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JP3234643B2 - 捺染方法および捺染物 - Google Patents

捺染方法および捺染物

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JP3234643B2
JP3234643B2 JP21268692A JP21268692A JP3234643B2 JP 3234643 B2 JP3234643 B2 JP 3234643B2 JP 21268692 A JP21268692 A JP 21268692A JP 21268692 A JP21268692 A JP 21268692A JP 3234643 B2 JP3234643 B2 JP 3234643B2
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group
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red
orange
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祥司 小池
智也 山本
昌宏 春田
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Canon Inc
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Coloring (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット法により
布帛に染色、捺染を行う方法及び該方法により得られる
捺染物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、捺染の主流はスクリーン捺染、ロ
ーラー捺染である。しかしながら、これらの方式は、多
品種少量生産に不向きであり、流行への迅速な対応も困
難であることから最近では、無製版の電子捺染システム
の確立が要望されている。
【0003】この要望に対してインクジェット記録によ
る捺染方法が数多く提案されており各方面からの期待も
大きくなっている。
【0004】インクジェット捺染の課題としては、
(1)発色に十分な濃度を与えること、(2)色素の布
帛に対する染着率が高く洗浄工程後の、廃水処理が容易
であること、(3)布帛上で異色間の混色による不規則
なにじみが目立たないこと、(4)色再現の範囲が広い
こと、(5)常に安定した生産が可能であること、等が
挙げられる。
【0005】これらの課題を満足させるために、従来に
おいては、主としてインクに様々な添加剤を加えたり、
インクの打込量を操作したり、布帛に前もって処理を施
す等の対応を行ってきたが、これらの方法だけでは、特
に前記(4)及び(5)に記載の問題を解決することは
不可能であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、特
に前記(4)及び(5)の従来技術の問題点に鑑み、従
来の減法混色によっては充分に得られなかった高彩度の
オレンジ領域を中心とした部分の染色表現を可能にする
捺染方法及び該方法による捺染物を提供すること、打ち
込み順序及び加熱処理による染色条件が多少変化しても
安定な画像が得られる捺染方法及び該方法による捺染物
を提供すること、並びにインクジェット記録に好適な捺
染方法及び該方法による捺染物を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、(a)少なくともイエローインク、オレン
ジインク及びレッドインクの3色の捺染インクの小滴を
ポリアミド繊維を含有する布帛に任意順序で順次着滴さ
せて、前記捺染インクの少なくとも2色以上からなる混
色部を布帛に形成する工程、(b)前記混色部を形成し
た布帛を熱処理することにより色素を布帛に染着させる
工程、及び(c)染着させた布帛を洗浄することにより
未染着の色素を布帛から除去する工程、を少なくとも有
するインクジェット捺染方法において、前記イエローイ
ンク中に色素としてC.I.アシッドイエロー19,4
9,79,135,141,151,169,184,
230及び242並びにC.I.アシッドオレンジ14
9並びにC.I.ダイレクトイエロー28,50,5
8,84,86,132,137,153及び163よ
りなる群の中から選ばれる少なくとも一種を含有させ、
前記オレンジインク中に色素としてC.I.アシッドオ
レンジ3,10,56,95,116,156及び16
8並びにC.I.ダイレクトオレンジ27,34,46
及び107並びにC.I.アシッドレッド366よりな
る群の中から選ばれる少なくとも一種を含有させ、前記
レッドインク中に色素としてC.I.アシッドレッド3
5,106,114,127,143,143:1,1
45,249,254,265,266,274,31
8,337,341及び361並びにC.I.ダイレク
トレッド81,89,95及び212並びにC.I.ア
シッドバイオレット47,54,90及び97並びに下
記一般式(A)
【0008】
【化2】 (但し、上式中のYは水素原子、メチル基、メトキシ
基、アセチルアミノ基又はニトロ基を表し、更には隣接
するベンゼン環とともにナフタレン核を形成してもよ
い。Xはアセチル基、ベンゾイル基、パラトルエンスル
ホニル基又は4−クロル−6−ヒドロキシ−1,3,5
−トリアジン−2−イル基を表し、Mはアルカリ金属、
アンモニウム又はアミン類より選ばれる塩基を表す。)
で示される化合物よりなる群の中から選ばれる少なくと
も一種を含有させることを特徴とする捺染方法である。
【0009】又、本発明は上記捺染方法で製造した捺染
物である。
【0010】又、本発明にかかる捺染方法は、上述した
特定の染料を含む特定のインクを組み合せたインクセッ
ト、インクカートリッジ、記録ユニット、記録装置を用
いて行うことができるものである。更に、本発明の捺染
方法の他の態様は、下記3工程、即ち、 (a)少なくともイエローインク、オレンジインク及び
レッドインクの3色のインクの小滴をポリアミド繊維を
含有する布帛に任意順序で順次着滴させて、前記捺染イ
ンクの少なくとも2色以上からなる混色部を布帛に形成
する工程、 (b)前記混色部を形成した布帛を熱処理することによ
り色素を布帛に染着させる工程、及び (c)染着させた布帛を洗浄することにより未染着の色
素を布帛から除去する工程、を少なくとも有するインク
ジェット捺染方法において、前記イエローインク中に色
素としてC.I.アシッドイエロー19,49,79,
135,141,151,169,184,230及び
242並びにC.I.アシッドオレンジ149並びに
C.I.ダイレクトイエロー28,50,58,84,
86,132,137,153及び163よりなる群の
中から選ばれる少なくとも一種を含有させ、前記オレン
ジインク中に色素としてC.I.アシッドオレンジ3,
10,56,95,116,156及び168並びに
C.I.ダイレクトオレンジ27,34,46及び10
7並びにC.I.アシッドレッド366よりなる群の中
から選ばれる少なくとも一種を含有させ、前記レッドイ
ンク中に色素としてC.I.アシッドレッド35,10
6,114,127,143,143:1,145,2
49,254,265,266,274,318,33
7,341及び361並びにC.I.ダイレクトレッド
81,89,95及び212並びにC.I.アシッドバ
イオレット47,54,90及び97並びに下記一般式
(A)
【化9】 (但し、上式中のYは水素原子、メチル基、メトキシ
基、アセチルアミノ基又はニトロ基を表し、更には隣接
するベンゼン環とともにナフタレン核を形成してもよ
い。Xはアセチル基、ベンゾイル基、パラトルエンスル
ホニル基又は4−クロル−6−ヒドロキシ−1,3,5
−トリアジン−2−イル基を表し、Mはアルカリ金属、
アンモニウム又はアミン類より選ばれる塩基を表す。)
で示される化合物よりなる群の中から選ばれる少なくと
も一種を含有させることを特徴とするインクジェット捺
染方法(但し、前記イエローインク、オレンジインク及
びレッドインクの3色のインクの組合せとしてC.I.アシ
ッドイエロー49を含有するイエローインクとC.I.アシ
ッドレッド249を含有するレッドインクを含む組合せ
を用いる場合を除く)である。更に、本発明には、かか
る捺染方法により製造された捺染物も含まれる。
【0011】以下、本発明について詳細に説明する。
【0012】本発明において使用する布帛を構成する素
材としては、ポリアミド繊維を含有するものである。中
でもナイロン、絹、羊毛が好ましい。上記繊維は織物、
編物、不織布等いずれの形態でも使用できる。
【0013】布帛は、勿論、ポリアミド繊維100%の
ものが好適であるが、混紡率30%以上、好ましくは、
50%以上であれば、ポリアミド繊維と他の素材、例え
ばレーヨン、綿、アセテ−ト、ポリウレタン、アクリル
等との混紡織布又は混紡不織布等も本発明の捺染用布帛
として使用することができる。
【0014】布帛を構成するポリアミド繊維及び該繊維
からなる糸の物理特性としては、好適な範囲があり、例
えばナイロンの場合、ナイロン繊維の平均太さが1〜1
0d(デニール)、更に好ましくは、2〜6dに制御さ
れ、該ナイロン繊維から構成されるナイロン糸の平均太
さが20〜100d、更に好ましくは、25〜80d、
更に好ましくは、30〜70dに制御されたものが好ま
しく用いられる。
【0015】又、絹の場合は、繊維自体の特性として、
絹繊維の平均太さが2.5〜3.5d、更に好ましくは
2.7〜3.3dに制御され、該絹繊維から構成される
絹糸の平均太さが14〜147d、更に好ましくは14
〜105dに制御され、公知の方法により布帛としたも
のが好ましく用いられる。
【0016】上記のような本発明において使用する捺染
用布帛は、必要に応じて従来の前処理方法を併用するこ
とができる。特に、尿素、水溶性金属塩、水溶性高分子
等を、0.01〜20重量%含有させたものがより好ま
しい。
【0017】水溶性高分子の例としては、トウモロコ
シ、小麦等のデンプン物質、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等
のセルロース系物質、アルギン酸ナトリウム、アラビヤ
ゴム、ローカストビーンガム、トラントガム、グアーガ
ム、タマリンド種子等の多糖類、ゼラチン、カゼイン等
のタンパク質物質、タンニン系物質、リグニン系物質等
の公知の天然水溶性高分子が挙げられる。又、合成高分
子としては、例えば、公知のポリビニルアルコール系化
合物、ポリエチレンオキサイド系化合物、アクリル酸系
水溶性高分子、無水マレイン酸系水溶性高分子等が挙げ
られる。これらの中でも多糖類系高分子やセルロース系
高分子が好ましい。
【0018】水溶性金属塩としては、例えば、アルカリ
金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物のように、典型
的なイオン結晶を形成するものであって、pH4〜10
である化合物が挙げられる。かかる化合物の代表的な例
としては、例えば、アルカリ金属では、NaCl、Na
2SO4、KCl、CH3COONa 等が挙げられ、アル
カリ土類金属としては、CaCl2、MgCl2等が挙げ
られる。中でも、Na、K、Caの塩類が好ましい。
【0019】本発明において使用する捺染インクは、色
素、水、有機溶剤、添加剤等からなる。
【0020】色素としては、酸性染料、直接染料に分類
されるものが好ましく、色相、染色特性、吐出特性等の
観点から、極めて限定されたものである。更に本発明に
使用するインクは、2色以上の混色部を安定して布帛上
に形成するために、色素についても、混色を形成する他
インク中の色素との特別な相性が要求される。
【0021】これらの色素は、インク中に1種以上含有
されるものである。その使用量としては、一般的にはイ
ンク全量に対して合計で1〜20重量%、好ましくは
1.5〜15重量%、より好ましくは2〜10重量%の
範囲である。
【0022】イエローインク中に含有させる色素として
は、上記の通りであるが、特に好ましいものはC.I.
アシッドイエロー19,49,79,141及び169
並びにC.I.ダイレクトイエロー58,86及び13
2よりなる群の中から選ばれる。
【0023】同様にオレンジインク中に含有させる色素
として特に好ましいものは、C.I.アシッドオレンジ
56,95及び156並びにC.I.ダイレクトオレン
ジ34よりなる群の中から選択される。
【0024】同様にレッドインク中に含有させる色素と
して特に好ましいものは、C.I.アシッドレッド3
5,114,127,143,143:1,145,2
49,254,265,266,274,318,33
7及び361並びにC.I.ダイレクトレッド89及び
212並びにC.I.アシッドバイオレット47及び5
4並びに次式で表される化合物A−1及びA−2
【0025】
【化3】
【0026】
【化4】 よりなる群の中から選択される。
【0027】減法混色によれば、イエローインク及びレ
ッドインクの2つのインクの各々を制御することによ
り、オレンジ領域の色相をすべてカバーできる。しかし
ながら、高彩度のオレンジ領域の染色のためには、45
0〜500nmに主ピークがある細幅の吸収スペクトル
をもつ本発明で用いる高彩度のオレンジインクが必須で
ある。
【0028】更に、インク小滴を布帛に順次着滴させる
インクジェット捺染方法においては、打ち込み順序、加
熱定着条件の微妙な違いによって、混色部の発色性が変
化する。従って、高彩度のイエロー、オレンジ及びレッ
ド領域を安定して表現するためには、高彩度の色素の組
合せは当然のこととして、それ以外に混色時においても
繊維への親和力、染着性等の発色特性が極めて類似して
いるインクセットが必要である。
【0029】本発明のイエロー、オレンジ及びレッドイ
ンク中の色素は、上記要求に基づいて、鋭意検討して得
られたものである。
【0030】インクの主成分として好ましい水について
は、インク全量に対して10〜93重量%、好ましくは
25〜87重量%、より好ましくは30〜80重量%の
範囲である。
【0031】有機溶剤については、例えば、アセトン、
ジアセトンアルコールなどのケトン又はケトアルコール
類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリ
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプ
ロピレン付加重合体;エチレングリコール、プロピレン
グリコール、トリメチレングリコール、ブチレングリコ
ール、1,2,6−ヘキサントリオール、ヘキシレング
リコール等のアルキレン基が2乃至6個の炭素原子を含
むアルキレングリコール類;チオジグリコール;グリセ
リン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エ
ーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチ
ル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又
はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキル
エーテル類;トリエチレングリコールジメチル(又はエ
チル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチル
(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ジア
ルキルエーテル類;スルホラン、N−メチル−2−ピロ
リドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が
挙げられる。
【0032】上記水溶性有機溶剤の含有量は、一般には
インクの全重量に対して重量%で5〜60%、好ましく
は5〜50%の範囲である。
【0033】本発明におけるインクは、上記の色素を溶
剤、水、その他の添加物とともに公知の方法で混合して
製造するものであるが、この場合、色素以外の成分であ
る媒体について述べると、上記の如き媒体を併用する場
合は単独でも混合物としても使用できるが、もっとも好
ましい液媒体組成は、該溶剤が少なくとも1種の多価ア
ルコールを含有するものである。中でも、チオジグリコ
ール、ジエチレングリコールの単独もしくはジエチレン
グリコール、チオジグリコール混合系は特に良好なもの
である。
【0034】その他の含有物質については、塩素イオン
及び/又は硫酸イオンをインク中に含有される色素に対
して、10〜20000ppm程度添加することによっ
て、均染性、染着率等の発色特性がさらに改善でき、好
ましいものである。
【0035】又、本発明の好ましい実施態様では、上記
インクが更に珪素、鉄、ニッケル及び亜鉛からなる群よ
り選ばれた少なくとも1種の物質を、インク中に合計量
で0.1〜30ppm、好ましくは0.2〜20pp
m、より好ましくは0.3〜10ppmの範囲の量で含
有することが好ましい。
【0036】更に、本発明のインクは、上記金属類に併
用してカルシウム及び/又はマグネシウムをインク中に
合計量で0.1〜30ppm、好ましくは0.2〜20
ppm、より好ましくは0.3〜10ppmの範囲で含
有することが好ましく、特に染着率のより一層の向上が
図られる。
【0037】本発明に使用するインクの主要成分は上記
の通りであるが、その他公知の各種の分散剤、界面活性
剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、蛍光増白剤等を必要
に応じて添加することができる。
【0038】例えば、ポリビニルアルコール、セルロー
ス類、水溶性樹脂等の粘度調整剤;カチオンあるいはノ
ニオン形の各種界面活性剤;ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等の表面張力調整剤;緩衝液によるp
H調整剤、防カビ剤等を挙げることができる。
【0039】本発明においては、上記布帛に複数の捺染
インクの小滴をインクジェット法で順次着滴させて、少
なくとも2色以上のインクによる混色部を形成するもの
である。この場合、混色部の各色素の付着量の合計は、
0.025〜1mg/cm2、好ましくは0.04〜
0.7mg/cm2 、より好ましくは0.05〜0.5
mg/cm2 とするものである。この値は、インクの吐
出量とインク中の色素濃度を実測することにより求める
ことができる。色素の付着量が0.025mg/cm2
未満では、高濃度の発色が難しいので本発明の効果が明
確にならない。1mg/cm2 を超える場合は、染着率
向上の顕著な効果が認められない。
【0040】又、以上の様にして形成した本発明の捺染
用インクは、上記の様な布帛上に付与されるが、この状
態では単に付着しているに過ぎないので、引続き繊維へ
の色素の定着及び未定着の色素の除去工程を施すのが好
ましい。この様な定着及び未定着の色素の除去方法は、
従来公知の方法でよく、例えば、スチーミング法、HT
スチーミング法、サーモフィクッス法等による処理の
後、洗浄する従来公知の方法に準じて行うことが出来
る。
【0041】上記インクは、以下にその1態様を述べる
記録装置に用いられ、これにより好ましい捺染物を製造
できる。
【0042】本発明のインクジェット捺染方法は、先に
挙げた特定のインクセットを使用する方法であり、使用
するインクジェット記録方式は、従来公知のいずれのイ
ンクジェット記録方式でもよいが、例えば特開昭54−
59936号公報に記載されている方法で、熱エネルギ
ーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この
状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐
出させる方式が最も有効である。その理由としては、上
記方式はインクの吐出速度が5〜20m/secの範囲
に集約されており、着滴時の液滴の拡がりがポリアミド
繊維を含有する布帛に対して、特に最適なためと思われ
る。この様な方式において上述のインクセットを構成す
る各インクを使用すると、長時間連続的に記録を行って
もそのヒーター上の異物の沈着や断線が発生せず、安定
した印捺が可能となる。
【0043】特に本発明で用いるインクセットを構成す
る各インクを使用し、特に効果の高い捺染方法が得られ
る条件としては、吐出液滴が20〜200pl、インク
打込量が4〜40nl/mm2、駆動周波数1.5KH
z以上、及びヘッド温度35〜60℃の条件が好まし
い。
【0044】本発明で用いるインクセットを構成する各
インクを用いて捺染を行うのに好適な装置の一例として
は、記録ヘッドの室内のインクに記録信号に対応した熱
エネルギーを与え、該熱エネルギーにより液滴を発生さ
せる装置が挙げられるが、以下これについて説明する。
【0045】その装置の主要部であるヘッド構成例を図
1、図2及び図3に示す。
【0046】ヘッド13はインクを通す溝14を有する
ガラス、セラミックス又はプラスチック板等と、感熱記
録に用いられる発熱ヘッド15(図ではヘッドが示され
ているが、これに限定されるものではない)とを接着し
て得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成さ
れる保護膜16、アルミニウム電極17−1、17−
2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層
19、アルミナ等の放熱性のよい基板20よりなってい
る。
【0047】インク21は吐出オリフィス(微細孔)2
2まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成し
ている。
【0048】今、電極17−1、17−2に電気信号が
加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に
発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、
その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出
し、オリフィス22より記録小滴24となり、ポリアミ
ド繊維を含有する布帛25に向かって飛翔する。図3に
は図1に示すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図
を示す。該マルチヘッドはマルチ溝26を有するガラス
板27と、図1に説明したものと同様な発熱ヘッド28
を密着して製作されている。尚、図1は、インク流路に
沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1のA−B
線での切断面である。
【0049】図4に、かかるヘッドを組み込んだインク
ジェット記録装置の一例を示す。
【0050】図4において、61はワイピング部材とし
てのブレードであり、その一端はブレード保持部材によ
って保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をな
す。ブレード61は記録ヘッドによる記録領域に隣接し
た位置に配設され、又、本例の場合、記録ヘッドの移動
経路中に突出した形態で保持される。62はキャップで
あり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設
され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐
出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更
に63はブレード61に隣接して設けられる吸収体であ
り、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突
出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ
62、吸収体63によって吐出回復部64が構成され、
ブレード61及び吸収体63によってインク吐出口面に
水分、塵埃等の除去が行われる。65は吐出エネルギー
発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向するポ
リアミド繊維を含有する布帛にインクを吐出して記録を
行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載して記録
ヘッド65の移動を行う為のキャリッジである。キャリ
ッジ66はガイド軸67と慴動可能に係合し、キャリッ
ジ66の一部はモータ68によって駆動されるベルト6
9と接続(不図示)している。これによりキャリッジ6
6はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッ
ド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可
能となる。
【0051】51はポリアミド繊維を含有する布帛を挿
入する為の給布部、52は不図示のモータにより駆動さ
れる布送りローラである。これらの構成によって記録ヘ
ッドの吐出口面と対向する位置へポリアミド繊維を含有
する布帛が給布され、記録が進行するにつれて排布ロー
ラ53を配した排布部へ排布される。
【0052】上記構成において記録ヘッド65が記録終
了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64の
キャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避して
いるが、ブレード61は移動経路中に突出している。こ
の結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接
してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッ
ドの移動経路中に突出する様に移動する。
【0053】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。
【0054】上述の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録の為に記録領域を移動する間に所定の間隔で
記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移
動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0055】図5は、ヘッドにインク供給部材、例えば
チューブを介して供給されるインクを収容したインクカ
ートリッジの一例を示す図である。ここで40は供給用
インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋であ
り、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。こ
の栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク
袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。44
は廃インクを受容する吸収体である。インク収容部とし
ては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエ
チレンで形成されているものが本発明にとって好まし
い。本発明で使用されるインクジェット記録装置として
は、上記の如きヘッドとインクカートリッジとが別体と
なったものに限らず、図6に示す如きそれらが一体にな
ったものにも好適に用いられる。
【0056】図6において、70は記録ユニットであっ
て、この中にはインクを収容したインク収容部、例え
ば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収
体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71
からインク滴として吐出される構成になっている。イン
ク吸収体の材料としては、ポリウレタンを用いることが
本発明にとって好ましい。72は記録ユニット内部を大
気に連通させる為の大気連通口である。この記録ユニッ
ト70は、図4で示す記録ヘッドに代えて用いられるも
のであって、キャリッジ66に対し着脱自在になってい
る。
【0057】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。尚、実施例中特に断わりのない限り「部」及び
「%」は重量基準である。
【0058】実施例1インクAの製造 ・酸性染料(C.I.Acid Yellow 141) 4部 ・チオジグリコール 24部 ・ジエチレングリコール 11部 ・水 61部 上記の全成分を混合し、該混合液を水酸化ナトリウムで
pH7.5に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフ
ィルターFP−100(住友電工社製品の商品名)にて
濾過し、インクジェット捺染インクAを得た。
【0059】インクBの製造 ・酸性染料(C.I.Acid Orange 56) 5部 ・チオジグリコール 15部 ・ジエチレングリコール 15部 ・水 65部 上記の全成分を混合し、該混合液を水酸化ナトリウムで
pH7.5に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフ
ィルターFP−100(住友電工社製品の商品名)にて
濾過し、インクジェット捺染インクBを得た。
【0060】インクCの製造 ・酸性染料(C.I.Acid Red 143) 7部 ・チオジグリコール 23部 ・ジエチレングリコール 6部 ・水 64部 上記の全成分を混合し、該混合液を水酸化ナトリウムで
pH7.5に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフ
ィルターFP−100(住友電工社製品の商品名)にて
濾過し、インクジェット捺染インクCを得た。
【0061】インクDの製造 ・直接染料(C.I.Direct Yellow 86) 5部 ・ジエチレングリコール 31部 ・水 64部 上記の全成分を混合し、該混合液を水酸化ナトリウムで
pH7.5に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフ
ィルターFP−100(住友電工社製品の商品名)にて
濾過し、インクジェット捺染インクDを得た。
【0062】インクEの製造 ・酸性染料(C.I.Acid Orange 95) 6部 ・ジエチレングリコール 33部 ・水 61部 上記の全成分を混合し、該混合液を水酸化ナトリウムで
pH7.7に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフ
ィルターFP−100(住友電工社製品の商品名)にて
濾過し、インクジェット捺染インクEを得た。
【0063】インクFの製造 ・化合物A−1 4部 ・ジエチレングリコール 33部 ・水 63部 上記の全成分を混合し、該混合液を水酸化ナトリウムで
pH7.7に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフ
ィルターFP−100(住友電工社製品の商品名)にて
濾過し、インクジェット捺染インクFを得た。
【0064】インクaの製造 ・直接染料(C.I.Direct Yellow 106) 4部 ・チオジグリコール 24部 ・ジエチレングリコール 11部 ・水 61部 上記の全成分を混合し、該混合液を水酸化ナトリウムで
pH7.7に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフ
ィルターFP−100(住友電工社製品の商品名)にて
濾過し、インクジェットインクaを得た。
【0065】インクbの製造 ・直接染料(C.I.Direct Orange 102) 5部 ・チオジグリコール 15部 ・ジエチレングリコール 15部 ・水 65部 上記の全成分を混合し、該混合液を水酸化ナトリウムで
pH7.7に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフ
ィルターFP−100(住友電工社製品の商品名)にて
濾過し、インクジェットインクbを得た。
【0066】インクcの製造 ・酸性染料(C.I.Acid Red 336) 4部 ・チオジグリコール 23部 ・ジエチレングリコール 6部 ・水 63部 上記の全成分を混合し、該混合液を水酸化ナトリウムで
pH7.7に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフ
ィルターFP−100(住友電工社製品の商品名)にて
濾過し、インクジェットインクcを得た。
【0067】実施例2 ナイロン100%の織布を予め濃度15%の尿素水溶液
に浸し、絞り率30%で脱水後、乾燥して水分率が10
%になるようにした。
【0068】この織布に実施例1にて製造したインクジ
ェット捺染インクA、B及びCを吐出速度12m/se
cのカラーバブルジェットプリンターBJC820J
(キャノン社製品の商品名)に搭載し、各色2、4、6
及び8nl/mm2 のインク打ち込み量で、単色及びあ
らゆる組合せの2色の混色のパッチ(2×4cm)をイ
ンクの打ち込み順序を変えて捺染を行い、100℃で3
0分間の蒸熱処理による定着を行った。その後、これを
中性洗剤で洗浄して、捺染物のオレンジ領域の再現範
囲、エッジのシャープさ及び打ち込み順序を変えた時の
発色性について評価した。その結果を表1に示す。
【0069】実施例3 ナイロン85%及びレーヨン15%からなる織布を予め
濃度30%の尿素水溶液に浸し、絞り率30%で脱水
後、乾燥して水分率が25%になるようにした。この織
布を用い、実施例2と同様にして捺染を行い、得られた
捺染物のオレンジ領域の再現範囲、エッジのシャープさ
及び打ち込み順序を変えた時の発色性について評価し
た。その結果を表1に示す。
【0070】実施例4 絹100%の織布を、予めポリビニルアルコール3%及
び塩化カルシウム5%の水溶液に浸し、絞り率30%で
脱水後、乾燥して水分率が21%になるようにした。
【0071】この織布に実施例1にて製造したインクジ
ェット捺染インクD、E及びFを吐出速度12m/se
cのカラーバブルジェットプリンターBJC820J
(キャノン社製品の商品名)に搭載し、各色2、4、6
及び8nl/mm2 のインク打ち込み量で、単色及びあ
らゆる組合せの2色の混色のパッチ(2×4cm)をイ
ンクの打ち込み順序を変えて捺染を行い、100℃で3
0分間の蒸熱処理による定着を行った。その後、これを
中性洗剤で洗浄して、捺染物のオレンジ領域の再現範
囲、エッジのシャープさ及び打ち込み順序を変えた時の
発色性について評価した。その結果を表1に示す。
【0072】実施例5 羊毛100%の織布を、予め濃度10%のアルギン酸ナ
トリウム水溶液に浸し、絞り率30%で脱水後、乾燥し
て水分率が30%になるようにした。
【0073】この織布を用い、実施例4と同様にして捺
染を行い、得られた捺染物のオレンジ領域の再現範囲、
エッジのシャープさ及び打ち込み順序を変えた時の発色
性について評価した。その結果を表1に示す。
【0074】実施例6 ナイロン70%及びポリウレタン30%の混合織布を、
予め濃度30%の尿素水溶液に浸し、絞り率30%で脱
水後、乾燥して水分率が25%になるようにした。
【0075】この織布を用い、実施例4と同様にして捺
染を行い、得られた捺染物のオレンジ領域の再現範囲、
エッジのシャープさ及び打ち込み順序を変えた時の発色
性について評価した。その結果を表1に示す。
【0076】比較例1 実施例2で使用した布帛と同様のナイロン100%の織
布を予め濃度15%の尿素水溶液に浸し、絞り率30%
で脱水後、乾燥して水分率が10%になるようにした。
【0077】この織布に実施例1にて製造したインクジ
ェット捺染インクA及びCを吐出速度12m/secの
カラーバブルジェットプリンターBJC820J(キャ
ノン社製品の商品名)に搭載し、各色2、4、6及び8
nl/mm2 のインク打ち込み量で、単色及びあらゆる
組合せの2色の混色のパッチ(2×4cm)をインクの
打ち込み順序を変えて捺染を行い、100℃で30分間
の蒸熱処理による定着を行った。その後、これを中性洗
剤で洗浄して、捺染物のオレンジ領域の再現範囲、エッ
ジのシャープさ及び打ち込み順序を変えた時の発色性に
ついて評価した。その結果を表1に示すが、実施例2と
比較してオレンジ領域の色再現範囲が極端に狭くなる結
果となった。
【0078】比較例2 実施例2で使用した布帛と同様のナイロン100%の織
布を予め濃度15%の尿素水溶液に浸し、絞り率30%
で脱水後、乾燥して水分率が10%になるようにした。
【0079】この織布に実施例1にて製造したインクジ
ェット捺染インクB、C及びインクジェットインクaを
吐出速度12m/secのカラーバブルジェットプリン
ターBJC820J(キャノン社製品の商品名)に搭載
し、各色2、4、6及び8nl/mm2 のインク打ち込
み量で、単色及びあらゆる組合せの2色の混色のパッチ
(2×4cm)をインクの打ち込み順序を変えて捺染を
行い、100℃で30分間の蒸熱処理による定着を行っ
た。その後、これを中性洗剤で洗浄して、捺染物のオレ
ンジ領域の再現範囲、エッジのシャープさ及び打ち込み
順序を変えた時の発色性について評価した。その結果を
表1に示すが、実施例2と比較してエッジのシャープさ
及び打ち込み順序を変えたときの発色性が悪くなった。
【0080】比較例3 実施例2で使用した布帛と同様のナイロン100%の織
布を予め濃度15%の尿素水溶液に浸し、絞り率30%
で脱水後、乾燥して水分率が10%になるようにした。
【0081】この織布に実施例1にて製造したインクジ
ェット捺染インクA、C及びインクジェットインクbを
吐出速度12m/secのカラーバブルジェットプリン
ターBJC820J(キャノン社製品の商品名)に搭載
し、各色2、4、6及び8nl/mm2 のインク打ち込
み量で、単色及びあらゆる組合せの2色の混色のパッチ
(2×4cm)をインクの打ち込み順序を変えて捺染を
行い、100℃で30分間の蒸熱処理による定着を行っ
た。その後、これを中性洗剤で洗浄して、捺染物のオレ
ンジ領域の再現範囲、エッジのシャープさ及び打ち込み
順序を変えた時の発色性について評価した。その結果を
表1に示すが、実施例2と比較してエッジのシャープさ
及び打ち込み順序を変えたときの発色性が悪くなった。
【0082】比較例4 実施例2で使用した布帛と同様のナイロン100%の織
布を予め濃度15%の尿素水溶液に浸し、絞り率30%
で脱水後、乾燥して水分率が10%になるようにした。
【0083】この織布に実施例1にて製造したインクジ
ェット捺染インクA、B及びインクジェットインクcを
吐出速度12m/secのカラーバブルジェットプリン
ターBJC820J(キャノン社製品の商品名)に搭載
し、各色2、4、6及び8nl/mm2 のインク打ち込
み量で、単色及びあらゆる組合せの2色の混色のパッチ
(2×4cm)をインクの打ち込み順序を変えて捺染を
行い、100℃で30分間の蒸熱処理による定着を行っ
た。その後、これを中性洗剤で洗浄して、捺染物のオレ
ンジ領域の再現範囲、エッジのシャープさ及び打ち込み
順序を変えた時の発色性について評価した。その結果を
表1に示すが、実施例2と比較してエッジのシャープさ
及び打ち込み順序を変えたときの発色性が悪くなった。
【0084】比較例5 実施例2で使用した布帛と同様のナイロン100%の織
布を予め濃度15%の尿素水溶液に浸し、絞り率30%
で脱水後、乾燥して水分率が10%になるようにした。
【0085】この織布に実施例1にて製造したインクジ
ェットインクa、b及びcを吐出速度12m/secの
カラーバブルジェットプリンターBJC820J(キャ
ノン社製品の商品名)に搭載し、各色2、4、6及び8
nl/mm2 のインク打ち込み量で、単色及びあらゆる
組合せの2色の混色のパッチ(2×4cm)をインクの
打ち込み順序を変えて捺染を行い、100℃で30分間
の蒸熱処理による定着を行った。その後、これを中性洗
剤で洗浄して、捺染物のオレンジ領域の再現範囲、エッ
ジのシャープさ及び打ち込み順序を変えた時の発色性に
ついて評価した。その結果を表1に示すが、実施例2と
比較してエッジのシャープさ及び打ち込み順序を変えた
ときの発色性が悪くなった。
【0086】
【表1】 *1 オレンジの色彩度の範囲を肉眼で観察した。
【0087】○:広い △:やや狭い ×:狭い *2 肉眼で観察したときのシャープさを判定した。
【0088】○:良好 △:やや劣る ×:劣る *3 打ち込み順序を変えたときの混色部の発色性の差を
観察した。
【0089】○:変化なし △:若干変化あり
×:非常に変化あり
【0090】
【発明の効果】以上説明したように本発明のインクジェ
ット捺染方法によれば、オレンジ領域の広範囲にわたる
色再現ができ、鮮明な捺染物を得ることが可能となる。
【0091】又、本発明によれば、インクジェット捺染
において、打ち込み順序及び染色条件が多少変化しても
安定な画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面
図。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面
図。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図。
【図5】インクカートリッジの縦断面図。
【図6】記録ユニットの斜視図。
【符号の説明】
61:ワイピング部材 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−59282(JP,A) 特開 昭62−199884(JP,A) 特開 昭62−141184(JP,A) 特開 昭49−30681(JP,A) 特開 平3−255177(JP,A) 特開 昭60−86180(JP,A) 特開 昭58−225171(JP,A) 特開 昭59−25850(JP,A) 特開 昭59−25851(JP,A) 特開 昭59−25849(JP,A) 特開 昭59−25844(JP,A) 特開 昭60−49069(JP,A) 特開 平1−308469(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06P 5/00 B41J 2/21 B41M 5/00 C09D 11/00 D06P 3/24

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記3工程、即ち、 (a)少なくともイエローインク、オレンジインク及び
    レッドインクの3色の捺染インクの小滴をポリアミド繊
    維を含有する布帛に任意順序で順次着滴させて、前記捺
    染インクの少なくとも2色以上からなる混色部を布帛に
    形成する工程、 (b)前記混色部を形成した布帛を熱処理することによ
    り色素を布帛に染着させる工程、及び (c)染着させた布帛を洗浄することにより未染着の色
    素を布帛から除去する工程、 を少なくとも有するインクジェット捺染方法において、 前記イエローインク中に色素としてC.I.アシッドイ
    エロー19,49,79,135,141,151,1
    69,184,230及び242並びにC.I.アシッ
    ドオレンジ149並びにC.I.ダイレクトイエロー2
    8,50,58,84,86,132,137,153
    及び163よりなる群の中から選ばれる少なくとも一種
    を含有させ、 前記オレンジインク中に色素としてC.I.アシッドオ
    レンジ3,10,56,95,116,156及び16
    8並びにC.I.ダイレクトオレンジ27,34,46
    及び107並びにC.I.アシッドレッド366よりな
    る群の中から選ばれる少なくとも一種を含有させ、 前記レッドインク中に色素としてC.I.アシッドレッ
    ド35,106,114,127,143,143:
    1,145,249,254,265,266,27
    4,318,337,341及び361並びにC.I.
    ダイレクトレッド81,89,95及び212並びに
    C.I.アシッドバイオレット47,54,90及び9
    7並びに下記一般式(A) 【化1】 (但し、上式中のYは水素原子、メチル基、メトキシ
    基、アセチルアミノ基又はニトロ基を表し、更には隣接
    するベンゼン環とともにナフタレン核を形成してもよ
    い。Xはアセチル基、ベンゾイル基、パラトルエンスル
    ホニル基又は4−クロル−6−ヒドロキシ−1,3,5
    −トリアジン−2−イル基を表し、Mはアルカリ金属、
    アンモニウム又はアミン類より選ばれる塩基を表す。)
    で示される化合物よりなる群の中から選ばれる少なくと
    も一種を含有させることを特徴とするインクジェット捺
    染方法。
  2. 【請求項2】 インク吐出エネルギーが電気エネルギー
    を与えることによって発熱しインクの状態変化を生ぜし
    めて吐出を行わせるバブルジェット方式の記録ヘッドを
    用いる請求項1に記載の捺染方法。
  3. 【請求項3】 インクの吐出速度が5〜20m/sec
    である請求項1又は2に記載の捺染方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3いずれかの捺染方法で製
    造した捺染物。
  5. 【請求項5】 下記3工程、即ち、 (a)少なくともイエローインク、オレンジインク及び
    レッドインクの3色のインクの小滴をポリアミド繊維を
    含有する布帛に任意順序で順次着滴させて、前記捺染イ
    ンクの少なくとも2色以上からなる混色部を布帛に形成
    する工程、 (b)前記混色部を形成した布帛を熱処理することによ
    り色素を布帛に染着させる工程、及び (c)染着させた布帛を洗浄することにより未染着の色
    素を布帛から除去する工程、 を少なくとも有するインクジェット捺染方法において、 前記イエローインク中に色素としてC.I.アシッドイ
    エロー19,49,7 9,135,141,151,1
    69,184,230及び242並びにC.I.アシッ
    ドオレンジ149並びにC.I.ダイレクトイエロー2
    8,50,58,84,86,132,137,153
    及び163よりなる群の中から選ばれる少なくとも一種
    を含有させ、前記オレンジインク中に色素としてC.
    I.アシッドオレンジ3,10,56,95,116,
    156及び168並びにC.I.ダイレクトオレンジ2
    7,34,46及び107並びにC.I.アシッドレッ
    ド366よりなる群の中から選ばれる少なくとも一種を
    含有させ、 前記レッドインク中に色素としてC.I.アシッドレッ
    ド35,106,114,127,143,143:
    1,145,249,254,265,266,27
    4,318,337,341及び361並びにC.I.
    ダイレクトレッド81,89,95及び212並びに
    C.I.アシッドバイオレット47,54,90及び9
    7並びに下記一般式(A) 【化8】 (但し、上式中のYは水素原子、メチル基、メトキシ
    基、アセチルアミノ基又はニトロ基を表し、更には隣接
    するベンゼン環とともにナフタレン核を形成してもよ
    い。Xはアセチル基、ベンゾイル基、パラトルエンスル
    ホニル基又は4−クロル−6−ヒドロキシ−1,3,5
    −トリアジン−2−イル基を表し、Mはアルカリ金属、
    アンモニウム又はアミン類より選ばれる塩基を表す。)
    で示される化合物よりなる群の中から選ばれる少なくと
    も一種を含有させることを特徴とするインクジェット捺
    染方法(但し、前記イエローインク、オレンジインク及
    びレッドインクの3色のインクの組合せとしてC.I.アシ
    ッドイエロー 49を含有するイエローインクとC.I.ア
    シッドレッド249を含有するレッドインクを含む組合
    せを用いる場合を除く)。
  6. 【請求項6】 インク吐出エネルギーが電気エネルギー
    を与えることによっ て発熱しインクの状態変化を生ぜし
    めて吐出を行わせるバブルジェット方式の記録ヘッドを
    用いる請求項5に記載の捺染方法。
  7. 【請求項7】 インクの吐出速度が5〜20m/sec
    である請求項5又は6に記載の捺染方法。
  8. 【請求項8】 請求項5乃至7のいずれかの捺染方法で
    製造した捺染物。
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