JP2738641B2 - X軸方位ニオブ酸リチウム単結晶の製造方法 - Google Patents
X軸方位ニオブ酸リチウム単結晶の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導波路型光デバイスな
どの光学材料に用いられる高品質のX軸方位ニオブ酸リ
ウチム(LiNbO3:略してLN)単結晶の製造方法
に関するものである。
どの光学材料に用いられる高品質のX軸方位ニオブ酸リ
ウチム(LiNbO3:略してLN)単結晶の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術と解決しようとする課題】従来、導波路型
光デバイスとしてニオブ酸リチウム単結晶を使用する場
合、主に、Z軸、すなわち<001>方向に育成した結
晶を育成方向に垂直に切断研磨したZカット基板を使用
してきた。しかしながら、Zカット基板は、 特定の偏波方向を持った光に対してのみその特性を発
揮し、すなわち、偏波依存性を持ち、現行のシングルモ
ード光ファイバー伝送路の途中に任意に挿入して使用す
ることができない。
光デバイスとしてニオブ酸リチウム単結晶を使用する場
合、主に、Z軸、すなわち<001>方向に育成した結
晶を育成方向に垂直に切断研磨したZカット基板を使用
してきた。しかしながら、Zカット基板は、 特定の偏波方向を持った光に対してのみその特性を発
揮し、すなわち、偏波依存性を持ち、現行のシングルモ
ード光ファイバー伝送路の途中に任意に挿入して使用す
ることができない。
【0003】素子構成が方向性結合型であるため、温
度などの環境条件に影響されやすい。(参考文献;石
川、古田 電子情報通信学会技術研究報告 vol.91,No.
511,OCS91 75 85 Page51-58,1992)などの欠点を有して
おり、特に双方向光伝送用外部変調器などに使用するこ
とが困難であった。
度などの環境条件に影響されやすい。(参考文献;石
川、古田 電子情報通信学会技術研究報告 vol.91,No.
511,OCS91 75 85 Page51-58,1992)などの欠点を有して
おり、特に双方向光伝送用外部変調器などに使用するこ
とが困難であった。
【0004】一方、X軸、すなわち<100>方向に育
成したニオブ酸リチウム単結晶を育成方向に垂直に切断
研磨したXカット基板を用い、Z軸方向に光導波路を構
成し、Y軸方向に電界を印加する場合には偏波無依存性
が容易に得られ、Zカット基板に比較して温度などの環
境条件による特性変動の少ない導波路型光デバイスが製
造できる利点があった。ところが、ニオブ酸リチウム単
結晶の熱膨張係数には、異方性(X=Y≠Z)があり、
X軸育成のように育成面内に熱膨張係数の異なる方位
(YとZ)が混在する場合には、育成中結晶に歪みが局
所的に集中しやすく、育成中あるいは冷却中にクラック
が入ってしまったり、サブグレインなどの結晶欠陥が多
くなってしまったりする問題点があった。この問題点を
解決するため、従来は育成の安定性を考慮して固液界面
形状を融液側へ凸状にするように育成条件を決めてきた
が、満足な結果は得られていなかった。そのため、大型
のZ軸方位に育成したニオブ酸リチウム単結晶をX軸方
向に横抜きし、それを加工して、Xカット基板を得てい
た。この方法は、作業工程が多く、収率が悪いため、と
ても経済的とは言い難かった。
成したニオブ酸リチウム単結晶を育成方向に垂直に切断
研磨したXカット基板を用い、Z軸方向に光導波路を構
成し、Y軸方向に電界を印加する場合には偏波無依存性
が容易に得られ、Zカット基板に比較して温度などの環
境条件による特性変動の少ない導波路型光デバイスが製
造できる利点があった。ところが、ニオブ酸リチウム単
結晶の熱膨張係数には、異方性(X=Y≠Z)があり、
X軸育成のように育成面内に熱膨張係数の異なる方位
(YとZ)が混在する場合には、育成中結晶に歪みが局
所的に集中しやすく、育成中あるいは冷却中にクラック
が入ってしまったり、サブグレインなどの結晶欠陥が多
くなってしまったりする問題点があった。この問題点を
解決するため、従来は育成の安定性を考慮して固液界面
形状を融液側へ凸状にするように育成条件を決めてきた
が、満足な結果は得られていなかった。そのため、大型
のZ軸方位に育成したニオブ酸リチウム単結晶をX軸方
向に横抜きし、それを加工して、Xカット基板を得てい
た。この方法は、作業工程が多く、収率が悪いため、と
ても経済的とは言い難かった。
【0005】本発明は、導波路型光デバイス、特に双方
向光伝送用外部変調器などに使用可能なX軸方位ニオブ
酸リチウム単結晶を、クラックなどのマクロ的欠陥およ
びサブグレインなどのミクロ的欠陥無しに製造する方法
を提供することを目的とするものである。
向光伝送用外部変調器などに使用可能なX軸方位ニオブ
酸リチウム単結晶を、クラックなどのマクロ的欠陥およ
びサブグレインなどのミクロ的欠陥無しに製造する方法
を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述した
目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、回転引き上げ
法によるX軸方位ニオブ酸リチウム単結晶育成におい
て、結晶回転数を制御することで、固液界面形状を融液
側へ凹状とし、かつその度合いを表すa/R(a;凹の
深さ、R;結晶径、図1参照)を、0.01≦a/R≦
0.10の範囲にすると、クラックなどのマクロ的欠陥
がなく、サブグレインなどのミクロ的欠陥の少ないX軸
方位ニオブ酸リチウム単結晶を製造することができるこ
とを見出した。
目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、回転引き上げ
法によるX軸方位ニオブ酸リチウム単結晶育成におい
て、結晶回転数を制御することで、固液界面形状を融液
側へ凹状とし、かつその度合いを表すa/R(a;凹の
深さ、R;結晶径、図1参照)を、0.01≦a/R≦
0.10の範囲にすると、クラックなどのマクロ的欠陥
がなく、サブグレインなどのミクロ的欠陥の少ないX軸
方位ニオブ酸リチウム単結晶を製造することができるこ
とを見出した。
【0007】前述した通り、本発明は、導波路型光デバ
イス、特に双方向光伝送用外部変調器などに使用が可能
なX軸方位ニオブ酸リチウム単結晶を経済的に、かつ高
品質に製造する方法に係わるものである。回転引き上げ
法によるX軸方位ニオブ酸リチウム単結晶において、固
液界面形状を融液側へ凹状とし、かつその度合いを表す
a/R値を0.01≦a/R≦0.10の範囲に制御
し、好ましくはa/Rを0.03〜0.08の範囲に制
御するのであり、このように制御することによってクラ
ックなどのマクロ的欠陥がなく、サブグレインなどのミ
クロ的欠陥の少ない高品質なX軸方位ニオブ酸リチウム
単結晶を育成することができる。これに対して上記範囲
外の場合、たとえば固液界面形状が融液側に対して、フ
ラット(a/R=0)あるいは凸状(a/R<0)であ
る場合には、固液界面近傍並びに結晶表面に応力が集中
しやすく、結晶にクラックが入ったり、サブグレインな
どの欠陥が発生しやすくなる。また、固液界面形状が融
液側へ凹状であっても、a/R値が0.10を超えてし
まうと、結晶が融液から離れやすくなって、安定な育成
の持続が困難となる。かくして本発明では、0.01≦
a/R≦0.10の範囲の時のみ、クラックなどのマク
ロ的欠陥がなくサブグレインなどのミクロ的欠陥が少な
い高品質で、かつ導波路型光デバイスに使用可能なX軸
方位ニオブ酸リチウム単結晶を製造することができるの
である。
イス、特に双方向光伝送用外部変調器などに使用が可能
なX軸方位ニオブ酸リチウム単結晶を経済的に、かつ高
品質に製造する方法に係わるものである。回転引き上げ
法によるX軸方位ニオブ酸リチウム単結晶において、固
液界面形状を融液側へ凹状とし、かつその度合いを表す
a/R値を0.01≦a/R≦0.10の範囲に制御
し、好ましくはa/Rを0.03〜0.08の範囲に制
御するのであり、このように制御することによってクラ
ックなどのマクロ的欠陥がなく、サブグレインなどのミ
クロ的欠陥の少ない高品質なX軸方位ニオブ酸リチウム
単結晶を育成することができる。これに対して上記範囲
外の場合、たとえば固液界面形状が融液側に対して、フ
ラット(a/R=0)あるいは凸状(a/R<0)であ
る場合には、固液界面近傍並びに結晶表面に応力が集中
しやすく、結晶にクラックが入ったり、サブグレインな
どの欠陥が発生しやすくなる。また、固液界面形状が融
液側へ凹状であっても、a/R値が0.10を超えてし
まうと、結晶が融液から離れやすくなって、安定な育成
の持続が困難となる。かくして本発明では、0.01≦
a/R≦0.10の範囲の時のみ、クラックなどのマク
ロ的欠陥がなくサブグレインなどのミクロ的欠陥が少な
い高品質で、かつ導波路型光デバイスに使用可能なX軸
方位ニオブ酸リチウム単結晶を製造することができるの
である。
【0008】るつぼ内融液には、主に融液内温度差に基
づく自然対流と結晶回転に基づく強制対流が有り、後者
の優勢を保持することで、固液界面形状を融液側へ凹状
とすることができる。結晶回転条件は、炉構成、加熱源
とるつぼの相対位置、育成結晶径およびるつぼ径などに
よって異なるが、育成結晶を融液から切り離したときの
固液界面形状を観察し、その結果計算されるa/R値
と、結晶回転数との関係を調査することで、固液界面形
状を常に融液側へ凹状とし、かつa/R値を0.01≦
a/R≦0.10の範囲に制御することができる。ま
た、育成が進行するにつれて変化する自然対流の強さに
合わせて、結晶回転数(強制対流)を任意に変化させる
ことも可能である。
づく自然対流と結晶回転に基づく強制対流が有り、後者
の優勢を保持することで、固液界面形状を融液側へ凹状
とすることができる。結晶回転条件は、炉構成、加熱源
とるつぼの相対位置、育成結晶径およびるつぼ径などに
よって異なるが、育成結晶を融液から切り離したときの
固液界面形状を観察し、その結果計算されるa/R値
と、結晶回転数との関係を調査することで、固液界面形
状を常に融液側へ凹状とし、かつa/R値を0.01≦
a/R≦0.10の範囲に制御することができる。ま
た、育成が進行するにつれて変化する自然対流の強さに
合わせて、結晶回転数(強制対流)を任意に変化させる
ことも可能である。
【0009】実際には、結晶回転数は種付け時20〜5
0rpmとして以後育成が進行するのに従って減少させ
るのが望ましい。しかし種付け開始時から22〜26r
pmの回転数で一定に保つようにしてもよい。
0rpmとして以後育成が進行するのに従って減少させ
るのが望ましい。しかし種付け開始時から22〜26r
pmの回転数で一定に保つようにしてもよい。
【0010】ほぼ24時間結晶を育成した後、結晶を大
気中でアニールし、更に図2に従って結晶を切断してa
/Rの比を測定する。
気中でアニールし、更に図2に従って結晶を切断してa
/Rの比を測定する。
【0011】即ち、結晶を円錐状部と円筒状部に分け、
円筒状部の底部を薄く切断してこの部分を試料部位と
する。又円筒状部乃至胴部の中央部を垂直方向に薄く切
断してこれを試料部位とする。この試料部位以外の
円筒状部は事実上二つの断面半円状に切断されている。
上記試料部位を両面研磨し、直交ニコルなどの光学的
方法でストリエーションを観察することで、a/R比を
計算する。また、試料部位を片面研磨して、ラングカ
メラ撮影することでサブグレインなどのシクロ的欠陥を
観察する。
円筒状部の底部を薄く切断してこの部分を試料部位と
する。又円筒状部乃至胴部の中央部を垂直方向に薄く切
断してこれを試料部位とする。この試料部位以外の
円筒状部は事実上二つの断面半円状に切断されている。
上記試料部位を両面研磨し、直交ニコルなどの光学的
方法でストリエーションを観察することで、a/R比を
計算する。また、試料部位を片面研磨して、ラングカ
メラ撮影することでサブグレインなどのシクロ的欠陥を
観察する。
【0012】次に、本発明の代表的な実施例を示す。
【0013】
<実施例1>単結晶育成は、全て高周波誘導加熱による
回転引き上げ法(チョクラルスキー法)で行った。原料
として、純度4Nの炭酸リチウムと五酸化ニオブを原子
比で48.6:51.4になるように混合し、成型、焼
成した後、その約5200gを直径、高さおよび厚みが
夫々130mmφ、130mmおよび2.5mmの大き
さの白金るつぼに充填した。育成条件は、引き上げ速度
3mm/hr、育成方位<100>とし、約24時間か
けて大気中で育成した。結晶回転数は、種付け時30r
pmとし、その後徐々に減少させ、単結晶切り離し時2
0rpmとした。充填した原料の約60%を引き上げた
後、約20hrかけて室温まで冷却した。得られた結晶
は、クラックなどのマクロ的欠陥がなく、80mmφ×
100mmhのサイズで、結晶底面形状は融液側へ凹状
であった。
回転引き上げ法(チョクラルスキー法)で行った。原料
として、純度4Nの炭酸リチウムと五酸化ニオブを原子
比で48.6:51.4になるように混合し、成型、焼
成した後、その約5200gを直径、高さおよび厚みが
夫々130mmφ、130mmおよび2.5mmの大き
さの白金るつぼに充填した。育成条件は、引き上げ速度
3mm/hr、育成方位<100>とし、約24時間か
けて大気中で育成した。結晶回転数は、種付け時30r
pmとし、その後徐々に減少させ、単結晶切り離し時2
0rpmとした。充填した原料の約60%を引き上げた
後、約20hrかけて室温まで冷却した。得られた結晶
は、クラックなどのマクロ的欠陥がなく、80mmφ×
100mmhのサイズで、結晶底面形状は融液側へ凹状
であった。
【0014】この結晶を大気中でアニールした後、図2
に示すように切断した。試料部位を両面研磨して直効
ニコル観察したところ、融液側の最大凹部深さa=2.
5mm〜5.0mmであり直径R=80mmであり、従
ってa/Rは0.03から0.06であった。また、試
料部位を片面研磨してラングカメラ撮影を行ったとこ
ろ、サブグレインなどのミクロ的欠陥はほとんど観察さ
れなかった。 <実施例2>結晶回転数を、種付けから育成終了まで2
2rpm一定とした以外、全て実施例1と同様の条件で
育成を行った。得られた結晶は、クラックなどのマクロ
的欠陥がなく、80mmφ×100mmhのサイズで、
結晶底面形状は融液側へ凹状であった。この結晶を大気
中でアニールした後、図2に示すように切断した。試料
部位を両面研磨して直効ニコル観察したところ、a/
Rは0.03から0.05であった。また、試料部位
を片面研磨してラングカメラ撮影を行ったところ、サブ
グレインなどのミクロ的欠陥はほとんど観察されなかっ
た。 <実施例3>結晶回転数を、24rpm一定とした以
外、全て実施例2と同様に育成を行った。得られた結晶
は、クラックなどのマクロ的欠陥がなく、80mmφ×
100mmhのサイズで、結晶底面形状は融液側へ凹状
であった。この結晶を大気中でアニールした後、図2に
示すように切断した。試料部位を両面研磨して直効ニ
コル観察したところ、a/Rは0.05から0.07で
あった。また、試料部位を片面研磨してラングカメラ
撮影を行ったところ、サブグレインなどのミクロ的欠陥
はほとんど観察されなかった。 <実施例4>結晶回転数を、26rpm一定とした以
外、全て実施例2と同様に育成を行った。得られた結晶
は、クラックなどのマクロ的欠陥がなく、80mmφ×
100mmhのサイズで、結晶底面形状は融液側へ凹状
であった。この結晶を大気中でアニールした後、図2に
示すように切断した。試料部位を両面研磨して直効ニ
コル観察したところ、a/Rは0.06から0.08で
あった。また、試料部位を片面研磨してラングカメラ
撮影を行ったところ、サブグレインなどのミクロ的欠陥
はほとんど観察されなかった。 <比較例1>結晶回転数を、6rpm一定とした以外、
全て実施例2と同様に育成を行った。得られた結晶は、
サイズが80mmφ×100mmで、直径20mmφ前
後からクラックが無数に発生していた。結晶底面形状は
融液側へ凸状で、a/R=−0.10であった。 <比較例2>結晶回転数を、10rpm一定とした以
外、全て実施例2と同様に育成を行った。得られた結晶
は、サイズが80mmφ×100mmで、直径25mm
φ前後からクラックが無数に発生していた。結晶底面形
状は融液側へ凸状で、a/R=−0.06であった。 <比較例3>結晶回転数を、30rpm一定とした以
外、全て実施例2と同様に育成を行った。しかし、育成
途中で結晶が融液から離れてしまった。得られた結晶
は、クラックなどのマクロ的欠陥がなく、80mmφ×
45mmのサイズであった。結晶底面形状は融液側へ凹
状で、a/R=0.15であった。この結晶を大気中で
アニールした後、直胴部を育成方向に垂直に切断研磨し
てラングカメラ撮影を行ったところ、サブグレインが観
察された。
に示すように切断した。試料部位を両面研磨して直効
ニコル観察したところ、融液側の最大凹部深さa=2.
5mm〜5.0mmであり直径R=80mmであり、従
ってa/Rは0.03から0.06であった。また、試
料部位を片面研磨してラングカメラ撮影を行ったとこ
ろ、サブグレインなどのミクロ的欠陥はほとんど観察さ
れなかった。 <実施例2>結晶回転数を、種付けから育成終了まで2
2rpm一定とした以外、全て実施例1と同様の条件で
育成を行った。得られた結晶は、クラックなどのマクロ
的欠陥がなく、80mmφ×100mmhのサイズで、
結晶底面形状は融液側へ凹状であった。この結晶を大気
中でアニールした後、図2に示すように切断した。試料
部位を両面研磨して直効ニコル観察したところ、a/
Rは0.03から0.05であった。また、試料部位
を片面研磨してラングカメラ撮影を行ったところ、サブ
グレインなどのミクロ的欠陥はほとんど観察されなかっ
た。 <実施例3>結晶回転数を、24rpm一定とした以
外、全て実施例2と同様に育成を行った。得られた結晶
は、クラックなどのマクロ的欠陥がなく、80mmφ×
100mmhのサイズで、結晶底面形状は融液側へ凹状
であった。この結晶を大気中でアニールした後、図2に
示すように切断した。試料部位を両面研磨して直効ニ
コル観察したところ、a/Rは0.05から0.07で
あった。また、試料部位を片面研磨してラングカメラ
撮影を行ったところ、サブグレインなどのミクロ的欠陥
はほとんど観察されなかった。 <実施例4>結晶回転数を、26rpm一定とした以
外、全て実施例2と同様に育成を行った。得られた結晶
は、クラックなどのマクロ的欠陥がなく、80mmφ×
100mmhのサイズで、結晶底面形状は融液側へ凹状
であった。この結晶を大気中でアニールした後、図2に
示すように切断した。試料部位を両面研磨して直効ニ
コル観察したところ、a/Rは0.06から0.08で
あった。また、試料部位を片面研磨してラングカメラ
撮影を行ったところ、サブグレインなどのミクロ的欠陥
はほとんど観察されなかった。 <比較例1>結晶回転数を、6rpm一定とした以外、
全て実施例2と同様に育成を行った。得られた結晶は、
サイズが80mmφ×100mmで、直径20mmφ前
後からクラックが無数に発生していた。結晶底面形状は
融液側へ凸状で、a/R=−0.10であった。 <比較例2>結晶回転数を、10rpm一定とした以
外、全て実施例2と同様に育成を行った。得られた結晶
は、サイズが80mmφ×100mmで、直径25mm
φ前後からクラックが無数に発生していた。結晶底面形
状は融液側へ凸状で、a/R=−0.06であった。 <比較例3>結晶回転数を、30rpm一定とした以
外、全て実施例2と同様に育成を行った。しかし、育成
途中で結晶が融液から離れてしまった。得られた結晶
は、クラックなどのマクロ的欠陥がなく、80mmφ×
45mmのサイズであった。結晶底面形状は融液側へ凹
状で、a/R=0.15であった。この結晶を大気中で
アニールした後、直胴部を育成方向に垂直に切断研磨し
てラングカメラ撮影を行ったところ、サブグレインが観
察された。
【0015】以上実施例と比較例をまとめれば次の表の
とおりである。
とおりである。
【0016】 結晶回転数 a/R クラック サ ブ グ (rpm) レ イ ン 比較例1 6 -0.10 有り − 比較例2 10 -0.06 有り − 実施例1 20〜30 0.03〜0.06 無し 観察されず 実施例2 22 0.03〜0.05 無し 観察されず 実施例3 24 0.05〜0.07 無し 観察されず 実施例4 26 0.06〜0.08 無し 観察されず 比較例3 30 0.15 無し 有り
【0017】
【発明の効果】比較例1〜3に示した通り、固液界面形
状を融液側へ凹状とし、かつその度合いを表すa/R
を、0.01≦a/R≦0.10の範囲に制御しない
と、結晶に局所的応力が集中し、クラックやサブグレイ
ンなどの欠陥が発生した。
状を融液側へ凹状とし、かつその度合いを表すa/R
を、0.01≦a/R≦0.10の範囲に制御しない
と、結晶に局所的応力が集中し、クラックやサブグレイ
ンなどの欠陥が発生した。
【0018】しかし、本発明方法に従って実施例1〜4
に示した通り、固液界面形状を融液側へ凹状とし、かつ
その度合いを表すa/Rを、0.01≦a/R≦0.1
0の範囲に制御すると、クラックなどのマクロ的欠陥や
サブグレインなどのミクロ的欠陥なしにX軸方位ニオブ
酸リチウム単結晶を製造することができる。
に示した通り、固液界面形状を融液側へ凹状とし、かつ
その度合いを表すa/Rを、0.01≦a/R≦0.1
0の範囲に制御すると、クラックなどのマクロ的欠陥や
サブグレインなどのミクロ的欠陥なしにX軸方位ニオブ
酸リチウム単結晶を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法における固液界面形状を示す説明
図。
図。
【図2】育成した結晶を切断して試料部位を形成する状
態を示すための説明図。
態を示すための説明図。
Claims (1)
- 【請求項1】るつぼに収容された溶融液に種結晶を接触
させ、その種結晶を回転させながら引き上げ、育成方位
をX軸とするニオブ酸リチウム単結晶を成長させる際、
結晶回転数を制御することで、固液界面形状を融液側へ
凹状とし、かつその度合いを表すa/R(a;凹の深
さ、R;結晶径)を、0.01≦a/R≦0.10の範
囲にすることを特徴とするニオブ酸リチウム単結晶の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29329293A JP2738641B2 (ja) | 1993-11-24 | 1993-11-24 | X軸方位ニオブ酸リチウム単結晶の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29329293A JP2738641B2 (ja) | 1993-11-24 | 1993-11-24 | X軸方位ニオブ酸リチウム単結晶の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07144997A JPH07144997A (ja) | 1995-06-06 |
JP2738641B2 true JP2738641B2 (ja) | 1998-04-08 |
Family
ID=17792950
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29329293A Expired - Lifetime JP2738641B2 (ja) | 1993-11-24 | 1993-11-24 | X軸方位ニオブ酸リチウム単結晶の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2738641B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116200828B (zh) * | 2023-05-06 | 2023-07-07 | 天通控股股份有限公司 | 一种大尺寸铌酸锂晶体的制备方法 |
-
1993
- 1993-11-24 JP JP29329293A patent/JP2738641B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07144997A (ja) | 1995-06-06 |
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