JP3078456B2 - 高張力溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
高張力溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法Info
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Description
として用いられる溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板の製造方法に関するものである。
性を有する表面処理鋼板が要求されており、溶融亜鉛め
っき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき
鋼板、さらにZn−Niめっき鋼板の開発、実用化が進
んでいる。中でも、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)、合金
化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)などの溶融亜鉛めっき系
鋼板は製造コストが電気亜鉛系めっき鋼板に比較して低
廉でかつ良好な耐食性を有しているために、現在自動車
用防錆鋼板として内板のみならず外板にも実用化されて
いる。
の低減が重要課題として取り上げられ、自動車製造側に
は車体軽量化が義務づけられるようになった。このよう
な背景のもと、自動車車体軽量化には鋼板のゲージダウ
ンが有効であることから、材料メーカー側には高張力鋼
板の供給が強く求められており、低炭素鋼板または極低
炭素鋼板の成形性を損なうことなく鋼板の強度を高める
元素として、Si,P,Mn,Ti,Nb,Al,C
r,Ni,Cu,B,Mo,Vなどを添加した高張力鋼
板の研究開発が行われている。また、鋼板には従来から
の防錆性の付与が要求されてきたこともあって、亜鉛系
めっき、特に、製造コストの低廉な溶融亜鉛系めっきを
施した高張力鋼板の開発が求められている。
P,Mn,Ti,Nb,Al,Cr,Ni,Cu,B,
Mo,Vは、酸化されやすく還元されにくいので、現在
溶融亜鉛めっきの代表的な連続製造ラインであり、溶融
めっきラインの入側から、焼鈍炉→溶融めっき→合金化
炉と連続して配置されているラインであるゼンジミアタ
イプの製造ライン(以後この製造ラインを連続溶融亜鉛
めっき設備と称す。)においては、焼鈍時にこれらの強
化元素が選択酸化され表面濃化するといった本質的な問
題が生じる。この場合、焼鈍時に鋼板表面に濃化したS
i,Mnなどの上記強化元素の酸化物により鋼板と溶融
亜鉛との濡れ性が著しく低下するために、溶融亜鉛めっ
きの密着性は著しく低下し、極端な場合には溶融亜鉛が
鋼板に部分的に付着しない、いわゆる不めっきが発生す
る。また、溶融亜鉛めっきにつづいて合金化処理を施し
て製造するGAの場合、焼鈍時に生成される強化元素の
酸化物により合金化が著しく遅延し、合金化温度を極端
に上げないと合金化処理できないという問題も付随的に
発生する。
たは合金化溶融亜鉛めっきを施す場合、不めっきの防止
と適正合金化を図るために、あらかじめ鋼板表面に前処
理を施すことにより上記問題を解決しようとする方法が
開示されている。例えば、特開昭55−131165号
公報には溶融亜鉛めっき前にNiめっきを施す方法が記
載され、また、特開昭57−70268号公報、特開昭
57−79160号公報にはFeめっきを施す方法がそ
れぞれ開示されている。また、電気亜鉛めっき以外の方
法としては、無酸化炉方式(NOF)において膜厚40
0〜10000 Åの酸化皮膜を形成させた後に水素を含む雰
囲気中で焼鈍する方法が、特開昭55−122865号
公報に開示されている。
電気めっきによる方法では、不めっき防止に要する前め
っき付着量は少なくとも7〜10g/m2 以上を必要と
するため、大規模な設備が必要となり、また、製造コス
トも高くなるといった問題があるため、溶融めっきライ
ンに適用するには好ましい方法とはいい難い。また、水
素含有の雰囲気中で焼鈍を行う前に無酸化炉方式(NO
F)において皮膜を形成させる方法は、インラインで処
理する場合、ラインスピード、雰囲気、鋼板温度、鋼中
成分元素の種類、量などにより生成される酸化膜量が変
動しやすいため、安定して所定の皮膜量を得ることが困
難であり、実製造ラインにおける不めっき抑制効果も不
安定となる。
い、Si,P,Mn,Ti,Nb,Al,Cr,Bなど
の元素の一種以上を含有し、さらに必要によりNi,C
u,Mo,Vその他の元素を含有する鋼板に連続ライン
で溶融めっきを施す場合に、できるだけ工程の煩雑化、
生産性低下を最低限にとどめながら、安定して不めっき
を抑制する方法を提供することにある。
Al,Cr,Bの少なくとも一種以上を含有する鋼板を
連続焼鈍設備で鋼板到達温度が、750〜950℃の再
結晶温度で焼鈍した後、連続溶融亜鉛めっき設備にて鋼
板表面の鋼中成分の濃化層を、塩酸または硫酸を用いて
酸洗減量が5g/m2 以下0.05g/m2 以上の条件
で酸洗を行い、前記鋼板を前記連続溶融亜鉛めっき設備
にて650℃以上かつ前記連続焼鈍設備での再結晶焼鈍
温度以下に加熱還元して溶融亜鉛めっきを行う高張力溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。また、本発明は、
Si,P,Mn,Ti,Nb,Al,Cr,Bの少なく
とも一種以上を含有する鋼板を連続焼鈍設備で鋼板到達
温度が、750〜950℃の再結晶温度で焼鈍した後、
連続溶融亜鉛めっき設備にて鋼板表面の鋼中成分の濃化
層を、Fe3+イオンを0.5〜10g/l添加した塩酸
または硫酸を用いて除去し、再度上記鋼板を上記連続溶
融亜鉛めっき設備にて650℃以上かつ前記連続焼鈍設
備での再結晶焼鈍温度以下に加熱還元して溶融亜鉛めっ
きを行う高張力溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法ある。さ
らに、上記Fe3+イオン添加が0.5〜5g/lである
ことを特徴とする。本発明はまた、上述のいずれかに記
載の方法によって鋼板に溶融亜鉛めっきを施した後、さ
らに上記鋼板を加熱合金化することを特徴とする。
用される低炭素鋼または極低炭素鋼に、成形性を損なう
ことなく鋼板強度を上げることのできる強化元素Si,
P,Mn,Ti,Nb,Al,Cr,Bなどの合金元素
の少なくとも一種以上を含有する鋼板であり、必要に応
じてこれにNi,Cu,Mo,Vなどの成分を適宜含有
させたものでもよい。なお、本発明で「含有する」とい
うことは、Si,Ti,Ni,Cu,Mo,V,Cr,
Bは0.1wt%以上、Mnは0.5wt%以上、P,A
l,Nbは0.001wt%以上を含有する場合を指す。
1wt%以上とし、表面に酸化膜を形成しめっき浴との密
着性を低下させるため、2.0wt%以下とする。Pは少
量の添加で強度を持たせることが可能で、比較的安価で
あるが、二次加工脆性を起こしやすく、また、深絞りに
も悪影響を及ぼすため、0.001wt%以上、0.2wt
%以下とする。Mnは強度を高める効果の現れる0.5
wt%以上とし、深絞り性に悪影響を及ぼすため、2.0
wt%以下とする。Crは鋼の強度を高める効果の現れる
0.1wt%以上とし、強度向上効果の飽和と経済性より
2.0wt%以下とする。Tiは鋼の強度と鋼板の成形性
改善効果の現れる0.01wt%以上0.1wt%以下とす
る。Nb,Alは鋼の強度と鋼板の成形性を改善するた
め0.005wt%以上0.05wt%以下とする。Bは二
次加工脆性の改善と溶接性向上効果の現れる0.000
1wt%以上0.01wt%以下とする。Ni,Cu,M
o,Vは成形性改善効果の現れる0.1wt%以上、1.
0wt%以下とする。
に影響を与える元素であり、その鋼中含有率が0.1wt
%以上になるとめっき性の劣化が顕著になる。したがっ
て、本発明の製造方法は、特に0.1wt%以上Siを含
有する鋼板に対して極めて有効に作用する。
き素材となる高張力鋼板は、熱延および冷延によって板
厚を調整され、連続焼鈍設備により再結晶温度で焼鈍さ
れる。焼鈍の際の雰囲気は、スケールの発生を防止する
ため、鋼板に対し還元性が必要であり、一般的に数%水
素ガスを含有する窒素ガスを用いればよい。連続焼鈍設
備における鋼板到達温度は、鋼中成分および目標材質に
より異なるが、750〜950℃程度が一般的である。
溶融亜鉛めっき鋼板は、連続溶融亜鉛めっき設備を用い
て、上記のように焼鈍した高張力鋼板を、酸洗、焼鈍還
元、冷却、溶融亜鉛浴浸漬、ガスワイピングによる目付
量調整を連続して行うことにより製造される。
た鋼板は、表面に鋼中の成分によりSi,Mn,Cr等
が酸化物として濃化する。上記のSi,Mn,P等の元
素を含有する高張力鋼板に溶融亜鉛めっきを行うために
は、溶融亜鉛めっき浴に鋼板が浸入する時点で、素地鋼
板と溶融亜鉛との濡れ性を阻害するSi,Mn等の表面
濃化層を少なくすればよい。
温度で焼鈍した後、連続溶融亜鉛めっき設備にて鋼板表
面の鋼中成分の濃化層を、塩酸または硫酸を用いて酸洗
減量が5g/m2 以下0.05g/m2 以上の条件で酸
洗を行うことによって、再度上記鋼板を加熱還元しても
Si,Mnの表面濃化層の生成を抑制し、さらに良好な
めっき密着性を得ることを発見した点である。その際、
上記連続溶融亜鉛めっき設備での上記鋼板の加熱温度
は、650℃以上かつ上記連続焼鈍設備での再結晶焼鈍
温度以下であることが好ましい。また、雰囲気として
は、連続焼鈍設備での焼鈍の場合と同様に、数%水素ガ
スを含有する窒素ガスを用いればよい。
0.05g/m2 以上という条件を満たすために、酸洗
液としてFe3+イオンを0.5〜10g/l添加した塩
酸または硫酸を用いることが好ましい。さらに好ましく
は、Fe3+イオン0.5〜5g/lを、塩酸または硫酸
に添加するのがよい。Fe3+イオンは、塩化第二鉄また
は硫酸第二鉄として、上記の酸洗液に添加することが好
ましい。
たSi,Mn系表面酸化物を酸洗により除去する際に、
過剰なエッチングは好ましくない。これは、過剰なエッ
チングによりSi,Mn系表面酸化物を除去するばかり
でなく、(1)Fe系酸化物が多量に鋼板表面に生成
し、再還元時に還元しきれずに残り、濡れ性を阻害する
こと、(2)P系酸化物が表面に生成し再還元時に濡れ
性を阻害すること、によるためである。また、酸洗減量
が0.05g/m2 未満だと、Si,Mn系表面酸化物
の除去が行われずに再還元時に残留Si,Mn系表面酸
化物がめっき時の濡れ性を阻害する。
た結果、鋼板表面の鋼中成分の濃化層を塩酸または硫酸
を用いて除去するに際して、酸洗減量が5g/m2 以下
0.05g/m2 以上の条件で酸洗を行う必要があるこ
とを見出した。酸洗減量が5g/m2 以下0.05g/
m2 以上としたのは前述したように過剰なエッチングに
よる弊害を防止するためである。一方、Fe3+イオンが
0.5g/l未満では、短時間の酸洗では酸洗減量が未
添加の場合と変化がない。製造ラインでの短時間(約5
秒)で酸洗減量が5g/m2 以下を得ることは、用いる
酸の中にFe3+イオンを0.5〜10g/l添加するこ
とによって達成され、安定してSi,Mn系表面酸化物
を除去することが可能となる。さらに、好ましくはFe
3+イオンを0.5〜5g/lを塩酸、または硫酸に添加
するのがよい。
めっき設備ラインにおける焼鈍工程で再還元される必要
があるが、この場合の焼鈍条件は、Fe系酸化皮膜が還
元される条件であればよい。雰囲気ガスとしては、水素
単独または水素と窒素、アルゴンなどとの混合ガスを用
いることができるが、工業的には3〜25%の水素ガス
を含む窒素ガスを用いることが実用的である。焼鈍温度
は鋼種により異なるが、冷延鋼板の場合、650℃以上
かつ上記連続溶融亜鉛めっき設備の再結晶温度以下が好
ましい。連続溶融亜鉛めっき設備における焼鈍還元は、
Si,Mn,Cr等の添加の少ない熱延仕上げの鋼板で
は600℃程度が一般的で十分めっきが可能であるが、
Si,Mn,Cr等を添加した後再結晶焼鈍した鋼板で
は、めっき濡れ性および合金化速度の観点から、再焼鈍
還元温度が650℃以上で改善効果が現れ、700℃以
上で好適範囲に入る。しかし、再表面濃化防止のためお
よび鋼板の材質上、連続溶融亜鉛めっき設備での再結晶
温度以下、さらには(連続溶融亜鉛めっき設備での再結
晶焼鈍温度−30)℃以下が好ましい。また焼鈍時間は
10sec以上300sec以下が望ましい。
は、通常の溶融亜鉛めっきと同様に500℃前後に降温
後、460〜500℃程度、溶解Al濃度0.15wt%
前後の溶融亜鉛めっき浴に導入されて亜鉛めっきされ、
浴から立ち上がり時にガスワイピングにより目付量が調
整される。以上のようにして、高張力溶融亜鉛めっき鋼
板が製造され、必要に応じてその後直ちに加熱合金化処
理され高張力合金化処理溶融亜鉛めっき鋼板が製造され
る。合金化温度は生産性より460℃以上、また、プレ
ス成形時のめっき密着性より560℃以下とする。
ない高張力鋼板素材の溶融めっきを得ることができる。
本発明の処理を施した高張力溶融亜鉛めっき鋼板は45
0〜550℃程度の温度領域で容易に合金化処理するこ
とが可能となり、高張力鋼板素材の合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板を得ることができる。合金化時間は、20〜18
0sec程度が望ましい。合金化速度を著しく遅延させ
るSi,Mn,Pなどの成分元素を含有する鋼板は、5
50℃以下の温度領域で合金化することが困難であり、
600℃近傍での合金化となるために密着性が劣化する
が、本発明の方法では、Si,Mn,P等の元素のめっ
き−鋼板界面への濃化を抑制できるので合金化温度を低
減できるため、密着性の良好な高張力鋼板素材の合金化
溶融亜鉛めっき鋼板を得ることが可能となる。合金化温
度は、めっき付着量、ラインスピードなどにより異なる
が、密着性の良好なGAを得るには、合金化温度は可及
的に低いことが望ましい。溶融亜鉛めっき後、あるいは
合金化溶融亜鉛めっき後、必要に応じて上層めっきを行
い、めっき特性のかいぜんを図ることも可能である。例
えば、上層めっきとして、プレス成形時の慴動性改善の
ために行われるFe−ZnめっきやFe−Pめっき等を
施してもよい。この上層めっきは用途に応じていかなる
ものであってもよい。
る。
示す組成を有するあらかじめ清浄化処理を施した供試鋼
板を1回焼鈍後濃化層を除去することなく溶融亜鉛めっ
きを施した例(比較例1〜3)と、1回目焼鈍後濃化層
を塩酸または硫酸を用いて除去した後、2回目焼鈍を行
った例(本発明例1〜24)とを作製した。その際、酸
洗液中に塩化第二鉄あるいは硫酸第二鉄を添加してFe
3+の濃度を変えた。なお、上記焼鈍および溶融亜鉛めっ
きは溶融亜鉛めっきシュミレーターにより、また合金化
処理は赤外加熱炉により、それぞれ実験室で行った。焼
鈍、酸洗による濃化層除去、溶融亜鉛めっき条件および
合金化条件は以下の通りである。
の条件で焼鈍、濃化酸洗、溶融めっきを行い、以下に示
す評価を行った。これらの処理条件は、表2に示した。 (1)焼鈍条件(1、2回目とも含む) 昇温速度:10℃/sec 保持温度:表2に示す 保持時間:30sec 降温温度:20℃/sec 焼鈍炉内雰囲気:5%H2 −95%N2 (露点 −20
℃) 1回焼鈍法は、焼鈍後鋼板が所定温度になった時点でめ
っき浴に投入する。2回焼鈍法は、焼鈍後一旦室温まで
冷却し、濃化層を除去した後、再度焼鈍し、鋼板が所定
温度まで降温した時点でめっき浴に投入する。
で希釈して調製した5wt%塩酸水溶液(温度60℃)、
10wt%硫酸水溶液(温度60℃)を使用し、焼鈍した
上記供試材を5秒間浸漬した。その際、Fe3+イオン濃
度を塩酸水溶液の場合は塩化第二鉄を、硫酸水溶液の場
合は硫酸第二鉄を添加し溶解することで表2に示すよう
に変化させた。酸洗減量は、酸洗前後の鋼板の重量を測
定して求めた。図1および図2に、表1に示す供試材C
を860℃で焼鈍した後、塩酸および硫酸に浸漬した場
合のFe3+イオン添加量と酸洗減量の関係を示す。5秒
程度の短時間の酸洗ではFe3+イオンの添加がないとほ
とんど酸洗減量はなく、表面濃化層の除去が不十分であ
ると思われた。また、Fe3+を添加するにつれて酸洗減
量が増加した。
ec 合金化時間 30sec 降温度速度 15℃/s
ec
後の外観をビデオカメラで観察し画像処理を行い、不め
っき面積率を求めて評価し、以下の基準に従い判定し
た。 5:不めっき面積率0% 4:不めっき面積率0〜0.1% 3:不めっき面積率0.1〜0.3% 2:不めっき面積率0.3〜0.5% 1:不めっき面積率0.5%以上
(直径1/4インチ、重量1kgの重りを50cmの高
さから鋼板上に落下)により、めっき密着性を評価し
た。判定基準を以下に示す。 ○:めっき剥離無し △:一部めっき剥離有り ×:めっき剥離有り
η相が残存しているか否かで評価した。 ○:亜鉛η相無し ×:亜鉛η相有り
を表2に示す。また、図1および2に供試材Cを860
℃で焼鈍した後、塩酸および硫酸に浸漬した場合のFe
3+添加量と酸洗減量の関係を示す。図1および2に示し
たように、5秒程度の短時間の酸洗ではFe3+イオンの
添加がないとほとんど酸洗減量はなく、表面濃化層の除
去が不十分であると思われた。また、Fe3+イオンを添
加するにつれて酸洗減量は増加した。図1、2および表
2から明らかなように、濃化層を酸洗しないとめっき外
観、めっき密着性ともに良くなかった(比較例1〜
3)。しかし、本発明の方法を用いると、鉄より被酸化
性の高い元素を含む鋼板を用いた場合でも、不めっきの
ない密着性に優れた高張力溶融亜鉛めっき鋼板を製造す
ることが可能であった(実施例1〜24)。また、合金
化速度も適度に促進され従来法と変わらぬ方法で合金化
溶融亜鉛めっき鋼板を得ることができた。
合、本発明の方法により不めっきのない密着性に優れた
溶融亜鉛めっき鋼板を低廉かつ安定して製造することが
可能となる。また、本発明により処理した溶融亜鉛めっ
き鋼板を合金化処理をする場合には、比較的低い温度で
合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得ることができる。自動車
の軽量化の緊急性から高張力鋼板素材の溶融亜鉛めっき
鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の開発が望まれている
昨今、本発明の産業界に寄与するところは極めて大き
い。
示す図である。
示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】Si,P,Mn,Ti,Nb,Al,C
r,Bの少なくとも一種以上を含有する鋼板を連続焼鈍
設備で鋼板到達温度が、750〜950℃の再結晶温度
で焼鈍した後、連続溶融亜鉛めっき設備にて鋼板表面の
鋼中成分の濃化層を、塩酸または硫酸を用いて酸洗減量
が5g/m2 以下0.05g/m2 以上の条件で酸洗を
行い、前記鋼板を前記連続溶融亜鉛めっき設備にて65
0℃以上かつ前記連続焼鈍設備での再結晶焼鈍温度以下
に加熱還元して溶融亜鉛めっきを行うことを特徴とする
高張力溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項2】Si,P,Mn,Ti,Nb,Al,C
r,Bの少なくとも一種以上を含有する鋼板を連続焼鈍
設備で鋼板到達温度が、750〜950℃の再結晶温度
で焼鈍した後、連続溶融亜鉛めっき設備にて鋼板表面の
鋼中成分の濃化層を、Fe3+イオンを0.5〜10g/
l添加した塩酸または硫酸を用いて除去し、前記鋼板を
前記連続溶融亜鉛めっき設備にて650℃以上かつ前記
連続焼鈍設備での再結晶焼鈍温度以下に加熱還元して溶
融亜鉛めっきを行うことを特徴とする高張力溶融亜鉛め
っき鋼板の製造方法。 - 【請求項3】請求項2において、前記Fe 3+ イオン添加
が0.5〜5g/lである高張力溶融亜鉛めっき鋼板の
製造方法。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の方法によ
って鋼板に溶融亜鉛めっきを施した後、さらに前記鋼板
を加熱合金化することを特徴とする高張力合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の製造方法。
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JPH0885858A JPH0885858A (ja) | 1996-04-02 |
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