JP2611951B2 - マルトオリゴ糖の製造法 - Google Patents
マルトオリゴ糖の製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はマルトオリゴ糖の製造法に関し、詳しくは固
定化酵素にでんぷん糖の基質を作用させてマルトオリゴ
糖を効率よく製造する方法に関する。
定化酵素にでんぷん糖の基質を作用させてマルトオリゴ
糖を効率よく製造する方法に関する。
マルトオリゴ糖の有用性に着目し、マルトオリゴ糖に
関する研究が盛んに行われるようになってきたが、現在
のところ工業的に大量生産されているのはマルトースの
みである。マルトトリオース,マルトペンタオースなど
は試薬用などとして少量生産されているにすぎない。
関する研究が盛んに行われるようになってきたが、現在
のところ工業的に大量生産されているのはマルトースの
みである。マルトトリオース,マルトペンタオースなど
は試薬用などとして少量生産されているにすぎない。
マルトオリゴ糖の生産をでんぷんを原料として行う方
法が提案されており、たとえばマルトペンタオースの生
産を、でんぷん懸濁液にα−アミラーゼを加えて液化
後、酵素を失活させ、さらに当該液化でんぷん液にマル
トペンタオース生成酵素を加えて反応させるというバッ
チ法が行われている。そのほか、酵素を吸着樹脂等の高
分子担体に吸着させてカラムに充填し、これに基質を通
液して反応生成物を得る方法も採用されている。
法が提案されており、たとえばマルトペンタオースの生
産を、でんぷん懸濁液にα−アミラーゼを加えて液化
後、酵素を失活させ、さらに当該液化でんぷん液にマル
トペンタオース生成酵素を加えて反応させるというバッ
チ法が行われている。そのほか、酵素を吸着樹脂等の高
分子担体に吸着させてカラムに充填し、これに基質を通
液して反応生成物を得る方法も採用されている。
しかしながら、バッチ法は反応に長時間を要する上
に、酵素の再使用ができないため、酵素コストが高くつ
く等の問題点がある。また、カラムを用いる固定化法で
は基質としてでんぷんを用いるため、カラム内で老化が
起きたり、流速等により担体から酵素が離脱しやすく、
長時間の運転が困難である等の問題点がある。しかも、
吸着樹脂と基質の接着時間が長くなると、該樹脂表面に
基質が詰まったり、カラム上部で生成したマルトオリゴ
糖が下部へ移動する間に反応が進行し、目的物の純度が
低下する。
に、酵素の再使用ができないため、酵素コストが高くつ
く等の問題点がある。また、カラムを用いる固定化法で
は基質としてでんぷんを用いるため、カラム内で老化が
起きたり、流速等により担体から酵素が離脱しやすく、
長時間の運転が困難である等の問題点がある。しかも、
吸着樹脂と基質の接着時間が長くなると、該樹脂表面に
基質が詰まったり、カラム上部で生成したマルトオリゴ
糖が下部へ移動する間に反応が進行し、目的物の純度が
低下する。
そこで、本発明者らはマルトオリゴ糖生成酵素の担体
について検討を重ね、該酵素を多孔質中空子膜に固定化
することにより該酵素の繰返し使用と長期運転が可能と
なることを見出し、かかる知見に基いて本発明を完成す
るに至った。
について検討を重ね、該酵素を多孔質中空子膜に固定化
することにより該酵素の繰返し使用と長期運転が可能と
なることを見出し、かかる知見に基いて本発明を完成す
るに至った。
本発明は、マルトオリゴ糖生成酵素を多孔質中空子膜
に吸着させた固定化酵素にでんぷん,でんぷんの組成画
分およびでんぷん分解反応生成物のうちの少なくとも1
種の物質を接触させることを特徴とするマルトオリゴ糖
の製造法を提供するものである。
に吸着させた固定化酵素にでんぷん,でんぷんの組成画
分およびでんぷん分解反応生成物のうちの少なくとも1
種の物質を接触させることを特徴とするマルトオリゴ糖
の製造法を提供するものである。
本発明に用いるマルトオリゴ糖生成酵素はその起源を
問わず、動物,植物,微生物等に由来するものを任意に
使用できる。以下に本発明に使用することができるマル
トオリゴ糖生成酵素を例示する。
問わず、動物,植物,微生物等に由来するものを任意に
使用できる。以下に本発明に使用することができるマル
トオリゴ糖生成酵素を例示する。
マルトース(G2)生成酵素 (1) 植物起源β−アミラーゼ:オオムギ起源(J.In
st.Brewing.,63,24(1957)),ダイズ起源(Biochem.
J.,95,621(1965)),コムギ起源(Cereal chem.,43,6
2(1966)),甘藷起源(Biochemistry,4714(196
5)) (2) 微生物起源β−アミラーゼ:バチルス・セレウ
ス起源(特公昭56−20835),バチルス・ポリミキサ起
源(Arch.Biochem.Biophys.,104,388−345(1964)),
バチルス・メガテリウム起源(Agric.Biol.Chem.,38,10
23−1029(1974)),バチルス属BQ10起源(醗酵工学,
57,102−113(1979)),シュードモナス属BQ6起源(醗
酵工学,57,102−113(1979) (3) α−マルトース生成アミラーゼ:ストレプトミ
セス・プラエコックスNA−237起源(澱粉科学,25,155
−161(1978)),ストレプトミセス・トサエンシス起
源(特開昭50−125046),ストレプトミセス・ハイグロ
スコピカス起源(昭和47年度日本農芸化学大会講演要旨
集86頁(1972)) マルトトリオース(G3)生成酵素 (1) ストレプトミセス・グリセウス起源(特公昭55
−373237,同57−6915,澱粉科学,26,175(1979)) (2) バチルス・ズブチリス起源(昭和58年度日本農
芸化学大会要旨集169頁(1983)) マルトテトラオース(G4)生成酵素 (1) シュードモナス・スツッチエリ起源(Arch.Bio
chem.Biophys.,145,105(1971)) (2) シュードモナス・サッカロフィラ起源(特開昭
61−202687,同61−202700) マルトペンタオース(G5)生成酵素 (1) バチルス・リケニフォルミス起源(Arch.Bioch
em.Biophys.,155,290(1973),特公昭50−2552) (2) バチルス・セレウス起源(Agric.Biol.Chem.,4
92379(1985),同誌,49,3369(1985)) (3) シュードモナス・エスピーKO−8940起源(特開
昭60−188065) マルトヘキサオース(G6)生成酵素 (1) エアロバクター・エアロゲネス起源(アミラー
ゼシンポジウム,6,31(1971),Biochem.Biophys.Act
a.,410333(1975)) (2) バチルス・サーキュランス起源(Agric.Biol.C
hem.,46,1539(1982),澱粉科学,29,145(1982)) (3) バチルス・サーキュランス起源(澱粉科学,2
9,107(1982)) マルトヘプタオース(G7)生成酵素 (1) 穀類起源α−アミラーゼ(Biochem.J.,56,86
(1954),Arch.Biochem.Biophys.94,121(1961),同
誌,99,105(1962),澱粉科学,24,42(1977)) 上記マルトオリゴ糖生成酵素は高価であるので、これ
ら酵素を用いてマルトオリゴ糖を製造するにあたって
は、これら酵素を効率よく使用することが重要である。
そのため、本発明ではこれら酵素を固定化して用いるの
である。
st.Brewing.,63,24(1957)),ダイズ起源(Biochem.
J.,95,621(1965)),コムギ起源(Cereal chem.,43,6
2(1966)),甘藷起源(Biochemistry,4714(196
5)) (2) 微生物起源β−アミラーゼ:バチルス・セレウ
ス起源(特公昭56−20835),バチルス・ポリミキサ起
源(Arch.Biochem.Biophys.,104,388−345(1964)),
バチルス・メガテリウム起源(Agric.Biol.Chem.,38,10
23−1029(1974)),バチルス属BQ10起源(醗酵工学,
57,102−113(1979)),シュードモナス属BQ6起源(醗
酵工学,57,102−113(1979) (3) α−マルトース生成アミラーゼ:ストレプトミ
セス・プラエコックスNA−237起源(澱粉科学,25,155
−161(1978)),ストレプトミセス・トサエンシス起
源(特開昭50−125046),ストレプトミセス・ハイグロ
スコピカス起源(昭和47年度日本農芸化学大会講演要旨
集86頁(1972)) マルトトリオース(G3)生成酵素 (1) ストレプトミセス・グリセウス起源(特公昭55
−373237,同57−6915,澱粉科学,26,175(1979)) (2) バチルス・ズブチリス起源(昭和58年度日本農
芸化学大会要旨集169頁(1983)) マルトテトラオース(G4)生成酵素 (1) シュードモナス・スツッチエリ起源(Arch.Bio
chem.Biophys.,145,105(1971)) (2) シュードモナス・サッカロフィラ起源(特開昭
61−202687,同61−202700) マルトペンタオース(G5)生成酵素 (1) バチルス・リケニフォルミス起源(Arch.Bioch
em.Biophys.,155,290(1973),特公昭50−2552) (2) バチルス・セレウス起源(Agric.Biol.Chem.,4
92379(1985),同誌,49,3369(1985)) (3) シュードモナス・エスピーKO−8940起源(特開
昭60−188065) マルトヘキサオース(G6)生成酵素 (1) エアロバクター・エアロゲネス起源(アミラー
ゼシンポジウム,6,31(1971),Biochem.Biophys.Act
a.,410333(1975)) (2) バチルス・サーキュランス起源(Agric.Biol.C
hem.,46,1539(1982),澱粉科学,29,145(1982)) (3) バチルス・サーキュランス起源(澱粉科学,2
9,107(1982)) マルトヘプタオース(G7)生成酵素 (1) 穀類起源α−アミラーゼ(Biochem.J.,56,86
(1954),Arch.Biochem.Biophys.94,121(1961),同
誌,99,105(1962),澱粉科学,24,42(1977)) 上記マルトオリゴ糖生成酵素は高価であるので、これ
ら酵素を用いてマルトオリゴ糖を製造するにあたって
は、これら酵素を効率よく使用することが重要である。
そのため、本発明ではこれら酵素を固定化して用いるの
である。
本発明ではマルトオリゴ糖生成酵素を多孔質中空子膜
に吸着させて固定化する。本発明に用いる膜モジュール
は基質が膜の外側から内側へ流れる構造を有しているた
め、膜内側における高分子基質の目詰まりが少なく、ス
ムーズな反応を行なうことができる。膜の形状としては
中空子型とキャピラリー型のいずれも使用でき、膜の材
質としてはセルロースアセテート,セルロースニトレー
ト等のセルロース系,フッ素系,ポリプロピレンなどか
らなるMF膜(精密濾過膜)およびポリアミド,ポリイミ
ド,ポリスルホン,ポリアクリロニトリルなどからなる
UF膜(限外濾過膜)等を使用することができる。
に吸着させて固定化する。本発明に用いる膜モジュール
は基質が膜の外側から内側へ流れる構造を有しているた
め、膜内側における高分子基質の目詰まりが少なく、ス
ムーズな反応を行なうことができる。膜の形状としては
中空子型とキャピラリー型のいずれも使用でき、膜の材
質としてはセルロースアセテート,セルロースニトレー
ト等のセルロース系,フッ素系,ポリプロピレンなどか
らなるMF膜(精密濾過膜)およびポリアミド,ポリイミ
ド,ポリスルホン,ポリアクリロニトリルなどからなる
UF膜(限外濾過膜)等を使用することができる。
本発明では酵素の分子量により膜の排除限界分子量を
変えることにより高分子基質の透過をスムーズに行なう
ことができ、排除限界分子量8,000以上、通常は8,000〜
100,000の膜を使用する。
変えることにより高分子基質の透過をスムーズに行なう
ことができ、排除限界分子量8,000以上、通常は8,000〜
100,000の膜を使用する。
また、膜への酵素の固定化は任意の方法で行なうこと
ができ、たとえば膜多孔質表面への官能基の導入により
活性化して行なう方法があり、本発明では共有結合法に
よる酸素の固定化が好ましい。共有結合法の中で架橋試
薬による膜活性化法が最も有効である。架橋試薬として
は既知のものを使用でき、たとえばグルタルアルデヒ
ド,ヘキサメチレンジイソシアナート,トルエンジイソ
シアナート,ヘキサメチレンジイソチオシアナート,ビ
スジアゾベンジジン,ベンジジン−2,2′−ジスルホン
酸,N,N′−エチレンビスマレインイミド,N,N′−ポリメ
チレンビスヨードアセトアミド等があり、とりわけグル
タルアルデヒドが好適である。
ができ、たとえば膜多孔質表面への官能基の導入により
活性化して行なう方法があり、本発明では共有結合法に
よる酸素の固定化が好ましい。共有結合法の中で架橋試
薬による膜活性化法が最も有効である。架橋試薬として
は既知のものを使用でき、たとえばグルタルアルデヒ
ド,ヘキサメチレンジイソシアナート,トルエンジイソ
シアナート,ヘキサメチレンジイソチオシアナート,ビ
スジアゾベンジジン,ベンジジン−2,2′−ジスルホン
酸,N,N′−エチレンビスマレインイミド,N,N′−ポリメ
チレンビスヨードアセトアミド等があり、とりわけグル
タルアルデヒドが好適である。
その他の共有結合法として、酵素を膜の芳香族アミノ
基に固定化するジアゾカップリング法;カルボキシル基
を持つ膜をアジド,クロリド,カルボジイミド,イソシ
アナートなどの誘導体として、これと酵素タンパク質中
の遊離アミノ基とを結合させるペプチド法;ウッドワー
ク試薬K,カルボジイミド試薬等のペプチド縮合試薬を用
いる方法;さらには酵素タンパク質中の遊離アミノ基,
フェノール性の水酸基等をハロゲン等の官能基を有する
膜に固定化するアルキル化法などの共有結合法等を膜の
材質を考慮して選択、適用できる。
基に固定化するジアゾカップリング法;カルボキシル基
を持つ膜をアジド,クロリド,カルボジイミド,イソシ
アナートなどの誘導体として、これと酵素タンパク質中
の遊離アミノ基とを結合させるペプチド法;ウッドワー
ク試薬K,カルボジイミド試薬等のペプチド縮合試薬を用
いる方法;さらには酵素タンパク質中の遊離アミノ基,
フェノール性の水酸基等をハロゲン等の官能基を有する
膜に固定化するアルキル化法などの共有結合法等を膜の
材質を考慮して選択、適用できる。
膜への酵素の固定化ならびに酵素反応試験は膜モジュ
ールを接続した酵素固定膜反応装置を使用して行なう。
該装置の主機能は次の通りである。すなわち、基質溶液
を基質タンクと酵素固定膜モジュールにポンプで循環さ
せて酵素反応を行ない、生成物は膜を透過させ、未反応
液はバイパスを通して基質タンクに戻し、再度反応に供
する。また、酵素の固定化は基質溶液の代りに酵素液を
入れ、透過液ラインを基質タンクに接続し、ポンプで循
環させることにより行なうことができる。なお、膜透過
液と同量の基質溶液が自動的にリザーバータンクから補
給することができ、連続運転を行なうことが可能であ
る。さらに、循環流量,操作圧力,温度等については装
置本体パネルで監視でき、それぞれ一定に保つことがで
きる。
ールを接続した酵素固定膜反応装置を使用して行なう。
該装置の主機能は次の通りである。すなわち、基質溶液
を基質タンクと酵素固定膜モジュールにポンプで循環さ
せて酵素反応を行ない、生成物は膜を透過させ、未反応
液はバイパスを通して基質タンクに戻し、再度反応に供
する。また、酵素の固定化は基質溶液の代りに酵素液を
入れ、透過液ラインを基質タンクに接続し、ポンプで循
環させることにより行なうことができる。なお、膜透過
液と同量の基質溶液が自動的にリザーバータンクから補
給することができ、連続運転を行なうことが可能であ
る。さらに、循環流量,操作圧力,温度等については装
置本体パネルで監視でき、それぞれ一定に保つことがで
きる。
酵素の固定化についてマルトペンタオース生成酵素の
場合を例として説明すると、キャピラリー膜を使用し、
ポリスルホン製のハウジングにセットする。これに1〜
5%のグルタルアルデヒド溶液を室温で7〜8時間循環
させて膜表面を活性化させる。この処理を40℃で行なえ
ば4〜5時間で活性化は終了する。次いで、膜モジュー
ル内の残留グルタルアルデヒドを蒸留水で洗浄する。
場合を例として説明すると、キャピラリー膜を使用し、
ポリスルホン製のハウジングにセットする。これに1〜
5%のグルタルアルデヒド溶液を室温で7〜8時間循環
させて膜表面を活性化させる。この処理を40℃で行なえ
ば4〜5時間で活性化は終了する。次いで、膜モジュー
ル内の残留グルタルアルデヒドを蒸留水で洗浄する。
洗浄後、0.2〜10mgタンパク質/mlのマルトペンタオー
ス生成酵素溶液を10℃以下の低温で循環して固定化す
る。固定化後、低温下にて基質タンク,配管,モジュー
ル内の未反応の酵素を回収したのち膜多孔質内部の未反
応酵素を逆洗により回収し、その後緩衝液で洗浄する。
ス生成酵素溶液を10℃以下の低温で循環して固定化す
る。固定化後、低温下にて基質タンク,配管,モジュー
ル内の未反応の酵素を回収したのち膜多孔質内部の未反
応酵素を逆洗により回収し、その後緩衝液で洗浄する。
次に、本発明に用いる基質について説明する。
まず、でんぷんとしては、たとえば馬鈴薯,甘藷,ト
ウモロコシ,モチトウモロコシ,大麦,小麦,米,タピ
オカ,サゴなどの任意の原料から得られるものを使用す
ることができる。また、でんぷんの組成画分としては、
たとえばアミロース,アミロペクチンなどがあり、でん
ぷんの分解反応生成物としては、たとえば白色デキスト
リン,黄色デキストリン,ブリテイッシュガムなどの焙
焼デキストリン;酸化でんぷん,低粘性変性(酵素,
酸,機械高速撹拌等の処理による)でんぷんなどの化工
でんぷん;リン酸でんぷん,酢酸でんぷんなどで代表さ
れるでんぷんエーテル,でんぷんエステルなどのでんぷ
ん誘導体;放射線や中性子線を照射したり高周波処理あ
るいは湿熱処理したでんぷんなどの物理的処理でんぷ
ん;α−でんぷんなどを挙げることができる。これらの
でんぷん類は単独もしくは2種類以上を組合せて用いる
ことができる。
ウモロコシ,モチトウモロコシ,大麦,小麦,米,タピ
オカ,サゴなどの任意の原料から得られるものを使用す
ることができる。また、でんぷんの組成画分としては、
たとえばアミロース,アミロペクチンなどがあり、でん
ぷんの分解反応生成物としては、たとえば白色デキスト
リン,黄色デキストリン,ブリテイッシュガムなどの焙
焼デキストリン;酸化でんぷん,低粘性変性(酵素,
酸,機械高速撹拌等の処理による)でんぷんなどの化工
でんぷん;リン酸でんぷん,酢酸でんぷんなどで代表さ
れるでんぷんエーテル,でんぷんエステルなどのでんぷ
ん誘導体;放射線や中性子線を照射したり高周波処理あ
るいは湿熱処理したでんぷんなどの物理的処理でんぷ
ん;α−でんぷんなどを挙げることができる。これらの
でんぷん類は単独もしくは2種類以上を組合せて用いる
ことができる。
固定化酵素に基質を接触させて行なう反応は、使用す
る酵素の性質,基質の性状等を考慮して条件を設定すれ
ばよく、たとえばマルトペンタオースを製造する場合、
反応温度は酵素の安定性,至適温度を考慮して40〜45℃
とし、基質濃度を0.1〜30%、好ましくは0.5〜10%とし
て行なえばよい。また、基質のpHは4〜10で良いが、安
定性や最も効率よくマルトペンタオースを生成する点で
8〜8.5とすることが好ましい。なお、運転の際の循環
流量はマルトペンタオースの生成率にそれ程大きな影響
を及ぼさない。また、操作圧力は低圧よりもやや高い圧
力にて行なう方が透過速度も速く、反応生成物中のマル
トペンタオースの純度も高くなるので好ましい。サニテ
ーションの面ではラインに紫外線殺菌装置を導入するこ
とにより殺菌の混入を防止することができる。
る酵素の性質,基質の性状等を考慮して条件を設定すれ
ばよく、たとえばマルトペンタオースを製造する場合、
反応温度は酵素の安定性,至適温度を考慮して40〜45℃
とし、基質濃度を0.1〜30%、好ましくは0.5〜10%とし
て行なえばよい。また、基質のpHは4〜10で良いが、安
定性や最も効率よくマルトペンタオースを生成する点で
8〜8.5とすることが好ましい。なお、運転の際の循環
流量はマルトペンタオースの生成率にそれ程大きな影響
を及ぼさない。また、操作圧力は低圧よりもやや高い圧
力にて行なう方が透過速度も速く、反応生成物中のマル
トペンタオースの純度も高くなるので好ましい。サニテ
ーションの面ではラインに紫外線殺菌装置を導入するこ
とにより殺菌の混入を防止することができる。
マルトペンタオースの場合、35%程度の生成率が得ら
れるが、他のオリゴ糖の副生を抑えるためにマルトペン
タオースが約30%生成した時点で反応を終了させること
が望ましい。
れるが、他のオリゴ糖の副生を抑えるためにマルトペン
タオースが約30%生成した時点で反応を終了させること
が望ましい。
酵素反応終了後、反応液から常法により目的とするマ
ルトオリゴ糖を分離,精製する。
ルトオリゴ糖を分離,精製する。
多孔質中空子膜(日東電工(株)製,膜モジュールNT
E−370、有効膜面積0.1m2)を酵素固定膜反応装置メン
ブレンマスターBM−1(日東電工(株)製)に接続し、
膜の活性化とマルトペンタオース生成酵素の膜への固定
及びマルトペンタオースの製造を行なった。すなわち、
5%グルタルアルデヒド溶液を循環流量1/min,圧力
0.6kg/cm2の条件で7時間室温にて循環させて膜の活性
化処理を行なった。次いで、この活性化膜を室温にて1
の蒸留水で洗浄した後、マルトペンタオース生成酵素
(シュードモナス・エスピーKO−8940起源,特開昭60−
188065)を固定化した。固定化は、タンパク量1mg/mlの
マイルトペンタオース生成酵素(活性は16.71U/ml)800
mlを流量0.8/min,圧力0.45kg/cm2,温度5℃で14時間
循環させることにより行った。酵素の固定化率(タンパ
ク吸着率)は51.2%であった。吸着後の洗浄には20mMト
リス−塩酸緩衝液(pH8)を使用した。
E−370、有効膜面積0.1m2)を酵素固定膜反応装置メン
ブレンマスターBM−1(日東電工(株)製)に接続し、
膜の活性化とマルトペンタオース生成酵素の膜への固定
及びマルトペンタオースの製造を行なった。すなわち、
5%グルタルアルデヒド溶液を循環流量1/min,圧力
0.6kg/cm2の条件で7時間室温にて循環させて膜の活性
化処理を行なった。次いで、この活性化膜を室温にて1
の蒸留水で洗浄した後、マルトペンタオース生成酵素
(シュードモナス・エスピーKO−8940起源,特開昭60−
188065)を固定化した。固定化は、タンパク量1mg/mlの
マイルトペンタオース生成酵素(活性は16.71U/ml)800
mlを流量0.8/min,圧力0.45kg/cm2,温度5℃で14時間
循環させることにより行った。酵素の固定化率(タンパ
ク吸着率)は51.2%であった。吸着後の洗浄には20mMト
リス−塩酸緩衝液(pH8)を使用した。
このマルトペンタオース生成酵素固定膜を用いて基質
を通液し反応試験を行なった。基質には2%可溶性でん
ぷん(pH8,純正化学製)を用い、濾紙で濾過後に通液し
た。通液温度45℃,循環流量0.6/min,圧力0.4kg/cm2
で運転し、透過液を一定量ずつサンプリングし、反応生
成物をBio−Rad HPX42Aカラムを用いた高速液体クロマ
トグラフィーで分析し確認した。この結果を第1図に示
す。
を通液し反応試験を行なった。基質には2%可溶性でん
ぷん(pH8,純正化学製)を用い、濾紙で濾過後に通液し
た。通液温度45℃,循環流量0.6/min,圧力0.4kg/cm2
で運転し、透過液を一定量ずつサンプリングし、反応生
成物をBio−Rad HPX42Aカラムを用いた高速液体クロマ
トグラフィーで分析し確認した。この結果を第1図に示
す。
次に、同様の運転条件で基質として6%デキストリン
水溶液(pH8、パインデックス#100、松谷化学製)を使
用した場合の結果を第2図に示す。
水溶液(pH8、パインデックス#100、松谷化学製)を使
用した場合の結果を第2図に示す。
図から明らかなように、安定してマルトペンタオース
が生成している。また、第3図に示したように、基質に
可溶性でんぷんを用いた場合の同じ膜を用いての繰り返
し試験では、反応試験及び逆洗を1サイクルとして20回
の運転サイクルを行なった後も酵素の活性低下はほとん
ど認められず、安定化してマルトペンタオースを製造す
ることができる。
が生成している。また、第3図に示したように、基質に
可溶性でんぷんを用いた場合の同じ膜を用いての繰り返
し試験では、反応試験及び逆洗を1サイクルとして20回
の運転サイクルを行なった後も酵素の活性低下はほとん
ど認められず、安定化してマルトペンタオースを製造す
ることができる。
〔発明の効果〕 本発明によれば、でんぷん類からマルトオリゴ糖を効
率よく製造することができる。特に、膜を用いて固定化
酵素反応を行なうため、圧力による反応制御が可能であ
り、しかも膜への基質の目詰りもなく、長期間安定的に
反応を行なうことができる。また、酵素の繰返し使用が
可能なことも本発明の特色の1つである。
率よく製造することができる。特に、膜を用いて固定化
酵素反応を行なうため、圧力による反応制御が可能であ
り、しかも膜への基質の目詰りもなく、長期間安定的に
反応を行なうことができる。また、酵素の繰返し使用が
可能なことも本発明の特色の1つである。
第1図および第2図は本発明の実施例における透過液量
と反応生成物の生成率との関係を示すグラフ、第3図は
本発明の実施例における運転回数と糖生成率の関係を示
すグラフである。
と反応生成物の生成率との関係を示すグラフ、第3図は
本発明の実施例における運転回数と糖生成率の関係を示
すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】マルトオリゴ糖生成酵素を多孔質中空子膜
に吸着させた固定化酵素にでんぷん,でんぷんの組成画
分およびでんぷん分解反応生成物のうちの少なくとも1
種の物質を接触させることを特徴とするマルトオリゴ糖
の製造法。 - 【請求項2】多孔質中空子膜が排除限界分子量8,000以
上の膜である特許請求の範囲第1項記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62090952A JP2611951B2 (ja) | 1987-04-15 | 1987-04-15 | マルトオリゴ糖の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62090952A JP2611951B2 (ja) | 1987-04-15 | 1987-04-15 | マルトオリゴ糖の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63258484A JPS63258484A (ja) | 1988-10-25 |
JP2611951B2 true JP2611951B2 (ja) | 1997-05-21 |
Family
ID=14012816
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62090952A Expired - Lifetime JP2611951B2 (ja) | 1987-04-15 | 1987-04-15 | マルトオリゴ糖の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2611951B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010001813A (ko) * | 1999-06-08 | 2001-01-05 | 조규진 | 효소고정화 기술을 이용한 생물계면활성제의 연속식 생산공정 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58193690A (ja) * | 1982-02-04 | 1983-11-11 | コンシグリオ・ナジオナ−レ・デレ・リシエルシエ | 生触媒濾過器およびその製造方法 |
JPS61285998A (ja) * | 1985-06-11 | 1986-12-16 | Shokuhin Sangyo Baioriakutaa Syst Gijutsu Kenkyu Kumiai | マルトオリゴ糖の製造方法 |
-
1987
- 1987-04-15 JP JP62090952A patent/JP2611951B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58193690A (ja) * | 1982-02-04 | 1983-11-11 | コンシグリオ・ナジオナ−レ・デレ・リシエルシエ | 生触媒濾過器およびその製造方法 |
JPS61285998A (ja) * | 1985-06-11 | 1986-12-16 | Shokuhin Sangyo Baioriakutaa Syst Gijutsu Kenkyu Kumiai | マルトオリゴ糖の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63258484A (ja) | 1988-10-25 |
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