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JP2018204860A - 真空冷却装置 - Google Patents

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JP2018204860A
JP2018204860A JP2017110297A JP2017110297A JP2018204860A JP 2018204860 A JP2018204860 A JP 2018204860A JP 2017110297 A JP2017110297 A JP 2017110297A JP 2017110297 A JP2017110297 A JP 2017110297A JP 2018204860 A JP2018204860 A JP 2018204860A
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雅夫 蔵野
Masao Kurano
雅夫 蔵野
松本 拓也
Takuya Matsumoto
拓也 松本
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Abstract

【課題】突沸や吹きこぼれを防止しつつ、食品を迅速に真空冷却する。【解決手段】処理槽内を減圧して食品を真空冷却する装置であって、処理槽内の食品温度と圧力とを監視し、この監視情報に基づき、減圧操作と保持操作とを繰り返す。減圧操作では、処理槽内の食品温度TFと処理槽内の圧力相当の飽和温度TSとの温度差が設定値ΔT1になるまで、処理槽内を減圧する。保持操作では、処理槽内の圧力を減圧操作後の圧力に保持する。たとえば、処理槽内の食品温度TFと処理槽内の圧力相当の飽和温度TSとの温度差に基づき、温度差が第一設定値ΔT1になるまで処理槽内を減圧する減圧操作と、温度差が第一設定値よりも小さな第二設定値ΔT2になるまで処理槽内の圧力を保持する保持操作とを繰り返す。【選択図】図2

Description

本発明は、処理槽内を減圧して食品を冷却する真空冷却装置に関するものである。
下記特許文献1に開示される真空冷却装置は、処理槽内を設定圧力(P1)まで減圧する急冷工程と、この急冷工程よりも減圧能力を低くして処理槽内をさらに減圧する徐冷工程とを順に実行する。前記設定圧力(P1)は、処理槽内の飽和蒸気温度が被冷却物の温度と等しくなる品温換算圧力(P2)よりも余裕圧力(P3)だけ高い圧力に設定され、前記余裕圧力(P3)は、前記品温換算圧力(P2)が低くなる程、小さくなるよう設定される。
また、下記特許文献2に開示される真空冷却装置は、処理槽内の圧力が所定保持圧力となるように処理槽内の減圧を行い、被冷却物の温度の時間変化が基準値以下となったことを判定することで被冷却物の温度が前記保持圧力に等しい飽和温度にほぼ近づいたことを判定し、処理槽の圧力が前記所定保持圧力から所定値低減した所定保持圧力となるように処理槽内の減圧を行い、被冷却物の温度の時間変化の判定と所定保持圧力の低減による減圧とを繰り返して行う。
特開2010−181042号公報(特許請求の範囲、図1、図2) 特開2004−218958号公報(特許請求の範囲、図1−図3)
特許文献1に記載の発明では、品温換算圧力よりも余裕圧力だけ高い圧力まで急冷後に徐冷するが、その後の徐冷工程では品温を監視せず、予め設定された圧力カーブに沿うように減圧速度が調整される(段落[0044])。そのため、徐冷工程では、突沸や吹きこぼれの防止のために安全方向の制御が必要となり、冷却に時間を要するおそれがある。
特許文献2に記載の発明では、まずは所定保持圧力まで減圧するが、その所定保持圧力は事前に規定(減圧時の電動弁6の開度が固定)されており、時々刻々と変化する品温を考慮したものではない(段落[0050]、図2のS2)。また、電動弁を所定時間ずつ閉じることで、圧力保持工程の所定保持圧力を段階的に下げていくが、その際の各圧力保持工程では、電動弁の開度に応じた所定保持圧力に保持しようとしており、実際の処理槽内の圧力は監視されずに成行きになっている(段落[0052]−[0059]、図2)。また、品温を考慮して、所定保持圧力を決定する訳でもない。そのため、実際の冷却状況に応じた最適な保持圧力とならないおそれがある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、突沸や吹きこぼれを防止しつつ、食品を迅速に冷却できる真空冷却装置を提供することにある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、処理槽内を減圧して食品を真空冷却する装置であって、前記処理槽内の食品温度と圧力とを監視し、この監視情報に基づき、前記処理槽内の食品温度と前記処理槽内の圧力相当の飽和温度との温度差が設定値になるまで前記処理槽内を減圧する減圧操作と、前記処理槽内の圧力を前記減圧操作後の圧力に保持する保持操作とを繰り返して、前記処理槽内の食品を真空冷却することを特徴とする真空冷却装置である。
請求項1に記載の発明によれば、品温と槽内圧力とを監視して、品温と槽内飽和温度(槽内圧力相当の飽和温度)との温度差が設定値になるまで減圧する減圧操作と、その減圧操作後の圧力に保持する保持操作とを繰り返すことで、突沸や吹きこぼれを防止しつつ、食品を迅速に冷却することができる。
請求項2に記載の発明は、前記処理槽内の食品温度と前記処理槽内の圧力相当の飽和温度との温度差が第一設定値になるまで前記処理槽内を減圧する減圧操作と、前記温度差が第一設定値よりも小さな第二設定値になるまで前記処理槽内の圧力を保持する保持操作とを繰り返して、前記処理槽内の食品を真空冷却することを特徴とする請求項1に記載の真空冷却装置である。
請求項2に記載の発明によれば、品温と槽内飽和温度との温度差を監視して、その温度差が第一設定値になるまでの減圧操作と、第二設定値になるまでの保持操作とを繰り返すことで、簡易な制御で、突沸や吹きこぼれを防止しつつ、食品を迅速に冷却することができる。
請求項3に記載の発明は、前記処理槽内の食品温度と前記処理槽内の圧力相当の飽和温度との温度差が設定値になるまで前記処理槽内を減圧する減圧操作と、設定時間経過するまで前記処理槽内の圧力を保持する保持操作とを繰り返して、前記処理槽内の食品を真空冷却することを特徴とする請求項1に記載の真空冷却装置である。
請求項3に記載の発明によれば、品温と槽内飽和温度との温度差を監視して、その温度差が設定値になるまでの減圧操作と、設定時間経過するまでの保持操作とを繰り返すことで、簡易な制御で、突沸や吹きこぼれを防止しつつ、食品を迅速に冷却することができる。
請求項4に記載の発明は、食品が収容される前記処理槽と、この処理槽内の気体を外部へ吸引排出して、前記処理槽内を減圧する減圧手段と、減圧された前記処理槽内へ外気を導入して、前記処理槽内を復圧する復圧手段と、前記減圧手段および前記復圧手段を制御して、前記処理槽内の食品を冷却する制御手段とを備え、前記保持操作では、下記(a)〜(e)の内、いずれか一以上を用いて、前記処理槽内の圧力を保持することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の真空冷却装置である。
(a)前記減圧手段を作動させた状態で、前記復圧手段による給気量を調整する。
(b)前記減圧手段を構成する真空ポンプの回転数を調整する。
(c)前記減圧手段を構成する水封式真空ポンプへの封水流量を調整する。
(d)前記減圧手段を構成する水封式真空ポンプへの封水温度を調整する。
(e)前記減圧手段を停止する。
請求項4に記載の発明によれば、保持操作では、上記(a)〜(e)の内、いずれか一以上を用いることで、簡易な制御で、処理槽内を所望圧力に保持することができる。
さらに、請求項5に記載の発明は、前記保持操作では、前記処理槽内の圧力を保持することに代えて、前記処理槽内の圧力を所定だけ復圧させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の真空冷却装置である。
請求項5に記載の発明によれば、保持操作では、処理槽内の圧力を所定だけ復圧させて、突沸や吹きこぼれの防止を図ることができる。
本発明の真空冷却装置によれば、突沸や吹きこぼれを防止しつつ、食品を迅速に冷却することができる。
本発明の一実施例の真空冷却装置を示す概略図であり、一部を断面にして示している。 図1の真空冷却装置による突沸吹きこぼれ防止制御の一例を示すグラフであり、縦軸は温度、横軸は運転開始からの経過時間を示している。 図1の真空冷却装置による突沸吹きこぼれ防止制御の変形例を示すグラフであり、縦軸は温度、横軸は運転開始からの経過時間を示している。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例の真空冷却装置1を示す概略図であり、一部を断面にして示している。
本実施例の真空冷却装置1は、食品Fが収容される処理槽2と、この処理槽2内の気体を外部へ吸引排出して処理槽2内を減圧する減圧手段3と、減圧された処理槽2内へ外気を導入して処理槽2内を復圧する復圧手段4と、これら各手段を制御して処理槽2内の食品Fを冷却する制御手段(図示省略)とを備える。
処理槽2は、内部空間の減圧に耐える中空容器であり、典型的には略矩形の箱状に形成されている。処理槽2は、食品Fを出し入れするためのドア(図示省略)を、正面(図1の紙面に対し垂直手前側)に備える。但し、正面および背面にそれぞれドアを備え、一方のドアを、処理槽2内への食品Fの搬入用ドアとし、他方のドアを、処理槽2外への食品Fの搬出用ドアとしてもよい。いずれにしても、ドアを閉じることで、パッキンを介して処理槽2の開口部を気密に閉じることができる。
処理槽2内には、冷却しようとする食品F(食材を含む)が収容される。食品Fは、ホテルパンや番重のような食品容器に入れられて、処理槽2内に収容される。
減圧手段3は、処理槽2内の気体(空気や蒸気)を外部へ吸引排出して、処理槽2内を減圧する。本実施例では、減圧手段3は、処理槽2内からの排気路5に、蒸気エゼクタ6、蒸気凝縮用の熱交換器7、逆止弁8、および水封式の真空ポンプ9が順に設けられて構成される。
蒸気エゼクタ6は、吸引口6aが処理槽2に接続されて設けられ、入口6bから出口6cへ向けて、給蒸路10からの蒸気がノズルで噴出可能とされる。入口6bから出口6cへ向けて蒸気を噴出させることで、処理槽2内の気体が吸引口6aを介して出口6cへ吸引排出される。給蒸路10に設けた給蒸弁11の開閉を操作することで、蒸気エゼクタ6の作動の有無を切り替えることができる。なお、給蒸弁11の開度を調整するなどして、蒸気エゼクタ6による減圧能力を調整可能としてもよい。
熱交換器7は、排気路5内の流体とその冷却水とを混ぜることなく熱交換する間接熱交換器である。熱交換器7により、排気路5内の蒸気を、冷却水により冷却し凝縮させることができる。熱交換器7には、熱交給水路12を介して冷却水が供給され、熱交排水路13を介して冷却水が排出される。熱交給水路12には、熱交給水弁14が設けられる。一方、熱交排水路13は、図示しないが、タンクへの戻し路と外部への排水路とに分岐されており、これら各路またはその分岐部に、熱交排水弁(図示省略)が設けられている。熱交排水弁により、熱交換器7を通過後の水を、タンクへ戻すか、戻さずに排水するか、あるいはいずれも行わずに熱交換器7への通水を阻止するか(つまり熱交換器7の冷却水出口側を閉じるか)を切り替えることができる。
真空ポンプ9は、本実施例では水封式であり、周知のとおり、封水と呼ばれる水が供給されつつ運転される。そのために、真空ポンプ9の給水口9aには、封水給水路15を介して水が供給される。封水給水路15には封水給水弁16が設けられており、封水給水弁16を開けることで、真空ポンプ9に封水を供給することができる。封水給水弁16を開けた状態で真空ポンプ9を作動させると、真空ポンプ9は、吸気口9bから気体を吸入し、排気口9cへ排気および排水する。なお、真空ポンプ9は、オンオフ制御されてもよいし、出力を調整可能とされてもよい。本実施例では、真空ポンプ9は、インバータを用いて、モータの駆動周波数ひいては回転数を変更可能とされる。
ところで、図示例の場合、封水給水路15は、上流側において熱交給水路12と共通管路17とされており、その共通管路17に熱交給水弁14が設けられている。この場合、熱交給水弁14を開けると、熱交換器7に通水可能とされ、さらに封水給水弁16を開けると、真空ポンプ9に給水される。なお、熱交換器7および真空ポンプ9への給水として、常温水と冷水(チラーで冷却された水)とを切替可能とされてもよい。
復圧手段4は、減圧された処理槽2内へ外気を導入して、処理槽2内を復圧する。本実施例では、復圧手段4は、処理槽2内への給気路18に、エアフィルタ19および給気弁20が順に設けられて構成される。処理槽2内が減圧された状態で、給気弁20を開けると、外気がエアフィルタ19を介して処理槽2内へ導入され、処理槽2内を復圧することができる。給気弁20は、好ましくは開度調整可能な電動弁から構成される。
処理槽2には、さらに、処理槽2内の圧力を検出する圧力センサ21と、処理槽2内に収容された食品Fの温度(品温)を検出する品温センサ22とが設けられる。
制御手段は、前記各センサ21,22の検出信号や経過時間などに基づき、前記各手段3,4を制御する制御器(図示省略)である。具体的には、真空ポンプ9、給蒸弁11、熱交給水弁14、熱交排水弁(図示省略)、封水給水弁16、給気弁20の他、圧力センサ21および品温センサ22などは、制御器に接続されている。そして、制御器は、以下に述べるように、所定の手順(プログラム)に従い、処理槽2内の食品Fの真空冷却を図る。
以下、本実施例の真空冷却装置1の運転方法の一例について説明する。
運転開始前、給気弁20は開けられた状態にある一方、給蒸弁11、熱交給水弁14および封水給水弁16は閉じられた状態にあり、真空ポンプ9は停止している。その状態で、処理槽2内には、冷却しようとする食品Fが収容され、処理槽2のドアは気密に閉じられる。そして、スタートボタンを押すなどして運転開始を指示すると、制御器は、給気弁20を閉じると共に減圧手段3を作動させて、品温が予め設定された冷却目標温度になるまで、処理槽2内を減圧することで食品Fの冷却を図る。
本実施例では、減圧手段3として、蒸気エゼクタ6、蒸気凝縮用の熱交換器7、および水封式の真空ポンプ9を備えるが、これらは、次のようにして、順次作動させるのが好ましい。
すなわち、処理槽2内を減圧するに際し、まずは、熱交換器7への通水を停止した状態で、真空ポンプ9へ封水を供給しつつ、真空ポンプ9により処理槽2内を減圧する。具体的には、熱交排水路13に設けた熱交排水弁(図示省略)を閉じることで、熱交換器7への通水を不能とした状態で、熱交給水弁14および封水給水弁16を開けて、真空ポンプ9へ封水を供給しつつ、真空ポンプ9を作動させて処理槽2内を減圧する。この際、真空ポンプ9は、所定の周波数(ひいては回転数)で運転される。また、この段階では、給蒸弁11は閉じられた状態にあり、蒸気エゼクタ6は停止している。
真空ポンプ9により処理槽2内を減圧中、所定の通水開始条件を満たすと、熱交排水弁を操作して、熱交換器7への通水を開始する。通水開始条件としては、たとえば、品温が通水開始温度(たとえば60℃)以下になるか、運転開始から通水開始時間(たとえば5分)経過した時点とされる。なお、熱交換器7への通水および真空ポンプ9への封水として、常温水と冷水とを切替可能に構成される場合、所定の切替タイミングにおいて、常温水から冷水に切り替えられる。
その後、所定のエゼクタ作動開始条件を満たすと、給蒸弁11を開けて、蒸気エゼクタ6も作動させる。エゼクタ作動開始条件としては、たとえば、品温がエゼクタ作動開始温度(たとえば30℃)以下で且つ処理槽2内がエゼクタ作動開始圧力(たとえば45hPa)以下になるか、運転開始からエゼクタ作動開始時間(たとえば10分)経過した時点とされる。
このように、本実施例では、処理槽2内を減圧中、減圧手段3を構成する真空ポンプ9、熱交換器7および蒸気エゼクタ6を、段階的に作動させる。そして、基本的にはこのような制御により、処理槽2内を減圧していく訳であるが、この際、以下の突沸吹きこぼれ防止制御を実行する。突沸吹きこぼれ防止制御では、処理槽2内の減圧操作と保持操作とを繰り返すが、この際、まずは真空ポンプ9のみで初回の減圧操作を開始した後、上述した所定条件を満たすタイミング(状況により初回の保持操作の開始前かもしれないしそれ以降かもしれないタイミング)で、熱交換器7への通水を開始したり、蒸気エゼクタ6の作動を開始したりすることになる。
突沸吹きこぼれ防止制御では、処理槽2内の減圧による食品の冷却中(減圧操作中および保持操作中など)、処理槽2内の品温と圧力とを監視する。そして、この監視情報に基づき、品温と槽内飽和温度(処理槽2内の圧力相当の飽和温度)との温度差が設定値になるまで処理槽2内を減圧する減圧操作と、処理槽2内の圧力を減圧操作後の圧力に保持する保持操作とを繰り返して、処理槽2内の食品Fを真空冷却する。以下、突沸吹きこぼれ防止制御について、さらに具体的に説明する。なお、温度差は、ここでは絶対値で表現している。
図2は、突沸吹きこぼれ防止制御の一例を示すグラフであり、縦軸は温度T、横軸は運転開始からの経過時間tを示している。なお、実線が品温TFを示し、一点鎖線が槽内飽和温度TSを示しており、運転後半部の図示は省略している。
本実施例の突沸吹きこぼれ防止制御では、所定の減圧操作と保持操作とを繰り返して、品温センサ22による品温が冷却目標温度になるまで、食品Fを冷却する。なお、図2において、槽内飽和温度TSが右肩下がりとなる箇所が減圧操作中であり、槽内飽和温度TSが略水平となる箇所が保持操作中である。
減圧操作では、品温(処理槽2内の食品温度)TFと槽内飽和温度(処理槽2内の圧力相当の飽和温度であり、言い換えれば槽内圧力の温度換算値)TSとの温度差が第一設定値ΔT1になるまで、処理槽2内を減圧する。具体的には、減圧手段3を作動させて処理槽2内の減圧開始後、品温センサ22の検出温度TFと、圧力センサ21の検出圧力に基づく槽内飽和温度TSとを監視し、その温度差が第一設定値ΔT1になるまで、処理槽2内を減圧する。
図示例では、槽内飽和温度TSを品温TFよりも低くして、「品温TF−槽内飽和温度TS=第一設定値ΔT1」になるまで処理槽2内を減圧し、温度差が第一設定値ΔT1以上になると、保持操作へ移行する。但し、槽内飽和温度TSを品温TFよりも高くして、「槽内飽和温度TS−品温TF=第一設定値ΔT1」になるまで処理槽2内を減圧し、温度差が第一設定値ΔT1以下になると、保持操作へ移行してもよい。第一設定値ΔT1は、食品Fなどに応じて設定されるが、たとえば5℃以下で設定(ここでは正の値に設定)される。
保持操作では、前記温度差が第一設定値ΔT1よりも小さな第二設定値ΔT2になるまで、処理槽2内の圧力を保持する。品温TFと槽内飽和温度TSとの温度差を求める際、品温TFと槽内飽和温度TSとのいずれが大きいかは、減圧操作と同様とする。すなわち、減圧操作にて槽内飽和温度TSが品温TFよりも低ければ、保持操作でもその関係(槽内飽和温度TS<品温TF)を保った状態で、両者の温度差が第二設定値ΔT2に狭まるまで、保持操作を実施する。あるいは、減圧操作にて槽内飽和温度TSが品温TFよりも高ければ、保持操作でもその関係(槽内飽和温度TS>品温TF)を保った状態で、両者の温度差が第二設定値ΔT2に狭まるまで、保持操作を実施する。第二設定値ΔT2は、第一設定値ΔT1よりも小さな値であり、たとえば2℃以下で設定(ここでは正の値に設定)される。
そして、このような減圧操作と保持操作とを繰り返して、品温TFが冷却目標温度になるまで、食品Fを冷却する。図示例の場合、減圧操作にて、槽内飽和温度TSが品温TFを下回り、温度差が第一設定値ΔT1になると保持操作に移行し、温度差が第二設定値ΔT2になると再び減圧操作に移行し、再度、温度差が第一設定値ΔT1になると保持操作に移行し、第二設定値ΔT2になると減圧操作に移行するというように、減圧操作と保持操作とを繰り返して、食品Fを冷却目標温度まで冷却する。品温TFが冷却目標温度になれば、減圧手段3を停止して、復圧手段4により処理槽2内を大気圧まで戻し、一連の運転を終了する。
ところで、保持操作では、たとえば、下記(a)〜(e)の内、いずれか一以上を用いて、処理槽2内の圧力を保持する。
(a)減圧手段3を作動させた状態で、復圧手段4による給気量を調整する。具体的には、減圧手段3(前述したとおり少なくとも真空ポンプ9)を作動させた状態で、圧力センサ21の検出圧力を所定に維持するように、給気弁20の開度を調整すればよい。
(b)減圧手段3を構成する真空ポンプ9の回転数を調整する。具体的には、圧力センサ21の検出圧力を所定に維持するように、インバータを用いて、真空ポンプ9のモータの駆動周波数ひいては回転数を調整すればよい。
(c)減圧手段3を構成する水封式の真空ポンプ9への封水流量を調整する。具体的には、封水給水弁16を開度調整可能な電動弁から構成し、圧力センサ21の検出圧力を所定に維持するように、封水給水弁16の開度を調整すればよい。あるいは、並列な封水給水路15を設けておき、それぞれに封水給水弁16を設け、そのいずれの弁を開けるか、または双方の弁を開けるかなどにより、封水流量を調整してもよい。
(d)減圧手段3を構成する水封式の真空ポンプ9への封水温度を調整する。具体的には、封水給水路15(さらに所望により熱交給水路12)への給水として、常温水と冷水とを混合して供給可能とされ、圧力センサ21の検出圧力を所定に維持するように、常温水と冷水との混合割合を調整すればよい。あるいは、封水給水路15(さらに所望により熱交給水路12)に、蒸気圧縮式冷凍機を用いたチラーからの冷水を供給する場合において、圧力センサ21の検出圧力を所定に維持するように、チラーの冷却能力を調整(たとえば圧縮機のモータをインバータ制御)すればよい。
(e)減圧手段3を停止する。具体的には、真空ポンプ9を停止すると共に、熱交給水弁14を閉じて熱交換器7への通水を停止したり、給蒸弁11を閉じて蒸気エゼクタ6を停止したりする。この場合において、減圧手段3の一部(たとえば蒸気エゼクタ6)のみを停止するようにしてもよい。なお、減圧手段3を停止して保持操作を実施後、減圧操作を再開する際には、真空ポンプ9を作動すると共に、前述したとおり、通水開始条件を満たしていれば熱交換器7に通水し、エゼクタ作動開始条件を満たしていれば蒸気エゼクタ6を作動させればよい。
本実施例の真空冷却装置1によれば、処理槽2内の品温と圧力とに基づき、品温TFと槽内飽和温度TSとの温度差を監視し、その温度差が第一設定値ΔT1になるまでの減圧操作と、第二設定値ΔT2になるまでの保持操作とを繰り返すことで、簡易な制御で、突沸や吹きこぼれを防止しつつ、食品Fを迅速に冷却することができる。
図3は、突沸吹きこぼれ防止制御の変形例を示すグラフであり、縦軸は温度T、横軸は運転開始からの経過時間tを示している。なお、実線が品温TFを示し、一点鎖線が槽内飽和温度TSを示しており、運転後半部の図示は省略している。
図3の変形例も、基本的には図2の前記実施例と同様である。そこで、以下では、両者の異なる点を中心に説明し、同じ点については説明を省略する。
本変形例の突沸吹きこぼれ防止制御でも、所定の減圧操作と保持操作とを繰り返して、品温センサ22による品温TFが冷却目標温度になるまで、食品Fを冷却する。
減圧操作では、前記実施例と同様に、品温TFと槽内飽和温度TSとの温度差が設定値(前記実施例の第一設定値)ΔT1になるまで、処理槽2内を減圧する。
保持操作では、処理槽2内の圧力を直前の減圧操作終了時の圧力に保持する点は、前記実施例と同じであるが、その終了条件が異なる。すなわち、前記実施例では、品温TFと槽内飽和温度TSとの温度差が第二設定値ΔT2になるまで、処理槽2内の圧力を保持したが、本変形例では、設定時間x経過するまで、処理槽2内の圧力を保持する。
そして、このような減圧操作と保持操作とを繰り返して、品温が冷却目標温度になるまで、食品Fを冷却する。図示例の場合、減圧操作にて、槽内飽和温度TSが品温TFを下回り、温度差が設定値ΔT1になると保持操作に移行し、設定時間x経過すると再び減圧操作に移行し、再度、温度差が設定値ΔT1になると保持操作に移行し、設定時間x経過すると減圧操作に移行するというように、減圧操作と保持操作とを繰り返して、食品Fを冷却目標温度まで冷却する。その他は、前記実施例と同様のため、説明を省略する。
本発明の真空冷却装置1は、前記実施例(変形例を含む)の構成に限らず適宜変更可能である。特に、処理槽2内を減圧して食品Fを真空冷却する装置であって、処理槽2内の品温と圧力とを監視し、この監視情報に基づき、品温TFと槽内飽和温度TSとの温度差が設定値になるまで処理槽2内を減圧する減圧操作と、処理槽2内の圧力を減圧操作後の圧力に保持する保持操作とを繰り返して、処理槽2内の食品Fを真空冷却するのであれば、その他の構成は適宜に変更可能である。
たとえば、前記実施例では、減圧操作と保持操作とを繰り返して、品温が冷却目標温度になるまで食品Fを冷却したが、冷却の終了条件は、適宜に変更可能である。また、減圧操作と保持操作との繰り返し工程(突沸吹きこぼれ防止制御による冷却工程)を含むのであれば、場合により、その繰り返し工程の前および/または後に、他の工程を含んでいてもよい。
また、保持操作では、処理槽2内の圧力を保持することに代えて、処理槽2内の圧力を所定だけ復圧させてもよい。すなわち、保持操作において、圧力を保持するよりも若干復圧する方が吹きこぼれなどに対処できる場合、処理槽2内を若干復圧すればよい。その場合、前述したとおり減圧手段3を停止させるだけでも、場合により、食品Fからの蒸気で処理槽2内を復圧することができる。あるいは、減圧手段3を停止した状態(または減圧手段3を作動させた状態)で、復圧手段4により、処理槽2内を所定まで復圧してもよい。処理槽2内を復圧させる場合、食品Fの撹拌を図ることも可能となる。
また、前記実施例において、減圧操作や保持操作の終了条件に用いる設定値(第一設定値、第二設定値、設定時間)は、運転途中で変更するようにしてもよい。たとえば、冷却の進行に伴い、これら設定値のいずれか一以上を、段階的に変更してもよい。
また、前記実施例では、保持操作では、品温TFと槽内飽和温度TSとの温度差が第二設定値ΔT2になるか、設定時間x経過するまで、処理槽2内の圧力を所定に保持したが、場合により、品温の低下速度を監視して、それが設定速度を下回るまで、処理槽2内の圧力を所定に保持してもよい。
また、前記実施例において、減圧手段3の構成は、適宜変更可能である。たとえば、前記実施例では、減圧手段3として蒸気エゼクタ6を備えたが、場合により蒸気エゼクタ6の設置を省略してもよい。あるいは、減圧手段3として、水封式以外の真空ポンプを用いたり、水エゼクタを用いたりしてもよい。
さらに、前記実施例では、真空冷却装置1は、冷却専用機として説明したが、真空冷却機能を有するのであれば、適宜に変更可能である。たとえば、蒸気による加熱手段を備えることで、蒸煮冷却装置や飽和蒸気調理装置のように構成されてもよい。あるいは、冷凍機やファンを用いた冷風冷却手段を備えることで、冷風真空複合冷却装置のように構成されてもよい。
1 真空冷却装置
2 処理槽
3 減圧手段
4 復圧手段
5 排気路
6 蒸気エゼクタ(6a:吸引口、6b:入口、6c:出口)
7 熱交換器
8 逆止弁
9 真空ポンプ(9a:給水口、9b:吸気口、9c:排気口)
10 給蒸路
11 給蒸弁
12 熱交給水路
13 熱交排水路
14 熱交給水弁
15 封水給水路
16 封水給水弁
17 共通管路
18 給気路
19 エアフィルタ
20 給気弁
21 圧力センサ
22 品温センサ
t 経過時間
T 温度
TF 品温(食品温度)
TS 槽内飽和温度
ΔT1 第一設定値
ΔT2 第二設定値
x 設定時間

Claims (5)

  1. 処理槽内を減圧して食品を真空冷却する装置であって、
    前記処理槽内の食品温度と圧力とを監視し、
    この監視情報に基づき、前記処理槽内の食品温度と前記処理槽内の圧力相当の飽和温度との温度差が設定値になるまで前記処理槽内を減圧する減圧操作と、前記処理槽内の圧力を前記減圧操作後の圧力に保持する保持操作とを繰り返して、前記処理槽内の食品を真空冷却する
    ことを特徴とする真空冷却装置。
  2. 前記処理槽内の食品温度と前記処理槽内の圧力相当の飽和温度との温度差が第一設定値になるまで前記処理槽内を減圧する減圧操作と、前記温度差が第一設定値よりも小さな第二設定値になるまで前記処理槽内の圧力を保持する保持操作とを繰り返して、前記処理槽内の食品を真空冷却する
    ことを特徴とする請求項1に記載の真空冷却装置。
  3. 前記処理槽内の食品温度と前記処理槽内の圧力相当の飽和温度との温度差が設定値になるまで前記処理槽内を減圧する減圧操作と、設定時間経過するまで前記処理槽内の圧力を保持する保持操作とを繰り返して、前記処理槽内の食品を真空冷却する
    ことを特徴とする請求項1に記載の真空冷却装置。
  4. 食品が収容される前記処理槽と、
    この処理槽内の気体を外部へ吸引排出して、前記処理槽内を減圧する減圧手段と、
    減圧された前記処理槽内へ外気を導入して、前記処理槽内を復圧する復圧手段と、
    前記減圧手段および前記復圧手段を制御して、前記処理槽内の食品を冷却する制御手段とを備え、
    前記保持操作では、下記(a)〜(e)の内、いずれか一以上を用いて、前記処理槽内の圧力を保持する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の真空冷却装置。
    (a)前記減圧手段を作動させた状態で、前記復圧手段による給気量を調整する。
    (b)前記減圧手段を構成する真空ポンプの回転数を調整する。
    (c)前記減圧手段を構成する水封式真空ポンプへの封水流量を調整する。
    (d)前記減圧手段を構成する水封式真空ポンプへの封水温度を調整する。
    (e)前記減圧手段を停止する。
  5. 前記保持操作では、前記処理槽内の圧力を保持することに代えて、前記処理槽内の圧力を所定だけ復圧させる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の真空冷却装置。
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JP2021096013A (ja) * 2019-12-16 2021-06-24 三浦工業株式会社 真空冷却装置

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