JP2750364B2 - 急勾配盛土 - Google Patents
急勾配盛土Info
- Publication number
- JP2750364B2 JP2750364B2 JP19602389A JP19602389A JP2750364B2 JP 2750364 B2 JP2750364 B2 JP 2750364B2 JP 19602389 A JP19602389 A JP 19602389A JP 19602389 A JP19602389 A JP 19602389A JP 2750364 B2 JP2750364 B2 JP 2750364B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- embankment
- geotextile
- slope
- retaining member
- steep
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 239000000463 material Substances 0.000 claims description 51
- 239000004746 geotextile Substances 0.000 claims description 50
- 230000000630 rising effect Effects 0.000 description 30
- 239000011435 rock Substances 0.000 description 22
- 239000000835 fiber Substances 0.000 description 14
- 238000010276 construction Methods 0.000 description 12
- 238000005096 rolling process Methods 0.000 description 6
- 238000004873 anchoring Methods 0.000 description 5
- 210000000078 claw Anatomy 0.000 description 5
- 238000000034 method Methods 0.000 description 5
- 101100008048 Caenorhabditis elegans cut-4 gene Proteins 0.000 description 4
- 239000002689 soil Substances 0.000 description 4
- 238000005266 casting Methods 0.000 description 3
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 3
- 239000004576 sand Substances 0.000 description 3
- 239000004568 cement Substances 0.000 description 2
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 238000004049 embossing Methods 0.000 description 2
- 238000009415 formwork Methods 0.000 description 2
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 2
- 238000010899 nucleation Methods 0.000 description 2
- 230000002787 reinforcement Effects 0.000 description 2
- 230000003014 reinforcing effect Effects 0.000 description 2
- 239000012779 reinforcing material Substances 0.000 description 2
- 239000002699 waste material Substances 0.000 description 2
- 230000001154 acute effect Effects 0.000 description 1
- 238000005056 compaction Methods 0.000 description 1
- 238000005260 corrosion Methods 0.000 description 1
- 230000007797 corrosion Effects 0.000 description 1
- 238000000151 deposition Methods 0.000 description 1
- 239000006185 dispersion Substances 0.000 description 1
- 239000003365 glass fiber Substances 0.000 description 1
- 238000010030 laminating Methods 0.000 description 1
- 230000008635 plant growth Effects 0.000 description 1
- 239000002861 polymer material Substances 0.000 description 1
- 238000002360 preparation method Methods 0.000 description 1
- 230000001105 regulatory effect Effects 0.000 description 1
- 239000011347 resin Substances 0.000 description 1
- 229920005989 resin Polymers 0.000 description 1
- 230000035040 seed growth Effects 0.000 description 1
- 230000009747 swallowing Effects 0.000 description 1
- 238000004804 winding Methods 0.000 description 1
Landscapes
- Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、山腹などの既存の傾斜面の外側に造成さ
れた急勾配の法面を有する急勾配盛土に関するものであ
る。
れた急勾配の法面を有する急勾配盛土に関するものであ
る。
「従来の技術」 従来、山腹などの傾斜面に道路などを構築する方法と
して、第15図に示すように、既存の傾斜面1の上部にお
いて表土2および岩盤3を削り取って切土4を設けるこ
とにより水平面Hを形成し、かつこの水平面Hを外側へ
拡大することにより道路等を設ける工法がある。そし
て、このような水平面Hを拡大する場合には、切土4の
下方の傾斜面1の表土2を取り去って岩盤3を露出さ
せ、次いでその岩盤3に多数のロックボルトR(または
ロックアンカー)を固定した後、その岩盤3の外側にコ
ンクリートCを打設して上記ロックボルトRにより岩盤
3に支持されたコンクリート構造体Kを構築し、そのコ
ンクリート構造体Kの上部および上記水平面H上に道路
等を設けるようにしていた。
して、第15図に示すように、既存の傾斜面1の上部にお
いて表土2および岩盤3を削り取って切土4を設けるこ
とにより水平面Hを形成し、かつこの水平面Hを外側へ
拡大することにより道路等を設ける工法がある。そし
て、このような水平面Hを拡大する場合には、切土4の
下方の傾斜面1の表土2を取り去って岩盤3を露出さ
せ、次いでその岩盤3に多数のロックボルトR(または
ロックアンカー)を固定した後、その岩盤3の外側にコ
ンクリートCを打設して上記ロックボルトRにより岩盤
3に支持されたコンクリート構造体Kを構築し、そのコ
ンクリート構造体Kの上部および上記水平面H上に道路
等を設けるようにしていた。
「発明が解決しようとする課題」 ところが、上記のように既存の傾斜面1の外側にコン
クリート構造体Kを構築する場合には、岩盤3に多数の
孔Hを形成してその孔HにロックボルトRを挿入した
後、その孔へのセメントペーストP等の注入により該ロ
ックボルトRを岩盤3に固定する必要があり、その作業
に大変手間が掛かる上、新たな構造体Kを全てコンクリ
ートCにより構築するため、その上方で切土4を形成し
たとき削り取った土砂を有効に活用することができない
という問題がある。その上、このような工法では、多量
のコンクリートを用いるためにコスト高になる上、コン
クリート打設等の型枠組立作業に手間が掛かるという施
工上の問題もあった。
クリート構造体Kを構築する場合には、岩盤3に多数の
孔Hを形成してその孔HにロックボルトRを挿入した
後、その孔へのセメントペーストP等の注入により該ロ
ックボルトRを岩盤3に固定する必要があり、その作業
に大変手間が掛かる上、新たな構造体Kを全てコンクリ
ートCにより構築するため、その上方で切土4を形成し
たとき削り取った土砂を有効に活用することができない
という問題がある。その上、このような工法では、多量
のコンクリートを用いるためにコスト高になる上、コン
クリート打設等の型枠組立作業に手間が掛かるという施
工上の問題もあった。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、山腹
等の既存の傾斜面に道路などを低コストで効率的に構築
することのできる急勾配盛土を提供することを目的とし
ている。
等の既存の傾斜面に道路などを低コストで効率的に構築
することのできる急勾配盛土を提供することを目的とし
ている。
「課題を解決するための手段」 この発明の急勾配盛土は、既存の傾斜面の外側に造成
された急勾配の法面を有する盛土であって、該傾斜面の
外側に盛られた盛土材料中に略水平状態でジオテキスタ
イルが敷設されていると共に、上記傾斜面に沿って自硬
性強化盛土材からなる定着層が形成されてこの定着層中
に上記ジオテキスタイルの傾斜面側の端部が埋設され、
かつ、上記ジオテキスタイル上に上記傾斜面と間隔を隔
てて土留部材が配設されているものである。
された急勾配の法面を有する盛土であって、該傾斜面の
外側に盛られた盛土材料中に略水平状態でジオテキスタ
イルが敷設されていると共に、上記傾斜面に沿って自硬
性強化盛土材からなる定着層が形成されてこの定着層中
に上記ジオテキスタイルの傾斜面側の端部が埋設され、
かつ、上記ジオテキスタイル上に上記傾斜面と間隔を隔
てて土留部材が配設されているものである。
「作用」 この発明の急勾配盛土は、既存の傾斜面の外側に盛ら
れた盛土材中に略水平状態でジオテキスタイルが敷設さ
れていると共に、上記傾斜面に沿って自硬性強化盛土材
からなる定着層が形成されてこの定着層中に上記ジオテ
キスタイルの傾斜面側の端部が埋設され、かつ、上記ジ
オテキスタイル上に上記傾斜面と間隔を隔てて土留部材
が配設されているため、上方において切土を形成する際
などに削り取った土砂を盛土材として有効に使うことが
でき、これにより施工コストを低減することができる
上、盛土を補強するジオテキスタイルの傾斜面側の端部
が定着層を介して岩盤に固定されるため、従来工法のよ
うに岩盤にロックボルトやロックアンカー等の補強材を
固定するための孔を穿設する必要がなく、また、ジオテ
キスタイルのような補強材に十分な引き抜き抵抗を与え
るために岩盤を削って飲み込み代を形成する必要もな
い。このため、この急勾配盛土によれば、ジオテキスタ
イルの補強により強度が高くなり、長期に亙って安定性
を確保することができると共に、効率的な施工により造
成されるので、施工コストの低減化を図ることができ、
その上、法面が急勾配であるため、盛土の敷地を無駄な
く有効に活用することができ、これにより既存の傾斜面
の外側に道路などを設ける場合に好適なものとなってい
る。
れた盛土材中に略水平状態でジオテキスタイルが敷設さ
れていると共に、上記傾斜面に沿って自硬性強化盛土材
からなる定着層が形成されてこの定着層中に上記ジオテ
キスタイルの傾斜面側の端部が埋設され、かつ、上記ジ
オテキスタイル上に上記傾斜面と間隔を隔てて土留部材
が配設されているため、上方において切土を形成する際
などに削り取った土砂を盛土材として有効に使うことが
でき、これにより施工コストを低減することができる
上、盛土を補強するジオテキスタイルの傾斜面側の端部
が定着層を介して岩盤に固定されるため、従来工法のよ
うに岩盤にロックボルトやロックアンカー等の補強材を
固定するための孔を穿設する必要がなく、また、ジオテ
キスタイルのような補強材に十分な引き抜き抵抗を与え
るために岩盤を削って飲み込み代を形成する必要もな
い。このため、この急勾配盛土によれば、ジオテキスタ
イルの補強により強度が高くなり、長期に亙って安定性
を確保することができると共に、効率的な施工により造
成されるので、施工コストの低減化を図ることができ、
その上、法面が急勾配であるため、盛土の敷地を無駄な
く有効に活用することができ、これにより既存の傾斜面
の外側に道路などを設ける場合に好適なものとなってい
る。
「実施例」 以下、この発明の第1実施例を第1図ないし第9図を
参照して説明する。
参照して説明する。
この実施例の急勾配盛土は、第1図に示すように、山
腹等の既存の傾斜面1の外側に造成された急勾配の法面
を有する盛土であって、該傾斜面1の外側に盛られた盛
土材10中に略水平状態でジオテキスタイル7が敷設され
ていると共に、上記傾斜面1に沿って自硬性強化盛土材
からなる定着層9が形成されてこの定着層9中に上記ジ
オテキスタイル7の傾斜面1側の端部が埋設され、か
つ、上記ジオテキスタイル7上に上記傾斜面1と間隔を
隔てて土嚢8(土留部材)が積み重ねられ、同ジオテキ
スタイル7の外側の端部が上記土嚢8を外側から巻き込
んでその土嚢8の上部に覆い被されているものである。
なお、上記自硬性強化盛土材としては、硬練りコンクリ
ートまたはソイルセメント等の自硬性を有する強化盛土
材が用いられている。
腹等の既存の傾斜面1の外側に造成された急勾配の法面
を有する盛土であって、該傾斜面1の外側に盛られた盛
土材10中に略水平状態でジオテキスタイル7が敷設され
ていると共に、上記傾斜面1に沿って自硬性強化盛土材
からなる定着層9が形成されてこの定着層9中に上記ジ
オテキスタイル7の傾斜面1側の端部が埋設され、か
つ、上記ジオテキスタイル7上に上記傾斜面1と間隔を
隔てて土嚢8(土留部材)が積み重ねられ、同ジオテキ
スタイル7の外側の端部が上記土嚢8を外側から巻き込
んでその土嚢8の上部に覆い被されているものである。
なお、上記自硬性強化盛土材としては、硬練りコンクリ
ートまたはソイルセメント等の自硬性を有する強化盛土
材が用いられている。
このような急勾配盛土を造成する場合には、第2図に
示すように、予め、盛土を造成すべき傾斜面1の上部に
おいて該傾斜面1の表土2および岩盤3を削り取って切
土4を設けておき、その後、第3図に示すように、この
切土4の下方において既存の傾斜面1の表土3を取り去
って岩盤3を露出させ、かつ、その岩盤3の下端部にお
いて表土2および岩盤3を所定深さまで掘削して溝5を
形成し、その溝5にコンクリートを打設することによ
り、造成すべき盛土の基盤6を構築しておく。
示すように、予め、盛土を造成すべき傾斜面1の上部に
おいて該傾斜面1の表土2および岩盤3を削り取って切
土4を設けておき、その後、第3図に示すように、この
切土4の下方において既存の傾斜面1の表土3を取り去
って岩盤3を露出させ、かつ、その岩盤3の下端部にお
いて表土2および岩盤3を所定深さまで掘削して溝5を
形成し、その溝5にコンクリートを打設することによ
り、造成すべき盛土の基盤6を構築しておく。
このようにして、造成すべき盛土の基盤6を構築した
後、第4図に示す上記基盤6上に、第5図に示すように
ジオテキスタイル7を敷設して、このジオテキスタイル
7の外側の端部を、造成すべき盛土の法面よりも所定長
さ外方へ延出させておき、次いで第6図に示すように、
このジオテキスタイル7上に、上述の露出した岩盤3と
間隔を隔てて所定高さまで土嚢8(土留部材)を配設
し、次いで第7図に示すように、上記岩盤3の傾斜面に
沿って所定高さまで自硬性強化盛土材を打設して定着層
9を形成し、これによりその定着層9中に上記ジオテキ
スタイル7の岩盤3側の端部を埋設する。そして、この
定着層9を岩盤3表面に打設する場合には、その岩盤3
表面の勾配が比較的緩やかであれば型枠を用いなくても
良いが、岩盤3表面の勾配が急であれば、必要に応じて
型枠を用いても良く、その場合、使用する型枠を捨て型
枠としても良く、また、型枠を転用するようにしても良
い。このようにした後、第8図に示すように、該定着層
9と上記土嚢8との間に盛土材10を充填し、さらにその
後、第9図に示すように、上記ジオテキスタイル7の外
側の端部を内部へ巻き込むようにして上記土嚢8および
盛土材10の上部に覆い被せる。
後、第4図に示す上記基盤6上に、第5図に示すように
ジオテキスタイル7を敷設して、このジオテキスタイル
7の外側の端部を、造成すべき盛土の法面よりも所定長
さ外方へ延出させておき、次いで第6図に示すように、
このジオテキスタイル7上に、上述の露出した岩盤3と
間隔を隔てて所定高さまで土嚢8(土留部材)を配設
し、次いで第7図に示すように、上記岩盤3の傾斜面に
沿って所定高さまで自硬性強化盛土材を打設して定着層
9を形成し、これによりその定着層9中に上記ジオテキ
スタイル7の岩盤3側の端部を埋設する。そして、この
定着層9を岩盤3表面に打設する場合には、その岩盤3
表面の勾配が比較的緩やかであれば型枠を用いなくても
良いが、岩盤3表面の勾配が急であれば、必要に応じて
型枠を用いても良く、その場合、使用する型枠を捨て型
枠としても良く、また、型枠を転用するようにしても良
い。このようにした後、第8図に示すように、該定着層
9と上記土嚢8との間に盛土材10を充填し、さらにその
後、第9図に示すように、上記ジオテキスタイル7の外
側の端部を内部へ巻き込むようにして上記土嚢8および
盛土材10の上部に覆い被せる。
そして、これらの各工程により一層目の盛土層を形成
した後、同様にして、二層目および三層目以上の各盛土
層を順次上方へその面積を拡大しながら積層していくこ
とによって、第10図に示すような盛土を造成する。
した後、同様にして、二層目および三層目以上の各盛土
層を順次上方へその面積を拡大しながら積層していくこ
とによって、第10図に示すような盛土を造成する。
なお、この実施例では、ジオテキスタイル7として高
分子材料を格子状に成形したいわゆるファイバーグリッ
ドを用いている。このファイバーグリッドは、具体的に
は、引き揃えられた複数本の連続繊維からなる繊維束が
互いに交差して格子状をなし、それら繊維束の各繊維が
樹脂材料により結束された構成となっているものであ
る。
分子材料を格子状に成形したいわゆるファイバーグリッ
ドを用いている。このファイバーグリッドは、具体的に
は、引き揃えられた複数本の連続繊維からなる繊維束が
互いに交差して格子状をなし、それら繊維束の各繊維が
樹脂材料により結束された構成となっているものであ
る。
次に、この発明の第2実施例を第10図ないし第14図を
参照して説明する。
参照して説明する。
この実施例の急勾配盛土では、土留部材として第1実
施例のような土嚢8を使わずに、第10図に示すように、
側面視して略L字状の土留部材11を用いる。
施例のような土嚢8を使わずに、第10図に示すように、
側面視して略L字状の土留部材11を用いる。
この土留部材11は、第11図に示すように、水平方向に
延在する基部12とこの基部12の一端から立ち上がる立ち
上がり部13とから構成されたものであって、例えば第11
図の例では、基部12と立ち上がり部13とのなす角(第11
図中の角度α)がほぼ90゜になっている。
延在する基部12とこの基部12の一端から立ち上がる立ち
上がり部13とから構成されたものであって、例えば第11
図の例では、基部12と立ち上がり部13とのなす角(第11
図中の角度α)がほぼ90゜になっている。
但し、この角度αは必要とする盛土の法面の勾配によ
って定まり、一般的な盛土の如く上方に向かうにしたが
って後方に傾斜する勾配であれば、角度αは鋭角となっ
て立ち上がり部13の上端はセットバックされた形状とな
る。当然、角度αを鈍角として立ち上がり部13の上端を
オーバーハングさせた形状とすることも可能である。こ
の場合、第12図に示すように、立ち上がり部13の上端の
位置を揃えて全体として盛土の法面を直立させることも
可能であり、あるいは立ち上がり部13の上端とその上方
に積み上げられる土留部材11の立ち上がり部13の下端と
を揃えて設置することにより盛土の法面を逆勾配とする
ことも可能である。
って定まり、一般的な盛土の如く上方に向かうにしたが
って後方に傾斜する勾配であれば、角度αは鋭角となっ
て立ち上がり部13の上端はセットバックされた形状とな
る。当然、角度αを鈍角として立ち上がり部13の上端を
オーバーハングさせた形状とすることも可能である。こ
の場合、第12図に示すように、立ち上がり部13の上端の
位置を揃えて全体として盛土の法面を直立させることも
可能であり、あるいは立ち上がり部13の上端とその上方
に積み上げられる土留部材11の立ち上がり部13の下端と
を揃えて設置することにより盛土の法面を逆勾配とする
ことも可能である。
なお、第12図に示すように立ち上がり部13の先端を揃
えた場合、微視的には盛土の壁面は鋸歯状となるが、各
土留部材11上部に形成される台部14に流砂や雑草等の飛
来植物種子等が堆積されることで将来的にはほぼ直立壁
たる法面が得られる。
えた場合、微視的には盛土の壁面は鋸歯状となるが、各
土留部材11上部に形成される台部14に流砂や雑草等の飛
来植物種子等が堆積されることで将来的にはほぼ直立壁
たる法面が得られる。
また、土留部材11の立ち上がり部13の高さは、例えば
15〜75cm程度が適当である。一方、基部12の長さは任意
であるが、盛土材10がない状態で土留部材11が自立する
だけの長さを確保しておくことが望ましく、これより短
い場合には後述するピン15等により仮止めする必要があ
る。また、基部12の長さは、この基部12と盛土材10との
間の摩擦力により盛土材10の施工中の転圧による土圧に
対抗させるという見地からもある程度以上の長さである
ことが望ましい。
15〜75cm程度が適当である。一方、基部12の長さは任意
であるが、盛土材10がない状態で土留部材11が自立する
だけの長さを確保しておくことが望ましく、これより短
い場合には後述するピン15等により仮止めする必要があ
る。また、基部12の長さは、この基部12と盛土材10との
間の摩擦力により盛土材10の施工中の転圧による土圧に
対抗させるという見地からもある程度以上の長さである
ことが望ましい。
土留部材11の基部12及び立ち上がり部13は、第11図に
示すように一体に形成されており、ガラス繊維等を主体
とする高強度繊維棒状体等が格子状に交叉されてなる、
あるいは硬質プラスチックからなる格子状部材16の一部
が略直角に折曲された形状とされており、さらに折曲さ
れた立ち上がり部分に格子状部材16より目の細かいメッ
シュ部材17が貼付されて立ち上がり部13が形成されてい
る。この格子状部材16は、それのみで施工中の転圧によ
る盛土材の側圧に耐えうる強度を持つ材質及び形状とさ
れている。但し、この条件を満足する以上は、土留部材
11を形成する格子状部材16の形状及び材質は任意であ
り、例えば格子状部材16の開口部が三角形や六角形等四
角形以外の多角形に形成されたものでも良く、あるいは
プラスチック棒状体で格子状部材16を構成してもよい
し、メタルメッシュやパンチングメタルに防蝕処理を施
したもので、格子状部材16を構成してもよい。
示すように一体に形成されており、ガラス繊維等を主体
とする高強度繊維棒状体等が格子状に交叉されてなる、
あるいは硬質プラスチックからなる格子状部材16の一部
が略直角に折曲された形状とされており、さらに折曲さ
れた立ち上がり部分に格子状部材16より目の細かいメッ
シュ部材17が貼付されて立ち上がり部13が形成されてい
る。この格子状部材16は、それのみで施工中の転圧によ
る盛土材の側圧に耐えうる強度を持つ材質及び形状とさ
れている。但し、この条件を満足する以上は、土留部材
11を形成する格子状部材16の形状及び材質は任意であ
り、例えば格子状部材16の開口部が三角形や六角形等四
角形以外の多角形に形成されたものでも良く、あるいは
プラスチック棒状体で格子状部材16を構成してもよい
し、メタルメッシュやパンチングメタルに防蝕処理を施
したもので、格子状部材16を構成してもよい。
また、土留部材11の基部12の後端部には、第11図に示
すように下方に屈曲する爪部18が形成されていると共
に、立ち上がり部13の上端部にも前方に屈曲する爪部19
が形成されている。
すように下方に屈曲する爪部18が形成されていると共
に、立ち上がり部13の上端部にも前方に屈曲する爪部19
が形成されている。
また、土留部材11の立ち上がり部13には、その内面に
沿って、盛土の法面を緑化する目的で種子付シート20が
設けられている。この種子付シート20は、第11図に示す
ようにその上端がファスナー21等で立ち上がり部13上端
に止められるか、立ち上がり部13の上端部において前方
に屈曲している爪部19に掛止されることで、この立ち上
がり部13に取り付けられている。この場合、種子の成育
を良好なものとする目的で、土留部材11の立ち上がり部
13の直後方にある盛土材10は植物育成に適した良質な土
質を使用することが好ましい。この場合、盛土の法面を
緑化する他の周知手段、例えば種子付マットを立ち上が
り部13の内面または外面に配設したり、あるいは第13図
に示すように、立ち上がり部13に植種窓を設け、この植
種窓22に種子付袋、種付縄等を配設するような手段も好
適に適用可能である。
沿って、盛土の法面を緑化する目的で種子付シート20が
設けられている。この種子付シート20は、第11図に示す
ようにその上端がファスナー21等で立ち上がり部13上端
に止められるか、立ち上がり部13の上端部において前方
に屈曲している爪部19に掛止されることで、この立ち上
がり部13に取り付けられている。この場合、種子の成育
を良好なものとする目的で、土留部材11の立ち上がり部
13の直後方にある盛土材10は植物育成に適した良質な土
質を使用することが好ましい。この場合、盛土の法面を
緑化する他の周知手段、例えば種子付マットを立ち上が
り部13の内面または外面に配設したり、あるいは第13図
に示すように、立ち上がり部13に植種窓を設け、この植
種窓22に種子付袋、種付縄等を配設するような手段も好
適に適用可能である。
この土留部材11には、第10図に示すようにその外周に
ジオテキスタイル7が巻かれ、その一端部は前記土留部
材11の基部12に沿って盛土の後方に略水平に延設されて
いると共に、その他端部も土留部材11と立ち上がり部13
上端で盛土側へ水平に折り返されて盛土の後方に略水平
に延設された後、盛土材10に埋設されている。また、前
記土留部材11の基部12後端部にある爪部18はこのジオテ
キスタイル7に係合され、ジオテキスタイル7そのもの
の施工中の水平移動を阻止して位置決めするようになっ
ている。
ジオテキスタイル7が巻かれ、その一端部は前記土留部
材11の基部12に沿って盛土の後方に略水平に延設されて
いると共に、その他端部も土留部材11と立ち上がり部13
上端で盛土側へ水平に折り返されて盛土の後方に略水平
に延設された後、盛土材10に埋設されている。また、前
記土留部材11の基部12後端部にある爪部18はこのジオテ
キスタイル7に係合され、ジオテキスタイル7そのもの
の施工中の水平移動を阻止して位置決めするようになっ
ている。
このような土留部材11を用いて既存の傾斜面1の外側
に急勾配盛土を造成する場合には、まず、第1実施例の
急勾配盛土を造成する場合と同様にして、既存の傾斜面
1の表土2を取り去って岩盤3を露出させ、その岩盤3
の下端部に盛土の基盤6を構築した後、第14図に示すよ
うに、その基盤6上に、上記岩盤3の外側から盛土の法
面となるべき部分に跨ってジオテキスタイル7を敷設す
ると共に、このジオテキスタイル7上に、その立ち上が
り部13が盛土の法面となる位置に土留部材11を配設す
る。このようにした後、上記岩盤3に沿って所定高さま
で自硬性強化盛土材を打設して定着層9を打設し、これ
によりこの定着層9中に上記ジオテキスタイル7および
土留部材11の岩盤3側の端部を埋設し、該自硬性強化盛
土材の硬化により定着層9に上記ジオテキスタイル7お
よび土留部材11が固定された後、土留部材11前方に延び
るジオテキスタイル7の一端部を持ち上げてこれを立ち
上がり部13に沿って屈曲させると共に、立ち上がり部13
上端にある爪部19にジオテキスタイル7を引っ掛けてお
き、後述するジオテキスタイル7の巻き込み作業を容易
とする。このようにした後、土留部材11の後方に盛土材
10を盛り、土留部材11の基部12上方及び立ち上がり部13
内方を埋めるようにして所定高さだけこの盛土材10を盛
り上げる。この盛土材10の盛り上げ高さであるが、転圧
後においてその上端が前記土留部材11の立ち上がり部13
上端より若干高い程度が好ましく、そのようにすれば盛
土材10が転圧されることによって土留部材11どうしが接
触して盛土材の不完全転圧施工といった事態を生ずる恐
れがない。そして、このようにした後、立ち上がり部13
上端に引っ掛けておいたジオテキスタイル7をこの立ち
上がり部13上端で後方に折り返して盛土材10上に敷設す
る。さらに、この状態で、振動ローラ等の転圧機で盛土
材10に転圧をかけ、この盛土材10を所定の高さとする
(第14図参照)。
に急勾配盛土を造成する場合には、まず、第1実施例の
急勾配盛土を造成する場合と同様にして、既存の傾斜面
1の表土2を取り去って岩盤3を露出させ、その岩盤3
の下端部に盛土の基盤6を構築した後、第14図に示すよ
うに、その基盤6上に、上記岩盤3の外側から盛土の法
面となるべき部分に跨ってジオテキスタイル7を敷設す
ると共に、このジオテキスタイル7上に、その立ち上が
り部13が盛土の法面となる位置に土留部材11を配設す
る。このようにした後、上記岩盤3に沿って所定高さま
で自硬性強化盛土材を打設して定着層9を打設し、これ
によりこの定着層9中に上記ジオテキスタイル7および
土留部材11の岩盤3側の端部を埋設し、該自硬性強化盛
土材の硬化により定着層9に上記ジオテキスタイル7お
よび土留部材11が固定された後、土留部材11前方に延び
るジオテキスタイル7の一端部を持ち上げてこれを立ち
上がり部13に沿って屈曲させると共に、立ち上がり部13
上端にある爪部19にジオテキスタイル7を引っ掛けてお
き、後述するジオテキスタイル7の巻き込み作業を容易
とする。このようにした後、土留部材11の後方に盛土材
10を盛り、土留部材11の基部12上方及び立ち上がり部13
内方を埋めるようにして所定高さだけこの盛土材10を盛
り上げる。この盛土材10の盛り上げ高さであるが、転圧
後においてその上端が前記土留部材11の立ち上がり部13
上端より若干高い程度が好ましく、そのようにすれば盛
土材10が転圧されることによって土留部材11どうしが接
触して盛土材の不完全転圧施工といった事態を生ずる恐
れがない。そして、このようにした後、立ち上がり部13
上端に引っ掛けておいたジオテキスタイル7をこの立ち
上がり部13上端で後方に折り返して盛土材10上に敷設す
る。さらに、この状態で、振動ローラ等の転圧機で盛土
材10に転圧をかけ、この盛土材10を所定の高さとする
(第14図参照)。
なお、この実施例では、ジオテキスタイル7としてフ
ァイバーグリッドを用いており、このファイバーグリッ
ドには連続繊維が格子状に交叉されプラスチックでカバ
ーされて保護されているので、振動ローラ等により転圧
されてもファイバーグリッド内部の連続繊維が破断等す
ることがない。したがって、このようなファイバーグリ
ッドからなるジオテキスタイル7を後方に折り返した状
態でこのジオテキスタイル7の上から転圧を加えること
も可能となる。
ァイバーグリッドを用いており、このファイバーグリッ
ドには連続繊維が格子状に交叉されプラスチックでカバ
ーされて保護されているので、振動ローラ等により転圧
されてもファイバーグリッド内部の連続繊維が破断等す
ることがない。したがって、このようなファイバーグリ
ッドからなるジオテキスタイル7を後方に折り返した状
態でこのジオテキスタイル7の上から転圧を加えること
も可能となる。
そして、このようにして、必要に応じて転圧が終了し
た盛土材10上に、上述のような工程と同様の工程でジオ
テキスタイル7を敷設し、以下、土留部材11の積み上
げ、自硬性強化盛土材9の打設、盛土材10の充填を順次
繰り返して、第10図に示すような盛土を造成する。
た盛土材10上に、上述のような工程と同様の工程でジオ
テキスタイル7を敷設し、以下、土留部材11の積み上
げ、自硬性強化盛土材9の打設、盛土材10の充填を順次
繰り返して、第10図に示すような盛土を造成する。
なお、この場合、土留部材11は、第10図に示すよう
に、最下端部の盛土層を形成する際にはその基部12の岩
盤3側の端部が自硬性強化盛土材9中に埋設されて固定
されるため、ピン15などで固定する必要はないが、その
上方の盛土層においては岩盤3から盛土の法面までの距
離が次第に長くなって土留部材11の基部12が自硬性強化
盛土材9の打設位置まで届かなくなるため、その場合に
は、土留部材11の基部12をLピンなどのピン15(図では
Uピン)で盛土材10へ打ち込み、それによって土留部材
11を盛土材10へ固定することが望ましい。このピン15の
打ち込み個数及び打ち込み箇所は任意であるが、土留部
材11が前述の如く格子状部材16から形成されるときは、
その交叉部と交叉するようにピン15を打ち込むことが好
ましい。
に、最下端部の盛土層を形成する際にはその基部12の岩
盤3側の端部が自硬性強化盛土材9中に埋設されて固定
されるため、ピン15などで固定する必要はないが、その
上方の盛土層においては岩盤3から盛土の法面までの距
離が次第に長くなって土留部材11の基部12が自硬性強化
盛土材9の打設位置まで届かなくなるため、その場合に
は、土留部材11の基部12をLピンなどのピン15(図では
Uピン)で盛土材10へ打ち込み、それによって土留部材
11を盛土材10へ固定することが望ましい。このピン15の
打ち込み個数及び打ち込み箇所は任意であるが、土留部
材11が前述の如く格子状部材16から形成されるときは、
その交叉部と交叉するようにピン15を打ち込むことが好
ましい。
したがって、以上のように構成された急勾配盛土で
は、その内部に埋設される基部12と盛土の法面に沿って
立ち上がる立ち上がり部13とを備えた土留部材11が配設
されているので、盛土材10の側圧に対抗してその法面形
状を保持できると共に、この土留部材11により、盛土材
10盛り上げ作業時において盛土材10の盛り上げ範囲を規
制できる。すなわち、土留部材11は第1実施例における
土嚢8の作用を果たすため、土嚢8を用いずとも安定し
た盛土構造を実現することができる。
は、その内部に埋設される基部12と盛土の法面に沿って
立ち上がる立ち上がり部13とを備えた土留部材11が配設
されているので、盛土材10の側圧に対抗してその法面形
状を保持できると共に、この土留部材11により、盛土材
10盛り上げ作業時において盛土材10の盛り上げ範囲を規
制できる。すなわち、土留部材11は第1実施例における
土嚢8の作用を果たすため、土嚢8を用いずとも安定し
た盛土構造を実現することができる。
しかも、土留部材11は土嚢8と異なり、工場等におい
て量産可能であり、さらにこの土留部材11を形成する材
質を適宜選択することにより土嚢8と比較して飛躍的な
軽量化を図り得るので、現場における土嚢作成作業の省
略及び運搬・積み上げ作業などの重労働作業をなくする
ことにより省力化と施工性の向上を図ることができる。
て量産可能であり、さらにこの土留部材11を形成する材
質を適宜選択することにより土嚢8と比較して飛躍的な
軽量化を図り得るので、現場における土嚢作成作業の省
略及び運搬・積み上げ作業などの重労働作業をなくする
ことにより省力化と施工性の向上を図ることができる。
また、盛土の法面を土嚢8で支持する構造では、土嚢
8の積み上げの精度と安定性等の見地から、3分法(の
り)以上の急勾配の高盛土は実現不可能であったが、こ
の実施例の盛土では法面の傾斜は土留部材11の立ち上が
り部13が剛性を有することにより任意に定めることがで
き、土嚢8を使用する盛土のように法面の勾配に施工上
の制限がないため、土嚢8を用いた盛土で実現し得なか
った急勾配の盛土を実現でき、直立壁状の盛土であって
も実現可能である。
8の積み上げの精度と安定性等の見地から、3分法(の
り)以上の急勾配の高盛土は実現不可能であったが、こ
の実施例の盛土では法面の傾斜は土留部材11の立ち上が
り部13が剛性を有することにより任意に定めることがで
き、土嚢8を使用する盛土のように法面の勾配に施工上
の制限がないため、土嚢8を用いた盛土で実現し得なか
った急勾配の盛土を実現でき、直立壁状の盛土であって
も実現可能である。
さらに、この実施例の急勾配盛土では、土留部材11を
巻いてジオテキスタイル7が盛土内に埋設されており、
このジオテキスタイル7は、前述の如く高強度、高剛性
な材料であるため、盛土全体の剛性が高くなり、沈下、
変形等が有効に抑制されて盛土の安定性に寄与すると共
に、荷重分散効果に優れているので、この面からも盛土
の変形を有効に抑制する。しかも、ジオテキスタイル7
を巻き込んだ状態で盛土材10に転圧がかけられているこ
とから、盛土材10の転圧状態が高いレベルで保持され
る。よって、前述の土留部材11の作用とあいまって、急
勾配盛土、高盛土を実現することが可能となる。
巻いてジオテキスタイル7が盛土内に埋設されており、
このジオテキスタイル7は、前述の如く高強度、高剛性
な材料であるため、盛土全体の剛性が高くなり、沈下、
変形等が有効に抑制されて盛土の安定性に寄与すると共
に、荷重分散効果に優れているので、この面からも盛土
の変形を有効に抑制する。しかも、ジオテキスタイル7
を巻き込んだ状態で盛土材10に転圧がかけられているこ
とから、盛土材10の転圧状態が高いレベルで保持され
る。よって、前述の土留部材11の作用とあいまって、急
勾配盛土、高盛土を実現することが可能となる。
なお、上記各実施例の急勾配盛土では、土嚢8または
土留部材11の立ち上がり部13の背後に自硬性強化盛土材
を打設して所定厚さの強化壁を形成しても良く、このよ
うにした場合には、ジオテキスタイル7の外側の端部
を、土嚢8または土留部材11を巻き込まなくても固定す
ることができ、それによって、直立勾配の法面を有する
急勾配盛土を造成することもできる。
土留部材11の立ち上がり部13の背後に自硬性強化盛土材
を打設して所定厚さの強化壁を形成しても良く、このよ
うにした場合には、ジオテキスタイル7の外側の端部
を、土嚢8または土留部材11を巻き込まなくても固定す
ることができ、それによって、直立勾配の法面を有する
急勾配盛土を造成することもできる。
また、上記各実施例では、ジオテキスタイル7を盛土
材10中に水平状態で敷設しているが、この発明の急勾配
盛土においては必ずしもジオテキスタイル7を水平に敷
設する必要はなく、例えば盛土材中のジオテキスタイル
7を、定着層9側が低くなるように勾配を設けた状態で
敷設するようにしても差し支えない。
材10中に水平状態で敷設しているが、この発明の急勾配
盛土においては必ずしもジオテキスタイル7を水平に敷
設する必要はなく、例えば盛土材中のジオテキスタイル
7を、定着層9側が低くなるように勾配を設けた状態で
敷設するようにしても差し支えない。
「発明の効果」 この発明の急勾配盛土によれば、既存の傾斜面の外側
に盛られた盛土材中に略水平状態でジオテキスタイルが
敷設されていると共に、上記傾斜面に沿って自硬性強化
盛土材からなる定着層が形成されてこの定着層中に上記
ジオテキスタイルの傾斜面側の端部が埋設され、かつ、
上記ジオテキスタイル上に上記傾斜面と間隔を隔てて土
留部材が配設されているため、上方において切土を形成
する際などに削り取った土砂を盛土材として有効に使う
ことができ、これにより施工コストを低減することがで
きる上、盛土を補強するジオテキスタイルの傾斜面側の
端部が定着層を介して岩盤に固定されるため、従来工法
のように岩盤にロックボルトやロックアンカー等の補強
材を固定するための孔を穿設する必要がなく、また、ジ
オテキスタイルのような補強材に十分な引き抜き抵抗を
与えるために岩盤を削って飲み込み代を形成する必要も
ない。このため、この急勾配盛土によれば、ジオテキス
タイルの補強により強度が高くなり、長期に亙って安定
性を確保することができると共に、効率的な施工により
造成されるので、施工コストの低減化を図ることがで
き、その上、法面が急勾配であるため、盛土の敷地を無
駄なく有効に活用することができ、これにより既存の傾
斜面の外側に道路などを設ける場合に好適なものとなっ
ている。
に盛られた盛土材中に略水平状態でジオテキスタイルが
敷設されていると共に、上記傾斜面に沿って自硬性強化
盛土材からなる定着層が形成されてこの定着層中に上記
ジオテキスタイルの傾斜面側の端部が埋設され、かつ、
上記ジオテキスタイル上に上記傾斜面と間隔を隔てて土
留部材が配設されているため、上方において切土を形成
する際などに削り取った土砂を盛土材として有効に使う
ことができ、これにより施工コストを低減することがで
きる上、盛土を補強するジオテキスタイルの傾斜面側の
端部が定着層を介して岩盤に固定されるため、従来工法
のように岩盤にロックボルトやロックアンカー等の補強
材を固定するための孔を穿設する必要がなく、また、ジ
オテキスタイルのような補強材に十分な引き抜き抵抗を
与えるために岩盤を削って飲み込み代を形成する必要も
ない。このため、この急勾配盛土によれば、ジオテキス
タイルの補強により強度が高くなり、長期に亙って安定
性を確保することができると共に、効率的な施工により
造成されるので、施工コストの低減化を図ることがで
き、その上、法面が急勾配であるため、盛土の敷地を無
駄なく有効に活用することができ、これにより既存の傾
斜面の外側に道路などを設ける場合に好適なものとなっ
ている。
第1図ないし第9図は、この発明の第1実施例を示す図
であって、第1図は急勾配盛土の概略構成図、第2図な
いし第9図は急勾配盛土の造成方法を説明する説明図で
ある。第10図ないし第14図は、この発明の第2実施例を
示す図であって、第10図は急勾配盛土の概略構成図、第
11図は土留部材の斜視図、第12図は急勾配盛土の壁面構
造の一例を示す断面図、第13図は他の土留部材の斜視
図、第14図は急勾配盛土の造成方法を説明する説明図で
ある。第15図は、傾斜面の外側に道路等を構築する場合
の従来工法を説明する説明図である。 1……既存の傾斜面、 2……表土、 3……岩盤、 4……切土、 5……溝、 6……基盤、 7……ジオテキスタイル、 8……土留部材(土嚢)、 9……定着層、 10……盛土材、 11……土留部材、 12……基部、 13……立ち上がり部、 14……台部、 15……ピン、 16……格子状部材、 17……メッシュ部材、 18、19……爪部、 20……種子付シート、 21……ファスナー、 22……植種窓。
であって、第1図は急勾配盛土の概略構成図、第2図な
いし第9図は急勾配盛土の造成方法を説明する説明図で
ある。第10図ないし第14図は、この発明の第2実施例を
示す図であって、第10図は急勾配盛土の概略構成図、第
11図は土留部材の斜視図、第12図は急勾配盛土の壁面構
造の一例を示す断面図、第13図は他の土留部材の斜視
図、第14図は急勾配盛土の造成方法を説明する説明図で
ある。第15図は、傾斜面の外側に道路等を構築する場合
の従来工法を説明する説明図である。 1……既存の傾斜面、 2……表土、 3……岩盤、 4……切土、 5……溝、 6……基盤、 7……ジオテキスタイル、 8……土留部材(土嚢)、 9……定着層、 10……盛土材、 11……土留部材、 12……基部、 13……立ち上がり部、 14……台部、 15……ピン、 16……格子状部材、 17……メッシュ部材、 18、19……爪部、 20……種子付シート、 21……ファスナー、 22……植種窓。
Claims (1)
- 【請求項1】既存の傾斜面の外側に造成された急勾配の
法面を有する盛土であって、該傾斜面の外側に盛られた
盛土材中に略水平状態でジオテキスタイルが敷設されて
いると共に、上記傾斜面に沿って自硬性強化盛土材から
なる定着層が形成されてこの定着層中に上記ジオテキス
タイルの傾斜面側の端部が埋設され、かつ、上記ジオテ
キスタイル上に上記傾斜面と間隔を隔てて土留部材が配
設されていることを特徴とする急勾配盛土。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19602389A JP2750364B2 (ja) | 1989-07-28 | 1989-07-28 | 急勾配盛土 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19602389A JP2750364B2 (ja) | 1989-07-28 | 1989-07-28 | 急勾配盛土 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0359222A JPH0359222A (ja) | 1991-03-14 |
JP2750364B2 true JP2750364B2 (ja) | 1998-05-13 |
Family
ID=16350936
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19602389A Expired - Fee Related JP2750364B2 (ja) | 1989-07-28 | 1989-07-28 | 急勾配盛土 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2750364B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0826758B2 (ja) * | 1991-03-22 | 1996-03-21 | 株式会社神戸製鋼所 | シールド機におけるエレクタ装置 |
JP2718293B2 (ja) * | 1991-08-01 | 1998-02-25 | 株式会社大林組 | 盛土工法 |
JP4562745B2 (ja) * | 2007-03-13 | 2010-10-13 | 株式会社箱型擁壁研究所 | 擁壁及びその構築方法 |
JP5868352B2 (ja) * | 2013-06-10 | 2016-02-24 | 旭化成ジオテック株式会社 | 法面に道路を敷設する方法 |
-
1989
- 1989-07-28 JP JP19602389A patent/JP2750364B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0359222A (ja) | 1991-03-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100981258B1 (ko) | 옹벽 시공을 위한 옹벽블록과 이 옹벽블록과 지오그리드를 이용한 옹벽의 시공 방법 | |
US4992003A (en) | Unit comprising mesh combined with geotextile | |
CN109235490B (zh) | 挡土墙及其施工方法 | |
JP4190360B2 (ja) | 石積壁の補強構造および補強工法 | |
JP2007530833A (ja) | 補強土擁壁システム及び構築方法 | |
KR102395328B1 (ko) | 패널을 이용한 성토부 옹벽 구조 및 성토부 옹벽 시공방법 | |
KR100468034B1 (ko) | 앵커링을 이용한 보강토 옹벽 시공방법 | |
JP2750364B2 (ja) | 急勾配盛土 | |
KR100763443B1 (ko) | 식생 블록을 이용한 옹벽 구조물 및 그 시공방법 | |
KR102116085B1 (ko) | 환경친화적 옹벽구조물 | |
JP2750363B2 (ja) | 急勾配盛土 | |
JPH0765316B2 (ja) | 急勾配盛土 | |
JP6280322B2 (ja) | 緑化法面構造及び緑化法面構造の構築方法 | |
KR100744043B1 (ko) | 수평방향으로 보강토체 자유면에 프리스트레스가 도입된식생 보강토 옹벽 및 이를 이용한 보강토 옹벽시공방법 | |
GB2131063A (en) | Method of and apparatus for retaining earth formations | |
KR100451429B1 (ko) | 폐콘크리트 및 폐석회석을 이용한 복합 블록형 보강토옹벽 및 그 시공방법 | |
JPH0369721A (ja) | 急勾配盛士 | |
JP3580410B2 (ja) | 壁面材強化型補強土工法 | |
JP2731823B2 (ja) | 壁面ユニット | |
JP2631056B2 (ja) | コンクリート地中梁で補強された盛土構造 | |
JPH0765315B2 (ja) | 盛土の構造 | |
JPH0359220A (ja) | 急勾配盛土及びこれに用いられる土留部材 | |
KR20060032271A (ko) | 식생보강패널 및 이를 이용한 옹벽시공방법 | |
JP2000319884A (ja) | 補強土壁構造 | |
JPH0376926A (ja) | 急勾配盛土 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |