JP2612320B2 - 炭素繊維を両極に用いたリチウム二次電池 - Google Patents
炭素繊維を両極に用いたリチウム二次電池Info
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、黒鉛構造を有する炭素繊維を負極と正極の
両方の電極に用いた有機電解液リチウム二次電池に関す
る。
両方の電極に用いた有機電解液リチウム二次電池に関す
る。
従来の技術 近年の電子機器の小型軽量化に伴って、放電容量が大
きく高電圧、即ち高エネルギー密度であり、且つ、長時
間安定して使用できる充放電可能な二次電池に対する要
求が高まってきている。
きく高電圧、即ち高エネルギー密度であり、且つ、長時
間安定して使用できる充放電可能な二次電池に対する要
求が高まってきている。
これらの要求を満足するものとして、炭素材を電極に
用いた様々な電池が報告されている。例えば、活性炭、
或は、活性炭素繊維を正極に用いたものがある(特開昭
55−99714号公報、特開昭58−2225200号公報、特開昭59
−138327号公報、特開昭62−226561号公報)。これらの
電池はアニオンの静電機的吸脱着反応を活性炭、或は、
活性炭素繊維の広い表面積を利用して行うもので、一種
の電気二重層キャパシタであり、充放電に対する耐久性
の高さが特徴である。
用いた様々な電池が報告されている。例えば、活性炭、
或は、活性炭素繊維を正極に用いたものがある(特開昭
55−99714号公報、特開昭58−2225200号公報、特開昭59
−138327号公報、特開昭62−226561号公報)。これらの
電池はアニオンの静電機的吸脱着反応を活性炭、或は、
活性炭素繊維の広い表面積を利用して行うもので、一種
の電気二重層キャパシタであり、充放電に対する耐久性
の高さが特徴である。
しかし、その放電容量は必ずしも大きくなく、また、
キャパシタであるから起電力は、Q=CV(Q:蓄電量、C:
静電容量、V:起電力)に表されるように蓄電量に依存
し、電池としては良好な放電特性を持つものではなかっ
た。また、電気二重層キャパシタは、自己放電が大きく
電圧が経時的に減少するという欠点があった。
キャパシタであるから起電力は、Q=CV(Q:蓄電量、C:
静電容量、V:起電力)に表されるように蓄電量に依存
し、電池としては良好な放電特性を持つものではなかっ
た。また、電気二重層キャパシタは、自己放電が大きく
電圧が経時的に減少するという欠点があった。
黒鉛、或は、黒鉛化度の発達した炭素材や炭素繊維を
正極に用いた電池(特開昭58−135581号公報、特開昭61
−10882号公報、特開昭62−154564号公報、特開昭62−1
65857号公報、特開昭63−58763号公報)、負極に用いた
電池(特開昭60−182670号公報、特開昭62−82669号公
報、特開昭63−24555号公報)、更に、両極に用いた電
池(特開昭62−103991号公報)が検討されている。これ
らは、いずれも積層構造の発達した炭素材の層間に負極
であればリチウムイオンを、正極であればアニオンをド
ープ、脱ドープする反応、即ち、電気化学的な黒鉛層間
化合物の生成分解反応を電極に利用したものである。
正極に用いた電池(特開昭58−135581号公報、特開昭61
−10882号公報、特開昭62−154564号公報、特開昭62−1
65857号公報、特開昭63−58763号公報)、負極に用いた
電池(特開昭60−182670号公報、特開昭62−82669号公
報、特開昭63−24555号公報)、更に、両極に用いた電
池(特開昭62−103991号公報)が検討されている。これ
らは、いずれも積層構造の発達した炭素材の層間に負極
であればリチウムイオンを、正極であればアニオンをド
ープ、脱ドープする反応、即ち、電気化学的な黒鉛層間
化合物の生成分解反応を電極に利用したものである。
正極の場合には、次の反応を利用する。
ここで、nの値は電極中に収容できる電気量に対応
し、nの値が小さいほど電極として望ましい。一般にn
は、用いる炭素材の黒鉛化度に依存する。黒鉛化度と
は、炭素材の結晶構造がどの程度黒鉛に近いかを表す概
念であり、例えば、X線回折図形や、ラマン散乱スペク
トルに基づく定量化が一般的に利用されている。そして
上の電極反応の場合には、黒鉛化度が高いほどnは小さ
くなり、即ち放電容量は大きくなる事が知られている。
し、nの値が小さいほど電極として望ましい。一般にn
は、用いる炭素材の黒鉛化度に依存する。黒鉛化度と
は、炭素材の結晶構造がどの程度黒鉛に近いかを表す概
念であり、例えば、X線回折図形や、ラマン散乱スペク
トルに基づく定量化が一般的に利用されている。そして
上の電極反応の場合には、黒鉛化度が高いほどnは小さ
くなり、即ち放電容量は大きくなる事が知られている。
然しながら、単に黒点化度だけで電極に対する適合性
を判断することは出来ない。黒鉛化度の非常に高い黒鉛
粉末は、充放電に対する安定性が悪く実用には適さな
い。これは、アニオンがドープすることで炭素層の面間
隔が増大するが、黒鉛粉末は構造的安定性に乏しく、こ
のc軸方向の膨張に耐えられず崩壊するためである。
を判断することは出来ない。黒鉛化度の非常に高い黒鉛
粉末は、充放電に対する安定性が悪く実用には適さな
い。これは、アニオンがドープすることで炭素層の面間
隔が増大するが、黒鉛粉末は構造的安定性に乏しく、こ
のc軸方向の膨張に耐えられず崩壊するためである。
そこで、高黒鉛化度、構造的安定性という観点から炭
素繊維が注目される。
素繊維が注目される。
炭素繊維の中では、ピッチ系炭素繊維が最も適当であ
る。PAN系炭素繊維は機械的強度ではピッチ系炭素繊維
と同等であるが黒鉛化度に於いて劣り、事実、アニオン
を殆どドープせず、正極には適さない。
る。PAN系炭素繊維は機械的強度ではピッチ系炭素繊維
と同等であるが黒鉛化度に於いて劣り、事実、アニオン
を殆どドープせず、正極には適さない。
然しながら、従来検討されてきたピッチ系炭素繊維
は、黒鉛層間化合物を電極に利用するという観点からす
ると必ずしも最適化が追求されきれておらず、放電容量
が小さいという問題があった。
は、黒鉛層間化合物を電極に利用するという観点からす
ると必ずしも最適化が追求されきれておらず、放電容量
が小さいという問題があった。
負極の場合には、次の反応を利用する。
nの大きさが負極に用いる炭素材に依存するのは正極
と同じであるが、負極に適する炭素材の構造は正極とは
全く異なる。即ち、正極では高い黒鉛化度が要求される
のに対して、負極では乱層構造と言われるような適度に
乱れ、適度に黒鉛化した炭素材が要求されるのである。
これはリチウムをドープした黒鉛層間化合物の電解液中
での安定性に起因するものである。この安定性は炭素材
の結晶構造に強く依存し、積層構造の整った、即ち、高
い黒鉛化度を持った炭素材の黒鉛層間化合物は電解液中
で不安定であり、従って自己放電がはげしく、更に放電
容量が小さいのに対し、乱層構造を持った炭素材の黒鉛
層間化合物は非常に安定性が高く、放電容量も大きくす
ることが出来る。
と同じであるが、負極に適する炭素材の構造は正極とは
全く異なる。即ち、正極では高い黒鉛化度が要求される
のに対して、負極では乱層構造と言われるような適度に
乱れ、適度に黒鉛化した炭素材が要求されるのである。
これはリチウムをドープした黒鉛層間化合物の電解液中
での安定性に起因するものである。この安定性は炭素材
の結晶構造に強く依存し、積層構造の整った、即ち、高
い黒鉛化度を持った炭素材の黒鉛層間化合物は電解液中
で不安定であり、従って自己放電がはげしく、更に放電
容量が小さいのに対し、乱層構造を持った炭素材の黒鉛
層間化合物は非常に安定性が高く、放電容量も大きくす
ることが出来る。
このような乱層構造をもった炭素材としてCVD技術を
利用して構造した炭素薄膜を黒鉛化した熱分解黒鉛が報
告されている(特開昭62−202809号公報、特開昭63−24
555号公報)。熱分解黒鉛は非常に炭素層面の配向性の
高いのが特徴で、しかも適度な乱層構造を持ち、高い充
放電安定性を示す。然しながら、薄膜状であるが故に高
い電流密度で充放電することは出来ず、またドープに伴
うc軸方向への膨張に依る極材の変形等の問題点を有し
ている。
利用して構造した炭素薄膜を黒鉛化した熱分解黒鉛が報
告されている(特開昭62−202809号公報、特開昭63−24
555号公報)。熱分解黒鉛は非常に炭素層面の配向性の
高いのが特徴で、しかも適度な乱層構造を持ち、高い充
放電安定性を示す。然しながら、薄膜状であるが故に高
い電流密度で充放電することは出来ず、またドープに伴
うc軸方向への膨張に依る極材の変形等の問題点を有し
ている。
これに対し表面積の広さや力学的強度の強さから乱層
構造を持った炭素繊維を負極に用いたものも検討されて
いるが、必ずしも乱層構造に対する制御がなされておら
ず、また、最適化の条件も掴みきれていなかった。従っ
て、放電容量や自己放電に関して問題点を残していた。
構造を持った炭素繊維を負極に用いたものも検討されて
いるが、必ずしも乱層構造に対する制御がなされておら
ず、また、最適化の条件も掴みきれていなかった。従っ
て、放電容量や自己放電に関して問題点を残していた。
発明が解決しようとする課題 本発明は、上記のごとき現状を鑑みてなされたもの
で、正極、負極ともに炭素繊維を用い放電容量が大き
く、繰り返し充放電に対する安定性が高く、自己放電が
少ない、リチウム二次電池を提供することを目的とす
る。
で、正極、負極ともに炭素繊維を用い放電容量が大き
く、繰り返し充放電に対する安定性が高く、自己放電が
少ない、リチウム二次電池を提供することを目的とす
る。
貴台を解決するための手段 本発明は、正極、負極に、各々特定の炭素繊維を使用
すると、放電容量が大きく、充放電安定性にも優れ、自
己放電が少ない、非常に優れたリチウム二次電池が得ら
れるとの発見をもとに完成されたものである。
すると、放電容量が大きく、充放電安定性にも優れ、自
己放電が少ない、非常に優れたリチウム二次電池が得ら
れるとの発見をもとに完成されたものである。
本発明は、リチウム塩を有機溶媒に溶解した有機電解
液を用いたリチウム二次電池に於いて、正極には、黒鉛
化度が高く、且つ、機械的強度に優れた炭素繊維を活物
質として用い、アニオンのドーピング、脱ドーピング反
応を電極反応に利用し、負極には、適度な黒鉛化度と適
度な乱れとを併せ持った乱層構造の炭素繊維を活物質と
して用い、リチウムイオンのドーピング、脱ドーピング
反応を電極反応に利用することを特徴とする炭素繊維を
両極に用いたリチウム二次電池である。
液を用いたリチウム二次電池に於いて、正極には、黒鉛
化度が高く、且つ、機械的強度に優れた炭素繊維を活物
質として用い、アニオンのドーピング、脱ドーピング反
応を電極反応に利用し、負極には、適度な黒鉛化度と適
度な乱れとを併せ持った乱層構造の炭素繊維を活物質と
して用い、リチウムイオンのドーピング、脱ドーピング
反応を電極反応に利用することを特徴とする炭素繊維を
両極に用いたリチウム二次電池である。
すなわち、正極には、多量の電気量を収容できるよう
に黒鉛化度の高いピッチ系炭素繊維、つまり炭素層面の
平均面間隔が3.40A以下で、c軸方向及び、a軸方向の
結晶子の大きさが、各々、200〜800A、200〜1000Aであ
るピッチ系炭素繊維を用い、負極には、乱層構造と言わ
れるような適度に乱れ、適度に黒鉛化した炭素繊維、つ
まり炭素層面の平均面間隔が3.45〜3.37A、c軸方向及
び、a軸方向の結晶子の大きさが、各々、40〜500A、40
〜700Aで、且つ、アルゴンレーザーを用いたラマンスペ
クトルにおける1580cm-1のピーク強度に対する1360cm-1
のピーク強度の比が0.2以上1.0以下である炭素繊維を用
いたことを特徴とする炭素繊維を両極に用いたリチウム
二次電池である。
に黒鉛化度の高いピッチ系炭素繊維、つまり炭素層面の
平均面間隔が3.40A以下で、c軸方向及び、a軸方向の
結晶子の大きさが、各々、200〜800A、200〜1000Aであ
るピッチ系炭素繊維を用い、負極には、乱層構造と言わ
れるような適度に乱れ、適度に黒鉛化した炭素繊維、つ
まり炭素層面の平均面間隔が3.45〜3.37A、c軸方向及
び、a軸方向の結晶子の大きさが、各々、40〜500A、40
〜700Aで、且つ、アルゴンレーザーを用いたラマンスペ
クトルにおける1580cm-1のピーク強度に対する1360cm-1
のピーク強度の比が0.2以上1.0以下である炭素繊維を用
いたことを特徴とする炭素繊維を両極に用いたリチウム
二次電池である。
以下、正極、負極の順に電極に用いる炭素繊維に関す
る詳細を説明する。
る詳細を説明する。
正極に用いる黒鉛化度が高く、且つ機械的強度に優れ
た炭素繊維とは、石炭ピッチ、或は、石油ピッチを原料
としたピッチ系炭素繊維を、不活性ガス中で2000℃以
上、好ましくは2500℃以上で黒鉛化処理を施したところ
のものである。
た炭素繊維とは、石炭ピッチ、或は、石油ピッチを原料
としたピッチ系炭素繊維を、不活性ガス中で2000℃以
上、好ましくは2500℃以上で黒鉛化処理を施したところ
のものである。
ここで正極に適する黒鉛化度、機械的強度とは以下に
規定されるものである。
規定されるものである。
一般に炭素材の黒鉛化度を表す指標としてX線回折法
に依る積層の面間隔dとa軸方向の結晶子の大きさLa、
c軸方向の結晶子の大きさLcという三種のパラメータを
用いることができる。そしてこれらの指標を用いれば、
理想的な黒鉛は、d=3.354Aで、La、Lcは無限大であ
り、黒鉛化度が低下するに従ってdは大きくなり、La、
Lcは小さくなる。
に依る積層の面間隔dとa軸方向の結晶子の大きさLa、
c軸方向の結晶子の大きさLcという三種のパラメータを
用いることができる。そしてこれらの指標を用いれば、
理想的な黒鉛は、d=3.354Aで、La、Lcは無限大であ
り、黒鉛化度が低下するに従ってdは大きくなり、La、
Lcは小さくなる。
本発明に用いる正極の炭素繊維は、上記のX線回折法
による黒鉛化度のパラメータが、d=3.40A以下、Lc=2
00〜800A、La=200〜1000Aで規定されるもので、更に詳
しくは、上記黒鉛化度の規定範囲の中で、面間隔dが小
さくLaが大きい、且つ、Lcが小さいような炭素繊維が好
ましい。
による黒鉛化度のパラメータが、d=3.40A以下、Lc=2
00〜800A、La=200〜1000Aで規定されるもので、更に詳
しくは、上記黒鉛化度の規定範囲の中で、面間隔dが小
さくLaが大きい、且つ、Lcが小さいような炭素繊維が好
ましい。
また、一般に機械的強度と言えば、引張試験、曲げ試
験などに依る強度を指すが、ここに表現される機械的強
度とは必ずしも引張強度、曲げ強度に対応するような機
械力学的な強度ではなく、アニオンのドープ、脱ドープ
に伴う炭素層の積層面間隔の膨張収縮に対しての炭素繊
維の強度を意味する。そして、上記の黒鉛化度を持った
前記ピッチ系炭素繊維は、この意味での十分な機械的強
度を有するのである。
験などに依る強度を指すが、ここに表現される機械的強
度とは必ずしも引張強度、曲げ強度に対応するような機
械力学的な強度ではなく、アニオンのドープ、脱ドープ
に伴う炭素層の積層面間隔の膨張収縮に対しての炭素繊
維の強度を意味する。そして、上記の黒鉛化度を持った
前記ピッチ系炭素繊維は、この意味での十分な機械的強
度を有するのである。
上記の黒鉛化度、機械的強度を有する炭素繊維を、特
に正極に選択するのは以下の理由に因る。即ち、正極で
は、例えばClO4 -のようなイオン半径のかなり大きなア
ニオンの炭素層間でのドープ、脱ドープ反応が行われる
が、この反応が完全に可逆的に行われるためには、アニ
オンの巨大性の故に堅固な構造を持つ結晶性の高い炭素
層が要求される。これは、Laが大きいこと、そして、そ
の結果としてdが小さいことを要求するものである。
に正極に選択するのは以下の理由に因る。即ち、正極で
は、例えばClO4 -のようなイオン半径のかなり大きなア
ニオンの炭素層間でのドープ、脱ドープ反応が行われる
が、この反応が完全に可逆的に行われるためには、アニ
オンの巨大性の故に堅固な構造を持つ結晶性の高い炭素
層が要求される。これは、Laが大きいこと、そして、そ
の結果としてdが小さいことを要求するものである。
他方、イオン半径のかなり大きなアニオンの炭素層間
へのドープ、脱ドープ反応は炭素層の面間隔の大きな変
化を伴いc軸方向の歪みを生じる。反応の可逆性を高め
るにはこの歪みの影響を小さくする必要があり、従って
Lcが小さい事が要求される。以上まとめると、正極に用
いる炭素材に要求される黒鉛化度は、 d:小さい、La:大きい、Lc:小さい となる。
へのドープ、脱ドープ反応は炭素層の面間隔の大きな変
化を伴いc軸方向の歪みを生じる。反応の可逆性を高め
るにはこの歪みの影響を小さくする必要があり、従って
Lcが小さい事が要求される。以上まとめると、正極に用
いる炭素材に要求される黒鉛化度は、 d:小さい、La:大きい、Lc:小さい となる。
ところで、これら三種の指標は、実は相互に独立では
なく次の相関を持つ。即ち、dが小さければ、黒鉛構造
が発達していることを意味するから、当然La、Lcは大き
くなる。従って、正極に要求される上の条件は本来相反
するものである。本発明の特徴の一つは、以下に示すよ
うに、石炭ピッチ、或は石油ピッチを原料とした特定の
ピッチ系炭素繊維を用いることでこの条件を実現したこ
とである。
なく次の相関を持つ。即ち、dが小さければ、黒鉛構造
が発達していることを意味するから、当然La、Lcは大き
くなる。従って、正極に要求される上の条件は本来相反
するものである。本発明の特徴の一つは、以下に示すよ
うに、石炭ピッチ、或は石油ピッチを原料とした特定の
ピッチ系炭素繊維を用いることでこの条件を実現したこ
とである。
一般にピッチ系炭素繊維は種々の炭素繊維の中でも特
に黒鉛化度を高くすることが可能である。それは、ピッ
チは元来多環芳香族性に富み、炭素層面の成長、及び、
積層構造の発達が容易な為である。更に、黒鉛化した際
の結晶子の大きさに関しても製造過程に依って或る程度
制御することができる。即ち、d、La、Lcを制御するこ
とが可能である。
に黒鉛化度を高くすることが可能である。それは、ピッ
チは元来多環芳香族性に富み、炭素層面の成長、及び、
積層構造の発達が容易な為である。更に、黒鉛化した際
の結晶子の大きさに関しても製造過程に依って或る程度
制御することができる。即ち、d、La、Lcを制御するこ
とが可能である。
従って、正極に適する黒鉛化度を持った炭素繊維を得
るには、例えば、以下の手段を採用すればよい。即ち、
高い黒鉛化性ピッチを原料に用い、結晶子の大きさ、特
にLcの大きさを小さくするように制御すれば、正極に要
求される黒鉛化度が正に実現できるのである。
るには、例えば、以下の手段を採用すればよい。即ち、
高い黒鉛化性ピッチを原料に用い、結晶子の大きさ、特
にLcの大きさを小さくするように制御すれば、正極に要
求される黒鉛化度が正に実現できるのである。
更に、ピッチ系炭素繊維は、その断面における炭素層
面の配向に関して制御することが出来る。即ち、断面に
於ける炭素層面の配向が、オニオン構造、放射状構造、
ランダム構造のものを自由に制御することが出来る。ア
ニオンのドープ、脱ドープは、炭素層の端面を反応の場
とするのであるから、反応を容易に行わせるためには炭
素層端面と電解液との接触する面積が大きくなければな
らない。従って、電極に用いる炭素繊維は、上記の黒鉛
化度を持ったピッチ系炭素繊維の中で、特に断面に於け
る炭素層面の配向が、放射状構造、或は、ランダム構造
のものが好ましい。
面の配向に関して制御することが出来る。即ち、断面に
於ける炭素層面の配向が、オニオン構造、放射状構造、
ランダム構造のものを自由に制御することが出来る。ア
ニオンのドープ、脱ドープは、炭素層の端面を反応の場
とするのであるから、反応を容易に行わせるためには炭
素層端面と電解液との接触する面積が大きくなければな
らない。従って、電極に用いる炭素繊維は、上記の黒鉛
化度を持ったピッチ系炭素繊維の中で、特に断面に於け
る炭素層面の配向が、放射状構造、或は、ランダム構造
のものが好ましい。
このような他の炭素繊維には無いピッチ系炭素繊維の
自由度の広さ、即ち、黒鉛化度の制御、断面に於ける配
向構造の制御などに着目し、これを利用して正極な最適
な炭素繊維を得るということが、本発明に於て非常に重
要な点である。
自由度の広さ、即ち、黒鉛化度の制御、断面に於ける配
向構造の制御などに着目し、これを利用して正極な最適
な炭素繊維を得るということが、本発明に於て非常に重
要な点である。
負極に用いる適度な黒鉛化度と適度な乱れとを併せ持
った乱層構造の炭素繊維とは、正極と同じく石炭ピッ
チ、或は、石油ピッチを原料としたピッチ系炭素繊維
や、ポリアクリロニトリルを原料としたポリアクリロニ
トリル系炭素繊維(PAN系炭素繊維)、レーヨン系炭素
繊維、或はフェノール系炭素繊維など種々の原料を基に
した炭素繊維を、不活性ガス中で2000℃以上、好ましく
は2500℃以上で黒鉛化処理を施したところのものであ
る。
った乱層構造の炭素繊維とは、正極と同じく石炭ピッ
チ、或は、石油ピッチを原料としたピッチ系炭素繊維
や、ポリアクリロニトリルを原料としたポリアクリロニ
トリル系炭素繊維(PAN系炭素繊維)、レーヨン系炭素
繊維、或はフェノール系炭素繊維など種々の原料を基に
した炭素繊維を、不活性ガス中で2000℃以上、好ましく
は2500℃以上で黒鉛化処理を施したところのものであ
る。
ここで、負極に適する適度な黒鉛化度、適度な乱れと
を持った乱層構造のは以下に規定されるものである。
を持った乱層構造のは以下に規定されるものである。
一般に黒鉛化度を規定する指標として、正極の黒鉛化
度の規定に用いたようにX線回折法による三種のパラメ
ータの他に、ラマン分光法に於けるスペクトル形状を採
ることが出来る。一般にアルゴンレーザー(波長:5145
A)を光源として炭素材のラマンスペクトルを測定する
と、1580cm-1、1360cm-1付近に二つのピークが現れる。
前者は、黒鉛構造に由来するもので、後者は、炭素材の
乱層構造に由来するものである。従って、この二つのピ
ークの相対的な強度比に依って炭素材の黒鉛化度を知る
ことが出来る。このラマンスペクトルに依る乱層構造の
評価は、乱層構造に対応するピークが直接1360cm-1のピ
ークとして現れるので、非常に有効である。
度の規定に用いたようにX線回折法による三種のパラメ
ータの他に、ラマン分光法に於けるスペクトル形状を採
ることが出来る。一般にアルゴンレーザー(波長:5145
A)を光源として炭素材のラマンスペクトルを測定する
と、1580cm-1、1360cm-1付近に二つのピークが現れる。
前者は、黒鉛構造に由来するもので、後者は、炭素材の
乱層構造に由来するものである。従って、この二つのピ
ークの相対的な強度比に依って炭素材の黒鉛化度を知る
ことが出来る。このラマンスペクトルに依る乱層構造の
評価は、乱層構造に対応するピークが直接1360cm-1のピ
ークとして現れるので、非常に有効である。
本発明における負極に適する炭素繊維の黒鉛化度は、
Y線回折法に於ける指標が、d=3.45〜3.37A、Lc=40
〜500A、La=40〜700Aで規定されるものであり、且つ、
上記の1580cm-1のピーク強度に対する1360cm-1のピーク
強度の比が、0.2以上1.0以下のものである。
Y線回折法に於ける指標が、d=3.45〜3.37A、Lc=40
〜500A、La=40〜700Aで規定されるものであり、且つ、
上記の1580cm-1のピーク強度に対する1360cm-1のピーク
強度の比が、0.2以上1.0以下のものである。
このように規定される乱層構造を持った炭素繊維を特
に負極に選択するのは以下の理由に因る。即ち、リチウ
ムをドープした黒鉛層間化合物は本質的に有機溶媒を用
いた電解液中で不安定であり、この安定性を母結晶であ
る炭素材を乱層化することで高めているのである。
に負極に選択するのは以下の理由に因る。即ち、リチウ
ムをドープした黒鉛層間化合物は本質的に有機溶媒を用
いた電解液中で不安定であり、この安定性を母結晶であ
る炭素材を乱層化することで高めているのである。
リチウム金属を負極に用いたリチウム二次電池の負極
反応の研究で知られているように、リチウム金属は非常
に反応性が高い。これまでに、様々な有機溶媒が電解液
として検討されているにも拘らず、未だにリチウム金属
に対して完全に安定な有機溶媒は見いだされていない。
更に、有機溶媒ばかりでなく、電解質であるリチウム塩
も負極反応で分解することが明らかにされている。
反応の研究で知られているように、リチウム金属は非常
に反応性が高い。これまでに、様々な有機溶媒が電解液
として検討されているにも拘らず、未だにリチウム金属
に対して完全に安定な有機溶媒は見いだされていない。
更に、有機溶媒ばかりでなく、電解質であるリチウム塩
も負極反応で分解することが明らかにされている。
このようなリチウム金属の持つ反応性の高さは、リチ
ウムをドープした黒鉛層間化合物に関してもそのままあ
てはまる。リチウム金属の反応性の高さは、リチウムの
原子構造そのものに由来するものであり、金属状態であ
ることは本質的に重要ではない。つまり、リチウム原子
が高い反応性を持つのである。従って黒鉛の層間に存在
するリチウムは、金属状態のようにリジッドな結晶格子
こそ組まないが、基本的には同等の反応性の高さを有す
ると考えられる。
ウムをドープした黒鉛層間化合物に関してもそのままあ
てはまる。リチウム金属の反応性の高さは、リチウムの
原子構造そのものに由来するものであり、金属状態であ
ることは本質的に重要ではない。つまり、リチウム原子
が高い反応性を持つのである。従って黒鉛の層間に存在
するリチウムは、金属状態のようにリジッドな結晶格子
こそ組まないが、基本的には同等の反応性の高さを有す
ると考えられる。
例えば、LiClO4を炭酸プロピレンに溶解した電解液中
で、キッシュ黒鉛にリチウムを電気化学的に挿入しよう
とすると、初期に黒鉛の膨張を伴った挿入反応は認めら
れるが、その後、リチウムの挿入は進行せず電解液の分
解反応に伴って気泡が発生するという状態に定常化す
る。この定常状態は、黒鉛層間へのリチウムの挿入反応
と、分解による黒鉛層間からのリチウムの放出反応との
平衡によるものであり、リチウムをドープした黒鉛層間
化合物の電解液中での不安定性を反映するものである。
で、キッシュ黒鉛にリチウムを電気化学的に挿入しよう
とすると、初期に黒鉛の膨張を伴った挿入反応は認めら
れるが、その後、リチウムの挿入は進行せず電解液の分
解反応に伴って気泡が発生するという状態に定常化す
る。この定常状態は、黒鉛層間へのリチウムの挿入反応
と、分解による黒鉛層間からのリチウムの放出反応との
平衡によるものであり、リチウムをドープした黒鉛層間
化合物の電解液中での不安定性を反映するものである。
リチウムをドープした黒鉛層間化合物の安定性の程
度、即ち、分解の速度は、用いる黒鉛母結晶の構造を反
映する。黒鉛の結晶性が高いほど分解速度は大きく、黒
鉛の結晶性が低く乱層構造が発達したものほど分解速度
は小さく安定性は高い。この事実に対する完全な解釈は
必ずしも明確にされていないが、定性的には以下のよう
に考えられる。
度、即ち、分解の速度は、用いる黒鉛母結晶の構造を反
映する。黒鉛の結晶性が高いほど分解速度は大きく、黒
鉛の結晶性が低く乱層構造が発達したものほど分解速度
は小さく安定性は高い。この事実に対する完全な解釈は
必ずしも明確にされていないが、定性的には以下のよう
に考えられる。
黒鉛構造が発達した層間のリチウム原子は非常に移動
度が高く、電解液と接した黒鉛層端部のリチウム原子が
分解反応に因って黒鉛から放出されると、隣接した層内
部の新たなリチウム原子が、すぐに端面に移動し再び分
解に寄与する。このように層間でのリチウム原子の移動
度が高いために、次々に端面でのリチウム原子と電解液
との分解反応が進行し、最終的には層間に挿入されたリ
チウム原子は全て分解に依って放出してしまう。
度が高く、電解液と接した黒鉛層端部のリチウム原子が
分解反応に因って黒鉛から放出されると、隣接した層内
部の新たなリチウム原子が、すぐに端面に移動し再び分
解に寄与する。このように層間でのリチウム原子の移動
度が高いために、次々に端面でのリチウム原子と電解液
との分解反応が進行し、最終的には層間に挿入されたリ
チウム原子は全て分解に依って放出してしまう。
即ち、高黒鉛化度の炭素材を用いたリチウム黒鉛層間
化合物は、電解液中で安定に存在できないと考えらる。
ここで注目すべきは、いわゆる電解液の「安定に存在で
きる電位の窓」の範囲外に、リチウムを挿入した炭素材
の電位が位置するために、分解が生じるのではなく、純
粋に層間のリチウム原子の反応性の高さによるものだと
いうことである。このことは、リチウム黒鉛層間化合物
の分解が、リチウム金属の電位付近から炭素材自身の電
位付近まで一様に進行することから確認できる。
化合物は、電解液中で安定に存在できないと考えらる。
ここで注目すべきは、いわゆる電解液の「安定に存在で
きる電位の窓」の範囲外に、リチウムを挿入した炭素材
の電位が位置するために、分解が生じるのではなく、純
粋に層間のリチウム原子の反応性の高さによるものだと
いうことである。このことは、リチウム黒鉛層間化合物
の分解が、リチウム金属の電位付近から炭素材自身の電
位付近まで一様に進行することから確認できる。
他方、乱層構造の炭素材は、リチウム原子の反応性と
いう点では黒鉛構造が発達した場合と全く変わりが無い
が、乱層構造のためにリチウム原子の層間での移動度が
極端に低い。この移動度の低さが、リチウム原子の高い
反応性にも拘らず、リチウム黒鉛層間化合物を電解液中
で安定に存在せしめているのである。即ち、端面の電解
液に接したリチウム原子が、電解液との分解反応に依っ
て層間から放出された後、内部のリチウム原子は乱層構
造のために端面になかなか移動できず、従って、層間の
リチウム原子と電解液とが新たに接することがなく、乱
層構造の黒鉛層間化合物は安定に存在することが出来る
のである。
いう点では黒鉛構造が発達した場合と全く変わりが無い
が、乱層構造のためにリチウム原子の層間での移動度が
極端に低い。この移動度の低さが、リチウム原子の高い
反応性にも拘らず、リチウム黒鉛層間化合物を電解液中
で安定に存在せしめているのである。即ち、端面の電解
液に接したリチウム原子が、電解液との分解反応に依っ
て層間から放出された後、内部のリチウム原子は乱層構
造のために端面になかなか移動できず、従って、層間の
リチウム原子と電解液とが新たに接することがなく、乱
層構造の黒鉛層間化合物は安定に存在することが出来る
のである。
ここで、金属リチウムとリチウム黒鉛層間化合物の電
解液中での安定性の本質的な違いに注意すべきである。
金属リチウムの場合には、リチウム原子と有機溶媒、或
は電解質とが反応した結果生じる生成物が被膜を形成
し、金属リチウムの表面を覆うためにリチウムと電解液
とは直に接触することがなくなり、安定化する。つま
り、リチウムが金属という堅固な結晶を組んでいること
が、被膜の形成を可能にしているのである。
解液中での安定性の本質的な違いに注意すべきである。
金属リチウムの場合には、リチウム原子と有機溶媒、或
は電解質とが反応した結果生じる生成物が被膜を形成
し、金属リチウムの表面を覆うためにリチウムと電解液
とは直に接触することがなくなり、安定化する。つま
り、リチウムが金属という堅固な結晶を組んでいること
が、被膜の形成を可能にしているのである。
これに対して、リチウムのアマルガムなど完全に液体
状のリチウムや、黒鉛層間化合物における層間のリチウ
ム原子のように、層間で液体のように比較的自由に動け
る状態で存在し、堅固な結晶構造を取らない場合には、
分解反応の生成物は被膜を形成することが出来ず、分解
は何処までも進行し安定化しない。そこで、黒鉛層間化
合物の場合には被膜の形成ではなく、乱層構造によるリ
チウム原子の層間への或る程度の固定によって、安定化
を実現しているのである。
状のリチウムや、黒鉛層間化合物における層間のリチウ
ム原子のように、層間で液体のように比較的自由に動け
る状態で存在し、堅固な結晶構造を取らない場合には、
分解反応の生成物は被膜を形成することが出来ず、分解
は何処までも進行し安定化しない。そこで、黒鉛層間化
合物の場合には被膜の形成ではなく、乱層構造によるリ
チウム原子の層間への或る程度の固定によって、安定化
を実現しているのである。
上に述べたような乱層構造を持った炭素材に、特に炭
素繊維を用いる理由は、本質的には正極と同じであり、
例えばピッチやポリアクリロニトリルなど、原料の持つ
元来の黒鉛化度の高さと、炭素繊維に紡糸することに因
る黒鉛化度の制御範囲の広さにある。乱層構造と言って
も層間にリチウム原子を挿入できる程度の層面の発達は
要求される。そのために炭素繊維の原料には、ある程度
の黒鉛化度を持ったものを用いる。乱層構造を実現する
には、原料段階で黒鉛化を抑制するか、もしくは、製造
過程で黒鉛化度を制御すれば良い。
素繊維を用いる理由は、本質的には正極と同じであり、
例えばピッチやポリアクリロニトリルなど、原料の持つ
元来の黒鉛化度の高さと、炭素繊維に紡糸することに因
る黒鉛化度の制御範囲の広さにある。乱層構造と言って
も層間にリチウム原子を挿入できる程度の層面の発達は
要求される。そのために炭素繊維の原料には、ある程度
の黒鉛化度を持ったものを用いる。乱層構造を実現する
には、原料段階で黒鉛化を抑制するか、もしくは、製造
過程で黒鉛化度を制御すれば良い。
黒鉛化に関しては正極と全く同様である。即ち、不活
性雰囲気下、2000℃以上、好ましくは、2500℃以上1時
間以上黒鉛化処理する。乱層構造は一般的に熱処理温度
を低くすれば実現するが、層間化合物を形成し、しかも
ドープ、脱ドープに対しての安定性を得るためには、或
る程度黒鉛化処理温度を高くし、堅固な炭素層を形成す
る必要があり、そのための最低の温度が2000℃である。
性雰囲気下、2000℃以上、好ましくは、2500℃以上1時
間以上黒鉛化処理する。乱層構造は一般的に熱処理温度
を低くすれば実現するが、層間化合物を形成し、しかも
ドープ、脱ドープに対しての安定性を得るためには、或
る程度黒鉛化処理温度を高くし、堅固な炭素層を形成す
る必要があり、そのための最低の温度が2000℃である。
本発明は、正極及び負極に、各々、最適な黒鉛化度の
炭素繊維を用いることを特徴とした二次電池システムに
関するものであり、炭素繊維を用いた電極であれば、電
極の形状に関して特に制限するものではない。
炭素繊維を用いることを特徴とした二次電池システムに
関するものであり、炭素繊維を用いた電極であれば、電
極の形状に関して特に制限するものではない。
本発明に用いることができる電解質としては、以下の
リチウム塩を挙げることが出来る。
リチウム塩を挙げることが出来る。
リチウムパークロレート:LiClO4、リチウムヘキサフロ
ロアンチモネート:LiSbF6、リチウムヘキサフロロアセ
ネート:LiAsF6、リチウムテトラフロロボレート:LiB
F4、リチウムヘキサクロロアンチモネート:LiSbCl6、リ
チウムヘキサフロロホスフェート:LiPF6 これらの中で特に好ましいのは、LiBF4、LiPF6であ
る。
ロアンチモネート:LiSbF6、リチウムヘキサフロロアセ
ネート:LiAsF6、リチウムテトラフロロボレート:LiB
F4、リチウムヘキサクロロアンチモネート:LiSbCl6、リ
チウムヘキサフロロホスフェート:LiPF6 これらの中で特に好ましいのは、LiBF4、LiPF6であ
る。
電解質として用いるリチウム塩に要求されるのは、ア
ニオンに関する次の条件である。即ち、基本的には電気
化学的反応におけるアニオンの安定性が要求される。本
発明に於いては、炭素繊維に於けるアニオンの挿入放出
が正極反応に利用されるので、電気化学的反応に於ける
安定性に加えて更に、炭素繊維に於ける挿入放出反応を
生じるようなアニオンであることが要求される。
ニオンに関する次の条件である。即ち、基本的には電気
化学的反応におけるアニオンの安定性が要求される。本
発明に於いては、炭素繊維に於けるアニオンの挿入放出
が正極反応に利用されるので、電気化学的反応に於ける
安定性に加えて更に、炭素繊維に於ける挿入放出反応を
生じるようなアニオンであることが要求される。
炭素繊維に於ける挿入放出反応に適するアニオンの条
件は、現段階では必ずしも明確にされていないが、一価
のアニオンとしての安定性が基本的に重要であって、従
来言われていたような挿入放出反応に関与するアニオン
の原子、或は、分子の大きさなどの幾何学的な形状は重
要ではない。上に挙げた一連のリチウム塩は、正にこの
二つの条件を満足するものである。即ち、これらのリチ
ウム塩は、電離度が非常に高く電離した結果生じるアニ
オンは、電気化学的に非常に安定であり、更に一価のア
ニオンとして非常に高い安定性を有する。
件は、現段階では必ずしも明確にされていないが、一価
のアニオンとしての安定性が基本的に重要であって、従
来言われていたような挿入放出反応に関与するアニオン
の原子、或は、分子の大きさなどの幾何学的な形状は重
要ではない。上に挙げた一連のリチウム塩は、正にこの
二つの条件を満足するものである。即ち、これらのリチ
ウム塩は、電離度が非常に高く電離した結果生じるアニ
オンは、電気化学的に非常に安定であり、更に一価のア
ニオンとして非常に高い安定性を有する。
ここで注意すべきは、ハロゲンのアニオンである。ハ
ロゲンは、電子親和力が大きく、従って一価のアニオン
としての高安定性が期待できる。更に、電気化学的にも
高い安定性を持つため、炭素材に於ける挿入放出反応に
はハロゲンのアニオンは最適と思われる。しかしなが
ら、例えば気相法で合成されたヨウ素、臭素の黒鉛層間
化合物の研究で知られるように、その安定性は非常に乏
しく、ハロゲンガスの圧力下で無ければその構造を保て
ず、減圧することで容易に一度挿入されたハロゲン原子
は層外へ放出する。この様なハロゲンの黒鉛層間化合物
の低い安定性を反映し、電気化学的にはハロゲンの黒鉛
層間化合物を合成することは困難であり、電極反応には
適していないと考えられる。
ロゲンは、電子親和力が大きく、従って一価のアニオン
としての高安定性が期待できる。更に、電気化学的にも
高い安定性を持つため、炭素材に於ける挿入放出反応に
はハロゲンのアニオンは最適と思われる。しかしなが
ら、例えば気相法で合成されたヨウ素、臭素の黒鉛層間
化合物の研究で知られるように、その安定性は非常に乏
しく、ハロゲンガスの圧力下で無ければその構造を保て
ず、減圧することで容易に一度挿入されたハロゲン原子
は層外へ放出する。この様なハロゲンの黒鉛層間化合物
の低い安定性を反映し、電気化学的にはハロゲンの黒鉛
層間化合物を合成することは困難であり、電極反応には
適していないと考えられる。
本発明に用いられる電解液としての有機溶媒は、非プ
ロトン性有機溶媒であり、従来、二次電池に用いられて
いた有機溶媒であれば、特にこれを制限するものではな
いが、その中で、誘電率が大きい、双極子能率が大き
い、酸化還元に対する安定性が高く電位窓が広い、粘度
の低い等の特性を有した有機溶媒が特に好ましい。
ロトン性有機溶媒であり、従来、二次電池に用いられて
いた有機溶媒であれば、特にこれを制限するものではな
いが、その中で、誘電率が大きい、双極子能率が大き
い、酸化還元に対する安定性が高く電位窓が広い、粘度
の低い等の特性を有した有機溶媒が特に好ましい。
具体的には、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、スルホ
ラン、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、
テトラヒドロフラン、2メチル−テトラヒドロフラン、
アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホル
ムアミド等の溶媒や、これらの混合溶媒を用いることが
出来る。
ラン、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、
テトラヒドロフラン、2メチル−テトラヒドロフラン、
アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホル
ムアミド等の溶媒や、これらの混合溶媒を用いることが
出来る。
また、電解液の濃度は、溶媒や電解質の種類、電極材
に依存するため一概に規定することは出来ないが、通常
0.1〜10mol/の範囲である。電解液中の微量の酸素や
水分が電池の性能を低下させるので、溶媒や電解質は予
め常法に従い十分に精製しておく必要がある。本発明に
於て、必要ならばポりエチレン、ポリプロピレン、テフ
ロン等の合成樹脂性の多孔質膜や、天然繊維を両極の間
の隔膜として使用してもよい。
に依存するため一概に規定することは出来ないが、通常
0.1〜10mol/の範囲である。電解液中の微量の酸素や
水分が電池の性能を低下させるので、溶媒や電解質は予
め常法に従い十分に精製しておく必要がある。本発明に
於て、必要ならばポりエチレン、ポリプロピレン、テフ
ロン等の合成樹脂性の多孔質膜や、天然繊維を両極の間
の隔膜として使用してもよい。
実施例 実施例1 第1図のように2900℃で熱処理したピッチ系炭素繊維
1の10mgを、直径0.1mmの白金線2で束ねたものを正極
4とした。
1の10mgを、直径0.1mmの白金線2で束ねたものを正極
4とした。
充放電特性の測定は、第2図のように10〜20mgの金属
リチウムのシートをニッケル網に圧着したものを対極
(負極)3、対極(負極)と同じ金属リチウムシートの
小片をニッケル線に接続したものを基準極5、LiBF4を
炭酸プロピレンに2mol/の濃度に溶かした溶液を電解
液6に用いた三極セルをガラス容器7に入れ、全体を、
アルゴン(Ar)ガス8を導入し、不活性雰囲気にした密
閉容器内に設置し、定電流で充放電を繰返した際の基準
極に対する正極の電位を測定した。
リチウムのシートをニッケル網に圧着したものを対極
(負極)3、対極(負極)と同じ金属リチウムシートの
小片をニッケル線に接続したものを基準極5、LiBF4を
炭酸プロピレンに2mol/の濃度に溶かした溶液を電解
液6に用いた三極セルをガラス容器7に入れ、全体を、
アルゴン(Ar)ガス8を導入し、不活性雰囲気にした密
閉容器内に設置し、定電流で充放電を繰返した際の基準
極に対する正極の電位を測定した。
正極に用いた炭素繊維は、原料段階及び製造過程に於
て黒鉛化を制御し、正極に要求される黒鉛化度を実現し
たものであり、この炭素繊維のX線回折法による黒鉛化
度の指標は、第1表に示した。充放電の電流値は、10mA
/炭素材1gで、充電の際に通電する電気量は300クーロン
/炭素材1gである。
て黒鉛化を制御し、正極に要求される黒鉛化度を実現し
たものであり、この炭素繊維のX線回折法による黒鉛化
度の指標は、第1表に示した。充放電の電流値は、10mA
/炭素材1gで、充電の際に通電する電気量は300クーロン
/炭素材1gである。
このような条件で充放電させた結果、放電の電気量効
率は、1回目のサイクルは高々50%であるが、2回目の
サイクル以降は安定して、ほぼ95%であった。充放電の
電位は非常に貴であり、リチウム基準に対して4.6〜4.7
Vから充電を開始し充電量の増加に伴って電位は上昇
し、充電完了時の最終電位は5Vに達する。放電の際に電
位変化は、充電時とほぼ同じであり放電が進行するに従
って、電位は徐々に減少し4Vで急激に落ち込み放電を終
了する。従って、放電の利用できる電位は4〜5Vの範囲
である。第3図に充放電の際の電位カーブを示す。
率は、1回目のサイクルは高々50%であるが、2回目の
サイクル以降は安定して、ほぼ95%であった。充放電の
電位は非常に貴であり、リチウム基準に対して4.6〜4.7
Vから充電を開始し充電量の増加に伴って電位は上昇
し、充電完了時の最終電位は5Vに達する。放電の際に電
位変化は、充電時とほぼ同じであり放電が進行するに従
って、電位は徐々に減少し4Vで急激に落ち込み放電を終
了する。従って、放電の利用できる電位は4〜5Vの範囲
である。第3図に充放電の際の電位カーブを示す。
比較例1 黒鉛化度の異なる三種の炭素材:キッシュ黒鉛、TORA
Y社製PAN系炭素繊維M40、UCC社製ピッチ系炭素繊維P75S
を実施例1と同じ条件で測定した。
Y社製PAN系炭素繊維M40、UCC社製ピッチ系炭素繊維P75S
を実施例1と同じ条件で測定した。
各々の炭素材のX線回折法による黒鉛化度は、第1表
に示した。キッシュ黒鉛は、d=3.354Aで、ほぼ理想的
な黒鉛構造を持つ。TARAY社製PAN系炭素繊維M40は、PAN
系炭素繊維の中では最も高い黒鉛化度の炭素繊維に属す
る。UCC社製ピッチ系炭素繊維P75Sは、ピッチ系炭素繊
維の中でも、実施例1に用いた炭素繊維に比較すると黒
鉛化度の低いものである。
に示した。キッシュ黒鉛は、d=3.354Aで、ほぼ理想的
な黒鉛構造を持つ。TARAY社製PAN系炭素繊維M40は、PAN
系炭素繊維の中では最も高い黒鉛化度の炭素繊維に属す
る。UCC社製ピッチ系炭素繊維P75Sは、ピッチ系炭素繊
維の中でも、実施例1に用いた炭素繊維に比較すると黒
鉛化度の低いものである。
PAN系炭素繊維は、4.6Vから充電を開始し充電量の増
加に伴って電位は急激に増加し最終的には6.1Vに達す
る。放電に切り換えると電位は急激に低下し充電量に対
して殆ど放電しない。これはPAN系炭素繊維が三者中最
も黒鉛化度が低く、黒鉛化度の低さのためにアニオンの
ドーピング反応がほとんど生じないことを表している。
加に伴って電位は急激に増加し最終的には6.1Vに達す
る。放電に切り換えると電位は急激に低下し充電量に対
して殆ど放電しない。これはPAN系炭素繊維が三者中最
も黒鉛化度が低く、黒鉛化度の低さのためにアニオンの
ドーピング反応がほとんど生じないことを表している。
P75Sは4.9Vから充電を開始し電位は充電量の増加に伴
ってゆっくりと増加し、最終的には5.1Vに達する。放電
量は充電量に対して約25%であった。P75Sは乱層構造が
発達し、やはり、黒鉛化度の低さのために電気量効率は
低い。
ってゆっくりと増加し、最終的には5.1Vに達する。放電
量は充電量に対して約25%であった。P75Sは乱層構造が
発達し、やはり、黒鉛化度の低さのために電気量効率は
低い。
キッシュ黒鉛は4.7Vから充電を開始し、充電量の増加
に伴って段階状に電位は増加し、最終的には5.0Vに達す
る。放電効率は約50%であった、この段階状の電位の変
化は、いわゆる黒鉛層間化合物のステージ構造に対応す
るものであり、キッシュ黒鉛の黒鉛化度の高さ故に現れ
る現象である。キッシュ黒鉛は理想的とも言える黒鉛化
度をもつが、La、Lcが共に大きすぎるためドープ、脱ド
ープ反応という可逆的な電極反応には適当ではない。可
逆反応に供するにはLa、Lcは大きすぎてはならないので
ある。これら三者の充放電カープを第3図に実施例1と
ともに示した。
に伴って段階状に電位は増加し、最終的には5.0Vに達す
る。放電効率は約50%であった、この段階状の電位の変
化は、いわゆる黒鉛層間化合物のステージ構造に対応す
るものであり、キッシュ黒鉛の黒鉛化度の高さ故に現れ
る現象である。キッシュ黒鉛は理想的とも言える黒鉛化
度をもつが、La、Lcが共に大きすぎるためドープ、脱ド
ープ反応という可逆的な電極反応には適当ではない。可
逆反応に供するにはLa、Lcは大きすぎてはならないので
ある。これら三者の充放電カープを第3図に実施例1と
ともに示した。
実施例1、及び、比較例1の結果から、本発明のよう
に正極に適した特定の黒鉛化度を持ったピッチ系炭素繊
維を用いることによって、優れた充放電特性が得られる
ことが分る。
に正極に適した特定の黒鉛化度を持ったピッチ系炭素繊
維を用いることによって、優れた充放電特性が得られる
ことが分る。
実施例2 実施例1と同様に、2900℃で熱処理したピッチ系炭素
繊維を白金線で束ねたものを試料極(負極)4とし、金
属リチウムを対極3と基準極5に用い、また実施例1と
同じ電解液6に依って構成された三極セルを用いて、定
電流で充放電を繰返した際の基準極に対する負極の電位
を測定した。
繊維を白金線で束ねたものを試料極(負極)4とし、金
属リチウムを対極3と基準極5に用い、また実施例1と
同じ電解液6に依って構成された三極セルを用いて、定
電流で充放電を繰返した際の基準極に対する負極の電位
を測定した。
負極に用いた炭素繊維は、原料段階及び製造過程に於
て黒鉛化を制御し、負極に要求される黒鉛化度を実現し
たものである。この炭素繊維のX線回折に依る黒鉛化度
の指標は、第2表に示した。また、用いた炭素繊維のア
ルゴンレーザー(波長:5145A)を光源としたラマンスペ
クトルは第4図に示すように黒鉛構造を反映する1580cm
-1と乱層構造を反映する1360cm-1の二つのピークが共存
しており、1580cm-1のピーク強度に対する1360cm-1のピ
ーク強度の比は、0.5〜0.6である。
て黒鉛化を制御し、負極に要求される黒鉛化度を実現し
たものである。この炭素繊維のX線回折に依る黒鉛化度
の指標は、第2表に示した。また、用いた炭素繊維のア
ルゴンレーザー(波長:5145A)を光源としたラマンスペ
クトルは第4図に示すように黒鉛構造を反映する1580cm
-1と乱層構造を反映する1360cm-1の二つのピークが共存
しており、1580cm-1のピーク強度に対する1360cm-1のピ
ーク強度の比は、0.5〜0.6である。
充放電の電流値は、5mA/炭素材1gであり、充電の際に
通電した電気量は1300クーロン/炭素材1gである。
通電した電気量は1300クーロン/炭素材1gである。
放電の電気量効率は、1回目のサイクルは70〜80%で
あるが、2回目のサイクル以降は、93%以上に安定す
る。また、その電位は、充電に関しては、リチウム基準
に対して0.5V付近から充電を開始し0.2V付近から非常に
電位の変化は緩やかになり、最終的にはリチウム金属と
ほぼ同じ電位にまでに達する。放電に関しては、リチウ
ム基準で0.3V付近までは非常にゆっくりと電位は上昇
し、0.6〜0.8Vから急激に電位は上昇を始め、放電を終
了する。従って、放電で使用する電位の範囲を0.5Vに採
れば、かなり平坦性のある電位カーブを得ることが出来
る。充放電の際の負極の電位の変化を第5図に示す。
あるが、2回目のサイクル以降は、93%以上に安定す
る。また、その電位は、充電に関しては、リチウム基準
に対して0.5V付近から充電を開始し0.2V付近から非常に
電位の変化は緩やかになり、最終的にはリチウム金属と
ほぼ同じ電位にまでに達する。放電に関しては、リチウ
ム基準で0.3V付近までは非常にゆっくりと電位は上昇
し、0.6〜0.8Vから急激に電位は上昇を始め、放電を終
了する。従って、放電で使用する電位の範囲を0.5Vに採
れば、かなり平坦性のある電位カーブを得ることが出来
る。充放電の際の負極の電位の変化を第5図に示す。
比較例2 黒鉛構造の発達した炭素材であるキッシュ黒鉛を実施
例2と同じ条件下で測定した。
例2と同じ条件下で測定した。
キッシュ黒鉛のX線回折による黒鉛化度の指標は、第
2表に併せて示した。また、アルゴンレーザーラマンス
ペクトルによる二つのピーク強度比は、ほぼ0である。
これらの指標から、キッシュ黒鉛の黒鉛化度の高さが分
る。
2表に併せて示した。また、アルゴンレーザーラマンス
ペクトルによる二つのピーク強度比は、ほぼ0である。
これらの指標から、キッシュ黒鉛の黒鉛化度の高さが分
る。
理想的な黒鉛構造を持ったキッシュ黒鉛は、基準極に
対して1.0Vで充電を開始し充電が進行してもその電位は
殆ど変化せず、リチウムイオンのドープに伴う電位の下
降が見られない。また、殆ど放電しない。
対して1.0Vで充電を開始し充電が進行してもその電位は
殆ど変化せず、リチウムイオンのドープに伴う電位の下
降が見られない。また、殆ど放電しない。
この結果は、充電の電気量は黒鉛化度が高いが故に殆
ど副反応に費やされ、リチウムのドーピングはキッシュ
黒鉛では殆ど進行していないことを示している。一方、
乱層構造の実施例2の炭素繊維は、C6-8Liに相当する充
電量のところで負極の電位はほぼリチウムと同じ電位に
なり、炭素繊維の層間がリチウムで飽和したことが分か
るし、また、放電効率も高い。これは、副反応が殆ど生
じていないことを示している。充放電の際の負極の電位
の変化は、実施例2の結果とともに第5図に示す。
ど副反応に費やされ、リチウムのドーピングはキッシュ
黒鉛では殆ど進行していないことを示している。一方、
乱層構造の実施例2の炭素繊維は、C6-8Liに相当する充
電量のところで負極の電位はほぼリチウムと同じ電位に
なり、炭素繊維の層間がリチウムで飽和したことが分か
るし、また、放電効率も高い。これは、副反応が殆ど生
じていないことを示している。充放電の際の負極の電位
の変化は、実施例2の結果とともに第5図に示す。
比較例3 PAN系炭素繊維であるTORAY社製T300と、ピッチ系炭素
繊維を1000℃で熱処理した二種の炭素繊維を実施例2と
同じ条件下で測定した。
繊維を1000℃で熱処理した二種の炭素繊維を実施例2と
同じ条件下で測定した。
この二種の炭素繊維のX線回折による黒鉛化度の指標
を第3表に示した。ラマン分光による黒鉛化度の指標
は、前者が0.9〜1.0、後者が1.0〜1.1である。両者共に
乱層構造を持つことが分かる。
を第3表に示した。ラマン分光による黒鉛化度の指標
は、前者が0.9〜1.0、後者が1.0〜1.1である。両者共に
乱層構造を持つことが分かる。
定電流充放電を測定した結果、T300は、〜1Vから充電
を開始し、充電の進行に伴って電位の低下は認められる
が、その変化は滑らかではなくしばしば不連続である。
最終的には0.1Vに達するがその充電効率は10%以下であ
った。
を開始し、充電の進行に伴って電位の低下は認められる
が、その変化は滑らかではなくしばしば不連続である。
最終的には0.1Vに達するがその充電効率は10%以下であ
った。
この現象は、T300に対してリチウムのドーピングが生
じ難い、或は、生じないことを示している。また、繰り
返しに対する安定性に欠ける。また、低温で熱処理した
ピッチ系炭素繊維は実施例2と同じような電位カーブを
描き、リチウムのドーピングが進行するが、放電効率が
極端に悪く、充放電の繰り返しに対する安定性に欠け
る。
じ難い、或は、生じないことを示している。また、繰り
返しに対する安定性に欠ける。また、低温で熱処理した
ピッチ系炭素繊維は実施例2と同じような電位カーブを
描き、リチウムのドーピングが進行するが、放電効率が
極端に悪く、充放電の繰り返しに対する安定性に欠け
る。
ここでは、他の乱層構造を持った炭素繊維と本発明が
主張するところの乱層構造を持った炭素繊維との比較を
するために、実施例2と同じ条件下で上の二種の炭素繊
維を測定したものである。
主張するところの乱層構造を持った炭素繊維との比較を
するために、実施例2と同じ条件下で上の二種の炭素繊
維を測定したものである。
実施例2で用いた炭素繊維は、2900℃という非常に高
い温度で熱処理した上で第2表に示すような乱層構造を
実現したものである。一般にピッチ系の炭素繊維は熱処
理温度を低くするだけでも乱層構造を実現出来ることが
知られている。
い温度で熱処理した上で第2表に示すような乱層構造を
実現したものである。一般にピッチ系の炭素繊維は熱処
理温度を低くするだけでも乱層構造を実現出来ることが
知られている。
また、PAN系の炭素繊維も乱層構造を持つことが知ら
れている。実施例2、及び、比較的3の実験結果は、以
下の事を示している。即ち、PAN系の炭素繊維T300は、
炭素層面の発達の程度が低いためにリチウムをドープせ
ず、低温で熱処理したピッチ系炭素繊維は、原料に用い
たピッチの持つ黒鉛化性の高さから炭素層面は十分発達
しており、そのためドーピングはスムーズに行われる
が、熱処理温度が低いためにドープ・脱ドープに対する
積層構造の安定性に欠けるのである。
れている。実施例2、及び、比較的3の実験結果は、以
下の事を示している。即ち、PAN系の炭素繊維T300は、
炭素層面の発達の程度が低いためにリチウムをドープせ
ず、低温で熱処理したピッチ系炭素繊維は、原料に用い
たピッチの持つ黒鉛化性の高さから炭素層面は十分発達
しており、そのためドーピングはスムーズに行われる
が、熱処理温度が低いためにドープ・脱ドープに対する
積層構造の安定性に欠けるのである。
以上、実施例2、比較例2、比較例3の結果から以下
のことが示された。即ち、負極に用いる炭素素材には、
結晶構造が非常に発達した炭素材は、その高い黒鉛化度
故に不適当であり、乱層構造と言われるように適度に乱
れ、適度に黒鉛化した炭素材が適する。更に、乱層構造
の中でも本発明に於て規定したところの乱層構造を持っ
た炭素繊維が最も適当であり、黒鉛化の程度が低すぎる
ものは不適当であることが示された。
のことが示された。即ち、負極に用いる炭素素材には、
結晶構造が非常に発達した炭素材は、その高い黒鉛化度
故に不適当であり、乱層構造と言われるように適度に乱
れ、適度に黒鉛化した炭素材が適する。更に、乱層構造
の中でも本発明に於て規定したところの乱層構造を持っ
た炭素繊維が最も適当であり、黒鉛化の程度が低すぎる
ものは不適当であることが示された。
実施例3 ピッチ系炭素繊維、及びPAN系炭素繊維の負極特性
を、スルホランを有機溶媒に用いた電解液中で調べた。
を、スルホランを有機溶媒に用いた電解液中で調べた。
実施例1と同様に、炭素繊維を白金線で束ねたものを
試料極(負極)4とし、金属リチウムを対極3と基準局
5に用い、LiBF4をスルホランに1mol/の濃度に溶かし
た電解液6によって構成された三極セルを用いて、定電
流で充放電を繰り返した際の基準極に対する負極の電位
を測定した。
試料極(負極)4とし、金属リチウムを対極3と基準局
5に用い、LiBF4をスルホランに1mol/の濃度に溶かし
た電解液6によって構成された三極セルを用いて、定電
流で充放電を繰り返した際の基準極に対する負極の電位
を測定した。
負極に用いたピッチ系炭素繊維は、UCC社製P75SとP12
0X、PAN系炭素繊維はTORAY社製M40である。三種の炭素
繊維は、全て本発明で規定される負極の黒鉛化度の範囲
に属するものである。これらの炭素繊維のX線回折に依
る黒鉛化度の指標は、第4表に示した。また、アルゴン
レーザーラマンスペクトルによる二つのピーク強度比
は、P120X:0.2〜0.3、P75S:0.5〜0.6、M40:0.9〜1.0で
ある。
0X、PAN系炭素繊維はTORAY社製M40である。三種の炭素
繊維は、全て本発明で規定される負極の黒鉛化度の範囲
に属するものである。これらの炭素繊維のX線回折に依
る黒鉛化度の指標は、第4表に示した。また、アルゴン
レーザーラマンスペクトルによる二つのピーク強度比
は、P120X:0.2〜0.3、P75S:0.5〜0.6、M40:0.9〜1.0で
ある。
充放電の電流値は、10mA/炭素材1gであり、充電の際
に通電した電気量は1300クーロン/炭素材1gである。
に通電した電気量は1300クーロン/炭素材1gである。
放電の電気量効率は、1回目のサイクルは、P120X:50
〜60%、P75S:60〜70%、M40:50〜60%であるが、数回
のサイクルの後、三者ともに〜90%以上に安定する。ま
た、充放電の際の電位変化は、三者ともに、炭酸プロピ
レンを有機溶媒に用いた電解液中での測定である実施例
2とほぼ同様である。即ち、基準極に対して0.5V付近か
ら充電を開始し、0.2〜0.3Vまで比較的急に電位は低下
し、そこから電位の変化は非常に緩やかになり、最終的
にはリチムウ金属とほぼ同じ電位にまで到達する。
〜60%、P75S:60〜70%、M40:50〜60%であるが、数回
のサイクルの後、三者ともに〜90%以上に安定する。ま
た、充放電の際の電位変化は、三者ともに、炭酸プロピ
レンを有機溶媒に用いた電解液中での測定である実施例
2とほぼ同様である。即ち、基準極に対して0.5V付近か
ら充電を開始し、0.2〜0.3Vまで比較的急に電位は低下
し、そこから電位の変化は非常に緩やかになり、最終的
にはリチムウ金属とほぼ同じ電位にまで到達する。
放電の際の電位の変化も実施例2とほぼ同様であっ
た。三者とも放電開始後徐々に電位は上昇し、0.6〜0.8
Vから急激に電位は上昇する。但し、放電カーブには、
三者の炭素繊維の黒鉛化度の違いが、僅かに見られた。
即ち、黒鉛化度の高いピッチ系炭素繊維P120Xは、放電
終了電位が比較的低く、放電開始電位と放電終了電位の
差が小さいのに対し、黒鉛化度の低いPAN系炭素繊維M40
は、放電終了電位が高く、この差が大きい。充放電の際
の負極の電位の変化を第6図に示す。
た。三者とも放電開始後徐々に電位は上昇し、0.6〜0.8
Vから急激に電位は上昇する。但し、放電カーブには、
三者の炭素繊維の黒鉛化度の違いが、僅かに見られた。
即ち、黒鉛化度の高いピッチ系炭素繊維P120Xは、放電
終了電位が比較的低く、放電開始電位と放電終了電位の
差が小さいのに対し、黒鉛化度の低いPAN系炭素繊維M40
は、放電終了電位が高く、この差が大きい。充放電の際
の負極の電位の変化を第6図に示す。
ここでは、炭素繊維の原料、及び、炭素繊維の黒鉛化
度の違いが負極特性に与える影響を調べるために、本発
明に規定した負極に適する炭素繊維の黒鉛化度の範囲に
含まれる原料の異なった三種の炭素繊維の負極特性を調
べたものである。その結果、負極に用いる炭素繊維の原
料の違いは重要ではなく、原料に拘らず本発明に規定す
る炭素繊維の黒鉛化度の指標で負極に適するかどうかの
判断ができることが示された。
度の違いが負極特性に与える影響を調べるために、本発
明に規定した負極に適する炭素繊維の黒鉛化度の範囲に
含まれる原料の異なった三種の炭素繊維の負極特性を調
べたものである。その結果、負極に用いる炭素繊維の原
料の違いは重要ではなく、原料に拘らず本発明に規定す
る炭素繊維の黒鉛化度の指標で負極に適するかどうかの
判断ができることが示された。
また、本発明に於て規定するところの負極に適する炭
素繊維はその黒鉛化度に於て、ある程度の幅を持つが、
この黒鉛化度の範囲に属する炭素繊維であれば全て負極
として優れた性能を示し、黒鉛化度の違いは、放電カー
ブの違いとして現れることが判明した。即ち、黒鉛化度
の高い炭素繊維ほど放電カーブは平坦であり、放電の進
行に伴う負極の電位の変化が小さいのに対して、黒鉛化
度の低い炭素繊維ほど放電カーブは傾きを持ち、放電の
進行に伴う負極の電位の変化は大きい。
素繊維はその黒鉛化度に於て、ある程度の幅を持つが、
この黒鉛化度の範囲に属する炭素繊維であれば全て負極
として優れた性能を示し、黒鉛化度の違いは、放電カー
ブの違いとして現れることが判明した。即ち、黒鉛化度
の高い炭素繊維ほど放電カーブは平坦であり、放電の進
行に伴う負極の電位の変化が小さいのに対して、黒鉛化
度の低い炭素繊維ほど放電カーブは傾きを持ち、放電の
進行に伴う負極の電位の変化は大きい。
実施例4 実施例1で用いた炭素繊維を正極に、実施例2で用い
た炭素繊維を負極に、電解液に実施例1と同じものを用
いて電池を作成し、定電流で充放電を行った。
た炭素繊維を負極に、電解液に実施例1と同じものを用
いて電池を作成し、定電流で充放電を行った。
正極の炭素繊維は40mg、負極の炭素繊維は10mgであ
る。電流値は、10mA/炭素材1g、充電量は、負極が100ク
ーロン/炭素材1g、正極が250クーロン/炭素材1gであ
る。
る。電流値は、10mA/炭素材1g、充電量は、負極が100ク
ーロン/炭素材1g、正極が250クーロン/炭素材1gであ
る。
3.8Vから充電を開始し4.6Vまで電圧は上昇する。放電
の電圧は4.3Vから3.5Vまで変化した。100回充放電の繰
り返しを行ったが、充放電の電圧カーブに顕著な変化は
認められなかった。また、電気量効率も高く、90%以上
で安定していた。第7図に充放電を100回繰り返した際
の測定結果を示す。
の電圧は4.3Vから3.5Vまで変化した。100回充放電の繰
り返しを行ったが、充放電の電圧カーブに顕著な変化は
認められなかった。また、電気量効率も高く、90%以上
で安定していた。第7図に充放電を100回繰り返した際
の測定結果を示す。
発明の効果 以上、詳細に説明してきたように、本発明は正極、負
極共に炭素材を用いた各々、アニオン、リチウムイオン
のドーピング反応を電極反応に利用したリチウム二次電
池に関するものである。本発明の最大の特徴は、正極、
負極の反応に最適な炭素材の特性を見極め、これを黒鉛
化度の指標を用いて表現したこと、更に、この特性を、
正極の場合には石炭ピッチ或は石油ピッチを原料とした
ピッチ系炭素繊維に依って、負極の場合には乱層構造を
持った炭素繊維に依って、実現したことにある。この二
次電池システムは、金属リチウムを電極として使わなく
とも非常に高電圧で、しかも軽量は充放電可能な二次電
池を可能としたものであり、極めて利用価値の高いもの
である。
極共に炭素材を用いた各々、アニオン、リチウムイオン
のドーピング反応を電極反応に利用したリチウム二次電
池に関するものである。本発明の最大の特徴は、正極、
負極の反応に最適な炭素材の特性を見極め、これを黒鉛
化度の指標を用いて表現したこと、更に、この特性を、
正極の場合には石炭ピッチ或は石油ピッチを原料とした
ピッチ系炭素繊維に依って、負極の場合には乱層構造を
持った炭素繊維に依って、実現したことにある。この二
次電池システムは、金属リチウムを電極として使わなく
とも非常に高電圧で、しかも軽量は充放電可能な二次電
池を可能としたものであり、極めて利用価値の高いもの
である。
第1図は炭素繊維の電極の概略図である。 第2図は炭素繊維の電極特性測定のための装置の概略図
である。 第3図は本発明に係わる炭素繊維、及び既存の炭素材の
正極に関する定電流充放電の特性図である。 第4図は本発明に係わる炭素繊維のラマンスペクトルを
示す特性図である。 第5図、第6図は本発明に係わる炭素繊維、及び既存の
炭素材の負極に関する定電流充放電の特性図である。 第7図は本発明に係わる炭素繊維を両極に用いた電池の
定電流充放電の特性図である。 1……炭素繊維、2……白金線、3……対極、4……試
料極、5……基準極、6……電解液、7……ガラス容
器、8……Arガス。
である。 第3図は本発明に係わる炭素繊維、及び既存の炭素材の
正極に関する定電流充放電の特性図である。 第4図は本発明に係わる炭素繊維のラマンスペクトルを
示す特性図である。 第5図、第6図は本発明に係わる炭素繊維、及び既存の
炭素材の負極に関する定電流充放電の特性図である。 第7図は本発明に係わる炭素繊維を両極に用いた電池の
定電流充放電の特性図である。 1……炭素繊維、2……白金線、3……対極、4……試
料極、5……基準極、6……電解液、7……ガラス容
器、8……Arガス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤本 研一 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新 日本製鐵株式會社第1技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−182670(JP,A) 特開 昭62−103991(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】炭素層面の平均面間隔が3.40A以下で、c
軸方向及び、a軸方向の結晶子の大きさが、各々、200
〜800A、200〜1000Aであるピッチ系炭素繊維を正極に用
い、炭素層面の平均面間隔が3.37〜3.45A、c軸方向及
び、a軸方向の結晶子の大きさが、各々、40〜500A、40
〜700Aで、且つ、アルゴンレーザーを用いたラマンスペ
クトルにおける1580cm-1のピーク強度に対する1360cm-1
のピーク強度の比が0.2以上1.0以下である炭素繊維を負
極に用いたことを特徴とする炭素繊維を両極に用いたリ
チウム二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63233759A JP2612320B2 (ja) | 1988-09-20 | 1988-09-20 | 炭素繊維を両極に用いたリチウム二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63233759A JP2612320B2 (ja) | 1988-09-20 | 1988-09-20 | 炭素繊維を両極に用いたリチウム二次電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0282466A JPH0282466A (ja) | 1990-03-23 |
JP2612320B2 true JP2612320B2 (ja) | 1997-05-21 |
Family
ID=16960130
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63233759A Expired - Lifetime JP2612320B2 (ja) | 1988-09-20 | 1988-09-20 | 炭素繊維を両極に用いたリチウム二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2612320B2 (ja) |
Families Citing this family (21)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0821375B2 (ja) * | 1990-06-28 | 1996-03-04 | 新日本製鐵株式会社 | リチウム二次電池用負極 |
JP3335366B2 (ja) * | 1991-06-20 | 2002-10-15 | 三菱化学株式会社 | 二次電池用電極 |
DE69224739T2 (de) * | 1991-11-20 | 1998-07-02 | Honda Motor Co Ltd | Material auf kohlenstoffbasis |
JP2949180B2 (ja) * | 1992-03-24 | 1999-09-13 | 工業技術院長 | リチウム二次電池用負極 |
JP3191394B2 (ja) * | 1992-04-10 | 2001-07-23 | 松下電器産業株式会社 | 非水二次電池とその負極板の製造法 |
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EP0687022B1 (en) * | 1992-04-30 | 1999-04-21 | Sony Corporation | Material for anode and method of its manufacture |
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JP3276983B2 (ja) * | 1992-05-25 | 2002-04-22 | 新日本製鐵株式会社 | リチウム二次電池用負極材料とその製造方法 |
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US5639575A (en) * | 1992-12-04 | 1997-06-17 | Sony Corporation | Non-aqueous liquid electrolyte secondary battery |
WO1994014205A1 (en) * | 1992-12-04 | 1994-06-23 | Sony Corporation | Secondary cell of nonaqueous electrolyte |
JPH06310144A (ja) * | 1993-04-23 | 1994-11-04 | Yuasa Corp | 二次電池 |
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CA2156424C (en) * | 1993-12-28 | 2009-11-17 | Hiroshi Imoto | Anode material and method of manufacturing the same |
CA2163899C (en) * | 1994-04-08 | 2007-09-18 | Atsuo Omaru | Non-aqueous electrolyte secondary battery |
JP3556270B2 (ja) | 1994-06-15 | 2004-08-18 | 株式会社東芝 | リチウム二次電池 |
JP3200289B2 (ja) | 1994-07-29 | 2001-08-20 | シャープ株式会社 | リチウム二次電池 |
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1988
- 1988-09-20 JP JP63233759A patent/JP2612320B2/ja not_active Expired - Lifetime
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