JP2710154B2 - 移相素子 - Google Patents
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- Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野>
本発明は、フィルタまたは群遅延イコライザとして使
用される移相素子に関する。 <従来の技術> 例えばFMチューナのIF段等においては、無調整化、高
安定化を図るため、セラミック共振子によるセラミック
フィルタ及び群遅延イコライザを使用することがある。
第13図は従来のこの種のセラミック共振子の構造を示す
図である。第13図において、1は圧電セラミック基板、
2及び3は圧電セラミック基板1の板厚方向の一面側に
分割して形成された一対の分割電極、4は圧電セラミッ
ク基板1の他面側に分割電極2、3と対向するように形
成された共通電極である。第14図は第13図に示したセラ
ミック共振子を2個用いてコンデンサCによって結合し
て得られたセラミックフィルタ回路である。 <発明が解決しようとする課題> ところで、FMチューナのIF段等に使用されるフィルタ
は、低歪率の要求から群遅延時間−周波数特性(以下GD
T特性と称する)の平担なものが要求されている。一
方、国内においても、FM多局化の時代を向かえたこと、
及び、カーオーディオ等の発達により、隣接局の排除能
力が高く選択度の良いフィルタが要求されるようになっ
ている。 しかしながら、第13図、第14図に示した従来のセラミ
ックフィルタにおいては、選択度を高めると、GDT特性
の歪が大きくなり、反対にGDT特性平担化して低歪率を
確保しようとすると、選択度が悪くなるという欠点があ
り、GDT特性の平担化による低歪率化と、高選択度の要
求を同時に満たすことができなかった。 第15図〜第17図は上述したセラミックフィルタのGDT
及び減衰特性図である。第15図〜第17図のA1〜A3はGDT
特性、B1〜B3は減衰特性であり、右縦軸にGDT(μS)
をとり、左縦軸に減衰量(dB)をとり、横軸に周波数
(MHz)をとってある。第15図はセラミック共振子のQm
をQm=300と高く選定した場合の特性、第16図はQm=200
の汎用タイプのセラミック共振子を使用した場合の特
性、第17図はQmをQm=100と低くした場合の特性であ
る。 第15図の場合、Qm=300と高い値に選定したことによ
り、減衰特性B1の立上り及び立下りが急激であり、良好
な選択度が得られる。ところが、GDT特性A1は10.7MHz付
近で下に凹となる双峰性特性となり、著しい歪を生じて
いる。 一方、第17図ではGDT特性A3は第15図の場合より平担
化されるものの、減衰特性B3の立上り、立下りが緩やか
になり、選択度が悪化している。しかも、挿入損失が約
9dBと非常に大きくなっている。このため、第17図の特
性を有するフィルタを多段接続して選択度を上げた場
合、挿入損失が段数に比例して極端に増大し、実用でき
なくなる。 本発明の課題は、高選択度と低歪率とを同時に満足し
得るフィルタまたは群遅延イコライザを得るのに適した
移相素子を提供することである。 <課題を解決するための手段> 上述した課題を解決するため、本発明に係る移相素子
は、中間部でくぼむ群遅延時間−周波数特性を有するフ
ィルタまたはフィルタ回路と縦続接続される。 本発明における移相素子は、伝送路に直列に入る第1
の共振子と、前記伝送路に並列に入る第2の共振子との
組を、少なくとも一組有する。 前記第1の共振子は、前記第2の共振子の共振周波数
Fr2よりも高い反共振周波数Fa1を有し、前記反共振周波
数Fa1よりも低い第1の周波数において群遅延時間が最
大となり、前記第1の周波数から周波数が高くなる方向
に向かって群遅延時間が急激に小さくなり、前記反共振
周波数の付近において群遅延時間が極小となるGDT特性
を示す。 前記第2の共振子は、前記共振周波数Fr2において群
遅延時間が極小となり、前記共振周波数Fr2から周波数
が高くなる方向に向かって、前記群遅延時間が急激に大
きくなり、共振周波数Fr2よりも高い第2の周波数にお
いて群遅延時間が最大となるGDT特性を示す。 前記第1の周波数および前記第2の周波数は、互いに
近似した値に選定されている。 そして、前記第1の共振子のGDT特性および前記第2
の共振子のGDT特性の重ね合わせにより、前記共振周波
数Fr2および前記反共振周波数Fa1の中間部で上に凸とな
るGDT特性を得る。 <作用> 本発明に係る移相素子においては、GDT特性が、第1
の共振子の反共振周波数及び第2の共振子の共振周波数
において急激に遅れ、かつ、反共振周波数と共振周波数
との間で上に凸の特性となる。このGDT特性は、中間部
でくぼむ従来のセラミックフィルタのGDT特性と逆であ
り、従って、従来のセラミックフィルタと組合せて、GD
T特性を平担化し、歪をなくしたGDTイコライザとして利
用できる。 しかも、減衰特性は、第1の共振子の反共振周波数及
び第2の共振子の共振周波数において、振幅が急激に減
衰し、かつ、反共振周波数と共振周波数との間で、振幅
が急激に増大する特性となる。このため、優れた選択度
を確保することができる。 <実施例> 第1図は本発明に係る移相素子のシンボル図である。
図において、5は四端子回路網でなる伝送路に直列に入
る第1の共振子、6は伝送路に並列に入る第2の共振子
である。この実施例では、第1の共振子5と第2の共振
子6の組合せを1組持つだけであるが、多段接続にして
もよい。 第1の共振子5の反共振周波数Fa1と第2の共振子6
の共振周波数Fr2とは、互いに異ならせてある。即ち、F
a1≠Fr2である。更に具体的には、Fa1>Fr2である。 第1の共振子5は、圧電セラミック基板51の両面に電
極52、53を形成し、電極52を入力端子7に接続すると共
に、電極53を出力端子9に接続してある。第2の共振子
6は、圧電セラミック基板61の両面に電極62、63を形成
し、電極62、63を、入力端子7−8間に接続してある。 第2図は本発明に係る移相素子の駆動回路図である。
図において、11は本発明に係る移相素子の部分、12は信
号線、Rinは入力抵抗、Routは出力抵抗である。入力抵
抗Rin及び出力抵抗Routは300Ωに設定してある。 第2図の回路においては、GDT特性が、第3図の特性A
4に示すように、第1の共振子5の反共振周波数Fa1及び
第2の共振子の共振周波Fr2において急激に進み、か
つ、反共振周波数Fa1と共振周波数Fr2との間で、上に凸
の特性となる。このGDT特性A4は、従来のセラミックフ
ィルタのGDT特性(第15図または第16図)と逆であり、
従って、従来のセラミックフィルタと組合せることによ
り、GDT特性を平担化し得るGDTイコライザとして利用で
きる。 しかも、減衰特性は、第3図の特性B4に示すように、
第1の共振子5の反共振周波数Fa1及び第2の共振子6
の共振周波数Fr2において、振幅が急激に減衰し、か
つ、反共振周波数Fa1と共振周波数Fr2との間で、振幅が
急激に増大する特性となる。このため、優れた選択度を
確保することができる。 次に、第3図に示すような特性が得られる理由につい
て説明する。 第4(a)に示すように、圧電セラミック基板1の両
面に電極2、3を形成したセラミック共振子は、第4
(b)に示すようなインピーダンス及び位相特性を示
す。Z1はインピーダンス特性、PH1は位相特性、Frは共
振周波数、Faは反共振周波数である。 第5図(a)に示す如く、入力抵抗Rin=300Ω、Rout
=300Ωとした回路において、伝送路に並列にセラミッ
ク共振子6を接続し、信号源12で駆動した場合、第5図
(b)に示すように、共振周波数Fr2で急激に落込むGDT
特性A5及び減衰特性B5が得られる。セラミック共振子6
は、共振周波数Fr2において群遅延時間(μs)が極小
となり、共振周波数Fr2から周波数が高くなる方向に向
かって、群遅延時間(μs)が急激に大きくなり、共振
周波数Fr2よりも高い第2の周波数f2において群遅延時
間(μs)が最大(約0)となるGDT特性A5を示す。第
2の周波数f2は、約10.72MHzとなっている。 一方、セラミック共振子5を、第6図(a)に示す如
く、伝送路に直列に接続して駆動した場合、第6図
(b)に示す如く、反共振周波数Fa1で急激に落込むGDT
特性A6及び減衰特性B6が得られる。第6図(b)に示す
ように、セラミック共振子5は、セラミック共振子6の
共振周波数Fr2(約10.56MHz)よりも高い反共振周波数F
a1(約10.89MHz)を有し、反共振周波数Fa1よりも低い
第1の周波数f1において群遅延時間(μS)が最大(約
0)となり、第1の周波数f1から周波数が高くなる方向
に向かって群遅延時間(μs)が急激に小さくなり、反
共振周波数Fa1の付近において群遅延時間(μs)が極
小となるGDT特性A6を示す。第1の周波数f1は約10.73MH
zであり、第2の周波数f2(約10.72MHz)と近似した値
になっている。 第2図の回路は、重ねの理より、第5図(a)に示す
回路と第6図(a)に示す回路とを重ね合せた回路と実
質的に同一である。従って、第5図(b)の特性と第6
図(b)の特性を重ね合せた第3図の特性が得られるの
である。すなわち、第5図(b)のGDT特性A5と第6図
(b)のGDT特性A6との重ね合せにより、共振周波数Fr2
および反共振周波数Fa1の中間部で上に凸となるGDT特性
A4(第3図参照)が得られる。 第7図は本発明に係る移相素子の別の実施例を示して
いる。この実施例では、第2の共振子6を、出力端子9
−10間に接続してある。この実施例の場合にも、上述の
重ねの理にもつづき、第1図実施例と同様の作用効果が
得られる。 第8図は本発明に係る移相素子11を、従来のセラミッ
クフィルタ13と組合せてGDTイコライザとして使用した
例を示している。セラミックフィルタ13のGDT特性は、
第9図の特性A7に示すような下に凹となる双峰状特性と
なるが、本発明に係る移相素子11のGDT特性は、第3図
の特性A4に示したように、上に凸となる特性となる。従
って、第9図の特性A7と第3の特性A4との合成により、
第10図の特性A8に示すように平担なGDT特性が得られ
る。減衰特性に関しても、第9図の特性B7と第3図の特
性B4との合成により、第10図の特性B8に示すような特性
が得られる。減衰特性B8は、平担なGDT特性の得られる
周波数領域から、その両側の周波数領域にかけての減衰
が大きくなっており、選択度の高い特性が得られてい
る。 第11図は第1図及び第7図に示した移相素子の具体的
な構造を示す平面図、第12図は同じくその底面図であ
る。この実施例では、平板状に形成された圧電セラミッ
ク基板1の一面側に、セラミック共振子5を構成する電
極53と、セラミック共振子6を構成する電極63を間隔を
おいて配置すると共に、圧電セラミック基板1の他面側
には、電極53、63のそれぞれと対向するように、電極5
2、62を形成してある。電極52及び電極62はリード電極5
6によって共通に接続してある。そして、電極53から延
長されたリード電極531及び電極63から延長されたリー
ド電極631にリード端子14、15をそれぞれ接続固定する
と共に、リード電極56にリード端子16を接続させてあ
る。 第1図の移相素子を構成する場合には、リード端子16
を入力端子7に接続し、リード端子14を出力端子9に接
続し、リード端子15を入力端子8、集力端子10に接続す
る。 また、第7図の移相素子を構成する場合には、リード
端子14を入力端子7に接続し、リード端子16を出力端子
9に接続し、リード端子15を入力端子8、出力端子10に
接続する。 <発明の効果> 以上述べたように、本発明によれば、GDT特性の平担
化による低歪率と、高選択度とを同時に満足し得るフィ
ルタまたはGDTイコライザとして好適な移相素子を提供
することができる。
用される移相素子に関する。 <従来の技術> 例えばFMチューナのIF段等においては、無調整化、高
安定化を図るため、セラミック共振子によるセラミック
フィルタ及び群遅延イコライザを使用することがある。
第13図は従来のこの種のセラミック共振子の構造を示す
図である。第13図において、1は圧電セラミック基板、
2及び3は圧電セラミック基板1の板厚方向の一面側に
分割して形成された一対の分割電極、4は圧電セラミッ
ク基板1の他面側に分割電極2、3と対向するように形
成された共通電極である。第14図は第13図に示したセラ
ミック共振子を2個用いてコンデンサCによって結合し
て得られたセラミックフィルタ回路である。 <発明が解決しようとする課題> ところで、FMチューナのIF段等に使用されるフィルタ
は、低歪率の要求から群遅延時間−周波数特性(以下GD
T特性と称する)の平担なものが要求されている。一
方、国内においても、FM多局化の時代を向かえたこと、
及び、カーオーディオ等の発達により、隣接局の排除能
力が高く選択度の良いフィルタが要求されるようになっ
ている。 しかしながら、第13図、第14図に示した従来のセラミ
ックフィルタにおいては、選択度を高めると、GDT特性
の歪が大きくなり、反対にGDT特性平担化して低歪率を
確保しようとすると、選択度が悪くなるという欠点があ
り、GDT特性の平担化による低歪率化と、高選択度の要
求を同時に満たすことができなかった。 第15図〜第17図は上述したセラミックフィルタのGDT
及び減衰特性図である。第15図〜第17図のA1〜A3はGDT
特性、B1〜B3は減衰特性であり、右縦軸にGDT(μS)
をとり、左縦軸に減衰量(dB)をとり、横軸に周波数
(MHz)をとってある。第15図はセラミック共振子のQm
をQm=300と高く選定した場合の特性、第16図はQm=200
の汎用タイプのセラミック共振子を使用した場合の特
性、第17図はQmをQm=100と低くした場合の特性であ
る。 第15図の場合、Qm=300と高い値に選定したことによ
り、減衰特性B1の立上り及び立下りが急激であり、良好
な選択度が得られる。ところが、GDT特性A1は10.7MHz付
近で下に凹となる双峰性特性となり、著しい歪を生じて
いる。 一方、第17図ではGDT特性A3は第15図の場合より平担
化されるものの、減衰特性B3の立上り、立下りが緩やか
になり、選択度が悪化している。しかも、挿入損失が約
9dBと非常に大きくなっている。このため、第17図の特
性を有するフィルタを多段接続して選択度を上げた場
合、挿入損失が段数に比例して極端に増大し、実用でき
なくなる。 本発明の課題は、高選択度と低歪率とを同時に満足し
得るフィルタまたは群遅延イコライザを得るのに適した
移相素子を提供することである。 <課題を解決するための手段> 上述した課題を解決するため、本発明に係る移相素子
は、中間部でくぼむ群遅延時間−周波数特性を有するフ
ィルタまたはフィルタ回路と縦続接続される。 本発明における移相素子は、伝送路に直列に入る第1
の共振子と、前記伝送路に並列に入る第2の共振子との
組を、少なくとも一組有する。 前記第1の共振子は、前記第2の共振子の共振周波数
Fr2よりも高い反共振周波数Fa1を有し、前記反共振周波
数Fa1よりも低い第1の周波数において群遅延時間が最
大となり、前記第1の周波数から周波数が高くなる方向
に向かって群遅延時間が急激に小さくなり、前記反共振
周波数の付近において群遅延時間が極小となるGDT特性
を示す。 前記第2の共振子は、前記共振周波数Fr2において群
遅延時間が極小となり、前記共振周波数Fr2から周波数
が高くなる方向に向かって、前記群遅延時間が急激に大
きくなり、共振周波数Fr2よりも高い第2の周波数にお
いて群遅延時間が最大となるGDT特性を示す。 前記第1の周波数および前記第2の周波数は、互いに
近似した値に選定されている。 そして、前記第1の共振子のGDT特性および前記第2
の共振子のGDT特性の重ね合わせにより、前記共振周波
数Fr2および前記反共振周波数Fa1の中間部で上に凸とな
るGDT特性を得る。 <作用> 本発明に係る移相素子においては、GDT特性が、第1
の共振子の反共振周波数及び第2の共振子の共振周波数
において急激に遅れ、かつ、反共振周波数と共振周波数
との間で上に凸の特性となる。このGDT特性は、中間部
でくぼむ従来のセラミックフィルタのGDT特性と逆であ
り、従って、従来のセラミックフィルタと組合せて、GD
T特性を平担化し、歪をなくしたGDTイコライザとして利
用できる。 しかも、減衰特性は、第1の共振子の反共振周波数及
び第2の共振子の共振周波数において、振幅が急激に減
衰し、かつ、反共振周波数と共振周波数との間で、振幅
が急激に増大する特性となる。このため、優れた選択度
を確保することができる。 <実施例> 第1図は本発明に係る移相素子のシンボル図である。
図において、5は四端子回路網でなる伝送路に直列に入
る第1の共振子、6は伝送路に並列に入る第2の共振子
である。この実施例では、第1の共振子5と第2の共振
子6の組合せを1組持つだけであるが、多段接続にして
もよい。 第1の共振子5の反共振周波数Fa1と第2の共振子6
の共振周波数Fr2とは、互いに異ならせてある。即ち、F
a1≠Fr2である。更に具体的には、Fa1>Fr2である。 第1の共振子5は、圧電セラミック基板51の両面に電
極52、53を形成し、電極52を入力端子7に接続すると共
に、電極53を出力端子9に接続してある。第2の共振子
6は、圧電セラミック基板61の両面に電極62、63を形成
し、電極62、63を、入力端子7−8間に接続してある。 第2図は本発明に係る移相素子の駆動回路図である。
図において、11は本発明に係る移相素子の部分、12は信
号線、Rinは入力抵抗、Routは出力抵抗である。入力抵
抗Rin及び出力抵抗Routは300Ωに設定してある。 第2図の回路においては、GDT特性が、第3図の特性A
4に示すように、第1の共振子5の反共振周波数Fa1及び
第2の共振子の共振周波Fr2において急激に進み、か
つ、反共振周波数Fa1と共振周波数Fr2との間で、上に凸
の特性となる。このGDT特性A4は、従来のセラミックフ
ィルタのGDT特性(第15図または第16図)と逆であり、
従って、従来のセラミックフィルタと組合せることによ
り、GDT特性を平担化し得るGDTイコライザとして利用で
きる。 しかも、減衰特性は、第3図の特性B4に示すように、
第1の共振子5の反共振周波数Fa1及び第2の共振子6
の共振周波数Fr2において、振幅が急激に減衰し、か
つ、反共振周波数Fa1と共振周波数Fr2との間で、振幅が
急激に増大する特性となる。このため、優れた選択度を
確保することができる。 次に、第3図に示すような特性が得られる理由につい
て説明する。 第4(a)に示すように、圧電セラミック基板1の両
面に電極2、3を形成したセラミック共振子は、第4
(b)に示すようなインピーダンス及び位相特性を示
す。Z1はインピーダンス特性、PH1は位相特性、Frは共
振周波数、Faは反共振周波数である。 第5図(a)に示す如く、入力抵抗Rin=300Ω、Rout
=300Ωとした回路において、伝送路に並列にセラミッ
ク共振子6を接続し、信号源12で駆動した場合、第5図
(b)に示すように、共振周波数Fr2で急激に落込むGDT
特性A5及び減衰特性B5が得られる。セラミック共振子6
は、共振周波数Fr2において群遅延時間(μs)が極小
となり、共振周波数Fr2から周波数が高くなる方向に向
かって、群遅延時間(μs)が急激に大きくなり、共振
周波数Fr2よりも高い第2の周波数f2において群遅延時
間(μs)が最大(約0)となるGDT特性A5を示す。第
2の周波数f2は、約10.72MHzとなっている。 一方、セラミック共振子5を、第6図(a)に示す如
く、伝送路に直列に接続して駆動した場合、第6図
(b)に示す如く、反共振周波数Fa1で急激に落込むGDT
特性A6及び減衰特性B6が得られる。第6図(b)に示す
ように、セラミック共振子5は、セラミック共振子6の
共振周波数Fr2(約10.56MHz)よりも高い反共振周波数F
a1(約10.89MHz)を有し、反共振周波数Fa1よりも低い
第1の周波数f1において群遅延時間(μS)が最大(約
0)となり、第1の周波数f1から周波数が高くなる方向
に向かって群遅延時間(μs)が急激に小さくなり、反
共振周波数Fa1の付近において群遅延時間(μs)が極
小となるGDT特性A6を示す。第1の周波数f1は約10.73MH
zであり、第2の周波数f2(約10.72MHz)と近似した値
になっている。 第2図の回路は、重ねの理より、第5図(a)に示す
回路と第6図(a)に示す回路とを重ね合せた回路と実
質的に同一である。従って、第5図(b)の特性と第6
図(b)の特性を重ね合せた第3図の特性が得られるの
である。すなわち、第5図(b)のGDT特性A5と第6図
(b)のGDT特性A6との重ね合せにより、共振周波数Fr2
および反共振周波数Fa1の中間部で上に凸となるGDT特性
A4(第3図参照)が得られる。 第7図は本発明に係る移相素子の別の実施例を示して
いる。この実施例では、第2の共振子6を、出力端子9
−10間に接続してある。この実施例の場合にも、上述の
重ねの理にもつづき、第1図実施例と同様の作用効果が
得られる。 第8図は本発明に係る移相素子11を、従来のセラミッ
クフィルタ13と組合せてGDTイコライザとして使用した
例を示している。セラミックフィルタ13のGDT特性は、
第9図の特性A7に示すような下に凹となる双峰状特性と
なるが、本発明に係る移相素子11のGDT特性は、第3図
の特性A4に示したように、上に凸となる特性となる。従
って、第9図の特性A7と第3の特性A4との合成により、
第10図の特性A8に示すように平担なGDT特性が得られ
る。減衰特性に関しても、第9図の特性B7と第3図の特
性B4との合成により、第10図の特性B8に示すような特性
が得られる。減衰特性B8は、平担なGDT特性の得られる
周波数領域から、その両側の周波数領域にかけての減衰
が大きくなっており、選択度の高い特性が得られてい
る。 第11図は第1図及び第7図に示した移相素子の具体的
な構造を示す平面図、第12図は同じくその底面図であ
る。この実施例では、平板状に形成された圧電セラミッ
ク基板1の一面側に、セラミック共振子5を構成する電
極53と、セラミック共振子6を構成する電極63を間隔を
おいて配置すると共に、圧電セラミック基板1の他面側
には、電極53、63のそれぞれと対向するように、電極5
2、62を形成してある。電極52及び電極62はリード電極5
6によって共通に接続してある。そして、電極53から延
長されたリード電極531及び電極63から延長されたリー
ド電極631にリード端子14、15をそれぞれ接続固定する
と共に、リード電極56にリード端子16を接続させてあ
る。 第1図の移相素子を構成する場合には、リード端子16
を入力端子7に接続し、リード端子14を出力端子9に接
続し、リード端子15を入力端子8、集力端子10に接続す
る。 また、第7図の移相素子を構成する場合には、リード
端子14を入力端子7に接続し、リード端子16を出力端子
9に接続し、リード端子15を入力端子8、出力端子10に
接続する。 <発明の効果> 以上述べたように、本発明によれば、GDT特性の平担
化による低歪率と、高選択度とを同時に満足し得るフィ
ルタまたはGDTイコライザとして好適な移相素子を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る移相素子のシンボル図、第2図は
第1図に示した移相素子の駆動回路図、第3図は第2図
の駆動回路によって得られたGDT特性及び減衰特性を示
す図、第4図(a)はセラミック共振子のシンボル図、
第4図(b)は同じくそのインピーダンス、移相特性
図、第5図(a)はセラミック共振子を伝送路に並列接
続した駆動回路図、第5図(b)は第5図(a)の駆動
回路によって得られたGDT特性及び減衰特性を示す図、
第6図(a)はセラミック共振子を伝送路に直列接続し
た駆動回路図、第6図(b)は第6図(a)の駆動回路
によって得られたGDT特性及び減衰特性を示す図、第7
図は本発明に係る移相素子の別の実施例におけるシンボ
ル図、第8図は本発明に係る移相素子をセラミックフィ
ルタと組合せてGDTイコライザとして使用した例を示す
図、第9図は第8図におけるセラミックフィルタのGDT
特性及び減衰特性を示す図、第10図は第8図の回路によ
って得られたGDT特性及び減衰特性を示す図、第11図は
第1図及び第7図に示した移相素子の具体的な構造を示
す平面図、第12図は同じくその底面図、第13図は従来の
セラミック共振子の構成を概略的に示す図、第14図は第
13図に示したセラミック共振子を用いた従来のセラミッ
クフィルタ回路、第15図〜第17図は同じくそのGDT特性
及び減衰特性を示す図である。 5、6……共振子 7〜10……端子
第1図に示した移相素子の駆動回路図、第3図は第2図
の駆動回路によって得られたGDT特性及び減衰特性を示
す図、第4図(a)はセラミック共振子のシンボル図、
第4図(b)は同じくそのインピーダンス、移相特性
図、第5図(a)はセラミック共振子を伝送路に並列接
続した駆動回路図、第5図(b)は第5図(a)の駆動
回路によって得られたGDT特性及び減衰特性を示す図、
第6図(a)はセラミック共振子を伝送路に直列接続し
た駆動回路図、第6図(b)は第6図(a)の駆動回路
によって得られたGDT特性及び減衰特性を示す図、第7
図は本発明に係る移相素子の別の実施例におけるシンボ
ル図、第8図は本発明に係る移相素子をセラミックフィ
ルタと組合せてGDTイコライザとして使用した例を示す
図、第9図は第8図におけるセラミックフィルタのGDT
特性及び減衰特性を示す図、第10図は第8図の回路によ
って得られたGDT特性及び減衰特性を示す図、第11図は
第1図及び第7図に示した移相素子の具体的な構造を示
す平面図、第12図は同じくその底面図、第13図は従来の
セラミック共振子の構成を概略的に示す図、第14図は第
13図に示したセラミック共振子を用いた従来のセラミッ
クフィルタ回路、第15図〜第17図は同じくそのGDT特性
及び減衰特性を示す図である。 5、6……共振子 7〜10……端子
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.中間部でくぼむ群遅延時間−周波数特性を有するフ
ィルタまたはフィルタ回路と縦続接続される移相素子で
あって、 伝送路に直列に入る第1の共振子と、前記伝送路に並列
に入る第2の共振子との組を、少なくとも一組有してお
り、 前記第1の共振子は、前記第2の共振子の共振周波数Fr
2よりも高い反共振周波数Fa1を有し、前記反共振周波数
Fa1よりも低い第1の周波数において群遅延時間が最大
となり、前記第1の周波数から周波数が高くなる方向に
向かって群遅延時間が急激に小さくなり、前記反共振周
波数の付近において群遅延時間が極小となる群遅延時間
−周波数特性を示し、 前記第2の共振子は、前記共振周波数Fr2において群遅
延時間が極小となり、前記共振周波数Fr2から周波数が
高くなる方向に向かって、前記群遅延時間が急激に大き
くなり、共振周波数Fr2よりも高い第2の周波数におい
て群遅延時間が最大となる群遅延時間−周波数特性を示
し、 前記第1の周波数および前記第2の周波数は、互いに近
似した値に選定されており、 前記第1の共振子の前記群遅延時間−周波数特性および
前記第2の共振子の前記群遅延時間−周波数特性の重ね
合わせにより、前記共振周波数Fr2および前記反共振周
波数Fa1の中間部で上に凸となる群遅延時間−周波数特
性を得る 移相素子。 2.前記第2の共振子は、入力端子間に接続されている
ことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の移相素
子。 3.前記第2の共振子は、出力端子間に接続されている
ことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の移相素
子。 4.前記第1の共振子及び第2の共振子は、セラミック
共振子でなることを特徴とする特許請求の範囲第1項、
第2項または第3項に記載の移相素子。 5.前記第1の共振子及び第2の共振子は、共通の圧電
セラミック基板に形成されていることを特徴とする特許
請求の範囲第4項に記載の移相素子。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61070227A JP2710154B2 (ja) | 1986-03-28 | 1986-03-28 | 移相素子 |
US07/028,086 US4818959A (en) | 1986-03-28 | 1987-03-19 | Phase equalizer |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61070227A JP2710154B2 (ja) | 1986-03-28 | 1986-03-28 | 移相素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62227207A JPS62227207A (ja) | 1987-10-06 |
JP2710154B2 true JP2710154B2 (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=13425459
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61070227A Expired - Fee Related JP2710154B2 (ja) | 1986-03-28 | 1986-03-28 | 移相素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2710154B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2935232B2 (ja) * | 1991-12-04 | 1999-08-16 | 株式会社村田製作所 | Fmディスクリミネータ用圧電共振子 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5520052A (en) * | 1978-07-28 | 1980-02-13 | Noto Denshi Kogyo Kk | Piezoelectric filter |
JPS6038895B2 (ja) * | 1979-01-25 | 1985-09-03 | 能登電子工業株式会社 | 圧電濾波器 |
JPS5662416A (en) * | 1979-10-27 | 1981-05-28 | Tohoku Metal Ind Ltd | Constituting method of ladder type ceramic filter |
-
1986
- 1986-03-28 JP JP61070227A patent/JP2710154B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62227207A (ja) | 1987-10-06 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |