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JP2928647B2 - 鉄−コバルト系焼結磁性材料の製造方法 - Google Patents

鉄−コバルト系焼結磁性材料の製造方法

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JP2928647B2
JP2928647B2 JP1023091A JP1023091A JP2928647B2 JP 2928647 B2 JP2928647 B2 JP 2928647B2 JP 1023091 A JP1023091 A JP 1023091A JP 1023091 A JP1023091 A JP 1023091A JP 2928647 B2 JP2928647 B2 JP 2928647B2
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JP
Japan
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phase
heat treatment
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iron
temperature
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JP1023091A
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宏 木原
英樹 荒井
茂昭 緒方
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、軟磁気特性に優れた
鉄‐コバルト系焼結磁性材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄‐コバルト系焼結磁性材料は、磁性材
料中最高の飽和磁束密度を有するため、ヨーク用磁性材
料として有望である。特に、バナジウムを添加した鉄‐
コバルト系焼結磁性材料は体積固有抵抗値が大きく、鉄
損が抑えられるため極めて優れた材料である。しかしな
がら、この材料は通常の機械加工(切削加工等)が非常
に困難であり、そのため粉末冶金法を用いて製造する試
みがなされている。そして、この粉末冶金法のうち特に
金属粉末射出成形法は、通常の粉末冶金法に比べて微細
な原料粉末を用いることから、焼結密度が高く飽和磁束
密度の高い焼結体が得られ、しかも複雑形状に成形でき
るため、鉄‐コバルト系焼結磁性材料の製造方法として
より適したものであると言われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
金属粉末射出成形方法では焼結密度をより高めるため焼
結温度を高くするので、得られる焼結体の結晶粒が不均
質となり易く、そのため保磁力が大きくなるなど軟磁気
特性が低下するといった問題がある。このような結晶粒
の不均質化を改善するため、従来では射出成形後の鉄‐
コバルト系焼結磁性材料を、室温で安定なα相から高温
で安定なγ相へ変態する温度以下である850℃近辺で
熱処理を施していた。しかし、このような熱処理では圧
延等を行なった材料に比べ再結晶する駆動力が小さく、
得られる磁性材料は均粒となり難いため、圧延処理に比
較して軟磁性特性改善の十分な効果が上げられないとい
った不満がある。
【0004】本発明は前記課題に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、焼結体の結晶粒を均質に
して軟磁性特性を改善し得る、鉄‐コバルト系焼結磁性
材料を製造するための方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明における請求項1
記載の鉄‐コバルト系焼結磁性材料の製造方法では、コ
バルトが40〜60重量%、バナジウムが1.0〜2.5
重量%、残部が鉄および不可避不純物からなる原料粉末
を成形し、焼結して鉄‐コバルト系焼結磁性材料を製造
するに際し、焼結後、950℃以上1200℃以下の温
度で第1の熱処理を行ない、その後750℃以上850
℃以下の温度で第2の熱処理を行なうことを前記課題の
解決手段とした。また、請求項2記載の鉄‐コバルト系
焼結磁性材料の製造方法では、前記第1の熱処理の後、
950℃未満に冷却する操作を50℃/分以下の冷却速
度で行なうことを前記課題の解決手段とした。
【0006】以下、本発明を詳しく説明する。まず、コ
バルトが40〜60重量%、バナジウムが1.0〜2.5
重量%、残部が鉄および不可避不純物からなる原料粉末
を用意する。ここで、原料粉末の組成として前記範囲を
選んだ理由は、コバルト量が40重量%未満では得られ
る磁性体の透磁率が低くなり、一方60重量%を越える
と飽和磁束密度が小さくなるためであり、またバナジウ
ム量が1.0重量%未満では磁性体の体積固有抵抗値が
小さくなり、一方2.5重量%を越えると保磁力が大き
くなるためである。また、この原料粉末の粒度として
は、高い焼結密度を得るため微細なものが好ましく、具
体的には平均粒径が5〜15μm程度のものが望まし
い。
【0007】次に、前記原料粉末を所定形状に成形す
る。成形方法については特に限定されないが、微細な粉
末を使用することができ、よって高い焼結密度を得るこ
とができる金属粉末射出成形法が好適である。さらに、
得られた成形体を焼結して焼結体を得る。焼結条件は特
に限定されないが、焼結体の密度は磁気特性に大きく影
響することから焼結体密度を98%以上にすることが好
ましく、そのためには1300℃以上の焼結温度で焼結
するか、あるいはHIP(熱間静水圧加圧)処理を行なう
ことなどによって焼結体密度を上げるのが望ましい。
【0008】次いで、得られた焼結体をさらに熱処理す
る。この熱処理は2工程からなるもので、第1の熱処理
は850℃以上1200℃以下の温度で行ない、また第
2の熱処理は第1の熱処理の後750℃以上850℃以
下の温度で行なう処理法である。ここで、焼結後の熱処
理を2工程で行なう理由は以下に述べる通りである。
【0009】鉄‐コバルト系焼結体の結晶相は、約95
0℃以上ではγ相であり、焼結終了後冷却過程において
低温で安定なα相へと変態する。γ相からα相へと変態
する場合、γ相の粒界等がα相の生成の核となるが、こ
の例のごとく通常は焼結体密度を上げるため高温で焼結
していることから、γ相の結晶粒が粗大になる。したが
って、α相の生成の核が少なくなってγ相からα相への
変態が進みにくくなることから、冷却速度を遅くしても
α相の結晶粒が不均質となることが避けられないのであ
る。そして、こうして生じた不均質なα相の結晶粒は、
たとえα相域で焼鈍を行なっても消すことが非常に困難
である。すなわち、鉄‐コバルト焼結磁性材料の組成で
はα相の上限の温度が約850℃程度であり、そのよう
な温度では加工歪み等の駆動力がなければ再結晶や粒成
長が起こり難いからである。
【0010】そこで、本発明における第1の熱処理工程
では、不均質なα相を消すため焼結体を一旦950℃以
上1200℃以下の温度に昇温し、不均質なα相をγ相
へと変態させるのである。ここで、熱処理温度を950
℃以上としたのはγ相単相としてα相を消すためであ
り、一方1200℃以下としたのはγ相の成長を防ぐた
めである。そして、このときに生じたγ相はα相から変
態することにより、焼結工程でのγ相に比べて細かく均
一なものとなる。そのため、この熱処理温度から再びα
相へ冷却されたとき、α相の生成の核が十分多いことか
ら均質な結晶粒が得られるのである。なお、この第1の
熱処理の時間としては、実際の熱処理温度や処理量によ
っても異なるものの、15分〜1時間程度が好適とされ
る。
【0011】さらに、第2の熱処理工程では、焼結体か
ら残留γ相を消し、変態によって生じた歪みを除去する
ため750℃以上850℃以下の温度で熱処理を行な
う。ここで、850℃以下としたのはγ相を全て変態さ
せてα単相にするためであり、一方750℃以上とした
のはこれ未満の温度ではγ相からのα相への変態が十分
行なえないからである。なお、この第2の熱処理の時間
としては、第1の熱処理と同様に実際の熱処理温度や処
理量によっても異なるものの、1〜3時間程度が好適と
される。
【0012】また、第1の熱処理の後、第2の熱処理を
行なうまで、すなわち750〜850℃にまで冷却する
操作については、焼結体に生じる歪みを小さくするため
50℃/分以下の冷却速度で行なうのが望ましい。な
お、前記第1の熱処理および第2の熱処理の雰囲気とし
ては、いずれも還元性雰囲気、不活性雰囲気、真空雰囲
気などとするのが好ましい。
【0013】
【作用】本発明における請求項1記載の鉄‐コバルト焼
結磁性材料の製造方法によれば、焼結後に950℃以上
1200℃以下の温度で行なう第1の熱処理を行ない、
さらにその後、750℃以上850℃以下の温度で第2
の工程を行なうため、第1の熱処理によって不均質なα
相がγ相へと変態し、さらに第2の熱処理によって残留
γ相が消され、変態によって生じた歪みが除去され、こ
れにより焼結体の結晶粒が均質となる。また、請求項2
記載の鉄‐コバルト焼結磁性材料の製造方法によれば、
焼結体に生じる歪みが小さくなる。
【0014】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに具体的に説
明する。原料粉末として、平均粒径8.6μmのFe‐Co‐
V水アトマイズ粉末(Co;49.2重量%、V;2.2重量
%、残部Fe)を用意し、この原料粉末にポリメタクリル
酸エステル等のバインダーを12重量部加えて混練し、
混練物を得た。次に、得られた混練物を射出温度165
℃、射出圧力1000kg/cm2の条件で成形し、リング
状の成形体を得た。さらに、この成形体を不活性雰囲気
中で脱脂し、脱脂体を得た。次いで、得られた脱脂体を
1×10-3Torr以下の真空雰囲気中で900℃まで昇温
し、さらに水素を導入して水素雰囲気とした後、最高温
度1400℃まで昇温して2時間焼結を行ない、焼結体
を得た。
【0015】次いで、得られた焼結体を三つ用意し、昇
温速度10℃/分でこれらをそれぞれ950℃(実施例
1)、1000℃(実施例2)、1200℃(実施例
3)にまで昇温し、その状態で1時間保持して第1の熱
処理を行なった。さらに、2℃/分で850℃まで冷却
し、その状態で2時間保持して第2の熱処理を行なっ
た。その後、10℃/分で室温まで冷却して本発明の鉄
‐コバルト系焼結磁性材料を3種得た。また、比較例と
して、焼結後1400℃で熱処理した後、850℃で再
度熱処理したもの(比較例1)と、焼結後850℃の熱
処理だけを行なったもの(比較例2)を作製した。得ら
れた磁性材料の磁束密度と保磁力とを調べ、その結果を
第1表に示す。
【0016】 第1表に示した結果より、本発明の実施例品1,2,3
はいずれも、比較品1,2に比べ磁束密度B25、保磁力Hc
ともに優れていることが確認された。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明における鉄
‐コバルト系焼結材料の製造方法は、第1の熱処理によ
って不均質なα相をγ相へと変態させ、さらに第2の熱
処理によって残留γ相を消し、変態によって生じた歪み
を除去する方法であるから、焼結体の結晶粒を均質にし
て磁気特性に優れた焼結体を得ることができ、これによ
り優れた軟磁性材料を製造することができる。また、請
求項2記載の鉄‐コバルト焼結磁性材料の製造方法によ
れば、焼結体に生じる歪みを小さくすることができ、こ
れにより一層磁気特性に優れた軟磁性材料を製造するこ
とができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−125835(JP,A) 特開 昭62−63617(JP,A) 特開 昭52−103699(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22F 3/00 - 3/24 C22C 33/02,19/07

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コバルトが40〜60重量%、バナジウ
    ムが1.0〜2.5重量%、残部が鉄および不可避不純物
    からなる原料粉末を成形し、焼結して鉄‐コバルト系焼
    結磁性材料を製造する方法であって、焼結後、950℃
    以上1200℃以下の温度で第1の熱処理を行ない、そ
    の後750℃以上850℃以下の温度で第2の熱処理を
    行なうことを特徴とする鉄‐コバルト系焼結磁性材料の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の鉄‐コバルト系焼結磁性
    材料の製造方法において、第1の熱処理の後、950℃
    未満に冷却する操作を50℃/分以下の冷却速度で行な
    うことを特徴とする鉄‐コバルト系焼結磁性材料の製造
    方法。
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