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JP2997561B2 - 塗装仕上げ方法 - Google Patents

塗装仕上げ方法

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Publication number
JP2997561B2
JP2997561B2 JP3119190A JP11919091A JP2997561B2 JP 2997561 B2 JP2997561 B2 JP 2997561B2 JP 3119190 A JP3119190 A JP 3119190A JP 11919091 A JP11919091 A JP 11919091A JP 2997561 B2 JP2997561 B2 JP 2997561B2
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JP
Japan
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coating
component
acrylic resin
group
parts
Prior art date
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JP3119190A
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JPH04322770A (ja
Inventor
利雄 大越
駒治 松井
忠義 龍野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP3119190A priority Critical patent/JP2997561B2/ja
Publication of JPH04322770A publication Critical patent/JPH04322770A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗装仕上げ方法、更に詳
しくは公害対策に適応し、塗膜外観が良好で、耐スリ傷
性・耐酸性・耐チッピング性・耐久性の優れた塗膜を形
成できる塗装仕上げ方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】美粧的外観と耐久性が重視
される自動車外板などの塗装仕上げ方法としては、溶液
型の熱硬化性アミノアルキド樹脂塗料・熱硬化性アミノ
アクリル樹脂塗料あるいはイソシアネート硬化型アクリ
ル樹脂塗料が一般的に用いられている。しかしこれらの
塗料は多量の溶剤を使用するために省資源・大気汚染性
の面で問題があり改善が求められている。また、近年、
飛石の衝撃による塗膜キズからの腐食を低減するため塗
膜の耐チッピング性の向上が求められている。これらの
要求への対応策として厚膜化により耐チッピング性を改
良できるアクリル樹脂粉体塗料を上塗りとして検討した
が塗面平滑性が劣り、また走行中の砂塵によるキズ、洗
車ブラシのスリキズおよびドア開閉時の爪傷が付き易い
こと、また、酸性雨(一般にpHが4以下の雨をいう)に
よりエッチングされたり、白化、シミ等が発生し易いこ
と等の問題点があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、粉体塗料
塗膜の耐スリ傷性、耐酸性、および塗面平滑性を向上さ
せ、公害対策に適応し、塗膜外観が良好で、耐スリ傷
性、耐酸性、耐チッピング性、耐久性の優れた塗膜を形
成できる塗装仕上げ方法について鋭意研究の結果、同一
分子中に特定量のカルボキシル基、エポキシ基および水
酸基を含有する2種の樹脂とアミノ樹脂とを主成分とす
る有機溶剤希釈型クリヤ塗料を熱硬化性アクリル樹脂粉
体塗料塗膜上に塗装することによって、上記目的を達成
できることを見出した。
【0004】すなわち本発明は、被塗面に熱硬化性アク
リル樹脂粉体塗料を塗装し、溶融又は硬化させて形成し
た塗面上に有機溶剤希釈型クリヤ塗料を塗装する方法で
あって、該クリヤ塗料が、(A)同一分子中にカルボキ
シル基、水酸基およびエポキシ基を含有し、かつ酸価が
15〜150mgKOH/g 、水酸基価が30mgKOH/g 以上、
エポキシ当量が3,000〜15,000g/eqおよび数
平均分子量が3,000〜30,000であるアクリル
樹脂、(B)同一分子中にカルボキシル基、水酸基およ
びエポキシ基を含有し、かつ酸価が2〜10mgKOH/g 、
水酸基価が30mgKOH/g 以上、エポキシ当量が250〜
2500g/eqおよび数平均分子量が3,000〜30,
000であるアクリル樹脂、および(C)アミノ樹脂を
主成分とし、そして(A)成分のカルボキシル基/
(B)成分のエポキシ基モル比が1/0.5〜0.5/
1であって、かつ(C)成分を(A),(B)および
(C)成分の合計量に基づいて10〜40重量%含有す
ることを特徴とする塗装仕上げ方法を提供するものであ
る。
【0005】本発明で使用される有機溶剤希釈型クリヤ
塗料は、(A),(B)両成分が共にカルボキシル基を
有しているために該両成分同士はもちろんのこと、
(C)成分との相溶性もすぐれており、また、(A)成
分は、カルボキシル基が多いがエポキシ基が少なく、逆
に(B)成分はエポキシ基は多いがカルボキシル基が少
ないため、各成分の重合中にカルボキシル基とエポキシ
基との反応に基づくゲル化や高分子量化は殆どない。よ
って硬化時に官能基間の反応によって架橋密度が十分高
まり、特に耐酸性、耐スリ傷性、耐溶剤性、耐候性およ
び仕上り外観等のすぐれた塗膜を形成することが可能で
ある。
【0006】以下、本発明方法に使用する有機溶剤希釈
型クリヤ塗料について説明する。クリヤ塗料における
(A),(B)および(C)成分は下記のとおりであ
る。 (A)成分:同一分子中にカルボキシル基、水酸基およ
びエポキシ基を含有し、かつ酸価が15〜150mgKOH/
g 、水酸基価が30mgKOH/g 以上、エポキシ当量が3,
000〜15,000g/eqおよび数平均分子量が3,0
00〜30,000であるアクリル樹脂。
【0007】上記特性をもつアクリル樹脂[(A)成
分]は、例えば、カルボキシル基含有単量体、水酸基含
有単量体およびエポキシ基含有単量体を必須成分とし、
さらに必要に応じてその他の単量体を用いて共重合せし
めることによって得ることができる。カルボキシル基含
有単量体は、1分子中に1個以上のカルボキシル基と1
個の重合性不飽和結合とを有する重合性モノマー、特に
カルボキシル基含有アクリル系モノマーが好ましく、具
体的には、アクリル酸、メタクリル酸を例示することが
でき、更にマレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸及
びそれらのモノエステル化物等が挙げられ、これらは1
種または2種以上用いることができる。
【0008】水酸基含有単量体は、1分子中に1個以上
の水酸基と1個の重合性不飽和結合を有する重合性モノ
マー、特に水酸基含有アクリル系モノマーが好ましく、
具体的には、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート;1,4−ブタンジオールモノ
(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレートのε−カプロラクトン付加物、ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレートのエチレン及びプロピレン付加
物等が挙げられ、これらは1種または2種以上組合わせ
て用いることができる。
【0009】エポキシ基含有単量体は、1分子中に1個
以上のエポキシ基(又はグリシジル基)と1個の重合性
不飽和結合とを有する重合性モノマー、殊にエポキシ基
含有アクリル系モノマーが好ましく、具体的には、グリ
シジルメタアクリレート、グリシジルアクリレート、メ
チルグリシジルメタアクリレート、メチルグリシジルア
クリレート、アリルグリシジルエーテル等が例示され、
これらは1種または2種以上用いることができる。
【0010】また、上記単量体と共重合可能なその他の
単量体は、上記カルボキシル基、水酸基およびエポキシ
基を含有せず、しかも重合性不飽和結合を1個有し、か
つ上記各単量体と共重合可能なモノマーが好ましく、具
体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n
−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)ア
クリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレー
トなどのアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)
アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニ
ル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレートなどのジ(アルキル)アミノアルキル(メタ)
アクリレート等のアクリル酸およびメタアクリル酸のエ
ステル類を挙げることができる。さらに、スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族
化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、メタク
リルアミド、メチロールアクリルアミド、メチロールメ
タクリルアミド、塩化ビニル、プロピレン、エチレン、
4 〜C20のα−オレフィン等を用いることもできる。
【0011】(A)成分において、上記各単量体の構成
比率はこれらの単量体から形成される共重合体(アクリ
ル樹脂)の酸価、水酸基価およびエポキシ当量が前記し
た範囲内に包含されるように調整すればよい。また、該
各単量体による共重合反応は常法により行なうことがで
き、例えば溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化
重合法等の既知の何れの重合法にても製造することがで
きる。その際、重合開始剤としてはアゾビスイソブチロ
ニトリル、4,4′−アゾビス(4−シアノペンタン
酸)、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート、クメンハイドロパーオ
キサイド、カリウムパーサルフェート、過酸化水素、
2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキ
シエチル)プロピオンアミド]等を用いることができ、
また、必要に応じて連鎖移動剤としてドデシルメルカプ
タン、メルカプトエタノール、α−メチルスチレンダイ
マー等を用いることもできる。
【0012】また、反応温度は重合中におけるカルボキ
シル基/エポキシ基の反応をおさえるために約70〜約
130℃、好ましくは約70〜約110℃範囲内が好都
合である。かくして得られるアクリル樹脂[(A)成
分]は15〜150mgKOH/g 、好ましくは50〜120
mgKOH/g の範囲内の酸価をもつことができる。酸価が1
5より少ないと(B)成分のエポキシ基との反応性が低
下し、形成される塗膜の耐酸性が、向上せず、逆に15
0mgKOH より大きくなると溶剤への溶解性や(B)成分
との相溶性などが低下する傾向がみられる。また、該ア
クリル樹脂は30mgKOH/g 以上、好ましくは35〜10
0mgKOH/g の範囲内の水酸基価をもつことが重要であっ
て、その水酸基価が30mgKOH/g より小さくなると
(C)成分との架橋反応性が劣る。さらに、該アクリル
樹脂はエポキシ当量が3,000〜15,000g/eq、
好ましくは3,200〜9,000g/eqの範囲内にあ
り、エポキシ当量が15,000より大きくなると
(B)成分との相溶性が悪くなり、逆に3,000より
小さくなると(A)成分の合成反応中にカルボキシル基
とエポキシ基との反応が進んで高分子量化・ゲル化に到
りやすい。ここでエポキシ当量とは、エポキシ基を平均
1個含有する樹脂の分子量を示し、したがってエポキシ
当量が大きいほど樹脂中に含有するエポキシ基の量は少
ない。また、(A)成分の数平均分子量はGPC(ゲル
パーミユエーションクロマトグラフ)を用いたポリスチ
レン換算の値であり、3,000〜30,000、好ま
しくは5,000〜20,000の範囲内にある。
(A)成分の数平均分子量が3,000より小さくなる
と塗膜の耐候性、耐水性が劣り、30,000より大き
くなると仕上り外観などの低下をまねきやすい。
【0013】(B)成分: 同一分子中にカルボキシル
基、水酸基およびエポキシ基を含有し、かつ酸価が2〜
10mgKOH/g 、水酸基価が30mgKOH/g 以上、エポキシ
当量が250〜2500g/eqおよび数平均分子量が3,
000〜30,000であるアクリル樹脂。
【0014】上記特性をもつアクリル樹脂[(B)成
分]は、例えばカルボキシル基含有単量体、水酸基含有
単量体およびエポキシ基含有単量体を必須成分とし、さ
らに必要に応じてその他の単量体を用いて共重合せしめ
ることによって得ることができ、これらの単量体として
は前記(A)成分の説明で例示したものから選ばれる1
種または2種以上が好ましく、これら各単量体の構成比
率は得られるアクリル樹脂[(B)成分]の酸価、水酸
基価およびエポキシ当量が上記範囲内に含まれるように
調整することが必要である。また、これらの単量体の共
重合は前記(A)成分について述べたと同様の方法で行
なうことができる。
【0015】(B)成分としてのアクリル樹脂におい
て、酸価は2〜10mgKOH/g の範囲内にあることが重要
であり、その酸価が2未満では(A)成分との相溶性が
悪くなり、逆に10を越えると該(B)成分の合成中に
カルボキシル基とエポキシ基との反応が進んで高分子量
化・ゲル化が起りやすい。また、該アクリル樹脂の水酸
基価は30mgKOH/g 以上、好ましくは35〜100mgKO
H/g の範囲内にあって、その水酸基価が30未満である
と(C)成分との架橋反応性が低下する。さらに、該ア
クリル樹脂のエポキシ当量は250〜2,500、好ま
しくは300〜1,500の範囲内にあることが望まし
く、エポキシ当量が2,500より多いと(A)成分の
カルボキシル基との反応性が低下し、塗膜の耐酸性が向
上せず、反対に250未満では(A)成分との相溶性が
低下しやすい。またアクリル樹脂[(B)成分]は3,
000〜30,000、好ましくは5,000〜20,
000の範囲内の数平均分子量をもつことができ、その
数平均分子量が3,000未満では塗膜の耐候性、耐水
性が劣り、30,000より大きくなると塗膜の仕上り
外観などが低下しやすい。
【0016】(C)成分: アミノ樹脂。 アミノ樹脂としては、例えば、メラミン、尿素、ベンゾ
グアナミン等の少なくとも1種と、ホルムアルデヒド類
とから合成されるメチロール化アミノ樹脂が包含され、
さらにメタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール、ブタノール等の低級1価アルコールによっ
てメチロール基の一部又は全部をアルキルエーテル化し
たものもアミノ樹脂として用いられる。
【0017】上記(A),(B)および(C)成分の構
成比率は厳密に制限されるものではなく、各成分の種類
や用途等に応じて変うるが、一般的には、まず、(A)
成分と(B)成分との比率は(A)成分のカルボキシル
基/(B)成分のエポキシ基のモル比に基づいて1/
0.5〜0.5/1、好ましくは1/0.6〜0.6/
1の範囲内とすることができ、この範囲から外れると塗
膜の耐溶剤性、付着性が低下しやすい。また、(C)成
分の配合比率は、(A),(B)および(C)成分の合
計量に基いて10〜40重量%、好ましくは15〜30
重量%の範囲内とすることができ、(C)成分が10重
量%より少ないと(C)成分と(A)成分、(B)成分
の水酸基との架橋反応が不充分となり、塗膜の耐溶剤性
が低下しやすく、反対に40重量%より多くなると塗膜
の耐酸性が劣る傾向がある。
【0018】上記(A),(B)および(C)成分を有
機溶剤に溶解もしくは分散させることにより本発明方法
に使用する有機溶剤希釈型クリヤ塗料を得ることができ
る。上記(A),(B)および(C)成分を溶解もしく
は分散させる有機溶剤としては、例えばキシレン、トル
エン、スワゾール1000(コスモ石油社製)等の芳香
族炭化水素系;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル
等のエステル系;アセトン、メチルエチルケトン等のケ
トン系;エチレングリコール、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
等のエーテル系等が挙げられる。これらの有機溶剤は1
種もしくは2種以上混合して使用できる。
【0019】本発明において使用されるクリヤ塗料に
は、さらに必要に応じて硬化触媒、粘度調整剤(例え
ば、有機モンモリナイト、ミクロゲル、ポリアミドな
ど)、塗面調整剤(例えばシリコン系、アクリル樹脂系
など)、紫外線吸収剤、ブロックポリイソシアネート化
合物などを通常の量で配合することができる。該硬化触
媒としては、水酸基とアミノ樹脂との架橋反応を促進さ
せるために、例えばジブチルリン酸等のリン酸系触媒
や、ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホ
ン酸等のアミンブロック強酸触媒等が有利に用いられ、
また、カルボキシル基とエポキシ基との架橋反応を促進
させるためには、例えば、テトラブチルアンモニウムク
ロライド等の4級アンモニウム塩、テトラフェニルホス
ホニウムクロライド等の4級ホスホニウム塩等が適して
いる。
【0020】クリヤー塗料に先立って塗装する熱硬化性
アクリル樹脂粉体塗料は、熱硬化性アクリル樹脂系の粉
体塗料であれば特に限定なく使用できるが、(a)アク
リル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル(アルキ
ル基は炭素数1〜12)、アクリル酸またはメタクリル
酸のグリシジルエステルおよび必要に応じて、これらと
共重合可能なビニル系単量体の共重合体であって、ガラ
ス転移温度が40〜90℃であるグリシジル基官能性ア
クリル樹脂及び(b)脂肪族二塩基酸を主成分とする熱
硬化性アクリル樹脂系粉体塗料が適切である。
【0021】上記グリシジル基官能性アクリル樹脂
(a)の製造に際しては懸濁重合法、溶液重合法、塊状
重合法などが適用できる。この際ガラス転移温度が40
℃よりも低い共重合体ではブロッキングを生じやすく、
一方、90℃より高い場合は平滑な塗膜が得られ難い。
グリシジル基含有モノマーの共重合比は20〜40重量
%程度が適当である。40重量%より多くしても、高価
になるばかりで塗膜物性の向上は望めず、一方、20重
量%に満たない場合は塗膜の架橋度が低く所望の塗膜物
性が得られにくい傾向がある。上記架橋剤である脂肪族
二塩基酸(b)としては、C4 〜C20の脂肪族二塩基酸
が適しており、中でもドデカン2酸が架橋密度を高めた
有機溶剤希釈型クリヤ塗料塗膜との密着性の点および粉
体塗料の貯蔵安定性・硬化性・塗膜性能からみて特に好
ましい。粉体塗料を製造するには、アクリル樹脂と硬化
剤、必要に応じて顔料、塗膜調整剤、硬化触媒等と共
に、例えば温度90〜130℃で溶触混練し、冷却後に
粉砕する方法などが適用できる。
【0022】本発明において被塗物としては、冷延鋼
板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、合金メ
ッキ鋼板、アルミニウム板、アルミニウムメッキ鋼板、
ステンレス鋼板、銅板、銅メッキ鋼板、錫メッキ鋼板等
の金属板が包含される。またこれらの金属板にリン酸塩
系やクロム酸塩系などの化成処理を施した表面処理板も
包含される。さらに、これらの金属板や表面処理板にプ
ライマー塗膜を電着塗装、スプレー塗装、ロール塗装な
どによって形成したもの、およびさらにこのプライマー
塗装板上にベースコート塗膜を形成したものも被塗物に
包含される。
【0023】本発明方法においては、上記被塗物上に前
記熱硬化性アクリル樹脂粉体塗料が乾燥膜厚で通常30
〜150ミクロン、好ましくは50〜100ミクロンの
範囲となるよう塗装され、通常140〜200℃、好ま
しくは160〜180℃で15〜40分間焼付される。
次いで粉体塗膜上に前記有機溶剤希釈型クリヤ塗料が乾
燥膜厚で通常10〜50ミクロン、好ましくは15〜3
0ミクロンの範囲となるよう塗装され、通常100〜1
80℃、好ましくは120〜170℃で10〜40分間
焼付けされ所期の多層塗膜が形成される。粉体塗膜の膜
厚が薄すぎると得られる多層塗膜の耐チッピング性が十
分でなくなり、一方、厚すぎると焼付け時にワキが発生
しやすくなる。また、有機溶剤希釈型クリヤ塗膜の膜厚
が薄すぎると塗膜の平滑性が悪くなり、一方、厚すぎる
とタレが発生し仕上り外観が低下する。
【0024】
【発明の効果】本発明方法は、粉体塗料によって容易に
厚膜を形成できるものであって、この工程は省資源、公
害対策に適応するものである。また粉体塗膜上に塗装す
る有機溶剤希釈型クリヤ塗料膜と粉体塗膜との密着性が
良好であり、かつ該クリヤ塗料膜は、焼付時に(A)成
分および(B)成分中の官能基間で、該成分間のカルボ
キシル基とエポキシ基との反応や該成分中の水酸基と
(C)成分であるアミノ樹脂との架橋反応に加えて、前
記カルボキシル基とエポキシ基の反応によって生成する
水酸基に対しても(C)成分のアミノ樹脂が反応するな
どの種々の架橋反応が起こり、非常に架橋密度の高い硬
化塗膜となり得るので、該クリヤ塗膜は粉体塗膜の重欠
陥である耐スリ傷性、耐酸性を著しく向上し、総合塗膜
は平滑性・鮮映性・光沢などの外観が優れ、耐候性・耐
薬品性・耐水性等の耐久性が良好で、耐チッピング性、
耐スリ傷性、耐酸性の優れたものである。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。なお、以下、「部」および「%」は重量基準に
よるものとする。
【0026】I.アクリル共重合体溶液の製造I−(1)(A)成分の製造例1〜4 撹拌機、温度計、コンデンサー及び窒素導入管を備えた
4ツ口フラスコにキシレン450部、n−ブタノール1
50部を仕込み100℃に加温する。ここに表1に示す
単量体成分を4時間で滴下した後、2時間100℃に保
ち、然る後に、キシロール400部で希釈し、固型分含
有率50%のアクリル共重合体(a−1)〜(a−4)
を得た。
【0027】I−(2)(B)成分の製造例5〜8 (A)成分の製造で用いたのと同様の反応装置にキシレ
ン300部、n−ブタノール300部を仕込み100℃
に加温する。これに表1に示す単量体成分を4時間で滴
下した後、2時間100℃に保ち、然る後にキシロール
400部で希釈し、固型分含有率50%を有するアクリ
ル共重合体(b−1)〜(b−4)を得た。
【0028】
【表1】
【0029】II.有機溶剤希釈型クリヤ塗料の製造 製造例で得た(A)および(B)成分にアミノ樹脂
[(C)成分]などを配合し、粘度調整して下記のとお
りクリヤ塗料を製造した。製造例9 クリヤ塗料(D−1): (a−1) 80部 (b−1) 80部 ユーバン20SE 30部 (三井東圧社製,ブチル化メラミン,固形分60%) 表面調整剤 0.1部 (ビツクケミ社製 BYK−300) 紫外線吸収剤 1.0部 (チバガイギー社製 チヌビン900) 上記混合物をスワゾール1000で希釈し、Ford
cup#4にて20℃で25秒の粘度に調整した。
【0030】製造例10 クリヤ塗料(D−2): (a−2) 90部 (b−2) 70部 サイメル303 20部 (三井サイアナミド,メトキシメラミン) NACURE 5225 2部 (キング社製 ドデシルベンゼンスルホン酸アミン中和物) 表面調整剤(BYK−300) 0.1部 紫外線吸収剤(チヌビン900) 1.0部 上記混合物を実施例1と同様に処理した。
【0031】製造例11 クリヤ塗料(D−3): (a−3) 80部 (b−3) 80部 ユーバン20SE 30部 表面調整剤(BYK−300) 0.1部 紫外線吸収剤(チヌビン900) 1.0部 テトラブチルアンモニウムクロライド 0.05部 上記混合物を実施例1と同様に処理した。
【0032】製造例12 クリヤ塗料(D−4): (a−1) 100部 (b−1) 30部 ユーバン20SE 40部 表面調整剤(BYK−300) 0.1部 紫外線吸収剤(チヌビン900) 1.0部 上記混合物を実施例1と同様に処理した。
【0033】製造例13 クリヤ塗料(D−5): (a−4) 80部 (b−4) 80部 ユーバン20SE 30部 表面調整剤(BYK−300) 0.1部 紫外線吸収剤(チヌビン900) 1.0部 上記混合物を実施例1と同様に処理した。
【0034】製造例14 クリヤ塗料(D−6): (a−1) 90部 (b−1) 90部 ユーバン20SE 12部 表面調整剤(BYK−300) 0.1部 紫外線吸収剤(チヌビン900) 1.0部 上記混合物を実施例1と同様に処理した。
【0035】III.粉体塗料の製造製造例15 粉体塗料(P−1) スチレン20部、メタクリル酸メチル33部、アクリル
酸ブチル22部、メタクリル酸グリシジル25部からな
る共重合体85部に対して、硬化剤としてドデカン2酸
を15部、塗面調整剤としてシリコンオイルKP322
(信越化学(株)製)0.05部、更に硬化促進剤とし
てジオクチル錫マレエート0.5部を予め乾式混合した
後、エキストルーダーを用いて100℃で溶融混練し、
冷却後、粒径10〜40μに粉砕して粉体塗料P−1を
得た。
【0036】製造例16 粉体塗料(P−2) スチレン15部、メタクリル酸メチル33部、アクリル
酸ブチル22部、メタクリル酸グリシジル30部からな
る共重合体85部に対して、硬化剤としてドデカン2酸
を15部、塗面調整剤としてシリコンオイルKP322
(信越化学(株)製)0.05部、更に硬化促進剤とし
てジオクチル錫マレエート0.5部およびチタン白JR
NC(テイカ(株)製)30部を予め乾式混合した後、
エキストルーダーを用いて100℃で溶融混練し、冷却
後、粒径10〜40μに粉砕して粉体塗料P−2を得
た。
【0037】塗装用素材(電着塗装板)の作成 100×300×0.8mmの冷間圧延鋼板(SPCC−
D)に脱脂剤ファインクリーナー4326TA(日本パ
ーカライジング(株)製)を用いて油分、汚れを除去
し、次いで化成皮膜剤パルボンド3004(日本パーカ
ライジング(株)製)を用いてリン酸亜鉛処理を行なっ
た物を部材とする。上記部材にエレクロン9600グレ
ー(関西ペイント(株)製、カチオン電着塗料)を乾燥
膜厚が25ミクロンになる条件で電着塗装を行い、水洗
後170℃−30分間加熱乾燥し電着塗装板を作成し
た。
【0038】実施例1〜3および比較例1 上記電着塗装板上に粉体塗料P−2を静電粉体塗装機
(GEMA−721型)を用いて加熱乾燥後の膜厚が6
0μになる条件で塗装し160℃−30分間焼付けた。
次いで、この塗板上に表2に示すように前記製造例で得
た有機溶剤型クリヤ塗料をエア式スプレーガン(ワイダ
ー W−71 岩田塗装機工業(株))を用いて乾燥膜
厚が20〜30ミクロンになる条件で塗装し、140℃
−30分間加熱乾燥させた。有機溶剤型クリヤ塗料を塗
装していないものを比較例1とした。
【0039】実施例4〜6および比較例2〜5 前記電着塗装板上に水性ベース用塗料アスカベークWT
−330(関西ペイント(株)製,アクリル−メラミン
樹脂塗料)をエア式スプレーガン(ワイダーW−71
岩田塗装機工業(株))を用いて乾燥膜厚が20〜30
ミクロンになる条件で塗装し、140℃−30分間加熱
乾燥させた。その後、実施例1と同様の方法で、表2に
示すように粉体塗料P−1および有機溶剤型クリヤを塗
装した。粉体塗料を塗装しないものを比較例2とした。
【0040】実施例1〜6および比較例1〜5で得た塗
装板について、下記方法に従って試験および評価を行な
った。試験結果を後記表2に示す。
【0041】試験及び評価方法 仕上がり性:塗面の平滑性、鮮映性および色調を目視で
総合的に調べ次の基準で表示する。 ○:非常に優れている。 △:やや劣る。 ×:劣る。 耐チッピング性:Q−G−Rグラベロメータ(Qパネル
社製)を用い7号砕石0.5kgを4kg/cm2 のエア圧、
20℃の温度条件で試験板に砕石を吹き付け、塗膜に衝
撃を与えた後、JIS Z2371−1988に規定さ
れた塩水噴霧試験方法準じて塩水噴霧試験を48時間実
施した。錆発生の状態を総合的に評価し次の基準で表示
する。 ○:優れている(7×7cmの試験板に錆発生 2個以
下) △:やや劣る (7×7cmの試験板に錆発生 3〜9
個) ×:劣る (7×7cmの試験板に錆発生 10個以
下)
【0042】耐スリ傷性:JIS K5400 7.6
(1990)に従い、試験板の初期光沢(20度鏡面反
射率)を測定し、その値をAとする。この試験板を学振
型摩擦堅牢度試験機の摩擦子の部分にネル布を取付け、
試験片に水/だるまクレンザー=4/6(クレンザーは
だるまクレンザー本舗製)に混合した液を2cc滴下し荷
重500gをかけ20回往復させた後、この塗板の光沢
(20度鏡面反射率)を測定し、その値をBとする。耐
スリ傷性を下記式による光沢保持率から以下の基準で表
示する。 ○:光沢保持率(%) 50< △:光沢保持率(%) 50〜20 ×:光沢保持率(%) 20>
【0043】耐酸性:40%硫酸水溶液に、試験板を1
/2浸漬し、50℃で5時間放置した後、水洗し塗面を
観察し次の基準で評価した。 ○:全く変化のないもの △:塗面に異常はないが、浸漬部と非浸漬部の境界にわ
ずかに段差が認められるもの ×:塗面が白化したもの
【0044】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B05D 7/14 B05D 7/14 L C09D 133/00 C09D 133/00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 1/00 - 7/26 C09D 1/00 - 201/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被塗面に熱硬化性アクリル樹脂粉体塗料
    を塗装し、溶融又は硬化させて形成した塗面上に有機溶
    剤希釈型クリヤ塗料を塗装する方法であって、該クリヤ
    塗料が、(A)同一分子中にカルボキシル基、水酸基お
    よびエポキシ基を含有し、かつ酸価が15〜150mgKO
    H/g 、水酸基価が30mgKOH/g 以上、エポキシ当量が3
    000〜15000g/eqおよび数平均分子量が3,00
    0〜30,000であるアクリル樹脂、(B)同一分子
    中にカルボキシル基、水酸基およびエポキシ基を含有
    し、かつ酸価が2〜10mgKOH/g 、水酸基価が30mgKO
    H/g 以上、エポキシ当量が250〜2500g/eqおよび
    数平均分子量が3,000〜30,000であるアクリ
    ル樹脂、および(C)アミノ樹脂を主成分とし、そして
    (A)成分のカルボキシル基/(B)成分のエポキシ基
    モル比が1/0.5〜0.5/1であって、かつ(C)
    成分を(A),(B)および(C)成分の合計量に基づ
    いて10〜40重量%含有することを特徴とする塗装仕
    上げ方法。
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