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JP2019522976A - 分子鎖合成に使用するための組成物 - Google Patents

分子鎖合成に使用するための組成物 Download PDF

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ジュニア ケットナー ジョン フレデリック グリスウォルド
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Abstract

分子鎖を伸長するのに使用するための組成物は、担体基とペイロード基とを含む。担体基は、シグナリング基とブロッキング基とを含む。第1の結合はペイロード基を担体基に結合し、第2の結合はシグナリング基をブロッキング基に結合する。第1の結合および第2の結合は、第1の結合が第2の結合を切断せずに切断可能であるように選択的に切断可能である。ペイロード基は分子鎖に結合され、一方、ブロッキング基は、ペイロード基が結合されると、分子鎖へのさらなる結合を阻止する。シグナリング基は、問い合わせ光子による問い合わせに応答してシグネチャ光子を放出する光子放出体を含む。担体基は、第1の共有結合が切断されると、充填された状態から空の状態に移行する。【選択図】図2

Description

関連出願
本出願は、米国仮出願第62/353,318号の2016年6月22日の優先日および米国仮出願第62/398,049号の2016年9月22日の優先日の利益を主張し、これらの両方の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本発明は分子鎖の合成に関し、特に一本鎖DNAに関する。
DNA鎖を取得し、塩基対の配列を同定することは、当該技術分野において公知である。「配列決定」として知られるこのプロセスは、遺伝学の理解を促進するのに役立っている。
天然に存在するDNAにどんな塩基対が存在するかを知るだけでなく、塩基対について独自の選択で新しいDNA鎖を合成できることが望ましい。そのようにできる能力により、多くの商業的および医学的応用を生じさせる可能性がある。
ヌクレオチドを結合させる公知の方法としては、標準的なホスホロアミダイト固相合成が挙げられる。代替の方法は、エラーの修正を伴うチップベースの化学DNA合成を可能にすることに関連して、印刷されたDNAマイクロアレイの使用を含む。これらの方法は両方とも、ホスホロアミダイト化学に依存する。
一態様では、本発明は、分子鎖を伸長するのに使用するための組成物を特徴とする。そのような組成物は、分子鎖に結合されるペイロード基と、ペイロード基を分子鎖にもたらす担体基とを含む。シグナリング基およびブロッキング基はこの担体基を一緒に形成する。第1の結合はペイロード基を担体基に結合し、第2の結合はシグナリング基およびブロッキング基を互いに結合する。これらの結合は、第2の結合を切断せずに、選択的に切断可能であり、第1の結合のみを切断することによって担体基を充填された状態から空の状態に移行することが可能となる。ブロッキング基は、ペイロード基が分子鎖に結合すると、分子鎖へのさらなる結合を阻止する。シグナリング基は、問い合わせ光子による問い合わせに応答してシグネチャ光子を放出する光子放出体を含む。
これらの中には、担体基が、第1の共有結合の電気化学的切断により空の状態に移行する組成物があり、担体基の酸化状態の変化の結果としてそのように移行する組成物、および担体基またはブロッキング基による電子の受容の結果としてそのように移行する組成物がある。これらの実施形態のいくつかにおいて、組成物は、電子を供給するための還元剤、または電子を電子源から担体基に輸送するためのシャトル分子を含む。
また、組成物の実施形態の中には、シグナリング基がフルオロフォアを含むもの、およびシグナリング基が、問い合わせ光子に応答して可視光範囲でシグネチャ光子を放出するように構成される放射基を含むものがある
組成物の他の実施形態は、ペイロード基がヌクレオチドを含むものであり、この場合、分子鎖はDNAの一本鎖であり、また、ペイロード基がアミノ酸を含むものであり、この場合、分子鎖はタンパク質またはペプチドである。
この方法は、多くの種類の分子鎖の構築に適用可能である。例えば、いくつかの実施では、分子鎖はDNAの一本鎖であり、この場合、ペイロードはヌクレオチドである。しかしながら、この方法でタンパク質を構築することもでき、この場合、ペイロードはアミノ酸である。より一般的には、この方法は、モノマーが特定の順序で結合される任意のポリマーの構築に適用可能である。このような場合、各ペイロードはモノマーである。
本発明のこれらおよび他の特徴は、以下の詳細な説明および添付の図面から明らかになる。
モノマーのオリゴマー鎖への結合の間に生じる特定の事象のスナップショットを示す。 図1に示される切断ステップを実施する方法の例である。 図1に示される切断ステップを実施する方法の例である。 図1に示される手順を実施するための合成装置の上面図を示す。 図1に示される手順を実施するための合成装置の側面図を示す。 大量生産で使用するための合成チャンバの複数の事例を有する実施形態を示す。 ヌクレオチドの構築を制御するための制御システムを示す。 合成装置の代替の実施形態の異なる図を示す。 合成装置の代替の実施形態の異なる図を示す。 合成装置の代替の実施形態の異なる図を示す。 図4および図5に示される実施形態の製造に関連して使用されるステップを示す。
本明細書に記載される装置および方法は、各ステップにおいて、所望のヌクレオチドが実際に鎖に付加されたことを確認することを含むように、一度に1ステップずつヌクレオチドの鎖を構築するように構成される。この手順は、ヌクレオチドを伸長鎖に結合するための、ヌクレオチドおよび末端デオキシヌクレオチド転移酵素(TdT)などの適切な酵素の微小流体により制御された導入によって実施される。
図1は、単一のヌクレオチド18を鎖12に付加して実施されるステップを示す。このように、図1に示されるステップは、付加される各ヌクレオチド18について繰り返される。
ステップ(a)において、図1は、第1の末端14および第2の末端16を有するDNA鎖12を示し、その一方は表面に連結されている。第1の末端14と第2の末端16との間には、ヌクレオチド18の伸長配列19がある。
DNA鎖12を合成するプロセスは、所望の配列を有するヌクレオチド配列19が得られるまで、さらなるヌクレオチド18を第1の末端14に繰り返し結合させることを含む。典型的な実施形態において、第1の末端14は3’末端に対応し、この場合、第2の末端16は5’末端に対応する。しかしながら、他の実施形態において、第1の末端14は5’末端に対応し、その場合、第2の末端16は3’末端に対応する。
典型的なヌクレオチド配列19は数千のヌクレオチド18を有することができる。合成手順は一度に1つのヌクレオチド18を付加することを含むので、ヌクレオチド18を迅速に付加することができることが重要である。DNA鎖12の機能性は、ヌクレオチド配列19にいかなるエラーも存在しないことに大きく依存する。小さなエラーでさえ、DNA分子の機能性を破壊しないまでも損なうのに十分である。したがって、実用的な合成装置は、高速で、信頼性が高く、エラーが発生したときにエラーを修正することができなければならない。
特定のヌクレオチド18を第1の末端14に結合させる手順は、ステップ(b)に示されるように、第1の末端14を、充填担体20の多くの分子および酵素22の多くの分子を含有する溶液に曝露することを含む。好適な酵素22は、TdTなどの天然に存在する酵素、またはこのような酵素の修飾型である。
各担体20は、シグナリング基28に付加されたブロッキング基26を含む。本明細書に記載される実施形態において、シグナリング基28は1つのフルオロフォアを担持する。担体20は2つの状態で存在する:充填された状態、および空の状態。充填された状態では、担体20はそのペイロードに共有結合する。空の状態では、担体20はもはやそのペイロードに結合せず、したがって新しいペイロードを受け入れることができる。例示した実施形態において、ペイロードは、天然に存在するヌクレオチド18のいずれか1つである。
充填された状態から空の状態へ移行するために、担体20は、それ自体とそのペイロードとの間の共有結合の切断を受ける。この共有結合は、他の結合を乱さないで残すようにしながら、切断機構がこの結合を切断するように構成される。切断は様々な方法で実施され得る。例えば、適切なエネルギーの光子で担体20を照射し、それにより光学的切断を促進することができる。さらに、この結合を化学的に切断することも可能である。
適切な切断方法は、図2および3に関連して記載されるような電気化学的方法である。このような電気化学的切断の場合、共有結合は、ブロッキング基26とシグナリング基28との間の結合を切断するのに必要とされる還元電位より低い、この共有結合を切断するのに必要とされる還元電位を有することによって他の結合を乱さないままで切断するように構成される。これは、切断機構がペイロードのみを分離し、一方、シグナリング基28およびブロッキング基26を依然として互いに結合したままにすることを確実にする。
担体20は、天然に存在するヌクレオチド18のいずれかを担持することができる。したがって、例えば、グアニンを伸長するDNA鎖12に結合させるために、グアニンを担持する多くの充填担体20で環境を満たす。次いで、例えば、DNA鎖12のグアニンの上部にシトシンを結合させるために、グアニンを担持するあらゆる充填担体20を洗い流し、次いで、全く新しい組の充填担体20(今回は代わりにシトシンを担持する)で環境を満たす。これにより、異なる種類のヌクレオチド18の伸長するDNA鎖12への連続的な結合が可能となる。
DNA鎖12への結合は即座には起こらない。したがって、次のステップは、所定の結合間隔を待つことである。この間隔は、酵素22の1つおよび充填担体20の1つが伸長DNA鎖12の第1の末端14で互いに出合う可能性が高くなるように十分に長い。これが起こると、ステップ(c)に示されるように、酵素22は、充填担体20を第1の末端14に結合させる。
上述したように、充填担体20はブロッキング基26を備えている。この時点で、ブロッキング基26が作用し始める。1つの充填担体20がDNA鎖12に結合すると、その関連するブロッキング基26は、あらゆるさらなる充填担体20がそれら自体に結合するのを防ぐ。
完全な結合間隔を待った後でも、第1の末端14には何も結合することができなかった可能性が存在する。したがって、充填担体20が実際に第1の末端14に結合したことを確認することが重要である。
上述のように、担体20はまた、シグナリング基28も含む。この時点で、シグナリング基28が必要となる。
シグナリング基のフルオロフォアは、問い合わせ光子(interrogatory photon)30による照射に応答してシグネチャ光子(signature photon)31を放出する。問い合わせ光子30でフルオロフォアを照射するプロセスは、本明細書では「問い合わせ(interrogation)」と称する。その結果生じるシグネチャ光子31の放出は「応答」である。
溶液中の各担体20は、独自のフルオロフォアを有する独自のシグナリング基28を有する。疑似シグネチャ光子31の検出を避けるために、これらは全て問い合わせ前に洗い流されるべきである。結合が成功した場合、1つのシグナリング基28が残る、すなわち、いずれかの担体20のシグナリング基28に属するものが最終的にDNA鎖12に結合し、新たに付加されるヌクレオチド18をそのDNA鎖12と一緒にする。
ステップ(d)に示されるように、洗浄(フラッシング)ステップの後、問い合わせが行われる。これは、ステップ(e)に示されるように、DNA鎖12を問い合わせ光子30で照射して、フルオロフォアにおける電子をより高いエネルギーレベルまで励起し、次いで、この電子がその基底状態まで減衰するにつれて放出されるシグネチャ光子31の検出を試みることを含む。1つのシグネチャ光子31のみが放出され得るので、収集効率は非常に重要である。収集効率が高くても、しばしば繰り返し問い合わせる必要がある。
問い合わせを繰り返した後、シグネチャ光子31が検出されなかった場合、第1の末端14に何も結合できなかったと推測することができる。したがって、担体20を結合させるために別の試みがなされなければならない。
他方で、シグネチャ光子31が検出された場合、担体20が現在、DNA鎖12の第1の末端14に結合していると推測することができる。この時点で、シグナリング基28およびブロッキング基26の両方がそれらの役割を完了する。これらは、次に、3つの理由のために取り除かなければならない。第1に、完成品中のそれらの存在は、その機能を妨げる可能性がある。第2に、ブロッキング基26が残っている場合、さらなる結合は起こり得ない。第3に、シグナリング基28が残っている場合、そのフルオロフォアは、後続の問い合わせ段階の間にシグネチャ光子31を放出し得る。これは、検出器が、光子がどこから来たかを知る方法がないので、混乱を引き起こす。
したがって、次のステップは、ステップ(f)に示されるように、担体20を分離することである。これは以下に記載されるように電気化学的に最適に実施される。シグナリング基28とブロッキング基26との間の結合の還元電位は、担体20とそのペイロードであるヌクレオチド18との間の結合のものとは異なる。これは、シグナリング基28およびブロッキング基26がユニットとして一緒に取り除かれることを確実にする。したがって、担体20を除去すると、ヌクレオチド18のみがDNA鎖12の第1の末端14に残る。
しかしながら、他の実施形態は、他の方法で担体20を分離することを意図する。例えば、担体20を分離するために、純粋に化学的または純粋に光学的な機構を使用することができる。
この電気化学的分離ステップの後、シグナリング基28およびブロッキング基26が実際に除去されたことを確認することが有用である。次に、ステップ(d)に関連して上述したものと同じ問い合わせ手順を実施することができる。シグナリング基28がもはや結合されていない場合、応答はない。したがって、いかなる応答も存在しないことから、鎖12は現在、次の所望のヌクレオチド18に対して準備ができていると推測することができる。他方で、シグネチャ光子31が検出された場合、電気化学的分離ステップを単に繰り返す。以下に記載されるように、シグナリング基28はブロッキング基26に共有結合している。したがって、シグナリング基28が存在しない場合、ブロッキング基26も、もはや存在しないことを合理的に推測することができる。
空の担体20にヌクレオチド18を充填するのに適した機構は、ヌクレオチドの3’ヒドロキシル基を、切断可能な官能基を介してフルオロフォア置換ベンゾキノンに共有結合することである。このような切断可能な官能基の一例はキノンオキシムエーテルである。別のものは、キノンが還元すると、自発的なラクトン化/切断を受けるように設計されたエステルである。
担体20を非充填するために、電気化学的還元によって3’ヒドロキシル基を非ブロックすることができる。このような電気化学的還元は、電気化学反応において使用される電子についての供給源およびシンクを提供することによって実施され得る。電子についての供給源およびシンクを提供する1つの方法は、適切な媒体と接触する電極を提供することである。いくつかの場合、電極と反応部位との間で電子を移動させるための電子輸送シャトル分子を提供することが有用であり得る。代替法は、溶液中に還元性分子を提供することである。3’ヒドロキシル基が非ブロックされると、還元から生じるフルオロフォアを含有する生成物を洗い流すことが可能となり、その例にはアミノフェノールまたはクロマン−2−オンが挙げられる。
切断可能な基は種々の方法のいずれかで作製され得る。図2に示される一例は、切断可能な基がキノンオキシムエーテルであり、ヌクレオチドが3’位にアミノオキシ置換を有する複合体を特徴とする。示される特定の実施形態において、担体20は、フルオロフォア28に付加されたリンカー24を含むように修飾されたベンゾキノンを導入することによって作製される。適切なリンカー24は、反復メチレンまたはエチレングリコール単位から作製され、フルオロフォアを含むように容易に修飾され得る官能基で終結されるリンカーである。このような官能基の多くの例の1つは第一級アミンであり、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル修飾フルオロフォアと反応させることができる。これに続いて、ベンゾキノンオキシムエーテルを形成する。このようなエーテルは、ベンゾキノンをアミノオキシ基と縮合させることによって形成することができる。
例えば図1のステップ(f)の間にDNA鎖12を非ブロックする時間になると、窒素と酸素との間の結合を切断する。これは次に、フルオロフォア置換アミノフェノールを放出し、次いで、このアミノフェノールはシステムから洗い流され得る。いくつかの実施形態において、窒素と酸素との間の結合の実際の切断は、緩衝溶液中で適切な時間、電位差に曝露することによって実施される。いくつかの例では、これは、わずかにアルカリ性のリン酸緩衝溶液、すなわち、pH7.4に維持される溶液中で、100mVの電位差に60秒間曝露することによって実施される。しかしながら、この切断を他の方法で実施することも可能である。1つの方法は、溶液中に適切な還元剤を含むことである。
多くの実施形態の別のものが図3に見られ得る。この特定の実施形態は、切断可能な基が、キノンが還元すると、自発的なラクトン化を受けるように設計された複合体を特徴とする。
この実施形態は、ヌクレオチドの3’ヒドロキシル基をキノンと結合させることを含む。キノンは、還元時に6員環形成を促進するように選択された官能基を有するように修飾されている。この官能基は、3−(2,5−ジメチル−3,6−ジオキソシクロヘキサ−1,4−ジエン−1−イル)−3−メチルブタン酸エステルである。また、キノンは図2に示されるものと同様に、フルオロフォア28に付加されるリンカー24を有するようにさらに修飾されている。電気化学的還元は、図2に関連して記載されているように、化学種による電子の受容を含む。この電子は、溶液中の電極または還元剤などのいくつかの電子源によって提供される。本明細書に記載される特定の実施形態において、電子はベンゾキノンを還元する。この結果、ヒドロキノンが形成される。一旦形成されると、ヒドロキノンは自発的にラクトン化してクロマン−2−オンを形成する。そうすることで、それはヌクレオチド18の遊離3’ヒドロキシル基を表す。
図4を参照すると、図1に関連して説明した手順を実施するのに適した合成装置32は、微小流体システム34、励起システム36、および検出システム38を特徴とする。これらのシステム34、36、38の各々に接続されたプロセッサ40は、合成装置32の動作を制御する。
微小流体システム34は、シリコン基板などの基板42からエッチングされる。これは、このような基板42が硬質であり、高圧に耐えることができるので有益である。高圧の使用は、より高速の液体流を可能にし、したがってより大きなスループットを可能にする。このより大きなスループットは、1日あたり10ヌクレオチドのオーダーの速度で、または10秒ごとに約1ヌクレオチドの結合で、DNA鎖12の構築を可能にする。このような基板42の顕著な多孔性が存在しないことは、処理の間に使用される種々の物質、例えばヌクレオチド18の吸収または捕捉を抑制する可能性が高い。さらに、天然に存在する結晶面はほぼ完全な光学表面の製造を可能にし、それにより、より大きな収集効率を促進する。
エッチングはドライエッチング技術を使用して、例えば、基板を反応性イオンに曝露することによって実施され得る。しかしながら、この方法を使用して傾斜した側壁および平滑な表面を作製することは困難である。
別のエッチング方法は、エッチング速度が結晶の異なる方向に沿って異なるウェットエッチングである。このような異方性エッチングは、水酸化カリウム溶液を使用して実施され得る。この種類のエッチングにおいて、111ファセットが、最もエッチングが遅い。シリコンの場合、これにより、側壁70は54.7°の角度になる。
別のエッチング方法は、水酸化カリウムの代わりに、特に表面張力を低下させる薬剤である水酸化テトラメチルアンモニウムで置換する。これにより、装置の幾何学的形状に対して良好に制御することが可能となり、特に、結晶110の面に関連する表面などの結晶表面を露出させることが可能となる。結晶表面は、それらがほぼ完全な光学表面を形成するので、光子の収集に特に有益である。
微小流体システム34は、第1の末端14へのさらなるヌクレオチド20の結合が行われる合成チャンバ44を含む。第1のチャネル46は入ってくる媒体を合成チャンバ44に運び、第2のチャネル48は廃棄またはリサイクルのために、出ていく媒体を合成チャンバから取り出す。
第1のチャネル46は、合成チャンバ44を複数の媒体供給源54に接続する。それらは複数の充填担体源56を含み、その各々は、複数の天然に存在するヌクレオチド18の対応する1つが充填担体20を供給する。また、洗浄媒体の供給源に接続する洗浄媒体供給源58、および遺伝子工学的酵素供給源59も含まれる。各媒体供給源54は、その供給源54を第1のチャネル46に選択的に接続するための対応する弁50を有する。
励起システム36は、シグナリング基28と光通信するように配置される光源60を含む。フルオロフォア問い合わせの間、プロセッサ40は、光源60に、シグナリング基28内のフルオロフォアを励起するようにする光のパルスを提供させる。励起パルスが完了すると、検出システム38が引き継ぎ、フルオロフォアがそのシグネチャ光子31で応答するのを待つ。
第1の実施形態において、合成チャンバ44はガラスカバー64を備えたウェル62の形態をとる。ウェル62は、DNA鎖12の第2の末端16が結合する機能化スポット68を有する床66を有する。機能化スポット68を形成するための適切な手段は、電子ビームまたはイオンビームを使用して、床66上にナノパターン化カーボンドットを配置し、次いでイオン化アンモニアガスに曝露することによってカーボンドットのアミン官能化を実施することである。
第2の末端16は機能化スポット68に連結されており、ヌクレオチド18が第1の末端14に付加されているので、シグネチャ光子31が検出器74への移動を開始する位置は、付加されたヌクレオチド18ごとに変化することになる。このことは、検出システム38が、構築されるDNA鎖12全体に適合するのに十分な大きさである体積から単一光子を効率的に検出できなければならないことを意味する。この体積は1立方マイクロメートルのオーダーである。
収集効率を促進するために、機能化スポット68はウェル62内の中心に配置されなければならない。しかしながら、ウェル62が十分に深い場合、収集効率の損失は比較的小さい。例えば、その床66で5ミクロンの幅である20マイクロメートルの深さのウェル62の場合、機能化スポット68をウェルの床の縁部に配置すると、収集効率が98%から95%に低下する。
ガラスカバー64と床66との間の距離は、表面流れの影響を回避するのに十分である。ウェル62を必要以上に深くすることは可能であるが、そのようなさらなる深さには特別な利点はない。幅が5マイクロメートル未満であるウェルについての適切な深さは、少なくとも0.9の開口数を有する集光光学系および54.7度の側壁を有するデバイスに対して10マイクロメートルである。ガラスカバー64と出会う平面におけるウェル62についての適切な直線寸法は、約50マイクロメートルである。
側壁70は放物面に近似しているだけであるが、それにもかかわらず、放物面と同様に機能するように十分に傾斜している。その結果、フルオロフォア28によって放出された光は、ガラスカバー64の上方に配置された顕微鏡レンズ72に向かって反射される傾向がある。次いで顕微鏡レンズ72は、光を検出器74に中継する。放出された光を検出器74に向かって誘導するこの傾向は、非常に効率的な検出システム38をもたらす。
検出器74は、単一光子を検出するために最適化されたものである。適切な検出器74はアバランシェフォトダイオードに基づくものである。例示した実施形態において、顕微鏡レンズ72は、受け取ったシグネチャ光子31を検出器74に向ける。しかしながら、他の実施形態において、ファイバプローブがシグネチャ光子31を検出器74に送達する。さらに他の実施形態において、ウェルのすぐ上に配置された単一光子検出器74の活性領域がシグネチャ光子31を受け取る。
合成装置32はまた、ウェル62を横切る電位を生成するための機構を含む。これは、担体20の結合を確認した後に、鎖12からブロッキング基26を切断するのに役立つ。一実施形態において、床66における第1の電極76およびガラスカバー64における第2の電極78が電気化学的切断のための電子の供給源およびシンクを提供する。適切な第1の電極76はアルミニウム接地面である。ガラスカバー64上のその位置のために、第2の電極78は透明である。適切な透明な第2の電極78はインジウムスズ酸化物から作製されたものである。電極は、図2および3に関連して説明される電気化学的切断において使用される電子の豊富な供給を確実にするのに十分な印加電圧に維持される。この電圧は、結合しようとする次のヌクレオチド20の導入の前に生じる、図1のステップ(f)の間に印加される。それは、電気化学的切断が望まれない場合、止められる。これは、図1のステップ(a)〜(e)に対応する。
チャネル46、48、ウェル62、および関連する弁50は、1つの製造ユニット80を画定する。この製造ユニット80はモジュール式であり、図6に示されるように、同じ基板上で複数回繰り返され得る。これにより、DNA鎖の大量生産が可能となる。いくつかの実施形態において、各製造ユニット80に関連する弁50が独立して制御される。このことは、図6に示される製造ユニット80のアレイにおいて、異なるウェルがDNA鎖12に異なるヌクレオチド配列19を配置することができることを意味する。
図4および5の合成装置32は、その第2の末端16によって連結され、新たなヌクレオチド18が付加される自由に浮遊する第1の末端14を有する、DNA鎖12と関連して記載されている。この欠点は、シグナリング基28の位置が、DNA鎖12がさらに大きく伸長するにつれて変化することである。これは、付加され得るヌクレオチド18の数に実際的な上限を課す。結局のところ、ある時点で、DNA鎖12の長さはチャンバのサイズのかなりの部分を占める。これは収集効率を損なう傾向がある。
この困難性を回避する1つの方法は、代わりに第1の末端14を連結し、その基質を実際に放出することなく連続反応を触媒する能力を有する酵素22を使用することである。この特性を有する酵素22は、本明細書では「プロセッシブ酵素」と称される。連結した第1の末端14へのヌクレオチド18の付加を触媒するためにプロセッシブ酵素22を使用する場合、たとえDNA鎖12が非常に長くなったとしても、シグナリング基28は常に同じ位置にある。
図7は、異なるウェルにおいて異なるヌクレオチド配列19を製造するためのビュッフェ法(buffet method)を実施するための装置を示す。図6の場合と同様に、基板は複数の製造ユニット80を有する。しかしながら、その独自の供給源54を制御するためのその独自の組の選択弁50を有する各製造ユニット80の代わりに、全てのウェル62は同じ供給源54を共有する。この場合、制御装置40は代わりに、各製造ユニット80において第1の電極76および第2の電極78を制御する。
ビュッフェ法において、制御装置40は1つのコースにつき1つのヌクレオチド18を供給する。したがって、これは、各ヌクレオチド20について1つずつ、4つのコースを循環し、次いでこのサイクルを再び繰り返す。特定の製造ユニット80に関して、供給すべき次のヌクレオチド20が望まれないならば、制御装置40は、その製造ユニットに対する第1の電極76および第2の電極80に切断電圧を印加することを単に回避する。その場合、DNA鎖12は図1のステップ(c)〜(e)に示される状態のままである。結果として、そのヌクレオチド18を担持する充填担体20がその製造ユニット80に供給される場合、残存するブロッキング基26は、充填担体20が結合するのを阻止する。
この方法において、制御装置40は、所望のヌクレオチド18を有する充填担体20をもたらす次のコースの直前の切断時間帯まで切断電圧を印加することを回避する。制御装置40が、所望のヌクレオチド18がその途中にあることを認識すると、制御装置40は第1の電極76および第2の電極78に電圧を印加し、それにより担体20をDNA鎖12から取り除くことができ、こうしてそのDNA鎖12を露出させ、所望のヌクレオチド18を担持する充填担体20を受容する準備をする。
前述の実施は、製造するのがより簡単である。しかしながら、各製造ユニット80は、次のヌクレオチド18が到着する間、数回のコースを待たなければならないので、スループットの損失がある。
図8〜10は、その軸に沿って延在するフォトニック結晶82を有する基板42上に形成された合成装置32の実施形態を示す。いくつかの実施形態において、フォトニック結晶82に使用される誘電体は、厚さ200nmの層内に形成される窒化ケイ素である。
窒化ケイ素は、高品質のフィルムを得ることができる容易さのため、および窒化ケイ素を処理する技術が周知であるため、部分的に適切な選択である。さらに、窒化ケイ素は比較的容易に機能化され、水の屈折率よりも大きい屈折率を有し、目的の波長において透過性である。これは、水性媒体と接触する導波路を通して光を導くための良好な選択である。
他方で、窒化ケイ素の屈折率は適切であるが、最も優れているわけではない。さらに、窒化ケイ素は、それ自体が蛍光を発する傾向がある。このバックグラウンド蛍光はシグネチャ光子31の検出をいくらか妨げ得る。
示した実施形態は一次元フォトニック結晶82を示す。このような結晶は、フォトニック結晶の軸に対して垂直に配向されたフルオロフォアに対して高い収集効率を有する。しかしながら、フルオロフォアの軸がこの方向から逸脱すると、収集効率は急速に低下する。したがって、一次元フォトニック結晶が使用される場合、フルオロフォアの配向を制御することがいくらか重要である。
フルオロフォアの配向を制御する必要性を回避する1つの方法は、二次元フォトニック結晶82を使用することである。これは、未知の偏光方向を有する直線的な偏波を確実に捕捉するため、一対の公差双極子を使用することに類似している。このようなフォトニック結晶82は、フルオロフォアがフォトニック結晶の縦軸に対して正確に垂直でない場合でも、収集効率を維持する傾向がある。
二次元フォトニック結晶82の使用は材料に制約を課す。特に、屈折率は、一次元フォトニック結晶82に必要な屈折率よりも大きいことが好ましい。二次元フォトニック結晶82に適した材料としては、炭化ケイ素、ダイヤモンド、および窒化ガリウムが挙げられる。
しかしながら、フルオロフォアの配向を化学的に制御することも可能であり、それにより一次元フォトニック結晶82でさえも良好な偏光適合を促進する。
フルオロフォアの配向に対して正確な制御を与える1つの方法は、塩基対が特定の様式で折りたたまれるように選択された別個のDNA分子を使用して基板を機能化することである。本明細書において「DNAオリガミ」と称されるこのような折りたたまれたDNA分子は、図1〜4に記載される装置および方法を使用して構築され得る。
得られたDNAオリガミは基質に結合し、プロセッシブ酵素22についての結合点を形成する。DNAオリガミは折りたたまれて、プロセッシブ酵素22の位置を固定する方法を提供する。プロセッシブ酵素22は、結合しているヌクレオチド18と相互作用し、このヌクレオチド18は、フルオロフォアも有する担体20に結合しているので、DNAオリガミはまた、フルオロフォアの位置または配向を固定することができる。
図2および図3に示されるように、リンカー24は、フルオロフォアを充填担体20の残りの部分に連結する。このリンカー24の剛性は、シグナリング基28、特にその基内のフルオロフォアの配向を制御するための基礎を提供する。リンカーを剛性にすることによって、フルオロフォアを特定の望ましい構造で凍結することが可能となる。より柔軟なリンカー24は、電磁場などの外部刺激がフルオロフォアの配向に作用することを可能にする。
フォトニック結晶82は、第1の有孔領域84および第2の有孔領域86ならびに無孔領域88を含み、第1の有孔領域84は、第2の有孔領域86と無孔領域88との間に配置される。無孔領域88および第2の有孔領域86は一定の幅を有する誘電材料の長さである。第1の有孔領域84は、その中心がより広く、その端部に向かって先細になっており、それにより無孔領域88および第2の有孔領域に滑らかに融合する誘電材料の長さである。第1の有孔領域84は、その中心において、約700nmの幅を有する。縁部では、それは約500nmの幅を有する。先細は、式w=700−xを有する放物線に従い、ここで、xは、無孔領域88の20ミクロンの長さに沿って−1から1の範囲に及ぶ。
一列に配置された第1の組の孔92は第1の有孔領域84を貫通する。第1の有孔領域84は、フルオロフォアの自由空間放出範囲と重複する共振周波数を有する空洞を画定するように構成される。同様に、第2の組の孔94は第2の有孔領域86を貫通する。孔92はほぼ楕円形であり、長軸はフォトニック結晶82を横切って延び、短軸はフォトニック結晶82の中心に沿って延びる。特定の実施形態において、孔92の中心は230nm離れており、孔は320nmの長軸および120nmの短軸を有する楕円形の孔である。
孔92は、中心孔96が第1の有孔領域84の中心に位置するように配置される。この中心穴96は、DNA鎖12の第1の末端14が結合する機能化スポット68を有する床66を有する。いくつかの実施形態において、機能化スポット68はカルボキシシラン活性化結合スポットである。
図9および図10に同様に十分に表されている代替の実施形態は、第1の有孔領域84を貫通する一列に配置された第1の列のカラム(column)92を有する第1のコロネード(colonnade)84を特徴とする。第1のコロネード84は、フルオロフォアの自由空間放出範囲と重複する共振周波数を有する空洞を画定するように構成される。同様に、第2のコロネード94は第2の列のカラム94を特徴とする。カラム92はほぼ楕円断面であり、長軸はフォトニック結晶82を横切って延び、短軸はフォトニック結晶82の中心に沿って延びる。特定の実施形態において、カラム92の中心は230nm離れており、各カラムの断面は320nmの長軸および120nmの短軸を有する。
カラム92は、一対の隣接するカラム96が第1のコロネード84の中心に床領域66を画定するように配置される。この床領域66は、DNA鎖12の第1の末端14が結合する機能化スポット68を有する。いくつかの実施形態において、機能化スポット68はカルボキシシラン活性化結合スポットである。
流体がカラムの周りを流れることが比較的容易であるために、そのコロネードを有する代替の実施形態は、機能化スポット68の周りの床領域66への、および床領域66からの流体の流れを促進するという利点を提供する。
第1の実施形態において、それは、機能化スポット68に結合される第2の末端16であった。結果として、ヌクレオチド18はテザー末端(すなわち、第2の末端16)の反対側の自由末端(すなわち、第1の末端14)に付加された。DNA鎖12が長くなると、シグネチャ光子31は、機能化スポット68から次第に遠くに伸長する点から出現する。
第2の末端16と機能化スポット68との間の絶えず増大する距離は、チャンバ44が非常に大きなDNA鎖12を収容するのに十分な大きさであったので、第1の実施形態では重大な問題ではなかった。
しかしながら、第2の実施形態では、チャンバ44は、これが問題となるほど十分に小さい。この第2の実施形態において、DNA鎖12は約500ナノメートルを超えて伸長すると、それはチャンバのサイズのかなりの部分を占める。これは収集効率の顕著な低下をもたらす。結果として、DNA鎖12をあまり長くすることはできない。例えば、1000個より多いヌクレオチド18を有するDNA鎖12は構築することが困難になり得る。
したがって、この第2の実施形態において、第1の末端14を機能化スポット68に結合させることが好ましい。結果として、シグネチャ光子31が検出器74へのその移動を開始する位置はほぼ同じままである。また、この相違の結果として、第2の実施形態は、ヌクレオチド18をDNA鎖12に結合させるために、TdTのプロセッシブ型などのプロセッシブ酵素22の使用を必要とする。いくつかの実施形態において、このような酵素22は機能化スポット68に連結される。
第2の実施形態は、第1の実施形態に記載されるものと同様の微小流体システム34を含む。第2の実施形態における励起システム36はフォトニック結晶82に結合した光源60を含む。検出システム38は無孔領域88に結合した検出器74を含む。これらは、第1の実施形態と同様であるため、示さない。
動作は第1の実施形態に記載されるものと同様に進行するので、詳細に記載する必要はない。相違は、光源60がフォトニック結晶82を通して光のパルスを伝送するときに始まる。この時点で、フルオロフォアは、より高いエネルギーレベルに上げられた電子を有する。したがって、検出器74は、この電子が基底状態に下がるのを待ち、それによりシグネチャ光子31を検出することができる。
フルオロフォアは、真空からの誘発光子の自然放出に応答してシグネチャ光子31を放出する。フォトニック結晶82は、自由空間発光スペクトルと重なる共鳴を有する光共鳴空洞を提供することによって、このような自然放出を促進するように構成される。次いでフルオロフォアがこの空洞内に配置される。
第2の実施形態において、シグネチャ光子31の自然放出速度を高め、フルオロフォアの退色を抑制する試みがなされる。これは、トリガ波長を有する光子が合成チャンバ44内にそれ自体で現れやすくなるように、第1の組の孔92の幾何学的形状を選択することによって実施される。特に、第1の有孔領域84内の孔の幾何学的形状および先細は、第1の有孔領域84が自然放出を促進する共振空洞として作用するように選択される。
したがって、第2の実施形態は、自然放出を促すことによって、フルオロフォアの蛍光寿命ではなく、それが退色するまでの時間である寿命を延ばす。これにより、フルオロフォアの励起エネルギー状態が、退色などの非放射経路ではなく、シグネチャ光子31をもたらすように減衰する可能性がより高くなる。
しかしながら、フルオロフォアがそのシグネチャ光子31を放出すると、それも検出器に向けられる問題が依然として存在する。結局、放出されると、シグネチャ光子31は4πステラジアンに相当する進行方向を有し、そのうちのいくつかのみが検出器74に導かれる。
第1の実施形態において、側壁は放物面に近似するように成形された。したがって、それらはシグネチャ光子31を適切な方向に反射することができた。類似の機能を実施するために、第2の実施形態は、その第2の有孔領域86およびフォトニック結晶82の幾何学的形状に依存する。
シグネチャ光子31は、放出されると、フォトニック結晶82に入る。したがって、フォトニック結晶82は、フォトニック結晶82の軸に対して横断する方向に移動できないように、シグネチャ光子31をトラップする。しかしながら、シグネチャ光子31は依然としてフォトニック結晶82の軸に沿って自由に移動する可能性がある。検出器74は無孔領域88の末端にあるので、シグネチャ光子31が誤った方向に移動する確率は50%である。
第2の実施形態において採用される解決策は、第2の有孔領域86を反射体として機能させることである。これは、第1の有孔領域84の幅と一致し、第2の組の均一なサイズの孔92を有する第2の有孔領域86を提供することによって達成され、その孔92の各々は、第2の有孔領域86の始まりに最も近い第1の有孔領域84における孔のサイズおよび形状と一致する。したがって、この第2の有孔領域86内を伝播し始める光子は、方向転換し、反対方向、すなわち、最終的に検出器74に至る無孔領域88に向かうように促される。したがって、この配置は収集効率を促進する。
次に図11を参照すると、図4および図5に示される合成装置32を製造するプロセスは、シリコン基板42上で二酸化ケイ素層98を成長させ(ステップ(a))、次いで二酸化ケイ素層98上でフォトレジスト層100をスピンコーティングする(ステップ(b))ことによって開始する。次いで適切なマスクが、チャネル46、48およびウェル62の将来の位置をマーキングするために作製される(ステップ(c))。次にフォトレジスト100を露光し、現像する。これに続いて、緩衝酸化物エッチング(フッ化物イオンエッチング)を使用するウェットエッチングステップ(ステップ(d))が行われる。次にフォトレジスト100が剥離され、二酸化ケイ素層98が残され、その二酸化ケイ素層98は選択的にエッチングされて、下にあるシリコン基板42が露出される(ステップ(e))。
次のステップは、チャネル46、48およびウェル62などの液体を含有する特徴部を実際に形成することである。これは、より深い異方性エッチング、典型的には、水酸化物アニオンおよびテトラメチルアンモニウムカチオンまたはカリウムカチオンのいずれかを有する溶液への曝露に依存するウェットエッチングプロセスを含む。アンダーカットを低減させるために、溶液の表面張力を低下させることが有用である。これを行う1つの方法は界面活性剤を添加することである。好適な界面活性剤は、オクチルフェノールエトキシレートなどの非イオン性界面活性剤である。得られたチャネル46、48およびウェル62は、基板42の111、110、および100平面によって決定づけられる角度で側壁70を有する(ステップ(f))。基板42がシリコンであるこれらの実施形態では、このプロセスは、露出された<111>平面に対して54.7度の側壁70、および露出された<110>平面に対して45度の側壁70をもたらす。
このエッチング後、二酸化ケイ素層98が完全に剥離される。そうすることで、裸基板42が後に残され、次にその裸基板42は、チャネル46、48およびウェル62にエッチングされる(ステップ(g))。
最終的に、ウェル62は、シグネチャ光子31を検出器に反射することが予想される。裸のシリコン基板42は特に反射されないので、この時点で、ウェル62内に反射性金属層102を堆積させることが有用である(ステップ(h))。適切な反射性金属層102はアルミニウム製のものおよび銅製のものを含む。次に、誘電体スペーサが反射性金属層102の上に配置される(ステップ(i))。この誘電体スペーサは、フルオロフォアが金属表面と接触した場合にフルオロフォアの消光を回避するのに有用である。適切な誘電体スペーサはAlである。誘電体スペーサの機能は、反射性金属層102によるフルオロフォアの蛍光消光を抑制すること、ならびに反応物および洗浄液による反射性金属層102の腐食を抑制することである。
次いで電子ビームまたはイオンビームを使用して、機能化スポット68をウェルの床66に配置する(ステップ(j))。炭素は機能化スポット68に適した材料であるが、二酸化ケイ素などの別の材料を使用することもできる。また、機能化スポット68は、電子ビームリソグラフィを使用して、水素シルセスキオキサンなどのネガ型材料を直接的にパターン化し、それを機能化することによって、またはポジ型レジストを堆積させ、蒸着またはガス状機能化を使用して機能化を規定することによって、作り出すこともできる。
次のステップは、液体を含有する特徴部が準備されると、流体が漏れるのを防ぎ、汚染物質が入るのを防ぐために、微小流体システム34を覆うことである。これは、誘電体スペーサ上に接着スポット106のパターンを配置し、接着スポット106上にカバーガラス64を配置することによって実施される(ステップ(k))。このプロセスは、マイクロコンタクトリソグラフィまたはエアロゾルジェット印刷を使用して実施され得る。あるいは、陽極接合などのプロセスを使用してデバイスを封止することができる。
本発明およびその好ましい実施形態を説明してきたが、新規で特許により保護されるものは特許請求の範囲に記載される通りである。

Claims (13)

  1. 分子鎖を伸長するのに使用するための組成物であって、前記組成物は、担体基およびペイロード基を含み、前記担体基はシグナリング基およびブロッキング基を含み、第1の結合が前記ペイロード基を前記担体基に結合し、第2の結合が前記シグナリング基を前記ブロッキング基に結合し、前記第1の結合および前記第2の結合は、前記第1の結合が前記第2の結合を切断せずに切断可能であるように選択的に切断可能であり、前記ペイロード基は前記分子鎖に結合され、前記ブロッキング基は、前記ペイロード基が前記分子鎖に結合すると、前記分子鎖へのさらなる結合を阻止するように構成され、前記シグナリング基は、問い合わせ光子による問い合わせに応答してシグネチャ光子を放出する光子放出体を含み、前記担体基は、第1の共有結合が切断すると、充填された状態から空の状態に移行するように構成される、組成物。
  2. 前記担体基は、前記第1の共有結合の電気化学的切断により前記空の状態に移行するように構成される、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記担体基は、前記担体基の酸化状態の変化の結果として前記空の状態に移行するように構成される、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記担体基は、前記ブロッキング基の酸化状態の変化の結果として前記空の状態に移行するように構成される、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記担体基は、前記担体基による電子の受容の結果として前記空の状態に移行するように構成される、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記担体基は、前記ブロッキング基による電子の受容の結果として前記空の状態に移行するように構成される、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記電子を供給するための還元剤をさらに含む、請求項6に記載の組成物。
  8. 電子を電子源から前記担体基に輸送するためのシャトル分子をさらに含む、請求項6に記載の組成物。
  9. 前記シグナリング基はフルオロフォアを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記シグナリング基は、問い合わせ光子に応答して可視光範囲でシグネチャ光子を放出するように構成される放射基を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 前記ペイロード基はヌクレオチドを含み、前記分子鎖はDNAの一本鎖である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 前記ペイロード基はアミノ酸を含み、前記分子鎖はタンパク質を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 前記第1の結合は前記第2の結合より低い結合エネルギーを有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
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