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JP2619842B2 - 有機電解質電池 - Google Patents

有機電解質電池

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Publication number
JP2619842B2
JP2619842B2 JP3204769A JP20476991A JP2619842B2 JP 2619842 B2 JP2619842 B2 JP 2619842B2 JP 3204769 A JP3204769 A JP 3204769A JP 20476991 A JP20476991 A JP 20476991A JP 2619842 B2 JP2619842 B2 JP 2619842B2
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JP
Japan
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lithium
battery
pas
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electrode
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JP3204769A
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肇 木下
正敏 小森
信雄 安東
静邦 矢田
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鐘紡株式会社
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機電解質電池に係り、
更に詳しくはポリアセン系骨格構造を有する不溶不融性
物質と金属酸化物との混合物を正極活物質とし、負極に
上記不溶不融性基体と熱硬化性樹脂を含む成形体にリチ
ウムを担持させたものを用いた有機電解質電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、導電性高分子、遷移金属酸化物等
を正極とし、負極にリチウムあるいはリチウム合金を用
いた二次電池がエネルギー密度が高いことから、Ni−
Cd電池、鉛電池に代る電池として提案されている。し
かし、これら二次電池は繰り返し充放電を行うと正極、
あるいは負極の劣化による容量低下が大きく実用に問題
が残されている。特に負極の劣化はデントライトと呼ば
れるこけ状のリチウム結晶の生成を伴い、充放電の繰り
返しにより終局的にはデントライトがセパレーターを貫
通し、電池内部でショートを引き起こし、場合によって
は電池が破裂する等、安全面においても問題があった。
近時、グラファイト等の炭素材、ポリアセチレン、ポリ
パラフェニレン等の導電性高分子にリチウムを担持させ
たリチウム電池の研究が進められている。しかしなが
ら、デンドライトの発生は著しく少ないもののリチウム
の出し入れに対して、構造の変化が大きく、サイクル特
性が低下するという問題があった。
【0003】一方、本発明者らは先に有機半導体である
ポリアセン系骨格構造を有する不溶不融性基体を正極,
負極両方に適用する二次電池を提案している(特開昭6
0−170163号公報等)。該電池はサイクル特性,
急速充電性等の電池性能に加え、安全性においても優れ
ているものの、電池の容量の向上、あるいは電池電圧の
向上が課題として残されていた。又、本出願人は先に正
極にポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体と
金属酸化物の混合物を用い、かつ負極にリチウムあるい
は上記不溶不融性基体を用いる電池が提案されている
(特開昭63−314759号公報)。該電池は高容量
であり、特に急速放電において容量の低下は少ないが、
負極にリチウムを用いた場合上述のデントライトによる
劣化が大きく、又、不溶不融性基体を用いた場合、高電
圧を得ることができない等の問題が残されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
点に鑑み、鋭意研究を続けた結果本発明を完成したもの
である。本発明の目的は高電圧を有し、長期に亘って充
電、放電が可能な二次電池を提供するにある。本発明の
他の目的は急速充放電性のよい二次電池を提供するにあ
る。本発明のさらに他の目的は安全性に優れた二次電池
を提供するにある。本発明のさらに他の目的は製造が容
易な二次電池を提供するにある。本発明のさらに他の目
的並びに効果は以下の説明から明らかにされよう。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明の上記の目的は
正極,負極並びに電解液としてリチウム塩の非プロトン
性有機溶媒溶液を備えた有機電解質電池であって、 (1)正極が(a)芳香族系縮合ポリマーの熱処理物で
あり、水素原子/炭素原子の原子比が0.5〜0.05
であるポリアセン系骨格構造を含有し、かつBET法に
よる比表面積値が600m2 /g以上である不溶不融性
基体と(b)金属酸化物との混合物を含み (2)負極が少なくとも芳香族系縮合ポリマーの熱処理
物であり、水素原子/炭素原子の原子比が0.5〜0.
05であるポリアセン系骨格構造を含有した不溶不融性
基体と熱硬化性樹脂を含む成形体にリチウムをモル百分
率で3%以上担持せしめたことを特徴とする有機電解質
電池によって達成される。
【0006】本発明におけるポリアセン系骨格構造を含
有する不溶不融性基体(以下、PASと記す)は本願の
出願人の出願にかかる特開昭59−3806号公報に記
載されている芳香族系縮合ポリマーを特定の条件で熱処
理することにより得られる。また600m2 /g以上の
BET法による比表面積を有するPASは本願の出願人
の出願にかかる特開昭60−170163号公報に記載
されている方法により得られる。具体的には高い比表面
積を必要としない場合、すなわち本発明においては負極
に用いる場合は例えば次の様にして得ることもできる。
本発明に用いる芳香族系縮合ポリマーとしては、
【0007】(a)フェノール・ホルムアルデヒド樹脂
の如き、フェノール性水酸基を有する芳香族系炭化水素
化合物とアルデヒド類の縮合物、(b)キシレン変性フ
ェノール、ホルムアルデヒド樹脂(フェノールの一部を
キシレンで置換したもの)の如き、フェノール性水酸基
を有する芳香族系炭化水素化合物、フェノール性水酸基
を有さない芳香族炭化水素化合物およびアルデヒドの縮
合物及び(c)フラン樹脂が好適なものとして挙げられ
る。該芳香族系縮合ポリマーを、非酸化性雰囲気(真空
状態も含む)中で、400℃〜1000℃の温度、好ま
しくは600℃〜800℃の適当な温度まで徐々に加熱
し水素原子/炭素原子の原子比(以下H/Cと記す)が
0.50〜0.05、好ましくは0.35〜0.10の
熱処理物とするとPASが得られる。
【0008】本発明において正極あるいは負極に用いる
600m2 /g以上のBET法による比表面積を有する
PASの場合、前記した芳香族系縮合ポリマーに塩化亜
鉛、リン酸ナトリウム等の無機塩を混合する。混入する
量は、無機塩の種類及び目的とする電極の形状、性能に
よって異なるが、重量比で10/1〜1/7が好まし
い。このようにして得られた無機塩と芳香族系縮合ポリ
マーの混合物はポリマーの組成、無機塩の種類等によっ
て異なるが通常50〜180℃の温度で、2〜90分間
加熱することにより硬化、かくして得られた硬化体を、
次いで非酸化性雰囲気中で350〜800℃の温度、好
ましくは400℃〜750℃の温度まで加熱し、得られ
た熱処理体を水あるいは希塩酸等で十分洗浄することに
よって、熱処理体中に含まれている無機塩を除去する。
その後、これを乾燥すると、H/C=0.50〜0.0
5好ましくは0.35〜0.10の600m2 /g以上
の比表面積を有するPASが得られる。本発明に用いる
PASはX線回折(Cukα線)においてメインピーク
の位置が2θで24°以下に生じ、且つ2θで41°〜
46°の間にブロードなピークを示すものが好適であ
る。本発明におけるPASは成形しやすい様、粉体,短
繊維状等の形状に製造又は適当な形状で製造し、粉体,
短繊維状等の形状に加工されたPASを用いるのがよ
い。
【0009】本発明の正極に用いるPASは上記のPA
Sの内H/C=0.5〜0.05かつBET法による比
表面積値が600m2 /g以上のものを用いる。H/C
比が0.5を越える場合は本発明の電池の充放電の電荷
効率が悪くなり、H/C比が0.05未満の場合、電池
の容量が低下するので好ましくない。又、BET法によ
る比表面積が600m2 /g未満の場合、例えばClO
4 ,BF4 等の比較的イオン半径の大きなイオンを円滑
にドーピングすることが困難になり、充電電圧を高くす
る必要があるので好ましくない。本発明の正極に用いる
金属酸化物としてはリチウムイオンのインターカレーシ
ョン、又はデインターカレーション可能なものであり、
中でも遷移金属酸化物が好ましい。さらに好ましくは、
バナジウム、クロム、マンガンの酸化物であり、就中V
2 5 ,V6 13に代表されるバナジウム酸化物が好適
である。本発明における正極はPASと金属酸化物を粉
末等の状態で混合することで得られるものである。具体
的には粉体等混合しやすい形態にあるPASと金属酸化
物を混合しバインダー、必要に応じて導電材を加え、十
分に混合、場合によって混練後、成形する。ここで、P
ASと金属酸化物の混合は電池の使用用途、PAS,金
属酸化物の種類にもよるがPAS/金属酸化物の重量比
が95/5〜15/85であることが好ましい。95/
5を越える場合、金属酸化物の効果が小さく、一方15
/85未満の場合、電池の急速充放電性が失われる。
【0010】導電剤の種類は特に限定されず、金属ニッ
ケル等の金属粉末でもよいが、例えば活性炭、カーボン
ブラック、アセチレンブラック、黒鉛等の炭素系のもの
が特に好ましい。混合比は不溶不融性物質の電気伝導
度、該複合物の複合比等によって異なるが、複合物総重
量に対して40〜2%加えるのが適当である。バインダ
ーの種類は後で述べる本発明における電解液に不溶のも
のであれば特に限定されないが、例えばSBR等のゴム
系バインダー、ポリ四フッ化エチレン等のフッ素系樹
脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂が
好ましく、その混合比は複合物総重量に対し20%以下
とするのが好ましい。本発明の負極に用いられるPAS
は上記した方法で得られるH/C=0.5〜0.05で
あるものを用いる。PASは芳香族系多環構造が適度に
発達し、かつ、平面ポリアセン系骨格構造の平均距離が
比較的大きいことが示唆され、リチウムを安定に担持す
ることができる。
【0011】H/Cが0.05未満の場合リチウムを担
持したとき、あるいはリチウムを出し入れしたとき(充
放電時)に基体構造に変化を生じ易くなり、サイクル特
性が低下する。H/Cが0.5を越える場合、リチウム
を安定に担持させることができず、この様なPASにリ
チウムを担持させた負極を用いて製造した電池は自己放
電が大きくなる。本発明においてリチウムを担持させる
PASと熱硬化性樹脂を少なくとも含む成形体は大きく
分けて次の2つの方法で製造することができる。第1の
方法は粉末状,短繊維状等の混合しやすい形態のPAS
と熱硬化性樹脂の初期縮合物とを、必要ならばメタノー
ル,トルエン,水等の溶媒を加えて混練後、50℃〜2
00℃の加熱下硬化と同時に加圧成形する方法であり、
第2の方法は先に上記形態にあるPASを、例えばポリ
四フッ化エチレン,ポリエチレン,ポリプロピレン等の
電池用電極に一般的に用いられるバインダーと混合ある
いは必要に応じて混練,成形し、続いて該成形体に熱硬
化性樹脂の初期縮合物溶液を含浸後、加熱等により乾
燥、硬化を行う方法である。
【0012】本発明における熱硬化性樹脂としてはPA
S粉体等を強固に接着し電極のゆるみを抑止し得るも
の、例えばフェノール樹脂,メラミン樹脂フラン樹脂等
が挙げられる。かくして得られた成形体は場合により、
不活性雰囲気中(真空を含む)熱処理して用いることも
できる。例えば熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂を用
いた場合、リチウムと反応し易い水酸基,カルボニル基
等が大量に存在し、リチウムを担持させる時に余分なリ
チウムを必要とする為、加熱処理によりあらかじめこれ
らの官能基を減少させておくことが有利である。加熱温
度は150℃以上、好ましくは250℃から500℃で
あり、高温になるにつれ、電極強度が低下し本発明本来
の効果が得にくくなる。
【0013】上記成形体中の熱硬化性樹脂の割合はPA
Sの形状,PASの比表面積,他種のバインダー量,担
持させるリチウム量等により決定されるが、好ましくは
電極中を占める割合が重量比で1%以上70%以下、さ
らに好ましくは5%以上50%以下である。1%未満の
場合、電極のゆるみを抑止する効果が小さく、70%を
越えると当然のことながらPAS量が少なくなり、十分
なリチウムを担持することができず、電池容量が低下す
る。本発明の有機電解質に適用される負極は、上述の方
法で得られるPASと熱硬化性樹脂とを含有する成形体
又は該成形体の熱処理物にリチウムを担持せしめたもの
である。リチウムの担持方法としては、電解法、気相
法、液相法、イオン注入法等公知の方法から適宜選択し
て行えばよい。例えば電解法でリチウムを担持する場合
は、リチウムイオンを含む電解液中に、PAS成形体を
作用電極として浸漬し、同一電解液中の対極との間で、
電流を流すか、又は電圧を印加する。また上記成形体に
適量のリチウム箔を直接接触させる方法によっても担持
されることができる。気相法を用いる場合には、例えば
リチウムの蒸気に、PAS成形体を晒す。また液相法を
用いる場合は例えばリチウムイオンを含む錯体と不溶不
融性基体とを反応せしめる。この反応に用いる錯体とし
ては、例えばアルカリ金属のナフタレン錯体、アルコキ
シドなどが挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0014】上記方法によってPASに担持せしめるリ
チウムの量はモル百分率(PASの炭素原子1個に対す
るリチウムの数の百分率)で表わして3%以上、好まし
くは10%以上である。リチウムの量はPASの比表面
積によっても異なり、リチウムを担持せしめたPAS成
形体の電位がLi/Li+ に対して1.0〜0Vになる
様にリチウムを担持させるのが好ましい。リチウムの量
が少ない場合、本発明の電池の電圧が低下し、多い場合
には過剰のリチウムがPAS成形体表面に析出し、好ま
しくない。そして上記PAS粉体等を熱硬化性樹脂を用
いず従来知られている方法で成形したPAS成形体にリ
チウムを担持させる場合、電極のゆるみが大きく、十分
なサイクル特性が得られないうえ、電池の内部抵抗が増
大し、急速放電が困難となり、さらには十分なサイクル
特性が得られなかった。
【0015】特に高い比較例表面積のPASを用いる場
合、担持するリチウム量が多くなることから従来の方法
では電極がゆるみやすく、本発明の効果が顕徴に表れ
る。すなわち600m2 /g以上のBET法による比表
面積を持つPASは基体中でのLiの拡散速度が速いこ
とから電池内部抵抗を小さくできることが確認されてい
たものの、成形法に問題があり、実用できなかったわけ
であるが、本発明の方法を用いることにより、高性能電
池が得られる。
【0016】本発明に用いる電解液を構成する溶媒とし
ては非プロトン性有機溶媒が用いられる。非プロトン性
有機溶媒としては、例えばエチレンカーボネイト、プロ
ピレンカーボネイト、γ−ブチロラクトン、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
シド、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒド
ロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホラン又
はこれら非プロトン性有機溶媒の二種以上の混合液のい
ずれを使用してもよい。
【0017】また、上記の混合又は単一の溶媒に溶解さ
せる電解質は、リチウムイオンを生成しうる電解質のい
ずれでも良い。このような電解質としては、例えばLi
I、LiClO4 、LiAsF6 、LiBF4、又はL
iHF2 等が挙げられる。上記の電解質及び溶媒は十分
に脱水された状態で混合され、電解液とするのである
が、電解液中の前期電解質の濃度は電解液による内部抵
抗を小さくするため少なくとも0.1モル/l以上とす
るのが好ましく、通常0.2〜1.5モル/lとするの
が更に好ましい。電池外部に電流を取り出すための集電
体としてはドーピング剤及び電解液に対し耐蝕性の導電
性物質、例えば炭素、白金、ニッケル、ステンレス等を
用いることが出来る。
【0018】次に図面により本発明の実施態様の一例を
説明する。図1は本発明に係る電池の基本構成説明図で
ある。図1において、(1)は正極であり、(2)は負
極である。(3),(3′)は集電体であり、各電極及
び外部端子(7),(7′)に電圧降下を生じないよう
に接続されている。(4)は電解液であり、ドーピング
されうるイオンを生成しうる前述の化合物が非プロトン
性有機溶媒に溶解されている。電解液は通常液状である
が漏液を防止するためゲル状又は固体状にして用いるこ
ともできる。(5)は正負両極の接触を阻止する事及び
電解液を保持する事を目的として配置されたセパレータ
ーである。
【0019】該セパレーターは、電解液或は電極活物質
に対し、該セパレーターは電解液或はドーピング剤やア
ルカリ金属等の電極活物質に対し耐久性のある連通気孔
を有する電子伝導性のない多孔体であり、通常ガラス繊
維、ポリエチレン或はポリプロピレン等からなる布、不
織布或は多孔体が用いられる。セパレータの厚さは電池
の内部抵抗を小さくするため薄い方が好ましいが、電解
液の保持量、流通性、強度等を勘案して決定される。正
負極及びセパレータは電池ケース(6)内に実用上問題
が生じないように固定される。電極の形状、大きさ等は
目的とする電池の形状、性能により適宜決められる。
【0020】
【発明の効果】本発明の有機電解質電池は正極にPAS
金属酸化物の混合物を用い、かつ負極にリチウムを担持
させた熱硬化性樹脂でPASを接着したものを電極に用
いることにより、容量が高く高電圧であり、かつ長期サ
イクル特性に優れた二次電池である。以下実施例を挙げ
て本発明を具体的に説明する。
【0021】
【実施例】
(1)PASの製造法 水溶性レゾール(約60%濃度)、塩化亜鉛及び水を重
量比で10:25:4の割合で混合した水溶液をフィル
ムアプリケーターでガラス板上に成膜した。次に成膜し
た水溶液上にガラス板を被せ水分が蒸発しない様にした
後、約100℃の温度1時間加熱して硬化させた。該フ
ェノール樹脂フィルムをシリコニット電気炉中に入れ窒
素雰囲気下で10℃/時間の速度で昇温し、650℃
(PAS1)500℃(PAS2)まで熱処理した。次
に該熱処理物を希塩酸で洗った後、水洗し、その後乾燥
することにより、高比表面積のPASフィルムを得た。
このPASフィルムをディスクミルで粉砕することによ
りPAS粉体を得た。PAS1,PAS2のH/C比は
それぞれ0.17,0.22でありBET法による比表
面積値は1850m2 /g,2100m2 /gであっ
た。
【0022】次にPAS2粉末70部、V2 5 粉末3
0部、ポリ四フッ化エチレン粉末10部、アセチレンブ
ラック20部を十分に乳ばちで混合した後、ローラーに
より約500μmのフィルムとし正極とした。PAS1
粉末100部、ポリ四フッ化エチレン粉末10部を十分
に混合した後、ローラーにより約500μmのフィルム
とした。続いてレゾール型フェノール樹脂初期縮合物メ
タノール溶液(約20%濃度)に該フィルムを浸漬し、
フェノール樹脂を含浸した後、100℃にて4時間乾
燥、硬化した。含浸前のフィルムに対する含浸後のフィ
ルム重量は1.24であった。該含浸成形体に200μ
のLi箔(リチウム担持量約55%)を圧着し、1mo
l/l LiClO4 −プロピレンカーボネート溶液中
に48時間放置したところ、Li金属箔は完全になくな
りすべてのLiがPAS成形体に担持させることができ
た。このLi担持PASを負極とした。
【0023】上記正,負極を用い図1のような電池を組
み立てた。集電体としてはステンレス金網を用い、セパ
レーターとしてはガラス繊維からなるフェルトを用い
た。また電解液としては1モル/l LiClO4 −プ
ロピレンカーボネート溶液を用いた。電池の起電圧は
2.9Vであった。上記電池に外部電源より4.0Vの
電圧を約1時間印加し、充電を行ない、次いで1mA/
cm2 の電流密度で2.0Vまで放電し、初期容量を求
めた。更にこの充放電サイクルを重ね100回まで測定
した。初期容量を100とした時、100回目の容量は
92であった。
【0024】
【比較例1】実施例において負極に用いるPASにフェ
ノール樹脂を含浸せず、以下同様の方法で電池を組んだ
ところ、電池の起電圧は2.6Vであった。同様の方法
でサイクル特性を測定した。初期容量を100とした時
100回目の容量は61であった。
【0025】
【比較例2】実施例において負極にLi箔をはりつけな
いで(Liを担持させず)、以下同様にして電池を組ん
だ。電池の起電圧は0.3Vであった。サイクル特性を
同様の方法で4V−2V,2V−0V間で測定した。初
期容量を100とした時の100回目の容量は、4V−
2V間の場合52、2V−0V間の場合88であった。
Li箔をはりつけない為に電池の安定作動電圧は低かっ
た。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明に係る電池の基本構成図であり、(1)は
正極、(2)負極、(3),(3′)は集電体、(4)
は電解液、(5)はセパレーター、(6)電池ケース、
(7),(7′)は外部端子を表わす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−233862(JP,A) 特開 平4−34870(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極,負極並びに電解液としてリチウム
    塩の非プロトン性有機溶媒溶液を備えた有機電解質電池
    であって、 (1)正極が(a)芳香族系縮合ポリマーの熱処理物で
    あり、水素原子/炭素原子の原子比が0.5〜0.05
    であるポリアセン系骨格構造を含有し、かつBET法に
    よる比表面積値が600m2 /g以上である不溶不融性
    基体と(b)金属酸化物との混合物を含み (2)負極が少なくとも芳香族系縮合ポリマーの熱処理
    物であり、水素原子/炭素原子の原子比が0.5〜0.
    05であるポリアセン系骨格構造を含有した不溶不融性
    基体と熱硬化性樹脂を含む成形体にリチウムをモル百分
    率で3%以上担持せしめたことを特徴とする有機電解質
    電池。
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