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JP2000045025A - 圧延珪素鋼の製造方法 - Google Patents

圧延珪素鋼の製造方法

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Publication number
JP2000045025A
JP2000045025A JP11150783A JP15078399A JP2000045025A JP 2000045025 A JP2000045025 A JP 2000045025A JP 11150783 A JP11150783 A JP 11150783A JP 15078399 A JP15078399 A JP 15078399A JP 2000045025 A JP2000045025 A JP 2000045025A
Authority
JP
Japan
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silicon steel
sintered body
rolling
rolled
enriched
Prior art date
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Pending
Application number
JP11150783A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Yamashita
治 山下
Akira Makita
顕 槇田
Masao Nomi
正夫 能見
Tsunekazu Saigo
恒和 西郷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Special Metals Co Ltd filed Critical Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に圧延前の焼結珪素鋼板中にFeリッチな
相を残存させることが可能で、Feリッチ相の優れた展延
性を有効に活用することにより、該珪素鋼板を熱処理、
熱間圧延、焼き鈍しの工程を繰り返すことなく、珪素鋼
板をそのまま連続で均一に冷間圧延できる、圧延珪素鋼
板の製造方法を提供。 【解決手段】 純Fe粉末とFe‐Si粉末を所定の割合で配
合した混合粉を粉末冶金的手法で作製し、焼結体中にFe
リッチ相を残存させることにより、該結晶粒の塑性変形
を利用して冷間圧延が可能になり、また予めTi,V,Al等
の非磁性金属元素を僅かに添加すると、焼き鈍し時にFe
リッチ相とSiリッチ相が固溶しやすくなり、また結晶粒
の粒成長を促進させることかでき、しかも作製した鋼板
の磁気特性は従来の溶製材とほぼ同等になり、磁気特性
の優れた珪素鋼板が作製できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、冷間圧延が困難
なSiの含有量が3〜10wt%の珪素鋼の冷間圧延を可能にす
る圧延珪素鋼の製造方法に係り、予めFeリッチな主相と
Fe‐Si相からなる厚み5mm以下の薄板状の焼結体を作製
し、Feリッチ相の結晶粒の優れた展延性を利用して塑性
変形させることにより、そのまま冷間庄延することを可
能にし、磁気特性の優れた珪素鋼板が得られる圧延珪素
鋼の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、変圧器や回転機の鉄芯、磁気シー
ルド材、電磁石などの種々用途に広く利用される圧延珪
素鋼板のほとんどは、鋼中のSi含有量3wt%以下の珪素塊
に熱処理、熱間圧延、焼き鈍しの工程を繰り返し施して
製造されている。珪素鋼の透磁率は、Si含有量が6wt%程
度のとき最大となることが知られているが、鋼中にSiを
3wt%以上含有する珪素鋼の圧延は、従来から圧延時のワ
レ発生により困難とされてきた。
【0003】このため、Mn,Ni等の磁性不純物を添加して溶
解塊の平均結晶粒径を微細化して圧延する方法(K.Narit
a and M.Enokizono : IEEE. Trans. Magn. 14(1978)25
8)も提案されたが、これらの磁性不純物が珪素鋼板の磁
気特性を低下させるという問題があり、汎用されるには
至らなかった。
【0004】また、Fe中にSiを3wt%含有する溶解塊を従来工
程で圧延後、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により
Siを含浸させて、所望の組成を有する珪素鋼板、例えば
Si含有量0.5wt%の珪素鋼板を作製する方法(V.Takada,.
M.Abe,.S.Masuda and J.Inagaki : J.Appl. Phys. 64(1
988)5367.)も提案、実行されているが、CVD法に多大の
工程を要してコストが高く、その用途は自ずと限定され
ている状況である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、鋼中に3wt%以
下のSiを含有する珪素鋼の溶解塊は、FeとSiが完全に固
溶した相からなり、圧延による塑性変形は主に各結晶粒
内のすべり変形によって起きている。
【0006】しかしSi含有量が3wt%を超える場合には、Feと
Siが完全に固溶した結晶粒は非常に硬くて脆いために、
熱間圧延、冷間圧延を問わず圧延時にヒビ、ワレが発生
し、圧延自体ほとんど不可能であった。
【0007】この発明は、従来不可能であるとされていたSi
含有量が3wt%を超える珪素鋼の圧延を実現することを目
的とし、圧延前の珪素鋼中にFeリッチな相を残存させ、
Feリッチ相の優れた展延性を有効に活用することによ
り、従来のごとく珪素鋼を熱処理、熱間圧延、焼き鈍し
の工程を繰り返すことなく、得られた珪素鋼をそのまま
連続で均一に冷間圧延可能にした、圧延珪素鋼の製造方
法を提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、Si含有量が
3wt%を超える珪素鋼板の圧延方法に際し、圧延前の珪素
鋼素材に、Feリッチな相を残存させた焼結体を使用し
て、Feリッチな相を有する結晶粒の展延性を利用して塑
性変形させることにより、冷間圧延が可能になると考え
た。
【0009】発明者らは、上記の着想を基に冷間圧延性の良
好な珪素鋼の圧延素材について種々検討した結果、結晶
粒内の組成に着目し、従来の溶融徐冷してFeとSiが完全
に固溶した相の結晶粒と違って、Feリッチな相とSiリッ
チなFe‐Si固溶体相を有する混合相となし、展延性に富
んだFeリッチ相を残存させた焼結珪素鋼板を作製し、こ
れを冷間圧延することにより圧延が可能であり、また特
に該鋼材の板厚を5mm以下とし、さらに平行度を0.5mm以
下とすることによって比較的容易に圧延できることを知
見し、この発明を完成した。
【0010】また、発明者らは、焼結体の製造方法として、
Fe粉末とFe‐Si粉末を所定の割合で配合した混合粉を粉
末冶金的手法で焼結することにより、所望の平均結晶粒
径を有する焼結体を作製可能であり、粉末冶金的手法と
しては、金属射出成形、圧粉成形、スラリー状にして流
し込むスリップキャスト成形等で成形した後、所定の温
度で焼結する方法、またはホットプレスやプラズマ焼結
等の熱間成形法により作製する方法が採用できることを
知見した。
【0011】さらに、発明者らは、圧延後の焼き鈍しにおい
て、Feリッチ相とSiリッチ相を完全に固溶させること
と、平均結晶粒径を粗大化して保磁力を低下させて磁気
特性の優れた薄板の圧延珪素鋼を作製することを目的
に、予めTi、Al、V等を少量添加しておくと、圧延後の
焼き鈍し時に平均結晶粒径が粗大化しやすくなることを
知見し、この発明を完成した。
【0012】すなわち、この発明は、原料に非磁性金属を少
量添加し、さらにFeリッチな相を有する厚み5mm以下の
焼結珪素鋼の薄板を作製した後、冷間圧延、焼き鈍しを
することにより、非常に薄くて磁気特性にも優れた薄板
が得られる圧延珪素鋼の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】使用原料 この発明において、対象とする珪素鋼の成分としては、
鋼中のSiの含有量が3〜10wt%の所要組成からなることを
特徴とする珪素鋼である。すなわち、従来、Siの含有量
が3wt%以上では圧延できないため、本願発明の対象をSi
が3wt%以上とするが、10wt%を超えると材料の磁束密度
の低下が著しい、よって、3〜10wt%の範囲とする。
【0014】この発明において、冷間圧延後の焼き鈍し時に
Feリッチ相とSiリッチ相を完全に固溶させて、結晶粒の
粒成長を促進するために、不純物元素としてTi,Al,Vを
焼結後の含有量が0.01〜1.0wt%となるように添加する
と、磁気特性の良好な圧延珪素鋼板が得られ、添加成
分、添加量は用途に応じて適宜選定するとよい。Ti,Al,
Vの含有量は、0.01wt%未満では粒成長の効果が十分でな
く、1.0wt%を超えると磁気特性が低下するため、0.01〜
1.0wt%の範囲とする。
【0015】かかる原料としては、所望組成よりも多くのSi
を含有した、脆性破壊しやすい成分のFe‐Si化合物のガ
スアトマイズ粉末、あるいは該成分を有するインゴット
を粗粉砕してジェットミル粉砕した粉末とカーボニル鉄
粉を所定の割合で配合した混合粉末が望ましい。
【0016】また、使用するFe-Si化合物としては、β 相の
Fe2Si化合物やε 相のFeSi化合物、さらにζ β 相のFe
Si2化合物が脆性破壊しやすいので特に好ましい。
【0017】Fe‐Si化合物中のSi含有量としては、20wt%〜5
1wt%が好ましい。Si含有量がこの範囲を超えると非常に
酸化しやすくなり、後の冷間圧延時にヒビ、ワレを起こ
しやすくなり、また磁気特性の劣化を引き起こす。
【0018】Fe‐Si化合物粉末の平均粒度が3μm未満では、
粉末自体に多量の酸素を含有し、焼結体が硬くまた脆く
なるので、冷間圧延時にヒビ、ワレが発生しやすくなっ
たり、また磁気特性が劣化したりする。また平均粒度が
100μmを超える場合は、焼結体がポーラスになりやすく
焼結密度が低下するので、これも冷間庄延時のヒビ、ワ
レ発生の原因になる。したがって平均粒度は3〜100μm
が最も望ましい。
【0019】一方、カーボニル鉄粉は市販の3〜10μmの粒径
を有し、できるだけ酸素含有量の少ない粉末が望まし
い。いずれにしてもFe粉とFe‐Si化合物粉の混合粉末の
含有酸素量は、少なければ少ないほど良いが、少なくと
も3000ppm以下が望ましい。
【0020】圧延前の珪素鋼 圧延前の焼結体の作製には、粉末冶金的手法が採用でき
るが、金属射出成形、圧粉成形、スリップキャスト法等
による焼結体あるいはホットプレスやプラズマ焼結等の
熱間成形法による焼結体の作製が適している。具体的に
は、金属射出成形、圧粉成形、スリップキャスト成形
は、珪素鋼粉末にバインダーを添加し成形する方法であ
り、成形後、脱バインダー、焼結を行って作成する方法
である。また、熱間成形法は、炭素金型の中に原料粉末
を入れ、熱間中(1000℃〜1300℃)で圧力をかけて成形と
焼成を同時に行う方法である。
【0021】得られた焼結珪素鋼は、Feリッチな主相とSiリ
ッチなFe‐Si固溶体相を有する混合相であって、展延性
に富んだFeリッチな相が多く生成したものとなる。なお
ここでは、相中のSi量が6.5%を超える場合をSiリッチ、
これを超えない場合をFeリッチと呼ぶ。
【0022】一般に、Siを多く含有する珪素鋼粉末は、非常
に酸化し易く、また成形用にバインダーを使用すると特
に酸化したり、炭化したりするので、脱バインダーと焼
結時の雰囲気制御は不可欠である。また、酸化や炭化し
た焼結体は硬く、脆くなるので、冷間圧延すると、ヒ
ビ、ワレが発生すると同時に焼き鈍し後の磁気特性も著
しく低下する。このために焼結体中に含まれる酸素量と
炭素量は、それぞれ3000ppmと200ppm以下が望ましい。
【0023】焼結温度は、混合粉の成分、平均粒度、成形密
度等によって異なるが、一般的には1000℃から1150℃の
温度で不活性ガス雰囲気中、水素ガス雰囲気中、真空中
等成形方法に応じて適宜選定するとよい。しかし、でき
るかぎり焼結時の変形を防止しなければ、冷間圧延時の
ヒビ、ワレ発生の原因になる。
【0024】特に、焼結後に展延性に富んだFeリッチ相を残
存させるために、本来の焼結温度よりやや低い温度で焼
結させることが重要である。焼結時には、できるかぎり
焼結時の変形を防止し、50mm長さに対する平行度を0.5m
m以下に抑えると、冷間圧延時のヒビ、ワレ発生を防止
できる。
【0025】圧延 珪素鋼は、一般の金属と比べて硬くて脆い性質があるた
めに、冷間圧延用のロール径とその周速度は、圧延前の
板厚とその平行度によって変える必要がある。つまり圧
延前の板厚が厚く、平行度が悪ければ、小さいロール径
で、しかも低周速度で圧延することが望ましい。
【0026】しかし、逆に板厚が薄く平行度さえよければ、
この条件はかなり緩和される。特に熱間圧延の場合に
は、珪素鋼は塑性変形しやすくなるので、ロール径と周
速度の条件は、冷間圧延に比べて大幅に緩和される。冷
間圧延前に熱間圧延をすることは有効であるが、最終的
には冷間圧延を行わなければ、薄板の圧延は不可能とな
る。表面層が酸化し磁気特性が劣化するためである。
【0027】この発明において、Feリッチ相を有する珪素鋼
の場合、圧延前の板厚が5mm以下で平行度0.5mm(50mmの
長さに対する)以下の珪素鋼板では、ロール径は80mm以
下で、ロール周速度60mm/sec以下の条件であれば、冷間
圧延の際に焼き鈍し工程を入れずに、ヒビ、ワレが起き
ずに冷間圧延できる。
【0028】この発明において、圧延前の珪素鋼は、その平
均結晶粒径が300μm以下、板厚を5mm以下であることが
望ましい。焼結体の厚みが5mmを超える場合には、表面
のみに圧延応力(引っ張り応力)がかかり、焼結体の内部
には応力がかからないため、割れが発生するが、5mm以
下の場合には、表面と内部にかかる応力が均一化して圧
延が可能となる。
【0029】この発明において、さらに珪素鋼板の板厚が1m
m以下になれば、ロール径の更に小さいロールで圧延し
た方が、圧延効率と厚み寸法精度が向上し、しかもヒ
ビ、ワレも発生しにくくなる傾向がある。
【0030】特に、珪素鋼のFeリッチ相が無くなって完全に
固溶した場合には、ロール径とロール周速度に関係な
く、圧延時にヒビ、ワレが発生する。また珪素鋼中のSi
含有量が10wt%を超える場合には、珪素鋼中にFeリッチ
相を残存させるのが難しくなり、ほとんど固溶するため
に、冷間圧延時に必ずヒビ、ワレが発生する。
【0031】また、上記のこの発明方法で圧延した珪素鋼板
は、圧延後に切断機、打抜機による加工が可能であるた
めに、種々の形状の製品対応が可能である。
【0032】この発明によるFeリッチ相による塑性変形を利
用した圧延珪素鋼板は、通常の(110)面を集合組織とす
る方向性珪素鋼板とは違って、(100)面を集合組織とす
る方向性珪素鋼板の特徴を有する。
【0033】焼き鈍し この発明による圧延珪素鋼の焼き鈍しは、圧延完了後の
磁気特性向上のために、Feリッチ相とSiリッチ相を完全
に固溶させると同時に、結晶粒を粗大化させるために行
うものである。すなわち、従来では、圧延珪素鋼板の焼
き鈍しは、圧延時のヒビ、ワレ防止のために、何回か圧
延した後に必ず行われているが、この発明では、磁壁移
動の障害となる結晶粒界を減らし、保磁力を低下させて
透磁率の向上と鉄損の低下を目的に、結晶粒径の粗大化
を狙ったものである。
【0034】この焼き鈍しの温度は、圧延率(=圧延後の板厚
/圧延前の板厚×100(%))と圧延間の焼結体の焼結温度に
よって変わる。焼き鈍しの温度は、非磁性元素の添加物
と添加量によっても影響されるが、低い温度で焼結した
鋼板で圧延率の高い圧延鋼板では、1200〜1300℃が適し
ており、逆に高い温度で焼結した鋼板で圧延率の低い圧
延鋼板では、1150〜1250℃の僅かに低い温度が適してい
る。
【0035】この焼き鈍し温度が高過ぎると、結晶粒が異常
粒成長しすぎて鋼板が非常に脆くなり、逆に温度が低過
ぎると、Feリッチ相とSiリッチ相が固溶せずに、また結
晶粒も成長しないために、磁気特性が向上しなくなるの
で、上記温度が最適温度である。
【0036】上記温度での焼き鈍しによってFeリッチ相とSi
リッチ相が完全に固溶し、その平均結晶粒径は、約0.5
〜3mmにまで成長させることができる。この焼き鈍しに
よって磁気特性は、通常の溶製材に近い特性が得られる
ことを確認した。
【0037】また、この発明において、圧延後の珪素鋼板
は、切断、打抜等の加工が可能であり、各種用途に応じ
て種々の形状の製品が作製できるので、低コストで高特
性、高寸法精度の珪素鋼板の作製が可能である利点を有
する。
【0038】さらに、この発明の圧延珪素鋼板は、(100)面
を集合組織とする方向性珪素鋼板であるために、無方性
珪素鋼板に比べて透磁率と磁束密度が大きいという特徴
も有する。
【0039】
【実施例】実施例1 焼結珪素鋼の原料粉末として、表1に示すような成分のF
e‐Si化合物になるように高周波溶解してインゴットを
作製した後、粗粉砕、ジェットミル粉砕して表1に示す
ような平均粒度の粉末を作製した。また鉄粉末として表
1に示すような成分と平均粒度のカーボニル鉄粉を使用
した。
【0040】Fe‐Si化合物粉末とカーポニル鉄粉を表2に示
すような割合で配合した後、Vコーンで混合した。各混
合粉末に表3に示すような添加量でPVA(ポリビニルアル
コール)バインダー、水、可塑剤を添加し、スラリー状
となし、該スラリーを完全密閉型スプレードライヤー装
置により窒素ガスで熱風入口温度100℃、出口温度40℃
に設定して造粒を行った。
【0041】平均粒径約100μmの該造粒粉を圧縮プレス機で
圧力2ton/cm2で表3に示すような形状に圧粉成形した
後、真空中と水素中で表4に示すような脱バインダー、
焼結温度で焼結を行って表5に示す寸法の焼結体を得
た。得られた焼結体のFeリッチ相の含有率、残留酸素
量、残留炭素量、平均結晶粒径、相対密度を表5に示
す。このFeリッチ相の含有率は、FeSi化合物の特有の最
大X線回折強度と体心立方構造(bcc)を有する珪素鋼の(1
10)回折強度比で相対評価した。
【0042】表5に示す寸法の焼結体をまず60mmφの2段ロー
ルで、ロール周速度60mm/secで圧延率50%まで冷間圧延
した後、さらに20mmφの4段ロールにより同一ロール周
速度で0.10mmまで冷間圧延した。その圧延状態を表6に
示す。表6中の圧延状態で、◎は非常に良好、〇は良
好、△は圧延板の端面にヒビ発生、×は全面にワレ発生
を表す。
【0043】また、圧延後、20mmφ×10mmφ×0.1mmtのリン
グを打ち抜いて表6に示すような焼き鈍し温度で熱処理
をした後、直流磁気特性と周波数5kHzでの鉄損を測定し
た。その結果を表7に示す。磁気特性の比較例として、F
e-6.5Siの溶製材の磁気特性を表7に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
【表7】
【0051】
【発明の効果】この発明によれば、従来から製造困難と
されてきた珪素鋼板を冷間圧延によって製造することが
可能となり、極めて薄い珪素鋼が容易に量産できる。ま
た、透磁率が最もすぐれたSi含有量が6wt%程度溶製材と
同等の優れた磁気特性を有する薄板が得られる。従っ
て、今後トランスやヨーク材等、広範囲にわたってその
用途は飛躍的に拡大する。
【0052】また、この発明による圧延珪素鋼板は、圧延後
の切断、打抜等の加工が可能であり、各種用途に応じて
種々の形状の薄板の製品が作製できるので、低コストで
高特性、高寸法精度の珪素鋼薄板の作製が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B22F 3/24 C22C 33/02 L C22C 33/02 H01F 1/16 A (72)発明者 能見 正夫 大阪府三島郡島本町江川2丁目15−17 住 友特殊金属株式会社山崎製作所内 (72)発明者 西郷 恒和 大阪府三島郡島本町江川2丁目15−17 住 友特殊金属株式会社山崎製作所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Feリッチな相とSiリッチなFe‐Si固溶体
    相を有する焼結体を得る工程、前記焼結体素材を冷間圧
    延する工程、前記冷間圧延材を焼き鈍しする工程を含む
    圧延珪素鋼の製造方法。
  2. 【請求項2】 焼結体におけるSiの含有量が3〜10wt%で
    ある請求項1に記載の圧延珪素鋼の製造方法。
  3. 【請求項3】 焼結体に微量成分としてTi,Al,Vを単独も
    しくは複合で0.01〜1.0wt%含有する請求項1または請求
    項2に記載の圧延珪素鋼の製造方法。
  4. 【請求項4】 焼結体の厚みが5mm以下である請求項1〜
    請求項3のいずれかに記載の圧延珪素鋼の製造方法。
  5. 【請求項5】 焼結体は、粉末射出成形、圧粉成形、ス
    リップキャスト法により成形して焼結する粉末冶金法、
    またはホットプレスやプラズマ焼結等の熱間成形法にて
    作製し、焼結体中にFeリッチな相を残存させた焼結体で
    ある請求項4に記載の圧延珪素鋼の製造方法。
JP11150783A 1998-05-29 1999-05-28 圧延珪素鋼の製造方法 Pending JP2000045025A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7435304B2 (en) 2002-11-11 2008-10-14 Posco Coating composition, and method for manufacturing high silicon electrical steel sheet using thereof
JP2010095748A (ja) * 2008-10-15 2010-04-30 Babcock Hitachi Kk 鉄−ケイ素系金属間化合物からなる溶射用粉末とその製造方法、溶射用粉末からなる溶射皮膜及び該溶射皮膜が被覆された基材
JP2019019382A (ja) * 2017-07-18 2019-02-07 新日鐵住金株式会社 低合金鋼

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