JP3115070B2 - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents
可逆性感熱記録材料Info
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- JP3115070B2 JP3115070B2 JP03355079A JP35507991A JP3115070B2 JP 3115070 B2 JP3115070 B2 JP 3115070B2 JP 03355079 A JP03355079 A JP 03355079A JP 35507991 A JP35507991 A JP 35507991A JP 3115070 B2 JP3115070 B2 JP 3115070B2
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- JP
- Japan
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- resin
- recording material
- thermosensitive recording
- reversible thermosensitive
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、温度による可逆的な透
明度変化を利用して、記録及び消去を行なうための可逆
性感熱記録材料に関する。
明度変化を利用して、記録及び消去を行なうための可逆
性感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一時的な画像形成が行なえ、不要
となった時にはその画像の消去ができるようにした可逆
性感熱記録材料が注目されている。その代表的なものと
しては、ガラス転移温度(Tg)が50〜60℃から80℃未満で
ある低ガラス転移温度の塩化ビニル-酢酸ビニル共重合
体のような樹脂母材中に高級脂肪酸のような有機低分子
物質を分散した感熱層を有する可逆性感熱記録材料が知
られている(特開昭54-119377号、特開昭55-154198号な
どの公報)。
となった時にはその画像の消去ができるようにした可逆
性感熱記録材料が注目されている。その代表的なものと
しては、ガラス転移温度(Tg)が50〜60℃から80℃未満で
ある低ガラス転移温度の塩化ビニル-酢酸ビニル共重合
体のような樹脂母材中に高級脂肪酸のような有機低分子
物質を分散した感熱層を有する可逆性感熱記録材料が知
られている(特開昭54-119377号、特開昭55-154198号な
どの公報)。
【0003】更にこの感熱層を保護するために感熱層上
に保護層を設けた可逆性感熱記録材料も知られており
(特開平1-133781号、特開平2-566号、特開昭63-221087
号、特開昭63-317385号等公報)、また、保護層液のモノ
マー成分や溶剤から感熱層を保護するために、保護層と
感熱層との間にアルコール系溶媒を用いた中間層を設け
た可逆性感熱記録材料も知られている(特開平1-133781
号公報)。
に保護層を設けた可逆性感熱記録材料も知られており
(特開平1-133781号、特開平2-566号、特開昭63-221087
号、特開昭63-317385号等公報)、また、保護層液のモノ
マー成分や溶剤から感熱層を保護するために、保護層と
感熱層との間にアルコール系溶媒を用いた中間層を設け
た可逆性感熱記録材料も知られている(特開平1-133781
号公報)。
【0004】しかしながら、これらの可逆性感熱記録材
料は画像形成及び消去をヒートローラーやサーマルヘッ
ド等で行なうと表面に付着したゴミ、ホコリ等の凹凸の
ある部分は可逆性感熱記録材料とサーマルヘッド等の加
熱体との間にすきまができ、可逆性感熱記録材料に熱が
伝達しなくなるため、均一な画像形成及び消去ができな
いという欠点があった。
料は画像形成及び消去をヒートローラーやサーマルヘッ
ド等で行なうと表面に付着したゴミ、ホコリ等の凹凸の
ある部分は可逆性感熱記録材料とサーマルヘッド等の加
熱体との間にすきまができ、可逆性感熱記録材料に熱が
伝達しなくなるため、均一な画像形成及び消去ができな
いという欠点があった。
【0005】また支持体がポリエステルフィルムの場合
は問題はないが、最近カード分野において、クレジット
カードやキャッシュカード等が多数使用され、これらカ
ードの支持体は硬質ポリ塩化ビニルフィルムであり、該
ポリ塩化ビニルフィルムは溶剤系の感熱記録層処方では
溶解してしまいダメージを受けてしまうという欠点があ
る。更に該硬質ポリ塩化ビニルフィルムよりなる支持体
はかなり硬度が高く、その上に塗布した感熱記録層はサ
ーマルヘッドとのマッチング性が不良で、良質な画像が
得られないという欠点がある。
は問題はないが、最近カード分野において、クレジット
カードやキャッシュカード等が多数使用され、これらカ
ードの支持体は硬質ポリ塩化ビニルフィルムであり、該
ポリ塩化ビニルフィルムは溶剤系の感熱記録層処方では
溶解してしまいダメージを受けてしまうという欠点があ
る。更に該硬質ポリ塩化ビニルフィルムよりなる支持体
はかなり硬度が高く、その上に塗布した感熱記録層はサ
ーマルヘッドとのマッチング性が不良で、良質な画像が
得られないという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記欠点を解
消し、感熱層表面にゴミ、ホコリ等が付着しても、加熱
体との密着性がよく、また支持体に硬質ポリ塩化ビニル
フィルムを用いた場合でも、該支持体が溶剤による溶解
ダメージを受けず、しかも加熱体との密着性に優れ、均
一の画像形成及び消去できる可逆性感熱記録材料を提供
するものである。
消し、感熱層表面にゴミ、ホコリ等が付着しても、加熱
体との密着性がよく、また支持体に硬質ポリ塩化ビニル
フィルムを用いた場合でも、該支持体が溶剤による溶解
ダメージを受けず、しかも加熱体との密着性に優れ、均
一の画像形成及び消去できる可逆性感熱記録材料を提供
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、以下の
発明が提供される。支持体上に、樹脂母材及びこの樹脂
母材中に分散された有機低分子物質を主成分とし、温度
に依存して透明度が可逆的に変化する感熱層を設けた可
逆性感熱記録材料において、支持体と感熱層の間にゴム
弾性を有する樹脂を主成分とするアンカー層を設け、該
ゴム弾性を有する樹脂の伸びが下記数式(1)(JIS
6301による数式)により算出される伸びが100%
以上の樹脂を用いることを特徴とする可逆性感熱記録材
料。
発明が提供される。支持体上に、樹脂母材及びこの樹脂
母材中に分散された有機低分子物質を主成分とし、温度
に依存して透明度が可逆的に変化する感熱層を設けた可
逆性感熱記録材料において、支持体と感熱層の間にゴム
弾性を有する樹脂を主成分とするアンカー層を設け、該
ゴム弾性を有する樹脂の伸びが下記数式(1)(JIS
6301による数式)により算出される伸びが100%
以上の樹脂を用いることを特徴とする可逆性感熱記録材
料。
【数1】 (式中、E,L0,L1は以下のことを示す。 E :伸び(%) L0:標準距離(mm) L1:切断時の標線間の長さ(mm))前記支持体が硬質ポリ塩化ビニルフィルムからなること
を特徴とする前記記載の 可逆性感熱記録材料。前記アン
カー層が、水系溶媒を用いた樹脂液を前記支持体上に塗
布し、乾燥させて設けたものであることを特徴とする前
記記載の可逆性感熱記録材料。
を特徴とする前記記載の 可逆性感熱記録材料。前記アン
カー層が、水系溶媒を用いた樹脂液を前記支持体上に塗
布し、乾燥させて設けたものであることを特徴とする前
記記載の可逆性感熱記録材料。
【0008】すなわち、本発明においては、アンカー層
のゴム弾性を有する樹脂として、「伸び」が100%以上の
樹脂を用いることで、可逆性感熱記録材料の表面にゴ
ミ、ホコリ等が付着しても、サーマルヘッド等で加熱
し、画像形成-消去を行なう際に、アンカー層のゴム弾
性を有する樹脂が収縮するので、可逆性感熱記録材料と
サーマルヘッド等との密着性が良くなり、可逆性感熱記
録材料に均一に熱が伝わるため、均一な画像形成及び消
去することができる。尚、ゴム弾性を有する樹脂の「伸
び」は下記数1(JIS K 6301)で算出される。
のゴム弾性を有する樹脂として、「伸び」が100%以上の
樹脂を用いることで、可逆性感熱記録材料の表面にゴ
ミ、ホコリ等が付着しても、サーマルヘッド等で加熱
し、画像形成-消去を行なう際に、アンカー層のゴム弾
性を有する樹脂が収縮するので、可逆性感熱記録材料と
サーマルヘッド等との密着性が良くなり、可逆性感熱記
録材料に均一に熱が伝わるため、均一な画像形成及び消
去することができる。尚、ゴム弾性を有する樹脂の「伸
び」は下記数1(JIS K 6301)で算出される。
【数1】
【0009】図2,図3に、アンカー層としてゴム弾性
を有する樹脂及びゴム弾性のない樹脂をそれぞれ用いた
可逆性感熱記録材料とサーマルヘッドとの間に、ゴミ、
ホコリを存在させたときの密着状態を示す。図2はアン
カー層にゴム弾性のある樹脂を用いた可逆性感熱記録材
料の場合、図3はアンカー層にゴム弾性のない樹脂を用
いた可逆性感熱記録材料の場合を示したものである。
を有する樹脂及びゴム弾性のない樹脂をそれぞれ用いた
可逆性感熱記録材料とサーマルヘッドとの間に、ゴミ、
ホコリを存在させたときの密着状態を示す。図2はアン
カー層にゴム弾性のある樹脂を用いた可逆性感熱記録材
料の場合、図3はアンカー層にゴム弾性のない樹脂を用
いた可逆性感熱記録材料の場合を示したものである。
【0010】ゴム弾性を有する樹脂としては、シリコー
ンゴム、ブタジエンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴ
ム、ニトリルブタジエンゴム、高飽和ニトリルゴム、エ
チレンプロピレンゴム、フッ素ゴム、スチレンブタジエ
ンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、クロロスル
ホン化ポリエチレンゴム、塩素化ポリエチレン、エチレ
ンアクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、多硫化ゴ
ム、ブチルゴム、等が挙げられる。
ンゴム、ブタジエンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴ
ム、ニトリルブタジエンゴム、高飽和ニトリルゴム、エ
チレンプロピレンゴム、フッ素ゴム、スチレンブタジエ
ンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、クロロスル
ホン化ポリエチレンゴム、塩素化ポリエチレン、エチレ
ンアクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、多硫化ゴ
ム、ブチルゴム、等が挙げられる。
【0011】また、支持体として、硬質ポリ塩化ビニル
フィルムを用いた場合、該ポリ塩化ビニルフィルムを溶
解せず、かつ感熱層形成用塗布液に溶解しないアンカー
層形成用塗布液としては、(1) アルコール系溶媒を用い
た樹脂液、(2) 水系溶媒を用いた樹脂液、(3) 硬化性樹
脂液、が挙げられる。
フィルムを用いた場合、該ポリ塩化ビニルフィルムを溶
解せず、かつ感熱層形成用塗布液に溶解しないアンカー
層形成用塗布液としては、(1) アルコール系溶媒を用い
た樹脂液、(2) 水系溶媒を用いた樹脂液、(3) 硬化性樹
脂液、が挙げられる。
【0012】(1) アルコール系溶媒を用いた樹脂液を構
成する樹脂としては、特に有機溶剤に強いポリアミド樹
脂を主成分とするものが特に望ましい。ポリアミド樹脂
はアミド基でアルキレン基が結合されたものが多数集ま
ってできた線状合成高分子物質であってナイロンで代表
される。ナイロンには、ナイロンm-n(mはジアミン、n
は二塩基酸のそれぞれの炭素原子数)とナイロンn(nは
ω-アミノ酸、またはラクタムの炭素原子数)の二つの
タイプがあって、前者のタイプで工業的規模で生産され
ているものにナイロン6-6(ポリヘキサメチレンアジパ
ミド、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の縮重合
体)、ナイロン6-10(ポリヘキサメチレンセバサミド、
ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の縮重合体)、後
者にはナイロン6(ポリカプラミド、ε-カプロラクタム
の開環重合体)、ナイロン11(ポリウンデカナミド、ω
-アミノウンデカン酸の縮重合体)、ナイロン12(ラウ
リンラクタムの開環重合体)などがある。そのほか、共
重合ナイロン、ナイロンを化学的に変性したもの、特殊
な添加物を加えたもの等が挙げられる。共重合ナイロン
としては6/6-6/6-10の三次元重合体が代表的であるが、
6/6-6/ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン-6の共重合
体や一部に11,12あるいはその他のナイロンを共重合さ
せたものもある。変性ナイロンとしてはN-アルコキシメ
チル変性ナイロン(タイプ8ナイロン)が挙げられる。こ
れらの共重合ナイロン、変性ナイロンは、メタノール、
エタノール、あるいは、これらとトリクレンなどの塩素
化炭化水素との混合液に溶解するためアルコール可溶性
ナイロンとも呼ばれる。また、他にリン酸系の溶媒を添
加して合成する超高重合度ナイロン、非結晶性にした透
明ナイロン、結晶核剤を添加した微結晶性ナイロン等が
挙げられる。更に、これらをメラミン、エポキシ等と架
橋させ、耐熱性、耐湿性を向上させることも可能であ
る。
成する樹脂としては、特に有機溶剤に強いポリアミド樹
脂を主成分とするものが特に望ましい。ポリアミド樹脂
はアミド基でアルキレン基が結合されたものが多数集ま
ってできた線状合成高分子物質であってナイロンで代表
される。ナイロンには、ナイロンm-n(mはジアミン、n
は二塩基酸のそれぞれの炭素原子数)とナイロンn(nは
ω-アミノ酸、またはラクタムの炭素原子数)の二つの
タイプがあって、前者のタイプで工業的規模で生産され
ているものにナイロン6-6(ポリヘキサメチレンアジパ
ミド、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の縮重合
体)、ナイロン6-10(ポリヘキサメチレンセバサミド、
ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の縮重合体)、後
者にはナイロン6(ポリカプラミド、ε-カプロラクタム
の開環重合体)、ナイロン11(ポリウンデカナミド、ω
-アミノウンデカン酸の縮重合体)、ナイロン12(ラウ
リンラクタムの開環重合体)などがある。そのほか、共
重合ナイロン、ナイロンを化学的に変性したもの、特殊
な添加物を加えたもの等が挙げられる。共重合ナイロン
としては6/6-6/6-10の三次元重合体が代表的であるが、
6/6-6/ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン-6の共重合
体や一部に11,12あるいはその他のナイロンを共重合さ
せたものもある。変性ナイロンとしてはN-アルコキシメ
チル変性ナイロン(タイプ8ナイロン)が挙げられる。こ
れらの共重合ナイロン、変性ナイロンは、メタノール、
エタノール、あるいは、これらとトリクレンなどの塩素
化炭化水素との混合液に溶解するためアルコール可溶性
ナイロンとも呼ばれる。また、他にリン酸系の溶媒を添
加して合成する超高重合度ナイロン、非結晶性にした透
明ナイロン、結晶核剤を添加した微結晶性ナイロン等が
挙げられる。更に、これらをメラミン、エポキシ等と架
橋させ、耐熱性、耐湿性を向上させることも可能であ
る。
【0013】(2) 水系溶媒を用いた樹脂液を構成する樹
脂としては、特に有機溶剤に強いポリビニルアルコール
が好ましい。更に、メラミン等架橋剤を用いて架橋させ
て、耐熱性、耐湿性を向上させることもできる。
脂としては、特に有機溶剤に強いポリビニルアルコール
が好ましい。更に、メラミン等架橋剤を用いて架橋させ
て、耐熱性、耐湿性を向上させることもできる。
【0014】(3) 硬化性樹脂液としては、前記(1)及び
(2)の樹脂の架橋型のもの、更に水系エマルジョン型樹
脂に架橋剤を加えたもの等が挙げられる。
(2)の樹脂の架橋型のもの、更に水系エマルジョン型樹
脂に架橋剤を加えたもの等が挙げられる。
【0015】アンカー層の厚みは0.1〜50μm程度が好
ましく、特に0.2〜20μmが好ましい。
ましく、特に0.2〜20μmが好ましい。
【0016】本発明の可逆性感熱記録材料は、前記のご
とき透明度変化(透明状態、白濁不透明状態)を利用して
おり、この透明状態と白濁不透明状態との違いは次のよ
うに推測される。すなわち、(I)透明の場合には樹脂母
材中に分散された有機低分子物質の粒子は有機低分子物
質の大きな粒子で構成されており、片側から入射した光
は散乱されること無く反対側に透過するため透明に見え
ること、また、(II)白濁の場合には有機低分子物質の粒
子は有機低分子物質の微細な結晶が集合した多結晶で構
成され、個々の結晶の結晶軸がいろいろな方向を向いて
いるため片側から入射した光は有機低分子物質粒子の結
晶の界面で何度も屈折し、散乱されるため白く見えるこ
と、等に由来している。
とき透明度変化(透明状態、白濁不透明状態)を利用して
おり、この透明状態と白濁不透明状態との違いは次のよ
うに推測される。すなわち、(I)透明の場合には樹脂母
材中に分散された有機低分子物質の粒子は有機低分子物
質の大きな粒子で構成されており、片側から入射した光
は散乱されること無く反対側に透過するため透明に見え
ること、また、(II)白濁の場合には有機低分子物質の粒
子は有機低分子物質の微細な結晶が集合した多結晶で構
成され、個々の結晶の結晶軸がいろいろな方向を向いて
いるため片側から入射した光は有機低分子物質粒子の結
晶の界面で何度も屈折し、散乱されるため白く見えるこ
と、等に由来している。
【0017】図1(熱による透明度の変化を表わしてい
る)において、樹脂母材と、この樹脂母材中に分散され
た有機低分子物質とを主成分とする感熱層は、例えばT0
以下の常温では白濁不透明状態にある。これを温度T2に
加熱すると透明になり、この状態で再びT0以下の常温に
戻しても透明のままである。これは温度T2からT0以下に
至るまでに有機低分子物質が半溶融状態を経て多結晶か
ら単結晶へと結晶が成長するためと考えられる。更にT3
以上の温度に加熱すると、最大透明度と最大不透明度と
の中間の半透明状態になる。次に、この温度を下げて行
くと、再び透明状態をとることなく最初の白濁不透明状
態に戻る。これは温度T3以上で有機低分子物質が溶融
後、冷却されることにより多結晶が析出するためである
と考えられる。なお、この不透明状態のものをT1〜T2間
の温度に加熱した後、常温即ちT0以下の温度に冷却した
場合には透明と不透明との中間の状態をとることができ
る。また、前記常温で透明になったものも再びT3以上の
温度に加熱した後常温に戻せば、再び白濁不透明状態に
戻る。即ち、常温で不透明及び透明の両形態並びにその
中間状態をとることができる。
る)において、樹脂母材と、この樹脂母材中に分散され
た有機低分子物質とを主成分とする感熱層は、例えばT0
以下の常温では白濁不透明状態にある。これを温度T2に
加熱すると透明になり、この状態で再びT0以下の常温に
戻しても透明のままである。これは温度T2からT0以下に
至るまでに有機低分子物質が半溶融状態を経て多結晶か
ら単結晶へと結晶が成長するためと考えられる。更にT3
以上の温度に加熱すると、最大透明度と最大不透明度と
の中間の半透明状態になる。次に、この温度を下げて行
くと、再び透明状態をとることなく最初の白濁不透明状
態に戻る。これは温度T3以上で有機低分子物質が溶融
後、冷却されることにより多結晶が析出するためである
と考えられる。なお、この不透明状態のものをT1〜T2間
の温度に加熱した後、常温即ちT0以下の温度に冷却した
場合には透明と不透明との中間の状態をとることができ
る。また、前記常温で透明になったものも再びT3以上の
温度に加熱した後常温に戻せば、再び白濁不透明状態に
戻る。即ち、常温で不透明及び透明の両形態並びにその
中間状態をとることができる。
【0018】従って、熱を選択的に与えることにより感
熱層を選択的に加熱し、透明地に白濁画像、白濁他に透
明画像を形成することができ、その変化は何回も繰り返
することが可能である。そして、このような感熱層の背
面に着色シートを配置すれば、白地に着色シートの色の
画像または着色シートの色の地に白色の画像を形成する
ことができる。また、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ
ー)などで投影すれば、白濁部は暗部になり、透明部は
光が透過しスクリーン上では明部となる。
熱層を選択的に加熱し、透明地に白濁画像、白濁他に透
明画像を形成することができ、その変化は何回も繰り返
することが可能である。そして、このような感熱層の背
面に着色シートを配置すれば、白地に着色シートの色の
画像または着色シートの色の地に白色の画像を形成する
ことができる。また、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ
ー)などで投影すれば、白濁部は暗部になり、透明部は
光が透過しスクリーン上では明部となる。
【0019】本発明に係る可逆性感熱記録材料を作るに
は一般に(1)樹脂母材及び有機低分子物質の2成分を溶解
した溶液、又は(2)樹脂母材の溶液(溶剤としては有機低
分子物質のうちの少なくとも1種を溶解しないものを用
いる)に有機低分子物質を微粒子状に分散した分散液を
前記アンカー層を設けたプラスチックフィルム、特に硬
質ポリ塩化ビニルフィルム、ガラス板、金属板などの支
持体上に塗布乾燥して感熱層を形成せしめればよい。
は一般に(1)樹脂母材及び有機低分子物質の2成分を溶解
した溶液、又は(2)樹脂母材の溶液(溶剤としては有機低
分子物質のうちの少なくとも1種を溶解しないものを用
いる)に有機低分子物質を微粒子状に分散した分散液を
前記アンカー層を設けたプラスチックフィルム、特に硬
質ポリ塩化ビニルフィルム、ガラス板、金属板などの支
持体上に塗布乾燥して感熱層を形成せしめればよい。
【0020】感熱層又は感熱記録材料作成用溶剤として
は、樹脂母材及び有機低分子物質の種類によって種々選
択できるが、例えばテトラヒドロフラン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩
化炭素、エタノール、トルエン、ベンゼン等が挙げられ
る。なお、分散液を使用した場合はもちろんであるが、
溶液を使用した場合も得られる感熱層中では有機低分子
物質は微粒子として析出し、分散状態で存在する。
は、樹脂母材及び有機低分子物質の種類によって種々選
択できるが、例えばテトラヒドロフラン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩
化炭素、エタノール、トルエン、ベンゼン等が挙げられ
る。なお、分散液を使用した場合はもちろんであるが、
溶液を使用した場合も得られる感熱層中では有機低分子
物質は微粒子として析出し、分散状態で存在する。
【0021】感熱層に使用される樹脂母材は有機低分子
物質を均一に分散保持した層を形成すると共に、最大透
明時の透明度に影響を与える材料である。このため樹脂
母材は透明性が良く、機械的に安定で、且つ成膜性の良
い樹脂が好ましい。
物質を均一に分散保持した層を形成すると共に、最大透
明時の透明度に影響を与える材料である。このため樹脂
母材は透明性が良く、機械的に安定で、且つ成膜性の良
い樹脂が好ましい。
【0022】このような樹脂としては、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸
ビニル-ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル-酢酸ビ
ニル-マレイン酸共重合体、塩化ビニル-アクリレート共
重合体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニリデ
ン、塩化ビニリデン-塩化ビニル共重合体、塩化ビニリ
デン-アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン系
共重合体;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリレート
又はポリメタクリレート或いはアクリレート-メタクリ
レート共重合体;シリコン樹脂等が挙げられる。これら
は単独で或いは2種以上混合して使用される。
ル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸
ビニル-ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル-酢酸ビ
ニル-マレイン酸共重合体、塩化ビニル-アクリレート共
重合体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニリデ
ン、塩化ビニリデン-塩化ビニル共重合体、塩化ビニリ
デン-アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン系
共重合体;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリレート
又はポリメタクリレート或いはアクリレート-メタクリ
レート共重合体;シリコン樹脂等が挙げられる。これら
は単独で或いは2種以上混合して使用される。
【0023】一方、有機低分子物質としては記録層中で
熱により多結晶から単結晶に変化するものであればよ
く、一般に融点30〜200℃好ましくは50〜150℃程度のも
のが使用される。このような有機低分子物質としてはア
ルカノール;アルカンジオール;ハロゲンアルカノール
またはハロゲンアルカンジオール;アルキルアミン;ア
ルカン;アルケン;アルキン;ハロゲンアルカン;ハロ
ゲンアルケン;ハロゲンアルキン;シクロアルカン;シ
クロアルケン;シクロアルキン;飽和または不飽和モノ
またはジカルボン酸又はこれらのエステル、アミド又は
アンモニウム塩;飽和または不飽和ハロゲン脂肪酸また
はこれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;アリ
ルカルボン酸またはそれらのエステル、アミド又はアン
モニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸またはそれらの
エステル、アミド又はアンモニウム塩;チオアルコー
ル;チオカルボン酸又はそれらのエステル、アミンまた
はアンモニウム塩;チオアルコールのカルボン酸エステ
ル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合し
て使用される。これらの化合物の炭素数は10〜60、好ま
しくは10〜38、特に10〜30が好ましい。エステル中のア
ルコール基部分は飽和していても、又、飽和していなく
てもよく、またハロゲン置換されていてもよい。いずれ
にしても有機低分子物質は分子中に酸素、窒素、硫黄及
びハロゲンの少くとも1種、例えば-OH、-COOH、-CONH
-、-COOR、-NH-、-NH2、-S-、-S-S-、-O-、ハロゲン等
を含む化合物であることが好ましい。
熱により多結晶から単結晶に変化するものであればよ
く、一般に融点30〜200℃好ましくは50〜150℃程度のも
のが使用される。このような有機低分子物質としてはア
ルカノール;アルカンジオール;ハロゲンアルカノール
またはハロゲンアルカンジオール;アルキルアミン;ア
ルカン;アルケン;アルキン;ハロゲンアルカン;ハロ
ゲンアルケン;ハロゲンアルキン;シクロアルカン;シ
クロアルケン;シクロアルキン;飽和または不飽和モノ
またはジカルボン酸又はこれらのエステル、アミド又は
アンモニウム塩;飽和または不飽和ハロゲン脂肪酸また
はこれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;アリ
ルカルボン酸またはそれらのエステル、アミド又はアン
モニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸またはそれらの
エステル、アミド又はアンモニウム塩;チオアルコー
ル;チオカルボン酸又はそれらのエステル、アミンまた
はアンモニウム塩;チオアルコールのカルボン酸エステ
ル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合し
て使用される。これらの化合物の炭素数は10〜60、好ま
しくは10〜38、特に10〜30が好ましい。エステル中のア
ルコール基部分は飽和していても、又、飽和していなく
てもよく、またハロゲン置換されていてもよい。いずれ
にしても有機低分子物質は分子中に酸素、窒素、硫黄及
びハロゲンの少くとも1種、例えば-OH、-COOH、-CONH
-、-COOR、-NH-、-NH2、-S-、-S-S-、-O-、ハロゲン等
を含む化合物であることが好ましい。
【0024】更に具体的には、これら化合物としてはラ
ウリン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカ
ン酸、アラギン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;ステア
リン酸メチル、ステアリン酸テトラデシル、ステアリン
酸オクタデシル、ラウリン酸オクタデシル、パルミチン
酸テトラデシル、ベヘン酸ドデシル等の高級脂肪酸のエ
ステル; C16H33-O-C16H33 , C16H33-S-C16H33 , C18H37-S-C18H37 , C12H25-S-C12H25 , C19H39-S-C19H39 , C12H25-S-S-C12H25 , 等のエーテル又はチオエーテル等がある。中でも本発明
では高級脂肪酸、特にパルミチン酸、ステアリン酸、ベ
ヘン酸、リグノセリン酸等の炭素数16以上の高級脂肪酸
が好ましく、炭素数16〜24の高級脂肪酸が更に好まし
い。
ウリン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカ
ン酸、アラギン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;ステア
リン酸メチル、ステアリン酸テトラデシル、ステアリン
酸オクタデシル、ラウリン酸オクタデシル、パルミチン
酸テトラデシル、ベヘン酸ドデシル等の高級脂肪酸のエ
ステル; C16H33-O-C16H33 , C16H33-S-C16H33 , C18H37-S-C18H37 , C12H25-S-C12H25 , C19H39-S-C19H39 , C12H25-S-S-C12H25 , 等のエーテル又はチオエーテル等がある。中でも本発明
では高級脂肪酸、特にパルミチン酸、ステアリン酸、ベ
ヘン酸、リグノセリン酸等の炭素数16以上の高級脂肪酸
が好ましく、炭素数16〜24の高級脂肪酸が更に好まし
い。
【0025】透明化できる温度の巾を広げるには、この
明細書において記載した有機低分子物質を適宜組合せる
か、または、そうした有機低分子物質と融点の異なる他
の材料とを組合せればよい。これらは例えば特開昭63
−39378号、特開昭63−130380号などの公
報や、特願昭63−14754号、特願平1−1401
09号などの明細書に開示されているが、これらに限定
されるものではない。なお、感熱層中の有機低分子物質
と樹脂母材との割合は、重量比で2:1〜1:16程度
が好ましく、1:2〜1:6が更に好ましい。樹脂母材
の比率がこれ以下になると、有機低分子物質を樹脂母材
中に保持した膜を形成することが困難となり、またこれ
以上になると、有機低分子物質の量が少ないため、不透
明化が困難になる。
明細書において記載した有機低分子物質を適宜組合せる
か、または、そうした有機低分子物質と融点の異なる他
の材料とを組合せればよい。これらは例えば特開昭63
−39378号、特開昭63−130380号などの公
報や、特願昭63−14754号、特願平1−1401
09号などの明細書に開示されているが、これらに限定
されるものではない。なお、感熱層中の有機低分子物質
と樹脂母材との割合は、重量比で2:1〜1:16程度
が好ましく、1:2〜1:6が更に好ましい。樹脂母材
の比率がこれ以下になると、有機低分子物質を樹脂母材
中に保持した膜を形成することが困難となり、またこれ
以上になると、有機低分子物質の量が少ないため、不透
明化が困難になる。
【0026】感熱層には以上の成分の他に、透明画像の
形成を容易にするために、界面活性剤、高沸点溶剤等の
添加物を添加することができる。これらの添加物の具体
例は次の通りである。 高沸点溶剤の例;リン酸トリブチル、リン酸トリ-2-エ
チルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジ
ル、オレイン酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジ
エチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタ
ル酸ジ-n-オクチル、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、フ
タル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチルデシル、フタ
ル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン
酸ジブチル、アジピン酸ジ-n-ヘキシル、アジピン酸ジ-
2-エチルヘキシル、アゼライン酸ジ-2-エチルヘキシ
ル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキ
シル、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチ
レングリコールジ-2-エチルブチラート、アセチルリシ
ノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチル
フタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブ
チル。 界面活性剤、その他の添加物の例;
形成を容易にするために、界面活性剤、高沸点溶剤等の
添加物を添加することができる。これらの添加物の具体
例は次の通りである。 高沸点溶剤の例;リン酸トリブチル、リン酸トリ-2-エ
チルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジ
ル、オレイン酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジ
エチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタ
ル酸ジ-n-オクチル、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、フ
タル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチルデシル、フタ
ル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン
酸ジブチル、アジピン酸ジ-n-ヘキシル、アジピン酸ジ-
2-エチルヘキシル、アゼライン酸ジ-2-エチルヘキシ
ル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキ
シル、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチ
レングリコールジ-2-エチルブチラート、アセチルリシ
ノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチル
フタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブ
チル。 界面活性剤、その他の添加物の例;
【0027】多価アルコール高級脂肪酸エステル;多価
アルコール高級アルキルエーテル;多価アルコール高級
脂肪酸エステル、高級アルコール、高級アルキルフェノ
ール、高級脂肪酸高級アルキルアミン、高級脂肪酸アミ
ド、油脂又はポリプロピレングリコールの低級オレフィ
ンオキサイド付加物;アセチレングリコール;高級アル
キルベンゼンスルホン酸のNa、Ca、Ba又はMg塩;高級脂
肪酸、芳香族カルボン酸、高級脂肪酸スルホン酸、芳香
族スルホン酸、硫酸モノエステル又はリン酸モノ-又は
ジ-エステルのCa、Ba又はMg塩;低度硫酸化油;ポリ長
鎖アルキルアクリレート;アクリル系オルゴマー;ポリ
長鎖アルキルメタクリレート;長鎖アルキルメタクリレ
ート〜アミン含有モノマー共重合体;スチレン〜無水マ
レイン酸共重合体;オレフィン〜無水マレイン酸共重合
体。
アルコール高級アルキルエーテル;多価アルコール高級
脂肪酸エステル、高級アルコール、高級アルキルフェノ
ール、高級脂肪酸高級アルキルアミン、高級脂肪酸アミ
ド、油脂又はポリプロピレングリコールの低級オレフィ
ンオキサイド付加物;アセチレングリコール;高級アル
キルベンゼンスルホン酸のNa、Ca、Ba又はMg塩;高級脂
肪酸、芳香族カルボン酸、高級脂肪酸スルホン酸、芳香
族スルホン酸、硫酸モノエステル又はリン酸モノ-又は
ジ-エステルのCa、Ba又はMg塩;低度硫酸化油;ポリ長
鎖アルキルアクリレート;アクリル系オルゴマー;ポリ
長鎖アルキルメタクリレート;長鎖アルキルメタクリレ
ート〜アミン含有モノマー共重合体;スチレン〜無水マ
レイン酸共重合体;オレフィン〜無水マレイン酸共重合
体。
【0028】この記録材料の画像を反射画像として用い
る場合には、記録層の背面に光を反射する層を設けると
記録層の厚みを薄くしてもコントラストを上げることが
できる。具体的にはAl、Ni、Sn等を蒸着することが挙げ
られる(特開昭64-14079号公報に記載)。
る場合には、記録層の背面に光を反射する層を設けると
記録層の厚みを薄くしてもコントラストを上げることが
できる。具体的にはAl、Ni、Sn等を蒸着することが挙げ
られる(特開昭64-14079号公報に記載)。
【0029】また、感熱層上に感熱層を保護するために
保護層を設けることができる。感熱層上に積層する保護
層(厚さ0.1〜5μm)の材料としては、シリコーン系ゴ
ム、シリコーン樹脂(特開昭63-221087号公報に記載)、
ポリシロキサングラフトポリマー(特願昭62-152550号に
記載)や紫外線硬化樹脂又は電子線硬化樹脂(特願昭63-3
10600号に記載)等が挙げられる。いずれの場合も、塗布
時に溶剤を用いるが、その溶剤は、感熱層の樹脂ならび
に有機低分子物質を溶解しにくいほうが望ましい。感熱
層の樹脂及び有機低分子物質を溶解しにくい溶剤として
はn-ヘキサン、メチルアルコール、エチルアルコール、
イソプロピルアルコール等が挙げられ、特にアルコール
系の溶剤がコスト面から望ましい。
保護層を設けることができる。感熱層上に積層する保護
層(厚さ0.1〜5μm)の材料としては、シリコーン系ゴ
ム、シリコーン樹脂(特開昭63-221087号公報に記載)、
ポリシロキサングラフトポリマー(特願昭62-152550号に
記載)や紫外線硬化樹脂又は電子線硬化樹脂(特願昭63-3
10600号に記載)等が挙げられる。いずれの場合も、塗布
時に溶剤を用いるが、その溶剤は、感熱層の樹脂ならび
に有機低分子物質を溶解しにくいほうが望ましい。感熱
層の樹脂及び有機低分子物質を溶解しにくい溶剤として
はn-ヘキサン、メチルアルコール、エチルアルコール、
イソプロピルアルコール等が挙げられ、特にアルコール
系の溶剤がコスト面から望ましい。
【0030】更にまた、保護層形成液の溶剤やモノマー
成分等から感熱層を保護するために、保護層と感熱層と
の間に中間層を設けることができる(特開平1-133781号
公報に記載)。中間層の材料としては感熱層中の樹脂母
材として挙げたものの他に下記のような熱硬化性樹脂、
熱可塑性樹脂が使用可能である。即ち、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽和ポリエ
ステル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙げられ
る。中間層の厚さは0.1〜2μmくらいが好ましい。
成分等から感熱層を保護するために、保護層と感熱層と
の間に中間層を設けることができる(特開平1-133781号
公報に記載)。中間層の材料としては感熱層中の樹脂母
材として挙げたものの他に下記のような熱硬化性樹脂、
熱可塑性樹脂が使用可能である。即ち、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽和ポリエ
ステル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙げられ
る。中間層の厚さは0.1〜2μmくらいが好ましい。
【0031】
【実施例】本発明を実施例により更に詳しく説明するが
本発明はこれに限定されるものではない。なおここでの
部及び%はともに重量基準である。 実施例1 約100μm厚のポリエステルフィルム上に、 スチレン/ブタジエン共重合体 (三井東圧社製:ポリラック750) 10部 水 10部 よりなる溶液を塗布し、5μm厚のアンカー層を設けた。
さらにその上に ベヘン酸 6部 エイコサン2酸 4部 フタル酸ジイソデシル 3部 塩化ビニル〜酢酸ビニル共重合体 (UCC社製 VYHH) 25部 T.H.F 150部 トルエン 15部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥して約
8μmの感熱層(可逆性感熱記録層)を設けて可逆性感熱記
録材料を作成した。さらにその上に ポリアミド樹脂(東レ社製:CM8000) 10部 メタノール 90部 よりなる溶液を塗布し、加熱乾燥して1μm厚の中間層を
設けた。さらにその上に ウレタンアクリレート系紫外線硬化性 樹脂の75%酢酸ブチル溶液(大日本イ ンキ化学社製、ユニディックC7-157) 10部 トルエン 10部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥後、80
w/cmの紫外線ランプで硬化させ、約2μm厚のオー
バーコート層を設けて可逆性感熱記録材料を作った。
本発明はこれに限定されるものではない。なおここでの
部及び%はともに重量基準である。 実施例1 約100μm厚のポリエステルフィルム上に、 スチレン/ブタジエン共重合体 (三井東圧社製:ポリラック750) 10部 水 10部 よりなる溶液を塗布し、5μm厚のアンカー層を設けた。
さらにその上に ベヘン酸 6部 エイコサン2酸 4部 フタル酸ジイソデシル 3部 塩化ビニル〜酢酸ビニル共重合体 (UCC社製 VYHH) 25部 T.H.F 150部 トルエン 15部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥して約
8μmの感熱層(可逆性感熱記録層)を設けて可逆性感熱記
録材料を作成した。さらにその上に ポリアミド樹脂(東レ社製:CM8000) 10部 メタノール 90部 よりなる溶液を塗布し、加熱乾燥して1μm厚の中間層を
設けた。さらにその上に ウレタンアクリレート系紫外線硬化性 樹脂の75%酢酸ブチル溶液(大日本イ ンキ化学社製、ユニディックC7-157) 10部 トルエン 10部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥後、80
w/cmの紫外線ランプで硬化させ、約2μm厚のオー
バーコート層を設けて可逆性感熱記録材料を作った。
【0032】実施例2 アンカー層溶液として エステルウレタンアクリレート系紫外線 硬化型樹脂の80%酢酸ブチル溶液(大日 本インキ化学社製、ユニディックV-4220) 10部 トルエン 10部 よりなる溶液を塗布し、加熱乾燥後、紫外線ランプで硬
化させ20μm厚のアンカー層を設けた以外は実施例1と
同様にして可逆性感熱記録材料を作成した。
化させ20μm厚のアンカー層を設けた以外は実施例1と
同様にして可逆性感熱記録材料を作成した。
【0033】実施例3 アンカー層溶液として ブタジエン樹脂 10部 (日本合成ゴム社製:JSR RB820) トルエン 10部 を用いる以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録材
料を作成した。
料を作成した。
【0034】実施例4 約0.8mm厚の硬質ポリ塩化ビニルフィルム上に、 ポリアミド樹脂(東レ社製:CM8000) 15部 メタノール 85部 よりなる溶液を塗布し、加熱乾燥し5μm厚のアンカー層
を設けた。更にその上に ベヘン酸 6部 エイコサン2酸 4部 フタル酸ジイソデシル 3部 塩化ビニル〜酢酸ビニル共重合体 (ucc社製 VYHH) 25部 T. H. F 150部 トルエン 15部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥して約
8μmの感熱層(可逆性感熱記録層)を設けて可逆性感熱記
録材料を作成した。更にその上に ウレタンアクリレート系紫外線硬化性 樹脂の75%酢酸ブチル溶液(大日本イ ンキ化学社製、ユニディックC7-157) 10部 トルエン 10部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥後、80
w/cmの紫外線ランプで硬化させ、約2μm厚のオー
バーコート層を設けて可逆性感熱記録材料を作った。
を設けた。更にその上に ベヘン酸 6部 エイコサン2酸 4部 フタル酸ジイソデシル 3部 塩化ビニル〜酢酸ビニル共重合体 (ucc社製 VYHH) 25部 T. H. F 150部 トルエン 15部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥して約
8μmの感熱層(可逆性感熱記録層)を設けて可逆性感熱記
録材料を作成した。更にその上に ウレタンアクリレート系紫外線硬化性 樹脂の75%酢酸ブチル溶液(大日本イ ンキ化学社製、ユニディックC7-157) 10部 トルエン 10部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥後、80
w/cmの紫外線ランプで硬化させ、約2μm厚のオー
バーコート層を設けて可逆性感熱記録材料を作った。
【0035】実施例5 アンカー層溶液として、 ポリビニルアルコール 5部 水 100部 よりなる溶液を塗布し、加熱乾燥し、約8μm層のアンカ
ー層を設けた以外は実施例4と同様にして可逆性感熱記
録材料を作成した。
ー層を設けた以外は実施例4と同様にして可逆性感熱記
録材料を作成した。
【0036】実施例6 アンカー層溶液として エステルウレタンアクリレート系紫外線 硬化型樹脂の80%酢酸ブチル溶液(大日 本インキ化学社製、ユニディックV-4220) 10部 トルエン 10部 よりなる溶液を塗布し、加熱乾燥後、紫外線ランプで硬
化させ20μm厚のアンカー層を設けた以外は実施例4と
同様にして可逆性感熱記録材料を作成した。
化させ20μm厚のアンカー層を設けた以外は実施例4と
同様にして可逆性感熱記録材料を作成した。
【0037】実施例7 アンカー層溶液として ブタジエン樹脂 10部 (日本合成ゴム社製:JSR RB820) トルエン 10部 を用いる以外は実施例4と同様にして可逆性感熱記録材
料を作成した。
料を作成した。
【0038】比較例 アンカー層を用いない以外は実施例1と同様にして可逆
性感熱記録材料を作成した。
性感熱記録材料を作成した。
【0039】以上のようにして作成した可逆性感熱記録
材料について、先ず塗布表面の均一性を観察、評価し、
次いでサーマルヘッド(8dots/mm)、印加電力1w、印加
パルス巾0.7msec)で白濁に印字し、ヒートローラー(80
〜85℃、10mm/min)で透明に消去したときの白濁画像-
消去の均一性を目視判定した。その結果を表1に示す。
材料について、先ず塗布表面の均一性を観察、評価し、
次いでサーマルヘッド(8dots/mm)、印加電力1w、印加
パルス巾0.7msec)で白濁に印字し、ヒートローラー(80
〜85℃、10mm/min)で透明に消去したときの白濁画像-
消去の均一性を目視判定した。その結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】実施例の記載から明らかな様に本発明の
可逆性感熱記録材はアンカー層をゴム弾性を有する樹脂
で形成することにより、サーマルヘッド等の加熱体と可
逆性感熱記録材料との密着性がよくなり、均一に熱が伝
わるので均一な画像の形成及び消去をすることができる
という効果がある。また、支持体に硬質ポリ塩化ビニル
フィルムを用いた場合でも、感熱層形成用塗布液による
悪影響を受けず、塗布面が均一性に優れているという効
果がある。
可逆性感熱記録材はアンカー層をゴム弾性を有する樹脂
で形成することにより、サーマルヘッド等の加熱体と可
逆性感熱記録材料との密着性がよくなり、均一に熱が伝
わるので均一な画像の形成及び消去をすることができる
という効果がある。また、支持体に硬質ポリ塩化ビニル
フィルムを用いた場合でも、感熱層形成用塗布液による
悪影響を受けず、塗布面が均一性に優れているという効
果がある。
【図1】本発明に係る可逆性感熱記録材料の熱による透
明度の変化を表わした図である。
明度の変化を表わした図である。
【図2】アンカー層として、ゴム弾性を有する樹脂を用
いた本発明の可逆性感熱記録材料のサーマルヘッドとの
密着性を示したもの。
いた本発明の可逆性感熱記録材料のサーマルヘッドとの
密着性を示したもの。
【図3】アンカー層として、ゴム弾性のない樹脂を用い
た比較例の可逆性感熱記録材料のサーマルヘッドとの密
着性を示したもの。
た比較例の可逆性感熱記録材料のサーマルヘッドとの密
着性を示したもの。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 諸星 邦親 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 野際 通 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 鈴木 明 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 昭63−221087(JP,A) 特開 平2−122995(JP,A) 特開 昭59−199285(JP,A) 特開 平2−80289(JP,A) 特開 平4−189586(JP,A) 実開 平2−44071(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/36 B42D 15/10
Claims (3)
- 【請求項1】 支持体上に、樹脂母材及びこの樹脂母材
中に分散された有機低分子物質を主成分とし、温度に依
存して透明度が可逆的に変化する感熱層を設けた可逆性
感熱記録材料において、支持体と感熱層の間にゴム弾性
を有する樹脂を主成分とするアンカー層を設け、該ゴム
弾性を有する樹脂の伸びが下記数式(1)(JIS63
01による数式)により算出される伸びが100%以上
の樹脂を用いることを特徴とする可逆性感熱記録材料。 【数1】 (式中、E,L0,L1は以下のことを示す。 E :伸び(%) L0:標準距離(mm) L1:切断時の標線間の長さ(mm)) - 【請求項2】 前記支持体が硬質ポリ塩化ビニルフィル
ムからなることを特徴とする請求項1記載の 可逆性感熱
記録材料。 - 【請求項3】 前記アンカー層が、水系溶媒を用いた樹
脂液を前記支持体上に塗布し、乾燥させて設けたもので
あることを特徴とする請求項1記載の可逆性感熱記録材
料。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP41487090 | 1990-12-27 | ||
JP2-414870 | 1990-12-27 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0538874A JPH0538874A (ja) | 1993-02-19 |
JP3115070B2 true JP3115070B2 (ja) | 2000-12-04 |
Family
ID=18523301
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03355079A Expired - Fee Related JP3115070B2 (ja) | 1990-12-27 | 1991-12-20 | 可逆性感熱記録材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3115070B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002245947A (ja) | 2000-12-15 | 2002-08-30 | Canon Inc | 細線を有する基板及びその製造方法及び電子源基板及び画像表示装置 |
JP3826022B2 (ja) | 2000-12-15 | 2006-09-27 | キヤノン株式会社 | 配線を有する基板及び電子源及び画像表示装置 |
-
1991
- 1991-12-20 JP JP03355079A patent/JP3115070B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0538874A (ja) | 1993-02-19 |
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