JP2512241B2 - 非水電解液二次電池およびその正極活物質の製造法 - Google Patents
非水電解液二次電池およびその正極活物質の製造法Info
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- JP2512241B2 JP2512241B2 JP3054524A JP5452491A JP2512241B2 JP 2512241 B2 JP2512241 B2 JP 2512241B2 JP 3054524 A JP3054524 A JP 3054524A JP 5452491 A JP5452491 A JP 5452491A JP 2512241 B2 JP2512241 B2 JP 2512241B2
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非水電解液二次電池およ
びその正極活物質の製造法に関する。
びその正極活物質の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウムまたはリチウム化合物を負極と
する非水電解液二次電池は高電圧、高エネルギー密度と
なることが期待され、実用化に向けて数多くの研究が行
なわれている。
する非水電解液二次電池は高電圧、高エネルギー密度と
なることが期待され、実用化に向けて数多くの研究が行
なわれている。
【0003】これまでに、非水電解液二次電池の正極活
物質としてV2O5、Cr2O5、MnO2、TiS2、など
が知られており、また最近タックレイらによってLiM
n2O4が上記電池系の正極活物質になりうることが報告
された。(マテリアル リサーチ ブレチン 1983
年18巻461−472ページ)図において、電位曲線
は4.0V付近と2.8V付近に平坦部をもち、2段と
なる。ここで、高エネルギー密度を得るには、充放電の
電圧範囲を4.5Vから3Vまでとし、4.0V付近の
電位平坦部を用いて、充放電サイクルを行なう必要があ
る。しかし、上記電位平坦部を用い、電圧範囲4.5V
から3Vまでの充放電を行なう場合、充放電のサイクル
寿命は短く、50サイクル程度で放電容量は半分以下に
低下する。
物質としてV2O5、Cr2O5、MnO2、TiS2、など
が知られており、また最近タックレイらによってLiM
n2O4が上記電池系の正極活物質になりうることが報告
された。(マテリアル リサーチ ブレチン 1983
年18巻461−472ページ)図において、電位曲線
は4.0V付近と2.8V付近に平坦部をもち、2段と
なる。ここで、高エネルギー密度を得るには、充放電の
電圧範囲を4.5Vから3Vまでとし、4.0V付近の
電位平坦部を用いて、充放電サイクルを行なう必要があ
る。しかし、上記電位平坦部を用い、電圧範囲4.5V
から3Vまでの充放電を行なう場合、充放電のサイクル
寿命は短く、50サイクル程度で放電容量は半分以下に
低下する。
【0004】そこで正極活物質LiMn2O4の改良がな
され、LixMyMn(2-y)O4(MはCo,Cr,Ni,
Feから選ばれる少なくとも1種の元素、かつ0.85
≦x≦1.15であり、0.02≦y≦0.5)を用い
ることによりサイクル特性の向上が図られた。また、
0.3<y≦0.5の範囲のものは過放電特性に優れて
いることがわかった。
され、LixMyMn(2-y)O4(MはCo,Cr,Ni,
Feから選ばれる少なくとも1種の元素、かつ0.85
≦x≦1.15であり、0.02≦y≦0.5)を用い
ることによりサイクル特性の向上が図られた。また、
0.3<y≦0.5の範囲のものは過放電特性に優れて
いることがわかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のよう
に、過放電特性向上のために、正極活物質LiMn2O4
のMnの15%以上をCo,Cr,Ni,Feから選ば
れる少なくとも1種の元素で置換することにより、10
〜20%程度の容量低下が生じる。本発明はこのような
課題を解決するもので、電池の容量低下を伴わず、過放
電特性を向上する非水電解液二次電池およびその正極活
物質の製造法を提供することを目的とする。
に、過放電特性向上のために、正極活物質LiMn2O4
のMnの15%以上をCo,Cr,Ni,Feから選ば
れる少なくとも1種の元素で置換することにより、10
〜20%程度の容量低下が生じる。本発明はこのような
課題を解決するもので、電池の容量低下を伴わず、過放
電特性を向上する非水電解液二次電池およびその正極活
物質の製造法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
本発明の非水電解液二次電池およびその正極活物質の製
造法は、正極活物質として、リチウムマンガン複合酸化
物LixMn(2-y)Al yO4(0.85≦x≦1.15、
0.02≦y≦0.5)を用いるものである。
本発明の非水電解液二次電池およびその正極活物質の製
造法は、正極活物質として、リチウムマンガン複合酸化
物LixMn(2-y)Al yO4(0.85≦x≦1.15、
0.02≦y≦0.5)を用いるものである。
【0007】さらに、上記リチウムマンガン複合酸化物
を合成する際、Alの出発原料として塩化アルミニウ
ム、臭化アルミニウムまたは硝酸アルミニウムを用いる
ものである。
を合成する際、Alの出発原料として塩化アルミニウ
ム、臭化アルミニウムまたは硝酸アルミニウムを用いる
ものである。
【0008】
【作用】この構成により本発明の非水電解液二次電池お
よびその正極活物質の製造法は、LiMn2O4中のMn
の一部をCo、Cr、Ni、Feで置換することにより
充放電のサイクル性を著しく向上させることができ、さ
らに置換量が15%より多く、25%以下の場合、充放
電の容量低下はあるが、過放電特性を向上させることが
できた。MnをCoで置換することを例にとると、Li
Mn2O4の格子定数は8.25Åであるのに対し、Co
で5%置換した場合8.23Å、15%置換した場合
8.20Å、25%置換した場合8.15Åとなる。こ
のように、置換量の増加とともに活物質の格子定数は減
少する傾向にある。また、LiCoyMn(2-y)O4にお
いて、0.3<y≦0.5の範囲で、y値を増加させる
ほど、活物質の結晶格子を収縮させ、過放電による過剰
のLiイオンの侵入を抑制し、過放電特性に優れた正極
活物質となることがわかった。しかし、y値の増加は充
放電容量の低下をもたらす。本発明では、LiMn2O4
中のMnの一部をCo、Cr、Ni、Feよりもイオン
半径の小さいAlで置換することにより、結晶格子の収
縮の割合を高め、かつ、置換量を減少させることによ
り、容量低下を伴わず過放電特性に優れた活物質を得る
ことができる。
よびその正極活物質の製造法は、LiMn2O4中のMn
の一部をCo、Cr、Ni、Feで置換することにより
充放電のサイクル性を著しく向上させることができ、さ
らに置換量が15%より多く、25%以下の場合、充放
電の容量低下はあるが、過放電特性を向上させることが
できた。MnをCoで置換することを例にとると、Li
Mn2O4の格子定数は8.25Åであるのに対し、Co
で5%置換した場合8.23Å、15%置換した場合
8.20Å、25%置換した場合8.15Åとなる。こ
のように、置換量の増加とともに活物質の格子定数は減
少する傾向にある。また、LiCoyMn(2-y)O4にお
いて、0.3<y≦0.5の範囲で、y値を増加させる
ほど、活物質の結晶格子を収縮させ、過放電による過剰
のLiイオンの侵入を抑制し、過放電特性に優れた正極
活物質となることがわかった。しかし、y値の増加は充
放電容量の低下をもたらす。本発明では、LiMn2O4
中のMnの一部をCo、Cr、Ni、Feよりもイオン
半径の小さいAlで置換することにより、結晶格子の収
縮の割合を高め、かつ、置換量を減少させることによ
り、容量低下を伴わず過放電特性に優れた活物質を得る
ことができる。
【0009】
【実施例】以下本発明の一実施例の非水電解液二次電池
およびその正極活物質の製造法について図面を基にして
詳細に説明する。
およびその正極活物質の製造法について図面を基にして
詳細に説明する。
【0010】(実施例1)本実施例では、正極活物質と
してLiMn2O4のMnの一部をAlで置換したLix
Mn(2-y)AlyO4(0.85≦x≦1.15、0.0
2≦y≦0.5)について検討した。また、比較例とし
て、LiMn(2-y)CoyO4(y=0.5)をもちい
た。
してLiMn2O4のMnの一部をAlで置換したLix
Mn(2-y)AlyO4(0.85≦x≦1.15、0.0
2≦y≦0.5)について検討した。また、比較例とし
て、LiMn(2-y)CoyO4(y=0.5)をもちい
た。
【0011】LiMn2O4は以下の方法で作製した。L
i2CO3が3モルに対しMn3O4を4モルの割合でよく
混合したのち、混合物を大気中で900℃で10時間加
熱し、正極活物質LiMn2O4を得た。
i2CO3が3モルに対しMn3O4を4モルの割合でよく
混合したのち、混合物を大気中で900℃で10時間加
熱し、正極活物質LiMn2O4を得た。
【0012】LiMn1.5Co0.5O4は以下の方法によ
り作製した。Li2CO3とCoCO3とMn3O4を用
い、Liの原子数が1に対して、Mnの原子数が1.
5、Coの原子数が0.5となるように秤量、混合し、
大気中、900℃で10時間加熱して正極活物質LiM
n1.5Co0.5O4を得た。
り作製した。Li2CO3とCoCO3とMn3O4を用
い、Liの原子数が1に対して、Mnの原子数が1.
5、Coの原子数が0.5となるように秤量、混合し、
大気中、900℃で10時間加熱して正極活物質LiM
n1.5Co0.5O4を得た。
【0013】LiMn(2-y)AlyO4(0.02≦y≦
0.5)は以下の方法により作製した。Li2CO3とM
n3O4と硝酸アルミニウムを用い、Liの原子数が1に
対して、Mnの原子数が(2−y)、Alの原子数がy
(y=0.1,0.2,0.3,0.5,0.8,1.
0)となるように秤量、混合し、大気中、900で10
時間加熱して正極活物質LiMn(2-y)AlyO4(y=
0.1,0.2,0.3,0.5,0.8,1.0)を
得た。しかし、これらのうち、粉末X線回折により、A
lの置換量yが0.5をこえるものは、単一相として得
られなかった。また、格子定数を調べると、例えばy=
0.2については8.19Åが得られた。 次に、電池
の製造法および充放電条件について説明する。上記、正
極活物質と導電剤としてのアセチレンブラックおよび結
着剤としてのポリ4弗化エチレン樹脂を重量比で7:
2:1の割合で混合して正極合剤とした。また、正極合
剤0.1グラムを直径17.5mmに2トン/cm2で
プレス成型して、正極とした。図2において、成型した
正極1をケース2に置く。正極1の上にセパレータ3と
して、多孔性ポリプロピレンフィルムを置いた。負極4
として直径17.5mm、厚さ0.3mmのリチウム板
を、ポリプロピレン製ガスケット6を付けた封口板5に
圧着した。非水電解液として、1モル/lの過塩素酸リ
チウムを溶解したプロピレンカーボネート溶液を用い、
これをセパレータ3上および負極4上に加えた。その後
電池を封口した。正極活物質としてLiMn1.9Al0.1
O4を用いたコイン型電池を(A)、LiMn1.8Al
0.2O4を用いたものを(B)、LiMn1.7Al0.3O4
を用いたものを(C)、そしてLiMn1.5Al0.5O4
を用いたコイン型電池を(D)とした。また比較例とし
てLiMn2O4を活物質として用いたコイン型電池を
(E)、LiMn1.5Co0.5O4を用いたコイン型電池
を(F)とした。
0.5)は以下の方法により作製した。Li2CO3とM
n3O4と硝酸アルミニウムを用い、Liの原子数が1に
対して、Mnの原子数が(2−y)、Alの原子数がy
(y=0.1,0.2,0.3,0.5,0.8,1.
0)となるように秤量、混合し、大気中、900で10
時間加熱して正極活物質LiMn(2-y)AlyO4(y=
0.1,0.2,0.3,0.5,0.8,1.0)を
得た。しかし、これらのうち、粉末X線回折により、A
lの置換量yが0.5をこえるものは、単一相として得
られなかった。また、格子定数を調べると、例えばy=
0.2については8.19Åが得られた。 次に、電池
の製造法および充放電条件について説明する。上記、正
極活物質と導電剤としてのアセチレンブラックおよび結
着剤としてのポリ4弗化エチレン樹脂を重量比で7:
2:1の割合で混合して正極合剤とした。また、正極合
剤0.1グラムを直径17.5mmに2トン/cm2で
プレス成型して、正極とした。図2において、成型した
正極1をケース2に置く。正極1の上にセパレータ3と
して、多孔性ポリプロピレンフィルムを置いた。負極4
として直径17.5mm、厚さ0.3mmのリチウム板
を、ポリプロピレン製ガスケット6を付けた封口板5に
圧着した。非水電解液として、1モル/lの過塩素酸リ
チウムを溶解したプロピレンカーボネート溶液を用い、
これをセパレータ3上および負極4上に加えた。その後
電池を封口した。正極活物質としてLiMn1.9Al0.1
O4を用いたコイン型電池を(A)、LiMn1.8Al
0.2O4を用いたものを(B)、LiMn1.7Al0.3O4
を用いたものを(C)、そしてLiMn1.5Al0.5O4
を用いたコイン型電池を(D)とした。また比較例とし
てLiMn2O4を活物質として用いたコイン型電池を
(E)、LiMn1.5Co0.5O4を用いたコイン型電池
を(F)とした。
【0014】電池の過放電特性試験は次の方法で行なっ
た。電池を2mAの定電流で4.5Vまで充電し、3.
0Vまで放電する。この電圧範囲で充放電を5サイクル
程度繰り返した後、電圧範囲を4.5V〜0Vまでに切
り替え、充放電を50サイクル行ない、再び3.0V〜
4.5Vの電圧範囲で充放電を繰り返した。この試験を
各活物質を用いた電池(A)〜(F)で行ない、その後
の充放電挙動を比較した。比較のために過放電サイクル
前の放電容量で過放電サイクル後の放電容量を除した値
を放電容量維持率とし、この値で過放電に対する耐久性
を評価した。すなわちこの放電容量維持率が大きいほど
過放電特性に優れた電池であるといえる。
た。電池を2mAの定電流で4.5Vまで充電し、3.
0Vまで放電する。この電圧範囲で充放電を5サイクル
程度繰り返した後、電圧範囲を4.5V〜0Vまでに切
り替え、充放電を50サイクル行ない、再び3.0V〜
4.5Vの電圧範囲で充放電を繰り返した。この試験を
各活物質を用いた電池(A)〜(F)で行ない、その後
の充放電挙動を比較した。比較のために過放電サイクル
前の放電容量で過放電サイクル後の放電容量を除した値
を放電容量維持率とし、この値で過放電に対する耐久性
を評価した。すなわちこの放電容量維持率が大きいほど
過放電特性に優れた電池であるといえる。
【0015】図1において、これは、電池(A)、
(D)、(E)、(F)について過放電サイクルの前後
での充放電曲線を示している。放電曲線側のX軸の目盛
は電池の放電容量、充電曲線側のX軸の目盛は電池の残
存未充電容量を示す。比較例である電池(E)は、過放
電サイクル後著しく容量の低下が認められる。また、も
う一つの比較例である電池(F)は過放電サイクル前後
の容量低下は5%程度であるが、初期の充放電容量が電
池(E)に比べ、25%程度低下している。これに対し
て、本実施例の電池(A)、(D)は電池(E)に比
べ、初期容量および過放電サイクル前後の容量低下は、
ほとんど認められず、初期容量については増加している
ことがわかる。また、(表1)には電池(A)〜(F)
の過放電サイクル前後の放電容量と放電容量維持率を示
した。
(D)、(E)、(F)について過放電サイクルの前後
での充放電曲線を示している。放電曲線側のX軸の目盛
は電池の放電容量、充電曲線側のX軸の目盛は電池の残
存未充電容量を示す。比較例である電池(E)は、過放
電サイクル後著しく容量の低下が認められる。また、も
う一つの比較例である電池(F)は過放電サイクル前後
の容量低下は5%程度であるが、初期の充放電容量が電
池(E)に比べ、25%程度低下している。これに対し
て、本実施例の電池(A)、(D)は電池(E)に比
べ、初期容量および過放電サイクル前後の容量低下は、
ほとんど認められず、初期容量については増加している
ことがわかる。また、(表1)には電池(A)〜(F)
の過放電サイクル前後の放電容量と放電容量維持率を示
した。
【0016】
【表1】
【0017】このようにLiMn2O4中のMnの一部を
Alで置換することにより、容量低下を伴わず、過放電
特性に優れた電池が得られる。また、置換元素であるA
lがMnより軽い元素であるため、初期放電容量は電池
(C)が最も大きく、かつ過放電特性の最も優れた電池
であることがわかる。
Alで置換することにより、容量低下を伴わず、過放電
特性に優れた電池が得られる。また、置換元素であるA
lがMnより軽い元素であるため、初期放電容量は電池
(C)が最も大きく、かつ過放電特性の最も優れた電池
であることがわかる。
【0018】(実施例2)次に、LiMn(2-y)AlyO
4(0.02≦y≦0.5)の製造法について検討し
た。ここでは、活物質LiMn1.8Al0.2O4を用いて
詳細に説明する。
4(0.02≦y≦0.5)の製造法について検討し
た。ここでは、活物質LiMn1.8Al0.2O4を用いて
詳細に説明する。
【0019】LiMn1.8Al0.2O4は以下の方法によ
り作製した。Li2CO3とMn3O4を用い、Alの出発
原料として塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、硝酸
アルミニウム、または水酸化アルミニウムを用い、Li
の原子数が1に対して、Mnの原子数が1.8、Alの
原子数が0.2となるように秤量、溶媒に水を用いて湿
式混合し、大気中、900℃で10時間、加熱して正極
活物質LiMn1.8Al0.2O4を得た。このようにして
得た活物質の評価のため、実施例1と同様の方法でコイ
ン形電池を作製した。ここで、Alの出発原料として、
硝酸アルミニウムを用いた活物質で作製した電池を
(G)、塩化アルミニウムを用いたものを(H)、臭化
アルミニウムを用いたものを(I)、そして水酸化アル
ミニウムを用いたものを(J)とする。
り作製した。Li2CO3とMn3O4を用い、Alの出発
原料として塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、硝酸
アルミニウム、または水酸化アルミニウムを用い、Li
の原子数が1に対して、Mnの原子数が1.8、Alの
原子数が0.2となるように秤量、溶媒に水を用いて湿
式混合し、大気中、900℃で10時間、加熱して正極
活物質LiMn1.8Al0.2O4を得た。このようにして
得た活物質の評価のため、実施例1と同様の方法でコイ
ン形電池を作製した。ここで、Alの出発原料として、
硝酸アルミニウムを用いた活物質で作製した電池を
(G)、塩化アルミニウムを用いたものを(H)、臭化
アルミニウムを用いたものを(I)、そして水酸化アル
ミニウムを用いたものを(J)とする。
【0020】これらの電池(G)〜(J)を電圧範囲
4.5V〜3.0Vで、2mA定電流の充放電試験を行
ない、初期の放電容量を比較した。(表2)にその結果
を示す。
4.5V〜3.0Vで、2mA定電流の充放電試験を行
ない、初期の放電容量を比較した。(表2)にその結果
を示す。
【0021】
【表2】
【0022】Alの出発原料としては硝酸アルミニウム
が最も放電容量が大きく、次いで、塩化アルミニウム、
臭化アルミニウムと続く。水酸化アルミニウムはこの結
果から原材料としてあまり適していないように思われ
る。このことは、原料の水への溶解度に起因していると
思われる。Alの出発源として水への溶解度が大きいも
のを用いた場合、原材料の混合がより均一に行なわれ、
原材料の分散状態が良好で、より微細な正極活物質を得
ることができたとおもわれる。このため、電池の放電容
量が増大したと思われる。
が最も放電容量が大きく、次いで、塩化アルミニウム、
臭化アルミニウムと続く。水酸化アルミニウムはこの結
果から原材料としてあまり適していないように思われ
る。このことは、原料の水への溶解度に起因していると
思われる。Alの出発源として水への溶解度が大きいも
のを用いた場合、原材料の混合がより均一に行なわれ、
原材料の分散状態が良好で、より微細な正極活物質を得
ることができたとおもわれる。このため、電池の放電容
量が増大したと思われる。
【0023】また、本実施例で、電池の負極材料として
金属リチウムを用いているが、負極材料として、リチウ
ム合金またはリチウムを吸蔵、放出することができるリ
チウム化合物を用いた場合も同様の結果を得ている。
金属リチウムを用いているが、負極材料として、リチウ
ム合金またはリチウムを吸蔵、放出することができるリ
チウム化合物を用いた場合も同様の結果を得ている。
【0024】さらに、炭酸リチウムの代わりに、水酸化
リチウム、硝酸リチウムなどのリチウム化合物を用い、
Mn3O4の代わりに、Mn2O3、硝酸マンガンのような
Mn化合物を、用いた場合も同様の結果を得た。
リチウム、硝酸リチウムなどのリチウム化合物を用い、
Mn3O4の代わりに、Mn2O3、硝酸マンガンのような
Mn化合物を、用いた場合も同様の結果を得た。
【0025】
【発明の効果】以上の実施例の説明で明らかなように、
本発明の非水電解液二次電池およびその正極活物質の製
造法は負極にリチウム、リチウム合金またはリチウムを
吸蔵、放出することができるリチウム化合物を、電解液
にリチウム塩を含む非水電解液を用い、正極活物質とし
て式LixMn(2-y)AlyO4(0.85≦x≦1.1
5、0.02≦y≦0.5)で表わされる物質を用いる
ことにより、容量低下を伴わず、過放電特性に優れた正
極活物質を提供することができ、産業上の意義は大き
い。
本発明の非水電解液二次電池およびその正極活物質の製
造法は負極にリチウム、リチウム合金またはリチウムを
吸蔵、放出することができるリチウム化合物を、電解液
にリチウム塩を含む非水電解液を用い、正極活物質とし
て式LixMn(2-y)AlyO4(0.85≦x≦1.1
5、0.02≦y≦0.5)で表わされる物質を用いる
ことにより、容量低下を伴わず、過放電特性に優れた正
極活物質を提供することができ、産業上の意義は大き
い。
【図1】本発明の非水電解液二次電池およびその正極活
物質の製造法の実施例1のLiMn(2-y)AlyO4(y
=0.1、0.5)と比較例であるLiMn2O4および
LiMn1.5Co0.5O4の充放電曲線を表わしたグラフ
物質の製造法の実施例1のLiMn(2-y)AlyO4(y
=0.1、0.5)と比較例であるLiMn2O4および
LiMn1.5Co0.5O4の充放電曲線を表わしたグラフ
【図2】同実施例1および2で試験に用いたコイン形電
池の縦断面図
池の縦断面図
【図3】LixMn2O4正極活物質中のx値とこれを用
いた非水電解液二次電池の開路電圧との関係を示すグラ
フ
いた非水電解液二次電池の開路電圧との関係を示すグラ
フ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 美藤 靖彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 豊口 吉徳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】負極にリチウム、リチウム合金またはリチ
ウムを吸蔵、放出することができるリチウム化合物を、
電解液にリチウム塩を含む非水電解液を用い、正極活物
質として式LixMn(2-y)AlyO4(0.85≦x≦
1.15、0.02≦y≦0.5)で表わされる物質を
用いる非水電解液二次電池。 - 【請求項2】負極にリチウム、リチウム合金またはリチ
ウムを吸蔵、放出することができるリチウム化合物を、
電解液にリチウム塩を含む非水電解液を用い、正極活物
質として式LixMn(2-y)AlyO4(0.85≦x≦
1.15、0.02≦y≦0.5)で表わされる物質を
用いる非水電解液二次電池において、前記式LixMn
(2-y)AlyO4(0.85≦x≦1.15、0.02≦
y≦0.5)で表わされる正極活物質の合成において、
Alの出発原料を塩化アルミニウム、臭化アルミニウム
または硝酸アルミニウムとする非水電解液二次電池用正
極活物質の製造法。
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