JPH06183896A - ニオブ酸リチウム単結晶の育成方法 - Google Patents
ニオブ酸リチウム単結晶の育成方法Info
- Publication number
- JPH06183896A JPH06183896A JP35580092A JP35580092A JPH06183896A JP H06183896 A JPH06183896 A JP H06183896A JP 35580092 A JP35580092 A JP 35580092A JP 35580092 A JP35580092 A JP 35580092A JP H06183896 A JPH06183896 A JP H06183896A
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- JP
- Japan
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- single crystal
- lithium niobate
- growing
- niobate single
- crystal
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- Pending
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- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
- Optical Integrated Circuits (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 サブグレインの無い、あるいは非常に少ない
ニオブ酸リチウム単結晶の育成方法を供する。 【構成】 ニオブ酸リチウム単結晶のc軸方向の育成に
おいて、育成される単結晶のa軸方向の直径をDとした
時、るつぼ内で溶解している原料の融液面の中心を基準
として、基準点から上方5/4Dの引上げ線上の位置ま
での平均温度勾配が15℃/cm〜20℃/cmとなる
ように設定する。
ニオブ酸リチウム単結晶の育成方法を供する。 【構成】 ニオブ酸リチウム単結晶のc軸方向の育成に
おいて、育成される単結晶のa軸方向の直径をDとした
時、るつぼ内で溶解している原料の融液面の中心を基準
として、基準点から上方5/4Dの引上げ線上の位置ま
での平均温度勾配が15℃/cm〜20℃/cmとなる
ように設定する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チョクラルスキー法に
より育成され、光導波路や光変調器等の光学デバイス用
基板に用いられる、光学的に高品質なニオブ酸リチウム
単結晶の育成方法に関する。
より育成され、光導波路や光変調器等の光学デバイス用
基板に用いられる、光学的に高品質なニオブ酸リチウム
単結晶の育成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に単結晶の育成では、融液から育成
している結晶にかけて適当な負の温度勾配を与えること
が必要である。高周波誘導加熱を利用したチョクラルス
キー法による単結晶の育成では、引上げ軸方向、及びる
つぼ径方向に比較的大きな温度勾配を設定することがで
き、これを安定に維持することが容易である。しかし、
育成しようとする単結晶が割れやすい物質の場合には、
保温筒、アフターヒーター等の使用によって温度勾配を
緩和することがなされている。光学的に高品質なニオブ
酸リチウム単結晶のc軸方向の育成においても、40℃
/cm以上の温度勾配では結晶に割れが生じるため、保
温筒、アフターヒーターを使用して融液表面近傍の温度
勾配を10℃/cm以下として結晶の育成が行われてい
る。
している結晶にかけて適当な負の温度勾配を与えること
が必要である。高周波誘導加熱を利用したチョクラルス
キー法による単結晶の育成では、引上げ軸方向、及びる
つぼ径方向に比較的大きな温度勾配を設定することがで
き、これを安定に維持することが容易である。しかし、
育成しようとする単結晶が割れやすい物質の場合には、
保温筒、アフターヒーター等の使用によって温度勾配を
緩和することがなされている。光学的に高品質なニオブ
酸リチウム単結晶のc軸方向の育成においても、40℃
/cm以上の温度勾配では結晶に割れが生じるため、保
温筒、アフターヒーターを使用して融液表面近傍の温度
勾配を10℃/cm以下として結晶の育成が行われてい
る。
【0003】ところで、光導波路や光変調用基板として
使用されるニオブ酸リチウム単結晶は、光学的に欠陥が
なく、均質であることが要求されるので、一般には、ニ
オブ酸リチウム単結晶の育成条件として、融液表面近傍
の引上げ軸方向の温度勾配を10℃/cm以下に設定し
て育成する場合が多いが、この条件においても、サブグ
レインが発生することが本発明者により確かめられた。
サブグレインは結晶内部を光が通過する際、光損失が発
生する原因となり、そのため結晶中のサブグレインが存
在する領域は、光学デバイス用基板として用いることが
できず、育成結晶から基板を作製する際の歩留まりを下
げることになる。
使用されるニオブ酸リチウム単結晶は、光学的に欠陥が
なく、均質であることが要求されるので、一般には、ニ
オブ酸リチウム単結晶の育成条件として、融液表面近傍
の引上げ軸方向の温度勾配を10℃/cm以下に設定し
て育成する場合が多いが、この条件においても、サブグ
レインが発生することが本発明者により確かめられた。
サブグレインは結晶内部を光が通過する際、光損失が発
生する原因となり、そのため結晶中のサブグレインが存
在する領域は、光学デバイス用基板として用いることが
できず、育成結晶から基板を作製する際の歩留まりを下
げることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、サブグレイン発生の無い、もしくは発生の非常に少
ない、ニオブ酸リチウム単結晶の育成方法を提供するこ
とにある。
は、サブグレイン発生の無い、もしくは発生の非常に少
ない、ニオブ酸リチウム単結晶の育成方法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、チョクラルス
キー法によるニオブ酸リチウム単結晶のc軸方向の育成
において、育成される単結晶の直径をDとした時、るつ
ぼ内で融解している原料の融液面の中心を基準として、
基準点から上方5/4Dの引上げ軸線上の位置までの平
均温度勾配が15℃/cm〜20℃/cmであることを
特徴とする。
キー法によるニオブ酸リチウム単結晶のc軸方向の育成
において、育成される単結晶の直径をDとした時、るつ
ぼ内で融解している原料の融液面の中心を基準として、
基準点から上方5/4Dの引上げ軸線上の位置までの平
均温度勾配が15℃/cm〜20℃/cmであることを
特徴とする。
【0006】更に、図によって詳しく説明する。図1
は、本発明の概念を示すものである。図1(a)は引上
げ軸方向5/4Dの位置を示す図である。即ち、引上げ
軸線は融液面の中央で融液面と直交する。この交点を点
0とし、ここから引上げ軸線沿いに5/4D上方の点を
Pとしている。次に、図1(b)は融液面から引上げ軸
方向5/4Dの位置までの温度を示すもので、縦軸は引
上げ軸線上融液面からの距離を示し、横軸は温度で、左
から右へ温度が高くなる。点0では、温度は融点Tmで
あり、点Pの温度をTPとする。0からPの平均温度勾
配は(Tm−TP)/[(5/4)D]となる。本発明
は、15℃/cm≦(Tm−TP)/[(5/4)D]≦
20℃/cmであることを特徴とする単結晶の育成方法
である。
は、本発明の概念を示すものである。図1(a)は引上
げ軸方向5/4Dの位置を示す図である。即ち、引上げ
軸線は融液面の中央で融液面と直交する。この交点を点
0とし、ここから引上げ軸線沿いに5/4D上方の点を
Pとしている。次に、図1(b)は融液面から引上げ軸
方向5/4Dの位置までの温度を示すもので、縦軸は引
上げ軸線上融液面からの距離を示し、横軸は温度で、左
から右へ温度が高くなる。点0では、温度は融点Tmで
あり、点Pの温度をTPとする。0からPの平均温度勾
配は(Tm−TP)/[(5/4)D]となる。本発明
は、15℃/cm≦(Tm−TP)/[(5/4)D]≦
20℃/cmであることを特徴とする単結晶の育成方法
である。
【0007】即ち本発明は、チョクラルスキー法による
ニオブ酸リチウム単結晶の育成方法において、種子結晶
を原料融液に浸す直前の原料融液面の中心を基準点と
し、この基準点から上方に育成される結晶の直径の5/
4に等しい距離までの平均の温度勾配が、15℃/cm
〜20℃/cmであることを特徴とするニオブ酸リチウ
ム単結晶の育成方法である。
ニオブ酸リチウム単結晶の育成方法において、種子結晶
を原料融液に浸す直前の原料融液面の中心を基準点と
し、この基準点から上方に育成される結晶の直径の5/
4に等しい距離までの平均の温度勾配が、15℃/cm
〜20℃/cmであることを特徴とするニオブ酸リチウ
ム単結晶の育成方法である。
【0008】
【作用】チョクラルスキー法によるニオブ酸リチウム単
結晶のc軸引上げを行う場合、サブグレイン発生の無い
結晶の育成条件は、融液面上引上げ軸方向の温度勾配が
育成する単結晶の直径をDとした時に、融液面から5/
4Dの位置までの平均温度勾配が15℃/cm〜20℃
/cmであることが必要であることを見出だしたもの
で、このような温度勾配の条件下でのみサブグレインの
無い単結晶が得られることを確認した。
結晶のc軸引上げを行う場合、サブグレイン発生の無い
結晶の育成条件は、融液面上引上げ軸方向の温度勾配が
育成する単結晶の直径をDとした時に、融液面から5/
4Dの位置までの平均温度勾配が15℃/cm〜20℃
/cmであることが必要であることを見出だしたもの
で、このような温度勾配の条件下でのみサブグレインの
無い単結晶が得られることを確認した。
【0009】
【実施例】結晶原料としての炭酸リチウムと五酸化ニオ
ブを、酸化リチウム(Li2O)と五酸化ニオブ(Nb2
O5)のモル比が48.6:51.4になるように、秤
量、混合した。この混合物を大気中で1150℃で18
時間仮焼きを行った後、育成炉中にセットされたるつぼ
にチャージ融解して約10Kgのメルトを作製した。こ
の融解物からチョクラルスキー法により、重量が約3K
gで、直胴部の径が80mm、長さが100mmのニオ
ブ酸リチウム単結晶を育成した。育成条件は、N280
%、O220%の雰囲気中で、引上げ速度は3mm/
h、軸回転速度は3rpmであった。育成された結晶の
図2に示す上部、中部、下部の各部位から試料を採取
し、サブグレインの発生状況を観察した。サブグレイン
の観察は、X線トポグラフ法により行った。表1は、育
成炉の温度勾配を種々に変えて育成した時の平均温度勾
配と、サブグレイン発生程度の観察結果をまとめたもの
である。
ブを、酸化リチウム(Li2O)と五酸化ニオブ(Nb2
O5)のモル比が48.6:51.4になるように、秤
量、混合した。この混合物を大気中で1150℃で18
時間仮焼きを行った後、育成炉中にセットされたるつぼ
にチャージ融解して約10Kgのメルトを作製した。こ
の融解物からチョクラルスキー法により、重量が約3K
gで、直胴部の径が80mm、長さが100mmのニオ
ブ酸リチウム単結晶を育成した。育成条件は、N280
%、O220%の雰囲気中で、引上げ速度は3mm/
h、軸回転速度は3rpmであった。育成された結晶の
図2に示す上部、中部、下部の各部位から試料を採取
し、サブグレインの発生状況を観察した。サブグレイン
の観察は、X線トポグラフ法により行った。表1は、育
成炉の温度勾配を種々に変えて育成した時の平均温度勾
配と、サブグレイン発生程度の観察結果をまとめたもの
である。
【0010】
【表1】 なお、表中 ○印はサブグレインの無い状態を示す △印はサブグレインの少ない状態を示す ×印はサブグレインの多い状態を示す
【0011】表1は、図1の0からPの平均温度勾配が
15℃/cm〜20℃/cmの時に、サブグレインの発
生の無い結晶を得ることができることを示している。
15℃/cm〜20℃/cmの時に、サブグレインの発
生の無い結晶を得ることができることを示している。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のc軸方向
引上げのニオブ酸リチウム単結晶の育成方法によれば、
サブグレインの無い、又は非常に少ない、光学的に高品
質な単結晶を得ることが可能であり、光導波路、光変調
器用等の光学デバイス用基板を作製する際の歩留まりを
大幅に向上させることができる。
引上げのニオブ酸リチウム単結晶の育成方法によれば、
サブグレインの無い、又は非常に少ない、光学的に高品
質な単結晶を得ることが可能であり、光導波路、光変調
器用等の光学デバイス用基板を作製する際の歩留まりを
大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念を示す説明図。図1(a)は、融
液表面の中心点0と引上げ軸方向のP点との位置関係を
示す図。図1(b)は、融液面からの距離と温度との模
式的関係を示す図。
液表面の中心点0と引上げ軸方向のP点との位置関係を
示す図。図1(b)は、融液面からの距離と温度との模
式的関係を示す図。
【図2】育成結晶のサイズとサブグレイン観察を行うた
めに試料を採取した部位を示す結晶断面図。
めに試料を採取した部位を示す結晶断面図。
0 引上げ軸線が融液面と交わる点 P 0から引上げ軸線上で上方に5/4Dの距離を示
す点 TP 点Pにおける温度 Tm 融点 D 結晶の直径
す点 TP 点Pにおける温度 Tm 融点 D 結晶の直径
Claims (1)
- 【請求項1】 チョクラルスキー法によるニオブ酸リチ
ウム単結晶の育成方法において、種子結晶を原料融液に
浸す直前の原料融液面の中心を基準点とし、この基準点
から上方に育成される結晶の直径の5/4に等しい距離
までの平均の温度勾配が、15℃/cm〜20℃/cm
であることを特徴とするニオブ酸リチウム単結晶の育成
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35580092A JPH06183896A (ja) | 1992-12-17 | 1992-12-17 | ニオブ酸リチウム単結晶の育成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35580092A JPH06183896A (ja) | 1992-12-17 | 1992-12-17 | ニオブ酸リチウム単結晶の育成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06183896A true JPH06183896A (ja) | 1994-07-05 |
Family
ID=18445818
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35580092A Pending JPH06183896A (ja) | 1992-12-17 | 1992-12-17 | ニオブ酸リチウム単結晶の育成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06183896A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020147459A (ja) * | 2019-03-12 | 2020-09-17 | 住友金属鉱山株式会社 | ニオブ酸リチウム単結晶の育成方法 |
-
1992
- 1992-12-17 JP JP35580092A patent/JPH06183896A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020147459A (ja) * | 2019-03-12 | 2020-09-17 | 住友金属鉱山株式会社 | ニオブ酸リチウム単結晶の育成方法 |
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