜
0.2mmの範囲に設定することによって良好な信号特
性を得ることが出来た。
成されている直径120mm、厚さ0.9mmのポリカ
ーボネート基板を射出成形によって作製し、案内溝上に
Al-Tiの反射層をスパッタリング法により約150
nmの厚さに形成し、その反射層の上に第二誘電体層
(ZnS-SiO2)、相変化記録層(組成:Ag0.0
5−In0.05−Te0.30−Sb0.60)、第
一誘電体層(ZnS-SiO2)をスパッタリング法によ
り順次形成した。それぞれの膜厚は第二誘電体層20n
m、相変化記録層23nm、第一誘電体層50nmであ
った。そして実施例1と同様な方法により樹脂フィルム
を貼り合わせることにより、記録可能型の光ディスクを
作製した。波長413nm、レンズNA0.8のレーザ
ピックアップを用いてEFM信号を記録し再生信号のジ
ッタ値を調べたところ、実施例1と同様に、光弾性定数
と引張弾性率と厚さを掛け合わせた数値を−0.2〜
0.2mmの範囲に設定することによって良好な信号特
性を得ることが出来た。
【0042】
【比較例7】実施例9において接着剤層の厚さを120
μm、150μm、200μmとし、実施例9と同様な
方法により評価した結果、光弾性定数と引張弾性率と厚
さを掛け合わせた数値に関係なく再生信号振幅の変動が
大きくなってしまった。
μm、150μm、200μmとし、実施例9と同様な
方法により評価した結果、光弾性定数と引張弾性率と厚
さを掛け合わせた数値に関係なく再生信号振幅の変動が
大きくなってしまった。
【0043】なお、本発明の実施例においては、接着剤
としてUV樹脂を使用した例を示したが、当然のことな
がらこれに限定されるものではなく、例えば、2液型の
エポキシ系接着剤や、嫌気性接着剤、プライマー硬化型
接着剤、シアノアクリレート系接着剤、あるいはプラス
チックのシートの両面に接着剤を塗布したものなど接着
剤かつ光透過層として使用可能な透明な材質であれば良
いことは本発明の趣旨から明らかである。
としてUV樹脂を使用した例を示したが、当然のことな
がらこれに限定されるものではなく、例えば、2液型の
エポキシ系接着剤や、嫌気性接着剤、プライマー硬化型
接着剤、シアノアクリレート系接着剤、あるいはプラス
チックのシートの両面に接着剤を塗布したものなど接着
剤かつ光透過層として使用可能な透明な材質であれば良
いことは本発明の趣旨から明らかである。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、凹凸形
状または溝形状の情報信号を有する基板上に、反射膜、
接着剤層、前記基板より厚みが薄い樹脂フィルム層をこ
の順に積層し、前記樹脂フィルム層と接着剤層を通して
基板上の情報信号を再生する光ディスクにおいて、前記
接着剤層の厚さが100μm以下であり、かつ、前記樹
脂フィルム層の樹脂フィルムの光弾性定数と引張弾性率
と厚さの乗算値が−0.2〜0.2mmの範囲に設定す
ることによって、高温多湿といった過酷な使用環境条件
においても再生信号特性の優れた高品質、高信頼性な光
ディスクを提供することができる。
状または溝形状の情報信号を有する基板上に、反射膜、
接着剤層、前記基板より厚みが薄い樹脂フィルム層をこ
の順に積層し、前記樹脂フィルム層と接着剤層を通して
基板上の情報信号を再生する光ディスクにおいて、前記
接着剤層の厚さが100μm以下であり、かつ、前記樹
脂フィルム層の樹脂フィルムの光弾性定数と引張弾性率
と厚さの乗算値が−0.2〜0.2mmの範囲に設定す
ることによって、高温多湿といった過酷な使用環境条件
においても再生信号特性の優れた高品質、高信頼性な光
ディスクを提供することができる。
【図1】本発明に係る光ディスクの製造工程の一実施例
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図2】本発明に係る光ディスクにおいて、樹脂フィル
ムの光弾性定数と引張弾性率と厚さの乗算値と一周中の
再生信号の振幅の最大値/最小値の値との関係を示す一
実施例の説明図である。
ムの光弾性定数と引張弾性率と厚さの乗算値と一周中の
再生信号の振幅の最大値/最小値の値との関係を示す一
実施例の説明図である。
【図3】本発明に係る光ディスクにおいて、樹脂フィル
ムの光弾性定数と引張弾性率と厚さの乗算値と一周中の
再生信号の振幅の最大値/最小値の値との関係を示す他
の実施例の説明図である。
ムの光弾性定数と引張弾性率と厚さの乗算値と一周中の
再生信号の振幅の最大値/最小値の値との関係を示す他
の実施例の説明図である。
【図4】本発明に係る光ディスクにおいて、樹脂フィル
ムの光弾性定数と引張弾性率と厚さの乗算値と一周中の
再生信号の振幅の最大値/最小値の値との関係を示す他
の実施例の説明図である。
ムの光弾性定数と引張弾性率と厚さの乗算値と一周中の
再生信号の振幅の最大値/最小値の値との関係を示す他
の実施例の説明図である。
【図5】本発明に係る光ディスクにおいて、樹脂フィル
ムの光弾性定数と引張弾性率と厚さの乗算値と一周中の
再生信号の振幅の最大値/最小値の値との関係を示す他
の実施例の説明図である。
ムの光弾性定数と引張弾性率と厚さの乗算値と一周中の
再生信号の振幅の最大値/最小値の値との関係を示す他
の実施例の説明図である。
【図6】本発明に係る光ディスクにおいて、樹脂フィル
ムの光弾性定数と引張弾性率と厚さの乗算値と一周中の
再生信号の振幅の最大値/最小値の値との関係を示す他
の実施例の説明図である。
ムの光弾性定数と引張弾性率と厚さの乗算値と一周中の
再生信号の振幅の最大値/最小値の値との関係を示す他
の実施例の説明図である。
【図7】樹脂フィルムの光弾性定数と引張弾性率と厚さ
の乗算値と一周中の再生信号の振幅の最大値/最小値の
値との関係を示す比較例の説明図である。
の乗算値と一周中の再生信号の振幅の最大値/最小値の
値との関係を示す比較例の説明図である。
【図8】樹脂フィルムの光弾性定数と引張弾性率と厚さ
の乗算値と一周中の再生信号の振幅の最大値/最小値の
値との関係を示す他の比較例の説明図である。
の乗算値と一周中の再生信号の振幅の最大値/最小値の
値との関係を示す他の比較例の説明図である。
【図9】樹脂フィルムの光弾性定数と引張弾性率と厚さ
の乗算値と一周中の再生信号の振幅の最大値/最小値の
値との関係を示す他の比較例の説明図である。
の乗算値と一周中の再生信号の振幅の最大値/最小値の
値との関係を示す他の比較例の説明図である。
1 情報信号 2 基板 3 反射膜 6 樹脂フィルム層 8 接着剤層 10 光ディスク
Claims (1)
- 【請求項1】凹凸形状または溝形状の情報信号を有する
基板上に、反射膜、接着剤層、前記基板より厚みが薄い
樹脂フィルム層をこの順に積層し、前記樹脂フィルム層
と接着剤層を通して基板上の情報信号を再生する光ディ
スクにおいて、前記接着剤層の厚さが100μm以下で
あり、かつ、前記樹脂フィルム層の樹脂フィルムの光弾
性定数と引張弾性率と厚さの乗算値が−0.2〜0.2
mmの範囲であることを特徴とする光ディスク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000161802A JP2001273680A (ja) | 1999-06-21 | 2000-05-31 | 光ディスク |
Applications Claiming Priority (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17374599 | 1999-06-21 | ||
JP11-300727 | 1999-10-22 | ||
JP30072799 | 1999-10-22 | ||
JP11-173745 | 2000-01-18 | ||
JP2000008706 | 2000-01-18 | ||
JP2000-8706 | 2000-01-18 | ||
JP2000161802A JP2001273680A (ja) | 1999-06-21 | 2000-05-31 | 光ディスク |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001273680A true JP2001273680A (ja) | 2001-10-05 |
Family
ID=27474523
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000161802A Pending JP2001273680A (ja) | 1999-06-21 | 2000-05-31 | 光ディスク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001273680A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008115314A (ja) * | 2006-11-07 | 2008-05-22 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 延伸フィルム |
-
2000
- 2000-05-31 JP JP2000161802A patent/JP2001273680A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008115314A (ja) * | 2006-11-07 | 2008-05-22 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 延伸フィルム |
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