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JP2650208B2 - エコーキャンセラ - Google Patents

エコーキャンセラ

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Publication number
JP2650208B2
JP2650208B2 JP62163653A JP16365387A JP2650208B2 JP 2650208 B2 JP2650208 B2 JP 2650208B2 JP 62163653 A JP62163653 A JP 62163653A JP 16365387 A JP16365387 A JP 16365387A JP 2650208 B2 JP2650208 B2 JP 2650208B2
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JP
Japan
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signal
detector
howling
echo
double talk
Prior art date
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Application number
JP62163653A
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JPS647821A (en
Inventor
光夫 辻角
良一 宮本
善和 中野
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP62163653A priority Critical patent/JP2650208B2/ja
Publication of JPS647821A publication Critical patent/JPS647821A/ja
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Publication of JP2650208B2 publication Critical patent/JP2650208B2/ja
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、拡声電話、衛星通信等の電話回線に適用
されるエコーキャンセラに関する。
(従来の技術) 従来、この種のエコーキャンセラとしては例えば特開
昭61−56526号公報に開示されているように拡声電話に
適用した構成のものがある。第8図はこの従来のエコー
キャンセラの構成例を示すブロック図である。同図にお
いて、800はエコーキャンセラ、802は拡声電話器であ
る。この装置は、拡声電話802において、スピーカ804か
ら出力された音声信号Routが室内を反響系路(エコーパ
ス(Echo Path)。以下EPと称する場合がある。)とし
てマイクロホン806に入力され、送信信号にエコー信号S
in(k)となって漏れるのをエコーキャンセラ(Echo C
anceller。以下、ECと称する場合がある。)800で消去
するものである。尚、808はスピーカ用増幅器、810はマ
イクロホン用増幅器である。
エコーキャンセラ800は受信信号が入力されて擬似エ
コー信号Sin(k)を出力する適応ディジタルフィルタ
(Adaptive Digital Filer。以下、ADFと称する場合が
ある。)812と、ADF812の適応推定動作を制御するダブ
ルトーク検出器(Double Talk Detector。以下、DTDと
称する。)814と、擬似エコー信号Sin(k)をエコー信
号Sin(k)から減算して残差信号Res(k)を生ずる加
算器816とで主として構成される。尚、ここで、818、82
0はA/D変換器であり、822、824はD/A変換器であり、k
は例えば8kHzの同期クロックパルスで同期されて行われ
るサンプリング時刻を表わしている。
ADF812の適応推定動作は受信信号Rin(k)のみが存
在し、近端話者信号Nが存在しないシングルトークのと
きのみ、正確に行われるため、受信信号Rin(k)と近
端話者信号Nとが同時に存在するダブルトーク状態で
は、ADF812の適応推定動作を禁止するDTD814が必要不可
欠となる。
ところで、上述した特開昭61−56526号公報に開示さ
れた技術では、DTD814の検出感度を高めていた。第9図
はこの従来構成のDTDを示すブロック図である。この構
成において、901〜903、923はピーク値検出器、904〜90
6は二乗回路、907、908はプライオリティエンコーダ、9
09はATメモリ、910、918、924、925は加算器、911、91
2、916は比較器、913、914、917はスイッチ、915はシフ
ト回路、919、920はリミッタ、921、922は修正量メモリ
であり、その詳細な説明な省略するが、この構成によれ
ば、受信信号Rin(k)と残差信号Res(k)のそれぞれ
の信号レベルLRin(k)、LRes(k)を対数領域で求
め、このレベル差が閾値ATよりも小さくなったときダブ
ルトークと検出し、ADF適応動作禁止信号INH=1を出力
させている。この場合、閾値ATは 非ダブルトーク時(INH=0) AT(k+1)=AT(k)+δD ダブルトーク時(INH=1) AT(k+1)=AT(k)−δD のように制御し、EPの変動によって AT(k)≧LRin(k)−LRes(k) が成立し、ダブルトークと誤検出しても、時刻の経過に
よって閾値ATが下がるため、 AT(k)<LRin(k)−LRes(k) となり、再びADF812が適応推定動作を開始するという特
色を有している。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、この従来構成のエコーキャンセラの場
合には、急激なエコーパスの変動が起ってハウリングが
発生すると、 AT(k)≧LRin(k)−LRes(k) となり、閾値ATが遂次減少して AT(k)<LRin(k)−LRes(k) が成立するまでの間、ADFが適応動作禁止され、ハウリ
ング状態が継続してしまうという重大な欠点があった。
この発明の目的は、このような従来の欠点を除去し、
ハウリングの発生を軽微に留め通話品質の優れたエコー
キャンセラを提供することにある。
(問題点を解決するための手段) この目的の達成を図るため、この発明によれば、 受信信号を入力して擬似エコー信号を発生させる適応
ディジタルフィルタを具え、該擬似エコー信号をエコー
信号から減算することによってエコー消去を行うように
構成したエコーキャンセラにおいて、 受信信号の無音状態を検出する無音検出器と、 ダブルトーク状態を検出するダブルトーク検出器と、 ハウリング状態を検出するハウリング検出器と、 無音検出器、ダブルトーク検出器、及びハウリング検
出器からの検出結果に基づいて、少なくとも受信信号が
有音状態にありかつハウリングが発生している時には適
応推定を行なう制御をし、及び受信信号が有音状態にあ
りかつダブルトーク時には適応推定を禁止する制御をす
る適応ディジタルフィルタ制御部とを具えたエコーキャ
ンセラであって、 ハウリング検出器は、エコー信号、もしくは該エコー
信号から擬似エコー信号を減算した残差信号、もしくは
受信信号(以下、併せてハウリング信号とも称する)が
特定の周波数が強調された信号であることを検出する周
波数成分検出部と、受信信号もしくは送信信号の信号レ
ベルが予め定めた閾値を越えた信号レベルであることを
検出する信号レベル検出部とを以って構成されてなるこ
とを特徴とする。
(作用) このように、この発明においては、ハウリング検出
器、受信信号無音検出器、ダブルトーク検出器のそれぞ
れが検出時には一方の論理値例えば「1」の検出信号を
生じ、非検出時には他方の論理値例えば「0」の検出信
号を生じ、これらの検出信号をADF制御部に送り、これ
によりこれら検出信号の結果に基づいてADFの適応推定
動作禁止信号をADFへ出力してADFの適応推定動作の禁止
及びその解除を制御する。
従って、ハウリング時には検出結果に基づき直ちにAD
Fが適応推定を行うため、ハウリングが即時に停止し、
よって、通話品質が損なわれることが無く、また、ダブ
ルトーク検出によって、従来と同等の通話品質が保証さ
れる。
また、この発明においては、互いに識別しにくいハウ
リングとダブルトークとを個別に設けたハウリング検出
器とダブルトーク検出器とを組み合せて検出しているの
で、ハウリング及びダブルトークの相互の誤検出がな
く、従って、上述した適応推定の制御を適正に行なえる
とともに、上述した適応推定の禁止或は解除の制御も適
正に行なえる。
また、この発明においては、ハウリング状態を検出す
るにあたり、ハウリング信号が特定の周波数が強調さ
れた信号であること、及び受信信号もしくは送信信号
の信号レベルが予め定めた閾値を越えた信号レベルであ
ることという2つの特徴を以ってハウリング状態を検出
する。このため、この発明においては、ハウリング検出
器をの特徴を検出する周波数成分検出部と、の特徴
を検出する信号レベル検出部とを以って構成する。その
結果、この発明においては、ハウリング検出器の回路構
成を簡単にすることができる。従って、ハウリング検出
器とダブルトーク検出器とを組み合せたエコーキャンセ
ラの回路構成が複雑化することを回避できる。
(実施例) 以下、図面を参照して、この発明の実施例につき説明
する。
第1図は、この発明のエコーキャンセラの構成の一実
施例を示すブロック図である。
先ず、この第1図を参照してこの発明の概要を説明す
る。同図において、100はエコーキャンセラであり、102
は従来と同様に受信信号Rin(k)が入力されて擬似エ
コー信号in(k)を生成すると共に、適応推定動作を
行う適応ディジタルフィルタ(ADF)である。104は加算
器で従来と同様エコー信号Sin(k)から擬似エコー信
in(k)を減算し残差信号を生ずる。
この発明のエコーキャンセラは、受信信号Rin(k)
の無音状態の有無を検出するための無音検出器(ID)10
6と、ダブルトーク状態の有無を検出するダブルトーク
検出器(DTD)108と、ハウリングを検出するハウリング
検出器(HD)110と、これら無音検出器106、ダブルトー
ク検出器108及びハウリング検出器110からの検出結果に
応動して適応ディジタルフィルタ(ADF)102の適応動作
を制御するための適応ディジタルフィルタ(ADF)制御
部112とを具えた構成となっている。
無音検出器 この無音検出器106は、この実施例では、受信信号Rin
(k)が入力されて無音状態を検出した時には検出信号
J1を一方の論理値例えば「1」として出力し、非無音状
態である時は検出信号J1を他方の論理値例えば「0」と
して出力してこの検出信号J1をダブルトーク検出器108
及びADF制御部112に入力させる構成となっている。
第2図は、この無音検出器106の具体的構成例を示す
ブロック図である。この実施例では、絶対値回路114
と、受信信号Rin(k)の絶対値|Rin(k)|の積分回
路116と、比較器118とで構成してある。受信信号R
in(k)は絶対値回路114に入力され絶対値|Rin(k)
|=ARin(k)を求め、然る後、この絶対値を積分回路
116のδ乗算器120へ送り、ここで絶対値ARin(k)は
正の微小量であるδ(0<δ<1)を乗算し、加算
器122へ送り、この加算器122では、(1−δ)乗算器
124からの出力と加算して出力PRin(k)を得る。加算
器122の出力PRin(k)は比較器118と単位遅延素子126
へ送られる。この積分回路116のPRin(k)を得る過程
は以下の式 PRin(k)=(1−δ)PRin(k−1)+δ1|R
Rin(k)| で書き表わすことが出来る。この回路は受信信号R
in(k)の絶対値の積分回路であるので、δを適当に
設定することにより、近似的に(k−20)とか(k−1
0)といった短時間例えば(k−16)時間内での平均振
幅を求めることが出来る。例えば、δを2-4と設定す
ると、平均振幅を求める時間は24サンプル程度となる。
このようにして得た出力PRin(k)をあらかじめ設定さ
れている閾値Xthと比較を行って、無音状態の有無を判
定する。この場合、 PRin(k)>Xthならば、受信信号有音として検出信
号J1=0とし、また PRin(k)≦Xthならば、受信信号無音として検出信
号J1=1とし、 その結果を検出信号J1として出力する。
尚、上述した無音検出器の構成は無音及び有音を判定
した検出信号J1を出力するような構成となっていれば何
等上述した構成に限定されるものではない。
ダブルトーク検出器 次に、ダブルトーク検出器108につき説明する。通
常、ダブルトークとハウリングは信号的にはその振る舞
いが著しく紛らわしい場合がある。そのため、この発明
では、ハウリング検出器とは別にダブルトークがシング
ルトークかを検出するための検出器を設けている。
この実施例では、このダブルトーク検出器108を受信
信号Rin(k)のパワー検出器302及び対数変換器304
と、残差信号Res(k)のパワー検出器306及び及び対数
変換器308と、両対数変換部304及び308からの信号の加
算器310と、比較器312と、この比較器312におけるダブ
ルトーク検出閾値At(k)を設定するためのダブルトー
ク検出閾値制御回路(以下、At制御回路という。)314
とで構成している。
受信信号Rin(k)及び残差信号Res(k)はパワー検
出器302及び306でそれぞれパワー検出され、パワー信号
Px(k)及びPe(k)をそれぞれ求めた後、後段に接続
されている対数変換器304及び308でそれぞれ対数領域の
値Lx(k)及びLe(k)にそれぞれ変換される。加算器
310では、両者の差信号Acom(k)=Lx(k)−L
e(k)を出力して一方においてはAt制御回路314へ供給
し他方においては比較器312へ供給する。
比較器312では、At制御回路314によって予め(k−
1)のサンプリング時刻に計算された閾値At(k)と、
差信号Acom(k)との比較を行って、 At(k)<Acom(k)の場合には、検出信号J2はシン
グルトーク状態であることを表わす一方の論理値例えば
「0」となり、 At(k)≧Acom(k)の場合には、検出信号J2はダブ
ルトーク状態であることを表わす他方の論理値例えば
「1」となる。
この検出信号J2は第1図に示したADF制御部112へ出力
すると共に、At制御回路314へAt制御選択信号として入
力させる。
一方、このAt制御回路314は上述した検出結果のJ
2と、無音検出器106(第1図)からAt制御禁止信号とし
て入力される検出結果J1とに基づいて、ダブルトーク検
出閾値At(k)の更新、保存及び減算のそれぞれ行う回
路である。
第4図は、このAt制御回路314の具体的な構成例を示
すブロック図である。このAt制御部314は、平均値回路4
02と、r加算器404と、セレクタスイッチ406と、加算器
408と、このAt制御回路314の出力信号である次のサンプ
リング時刻に対応する閾値At(k+1)を出力するリミ
ッタ410と、この出力を単位サンプリング時間だけ遅延
させる単位遅延素子412と、定数0又はδ(このδ
は既に説明したδとから独立した定数である。)を選
択するセレクタスイッチ414と、乗算器416と、加算器42
0とで構成されている。
差信号Acom(k)は平均値回路402及び加算器420にそ
れぞれ供給される。この平均値回路402は信号A
com(k)の例えば128とか256サンプリング区間とかい
う長時間平均値を求める。続いて長時間平均値の信号と
してr加算器404に入力し、この長時間平均値からこの
rを差し引いて閾値At(k)との間にrだけの電圧レベ
ル差を与え、ダブルトーク検出感度を一定に保持するよ
うにしておく。
r加算器404の出力はセレクタスイッチ406をA側端子
に供給される。尚、セレクタスイッチ406のB側端子に
は単位遅延素子412が接続されている。このセレクタス
イッチ406には、無音検出器(ID)106からの検出結果J1
と、ダブルトーク検出器(DTD)からの検出結果J2とが
それぞれ入力しており、これらの検出結果J1及びJ2に基
づいて次表Iで示すような関係で動作する。
表I J1 J2 選択端子 0 0 A 0 1 B 1 0 B 1 1 B この表Iからも理解出来るように、このセレクタスイ
ッチ406は、有音かつシングルトークの場合に端子Aが
選択され、その他の状態では端子Bが選択される構成と
なっている。
加算器420は信号Acom(k)と単位遅延素子412の出力
At(k)との差信号を乗算器416へ出力する。
乗算器416はセレクタスイッチ414で選択された定数
(0又はδ)を差信号At(k)−Acom(k)に乗算し
てその結果を加算器408へ供給する。
加算器408は、セレクタスイッチ406の出力から乗算器
416の出力を減算してリミッタ410ヘ出力する。このリミ
ッタ410は閾値At(k)が不当に高く或いは低くセット
されないように閾値At(k)の値を制限する機能を有し
ている。このリミッタ410の出力は更新された閾値A
t(k+1)として単位遅延素子412及び比較器312へ出
力される。
セレクタスイッチ414は上述した検出結果J1及びJ2
基づいて、次の表IIで示すような動作を行う。
表II J1 J2 選択端子 0 0 0 0 1 δ 1 0 0 1 1 0 (但し、0<δ<1) この表IIからも理解出来るように、このセレクタスイ
ッチ414は、有音かつダブルトークの場合に定数δ
選択され、その他の状態では定数0が選択される構成と
なっている。
この制御により、At制御回路は以下のような関係でダ
ブルトーク検出閾値At(k)を出力する。
受信信号Rin(k)無音時: At(k+1)=At(k) シングルトーク時: At(k+1)=Acom(k)の長時間平均値 ダブルトーク時: At(k+1)=At(k)−δ(At(k)−A
com(k)) 尚、上述したDTD108の構成は単なる一例であり、この
発明のエコーキャンセラにおいては、DTD108はダブルト
ークを判定した検出信号J2を出力するような構成となっ
ていれば何等上述した構成に限定されるものではない。
ハウリング検出器 次にハウリング検出器(HD)110につき説明する。
第5図はハウリング検出器110の一構成例を示すブロ
ック図であり、第6図はそれに周波数成分検出部として
組み込まれている2次非巡回形適応予測フィルタ(以
下、2次FIRと称する場合がある。)の回路構成図であ
る。
このハウリング検出器110はエコー信号y(k)(Sin
(k))が入力される2次FIRと502と、2次FIR502の係
(k),(k)制御部504と、適応予測フィ
ルタの予測出力制御係数g(k)の制御部506と、g
(k),(k)及びADF102のレジスタパワーMPOW
(k)よりハウリングを検出する判定部508とで構成さ
れ、ハウリング検出時には、検出信号J3を一方の論理値
例えば「1」としてADF制御部112へ出力すると共に、そ
れ以外ではこの検出信号J3を他方の論理値例えば「0」
としてADF制御部112へ出力する構成となっている。尚、
この判定部508は、レジスタパワーMPOW(k)を観測す
ることにより、受信信号もしくは送信信号の信号レベル
が予め定めた閾値を越えた信号レベルであるか否かを検
出する信号レベル検出器でもある。
次に、このハウリング検出の原理につき説明する。
今、ハウリングが発生した時のエコーキャンセラ100
の入出力Rin(k)、Res(k)、Sin(k)をそれぞれ
x(k)、e(k)、y(k)とすると、これらx
(k)、e(k)、y(k)はほぼ単一の正弦波であ
り、スペクトルは線スペクトル性となり、 この正弦波を の伝達関数をもつ2次巡回形フィルタ(以下、2次IIR
と称する。)のインパルス応答と考えると、この正弦波
を逐次適応予測して無相関にするためには、 Q(Z)=1−(Z) …… の伝達関数をもつ2次FIRに入力すれば良い。
第6図に示す2次FIRの回路はエコー信号y(k)が
入力されダミー予測値(k)とからダミー残差信号
rd(k)を出力させる加算器602と、この信号y(k)
を単位サンプリング時間だけ遅延させる単位遅延素子60
4と、この遅延されたy(k)をさらに遅延させるため
の単位遅延素子606と、単位遅延素子604からの信号y−
(k−1)に係数(k)を乗算する乗算器608と、
単位遅延素子606からの信号y(k−2)に係数
(k)を乗算する乗算器610と、これら乗算器608及び
610からの信号を加算して予測値(k)を出力する加
算器612と、この予測値(k)に係数g(k)を乗算
して上述したダミー予測値(k)を出力する乗算器
614と、この予測値(k)をエコー信号y(k)から
減算して残差信号r(k)を出力する加算器616とを具
えた構成となっている。ここで得られた残差信号r
(K)及びダミー残差信号rdは共に第5図の
(k),(k)制御部504及びg係数制御部506に
送られる。
この第6図に示す構成において、どの周波数でハウリ
ングが起っても、適応的に予測値(k)を出力して残
差信号r(k)を無相関にするためのアルゴリズムにつ
き、以下に説明する。
r2(k)を、予測フィルタの係数(k)で微分し
た微分項は r(k)=y(k)−(k) …… 従って、逐次更新の方法は もしくは、 (k+1)=(k)+δ・sgn{r(k)}・ sgn{y(k−i)} …… 但し、0<α<2 δは正の微少値となる。従って、A(z)=(z)の
とき、入力y(k)≒予測値(k)となり、残差信号
r(k)は無相関となる。
また、正弦波のみを予測してr(k)を無相関にする
目的であるならば、 (k) …… としても良い。これは1−A(z)=0の根PをZ平面
上に極座標表示すると、 P=r・e±jω …… 但し、r:複素数Pの絶対値 ω:複素数Pの偏角 e:自然対数の底 と表現出来、これを1−A(z)=0に代入することに
よって、 となり、2次IIRのインパルス応答が正弦波となるの
は、r2=1のときに限られるからである。
(k),(k)制御部504は上述した、
、の式に基づいて、係数(k),(k)を
制御する。
次に、信号がどの程度、正弦波に近いかを表わす方法
として、予測値出力制御係数g(k)を導入する。この
係数g(k)を適応的に変えてダミー残差信号rd(k)
を無相関にするアルゴリズムは以下説明するようにして
与えられる。
rd(k)=y(k)−(k) …… 従って、 もしくは、 0≦g(k)≦1 …… g(k)制御部は506は、、式に基づいてg
(k)を制御する。
以上、2つの制御によって、y(k)が無相関であれ
ばg(k)≒0となり、予測値(k)=0となる。エ
コー信号y(k)が正弦波的(ハウリング状態)であれ
ば、 係数g(k)≒1 (k)=1 y(k)≒(k)=(k) となってダミー残差信号rd(k)及びr(k)は無相関
化される。
しかしながら、この2つの係数にみによって、ハウリ
ングを検出すると、近端話者信号によって誤動作する可
能性がある。そこで、ハウリング時には、送受の信号レ
ベルが高レベルになることを利用して、学習同定法で適
応動作を行うADFが適応動作のため算出しているADFの入
力信号レジスタの総パワーMPOW(k)を、信号レベル検
出部としての判定部508において観測して Mpow(k)>Mpth …… g(k)>gth …… (k)>a2th …… Mpth:パワーMpow(k)閾値 gth:g(k)の閾値 a2th:(k)閾値 〜の式が同時に成立したときハウリングと検出すれ
ば、誤検出はなくなる。もちろん、式式によって係数
(k)=1としているときは、式は除外しても良
い。
尚、上述したハウリング検出器110の構成は単なる一
例であって、このハウリング検出器110の構成はハウリ
ング検出器J3を出力出来る構成であればその上述した実
施例の構成に何等限定されるものではない。また、上述
のハウリング検出器の例では、エコー信号Sin(k)す
なわちy(k)を入力させて検出する構成となっている
が、受信信号Rin(k)(x(k))或いは残差信号Res
(k)(e(k))を入力させて処理を行わせても信号
y(k)の場合と同様な効果が得られる。
ADF制御部 このADF制御部112は、上述した無音検出器(ID)106
からの検出信号J1、ダブルトーク検出器(DTD)108から
の検出信号J2、ハウリング検出器(HD)からの検出信号
J3を用いて、これら各検出結果に応じてADF適応推定動
作禁止信号INHを出力する構成となっている。
第7図(A)はこのADF制御部112の一構成例を示す回
路図である。この構成例では、論理回路を用いて構成し
ており、その論理組み合せ動作を説明するための真理値
表、検出モード及びADFの動作を第7図(B)に示す。
この回路において、702はORゲート、704はANDゲート、7
06はNOTゲートであり、このNOTゲートには、検出信号J3
が供給され、ANDゲート704には検出信号J2とNOTゲート
で反転された反転検出信号J3が供給され、さらに、ORゲ
ート702には検出信号J1と検出信号J2及び反転検出信号J
3の論理積信号とが供給され、最終的にADF適応推定動作
禁止信号INHをこのORゲート702から出力させる。従っ
て、ADF制御部112は、ハウリング発生時及びシングルト
ーク時には適応推定禁止信号INH=0を出力させて、ADF
102に適応推定を行わせる。一方、ダブルトーク時及び
受信信号無音時には、この信号INH=1を出力させて、A
DF102の適応推定は禁止する。
(発明の効果) 上述した説明から明らかなように、この発明のエコー
キャンセラによれば、ハウリング検出器、受信信号無音
検出器、ダブルトーク検出器を設け、それぞれの検出結
果に基づいてADFの適応推定動作の禁止及びその解除を
制御する構成となっているので、 ハウリング時には検出結果に基づき直ちにADFが適応
推定を行うため、ハウリングが即停止し、通話に支障を
生ぜず、従って、通話品質が優れている。
ダブルトーク検出については、従来と同様の性能が期
待できる。
また、この発明においては、互いに識別しにくいハウ
リングとダブルトークとを個別に設けたハウリング検出
器とダブルトーク検出器とを組み合わせて検出している
ので、ハウリング及びダブルトークの相互の誤検出がな
く、従って、上述した適応推定の制御を適正に行なえる
とともに、上述した適応推定の禁止或は解除の制御も適
正に行なえる。
また、ハウリング検出器を周波数成分検出部と信号レ
ベル検出部とを以って構成しているので、ハウリング検
出器の回路構成を簡単にすることができる。その結果、
ハウリング検出器とダブルトーク検出器とを組み合わせ
たエコーキャンセラの回路構成が複雑化することを回避
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明のエコーキャンセラの一実施例を示す
ブロック図、 第2図は、この発明に用いる無音検出器の一構成例を示
すブロック図、 第3図は、この発明に用いるダブルトーク検出器の一構
成例を示すブロック図、 第4図は、第3図に示したダブルトーク検出器に設けた
ダブルトーク検出閾値の制御回路の一構成例を示すブロ
ック図、 第5図は、この発明に用いるハウリング検出器の一構成
例を示すブロック図、 第6図は、第5図に示したハウリング検出器に設けた2
次FIRの一構成例を示す回路図、 第7図は、この発明に用いるADF制御部の一構成例及び
その動作説明に供する図、 第8図は、従来のエコーキャンセラの構成例を示すブロ
ック図、 第9図は、第8図のエコーキャンセラに設けたダブルト
ーク検出器の構成例を示すブロック図である。 100……エコーキャンセラ 102……適応ディジタルフィルタ(ADF) 104,122,310,408,420,602,612,616……加算器 106……無音検出器(ID) 108……ダブルトーク検出器(DTD) 110……ハウリング検出器(HD) 112……ADF制御部、114……絶対値回路 116……積分回路、118,312……比較器 120……δ乗算器 124……(1−δ)乗算器 126,412,604,606……単位遅延素子 302,306……パワー検出器 304,308……対数変換器 314……ダブルトーク検出閾値(At)制御回路 402,……平均値回路、404……r加算器 406,414……セレクタスイッチ 416,608,610,614……乗算器、410……リミッタ 502……2次非巡回形適応予測フィルタ 504……1,制御部 506……g係数制御部 508……判定部、702……ORゲート 704……ANDゲート、706……NOTゲート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 善和 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電 気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−142641(JP,A) 特開 昭56−112112(JP,A) 特開 昭57−87246(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】受信信号を入力して擬似エコー信号を発生
    させる適応ディジタルフィルタを具え、該擬似エコー信
    号をエコー信号から減算することによってエコー消去を
    行うエコーキャンセラにおいて 受信信号の無音状態を検出する無音検出器と、 ダブルトーク状態を検出するダブルトーク検出器と、 ハウリング状態を検出するハウリング検出器と、 前記無音検出器、前記ダブルトーク検出器、及び前記ハ
    ウリング検出器からの検出結果に基づいて、少なくとも
    前記受信信号が有音状態にありかつハウリングが発生し
    ている時には適応推定を行なう制御をし、及び前記受信
    信号が有音状態にありかつダブルトーク時には適応推定
    を禁止する制御をする適応ディジタルフィルタ制御部と を具えたエコーキャンセラであって、 前記ハウリング検出器は、前記エコー信号、もしくは該
    エコー信号から擬似エコー信号を減算した残差信号、も
    しくは受信信号が特定の周波数が強調された信号である
    ことを検出する周波数成分検出部と、前記受信信号もし
    くは送信信号の信号レベルが予め定めた閾値を越えた信
    号レベルであることを検出する信号レベル検出部とを以
    って構成されてなる ことを特徴とするエコーキャンセラ。
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