JP3043779U - 靴の中底 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性や履き心地に優れ、足の動きに追従す
る柔軟性も十分に備えた靴の中底を得ること。 【解決手段】 ベース板１の前半部１ａに、多数の貫通
孔２を網目状に設けた靴の中底を提供する。ベース板１
の前半部１ａが、前記網目状の貫通孔２によって曲がり
やすくなり、ベース板１の剛性が高くても適度な柔軟性
が付与されるので、耐久性が損なわれず、良好な履き心
地を得ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、靴の底部を構成する中底に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

靴の中底は、靴底との間に甲皮を挟み込んで固着するために用いられ、着用者 の足裏に直接触れるので、長期の使用に耐え得る耐久性を必要とするが、その一 方、歩行や走行に際しては、着用者の足の動きに追従するよう、足の各指の付け 根部分に位置する前半部に、ある程度の柔軟性が要求される。

【０００３】 このため、図３および図４に示すように、前記ベース板１を剛性と吸湿性とに 優れた圧縮パルプにより形成し、このベース板１の前半部にくり抜き部７を設け 、このくり抜き部７にスポンジなどの柔軟材８を埋め込んだ中底が一般に知られ ている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記柔軟材を埋め込んだ中底は、耐久性に劣り、履き心地も悪 くなるという問題や、製造に際して、工程数が多くなり手間がかかるので、製品 のコストアップにつながるという問題があった。

【０００５】 そこで、この考案の課題は、耐久性や履き心地を損なわず、しかも、足の動き に追従する柔軟性を十分に備えた靴の中底を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するため、この考案に係る靴の中底においては、ベース板の 前半部に、多数の貫通孔を網目状に設けたのである。

【０００７】 このような中底を使用した靴は、ベース板の前半部が、前記網目状の貫通孔に よって曲がりやすくなるので、ベース板の剛性が高くても適度な柔軟性を付与す ることができ、耐久性も損なわれない。また、くり抜き部や柔軟材を設ける必要 がないので、製造に際して手間がかからない。さらに、貫通孔によって足裏とベ ース板との接触部分が少なくなり、貫通孔を設けた分だけ軽量化を図ることもで きるので、前記柔軟性と相まって、良好な履き心地を得ることができる。

【０００８】

【考案の実施の形態】

図１および図２に示す靴の中底は、ＲＧＰ（リファイナーグラウンドパルプ） などを使用した圧縮パルプを、着用者の片足を載せる大きさに裁断したベース板 １からなり、足裏にフィットするよう幅方向にわずかに湾曲した形状になってい る。

【０００９】 このベース板１の爪先部分から中程位置にかかる前半部１ａは、中程位置から かかと部分にかかる後半部１ｂよりも外方にやや膨出した形状をしており、菱形 形状の貫通孔２が網目状に多数穿設されている。これらの貫通孔２は、ベース板 １を前記足形に裁断したのち、その周囲が欠けないようにしながらパンチで一度 に形成するが、その個数としては、例えば３cm×３cm当りに対して２０個乃至３ ０個設けるのが好ましい。貫通孔２の形状は任意であるが、一辺または径を２mm 乃至３mm程度の大きさとするのがよい。ベース板１の前記爪先部分の上面には、 紙片３が貼り着けられている。

【００１０】 前記ベース板１の後半部１ｂの下面には、ばね鋼からなる補強用の補強芯４と 、ベース板１よりやや厚手の圧縮パルプからなる補強カバー５とが設けられてい る。補強芯４は、リベット６により補強カバー５に対して固定されており、補強 カバー５は、補強芯４をベース板１の下面との間にはさんだ状態で、その周縁部 を縫着して、ベース板１に対し固定されている。

【００１１】 このような中底を使用した靴は、ベース板１の前半部１ａが、前記網目状の貫 通孔２によって曲がりやすくなるので、ベース板１の剛性が高くても適度な柔軟 性を付与することができ、耐久性も損なわれない。また、くり抜き部や柔軟材を 設ける必要がないので、製造に際して手間がかからない。さらに、貫通孔２によ って足裏とベース板１との接触部分が少なくなり、貫通孔２を設けた分だけ軽量 化を図ることもできるので、前記柔軟性と相まって、良好な履き心地を得ること ができる。

【００１２】 なお、ベース板１の材質は、前記圧縮パルプ以外に、天然皮革や合成皮革であ ってもよい。

【００１３】

【効果】

以上説明したように、この考案に係る靴の中底は、多数の貫通孔を網目状に設 けることにより、靴の耐久性を損なうことなく、適度な柔軟性を前半部に付与す ることができる。また、くり抜き部や柔軟材等を設ける必要がないので、製造工 程が簡素化され、製品のコストダウンを図ることができる。さらに、貫通孔を設 けた分だけ軽量化を図ることもできるので、前記柔軟性と相まって、この中底を 使用した靴は、歩きやすく履きやすいものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る靴の中底を示す斜視図

【図２】同上の使用状態を示す縦断面図

【図３】従来の靴の中底を示す分解斜視図

【図４】同上のIV−IV線に沿った断面図

【符号の説明】

１ ベース板 １ａ 前半部 １ｂ 後半部 ２ 貫通孔 ３ 紙片 ４ 補強芯 ５ 補強カバー ６ リベット ７ くり抜き部 ８ 柔軟材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベース板の前半部に、多数の貫通孔を網
   目状に設けた靴の中底。
2. 【請求項２】 上記貫通孔が、３cm×３cm当りに対して
   ２０個乃至３０個設けられている請求項１に記載の靴の
   中底。