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JP3037829B2 - 単結晶育成方法および単結晶 - Google Patents

単結晶育成方法および単結晶

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JP3037829B2
JP3037829B2 JP4162580A JP16258092A JP3037829B2 JP 3037829 B2 JP3037829 B2 JP 3037829B2 JP 4162580 A JP4162580 A JP 4162580A JP 16258092 A JP16258092 A JP 16258092A JP 3037829 B2 JP3037829 B2 JP 3037829B2
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JP
Japan
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crystal
melt
growing
single crystal
seed
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JP4162580A
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JPH061690A (ja
Inventor
保典 古川
正純 佐藤
康平 伊藤
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日立金属株式会社
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カイロポーラス法ある
いはTSSG法のように融液の温度を下げることにより
融液の表面下で単結晶を育成する育成法に関するもので
あり、特にはフラックス法から成長させるKTiOPO
4(KTP)、KTiOAsO4、RbTiOPO4,R
bTiOAsO4,TlTiOPO4、TlTiOAsO
4単結晶の製造方法とそれにより育成された高品質単結
晶に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年KTP単結晶およびその類似化合物
は優れた非線形光学特性を有するため各種波長変換素子
の材料として用いられてきている。従来、KTP単結晶
およびその類似化合物は500〜700℃で1000気
圧以上の高圧化で水熱合成法により育成されてきた(例
えば、米国特許3,949,323号)。なお、KTP
単結晶とは、KTiOPO4で表される単結晶であり、
KTPの類似化合物とは、KTiOAsO4、RbTi
OPO4,RbTiOAsO4,TlTiOPO4、Tl
TiOAsO4等である。しかし、水熱合成法の装置は
特殊で結晶は高価であるため、より安価で容易な結晶供
給の育成方法が検討された結果、例えば特開平1−11
9598号公報に記載のような、フラックス法による育
成法が開発されてきた。フラックス法による結晶育成で
は、フラックスとして燐酸カリウムや燐酸カリウムと酸
化タングステンを混合したものが用いられている。フラ
ックス法による結晶育成方法として従来から、主には次
の4つの方法が用いられている。第一の方法は融液全体
を徐冷して数ミリ角の結晶を坩堝の底に析出させる方法
であり、第二の方法は育成する結晶と同質の種結晶を融
液の中央付近に沈め、この融液内の種結晶に結晶を成長
させる方法でいわゆるホールデン法と呼ばれるものであ
り、第三の方法は、育成する結晶と同質の種結晶を融液
の表面につけ融液温度を徐冷して、融液表面下に結晶を
育成する方法でいわゆるカイロポーラス法と呼ばれるも
のであり、第四の方法は、育成する結晶と同質の種結晶
を融液の表面につけ、融液温度を徐冷すると共に結晶を
ゆっくり引き上げながら融液表面下に結晶を育成する方
法で、いわゆるTSSG法と呼ばれるものである。単結
晶の育成法として良く用いられるチョクラルスキー法で
は融液の結晶化は融液表面近傍の結晶と融液の界面で行
われるのに対し、カイロポーラス法やTSSG法などの
フラックス法では融液の結晶化が融液中の界面でフラッ
クスからの結晶成分の析出として行われる。このため結
晶の形状に大きな違いがみられ、チョクラルスキー法で
は円筒状であるものが、カイロポーラス法やTSSG法
等のフラックス法による育成結晶では成長容易面に囲ま
れた角柱形等の非常に特色有る形に結晶が成長する。例
えば燐酸カリウムをフラックスに用いてb軸方位に育成
したKTP結晶の外観は図1に示されたようになる。酸
化タングステンを含む燐酸カリウムを含むフラックスを
用いてb軸方向に育成した結晶では図2のようになる。
このように同結晶の同軸方位に育成した結晶でもフラッ
クスによりその外観形状は異なることが報告されている
(人工鉱物学会予稿集1990,p9)。また、軸方位
が異なれば結晶形状もまた異なるのが一般であり、X,
Y,Z軸方位からみた結晶形状の模式図を図3に示す。
(J.Crys.Growth110(1991)P6
97)カイロポーラス法やTSSG法により結晶を育成
する際、温度を非常にゆっくりと降下させていくと回転
させる種結晶の回りに結晶が徐々に析出しながら成長し
ていく。この成長は結晶径の大きさによらず図1や図2
に示したような形状異方性を持った特徴有る成長であ
る。しかしながら、従来、結晶育成に用いる種結晶は、
細長い直方体のものでその断面形状はほぼ正方形に近い
ものであり育成結晶の断面形状とは異なる形状のものが
用いられていた。また、カイロポーラス法およびTSS
G法では、シードホルダーに設置した種結晶をゆっくり
降下させてきて融液表面近傍に種結晶を付けることが通
常行われてた。但し、作業者によっては1mm程度内部
に沈めることもあると考えられるが、融液内に沈められ
る結晶の長さはについては、これまで規定されていなか
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のような方法で
は、高品質結晶育成に重要となる結晶育成初期に於いて
特に転位や小傾角粒界や気泡やマイクロクラックなどの
結晶欠陥が導入され易いことにより単結晶の高品質化が
困難であるとの問題があった。したがって、このような
欠陥により育成された結晶の種結晶部分は著しく結晶性
が悪く、種結晶の回りは光学的に不透明であり白濁して
いる。ある程度結晶形状が大きくなると品質は少しずつ
良くなり透明になってくるものの種結晶付近で結晶内に
導入された結晶欠陥の多くは引き継がれて行くので、結
晶品質的に問題であるのは言うまでもない。単結晶の種
結晶近傍の単結晶に発生した結晶欠陥は育成結晶に伝搬
していく傾向があるので、育成初期の欠陥発生は極力避
けなければならないことはよく知られているが、カイロ
ポーラス法およびTSSG法等の方法により融液の温度
を降下させることにより融液表面下に結晶を育成する場
合にも、これらの欠陥の発生のないシーディングと初期
結晶育成を行うことがより重要である。本発明は上記問
題点に鑑み、カイロポーラス法のように温度を降下させ
ることにより融液の表面下で単結晶を育成するに際し、
KTP単結晶及びその類似化合物単結晶をフラックスか
ら高歩留りで高品質で育成する方法およびそれによって
良質結晶を提供することを目的としたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】第一の本発明は、融液の
温度を降下させることにより融液表面に付けた結晶を種
結晶とし融液下に単結晶を育成する単結晶育成方法にお
いて、種結晶として、融液内に沈める部分の種結晶の側
面部のみを育成結晶と少なくとも一部がほぼ相似形にな
るように結晶の成長容易面とほぼ平行な面方位に加工し
た結晶もしくは育成結晶の小片を用いることを特徴とす
る単結晶育成方法である。側面のみが成長容易面とほぼ
平行なために育成結晶の加工が非常に行いやすい。第二
の本発明は、融液の温度を降下させることにより融液表
面に付けた結晶を種結晶とし融液下に単結晶を育成する
単結晶育成方法において、種結晶として、融液内に沈め
る部分の種結晶の成形面または切断研磨面を育成結晶と
少なくとも一部がほぼ相似形になるように結晶の成長容
易面とほぼ平行な面方位に加工するとともに予めエッチ
ング液に浸し表面加工歪層を除去した結晶もしくは育成
結晶の小片を用いることを特徴とする単結晶育成方法で
ある。エッチングを施すことでさらに良好な状態の単結
晶を得ることが可能である。また、本発明は前記の単結
晶育成方法によって得られたMTiOXO4(ここでM
はK,Rbの一種以上、XはAs,Pの一種以上)で表
される単結晶でもある。本願においては該種結晶を融液
表面から2mm以上融液内に沈めることが好ましい。
【0005】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明する。 (実施例1)出発原料としてK2HPO4とTiO2とW
3を用い、以下の反応式によりフラックス(K2WO4
・P25)および結晶成分(KTiOPO4)を作成し
た。4K2HPO4+2TiO2+3WO3=2KTiOP
4+3K2WO4・P25+2H2O上記原料を直径70
mm、高さ70mmの白金坩堝に入れ、カンタルヒータ
ーを用いた通常の縦型電気炉で1000℃に加熱融解さ
せた。融液表面に種結晶を付け、約100rpmで結晶
を回転させながら、融液温度を約3℃/日で降下させな
がら結晶を育成し、約1週間で15*15*7mm程度
の大きさの結晶を育成した。育成に用いた種結晶の軸方
位および形状は図4に示す種類のものを準備した。図4
の(a)〜(c)は結晶のY軸方位の回りに結晶を回転
させて結晶を育成するのに用いたものである。(a)は
X、Y、Zの各面に平行な面に成形した比較用の種結晶
である。(b)は図3に示したKTP育成結晶のXZ断
面およびXY断面にほぼ相似形になるよう側面部を加工
し種結晶のXZ断面を成形したものである。(c)は図
3に示したKTP結晶のXZ断面に相似形でかつY軸方
位にも相似形な部分を含むように成形した種結晶であ
る。図4の(d)〜(f)はZ軸方位の回りに結晶を回
転させて育成するのに用いたものである。(d)はX、
Y、Zの各面に平行な面に成形した比較用の種結晶であ
る。(e)は図3に示したKTP育成結晶のXY断面に
ほぼ相似形になるよう側面部を加工し種結晶のXZおよ
びXY断面を成形したものである。(f)は図3に示し
たKTP結晶のXZ断面に相似形でかつY軸方位にも相
似形な部分を含むように成形した種結晶である。それぞ
れのシードを用いてKTP結晶をY軸およびZ軸方位に
育成したところ、(a)および(d)を用いた場合には
種結晶の回りに白濁した部分が約8mm程度の大きさま
で形成されていた。これに対して(b)および(e)を
用いた場合には種結晶の回りの白濁部は減少し約6mm
角程度の領域であった。(c)および(f)を用いた場
合には種結晶の回りの白濁部は見られないか、或いはせ
いぜい4mm角程度へと減少し、種結晶回りの結晶欠陥
が大幅に減少していることがわかる。したがって、良質
部の製造歩留りが向上し、種結晶付近の高品質化により
成長した部分の品質も向上していた。
【0006】(実施例2) 上記実施例1と同様の種結晶を準備し、融液内部への種
結晶の沈ませる程度と結晶性の関係に付いて調べた。結
晶成長は融液面上での結晶径の広がりと融液中への結晶
成長が起こり大型化されていく。したがって種結晶を融
液内部に沈ませない場合には、結晶育成初期において表
面での結晶成長が結晶成長の大部分であり、図3に示し
た理想的な自然のKTP結晶成長の成長と異なり、また
成長速度は極めて遅い結果であった。一方、融液内部に
種結晶を沈めた場合には融液表面および内部で結晶成長
が同時に起こり結晶育成初期においてもほぼ結晶の理想
形状と相似の形状で成長が起こり、育成初期では結晶の
大きくなる程度も種結晶を融液内に沈めない場合よりも
早く、しかも温度降下速度を遅くしても結晶が成長しや
すいので無理無く極めてスムーズに結晶成長が起こるこ
とが確認された。
【0007】(実施例3) 図4のb,cおよびe,fに示す任意の形状に種結晶を
成形して加工の後、結晶表面をエッチングすることによ
り、表面の加工歪層を除去した。この結晶を用いて育成
した結晶では結晶中に含まれる転位が従来の約半分以下
に減少した。
【0008】(実施例4) 上記実施例1から3と同様の手法によりKTP結晶およ
びKTiOAsO4、RbTiOPO4,RbTiOAs
4,TlTiOPO4、TlTiOAsO4単結晶を育
成した。いずれの結晶も適用により高品質化が行われ、
これを用いた光素子の特性の安定化および高効率化に大
きな寄与が確認された。
【0009】
【発明の効果】本発明によれば、融液の温度を降下させ
ることにより融液表面下に単結晶を育成する方法におい
て、育成される結晶の液表面方向の断面形状と実質的に
相似の断面形状を有する種結晶を用いるので、結晶欠陥
のない高品質単結晶が歩留り良く育成することになっ
た。また、本発明により育成されるKTP単結晶および
その類似化合物は結晶欠陥の極めて少ない高品質のもの
であるため、これら結晶を非線形光学素子として用いる
SHG素子の高効率化や安定動作化に極めて有効であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】燐酸カリウムフラックスを用いて育成したKT
P結晶の外観図である。
【図2】酸化タングステンと燐酸カリウムを混合したフ
ラックスを用いて育成したKTP結晶の外観図である。
【図3】KTP結晶のX,Y,Z軸方向からみた外観模
式図である。
【図4】本発明により結晶育成に用いた種々の形状の種
結晶の外観図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融液の温度を降下させることにより融液
    表面に付けた結晶を種結晶とし融液下に単結晶を育成す
    る単結晶育成方法において、種結晶として、融液内に沈
    める部分の種結晶の少なくとも側面部を育成結晶とほぼ
    相似形になるように結晶の成長容易面とほぼ平行な面方
    位に加工した種結晶を用いることを特徴とする単結晶育
    成方法。
  2. 【請求項2】 融液の温度を降下させることにより融液
    表面に付けた結晶を種結晶とし融液下に単結晶を育成す
    る単結晶育成方法において、種結晶として、融液内に沈
    める部分の種結晶の成形面または切断研磨面を育成結晶
    と少なくとも一部がほぼ相似形になるように結晶の成長
    容易面とほぼ平行な面方位に加工するとともに予めエッ
    チング液に浸し表面加工歪層を除去した種結晶を用いる
    ことを特徴とする単結晶育成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の単結晶育成方
    法により育成されたMTiOXO(ここでMはK,R
    bの一種以上、XはAs,Pの一種以上)で表される単
    結晶。
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