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JP2880232B2 - 磁気記録媒体用バインダー樹脂組成物 - Google Patents

磁気記録媒体用バインダー樹脂組成物

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JP2880232B2
JP2880232B2 JP2058950A JP5895090A JP2880232B2 JP 2880232 B2 JP2880232 B2 JP 2880232B2 JP 2058950 A JP2058950 A JP 2058950A JP 5895090 A JP5895090 A JP 5895090A JP 2880232 B2 JP2880232 B2 JP 2880232B2
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行淳 古宮
広治 平井
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KURARE KK
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KURARE KK
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は磁気記録媒体用バインダー樹脂組成物に関す
る。本発明は、特に機械的強度、耐湿熱性および低温で
の特性に優れ、かつ磁性粉の分散性および磁性塗膜表面
の平滑牲に優れた磁気記録媒体用バインダー樹脂組成
物、並びに該組成物を配合した磁性塗料に関する。
[従来の技術] オーディオテープ、ビデオテープ、フロッピーディス
ク、磁気カードなどの磁気記録媒体は、磁性粉末、バイ
ンダー(結合剤)、有機溶剤および各種添加剤からなる
磁性塗料をポリエステルフィルム等の非磁性支持体上に
塗布、乾燥することにより得られる。このような磁気記
録媒体に高再生出力、高SN比等の優れた電気特性を付与
するためには、磁性塗膜のバインダー中に磁性粒子を均
一に分散できること、磁性塗膜表面が高度の平滑性を有
すること、および優れた耐久性を有することが必要であ
る。これらの特性が比較的良好なバインダーとして、塩
化ビニル−酢酸ビニル−ポリビニルアルコール共重合
体、線状ポリウレタン樹脂等が広く用いられているが、
いずれも磁気記録媒体用バインダーとして未だ充分なも
のとはいえない。
これらのうち熱可塑性の線状ポリウレタン樹脂は、両
末端に水酸基を有する長鎖ポリオールと有機ジイソシア
ネートおよび比較的低分子量の2個の活性水素を有する
鎖伸長剤と称するジアミン、ジオール等とを反応させて
合成されている。かかる両末端に水酸基を有する長鎖ポ
リオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエー
テルポリオールあるいはポリカーボネートポリオールが
主として使用されている。
このようなポリエステルポリオールとしては、一般に
エチレングリコールまたは1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール等とアジピン酸から合成されるポリエ
ステルポリオールが挙げられる。また、ポリエーテル系
ポリオールとしてはエチレンオキサイドやプロピレンオ
キサイドの重合体あるいは共重合体、さらにはテトラヒ
ドロフランの開環重合体であるポリテトラメチレンエー
テルグリコール等が使用される。またポリカーボネート
ポリオールとしては、1,6−ヘキサンジオールをジオー
ル成分とするポリカーボネートなどが用いられている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、これらの長鎖ポリオールを用いたウレ
タン樹脂は、磁性粉末の分散性および磁性塗膜の表面平
滑性が充分ではない。また上記のポリエステル系ポリオ
ールを用いたポリウレタン樹脂は、耐水性および耐湿熱
性が低く、ポリエーテル系ポリオールを用いたポリウレ
タン樹脂は、エーテル結合を含有しているため酸化劣化
が生じやすく耐熱牲が低い。一方、上記ポリカーボネー
ト系ポリオールを用いたポリウレタン樹脂は、低温にお
ける柔軟性に問題を有している。
また、特開昭61−157516号および63−193913号公報に
は、ポリオール成分としてポリカプロラクトンポリオー
ルあるいはポリメチルバレロラクトンポリオールを用い
たポリウレタン樹脂について開示されているが、これら
も未だ充分な物性を有するものではない。
本発明の目的は、機械的強度、耐湿熱性、低温におけ
る物性およびコバインダーとの相溶性に優れ、かつ磁性
粉の分散牲および磁性塗膜表面の平滑牲に優れた磁気記
録媒体用ポリウレタン系バインダー樹脂組成物を提供す
ることにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、分子内に2個以上の活性水素を有するポリ
ヒドロキシ化合物とポリイソシアネート化合物との反応
で得られるポリウレタン樹脂を含む磁気記録媒体用バイ
ンダー樹脂組成物において、前記ポリヒドロキシ化合物
が1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジ
オールおよび3−メチル−1,5−ペンタンジオールから
選ばれた少なくとも2種のジオール成分を含有するポリ
エステルポリオールおよび/またはポリカーボネートポ
リオールを含むことを特徴とする磁気記録媒体用バイン
ダー樹脂組成物およびこれを配合した磁性塗料を提供す
るものである。
(i)ポリヒドロキシ化合物 前記ポリヒドロキシ化合物は1分子中に2個以上の活
性水素を有し、特定のジオール成分を用いたポリエステ
ルポリオール、ポリエーテルポリオールまたはこれらの
混合物を含む。
(a)ジオール成分 前記ポリエステルポリオールおよびポリカーボネート
ポリオールは、特定のジオール成分、すなわち1,9−ノ
ナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオールお
よび3−メチル1,5−ペンタンジオールの中から少なく
とも2種以上をジオール成分として用いる。かかるジオ
ールは2種以上を用いることが必要である。いずれか1
種のジオールを用いた場合は、本発明の目的とするバイ
ンダー樹脂組成物を与えるポリウレタン樹脂は得られな
い。
本発明においてポリエステルポリオールおよびポリカ
ーボネートポリオール中の前記ジオール成分(以下、単
に特定ジオール成分ということもある)は、全グリコー
ルおよびトリオール中に多いはど好ましく、全グリコー
ルおよびトリオール成分の30モル%以上、好ましくは50
モル%以上であり、100モル%あってもよい。前記特定
ジオール成分の使用量が30モル%未満であると、本発明
の目的とするバインダー樹脂組成物を与えるポリウレタ
ン樹脂は得られない。
これらジオールと併用されるグリコールとしては、例
えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4
−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペン
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカン
ジオール等炭素数2−12のジオールが挙げられ、これら
は2種以上を混合して使用することができる。
2より大きい官能基数を持つ高分子ポリオールを製造
するためには、該ポリオールに要する水酸基の数に応じ
て例えばトリメチロールプロパンやデカントリオール等
を使用することが必要である。
(b)カルボン酸成分、カーボネート成分 ポリエステルポリオールの製造に用いられるジカルボ
ン酸成分は、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
ドデカン二酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタ
ル酸、イソフタル酸および1,5−ナフタレンジカルボン
酸などの炭素数3〜14の脂肪族、脂環族および芳香族ジ
カルボン酸が挙げられ、好ましくはアジピン酸およびア
ゼライン酸が挙げられる。これらのジカルボン酸は単独
でもまた2種以上混合しても使用できる。
かかるポリエステルポリオールは、いかなる方法によ
って製造してもよい。例えばポリエチレンテレフタレー
トまたはポリブチレンテレフタレートの製造において用
いられる公知の方法と同様の方法、すなわちエステル化
とそれに続く溶融重縮合反応を用いればばよい。
またポリカーボネートポリオールの製造方法も特に制
限がなく公知の方法がいずれも用いられてよい。例えば
ジフェニルカーボネートとビスフェノールAからのポリ
カーボネートの製造において用いられている公知の方法
と同様の方法、すなわちエステル交換反応を用いてよ
い。ジカーボネート化合物としては、ジフェニルカーボ
ネートなどのジアリールカーボネート、ジエチルカーボ
ネートなどのジアルキルカーボネートまたは、エチレン
カーボネートおよびプロピレンカーボネートが好まし
い。その他の製造方法としてホスゲンまたはクロル蟻酸
エステルと反応させる方法も知られている。
また、さらに磁性粉の分散性改良を目的としてポリエ
ステルポリオールおよびポリカーボネートポリオール分
子内に官能基を導入してもよい。ジメチルプロピオン酸
等のカルボキシル基またはN−メチルジエタノールアミ
ン等の第三級アミンを有するグリコール類またはスルホ
イソフタル酸ナトリウム等分散性改良剤として従来公知
の種々の官能基を有する化合物が使用できる。
本発明で使用される前記ジオール成分を用いたポリエ
ステルポリオールおよび/またはポリカーボネートポリ
オールは数平均分子量250〜10,000、好ましくは250〜5,
000である。
分子量が250未満であると低温特性が充分ではなく、
一方10,000を越えると力学的性能が不充分となる。
本発明において、分子内に2個以上の活性水素を有す
るポリヒドロキシ化合物として、前記ポリエステルポリ
オールおよび/またはポリカーボネートポリオールを用
いることが必要であるが、他の活性水素を有する化合物
を併用してもよい。
このような分子内に2個以上の活性水素を有する他の
化合物としては、通常分子量50〜10,000を有するものが
用いられ、一般にポリウレタン製造用として使用される
公知のポリヒドロキシ化合物、例えば低分子グリコール
類、ポリエーテル類、ポリエステル類が使用可能であ
る。
低分子グリコール類としてはエチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピ
レングエリコール、1、3−ブタンジオール、1、4−
ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、1、6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1、9−ノナンジオール、2−メチル1、8−オク
タンジオール、N−アルキルジエタノールアミン、ビス
フェノールA等が使用される。さらにジメチロールプロ
ピオン酸等のカルボキシル基を有するグリコール類また
はスルホイソフタル酸ナトリウムとエチレングリコール
との反応生成物等のスルホン酸金属塩基含有グリコール
類等も一部混合使用することも可能である。
ポリエーテル類としては例えば酸化エチレン、テトラ
ヒドロフラン等の重合生成物もしくは共重合体等が挙げ
られる。
ポリエステル類としては前記低分子グリコールと二塩
基酸とから脱水縮合反応によって得られるポリエステル
類および各種ラクトンを前記低分子グリコールの存在下
で開環重合したポリエステル類および各種ラクトンを前
記低分子グリコールの存在下で開環重合したポリエステ
ル類が挙げられる。
本発明において、前記特定ジオール成分を用いたポリ
エステルポリオールおよび/またはポリカーボネートポ
リオールの含有量は2個以上の活性水素を有するポリヒ
ドロキシ化合物全量に対して、少なくとも20重量%含有
していることが望ましく、20重量%より少ないと耐湿熱
性、低温での物性、磁性粉の分散牲が充分発揮できな
い。
(ii)ポリイソシアネート化合物 本発明で分子内に2個以上の活性水素を有するポリヒ
ドロキシ化合物(i)と反応させて、ポリウレタン樹脂
を製造するのに使用される適当な有機ポリイソシアネー
トとしては、かかる分野に公知の脂肪族、脂環族または
芳香族の有機ポリイソシアネートが挙げられる。具体的
には、例えば4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トルイレ
ンジイソシアネート、2,6−トルイレンジイソシアネー
ト、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、ω,ω′−ジイソシアネー
トジメチルシクロヘキサン、4,4′−ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネート等のジイソシアネート、トリメ
チロールプロパンまたはグリセリン1モルに3モルのジ
イソシアネートが付加したトリイソシアネート等が挙げ
られる。
これらのポリイソシアナート化合物のうち芳香族環を
有するジイソシアネート化合物を用いたポリウレタン樹
脂の場合、特にジフェニルメタンジイソシアネート、ト
ルイレンジイソシアネートを用いたポリウレタン樹脂
は、磁性塗膜の耐久性が特に優れている。
また、ポリイソシアネート化合物のうちシクロヘキシ
ル基を有するジイソシアネート化合物を用いたポリウレ
タン樹脂の場合、特にイソホロンジイソシアネートを用
いたポリウレタン樹脂は、磁性粉の分散牲および磁性塗
膜表面の平滑性が特に優れている。
(iii)鎖伸長剤 ポリウレタン樹脂の製造に用いられる鎖伸長剤として
は、かかる分野に従来公知の連鎖成長剤、すなわちイソ
シアネートと反応し得る水素原子を少なくとも2個含有
する分子量400以下の低分子化合物、例えばエチレング
レコール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、キシリレン
グリコール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベ
ンゼン、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレー
ト、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタ
ン、イソホロンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニル
メタン、ヒドラジン、ジヒドラジド、エチレンジアミ
ン、ピペラジン、トリメチロールプロパン、グリセリン
等が挙げられる。これらの化合物は単独でまたは、2種
以上を混合して用いてもよい。
また鎖伸長剤として前記のポリヒドロキシ化合物を使
用することも可能である。
(iv)その他のポリウレタン製造用成分 本発明においてポリウレタン樹脂を製造する際の溶媒
としては、通常イソシアネート基に不活性なメチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素溶剤;また
はテトラヒドロフラン等が用いられる。
本発明にて用いるポリウレタン樹脂は常法により製造
することができるが、反応に用いられる触媒としては通
常のウレタン化反応触媒であるスズ系、鉄系、三級アミ
ン系の触媒が挙げられる。スズ系触媒としては、ジブチ
ルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート、ジブチ
ルチンジオクトエート、スタナスオクトエート等があ
る。鉄系触媒としては鉄アセチルアセトネート、塩化第
二鉄等がある。三級アミン系触媒としては、トリエチル
アミン、トリエチレンジアミンがある。
(ポリウレタン樹脂の製造) 前記ポリヒドロキシ化合物(i)とポリイソシアネー
ト化合物(ii)からポリウレタン樹脂を製造するには、
ポリウレタン樹脂の重合度、使用する原料の種類などを
考慮し従来公知の適宜の製造法を用ればよい。例えば必
要に応じ、通常イソシアネート基に不活性な溶媒を用
い、さらに必要であれば、通常のウレタン化触媒を用い
て10〜150℃、好ましくは20〜130℃の温度範囲で活性水
素を有する前記ポリヒドロキシ化合物と化学量論的に過
剰の前記ポリイソシアネート化合物とを反応させて末端
にイソシアネート基を有するプレポリマーを製造し、つ
いで鎖延長剤であるジオール、ジアミン、トリオール等
を反応させて末端に水酸基を含有するポリウレタン樹脂
を得る方法、あるいは化学量論的に水酸基過剰の仕込量
でポリヒドロキシ化合物、鎖延長剤およびポリイソシア
ネート化合物を同時に反応させて末端水酸基のポリウレ
タン樹脂を得る方法などが挙げられる。また鎖延長剤を
用いないでポリイソシアネート化合物とポリヒドロキシ
化合物を反応させて末端水酸基のポリウレタン樹脂を得
る方法なども採用してもよい。
このようにして得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂
は、重量平均分子量5,000〜200,000、好ましくは8,000
〜150,000である。重量平均分子量が5,000未満ではポリ
ウレタン樹脂の機械的性質が劣り磁気記録媒体の耐久牲
も悪くなる。また、分子量が200,000を越えると磁性粉
の分散性および磁性塗膜表面の平滑性が悪くなる。
(磁性塗料および磁気記録媒体の製造) 本発明のバインダー樹脂組成物には、前記熱可塑性ポ
リウレタン樹脂に加え架橋剤として低分子量ポリイソシ
アネート化合物を加えてもよい。このような低分子量ポ
リイソシアネート化合物としては、例えばバイエル社製
の商品名デスモデュールL、デスモデュールN、日本ポ
リウレタン工業(株)製の商品名コロネートL、コロネ
ートHL等がある。
これらの低分子量ポリイソシアネート化合物は、バイ
ンダー樹脂全量の3〜50重量%の割合で使用される。さ
らに、通常のバインダー成分として用いられる塩化ビニ
ル−酢酸ビニル系共重合体、ニトロセルロース、エポキ
シ樹脂、フェノキシ樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂等
を混合してもよい。
磁性粉としては、従来公知の磁気記録媒体用磁性粉、
例えば、γ−酸化鉄、合金磁性粉、CrO2、メタル磁性粉
等を用いる。
本発明の磁性塗料は、前記バインダー樹脂、磁性粉、
さらに必要に応じ適宜の添加剤を混合し、これらを適当
な有機溶剤と混練して調製される。得られた磁性塗料を
常法によりフィルム状、シート状、テープ状、ディスク
状等の非磁性支持体表面に塗布した後、乾燥することに
より磁気記録媒体が製造される。
磁性塗料の調製に用いられる各種の添加剤としては、
例えば帯電防止剤、カーボンブラック、潤滑剤、非磁性
無機顔料等が挙げられる。
また、非磁性支持体としては、ポリエステル(例え
ば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリアミド、ポリ
オレフィン、セルロース誘導体、非磁性の金属、紙等が
使用される。
なお、上記説明においては、ポリウレタン樹脂を磁気
記録媒体の磁性層として使用する場合について記載した
が、本発明のポリウレタン樹脂組成物は、磁性層の他、
磁気記録媒体のいわゆるトップコート層(磁性層の上面
層)、バックコート層(ベースフィルムの下面層)、ア
ンダーコート層(磁性層とべースフィルムの中間層)と
して用いてもよい。
[実施例] 次に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
また、ポリウレタン樹脂の平均分子量は標準ポリスチレ
ンを用いたGPC曲線より算出した。
製造例1(ポリエステルジオールの製造) 2−メチル−1,8−オクタンジオール(MOD)および1,
9−ノナンジオール(ND)の混合物(モル比:MOD/ND=35
/65)1600g及びアジピン酸1220g(ジオール/アジピン
酸のモル比:1.3/1.0)を常圧下に窒素ガスを通じつつ約
220℃にて縮合水を留去しながらエステル化を行った。
ポリエステルの酸価が0.3以下になった時真空ポンプに
より徐々に真空度を上げ反応を完結させた。こうして水
酸基価118、酸価0.20のポリエステルジオール(ポリエ
ステルA)を得た。得られたポリエステルジオールの分
子量は950であった。
製造例2〜10(ポリエステルジオールの製造) 第1表に示すジオール成分およびそのモル比、並びに
ジカルボン酸成分およびそのモル比を用いた以外は製造
例1と同様にして第1表に示すポリエステルジオール
(ポリエステルB〜J)を得た。
製造例11(ポリカーボネートジオールの製造) 窒素気流下、2−メチル−1,8−オクタンジオールと
1,9−ノナンジオールの混合物(ND/MODのモル比:65/3
5)1730gおよびジフェニルカーボネート2140g(ジオー
ル/カーボネートのモル比:1.08)よりなる混合物を加
熱し、200℃で反応系よりフェノールを留去した。温度
を徐々に210〜220℃に上げ、フェノールをほとんど留去
させたあと真空にし、6〜10mmHgの真空下で残りのフェ
ノールを完全に留去した。その結果水酸基価125、分子
量900のポリカーボネート(ポリカーボネートA)を得
た。
製造例12〜13 ジオール成分として第1表に示した化合物を用いた以
外は製造例11と同様にして第1表に示すポリカーボネー
トジオールを得た。
製造例14(ポリウレタン樹脂の製造) 温度計、撹拌機、滴下ロート、乾燥管付き冷却器等を
取り付けた四つ口フラスコに4,4−ジフェニルメタンジ
イソシアナート100g、メチルイソブチルケトン552gを仕
込み、内温を80℃にして撹拌した。これに前記ポリエス
テルA332.5gを滴下ロートより滴下し、滴下終了後80℃
で2時間加熱反応を行い、末端がイソシアナート基であ
るプレポリマーを合成した。引き続き、この反応物に1,
4−ブタンジオール5.4gを一度に添加した。添加後、90
℃で5時間加熱反応を行った。反応が終了したことは赤
外吸収スペクトルで2250cm-1のイソシアナート基の吸収
が消失したことによって確認した。得られたポリウレタ
ン樹脂のGPCによる数平均分子量は80,000であった。こ
れをポリウレタン樹脂Kとする。製造例15〜26(ポリウ
レタン樹脂の製造) ポリエステルAの代わりにポリエステルB〜Jまたは
ポリカーボネートA〜Cを用いた以外は製造例14と同様
にしてポリウレタン樹脂L〜Wを製造した。得られた樹
脂の重量平均分子量は、70,000〜90,000であった。
実施例1(磁性塗料および磁気記録媒体の製造) 成 分 重量部 ポリウレタン樹脂K 300 塩化ビニル−酢酸ビニル 80 −ビニルアルコール共重合体 レシチン 10 カーボンブラック 40 Co−γ−Fe2O3 740 メチルエチルケトン 900 メチルイソプチルケトン 400 シクロヘキサノン 400 上記組成の混合物をサンドグライドミル中にて6時間
混練した後、架橋剤としてコロネートL(日本ポリウレ
タン社製;TDIとトリメチロールプロパンの付加物)36部
を混合し、濾過して、磁性塗料を得た。
(評価方法) 鏡面光沢度: この磁性塗料をポリエチレンテレフタレートフィルム
上に乾燥後の膜厚が5μになるように塗布し、溶剤を熱
風乾燥機で除去したのち、カレンダーにかけ表面を平滑
にした。その後60℃で24時間加熱処理し、磁気記録媒体
を得た。得られた磁気記録体の磁性塗膜の60度鏡面光沢
度を測定した。鏡面光沢度はデジタル変角光沢計(スガ
試験機(株)製)により測定(入射角60℃/受光角60
℃)した。
物理的強度: ポリウレタン樹脂K100部に架橋剤として、コロネート
L(日本ポリウレタン社製)を11部加えた溶液を塗布
し、室温で30分間放置したのち80℃で4時間乾燥して得
られた膜厚100μの硬化フィルムの機械的物性、ならび
に70℃、相対湿度95%の温熱条件下で2週間経過(タバ
イ恒温恒湿試験機使用)後の硬化フィルムの機械的物性
を測定した。測定はオートグラフ((株)島津製作所
製)を用い、テストピースのチャック間長さ50mm、幅10
mm、厚さ100μにて行った。
低温特性: 硬化フィルムの動的粘弾性を測定し、E″のピーク温
度Tαを低温特性値とした。透明性: 上記の硬化フィルムを0℃の低温室に1週間放置し、
塗膜の濁りを観察した。
これらの結果をまとめて第1表に示す。
実施例2〜8および比較例1〜5 ポリウレタン樹脂Kの代わりにポリウレタン樹脂L〜
Wを使用し、実施例1と同様にして磁気記録媒体ならび
に硬化フィルムを製造した。得られた磁気記録媒体の表
面光沢度測定結果ならびに硬化フィルムの機械的物性、
温熱試験後の機械的物性、動的粘弾性ならびに低温下で
の透明性の結果を同様に第1表に示す。
[発明の効果] 本発明の磁気記録媒体用バインダー樹脂組成物は従来
品に比べて機械的強度、耐湿熱性、低温での特性および
磁性塗膜の表面平滑性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−36213(JP,A) 特開 平2−20514(JP,A) 特開 昭62−22817(JP,A) 特開 昭61−192775(JP,A) 特開 昭61−185520(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 18/42 - 18/44 C09D 5/23 C09D 175/04 - 175/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子内に2個以上の活性水素を有するポリ
    ヒドロキシ化合物とポリイソシアネート化合物との反応
    で得られるポリウレタン樹脂を含む磁気記録媒体用バイ
    ンダー樹脂組成物において、前記ポリヒドロキシ化合物
    が1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジ
    オールおよび3−メチル−1,5−ペンタンジオールから
    選ばれた少なくとも2種のジオール成分を含有するポリ
    エステルポリオールおよび/またはポリカーボネートポ
    リオールを含むことを特徴とする磁気記録媒体用バイン
    ダー樹脂組成物。
  2. 【請求項2】ポリヒドロキシ化合物の数平均分子量が25
    0〜10,000である前記靖求項1記載の磁気記録媒体用バ
    インダー樹脂組成物。
  3. 【請求項3】1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−
    オクタンジオールおよび3−メチル−1,5−ペンタンジ
    オールから選ばれたジオール成分が、ポリエステルポリ
    オールおよび/またはポリカーボネートポリオール中の
    全グリコールおよびトリオール成分の30重量%以上であ
    る前記請求項1記載の磁気記録媒体用バインダー樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】前記ポリエステルポリオールおよび/また
    はポリカーボネートポリオールの配合量が、ポリヒドロ
    キシ化合物全量に対して20重量%以上である前記請求項
    1記載の磁気記録媒体用バインダー樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記請求項1記載の磁気記録媒体用バイン
    ダー樹脂組成物を配合したことを特徴とする磁性塗料。
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