JP2801984B2 - 磁気光学記憶素子 - Google Patents
磁気光学記憶素子Info
- Publication number
- JP2801984B2 JP2801984B2 JP24872291A JP24872291A JP2801984B2 JP 2801984 B2 JP2801984 B2 JP 2801984B2 JP 24872291 A JP24872291 A JP 24872291A JP 24872291 A JP24872291 A JP 24872291A JP 2801984 B2 JP2801984 B2 JP 2801984B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- thin film
- rare earth
- transition metal
- magneto
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
- 239000010408 film Substances 0.000 claims description 40
- 239000010409 thin film Substances 0.000 claims description 28
- 239000000758 substrate Substances 0.000 claims description 16
- 229910052723 transition metal Inorganic materials 0.000 claims description 16
- 229910052761 rare earth metal Inorganic materials 0.000 claims description 6
- 150000002910 rare earth metals Chemical class 0.000 claims description 6
- 239000007769 metal material Substances 0.000 claims description 4
- 150000003624 transition metals Chemical class 0.000 claims description 4
- 230000002194 synthesizing effect Effects 0.000 claims 1
- 230000007797 corrosion Effects 0.000 description 5
- 238000005260 corrosion Methods 0.000 description 5
- 229910052737 gold Inorganic materials 0.000 description 5
- 229910004298 SiO 2 Inorganic materials 0.000 description 4
- 239000000428 dust Substances 0.000 description 4
- 239000000463 material Substances 0.000 description 4
- 229910052709 silver Inorganic materials 0.000 description 4
- 229910052802 copper Inorganic materials 0.000 description 3
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 3
- 239000000696 magnetic material Substances 0.000 description 3
- 230000005374 Kerr effect Effects 0.000 description 2
- 229910052782 aluminium Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000011161 development Methods 0.000 description 2
- 239000011521 glass Substances 0.000 description 2
- 230000005415 magnetization Effects 0.000 description 2
- 238000012827 research and development Methods 0.000 description 2
- 239000011347 resin Substances 0.000 description 2
- 229920005989 resin Polymers 0.000 description 2
- 230000035945 sensitivity Effects 0.000 description 2
- 239000004925 Acrylic resin Substances 0.000 description 1
- 229920000178 Acrylic resin Polymers 0.000 description 1
- 229910010413 TiO 2 Inorganic materials 0.000 description 1
- NIXOWILDQLNWCW-UHFFFAOYSA-N acrylic acid group Chemical group C(C=C)(=O)O NIXOWILDQLNWCW-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910052799 carbon Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000011248 coating agent Substances 0.000 description 1
- 238000000576 coating method Methods 0.000 description 1
- 239000013078 crystal Substances 0.000 description 1
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 1
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 1
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 1
- 230000001678 irradiating effect Effects 0.000 description 1
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 1
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 description 1
- 230000003647 oxidation Effects 0.000 description 1
- 238000007254 oxidation reaction Methods 0.000 description 1
- 229920000515 polycarbonate Polymers 0.000 description 1
- 239000004417 polycarbonate Substances 0.000 description 1
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 description 1
- LIVNPJMFVYWSIS-UHFFFAOYSA-N silicon monoxide Inorganic materials [Si-]#[O+] LIVNPJMFVYWSIS-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000011232 storage material Substances 0.000 description 1
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザ光により情報の記
録・再生・消去を行う磁気光学記憶素子に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、高密度・大容量・高速アクセス等
種々の要求を満足し得る光メモリ装置の研究開発が活発
に推進されている。 【0003】そして既に実用化に達したものとして、記
憶ディスクに微細ピット列を形成し各ピット部における
光ビームの回折現像を利用して再生信号を得る装置、及
び記憶媒体の反射率変化を利用して再生信号を得る装置
がある。しかしながらこれらの装置は再生専用である
か、又は再生及び情報の追加記憶が可能なものに留どま
り、不要な情報を消去し再記憶可能なものについては未
だ研究開発段階にある。 【0004】本発明は上記した、記憶した情報を消去し
新しい情報を再記憶出来る素子として期待される、記憶
材料として希土類一遷移金属の非晶質薄膜を用いた磁気
光学記憶素子に関するものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】磁気光学記憶素子は上
記の再記憶できるという利点を有する一方で再生信号レ
ベルが低いという欠点がある。特に磁気光学記憶素子か
らの反射光を利用して情報の再生を行う所謂カー効果再
生方式においてはカー回転角が小さいため信号雑音比
(S/N)を高めることが困難であった。その為従来で
は記憶媒体である磁性材料を改良したり、あるいは記憶
媒体上にSiOやSiO2の誘電体薄膜を形成したりし
てカー回転角を高める工夫がなされていた。後者の例と
して例えばTbFeの磁性体薄膜上にSiO膜を形成す
ることによってカー回転角が0.15度から0.6度に
増大した例が報告されている(IEEE Transa
ction Mag Vol−16 No5,1980
P1194)。 【0006】しかしながら上記SiOやSiO2の誘電
体薄膜では、磁性体に腐食の恐れのある場合はその腐食
の実質的な防御とはなり得なく、又1μm程度の小さな
ほこりやゴミが該誘電体薄膜に付着した場合は記録ビッ
ト径が1μm程度であるためビット検出が不可能にな
り、よって上記SiO,SiO2の誘電体薄膜を形成す
ることは実用に適さなかった。そして前記腐食の防御及
びほこりやゴミに対する対策の為には0.5〜2mm程
度のガラス又は透明樹脂を磁性体に被覆することが望ま
しい。しかしこの被覆材では当然ながらカー回転角の増
大は難しく従ってS/Nの増大の効果を得ることも困難
である。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は基板と、該基板より屈折率が大きい透明誘
電体膜と、膜厚が150Å近傍以上350Å以下の膜面
に垂直な磁化容易軸を有する希土類−遷移金属非晶質薄
膜と、金属材料からなる反射膜と、をこの順に形成し、
前記基板側から入射し前記希土類−遷移金属非晶質薄膜
の表面で反射される光と、前記希土類−遷移金属非晶質
薄膜を通り前記反射膜で反射され再び前記希土類−遷移
金属非晶質薄膜を通り抜けた光と、が合成されることに
よってカー回転角を向上せしめることを特徴とする磁気
光学記憶素子である。 【0008】 【作用】本発明は上記の構成を備えたことによって、光
を入射したときにそのカー回転角が増大され、十分に実
用的な磁気光学記憶素子を得る。 【0009】 【実施例】以下、本発明に係る磁気光学記憶素子の一実
施例を図面を用いて詳細に説明する。 【0010】図1は本発明に係る磁気光学記憶素子の一
実施例の側面断面図である。同図で1はガラス、アクリ
ル樹脂等の基板であり厚さは0.5〜2mm程度であ
る。この基板には図示されない凹凸状のガイドトラック
が形成される。2はGdTbFe,TbDyF,GdD
yFe等の、膜面に垂直な磁化容易軸を有する希土類ー
遷移金属非晶質薄膜である。3はAl,Au,Ag,C
u等の反射膜である。基板1側から入射した入射光は上
記非晶質薄膜2の表面で反射され、かつ上記非晶質薄膜
2を通り上記反射膜3で反射される。その為に上記二種
の反射光が合成されることになりカー効果とファラデー
効果が加わり、見かけのカー回転角は上記反射膜3が存
在しない場合に比べて極めて大きなものが得られる。そ
してその結果としてこの磁気光学記憶素子にレーザ光を
照射して得られる情報のS/Nは向上する。 【0011】上記カー回転角の増大率は、使用するレー
ザ光の波長、上記非晶質薄膜2の種類、該非晶質薄膜2
の膜厚及び上記反射膜3の種類によって変化する。 【0012】図2はGdTbFe非晶質薄膜2の膜厚と
カー回転角との関係を各種反射膜に関して示している。
但し、使用したレーザの波長は6328Åである。同図
において示されるカー回転角の値は、反射膜が無い場合
のGdTbFe非晶質薄膜のカー回転角が0.27°で
あることを考えれば、かなり大きく、反射膜を備えたこ
との優位性を表している。 【0013】又、同図では反射膜として膜厚の十分厚い
Al,Au,Cu,Agを用いた。Ag,Au,Cuを
用いた場合は、Alを用いた場合に比較してカー回転角
が大きくしかも互いに略同等の特性となる。これは反射
膜の屈折率の相違による現像である。 【0014】即ち、使用レーザの波長6328Åに於け
るAlの屈折率は1.6−5.4i,Agの屈折率は
0.18−3.3i,Auの屈折率は0.35−3.1
6i,Cuの屈折率は0.62−3.6iであり、A
g,Au,Cuの屈折率は比較的に近く、Alの屈折率
のみが離れた値を有する。この為、GbTbFe非晶質
薄膜の膜厚が350Å以下で、Ag,Au,Cuのいず
れかの反射膜の設けた場合カー回転角は非常に大きく、
上記非晶質薄膜の膜厚が150Å近傍でカー回転角は極
大値をとる。一方、図2に示されるように、反射膜がA
lの場合は他の金属材料に比べればカー回転角は若干小
さくなるが、これとても、GbTbFe非晶質薄膜の膜
厚が150Å近傍以上350Å以下では反射膜が無い場
合に比較してカー回転角が大きくなる。 【0015】 【0016】ここで図面には示されないが、磁気光学記
憶素子には基板1と非晶質薄膜2の間にSiO,TiO
2等の透明誘電体膜が設けられる。この透明誘電体膜の
屈折率は上記基板の屈折率より大きくされ、この透明誘
電体膜の膜厚は略λ/4n(λ:入射レーザ光の波長、
n:透明誘電体膜の屈折率)とされる。こうすれば上記
基板1より入射した光が上記透明誘電体膜の内部で干渉
しカー回転角が増大しS/Nが向上する。この透明誘電
体膜は基板1がアクリル、ポリカーボ等の樹脂の場合は
基板に水を含有する為、ゴミやホコリに対しては防御可
能だが腐食に対して十分な対応が不可能であるために特
に有効である。 【0017】更に、上記非晶質薄膜2と反射膜3の間に
はSiO,SiO2,TiO2,Si3N4等の断熱層を設
けることができる。こうして断熱層を設けると、記録時
に反射膜への熱の広がりを防ぎ、記録感度を向上するこ
とができる。 【0018】 【発明の効果】以上の本発明によれば、希土類ー遷移金
属非晶質薄膜の持つ本来の長所である、キューリ点が
低く記録感度が高い(その為小形化に不可欠な半導体レ
ーザによる記録が可能)、非晶質のため結晶粒界ノイ
ズがない(その為信号品質が高い)、という点を生かし
ながら、しかも元々希土類ー遷移金属非晶質薄膜自体で
はカー回転角を十分得ることができないという欠点を、
それまで膜厚の厚いものしか用いられなかった希土類ー
遷移金属非晶質薄膜の膜厚を敢えて150Å近傍以上で
350Å以下という極めて薄い膜としてその背後に反射
膜を設けることによってカー回転角を増大せしめたもの
である。 【0019】更に、その構造に加え基板より入射した光
が上記透明誘電体膜の内部で干渉しカー回転角が増大す
るという効果を有する。 【0020】更に、記録膜としては、上記,の大き
な長所によって希土類ー遷移金属を使うことの有用性に
は著しいものがあるものの、この材料には希少金属であ
る希土類金属が含まれているので、非常に高価なものと
なるが、本発明によればそれまで膜厚の厚いものしか用
いられなかった希土類ー遷移金属非晶質薄膜の膜厚を敢
えて150Å近傍以上で350Å以下という極めて薄い
膜としたので材料コストを極力安価に抑えることができ
る。 【0021】更に、記録膜として希土類ー遷移金属材料
を用いた場合、この材料は酸化、腐食により劣化しやす
いが、希土類遷移金属薄膜を透明誘電体と断熱層との間
に配置することで外気との接触を無くして、上記劣化を
回避でき、信頼性を改善することができる。 【0022】以上のように本発明は磁気光学記憶素子の
全体構造として、性能面、コスト面、信頼性のいずれの
点においても十分満足のいく構造を実現しており磁気光
学記憶素子の実用化に対して多大な貢献をするものであ
る。
録・再生・消去を行う磁気光学記憶素子に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、高密度・大容量・高速アクセス等
種々の要求を満足し得る光メモリ装置の研究開発が活発
に推進されている。 【0003】そして既に実用化に達したものとして、記
憶ディスクに微細ピット列を形成し各ピット部における
光ビームの回折現像を利用して再生信号を得る装置、及
び記憶媒体の反射率変化を利用して再生信号を得る装置
がある。しかしながらこれらの装置は再生専用である
か、又は再生及び情報の追加記憶が可能なものに留どま
り、不要な情報を消去し再記憶可能なものについては未
だ研究開発段階にある。 【0004】本発明は上記した、記憶した情報を消去し
新しい情報を再記憶出来る素子として期待される、記憶
材料として希土類一遷移金属の非晶質薄膜を用いた磁気
光学記憶素子に関するものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】磁気光学記憶素子は上
記の再記憶できるという利点を有する一方で再生信号レ
ベルが低いという欠点がある。特に磁気光学記憶素子か
らの反射光を利用して情報の再生を行う所謂カー効果再
生方式においてはカー回転角が小さいため信号雑音比
(S/N)を高めることが困難であった。その為従来で
は記憶媒体である磁性材料を改良したり、あるいは記憶
媒体上にSiOやSiO2の誘電体薄膜を形成したりし
てカー回転角を高める工夫がなされていた。後者の例と
して例えばTbFeの磁性体薄膜上にSiO膜を形成す
ることによってカー回転角が0.15度から0.6度に
増大した例が報告されている(IEEE Transa
ction Mag Vol−16 No5,1980
P1194)。 【0006】しかしながら上記SiOやSiO2の誘電
体薄膜では、磁性体に腐食の恐れのある場合はその腐食
の実質的な防御とはなり得なく、又1μm程度の小さな
ほこりやゴミが該誘電体薄膜に付着した場合は記録ビッ
ト径が1μm程度であるためビット検出が不可能にな
り、よって上記SiO,SiO2の誘電体薄膜を形成す
ることは実用に適さなかった。そして前記腐食の防御及
びほこりやゴミに対する対策の為には0.5〜2mm程
度のガラス又は透明樹脂を磁性体に被覆することが望ま
しい。しかしこの被覆材では当然ながらカー回転角の増
大は難しく従ってS/Nの増大の効果を得ることも困難
である。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は基板と、該基板より屈折率が大きい透明誘
電体膜と、膜厚が150Å近傍以上350Å以下の膜面
に垂直な磁化容易軸を有する希土類−遷移金属非晶質薄
膜と、金属材料からなる反射膜と、をこの順に形成し、
前記基板側から入射し前記希土類−遷移金属非晶質薄膜
の表面で反射される光と、前記希土類−遷移金属非晶質
薄膜を通り前記反射膜で反射され再び前記希土類−遷移
金属非晶質薄膜を通り抜けた光と、が合成されることに
よってカー回転角を向上せしめることを特徴とする磁気
光学記憶素子である。 【0008】 【作用】本発明は上記の構成を備えたことによって、光
を入射したときにそのカー回転角が増大され、十分に実
用的な磁気光学記憶素子を得る。 【0009】 【実施例】以下、本発明に係る磁気光学記憶素子の一実
施例を図面を用いて詳細に説明する。 【0010】図1は本発明に係る磁気光学記憶素子の一
実施例の側面断面図である。同図で1はガラス、アクリ
ル樹脂等の基板であり厚さは0.5〜2mm程度であ
る。この基板には図示されない凹凸状のガイドトラック
が形成される。2はGdTbFe,TbDyF,GdD
yFe等の、膜面に垂直な磁化容易軸を有する希土類ー
遷移金属非晶質薄膜である。3はAl,Au,Ag,C
u等の反射膜である。基板1側から入射した入射光は上
記非晶質薄膜2の表面で反射され、かつ上記非晶質薄膜
2を通り上記反射膜3で反射される。その為に上記二種
の反射光が合成されることになりカー効果とファラデー
効果が加わり、見かけのカー回転角は上記反射膜3が存
在しない場合に比べて極めて大きなものが得られる。そ
してその結果としてこの磁気光学記憶素子にレーザ光を
照射して得られる情報のS/Nは向上する。 【0011】上記カー回転角の増大率は、使用するレー
ザ光の波長、上記非晶質薄膜2の種類、該非晶質薄膜2
の膜厚及び上記反射膜3の種類によって変化する。 【0012】図2はGdTbFe非晶質薄膜2の膜厚と
カー回転角との関係を各種反射膜に関して示している。
但し、使用したレーザの波長は6328Åである。同図
において示されるカー回転角の値は、反射膜が無い場合
のGdTbFe非晶質薄膜のカー回転角が0.27°で
あることを考えれば、かなり大きく、反射膜を備えたこ
との優位性を表している。 【0013】又、同図では反射膜として膜厚の十分厚い
Al,Au,Cu,Agを用いた。Ag,Au,Cuを
用いた場合は、Alを用いた場合に比較してカー回転角
が大きくしかも互いに略同等の特性となる。これは反射
膜の屈折率の相違による現像である。 【0014】即ち、使用レーザの波長6328Åに於け
るAlの屈折率は1.6−5.4i,Agの屈折率は
0.18−3.3i,Auの屈折率は0.35−3.1
6i,Cuの屈折率は0.62−3.6iであり、A
g,Au,Cuの屈折率は比較的に近く、Alの屈折率
のみが離れた値を有する。この為、GbTbFe非晶質
薄膜の膜厚が350Å以下で、Ag,Au,Cuのいず
れかの反射膜の設けた場合カー回転角は非常に大きく、
上記非晶質薄膜の膜厚が150Å近傍でカー回転角は極
大値をとる。一方、図2に示されるように、反射膜がA
lの場合は他の金属材料に比べればカー回転角は若干小
さくなるが、これとても、GbTbFe非晶質薄膜の膜
厚が150Å近傍以上350Å以下では反射膜が無い場
合に比較してカー回転角が大きくなる。 【0015】 【0016】ここで図面には示されないが、磁気光学記
憶素子には基板1と非晶質薄膜2の間にSiO,TiO
2等の透明誘電体膜が設けられる。この透明誘電体膜の
屈折率は上記基板の屈折率より大きくされ、この透明誘
電体膜の膜厚は略λ/4n(λ:入射レーザ光の波長、
n:透明誘電体膜の屈折率)とされる。こうすれば上記
基板1より入射した光が上記透明誘電体膜の内部で干渉
しカー回転角が増大しS/Nが向上する。この透明誘電
体膜は基板1がアクリル、ポリカーボ等の樹脂の場合は
基板に水を含有する為、ゴミやホコリに対しては防御可
能だが腐食に対して十分な対応が不可能であるために特
に有効である。 【0017】更に、上記非晶質薄膜2と反射膜3の間に
はSiO,SiO2,TiO2,Si3N4等の断熱層を設
けることができる。こうして断熱層を設けると、記録時
に反射膜への熱の広がりを防ぎ、記録感度を向上するこ
とができる。 【0018】 【発明の効果】以上の本発明によれば、希土類ー遷移金
属非晶質薄膜の持つ本来の長所である、キューリ点が
低く記録感度が高い(その為小形化に不可欠な半導体レ
ーザによる記録が可能)、非晶質のため結晶粒界ノイ
ズがない(その為信号品質が高い)、という点を生かし
ながら、しかも元々希土類ー遷移金属非晶質薄膜自体で
はカー回転角を十分得ることができないという欠点を、
それまで膜厚の厚いものしか用いられなかった希土類ー
遷移金属非晶質薄膜の膜厚を敢えて150Å近傍以上で
350Å以下という極めて薄い膜としてその背後に反射
膜を設けることによってカー回転角を増大せしめたもの
である。 【0019】更に、その構造に加え基板より入射した光
が上記透明誘電体膜の内部で干渉しカー回転角が増大す
るという効果を有する。 【0020】更に、記録膜としては、上記,の大き
な長所によって希土類ー遷移金属を使うことの有用性に
は著しいものがあるものの、この材料には希少金属であ
る希土類金属が含まれているので、非常に高価なものと
なるが、本発明によればそれまで膜厚の厚いものしか用
いられなかった希土類ー遷移金属非晶質薄膜の膜厚を敢
えて150Å近傍以上で350Å以下という極めて薄い
膜としたので材料コストを極力安価に抑えることができ
る。 【0021】更に、記録膜として希土類ー遷移金属材料
を用いた場合、この材料は酸化、腐食により劣化しやす
いが、希土類遷移金属薄膜を透明誘電体と断熱層との間
に配置することで外気との接触を無くして、上記劣化を
回避でき、信頼性を改善することができる。 【0022】以上のように本発明は磁気光学記憶素子の
全体構造として、性能面、コスト面、信頼性のいずれの
点においても十分満足のいく構造を実現しており磁気光
学記憶素子の実用化に対して多大な貢献をするものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気光学記憶素子の一実施例の側
面断面図である。 【図2】磁気光学記憶素子の特性を示す図である。 【符号の説明】 1 基板 2 非晶質薄膜 3 反射膜
面断面図である。 【図2】磁気光学記憶素子の特性を示す図である。 【符号の説明】 1 基板 2 非晶質薄膜 3 反射膜
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭52−31703(JP,A)
特公 昭40−2619(JP,B1)
特公 昭39−10805(JP,B1)
(58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名)
G11B 11/10 506
G11B 11/10 523
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.基板と、 該基板より屈折率が大きい透明誘電体膜と、 膜厚が150Å近傍以上350Å以下の膜面に垂直な磁
化容易軸を有する希土類−遷移金属非晶質薄膜と、金属材料からなる反射膜と、をこの順に形成し、 前記基板側から入射し前記希土類−遷移金属非晶質薄膜
の表面で反射される光と、前記希土類−遷移金属非晶質
薄膜を通り前記反射膜で反射され再び前記希土類−遷移
金属非晶質薄膜を通り抜けた光と、が合成されることに
よってカー回転角を向上せしめることを特徴とする磁気
光学記憶素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24872291A JP2801984B2 (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | 磁気光学記憶素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24872291A JP2801984B2 (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | 磁気光学記憶素子 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10407181A Division JPS586541A (ja) | 1981-07-02 | 1981-07-02 | 磁気光学記憶素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0512734A JPH0512734A (ja) | 1993-01-22 |
JP2801984B2 true JP2801984B2 (ja) | 1998-09-21 |
Family
ID=17182376
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24872291A Expired - Lifetime JP2801984B2 (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | 磁気光学記憶素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2801984B2 (ja) |
-
1991
- 1991-09-27 JP JP24872291A patent/JP2801984B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0512734A (ja) | 1993-01-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4414650A (en) | Magneto-optic memory element | |
US4489139A (en) | Magneto-optic memory medium | |
JPS6227458B2 (ja) | ||
JPH0789414B2 (ja) | 光学記憶素子 | |
JPS586542A (ja) | 磁気光学記憶素子 | |
JPH0444333B2 (ja) | ||
JPH034974B2 (ja) | ||
JPH0263262B2 (ja) | ||
JP2801984B2 (ja) | 磁気光学記憶素子 | |
JPH02779B2 (ja) | ||
JPS5938950A (ja) | 磁気光学記憶素子 | |
JPH0479076B2 (ja) | ||
JP2921590B2 (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JPH0512778B2 (ja) | ||
JPS60209947A (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JPS60209946A (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JPH06349137A (ja) | 光学的または磁気光学的データ記憶媒体のためのアモルファスまたは準アモルファス膜構造、光学的データ記憶装置及びその製造方法 | |
JPH034973B2 (ja) | ||
JPH0458662B2 (ja) | ||
JPH04318346A (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JP2908911B2 (ja) | 磁気光学記憶素子 | |
JP2565884B2 (ja) | 磁気光学記憶素子 | |
JP2959645B2 (ja) | 光情報記録媒体 | |
JP2972901B2 (ja) | 光磁気記録媒体 | |
JP2787070B2 (ja) | 光磁気記録媒体 |