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JP2701080B2 - パーオキシド加硫可能な含フッ素エラストマーの製造方法 - Google Patents

パーオキシド加硫可能な含フッ素エラストマーの製造方法

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JP2701080B2
JP2701080B2 JP2042593A JP4259390A JP2701080B2 JP 2701080 B2 JP2701080 B2 JP 2701080B2 JP 2042593 A JP2042593 A JP 2042593A JP 4259390 A JP4259390 A JP 4259390A JP 2701080 B2 JP2701080 B2 JP 2701080B2
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JP
Japan
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polymerization
fluorine
vulcanization
peroxide
iodine
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JP2042593A
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憲一 林
健三 橋村
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イー・アイ・デユポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はパーオキシド加硫可能な含フッ素エラストマ
ーの製造方法の改良に関するものである。さらに詳しく
いえば、本発明は、分子中に架橋点となる結合ヨウ素原
子を有することでパーオキシド加硫が可能であり、かつ
加硫特性及び加硫物性に優れた含フッ素エラストマー
を、懸濁重合により効率よく製造する方法に関するもの
である。
従来の技術 従来含フッ素エラストマーは、耐熱性、耐溶剤性、耐
薬品性などに優れていることから特に苛酷な条件下で使
用されるO−リング、オイルシール、パッキン、ガスケ
ットなどのシール材やダイヤフラム、ホースライニン
グ、コーティング剤、接着剤などに使用されている。
また、含フッ素エラストマーは、種々の加硫方法、例
えばポリアミン加硫、ポリオール加硫、パーオキシド加
硫などが知られており、用途に応じて最適な加硫法が選
定されている。なかでも有機過酸化物を使用するパーオ
キシド加硫法によると耐スチーム性、耐酸、耐アルカリ
性、耐アミン性などに優れたものが得られることが知ら
れている。この場合の含フッ素エラストマーとしてはヨ
ウ素又は臭素を架橋点として結合させているものが用い
られ、これまで一般式Rf・Ix(ただし、Rfはフルオロ炭
化水素基又はクロロフルオロ炭化水素基である)で表わ
されるヨウ素化合物を用いる方法、(特開昭53−125491
号公報)、一般式R・Ix(ただし、Rは炭素数1〜3の
炭化水素基である)で表わされるヨウ素化合物を用いる
方法(特開昭60−221409号公報)、臭素又はヨウ素を結
合する芳香族化合物を用いる方法(特開昭62−232407号
公報)、ヨウ素又は臭素含有過酸化物を用いる方法(特
開昭63−23907号公報)、臭素を含有するパーオキシド
加硫可能な含フッ素重合体(特公昭53−4115号公報)、
一般式R・Brx(ただし、Rは飽和脂肪族炭化水素基で
ある)で表わされる臭素化合物を用いる方法(特開昭59
−20310号公報)などが提案されている。
このようにパーオキシド加硫可能な含フッ素エラスト
マーには、架橋点として臭素タイプ、ヨウ素タイプがあ
り、いずれも実用化されている。これらの中で架橋点と
なる炭素・臭素結合は、炭素・ヨウ素結合に比べて結合
エネルギーが大きいため、パーオキシド加硫速度が遅
く、加硫度も小さい上、機械物性の中でも伸びが比較的
小さく、圧縮永久歪みが大きいなどの欠点を有してい
る。
一方、ヨウ素化合物を連鎖移動剤に用いて得られたヨ
ウ素を結合して成る含フッ素エラストマー(特開昭53−
125491号公報、特開昭60−221409号公報など)は、ポリ
マー末端に主としてヨウ素を結合しており、末端部分が
主に加硫反応に寄与するため、パーオキシド加硫速度が
速く、加硫度も大きい上、伸びが比較的大きく、かつ圧
縮永久歪の小さい優れた加硫物が得られる。
連鎖移動剤として用いるヨウ素化合物としては、毒性
及び経済性の点からR・Ixを用いる方が優れていること
が知られている(特開昭60−221409号公報)。
このような含フッ素エラストマーの重合方法として
は、通常乳化重合法が用いられており、懸濁重合法を用
いているケースはこれまで極めて少ない。この懸濁重合
法は乳化重合法において必須である塩析工程が不要であ
るため、プロセスが簡単となる上、得られる含フッ素エ
ラストマー中に塩析剤が混入することがないなどのメリ
ットがあり、工業的には有利なプロセスである。
本発明者らは、このような懸濁重合法によるパーオキ
シド加硫可能な含フッ素エラストマーの製造方法につい
て研究を重ね、先に有効な方法を見い出したが(特開平
1−319512号公報)、得られる含フッ素エラストマーの
加硫物性、特にシール材に用いる場合の圧縮永久歪特性
については必ずしも満足しうるものではなかった。
発明が解決しようとする課題 本発明は、このような事情のもとで、含フッ素エラス
トマーが本来有する良好な耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性
を十分に維持し、加工性に優れ、かつ、物性の中でも特
に圧縮永久歪特性に優れた加硫物を与えるパーオキシド
加硫可能な含フッ素エラストマーを、懸濁重合によって
効率よく製造する方法を提供することを目的としてなさ
れたものである。
課題を解決するための手段 本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を
重ねた結果、水性媒体中において、連鎖移動剤である有
機ヨウ素化合物、油溶性重合触媒及び場合により用いら
れる極少量のハロゲン含有溶剤から成る油滴を重合の場
とし、これに含フッ素モノマーを溶存させて、比較的高
温、高圧力下に懸濁重合させることにより、その目的を
達成しうることを見い出し、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。
すなわち、本発明は、連鎖移動剤として、一般式 R・Ix (式中のRは炭素数1〜3の炭化水素基、xは1又は
2である) で表わされるヨウ素化合物を用い、ビニリデンフルオリ
ドと、これと共重合可能な少なくとも1種の含フッ素オ
レフィンと共重合させてパーオキシド加硫可能な含フッ
素エラストマーを製造するに当り、懸濁安定剤を含む水
性媒体中に、前記のモノマーとヨウ素化合物、油溶性重
合触媒及び、該ヨウ素化合物と油溶性重合触媒との合計
重量に対して10倍未満の量のハロゲン含有溶剤を分散さ
せ、50〜70℃の温度において、15〜30kg/cm2・Gの圧力
下に懸濁重合を行うことを特徴とするパーオキシド加硫
可能な含フッ素エラストマーの製造方法を提供するもの
である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明方法においては、含フッ素エラストマーの分子
中に、架橋点となる結合ヨウ素原子を導入するために、
一般式R・Ixで表わされるヨウ素化合物が連鎖移動剤と
して用いられる。
この一般式においてRは炭素数3以下の炭化水素基で
あること及びxは2以下であることが必要であり炭素数
が4以上の炭化水素基を有するものでは含フッ素エラス
トマーの分子量が十分に大きくならず、またxが3のも
のでは生成した含フッ素エラストマーは三次元構造とな
って加工性が劣化する。このようなヨウ素化合物として
は、重合条件下に分解したり、効果を失わないものの中
から選ばれ、例えばモノヨードメタン、ジヨードメタ
ン、1−ヨードエタン、1,2−ヨードエタン、1−ヨー
ド−n−プロパン、ヨウ化イソプロピル、1,3−ジヨー
ド−n−プロパンなどが挙げられる。これらの中でジヨ
ードメタンが重合反応性、加硫反応性、入手の容易さな
どからもっとも好ましく用いられる。
前記のヨウ素化合物は、容易に製造することができて
極めて安価であり、かつ毒性も低いので、工業的に有利
に使用することができる。
前記一般式R・Ixで表わされるヨウ素化合物の存在下
に、ビニリデンフルオリドとこれと共重合可能な含フッ
素オレフィンとを共重合させる場合、該R・Ix分子中の
炭素・ヨウ素結合がラジカルに対して活性なため、通常
のテロメリゼーション反応が進行して、ポリマー末端に
ヨウ素が導入されるものと考えられる。
このヨウ素化合物は、水性媒体に対して、通常0.005
〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量%の割合で用いら
れる。
本発明方法において用いられるビニリデンフルオリド
と共重合可能な含フッ素オレフィンとしては、例えばヘ
キサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、パ
ーフルオロアルキルパーフルオロビニルエーテルなどが
好ましく用いられる。パーフルオロアルキルパーフルオ
ロビニルエーテルとしては、例えばパーフルオロメチル
パーフルオロビニルエーテル、パーフルオロエチルパー
フルオロビニルエーテル、パーフルオロプロピルパーフ
ルオロビニルエーテルなどが好適である。
本発明の最も有用な実施形態において得られるビニリ
デンフルオリド(以下VdFと略記する)単位とヘキサフ
ルオロプロピレン(以下HFPと略記する)単位から成る
二元系含フッ素エラストマー及びVdF単位とHFP単位とテ
トラフルオロエチレン(以下TFEと略記する)単位から
成る三元系含フッ素エラストマーにおいては、該VdF単
位とHFP単位との割合は、通常重量比40:60ないし80:20
の範囲で選ばれるが、好ましい割合は二元系含フッ素エ
ラストマーにおいては、重量比55:45ないし75:25の範囲
で選ばれ、三元系含フッ素エラストマーにおいては45:5
5ないし70:30の範囲で選ばれる。また、前記三元系含フ
ッ素エラストマーはTFE単位の含有量が35重量%以下、
好ましくは5〜25重量%の範囲にあるものが好適であ
る。
さらに、パーフルオロアルキルパーフルオロビニルエ
ーテル系含フッ素エラストマーとしては、例えばVdF単
位10〜85mol%、TFE単位3〜80mol%及びパーフルオロ
アルキルパーフルオロビニルエーテル単位2〜50mol%
から成るものが有用である。
このような割合で単量体単位を含むものは、含フッ素
エラストマーとして良好なゴム状弾性を示し、それぞれ
の単量体単位の割合が前記範囲を逸脱するものは、熱可
塑性樹脂としての性質を有するようになるので好ましく
ない。
本発明方法においては、まず懸濁安定剤を含む水性媒
体中に、機械的にかきまぜながら、前記ヨウ素化合物及
び場合により用いられる少量のハロゲン含有溶剤を加
え、これに所定組成の混合モノマー(仕込みモノマー)
を加圧溶存させ、液温を50〜70℃、好ましくは50〜60℃
に保存しながら、これに油溶性重合触媒を単独で、又は
少量のハロゲン含有溶剤に溶解させ添加して懸濁重合を
行う。重合温度が50℃未満では重合速度が遅い傾向があ
るし、70℃を超えると重合中にポリマーの懸濁粒子が粘
着化しブロッキングしやすくなり良好な懸濁状態を保持
できず好ましくない。
本発明においては、重合圧力を15〜30kg/cm2・Gの範
囲に調整して重合する。この場合、設定する重合圧力と
なるように仕込みモノマー量を調整し、重合開始後は、
重合圧力が一定になるように新たな組成の混合モノマー
(追添モノマー)を添加して重合を進行させる。
この重合圧力が15kg/cm2・G未満では重合速度が遅い
傾向があるし、また、30kg/cm2・Gを超えても重合速度
はあまり変わらないので、30kg/cm2・Gより高い圧力で
重合を行う必要はない。
本発明方法においては、油溶性触媒は単独で用いても
よいし、ハロゲン含有溶剤に溶解させて用いてもよい。
この場合、重合系内に存在するハロゲン含有溶剤の量
は、連鎖移動剤として用いられる前記ヨウ素化合物と該
油溶性触媒との合計重量に対して10倍未満であることが
必要である。
本発明方法においては、連鎖移動剤として、一般式R
・Ix(ただし、R及びxは前記と同じ意味をもつ)で表
わされるヨウ素化合物を用い、いわゆるテロメリゼーシ
ョン反応を行って、ポリマー末端にヨウ素を結合させる
ため、該ヨウ素化合物以外の連鎖移動する物質が存在す
ると、ヨウ素以外の末端基も形成される。本発明では、
ハロゲン含有溶剤として、連鎖移動しにくいものが好ま
しく用いられるが、それでも連鎖移動が全く起こらない
わけではないので、その量が該ヨウ素化合物と油溶性触
媒との合計重量に対して、10倍以上になるとポリマー末
端に結合するヨウ素の割合が低くなり、その結果パーオ
キシド加硫反応性が低下し、加硫物の圧縮永久歪が悪く
なる。
前記ハロゲン含有溶剤は、目的以外の反応を抑制する
点から、その使用量が少ないほどよく、全く使用しなく
てもよいが、重合の場の提供と触媒の希釈剤としての役
割から、該ヨウ素化合物と油溶性触媒との合計重量とほ
ぼ同量使用するのが有利である。
また、該ヨウ素化合物と油溶性重合触媒との使用割合
については、該ヨウ素化合物をテロゲンとするテロメリ
ゼーション反応を主反応とし、他の副反応を抑えるた
め、ヨウ素化合物に対する油溶性触媒の使用量を、モル
比で0.5以下に抑えるのが望ましい。
本発明は、懸濁重合によりテロメリゼーション反応を
有効に進める方法を見い出しなされたものである。特
に、これまで含フッ素オレフィンの重合溶媒として不活
性であると考えられていた1,1,2−トリクロロ−1,2,2−
トリフルオロエタンが含フッ素エラストマーの重合に対
して完全に不活性ではなく、一部連鎖移動反応が起こる
という知見に基づくものであり、従来の考え方では予想
することのできないものといえる。
前記油溶性重合触媒としては、通常有機パーオキシド
化合物、例えばジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネートなどの
ジアルキルパーオキシジカーボネート類、t−ブチルパ
ーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレ
ートなどのパーオキシエステル類、ジプロピルパーオキ
シドなどのジアシルパーオキシド類、ジ(パーフルオロ
プロピオニル)パーオキシド、ジ(パーフルオロブチリ
ル)パーオキシド、ジ(トリクロロオクタフルオロヘキ
サノイル)パーオキシドなどのジ〔パーフルオロ(又は
クロロフルオロ)アシル〕パーオキシド類などの中から
適宜選ばれるが、これらの中で、一般式 (式中のR1及びR2は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル
基であり、それらは同一であってもよいし、たがいに異
なっていてもよい) で表わされるジアルキルパーオキシジカーボネートが好
適である。このようなジアルキルパーオキシジカーボネ
ートとしては、例えばジイソプロピルパーオキシジカー
ボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−sec−アミルパーオキシジカーボネート、ジ−s
ec−ヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロ
ピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−ブチルパーオ
キシジカーボネートなどが挙げられるが、これらの中で
特にジイソプロピルパーオキシジカーボネートが好まし
い。
これらの油溶性重合触媒は、1種用いてもよいし、2
種以上を組み合わせて用いてもよく、その使用量は、水
性媒体に対して、通常0.001〜5重量%、好ましくは0.0
1〜3重量%の範囲で選ばれる。
本発明方法において用いられるハロゲン含有溶剤とし
ては、先に本発明者らが提案した一般式 CH3R3 …(II) (式中のR3は少なくともフッ素原子1個含むパーハロメ
チル基又はパーハロエチル基である)で表わされる化合
物が挙げられる。
前記一般式(II)で表わされる化合物は水素原子を含
むので、オゾン破壊係数は小さくて、環境破壊をもたら
すことが少なく、その使用に問題がない上、フルオロオ
レフィンに対する連鎖移動性が小さいので、重合速度及
び得られるポリマーの分子量を十分に挙げることができ
る。
前記一般式(II)で表わされる化合物の具体例として
は、CH3CCl2F、CH3CClF2、CH3CF3などのエタン系、CH3C
F2CF3、CH3CF2CF2Cl、CH3CF2CFCl2、CH3CFClCF3、CH3CF
ClCF2Cl、CH3CF2CFCl2などのプロパン系のものを挙げる
ことができるが、取り扱いの簡便さ、入手の容易さなど
の点からCH3CCl2FCが好適である。前記ハロゲン含有溶
剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合し
て用いてもよい。
本発明方法において用いられる懸濁安定剤としては、
例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ベントナイト、タルク、けいそう土などが挙げられ
るが、これらの中でメチルセルロースが好適である。
これらの懸濁安定剤は1種用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよく、その使用量は、通常水性
媒体に対して0.001〜3重量%、好ましくは0.01〜1重
量%の範囲で選ばれる。
本発明における重合時間については特に制限はない
が、通常3〜50時間程度である。生成する含フッ素ポリ
マーの量は、ほぼ追添モノマー量に等しく、含フッ素ポ
リマーの組成とほぼ追添モノマー組成と同じになるよう
に仕込み組成を決定する。
仕込みモノマー組成及び追添モノマー組成はガスクロ
マトグラフ(G.C.)により、含フッ素ポリマー中のモノ
マー単位の組成は該ポリマーをアセトンに溶解後19F NM
Rによって測定することができる。
本発明の含フッ素エラストマーは、ポリアミン化合
物、ポリオール化合物などでも加硫可能であるが、有機
過酸化物を用いるパーオキシド加硫した場合、本発明の
含フッ素エラストマーの改善された性能が著しく発揮さ
れる。
次に、パーオキシド加硫法について説明すると、ま
ず、含フッ素エラストマーに多官能性不飽和化合物、有
機過酸化物及び必要に応じて用いられる充てん剤や受酸
剤として作用する金属酸化物又は金属水酸化物などを配
合混練りしたのち、加熱して加硫処理を行う。該多官能
性不飽和化合物としては、例えば、トリアリルシアヌレ
ート、トリアリルイソシアヌレート、トリス(ジアリル
アミン)−s−トリアジンなどが有用であり、特にトリ
アリルイソシアヌレートが好ましく用いられる。これら
の多官能性不飽和化合物の使用量は、エラストマー100
重量部当り、通常0.1〜10重量部、好ましくは1〜6重
量部の範囲で選ばれる。
有機酸化物としては、熱によって容易にパーオキシラ
ジカルを発生するものが好ましく、例えば、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−
3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)
ヘキサンなどのジアルキルパーオキシドが好適である。
受酸剤としての金属酸化物や水酸化物としては、例え
ばカルシウム、マグネシウム、鉛、亜鉛などの酸化物や
水酸化物が有効である。これらの受酸剤は、目的によっ
て特に用いなくてもよい。充てん剤としては、例えばカ
ーボンブラック、シリカ、クレー、タルクなどが必要に
応じ適宜用いられる。
前記の含フッ素エラストマー、多官能性不飽和化合
物、有機過酸化物及び必要に応じて用いられる充てん剤
や受酸剤などの混合物は、ロールやバンバリーミキサー
などで混練り後、金型に入れ加圧して一次加硫し次いで
二次加硫する。一般に一次加硫の条件は、温度100〜200
℃、加硫時間5分〜30分、圧力20〜300kg/cm2・Gの範
囲から選ばれ、二次加硫の条件は、通常温度100〜200
℃、加硫時間0〜20時間の範囲から選ばれる。
発明の効果 本発明方法によると、分子中に架橋点となる結合ヨウ
素原子を有するパーオキシド加硫可能な含フッ素エラス
トマーを効率よく製造することができる。また、本発明
方法で得られる含フッ素エラストマーは、ロール混練時
の加工性に優れる上、パーオキシド加硫することで、良
好な耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性と優れた圧縮永久歪特
性と併わせもつ加硫物を与えることができ、例えば厳し
い条件下で使用されるガスケット、O−リング、オイル
シールなどのシール材やダイヤフラム、ホース、保護コ
ーティングなどに好適に用いられる。
実施例 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの例によってなんら限定されるもの
ではない。
なお、含フッ素エラストマーの物性及び分子量、加硫
ゴムの物性、加硫特性は次の方法に従って求めた。
(1) 含フッ素エラストマーの物性及び分子量 (イ) 極限粘度数〔η〕 0.1g/100ml濃度の含フッ素エラストマーのメチルエチ
ルケトン溶液を調製し、毛細管粘度計を用いて、35℃で
測定した。
(ロ) 分子量及び分子量分布W/は、
次の条件で測定し、求めた。
分子量分布測定条件 液体クロマトグラフ:LC−3A型〔島津製作所(株)
製〕 カラム:KF−80M(2本)+KF−800P(プレカラム)
〔昭和電工(株)製〕 検出器:ERC−7510S〔エルマ光学(株)製〕 インテグレーター:7000A(システムインスツルメンツ
社製) 展開溶媒:テトラヒドロフラン 濃 度:0.1重量% 温 度:35℃ 分子量検量線用標準ポリマー:単分散ポリスチレン各
種〔東洋曹達(株)製〕〔W/〜1.2(max)〕 (ハ) ムーニー粘度 JIS K−6300に準じて、次の条件で測定した。
ムーニー粘度測定条件 試験片:厚み7〜8mm、約4cm×4cm角の板状で、中心
に約10mmの穴をあけたもの1個を含む2個を1組とし
(1組の重量35〜40g)、試験片とする。
測定装置:上島製作所製VR−103ST、L形ローターを
使用 測定方法:試験片と接する金属面との間にセロハンを
はさんで、試験片を装置に取付け、温度121℃、予熱時
間1分、ローターの作動時間10分の条件で測定する。
(ニ) ヨウ素含有量 エラストマーをアセトンに溶解して、濃度約20重量%
の溶液を調製し、蛍光X線法により求めた。
(2) 加硫ゴムの物性 (イ) 引張特性 以下に示すパーオキシド加硫標準条件で、厚さ2mmの
加硫シートを作成し、これから3号ダンベル型試験片を
打抜き、JIS K−6301に準じて引張試験機〔東洋精機
(株)製〕を用い、引張速度50cm/分で測定した。
パーオキシド加硫標準条件 含フッ素エラストマー:100重量部 メディアムサーマルカーボン:30重量部 トリアリルイソシアヌレート:4重量部 パーヘキサ2.5B−40:3.75重量部〔日本油脂(株)
製〕 混練方法:ロール 一次熱プレス加硫:160℃×10分間 二次オーブン加硫:180℃×4時間 (ロ) 圧縮永久歪 前記加硫標準条件でパーオキシド加硫したP−24型O
−リングを用い、JIS K−6301に準じて25%加圧圧縮
下、温度200℃に72時間保持したのちに30分間室温に放
冷後、厚み計(京都高分子計機製)を用いて測定した。
(3) 加硫特性 ASTM D2094−87に準じ、オシレーティング・ディスク
・レオメータ(ODR)により、以下のようにして加硫特
性、すなわち最低粘度、加硫度、誘導期間及び適性加硫
時間を求めた。
加硫特性測定条件 試験片: パーオキシド加硫標準条件により混練りした配合ゴム
生地を厚さ6±1mmで分出しを行う。一辺が30〜35mmの
板状で、中心に直径約8mmの穴をあけたもの1個を含む
2個を1組とし(1組の重量25〜30g)、試験片とす
る。
試験装置: 東洋精機製作所製オシレーティング・ディスク・レオ
メータ、振幅角3度、振幅数6cpm ディスク:BL型 測定方法:試験片と接する金属面との間にセロハンを
はさんで、試験片をを装置に取付け、測定温度160℃、
予熱なしの条件で測定する。
参考例1 電磁誘導式かきまぜ機を備えた内容積約15のオート
クレーブを窒素ガスで十分に掃気し、減圧・窒素充てん
を3回繰り返して窒素置換したのち、減圧状態で脱酸素
した純水5,440g及び懸濁安定剤としてのメチルセルロー
ス(粘度50cp)5.4g、ジョードメタン27.7gを仕込み、6
00rpmでかきまぜながら、温度50℃に保った。次いでVdF
366g、HFP1,740g、及びTFE146gから成る混合モノマーを
仕込みモノマーとして仕込んだ。50℃で、オートクレー
ブ内圧は24kg/cm2・Gに達した。
次に、触媒として、ジイソプロピルパーオキシジカー
ボネート4.3gを1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオ
ロエタン(以下、フロン113という)86gに溶解した溶液
を仕込み、重合を開始させた。重合により圧力が23.5kg
/cm2・Gまで低下したら、VdF47.6重量%とHFP31.6重量
%とTFE20.8重量%とから成る混合モノマーを追添モノ
マーとして追添し、再び圧力を24kg/cm2・Gに戻した。
このような操作を繰り返し、12.5時間重合反応を行っ
た。重合反応終了後、残存する混合モノマーを掃気して
得られた懸濁液を遠心分離器で脱水し、さらに十分水洗
したのち、100℃で真空乾燥して、約5,200gのエラスト
マーを得た。得られた含フッ素エラストマーを19FNMRに
より分析したところ、VdF単位47.5重量%、HFP単位31.4
重量%、TFE単位21.1重量%であり、フッ素含量は、68.
1重量%であった。
また〔η〕は、50ml/g、は3.3×104W/
2.3、ヨウ素含量は0.51%、ムーニー粘度ML1+10121℃=
5であった。
前記含フッ素エラストマー標準条件によりパーオキシ
ド加硫したところ、加工性に優れ、かつ優れた物性を示
す加硫物が得られた。加硫特性及び加硫ゴム物性を第2
表に示す。
実施例2、3、参考例2、3、及び比較例1〜4 第1表に示す重合条件で重合を行った以外は、参考例
1と同様に実施した。得られたエラストマーのポリマー
特性、加硫特性、加硫ゴム物性を第2表に示す。
フロントページの続き (72)発明者 橋村 健三 宮崎県延岡市旭町6丁目4100番地 旭化 成工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−319512(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)懸濁安定剤を含む水性媒体中に、 i)ビニリデンフルオリド、 ii)少なくとも1種の他の共重合可能な含フツ素オレフ
    イン、 iii)油溶性重合触媒、 iv)一般式 R Ix (式中、Rは炭素数1〜3の炭化水素基であり、xは1
    又は2である) で示されるヨウ素化合物である連鎖移動剤、及び v)式 CH3R3 (式中、R3は少なくとも1個のフツ素原子を含むパーハ
    ロメチル又はパーハロエチル基である) で示される溶媒、ここで、該溶媒は上記ヨウ素化合物と
    重合触媒との合計重量の10倍未満の量で存在する、 を分散させ、そして (B)50〜70℃の温度において、15〜30kg/cm2・Gの圧
    力下に懸濁重合を行う ことを特徴とするパーオキシド加硫可能な含フツ素エラ
    ストマーの製造方法。
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