JP3174140B2 - 接合強度の優れた複合金属板 - Google Patents
接合強度の優れた複合金属板Info
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- JP3174140B2 JP3174140B2 JP13476992A JP13476992A JP3174140B2 JP 3174140 B2 JP3174140 B2 JP 3174140B2 JP 13476992 A JP13476992 A JP 13476992A JP 13476992 A JP13476992 A JP 13476992A JP 3174140 B2 JP3174140 B2 JP 3174140B2
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- aluminum
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は従来薄鋼板が適用されて
いた用途に対し、軽量化した複合金属板を提供するもの
であって、加工や溶接を必要とする構造物用材料として
の用途に適する。
いた用途に対し、軽量化した複合金属板を提供するもの
であって、加工や溶接を必要とする構造物用材料として
の用途に適する。
【0002】
【従来の技術】構造材料として使用される薄鋼板の軽量
化は大きな課題となっており、その手段は種々指向され
ている。軽量化手段の一つに、アルミニウムを部分的に
使用する方法がある。しかし、構造物のうちアルミニウ
ムのみを素材として使用するだけでなく、鉄材も素材と
して使用する場合がある。この場合は、鉄とアルミニウ
ムの接合が必要となるが、鉄とアルミニウムの両者は溶
接による接合強度が弱く、充分な接合強度が期待できな
い。このようなことからアルミニウムはまだ限られた用
途にしか使用できないのが現状である。
化は大きな課題となっており、その手段は種々指向され
ている。軽量化手段の一つに、アルミニウムを部分的に
使用する方法がある。しかし、構造物のうちアルミニウ
ムのみを素材として使用するだけでなく、鉄材も素材と
して使用する場合がある。この場合は、鉄とアルミニウ
ムの接合が必要となるが、鉄とアルミニウムの両者は溶
接による接合強度が弱く、充分な接合強度が期待できな
い。このようなことからアルミニウムはまだ限られた用
途にしか使用できないのが現状である。
【0003】片面が鉄層、片面がアルミニウム層で構成
され、その接合強度が強い2層の複合板があればこの問
題を解決できると考えられる。現在、鉄とアルミニウム
とを複合化した薄板に関しては重ね圧延法により製造さ
れる鉄とアルミニウムの複合板が知られている。例え
ば、特開昭63−157774号公報に開示されている
ようにアルミニウム素材を350〜550℃程度に加熱
し、鉄素材と温間で圧延し接合する方法、特公昭56−
52679号公報に開示されるように鉄素材の表面にあ
らかじめアルミニウムメッキを施しこれを500℃程度
に加熱しアルミニウム素材と温間で圧延し接合する方法
等がある。しかし、これらの方法で製造された複合板は
例えば特公昭56−52679号公報の例で示されるよ
うに180°曲げを一回行うような軽度の曲げ等の加工
においては剥離しないものの、曲げと曲げ戻しをうける
ような加工、あるいは深絞り成形等の加工においては必
ずしも充分な接合強度を有してはいない。このように、
接合用素材として充分な接合強度を持つ鉄とアルミニウ
ムの2層よりなる複合板についてはこれまで知られてい
ない。
され、その接合強度が強い2層の複合板があればこの問
題を解決できると考えられる。現在、鉄とアルミニウム
とを複合化した薄板に関しては重ね圧延法により製造さ
れる鉄とアルミニウムの複合板が知られている。例え
ば、特開昭63−157774号公報に開示されている
ようにアルミニウム素材を350〜550℃程度に加熱
し、鉄素材と温間で圧延し接合する方法、特公昭56−
52679号公報に開示されるように鉄素材の表面にあ
らかじめアルミニウムメッキを施しこれを500℃程度
に加熱しアルミニウム素材と温間で圧延し接合する方法
等がある。しかし、これらの方法で製造された複合板は
例えば特公昭56−52679号公報の例で示されるよ
うに180°曲げを一回行うような軽度の曲げ等の加工
においては剥離しないものの、曲げと曲げ戻しをうける
ような加工、あるいは深絞り成形等の加工においては必
ずしも充分な接合強度を有してはいない。このように、
接合用素材として充分な接合強度を持つ鉄とアルミニウ
ムの2層よりなる複合板についてはこれまで知られてい
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような現状から、
本発明は良好な接合強度を持つ鉄とアルミニウムの2層
複合金属板を提供することを目的とする。
本発明は良好な接合強度を持つ鉄とアルミニウムの2層
複合金属板を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するものであって、片面が鉄、片面がアルミニウムの2
層からなる複合金属板であって、その接合界面の最高硬
さが特定の範囲内にある拡散層が存在することを特徴と
するものである。
するものであって、片面が鉄、片面がアルミニウムの2
層からなる複合金属板であって、その接合界面の最高硬
さが特定の範囲内にある拡散層が存在することを特徴と
するものである。
【0006】
【作用】本発明者らは、鉄とアルミニウムの界面に特定
範囲内の硬さの拡散層を持たせることで極めて接合強度
に優れる鉄とアルミニウムの複合板とすることができる
ことを見い出した。本発明はこの知見に基づくものであ
り、以下にその詳細を説明する。
範囲内の硬さの拡散層を持たせることで極めて接合強度
に優れる鉄とアルミニウムの複合板とすることができる
ことを見い出した。本発明はこの知見に基づくものであ
り、以下にその詳細を説明する。
【0007】本発明においては鉄素材およびアルミニウ
ム素材の組成は特に限定されるものではない。鉄とアル
ミニウムの複合板の素材となる鉄板は、通常の熱延、冷
延工程によって製造されたもので良く、冷延ままの素材
でも焼鈍を行った素材のいずれでも良い。また、複合板
の製造方法もどのような方法でも良い。ただし、複合板
となった場合の拡散層の最高硬さ(Hv)は200以下で
なければならない。
ム素材の組成は特に限定されるものではない。鉄とアル
ミニウムの複合板の素材となる鉄板は、通常の熱延、冷
延工程によって製造されたもので良く、冷延ままの素材
でも焼鈍を行った素材のいずれでも良い。また、複合板
の製造方法もどのような方法でも良い。ただし、複合板
となった場合の拡散層の最高硬さ(Hv)は200以下で
なければならない。
【0008】本発明者らは、板厚が0.25mmの鉄層
(SPCC)と板厚が0.5mmのアルミニウム層(A1
050P−H24)を図2に示す装置で接合する際に、
それぞれの層の加熱条件を変えることによってその界面
の拡散層の状態を変え、それぞれの接合強度を評価し
た。その結果の一例を図1に示す。図1からわかるよう
に接合界面の拡散層の最高硬さがHvで200以下であれ
ば良好な接合強度が得られる。素材の異なる鉄とアルミ
ニウムについても同様に接合界面の拡散層の最高硬さが
Hvで200以下であれば良好な接合強度が得られること
を発見し本発明に到った。
(SPCC)と板厚が0.5mmのアルミニウム層(A1
050P−H24)を図2に示す装置で接合する際に、
それぞれの層の加熱条件を変えることによってその界面
の拡散層の状態を変え、それぞれの接合強度を評価し
た。その結果の一例を図1に示す。図1からわかるよう
に接合界面の拡散層の最高硬さがHvで200以下であれ
ば良好な接合強度が得られる。素材の異なる鉄とアルミ
ニウムについても同様に接合界面の拡散層の最高硬さが
Hvで200以下であれば良好な接合強度が得られること
を発見し本発明に到った。
【0009】なお、図2に示される通電加熱設備は、素
材の鉄層1とアルミニウム層2とにそれぞれ通電ロール
11,12を設け、この通電と加圧を兼ねた2本のロー
ル3の間に両層1,2を連続的に送り込んで圧着し、複
合板4を製造するものである。電源は低周波の交流電
源、直流電源いずれも使用できる。電源21の電流は鉄
層1に通電ロール11から鉄層1とアルミニウム層2を
通り、これの通電ロール12に到る。この場合、鉄層の
方がアルミニウム層より電気抵抗が高いため鉄層の厚み
がアルミニウム層と同程度あるいは薄い場合は鉄層の方
が発熱は大きく高温になる。もし、鉄層の加熱温度が目
標の温度に達しない場合は、補助電源22より補助加熱
用に設けられた通電ロール13への通電を行うことによ
って補助加熱を行う。
材の鉄層1とアルミニウム層2とにそれぞれ通電ロール
11,12を設け、この通電と加圧を兼ねた2本のロー
ル3の間に両層1,2を連続的に送り込んで圧着し、複
合板4を製造するものである。電源は低周波の交流電
源、直流電源いずれも使用できる。電源21の電流は鉄
層1に通電ロール11から鉄層1とアルミニウム層2を
通り、これの通電ロール12に到る。この場合、鉄層の
方がアルミニウム層より電気抵抗が高いため鉄層の厚み
がアルミニウム層と同程度あるいは薄い場合は鉄層の方
が発熱は大きく高温になる。もし、鉄層の加熱温度が目
標の温度に達しない場合は、補助電源22より補助加熱
用に設けられた通電ロール13への通電を行うことによ
って補助加熱を行う。
【0010】鉄層とアルミニウム層の接合を行う場合、
上記拡散層の最高硬さの条件さえ満たしておれば、接合
方式は特に限定されるものでは無く、図2のような2本
のロール間で外力を加える方式でも良く、プレスのよう
な方式でも良い。接合用素材の加熱方法も通電加熱、誘
導加熱、加熱炉による加熱等どのような方式でも良い。
以上のような条件の界面の拡散層とすることにより、接
合強度の優れた片面が鉄層で片面がアルミニウム層の2
層の複合板とすることができる。以下に本発明の実施例
を比較例と共に示す。
上記拡散層の最高硬さの条件さえ満たしておれば、接合
方式は特に限定されるものでは無く、図2のような2本
のロール間で外力を加える方式でも良く、プレスのよう
な方式でも良い。接合用素材の加熱方法も通電加熱、誘
導加熱、加熱炉による加熱等どのような方式でも良い。
以上のような条件の界面の拡散層とすることにより、接
合強度の優れた片面が鉄層で片面がアルミニウム層の2
層の複合板とすることができる。以下に本発明の実施例
を比較例と共に示す。
【0011】
【実施例】表1に示すような鉄層およびアルミニウム層
を素材とした2層の複合板を製造した。これらの素材は
コイル状に巻かれており、接合前にコイルをほどきなが
ら図2に示すような通電加熱装置で連続的に加熱した。
加熱後は直ちに片面が鉄、片面がアルミニウムの2層に
なるように重ね合わせると同時に図2に示すように両面
から接触する2本のロールによる外力で鉄層とアルミニ
ウム層を連続的に接合した。接合後の複合板は直ちにガ
スにより15℃/sで強制冷却した。
を素材とした2層の複合板を製造した。これらの素材は
コイル状に巻かれており、接合前にコイルをほどきなが
ら図2に示すような通電加熱装置で連続的に加熱した。
加熱後は直ちに片面が鉄、片面がアルミニウムの2層に
なるように重ね合わせると同時に図2に示すように両面
から接触する2本のロールによる外力で鉄層とアルミニ
ウム層を連続的に接合した。接合後の複合板は直ちにガ
スにより15℃/sで強制冷却した。
【0012】試料番号2〜10は本発明範囲内のもので
あり、試料11〜16は本発明範囲から外れたものであ
る。接合後、得られた複合板の接合強度を表1に示す。
表1からわかるように複合板の界面の拡散層の最高硬さ
がHvで200以下の場合の優れた接合強度を示す。
あり、試料11〜16は本発明範囲から外れたものであ
る。接合後、得られた複合板の接合強度を表1に示す。
表1からわかるように複合板の界面の拡散層の最高硬さ
がHvで200以下の場合の優れた接合強度を示す。
【0013】
【表1】
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の鉄とアル
ミニウムの2層からなる複合板は優れた接合強度および
加工性を有する。
ミニウムの2層からなる複合板は優れた接合強度および
加工性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】複合板の接合強度におよぼす界面の拡散層の最
高硬さの影響を示す図。
高硬さの影響を示す図。
【図2】複合板の製造に使用できる装置の一例を示す
図。
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−317692(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 20/00 - 20/04
Claims (1)
- 【請求項1】 片面が鉄、片面がアルミニウムの2層か
らなる複合金属板であって、鉄層とアルミニウム層の界
面に最高硬さ(Hv)が200以下の拡散層が存在するこ
とを特徴とする接合強度の優れた複合金属板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13476992A JP3174140B2 (ja) | 1992-05-27 | 1992-05-27 | 接合強度の優れた複合金属板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13476992A JP3174140B2 (ja) | 1992-05-27 | 1992-05-27 | 接合強度の優れた複合金属板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05329664A JPH05329664A (ja) | 1993-12-14 |
JP3174140B2 true JP3174140B2 (ja) | 2001-06-11 |
Family
ID=15136137
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13476992A Expired - Fee Related JP3174140B2 (ja) | 1992-05-27 | 1992-05-27 | 接合強度の優れた複合金属板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3174140B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01317692A (ja) * | 1988-06-20 | 1989-12-22 | Sumitomo Special Metals Co Ltd | アルミニウムクラッド鋼からなるプレス成形有底円筒状ケース用素材及びプレス成形有底円筒状ケースの製造方法 |
-
1992
- 1992-05-27 JP JP13476992A patent/JP3174140B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05329664A (ja) | 1993-12-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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