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JP2020081224A - 吸収性物品 - Google Patents

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JP2020081224A
JP2020081224A JP2018218209A JP2018218209A JP2020081224A JP 2020081224 A JP2020081224 A JP 2020081224A JP 2018218209 A JP2018218209 A JP 2018218209A JP 2018218209 A JP2018218209 A JP 2018218209A JP 2020081224 A JP2020081224 A JP 2020081224A
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JP2018218209A
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哲宏 蓑田
Tetsuhiro Minoda
哲宏 蓑田
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Nippon Paper Crecia Co Ltd
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Nippon Paper Crecia Co Ltd
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Abstract

【課題】吸収性及び着用感の良好な吸収性物品を提供する。【解決手段】高吸収性シート14と高吸収性シート14の全体を包む親水性シート17とを有する吸収体20を備えた吸収性物品10であって、高吸収性シート14は、衣類側表面11aが起毛した基体不織布11と、基体不織布11の起毛した繊維12間に固着担持された高吸収性ポリマー13とを有し、基体不織布11が長手方向Yに延びる凸部15aと凹部1bとを幅方向Xに交互に複数有し、高吸収性シート14の幅方向Xの両端部が、肌当接面11b側に折り返された吸収性物品である。【選択図】図2

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
一般に、吸収性物品は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収体と、で構成されており、これにより、尿等の体液は、トップシートを通って吸収体に吸収される。これらの吸収性物品には、成人用又は幼児用であるかどうかを問わず、テープタイプの紙おむつ、パンツタイプの紙おむつ、尿取りパッド、軽失禁パッドなど、用途に応じて様々なタイプが存在する。
これら吸収性物品を構成する吸収体について、フラッフパルプと高吸収性ポリマー(Super Absorbent Polymer、SAPとも称される)を併用することが一般的であったが、着用時の着用感、外観及び肌触り等の向上、尿の逆戻り低減を目的として、基体となる不織布と高吸収性ポリマーからなる、いわゆる高吸収性シート(SAPシートとも称される)を吸収体として用いることもあり、高吸収性シートについて様々な検討がなされている。
例えば、特許文献1には、接着剤が塗布された第一シート及び第二シートと、第一シートと第二シートの間に配置される高吸収性ポリマーと、を備え、少なくとも第二シート上の複数の領域に対応する部位における接着剤の塗布が間欠的であるととともに、高吸収性ポリマーの幅方向の両側にて第一シートと対向する部位に接着剤が長手方向に連続的に塗布されており、高吸収性ポリマーが長手方向に沿うストライプ状に配置されていることを特徴とする高吸収性シートが開示されている。
また、特許文献2には、二つの高吸収性シートが長手方向に沿って折り曲げられ、それぞれの折り目が互いに対向するように二つの高吸収性シートが配された吸収体が開示されている。さらに、特許文献3には、幅方向に吸水性樹脂の存在域と非存在域を交互に有するポリマーシートを具備する補助吸収性物品が開示されている。
特開2006−158676号公報 特開2013−42882号公報 特開2009−22670号公報
しかしながら、特許文献1に記載の高吸収性シートは、不織布と高吸収性ポリマーとをホットメルト接着剤を用いて固定するため、肌触りが硬くなることにより着用感が低下するという問題、及び、フィット性が得られないため違和感を生ずるという問題がある。また、フラッフパルプと高吸収性ポリマーとで構成される従来の吸収体に比べると、高吸収性シートの多くは、不織布に高吸収性ポリマーが接着手段により固定されることにより、高吸収性ポリマーが高密度に存在する。このため、吸収時間が長くかかり、尿の拡散性に劣るので、吸収性という観点においても十分に満足できるものではない。
また、特許文献2に記載の高吸収性シートでは、上記のような構造を有することにより股間へのフィット性の改善はなされているものの、高吸収性シート特有の肌触りが硬いという点では改善されていない。さらに、特許文献3に記載の補助吸収性物品では、薄型で平滑性があるが、吸水性樹脂存在域の固さによる肌触りについては対策が示されていない。
上記のように、特許文献1から3に記載の吸収体及び吸収性物品は、吸収性及び着用感の双方を十分に満たしたものではない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、フラッフパルプを含有せず、吸収性及び着用感が良好な吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を行った結果、高吸収性ポリマーを有する吸収体を特定の態様とすることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、高吸収性シートと該高吸収性シートの全体を包む親水性シートとを有する吸収体を備えた吸収性物品であって、前記高吸収性シートは、衣類側表面が起毛した基体不織布と、該基体不織布の起毛した繊維間に固着担持された高吸収性ポリマーとを有し、前記基体不織布が、長手方向に延びる凸部と凹部とを幅方向に交互に複数有し、前記高吸収性シートの幅方向の両端部が、肌当接面側に折り返された吸収性物品である。
前記基体不織布は、繊度が2.0dtex以上であり、坪量が40g/m以上160g/m以下であり、厚さが0.4mm以上6.0mm以下であり、前記衣類側表面が起毛した基体不織布は、折り畳む前の幅方向の寸法が、前記吸収体の仕上がり幅の寸法の135%以上185%以下であることが好ましい。
前記基体不織布に担持された高吸収性ポリマーの坪量は、185g/m以上720g/m以下であることが好ましい。
前記基体不織布の幅は、70mm以上330mm以下であることが好ましい。
本発明によれば、吸収性及び着用感の良好な吸収性物品を得ることができる。
本発明の吸収性物品の概略平面図である。 図1におけるX−X断面図である。 衣類側表面が起毛した基体不織布を示す断面図である。 高吸収性シートを示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本明細書の説明において、吸収体及び吸収性物品の長手方向とは、着用されたときに着用者の前後に亘る方向であり、図中、符号Yで示す方向である。また、吸収体及び吸収性物品の幅方向とは、長手方向に対して横又は直交する方向であり、図中、Xで示す方向である。さらに、本明細書において、吸収性物品の肌当接面とは、着用時に着用者の肌に当接する表面を指し、衣類側表面とは、着用時に着用者の衣類に接触する表面を指す。また、吸収体の厚さ方向を図中Zで示している。
また、吸収性物品としては、成人用又は幼児用であるかどうかを問わず、テープタイプの紙おむつ、パンツタイプの紙おむつ、尿取りパッド、軽失禁パッドなど用途に応じて様々なタイプが挙げられる。
<吸収性物品>
本実施形態の吸収性物品10は、図1に示すように、トップシート30とバックシート40と、トップシート30とバックシート40との間に配置された吸収体20とを有するものである。
吸収体20は、図2に示すように、高吸収性シート14と高吸収性シート14の全体を包む親水性シート17とを有する。
高吸収性シート14は、衣類側表面11aが起毛した基体不織布11と、基体不織布11の起毛した繊維12間に固着担持された高吸収性ポリマー13とを有し、基体不織布11は、長手方向Yに延びる凸部15aと凹部15bとを幅方向に交互に複数有するものであり、高吸収性シート14の幅方向の両端部16(図4参照)が、肌当接面11b側に折り返されている。
尿等の体液は、トップシート30を通って吸収体20に吸収される。その他、吸収性物品10の用途やタイプに応じて、立体ギャザー、レッグギャザー、ウエストギャザー、サイドフラップ等を適宜設けることができる。
以下、吸収性物品10の各構成の詳細について説明する。
[吸収体]
吸収体20は、図2に示すように、高吸収性シート14と、高吸収性シート14の全体を包む親水性シート17とを有する。なお、吸収体20は、フラッフパルプを含まないため、尿の逆戻りが抑制され、さらさらとした肌触りを維持しやすい吸収体を得ることができる。
(高吸収性シート)
吸収体20に用いる高吸収性シート14は、衣類側表面11a(図3参照)が起毛した基体不織布11と、基体不織布11の起毛した部分の繊維12間に固着担持された高吸収性ポリマー13と、を有する。基体不織布11の起毛した部分の繊維12間に高吸収性ポリマー13が分散して固着担持されることにより、高吸収性ポリマー13周辺の基体不織布11に尿が適度に拡散又は保持されることにより吸収性能が向上し、フラッフパルプを有さなくても十分な吸収性能を確保することができる。
−基体不織布−
図3に示すように、基体不織布11は、衣類側表面11aが起毛している。そのため、不織布本来の嵩高さに加えて、高吸収性シート14に適度な厚みとやわらかさが付与されることにより、適度なクッション性が発生し、着用時のフィット感を向上することができる。また、基体不織布11を上記のように起毛させることにより、基体不織布11の起毛した部分の繊維12間に高吸収性ポリマー13を分散させて固着担持させることができる。基体不織布11の衣類側表面11aを起毛させる方法としては、回転ノコ刃、ニードルパンチが挙げられ、インラインでの生産性やコストの観点から回転ノコ刃により毛羽立たせる方法を用いることが好ましい。
また、基体不織布11は、図2に示すように、長手方向Yに延びる凸部15a及び凹部15bを複数有する。長手方向Yに延びる凸部15a及び凹部15bは、基体不織布を搬送する時のテンション、及び、ノコ刃等による毛羽立ち加工条件を調整することにより、所望の幅寸法に収縮させ、両端から幅Waの部分を肌当接面(図4の符号11b参照)側に折り返した状態で、後述の親水性シート17で被い、長手方向Yを所望の長さにカットすることによって形成することができる。
凸部15aの高さは、着用時のやわらかさを得る観点から、600μm以上12000μm以下であることが好ましく、900μm以上6000μm以下であることがより好ましい。
ここで、凸部15aの高さとは、凹部15bの底辺から、凸部15aの頂点までの高さを意味する。
基体不織布11としては、例えば、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等の不織布や、スパンボンド不織布/メルトブローン不織布、スパンボンド不織布/メルトブローン不織布/スパンボンド不織布を積層した複合不織布を挙げることができる。これらの不織布のうち、嵩高さの得やすいエアスルー不織布を用いることが好ましい。
基体不織布11を構成する繊度(繊維の太さ)は、2.0dtex以上14dtex以下であることが好ましく、2.2dtex以上9.0dtex以下であることがより好ましく、2.2dtex以上6.0dtex以下であることが更に好ましい。
また、基体不織布11の坪量は、40g/m以上160g/m以下であることが好ましく、40g/m以上120g/m以下であることがより好ましい。
さらに、基体不織布11の厚さは、着用感及び吸収性能のバランスの観点から、0.4mm以上11.0mm以下であることが好ましく、2.0mm以上9.0mm以下であることがより好ましく、4.0mm以上9.0mm以下であることが更に好ましい。
またさらに、基体不織布11の折り畳む前の幅の寸法W11(図3参照)が、吸収体20の仕上がり幅の寸法W20(図2参照)の135%以上185%以下であることが好ましく、150%以上180%以下であることがより好ましい。
基体不織布11を構成する繊度を調整することにより、基体不織布11の起毛した部分の繊維12間に高吸収性ポリマー13を分散させて固着担持しやすくすることができる。
−高吸収性ポリマー−
高吸収性ポリマー13としては、尿を吸収し、かつ、逆戻りを防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸ナトリウム系、ポリアスパラギン酸塩系、(デンプン−アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等の材料から形成されたものを使用することができる。これらの中でも、質量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸ナトリウム系が好ましい。また、高吸収性ポリマー13の坪量は、各種の吸収性物品に要求される吸収性能を確保するために、185g/m以上750g/m以下とすることが好ましい。また、吸収性能、吸収後の肌触り及び着用者の動きやすさをより向上させる観点から、高吸収性ポリマー13の坪量は、210g/m以上450g/m以下とすることがより好ましい。
また、粉体としての流動性が悪い微粉末を避けることにより、吸収に関する基本性能を高め、かつ、高吸収性シート14が硬くなることにより発生するごつごつとした触感を低減する観点から、高吸収性ポリマー13の中位粒子径は、50μm以上600μm以下であることが好ましく、100μm以上500μm以下であることがより好ましい。
高吸収性ポリマー13は、ホットメルト接着剤により、基体不織布11の起毛した部分の繊維間に固着担持されていることが好ましく、基体不織布11の坪量が比較的低い場合に、高吸収性ポリマー13の固着担持を補強するために、ホットメルト接着剤は特に有効に機能する。なお、高吸収性ポリマー13の吸収性を阻害せず、かつ、着用時の肌触りを損なわないように、ホットメルト接着剤の含有量は10g/m以下であることが好ましい。ホットメルト接着剤としては、融点が100℃以上180℃以下の、スチレン−ブタジエン−スチレン系共重合体やスチレン−イソプレン−スチレン系共重合体など合成ゴム系、又は、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系のホットメルト接着剤を用いることができる。ホットメルト接着剤の塗布方法としては、ノズルから溶融状態のホットメルト接着剤を非接触式で塗布するカーテンコート法やスパイラル法、接触式で塗布するスロット法など公知の方法が利用できる。
[親水性シート]
吸収体20は、図2示すように、高吸収性シート14の全体を包む親水性シート17を有する。高吸収性シート14の全体を親水性シート17で包むことにより、高吸収性ポリマー13が吸収体20の外へ漏れることを防止することができ、着用時の肌触りも向上させることができる。親水性シート17としては、ティシュ、吸収紙、スパンボンド不織布やエアレイド不織布等の親水性不織布を挙げることができ、入手性やコストの観点から親水性不織布又はティシュを用いることが好ましく、親水性シート17の坪量は、7g/m以上45g/m以下とすることが好ましく、8g/m以上15/m以下とすることがより好ましい。なお、高吸収性シート14の全体を親水性シート17で包む際には、高吸収性シート14と親水性シート17とを、ホットメルト接着剤や熱エンボス加工により固定することが好ましい。
(トップシート)
トップシート30は、吸収体20に向けて尿等の体液を速やかに通過させるものであり、吸収体20を挟んで、バックシート40に対向して配置される。トップシート30は、肌と当接するシートとなることから、トップシート30には、柔らかな感触で、肌に刺激を与えないような性質を有する、ポリプロピレンやポリエチレン等の合成繊維、レーヨン等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いて、エアスルー法、サーマルボンド法、スパンレース法、スパンボンド法等の公知の加工法によって得られた親水性不織布又はこれらを積合した複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム等を用いることができる。また、トップシート30には、液透過性を向上させるために、表面にエンボス加工や穿孔加工を施してもよい。これらのエンボス加工や穿孔加工を施すための方法としては、公知の方法を制限なく実施することができる。また、肌への刺激を低減させるため、トップシート30には、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を含有させてもよい。
強度、加工性及び液戻り量の点から、トップシート30の坪量は、15g/m以上200g/m以下であることが好ましい。トップシート30の形状としては特に制限はないが、漏れがないように体液を吸収体20へと誘導するために必要とされる、吸収体20を覆う形状であればよい。
(バックシート)
バックシート40は、吸収体20が保持している体液が衣類を濡らさないような液不透過性を備えた基材を用いて形成されればよく、樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布とを積層した複合シートといった材料から形成される。複合シートに用いられる不織布としては、製法を特に限定せず、例えば、スパンボンド不織布やメルトブローン不織布、スパンボンド不織布/メルトブローン不織布、スパンボンド不織布/メルトブローン不織布/スパンボンド不織布を積層した複合不織布及びこれらの複合材料が挙げられる。また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等が挙げられる。
強度及び加工性の点から、バックシート40の坪量は、15g/m以上40g/m以下であることが好ましい。また、装着時の蒸れを防止するため、バックシート40には、通気性を持たせることが好ましい。バックシート40に通気性を備えさせるためには、例えば、基材の樹脂フィルムにフィラーを配合したり、バックシート40に穿孔のためにエンボス加工を施したりすればよい。なお、フィラーとしては炭酸カルシウムを挙げることができ、その配合方法は、公知の方法を制限なく行うことができる。
(圧縮エネルギーWC及び圧縮回復性RC)
吸収体20は、ハンディ圧縮試験機KES−G5(カトーテック株式会社製)で測定した圧縮エネルギーWCが2.0gf・cm/cm以上8.0gf・cm/cm以下であることが好ましく、2.4gf・cm/cm以上6.6gf・cm/cm以下であることがより好ましい。吸収体20の圧縮エネルギーWCを上記の範囲に調整することにより、良好なクッション性を得ることができる。なお、圧縮エネルギーWCは、数値が高いほど圧縮されやいことを示す。
また、吸収体20は、ハンディ圧縮試験機KES−G5で測定した圧縮回復性RCが35%以上65%以下であることが好ましく、40%以上58%以下であることがより好ましい。吸収体20の圧縮回復性RCを上記の範囲に調整することにより、適度な弾力性を持ち着用感を向上させることができる。なお、圧縮回復性RC(%)は、圧縮に対する弾性を示すもので、数値が高いほど圧縮に対する反発性を有することを意味する。
ハンディ圧縮試験機KES−G5による、圧縮エネルギーWC及び圧縮回復性RCの測定方法は、以下のとおりである。まず、試験台に試料(10cm×10cm)を置き、面積2cmの円形平面をもつ銅製の加圧子を試料上方から、速度0.01cm/秒、最大圧縮応力20gf/cmの条件で試料に押し込み圧縮する。測定データをもとに数値処理により圧縮エネルギーWC及び圧縮回復性RCを算出した。
<吸収体の製造方法>
吸収体20の製造方法としては、特に制限はなく、以下の方法が一例として挙げられる。基体不織布11の肌当接面11b側を回転ノコ刃又はニードルパンチを用いて、起毛させる。その後、高吸収性ポリマー13をホットメルト接着剤等により、基体不織布11の起毛した部分の繊維間に固着担持させる。その後、上記のように高吸収性シート14の全体を親水性シート17で包み、所望のY方向の長さにカットして、凸部15a及び凹部15bを形成する。高吸収性シート14と親水性シート17とはホットメルト接着剤で固定する。
<吸収性物品の製造方法>
吸収性物品の製造方法としては、上記のようにして得られた吸収体20をトップシート30とバックシート40との間に挟んで、トップシート30とバックシート40とを一部又は全周に亘ってホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定することで製造することができる。そして、これを包装体に個別包装した後、長手方向Yに3つ折りにして折り畳めばよい。また、立体ギャザー、レッグギャザー、ウエストギャザー、サイドフラップ等を必要に応じて設けることができる。
以上、本発明を、実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の発明の範囲には限定されないことは言うまでもなく、上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
本発明の吸収性物品に用いる吸収体及び吸収性物品を作製して、吸収性と着用感を評価した。なお、高吸収性シートの幅、長さ、厚さ及び高吸収性ポリマー量は、評価結果と共に表1に示す。
[実施例1]
(吸収体の作製)
まず、基体不織布(幅140mm、坪量40g/m)のエアスルー不織布を用意し、基体不織布の衣類側表面(非肌当接面)をノコ刃で物理的に起毛させて、高吸収性ポリマー(坪量420g/m)を分散させ、高吸収性ポリマーを、ホットメルト接着剤により、基体不織布の起毛した部分の繊維間に固着担持させ、高吸収性シートを得た。
次に、親水性シートとしてスパンボンド不織布(坪量10g/m)を用意し、高吸収性シートの全体をホットメルト接着剤を塗布した親水性シートで包み、固定させて、吸収体を得た。
[実施例2]
基体不織布の坪量を110g/mとし、幅を110mm幅とした以外は、実施例1と同様に吸収体を作製した。
[比較例1]
また、比較例1では、エアスルー不織布(坪量20g/m)/高吸収性ポリマー(坪量280g/m)/エアスルー不織布(坪量20g/m)/高吸収性ポリマー(坪量100g/m)/スパンレース不織布(坪量40g/m)を積層したシートを吸収体として用いた。なお、比較例1で用いた不織布については、実施例1で用いた基体不織布のように起毛させなかった。
[比較例2]
SAPフラッフ混合シート{高吸収性ポリマー(坪量380g/m)とフラッフパルプ(坪量400g/m)を混合したもの}をティシュ(16g/m)で覆ったものを吸収体として用いた。
[比較例3]
実施例1で用いた基体不織布(坪量110g/m)のみを吸収体として用いた。
[測定項目]
上記のようにして得られた吸収体を用いて、吸収速度、逆戻り量、圧縮エネルギーWC及び圧縮回復性RCを測定し、その結果を表1に示した。圧縮エネルギーWC及び圧縮回復性RCは、上記の方法により測定した。
(吸収速度)
実施例1及び各比較例の吸収体に、46g/cmの圧力をかけた状態で、内径30mmの筒より、20mlの0.9質量%の生理食塩水(37℃)を、3分間隔で合計3回注水し、生理食塩水が吸収体表面へ吸収されるまでの合計時間(秒)を計測する。数値が小さいほど、吸収性に優れることを意味する。
(逆戻り量)
実施例1及び各比較例の吸収体に、生理食塩水200mlを注水し、注水してから10分後に35gf/cmの荷重でろ紙を吸収体表面に圧着させ、1分間でろ紙に逆戻りした水分量を測定する。逆戻り量が少ないほど、吸収体がドライな状態であることを示す。
(圧縮エネルギーWC及び圧縮回復性RC)
ハンディ圧縮試験機KES−G5(カトーテック株式会社製)で測定した。
(官能評価)
車椅子を日常的に使用する紙おむつ着用者8人の各パネラーの協力の下、実施例及び比較例の各吸収体を用いたテープ止めタイプの紙おむつを着用した場合の、着用感(やわらかさ、密着感)と吸収性(軽失禁パッド外への漏れの有無、さらさら感)について、「良い」又は「悪い」の2択で官能評価を行った。着用者は8時間使用し、日常動作における評価を行い、その結果を表1に示した。
〇:「良い」を選んだ着用者が6人以上8人以下のとき
△:「良い」を選んだ着用者が3人以上5人以下のとき
×:「良い」を選んだ着用者が1人若しくは2人のとき、又は「良い」を選んだ着用者が1人もいないとき
Figure 2020081224
実施例では、本発明によれば、フラッフパルプを含有しなくても、吸収性及び着用感の良好な吸収性物品を得ることができる。
10 吸収性物品
11 基体不織布
11a 衣類側表面
11b 肌当接面
12 繊維
13 高吸収性ポリマー
14 高吸収性シート
15a 凸部
15b 凹部
16 両端部
17 親水性シート
20 吸収体
30 トップシート
40 バックシート

Claims (4)

  1. 高吸収性シートと該高吸収性シートの全体を包む親水性シートとを有する吸収体を備えた吸収性物品であって、
    前記高吸収性シートは、衣類側表面が起毛した基体不織布と、該基体不織布の起毛した繊維間に固着担持された高吸収性ポリマーとを有し、
    前記基体不織布が、長手方向に延びる凸部と凹部とを幅方向に交互に複数有し、
    前記高吸収性シートの幅方向の両端部が、肌当接面側に折り返された吸収性物品。
  2. 前記基体不織布は、繊度が2.0dtex以上であり、坪量が40g/m以上160g/m以下であり、厚さが0.4mm以上6.0mm以下であり、
    前記衣類側表面が起毛した基体不織布は、折り畳む前の幅方向の寸法が、前記吸収体の仕上がり幅の寸法の135%以上185%以下である請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記基体不織布に担持された高吸収性ポリマーの坪量が、185g/m以上720g/m以下である請求項1又は2記載の吸収性物品。
  4. 前記基体不織布の幅が、70mm以上330mm以下である請求項1から3いずれか1項記載の吸収性物品。
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