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JP2018080243A - 一液型水系樹脂組成物 - Google Patents

一液型水系樹脂組成物 Download PDF

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JP2018080243A
JP2018080243A JP2016222588A JP2016222588A JP2018080243A JP 2018080243 A JP2018080243 A JP 2018080243A JP 2016222588 A JP2016222588 A JP 2016222588A JP 2016222588 A JP2016222588 A JP 2016222588A JP 2018080243 A JP2018080243 A JP 2018080243A
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urethane prepolymer
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water
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弘隆 遠藤
Hirotaka Endo
弘隆 遠藤
竜巳 小坂
Tatsumi Kosaka
竜巳 小坂
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Abstract

【課題】耐食性、耐薬品性、耐アルカリ性に優れ、また経時での貯蔵安定性にも優れるウレタン系塗料の提供。【解決手段】(a)ポリカーボネートジオール、(b)ポリイソシアネート、(c)アニオン性基導入剤の反応生成物であるウレタンプレポリマーと(d)鎖伸長剤との反応で得られるポリウレタン樹脂、及び、(e)金属架橋剤、水を含有する、一液型水系樹脂組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、一液型水系樹脂組成物に関する。より詳しくは、金属架橋剤と混和性が良好である水系ポリウレタン樹脂組成物を用いた、耐薬品性、耐アルカリ性に優れたコーティング用一液型水系樹脂組成物、その製造方法、及び該樹脂組成物を用いた塗料に関する。
建築・土木構造物などに使用されるコンクリートは、本来そのアルカリ性という性質により、内部鉄筋の腐食抑止効果を有する優れた材料であるが、経時で老朽化していくという問題がある。その原因の一つとしては、高温乾燥条件によるひび割れ、並びにそこから侵入する塩水や、若しくは、二酸化炭素の吸収でコンクリート内の水酸化カルシウムが中和して、コンクリート内のpHが下がり、鉄筋を腐食することにより、構造物の耐久性の低下が挙げられる。ひび割れを防ぐためには、コンクリート硬化体が十分に硬化するための十分な湿潤養生期間が不可欠であるが、通常の施工条件で十分な湿潤養生期間が確保されることはむしろ稀である。そのため、構造物の劣化を抑制する方法としては、塩水や二酸化炭素を鉄筋に触れさせにくくするためのコンクリートの保護材の塗布が挙げられる。
特許文献1では、ガラス転移温度が−50〜−20℃のアクリルポリマーのディスパージョンを使用した、コンクリートの塗布材が提案されている。この方法では、コンクリートに対して、ある程度の水や塩水などの外的環境から保護することができるが、塗膜の柔軟性が乏しく、また、耐溶剤性などの耐久性に関しても課題があった。
一方、ウレタン樹脂は、耐摩耗性、接着性、非粘着性、ゴム弾性等を有する塗膜や成形品を与えることから、塗料、接着剤、バインダー、コーティング剤等に広く用いられている材料である。近年、対環境汚染、労働衛生等の安全性の面から、ウレタン樹脂を水系化した、水系ポリウレタン組成物が多数報告されているが、水系ポリウレタン組成物は、溶剤系或いは無溶剤系のものに比べて、耐水性、耐熱性、引張特性等の物性が劣るという問題点を有している。
特許文献2では、水系ポリウレタン樹脂に対して、防錆剤、コロイダルシリカ、塩基性アルカリ珪酸塩を併用した金属表面処理剤が提供されている。この金属表面処理剤は、ポリエステルポリオールをベースとした水系ポリウレタン樹脂を使用していることにより、亜鉛メッキ鋼板などの金属板を保護するものとしては好適な材料であるが、厚膜化をすることが難しく、コンクリートを保護する際には、満足のいくものではなかった。また、この方法で用いられている水系ポリウレタン樹脂に架橋剤を添加して、塗膜の強度を高めようとしても、架橋剤と水系ポリウレタン樹脂の混和性が悪く、実用化できるレベルのものは得られなかった。
特開2001−342048号公報 国際公開第2011/122119号
本発明が解決しようとする課題は、コンクリートのひび割れに追従するような柔軟性を保持しながら、塗膜の耐久性が良好である、環境や人体にも配慮した水系樹脂組成物を提供することにある。
そこで本発明者等は鋭意検討し、ポリウレタン樹脂のベース原料としてポリカーボネートジオールを用いた水系ポリウレタン樹脂組成物と、金属架橋剤を併用し、混和性が良好であり、さらに、塗膜の柔軟性と耐久性のバランスが良好な水系樹脂組成物を見出し、本発明に至った。即ち、本発明は以下のものである。
(1):(a)ポリカーボネートジオール、(b)ポリイソシアネート、(c)アニオン性基導入剤の反応生成物であるウレタンプレポリマーと(d)鎖伸長剤との反応で得られるポリウレタン樹脂、及び、(e)金属架橋剤、水を含有する、一液型水系樹脂組成物。
(2):上記(a)ポリカーボネートジオールが、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオールから選択される1種以上のジオールをベースとするポリカーボネートジオールであり、上記(e)金属架橋剤がジルコニウム系化合物から選択される1種以上の化合物である、(1)の一液型水系樹脂組成物。
(3):(b)ポリイソシアネートが、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及び4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートから選択される1種以上の化合物である、(1)または(2)の一液型水系樹脂組成物。
(4):(c)アニオン性基導入剤が、カルボキシル基を含有するポリオール類から選択される1種以上の化合である、(1)〜(3)の何れかの一液型水系樹脂組成物。
(5):(d)鎖伸長剤が、ジアミン類、ヒドラジド類、水和ヒドラジン、水から選択される1種以上の化合物である、(1)〜(4)の何れかの一液型水系樹脂組成物。
(6):(e)金属架橋剤の含有量がポリウレタン樹脂と(e)金属架橋剤の合計量に対して0.1〜15質量%である、(1)〜(5)の何れかの一液型水系樹脂組成物。
(7):50℃で2週間の保管で目視による外観変化が認められない、(1)〜(6)の何れかの一液型水系樹脂組成物。
(8):コーティング用である、(1)〜(7)の何れかの一液型水系樹脂組成物。
(9):以下の工程1〜4を含む、請求項1〜8の何れかに記載の一液型水系樹脂組成物の製造方法。(工程1)(a)ポリカーボネートジオール、(b)ポリイソシアネート、及び(c)アニオン性基導入剤を反応させてウレタンプレポリマーを製造する工程、(工程2)上記ウレタンプレポリマーを水中に分散させる工程、(工程3)水分散液中の上記ウレタンプレポリマーを(d)鎖伸長剤と反応させてポリウレタン樹脂を合成し、10〜70質量%の濃度でポリウレタン樹脂を含む水系ポリウレタン樹脂組成物を製造する工程、(工程4)上記水系ポリウレタン樹脂組成物に(e)金属架橋剤を混合して一液型水系樹脂組成物を製造する工程。
(10):(1)〜(8)の何れかの一液型水系樹脂組成物からなる塗料。
本発明の効果は、ポリカーボネートジオールを用いた水系ポリウレタン樹脂組成物と金属架橋剤を適切な配合で混合することにより、コンクリートの保護に好適な水系樹脂組成物を提供することにある。該樹脂組成物を用いた塗料が塗布されたコンクリートが用いられた高層ビル、道路、ダムなどの構造物では、水や塩水などに対する耐久性を維持しており、経時による劣化が抑制される。
本発明の一液型水系樹脂組成物は、ポリウレタン樹脂、金属架橋剤、水を必須成分として含む。上記ポリウレタン樹脂は、(a)ポリカーボネートジオール、(b)ポリイソシアネート、及び(c)アニオン性基導入剤を反応させて得られるウレタンプレポリマーと、(d)鎖伸長剤とを反応させて得られる樹脂である。このようなポリウレタン樹脂の構造は複雑で規則的に結合する繰り返し単位や特定の全体構造を有さないため、このようなポリウレタン樹脂を特定の名称、一般式、特定の繰り返し単位では定義できない。したがって本発明ではこのようなポリウレタン樹脂をその製造方法で特定しなければならない。以下、本発明の一液型水系樹脂組成物を構成する成分、その製造方法について説明する。
[(a)ポリカーボネートジオール]
ポリオールはポリウレタン樹脂の原料として一般的であり、ポリウレタン樹脂の耐候性や強度を向上させる機能を有する。本発明では、ポリウレタン樹脂の原料であるポリオールとして、金属架橋剤との混合後に長時間を経てもゲル化せず混和安定性が良好なポリウレタン樹脂を与える特定のポリオール、すなわち(a)ポリカーボネートジオールを用いる。
本発明の(a)ポリカーボネートジオールはポリカーボネート結合を分子内に有するポリオール類である。このような(a)ポリカーボネートジオールとして、例えば、炭酸エステル及び/またはホスゲンと、後述するポリオールとを反応させて得られるものを使用することができる。上記炭酸エステルとしては、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、フェニルナフチルカーボネート等を使用することできる。
上記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエ チレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチル−1,3 −プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’−ビフェノール等の、分子量が500以下のジヒドロキシ化合物や、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールや、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等のポリエステルポリオール等を使用することができる。
これらのポリオールの中では、入手の容易性から、分子量が500以下のジヒドロキシ化合物が好ましく、さらに、耐候性が良好で安価に入手が可能な、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオールがより好ましい。
本発明で用いる(a)ポリカーボネートジオールの数平均分子量は、ウレタン樹脂を塗膜化した時の強度と、ウレタンプレポリマーを製造する際の粘度等の作業性の観点から、好ましくは500〜5000であり、より好ましくは1000〜3000である。(a)ポリカーボネートジオールの数平均分子量が500より小さい場合はウレタンプレポリマーの粘度が著しく上昇し、水分散性が困難な傾向にある。(a)ポリカーボネートジオールの5000より大きい場合は、得られる一液型水系樹脂組成物の塗膜の物性が著しく低下する傾向にある。
一方、一般的にポリウレタン樹脂の製造で使用される、ポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールを原料に用いたポリウレタン樹脂は、耐久性は良好であるが、金属架橋剤との混和性が悪く、金属架橋剤との混合後から数日でゲル化する。
[(b)ポリイソシアネート]
本発明において、(b)ポリイソシアネートとしてはポリウレタン樹脂の原料として用いられる公知の化合物、すなわち、分子内にイソシアネート基を少なくとも2つ有する化合物を制限なく使用することができる。このような(b)ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートや、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式構造含有ジイソシアネート、及びこれらの芳香族ジイソシアネート、若しくは脂肪族又は脂環式構造含有ジイソシアネートを3量体化させた化合物等を使用することができる。これらは単独で使用してもよく、これらの2種以上を併用することもできる。
これらの化合物の中では、安価に入手が可能であるという点で、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが好ましく、さらに、水系ポリウレタン樹脂組成物とした時の、金属架橋剤との混和性が良好であるという点で、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートがより好ましい。
[(c)アニオン性基導入剤]
本発明において、(c)アニオン性基導入剤としては、ポリウレタン樹脂の原料として用いられる公知の化合物を使用することができる。このような(c)アニオン性基導入剤として、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸等のカルボキシル基を含有するポリオール類、及び、1,4−ブタンジオール−2−スルホン酸等のスルホン酸基を含有するポリオール類を使用することができる。これらの中では、入手が容易である点でカルボキシル基を含有するポリオール類が好ましく、ジメチロールプロピオン酸がより好ましい。
本発明においては、(b)ポリイソシアネートと反応する成分として、(a)ポリカーボネートジオール、及び(c)アニオン性基導入剤の他に、任意成分として、活性水素を含有する化合物を併用してもよい。そのような化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、3,5−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物等の脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール等の脂環式ジオール;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキシトール類、ペンチトール類、グリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、テトラメチロールプロパン等の3価以上のポリオール;メラミン、モノメチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、ブチル化メチロールメラミン、メラミン樹脂等のメラミン類が挙げられる。
これらの化合物は、ウレタン樹脂のウレタン結合濃度を高めたり、架橋密度を向上させたりするなどの効果があるが、必要以上の量を使用した場合、ウレタンプレポリマーの粘度が著しく大きくなってしまい、水への分散が困難になる傾向があるため、上記活性水素を含有する化合物を使用する場合の使用量としては、(b)ポリイソシアネートの全イソシアネート基1当量に対して、活性水素を含有する化合物の活性水素当量が0.01〜0.3当量であることが好ましく、0.01〜0.2当量がより好ましい。
[(a)、(b)、(c)の量]
一般に、ポリカーボネートジオール、ポリイソシアネート、及びアニオン性基導入剤を反応させてウレタンプレポリマーを製造する際には、ポリイソシアネートの全イソシアネート基当量(NCO)とポリカーボネートジオール及びアニオン性基導入剤に含まれる全水酸基当量(OH)(上記任意で添加される活性水素を含有する化合物を使用する場合は、その活性水素当量を加えた当量、以下同じ)の比により、得られるウレタンプレポリマーの末端構造が異なる。NCO/OHを1.0未満、すなわち反応成分中の水酸基が過多の場合には、末端基が水酸基であるウレタンプレポリマーが得られる。比NCO/OHを1.0以上、すなわち反応成分中のイソシアネート基が過多の場合には、末端基がイソシアネート基であるウレタンプレポリマーが得られる。末端基がイソシアネート基であるウレタンプレポリマーは、末端基が水酸基であるウレタンプレポリマーよりも水分散性が高く、鎖伸長による高分子化が容易である。従って本発明のウレタンプレポリマーとしては末端基がイソシアネート基であるウレタンプレポリマーが好ましい。
ただし、比NCO/OHが1.0以上で1.1未満の場合には比較的高分子量のウレタンプレポリマーが得られ、このような高分子量のウレタンプレポリマーは水への分散性が劣る傾向がある。この場合、最終的に得られる水系ポリウレタン樹脂組成物の保存安定性が悪くなる恐れがある。また、比NCO/OHが2.5を超える場合には生成物が高濃度のイソシアネート基を含むために、得られたプレポリマーの水分散時にイソシアネート基と水とが反応することによって二酸化炭素が発生して急激な発泡などの製造時の問題を引き起こす恐れがある。またこの場合には、得られる水系ポリウレタン樹脂組成物からなる塗膜と基材との接着性が低下する恐れがある。
そこで、本発明のウレタンプレポリマーを製造する際には、(b)ポリイソシアネート成分の全イソシアネート基当量(NCO)と、(a)ポリカーボネートジオール及び(c)アニオン性基導入剤に含まれる全水酸基当量(OH)との比(NCO/OH)が、好ましくは1.1〜2.5、より好ましくは1.2〜2.0、特に好ましくは1.3〜1.8となるような量割合で、上記(a)ポリカーボネートジオール、(b)ポリイソシアネート、及び(c)アニオン基導入剤を配合する。
[ウレタンプレポリマーの酸価]
本発明では、ウレタンプレポリマーの水中への分散性、この水系ポリウレタン樹脂組成物の分散液と金属架橋剤と混合させて得られる一液型水系樹脂組成物の貯蔵安定性、この一液型水系樹脂組成物から得られる樹脂皮膜の物性のバランスの観点から、ウレタンプレポリマーの酸価を好ましくは10〜80mgKOH/g、より好ましくは20〜50mgKOH/gの範囲に設定する。このようなウレタンプレポリマーの酸価に応じた量で(c)アニオン性基導入剤が用いられる。なお、上述のウレタンプレポリマーの酸価は、ウレタンプレポリマーの反応成分の配合量から求めた理論値である。後述の様にウレタンプレポリマーの製造に不活性溶媒を用いた場合には、得られるウレタンプレポリマーの酸価の測定値は上述の理論値から変動する。上述の理論値と測定値との間には以下の関係がある。
酸価(理論値)
=酸価(測定値)×{(a)+(b)+(c)+溶媒:質量合計}/{(a)+(b)+(c):質量合計}
[触媒]
本発明のウレタンプレポリマーの製造では必要に応じて触媒を用いることができる。このような触媒として、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N'',N''−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N'',N''−ペンタメチル−(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N'',N''−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン、1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−メチル−N’−(2−ジメチルアミノエチル)ピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N−ジメチルラウリルアミン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ジメチルアミノプロピルイミダゾール等の第3級アミンを使用することができる。
[ウレタンプレポリマーの製造(工程1)]
本発明の一液型水系樹脂組成物は、まずウレタンプレポリマーを製造し(工程1)、ウレタンプレポリマーを水中に分散させ(工程2)、次に水分散液中のウレタンプレポリマーを(d)鎖伸長剤を用いて高分子量化して水系ポリウレタン樹脂組成物を製造し(工程3)、さらに、得られた水分散液に(e)金属架橋剤を混合する(工程4)ことによって得られる。
上記ウレタンプレポリマーは、上記(a)ポリオール成分、(b)ポリイソシアネート成分、(c)アニオン基導入剤と、任意の活性水素を含有する化合物及び/又は触媒とを、任意の不活性溶媒の存在下で、60〜150℃の範囲で、1〜10時間反応させて得られる。この時使用する不活性溶媒として、水との親和性の大きいアセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン等を用いることができる。沸点100℃以下の溶媒を使用する場合には、本発明の水系ポリウレタン樹脂を合成した後、その溶媒を減圧留去等によって除去することが好ましい。溶媒の使用量は特に制限されないが、好ましくはウレタンプレポリマーの原料の全量100質量部に対して3〜200質量部である。
[ウレタンプレポリマーの水分散(工程2)]
本発明では、こうして得られたウレタンプレポリマーを水に分散させてから(d)鎖伸長剤と反応させる。本発明では、ウレタンプレポリマーを水中に分散する方法については特に限定されないが、例えば以下のプレポリマーミキシング法、転相法を用いることができる。
(プレポリマーミキシング法)
ウレタンプレポリマーにアニオン性基中和剤を添加し、得られたウレタンプレポリマー混合物を水中に投入し、例えばホモミキサーやディスパーなどの手段を用いて水に分散させる。なお、ウレタンプレポリマー混合物が投入される前に予め水にアニオン性基中和剤/乳化剤を添加することができる。
(転相法)
ウレタンプレポリマーにアニオン性基中和剤を添加させ、さらに水を投入し、必要に応じてホモミキサーやディスパーなどの手段を用いて撹拌し、ウレタンプレポリマーの水分散物を得る。なお、予めアニオン性基中和剤及び/又は乳化剤が添加された水を投入することができる。
(アニオン性基中和剤)
上記アニオン性基中和剤として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン類;N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルプロパノールアミン、N,N−ジプロピルエタノールアミン、1−ジメチルアミノ−2−メチル−2−プロパノール等のN,N−ジアルキルアルカノールアミン類、N−アルキル−N,N−ジアルカノールアミン類、トリエタノールアミン等のトリアルカノールアミン類の3級アミン化合物;アンモニア、トリメチルアンモニウムヒドロキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の塩基性化合物を使用することができる。これらの化合物を単独で用いることもでき、これらの化合物の2種以上を併用することもできる。
これらのアニオン性基中和剤の中では、乾燥物の耐候性と耐水性を向上させる観点から、熱によって容易に解離する揮発性の高いアニオン性基中和剤が好ましい。特に好ましいアニオン性基中和剤はトリメチルアミン及び/又はトリエチルアミンである。
本発明の一液型水系樹脂組成物の保存安定性、これからなる塗膜の機械的物性、耐水性等から見て、アニオン性基中和剤の使用量は、アニオン性基1当量に対して好ましくは0.5〜2.0当量であり、より好ましくは0.8〜1.5当量である。
(乳化剤)
上記乳化剤として公知の界面活性剤を使用することができる。例えば、界面活性剤として一般的なアニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤、第一級アミン塩、第二級アミン塩、第三級アミン塩、第四級アミン塩及びピリジニウム塩等のカチオン性界面活性剤、ベタイン型、硫酸エステル型及びスルホン酸型等の両性界面活性剤等を使用することができる。
上記アニオン性界面活性剤として、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシルサルフェート、アンモニウムドデシルサルフェート等のアルキルサルフェート類、ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート及びアンモニウムポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート等のポリオキシエチレンエーテルサルフェート類;ナトリウムスルホリシノレート、スルホン化パラフィンのアルカリ金属塩、スルホン化パラフィンのアンモニウム塩等のアルキルスルホン酸塩類;ナトリウムラウレート、トリエタノールアミンオレート、トリエタノールアミンアビエテート等の脂肪酸塩類;ナトリウムベンゼンスルホネート、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サルフェート等のアルキルアリールスルホネート類を使用することができる。さらに、高アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩、ポリオキシエチレンエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸塩、及びN−アシルメチルタウリン塩等も使用することができる。
上記ノニオン性界面活性剤として、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート等の多価アルコールの脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類を使用することができる。さらに炭素数1〜18のアルコールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物、アルキレングリコール及び/又はアルキレンジアミンのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物等も使用することができる。
上記ノニオン性界面活性剤を構成する炭素数1〜18のアルコールは例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、第3ブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、第3アミルアルコール、ヘキサノール、オクタノール、デカンアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、及びステアリルアルコール等である。
上記アルキルフェノールは、例えば、フェノール、メチルフェノール、2,4−ジ第3ブチルフェノール、2,5−ジ第3ブチルフェノール、3,5−ジ第3ブチルフェノール、4−(1,3−テトラメチルブチル)フェノール、4−イソオクチルフェノール、4−ノニルフェノール、4−第3オクチルフェノール、4−ドデシルフェノール、2−(3,5−ジメチルヘプチル)フェノール、4−(3,5−ジメチルヘプチル)フェノール、ナフトール、ビスフェノールA、及びビスフェノールF等である。
上記アルキレングリコールは、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオール等である。
上記アルキレンジアミンは、例えば、先に説明したアルキレングリコールのアルコール性水酸基がアミノ基に置換された化合物である。上記エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加物としては、ランダム付加物とブロック付加物のいずれも使用することができる。
上記カチオン性界面活性剤として例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルピリジニウムブロマイド及びイミダゾリニウムラウレート等を使用することができる。
上記両性界面活性剤として例えば、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチル酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシメチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタイン、ヒドロキシプロピルリン酸の金属塩等のベタイン型両性界面活性剤、β−ラウリルアミノプロピオン酸の金属塩等のアミノ酸型両性界面活性剤、硫酸エステル型両性界面活性剤及びスルホン酸型両性界面活性剤を使用することができる。
入手が容易で安価であることから、乳化剤としてノニオン性界面活性剤が好ましく、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート等の多価アルコールの脂肪酸部分エステル類、炭素数1〜18のアルコールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物がより好ましい。
上記乳化剤の使用量は特に制限されないが、水系ポリウレタン樹脂組成物からなる塗膜の耐水性等の観点から、ウレタンプレポリマー組成物の総量100質量部に対して好ましくは0〜30質量部であり、より好ましくは0〜20質量部である。水系ポリウレタン樹脂組成物からなる塗膜の耐水性を特に重視する場合には乳化剤の使用量を最小限にとどめることが好ましい。
[水系ポリウレタン樹脂組成物の製造(工程3)]
本発明では、上記方法によって得られたウレタンプレポリマー分散液中のウレタンプレポリマーと(d)鎖伸長剤とを反応させて、分散液中にポリウレタン樹脂を生成させる。こうしてポリウレタン樹脂が水に分散した、水系ポリウレタン樹脂組成物が得られる。
本発明では、(d)鎖伸長剤と上記ウレタンプレポリマーとの混合物とを5〜50℃の範囲で、1分〜6時間加熱することによって、ウレタンプレポリマー中に残存したイソシアネート基と(d)鎖伸長剤とを反応させてウレタンプレポリマーを高分子量化する。このようなウレタンプレポリマーの高分子量化により、良好な物性の皮膜を与える水系ポリウレタン樹脂組成物が得られる。
((d)鎖伸長剤)
上記(d)鎖伸長剤としては、通常ポリウレタン樹脂の製造に使用される化合物を制限なく使用することができる。このような(d)鎖伸長剤としては、例えば、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、アミノエチルアミノエタノール、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等の脂環式ジアミン類;m−キシレンジアミン、α−(m/p−アミノフェニル)エチルアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジメチルジフェニルメタン、ジアミノジエチルジフェニルメタン、ジメチルチオトルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等の、芳香族ジアミン類のポリアミンも使用することができる。さらにコハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、1,6−ヘキサメチレンビス(N,N−ジメチルセミカルバジド)、1,1,1’,1’−テトラメチル−4,4’−(メチレン−ジ−パラ−フェニレン)ジセミカルバジド等のヒドラジン類、水加ヒドラジン、及び水も使用することができる。
これらの化合物の中では、ジアミン類、ヒドラジド類、水和ヒドラジン、水が好ましく、エチレンジアミン、アジピン酸ジヒドラジド、水加ヒドラジン、水が特に好ましい。
(d)鎖伸長剤の使用量は特に制限されないが、本発明の水系樹脂組成物からなる塗膜の物性の観点から、鎖伸長反応(工程3)前の(A)ウレタンプレポリマーに含まれるイソシアネート基当量に対する(d)鎖伸長剤に含まれるイソシアネート反応基当量の比が0.1〜1.0の範囲となる量が好ましい。0.1当量より少ない場合は、ウレタンプレポリマーが高分子量化せず、塗膜物性が著しく低下する傾向にあり、1.0当量より多い場合は、水系樹脂組成物中に未反応の(d)鎖伸長剤が残存することによる、貯蔵安定性の低下や、pHの上昇などの諸問題が発生する傾向にある。
(水系ポリウレタン樹脂組成物)
このようにして得られる水系ポリウレタン樹脂組成物は、特定のポリウレタン樹脂を主成分として含む。この特定のポリウレタン樹脂は、上述の(a)ポリカーボネートジオール、(b)ポリイソシアネート、及び(c)アニオン性基導入剤を反応させて得られるウレタンプレポリマーが、水中で上述の(d)鎖伸長剤により高分子量化したものである。このようなポリウレタン樹脂の繰り返し単位は一様でなく、その構造と繰り返し数はバラエティに富む。したがって上記ポリウレタン樹脂の構造は非常に複雑である。このため上記ポリウレタン樹脂の構造を一律にある種の一般式で表すことはできない。したがって、本発明では、上記ポリウレタン樹脂を、「(a)ポリカーボネートジオール、(b)ポリイソシアネート、(c)アニオン性基導入剤の反応生成物であるウレタンプレポリマーと(d)鎖伸長剤との反応で得られるポリウレタン樹脂」という表現で定義せざるをえない。
[一液型水系樹脂組成物の製造(工程4)]
上記水系ポリウレタン樹脂組成物に(e)金属架橋剤を混合することにより、本発明の一液型水系樹脂組成物を製造することができる。
((e)金属架橋剤)
本発明で用いる(e)金属架橋剤は、水系ポリウレタン樹脂組成物中のポリウレタン樹脂と反応して架橋構造を生成する化合物である。このような架橋構造によって、水系ポリウレタン樹脂組成物の物性や諸性能(耐アルカリ性、耐溶剤性など)を向上させることができる。
このような(e)金属架橋剤としては、例えば、酢酸ジルコニウム、プロピオン酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウムアンモニウム、リン酸ジルコニウム等のジルコニウム系化合物;塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、酢酸マグネシウム等のマグネシウム系化合物;塩化カルシウム、過塩素酸カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、リン酸カルシウム、酢酸カルシウム等のカルシウム系化合物;塩化チタン、硫酸チタン等のチタン系化合物;炭酸アンモニウム亜鉛等の亜鉛系化合物;ボレート等のホウ素系化合物;塩化アルミニウム、塩化アルミニウムの水和物、水酸化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物、ミョウバン等のアルミニウム系化合物等が挙げられる。
これらの金属架橋剤の中として、水中でのポリウレタン樹脂との反応性が良好であるという点で、ジルコニウム系化合物が好ましく、炭酸ジルコニウムアンモニウムが特に好ましい。
上記水系ポリウレタン樹脂組成物と(e)金属架橋剤との混合方法は、撹拌を伴う通常の方法であれば、制限されない。上記(e)金属架橋剤の使用量は、水系ポリウレタン樹脂組成物中に含まれるポリウレタン樹脂と金属架橋剤の総量に対して、一般的には0.1〜15質量%である。水系ポリウレタン樹脂組成物の貯蔵安定性と樹脂皮膜にした時の物性のバランスの観点からみて、上記(e)金属架橋剤の使用量は、好ましくは1〜12質量%であり、より好ましくは3〜10質量%である。
(添加剤)
本発明の一液型水系樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で添加剤を添加することができる。添加剤としては一般的な各種の樹脂添加剤を制限なく使用することができる。このような添加剤として例えば、各種耐候剤(ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤及び酸化防止剤)、基材に対する密着性を特に強固にするカップリング剤、カップリング剤以外の密着促進剤、コロイダルシリカ又はコロイダルアルミナ等の無機質コロイドゾル、テトラアルコキシシラン及びその縮重合物、キレート剤、エポキシ化合物、顔料、染料、造膜助剤、硬化剤、外部架橋剤、粘度調整剤、レベリング剤、消泡剤、凝固防止剤、ラジカル捕捉剤、耐熱性付与剤、無機又は有機の充填剤、可塑剤、滑剤、フッ素系又はシロキサン系等の帯電防止剤、補強剤、触媒、揺変剤、ワックス類、防曇剤、抗菌剤、防カビ剤、防腐触剤、及び防錆剤等を使用することができる。
上記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5 ’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第3オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第3ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第3ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第3オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−第3ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2−[2−ヒドロキシ−3−(2−アクリロイルオキシエチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第3ブチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第3オクチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第3ブチルフェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−第3ブチル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−第3アミル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−第3ブチル−5−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシメチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]ベンゾトリアゾール等の2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(3−C12〜C13混合アルコキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシ−3−アリルフェニル)‐4,6‐ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−ヘキシロキシフェニル)−1,3,5‐トリアジン等の2−(2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジアリール−1,3,5−トリアジン類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第3ブチルフェニル−3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、テトラデシル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ベヘニル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;及び各種の金属塩又は金属キレート例えばニッケル又はクロムの塩又はキレート類等が使用される。
上記酸化防止剤としては、リン系抗酸化剤、フェノール系抗酸化剤、硫黄系抗酸化剤を使用することができる。リン系抗酸化剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第3ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,5−ジ第3ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第3ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェニルオクチルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)−1,4−シクロヘキサンジメチルジホスファイト、ビス( 2,4−ジ第3ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,5−ジ第3ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第3ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12アルキル〜C15アルキルの混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、ビス[2,2’−メチレンビス(4,6−ジアミルフェニル)]−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、テトラトリデシル−4,4’−ブチリデンビス(2−第3ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−5−第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第3ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、トリス(2−[(2,4,7,9−テトラキス第3ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ]エチル)アミン、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、トリス(2−[(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ]エチル アミン、2−(1,1−ジメチルエチル)−6−メチル−4− [3−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d, f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]プロピル]フェノール、及び2−ブチル−2−エチルプロパンジオール−2,4,6−トリ第3ブチルフェノールモノホスファイト等を使用することができる。
上記フェノール系抗酸化剤としては、例えば、2,6−ジ第3ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリデシル・3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオアセテート、チオジエチレンビス[(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−チオビス(6−第3ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第3ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第3ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(2,6−ジ第3ブチルフェノール) 、4,4’−ブチリデンビス(6−第3ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第3ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3ブチルフェニル)ブタン、ビス[2−第3ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第3ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第3ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ第3ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2−第3ブチル−4−メチル−6−(2−アクロイルオキシ−3−第3ブチル−5−メチルベンジル) フェノール、3,9−ビス[2−(3−第3ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルヒドロシンナモイルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチレングリコールビス[β−(3−第3ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、及びトコフェロール等を使用することができる。
上記硫黄系抗酸化剤としては、例えば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ミリスチルステアリル、ジステアリルエステル等のジアルキルチオジプロピオネート類、及び、ペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等の、ポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類を使用することができる。
上記耐候剤(ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤及び酸化防止剤)の使用量は、水系ポリウレタン樹脂組成物の固形分100質量部に対して好ましくは0.001〜10質量部、より好ましくは0.01〜5質量部である。上記耐候剤の量が上記固形分100質量部に対して0.001質量部より少ないと充分な添加効果を得られない場合がある。上記耐候剤の量が上記固形分100質量部に対して10質量部より多いと、水分散安定性や塗膜物性に悪影響を及ぼす恐れがある。
これらの耐候剤を添加する方法としては、ウレタン原料のポリオールに添加する方法、ウレタンプレポリマーに添加する方法、ウレタンプレポリマーの水分散時における水相に添加する方法、水分散後に添加する方法の何れでも良い。操作が容易であるという点では、原料ポリオールに添加する方法及びウレタンプレポリマーに添加する方法が好ましい。
上記カップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−N’−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ−n−ドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリロイルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラキス(2−エチルヘキシル)チタネート、テトラステアリルチタネート、テトラメチルチタネート、ジエトキシビス(アセチルアセトナト)チタン、ジイソプロピルビス(アセチルアセトナト)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン、イソプロポキシ(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、ジ(2−エチルヘキソキシ)ビス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、テトラアセチルアセトネートチタン、ヒドロキシビス(ラクタト)チタン、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等のチタンカップリング剤;ジルコニウムトリブトキシステアレート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル)ブチルジ(ジトリデシル)ホスフィトジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシトリネオデカノイルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシトリ(ドデシル)ベンゼン−スルホニルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシトリ(ジオクチル)ホスファトジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシトリ(ジオクチル)ピロ−ホスファトジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシトリ(N−エチレンジアミノ)エチルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシトリ(m−アミノ)フェニルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシトリメタクリルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシトリアクリルジルコネート、ジネオペンチル(ジアリル)オキシジパラアミノベンゾイルジルコネート、ジネオペンチル(ジアリル)オキシジ(3−メルカプト)プロピルジルコネート、テトラノルマルプロポキシジルコニウム、テトラノルマルブトキシジルコニウム、ジルコニウム2,2−ビス(2−プロペノラトメチル)ブチラート,ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムジブトキシビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムトリブトキシエチルアセトアセテート、ジルコニウムモノブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)等のジルコニウム系カップリング剤を挙げることができる。
これらのカップリング剤の中でも、金属表面への密着性を向上させる点、及び水系ポリウレタン樹脂組成物の相溶性の点から、シランカップリング剤を使用することが好ましく、ウレタン樹脂骨格にカップリングする官能基を組み込めるという点で、アミノ基を含有するシランカップリング剤を使用することがより好ましい。
上記カップリング剤の使用量は有効量以上であれば特に制限されないが、(a)ポリカーボネートジオール、(b)ポリイソシアネート、(c)アニオン性基導入剤、及び任意に配合される、活性水素を含有する化合物、触媒、添加剤の総量に対して、好ましくは0.01〜1質量%、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。
上記カップリング剤以外の密着促進剤としては、例えば、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアゾール−2−チオン、2−メルカプト−5−メチルチオ−チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、アミノ基含有ベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらの中では、好ましくはベンゾトリアゾールが使用される。
上記カップリング剤以外の密着促進剤の使用量は有効量以上であれば特に制限されないが、(a)ポリカーボネートジオール、(b)ポリイソシアネート、(c)アニオン性基導入剤、及び任意に配合される、活性水素を含有する化合物、触媒、添加剤の総量に対して、好ましくは0.01〜1質量%、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。
(一液型水系樹脂組成物)
このように、上記水系ウレタン樹脂組成物、上記(e)金属架橋剤、任意に上記添加剤とを混合することにより、最終的に、本発明の一液型水系樹脂組成物が得られる。本発明の一液型水系樹脂組成物は、時間がたつにつれて、金属架橋剤が分離したり、ウレタン樹脂がゲル化したりすることなく、貯蔵安定性が良好である。このため、本発明の一液型水系樹脂組成物を塗料として使用する場合には、施工直前に金属架橋剤を秤量してこれに混合する必要がなく、直接被塗布物に適用することができる。従って本発明の一液型水系樹脂組成物は取り扱い性に優れ、品質の安定した塗料として利用される。
[用途]
本発明の一液型水系樹脂組成物は、例えば、感熱紙のコート剤、インクジェット記録紙のコート剤、印刷インクのバインダー剤、鋼板用コート剤、農業用フィルム用コート剤、ガラス、スレート、コンクリート等無機系構造材用塗料、木工塗料、繊維処理剤等の、基材に対するコーティング剤に使用することができる。これらの中では、コンクリート等無機系構造材用塗料として好ましく使用される。
本発明の水系樹脂組成物を用いてなるコーティング剤の塗装方法としては、例えば、ハケ塗り、ローラーコート、スプレーコート、グラビアコート、リバースロールコート、エアナイフコート、バーコート、カーテンロールコート、ディップコート、ロッドコート、ドクターブレートコート等のいずれの手段であっても良い。本発明の水系樹脂組成物は適宜これらから選択した手段によって基材に塗布される。
以下本発明を実施例により、具体的に説明する。尚、以下の実施例等において%は特に記載が無い限り質量基準である。実施例、比較例で使用した原料を以下に示す。
(ポリオール)
・UH−200:1,6−ヘキサンジオールベースの数平均分子量2000の(a)ポリカーボネートジオール、宇部興産(株)製
・S−6002:1,6−ヘキサンジオールベースの数平均分子量2000の(a)ポリカーボネートジオール、旭化成ケミカルズ(株)製
・G−3452:1,3−プロパンジオールと1,4−ブタンジオールベースの数平均分子量2000の(a)ポリカーボネートジオール:旭化成ケミカルズ(株)製
・Y9−10:ネオペンチルグリコールとアジピン酸の縮合物である数平均分子量1000のポリエステルジオール(比較用)、(株)ADEKA製
・Poly−THF1000:数平均分子量1000のポリテトラエチレンエーテルグリコール(比較用)
((b)ポリイソシアネート)
・H−MDI:4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート
・IPDI:イソホロンジイソシアネート
((c)アニオン性基導入剤)
・DMPA:ジメチロールプロピオン酸
((d)鎖伸長剤)
・EDA:エチレンジアミン
(架橋剤)
・AZC:炭酸ジルコニウムアンモニウム(2(NH).CZr):(e)金属架橋剤
・V−02−L2:40%ポリカルボジイミド系架橋剤含有水溶液、日清紡ケミカル(株)製(比較用)
(溶剤及び添加剤)
・NMP:N−メチルピロリドン
・SE−21:シリコーン系消泡剤、旭化成ワッカーシリコーン(株)社製
・スラオフ620:防腐剤、武田薬品工業(株)製
実施例で得られた水系樹脂組成物は、貯蔵安定性、耐食性、耐薬品性、耐アルカリ性について、以下の方法により評価した。
(貯蔵安定性)
500mlのガラス瓶に一液型水系樹脂組成物を入れ、50℃、2週間静置させ、目視にて外観の変化を評価した。評価結果を以下の基準で判定した。
合格:外観に変化はなく、均一な溶液の状態が維持されている。
不合格:溶液に不均一性が観察された。あるいは、一部以上のゲル化が観察された。
(耐食性)
一液型水系樹脂組成物を、未処理の電気亜鉛メッキ鋼板上に1μm厚で塗布した。これを300℃の雰囲気下で3秒加熱置いて、鋼板の最高到達温度が80℃となるように加熱した。こうしてウレタン樹脂皮膜が付着した試験片を得た。この試験片について、JIS Z 2371に準拠した塩水噴霧処理(SST)を24時間行った。この処理を経た試験片の錆発生状況を観察し、下記の評価基準で評価した。
A:錆発生面積が5%未満
B:錆発生面積が5%以上50%未満
C:錆発生面積が50%以上
(耐薬品性)
上記耐食性評価で作成した試験片と同じものをラビングテスター(FR−II;スガ試験機(株)製)に設置し、エタノールを含浸させた脱脂綿を200g荷重で20往復擦った。この処理の前後の試験片のウレタン皮膜の色調を示すL値を分光測色計(CM−3700d:コニカミノルタジャパン(株)製)で測定した。試験片の皮膜の耐薬品性について、処理前後のL値の差ΔLを以下の基準で判定した。
A:特に良い。ΔLが0.2未満
B:良い。ΔLが0.2以上2.0未満
C:悪い。△Lが2.0以上
(耐アルカリ性)
上記耐食性評価で作成した試験片と同じものを60℃の1%水酸化ナトリウム水溶液に1分間浸漬した。この処理の前後のウレタン皮膜の変化を下記の評価基準で評価した。
A:良い。皮膜の変化がない。
B:やや悪い。皮膜全体の50%未満が剥離している。
C:悪い。皮膜全体の50%以上が剥離している。
[実施例1]
ジムロート、撹拌羽根、窒素ラインを装着した5つ口セパラブル丸底フラスコに、UH−200を204g、H−MDIを103g、ジメチロールプロピオン酸を19.5g、NMPを144.8g加え、120℃、4時間反応させ、NMP入りのウレタンプレポリマーを製造した。NMP入りのウレタンプレポリマーの酸価を測定したところ、17.5mgKOH/gであった。この酸価の値は、NMPが含まれるため、実際のウレタンプレポリマー単独の酸価は、計算値で25mgKOH/gとなる。
2Lのディスポカップに、40℃の水を527.9g、トリエチルアミンを14.7g、SE−21を0.3g加え、ディスパーで5分間撹拌した後、上記ウレタンプレポリマー452.6gを、2分間かけて加え、30分間撹拌を行った。その後、エチレンジアミン/水=1/3(質量比)の水溶液を19.6g加え、さらに30分間撹拌を行った。その後、スラオフ620を1.8g加え、10分間撹拌させ、さらに、13%炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液を133.6g(ポリウレタン樹脂成分と炭酸ジルコニウムアンモニウムとの合計質量に対して5%量の炭酸ジルコニウムアンモニウムに相当する量)加え、10分撹拌させ、一液型水系樹脂組成物A−1を得た。得られたA−1の貯蔵安定性、耐食性、耐薬品性、耐アルカリ性の評価を表1に示す。
[実施例2]
13%炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液の添加量を282.1g(ポリウレタン樹脂成分と炭酸ジルコニウムアンモニウムとの合計質量に対して10%量の炭酸ジルコニウムアンモニウムに相当する量)に変更したこと以外は、実施例1と同様に行い、一液型水系樹脂組成物A−2を得た。得られたA−2の貯蔵安定性、耐食性、耐薬品性、耐アルカリ性の評価を表1に示す。
[実施例3]
13%炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液の添加量を78.5g(ポリウレタン樹脂成分と炭酸ジルコニウムアンモニウムとの合計質量に対して3%量の炭酸ジルコニウムアンモニウムに相当する量)に変更したこと以外は、実施例1と同様に行い、一液型水系樹脂組成物A−3を得た。得られたA−3の貯蔵安定性、耐食性、耐薬品性、耐アルカリ性の評価を表1に示す。
[実施例4]
ジムロート、撹拌羽根、窒素ラインを装着した5つ口セパラブル丸底フラスコに、S−6002を730g、IPDIを217.7g、ジメチロールプロピオン酸を35.2g、NMPを393.5g加え、120℃、4時間反応させ、その後、反応系を60℃に冷却し、トリエチルアミンを26.5g加え、NMP入りのウレタンプレポリマーを製造した。トリエチルアミン添加前のNMP入りのウレタンプレポリマーの酸価を測定したところ、10.5mgKOH/gであった。この酸価の値は、NMPが含まれるため、実際のトリエチルアミン添加前のウレタンプレポリマー単独の酸価は、計算値で15mgKOH/gとなる。
5Lのディスポカップに、40℃の水を1277g、SE−21を0.8g加え、ディスパーで5分間撹拌した後、上記ウレタンプレポリマー1277gを、5分間かけて加え、30分間撹拌を行った。その後、エチレンジアミン/水=1/3(質量比)の水溶液を49.3g、加え、さらに30分間撹拌を行った。その後、13%炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液を416.9g(ポリウレタン樹脂成分と炭酸ジルコニウムアンモニウムとの合計質量に対して5%量の炭酸ジルコニウムアンモニウムに相当する量)加え、10分撹拌させ、一液型水系樹脂組成物A−4を得た。得られたA−4の貯蔵安定性、耐食性、耐薬品性、耐アルカリ性の評価を表1に示す。
[実施例5]
ジムロート、撹拌羽根、窒素ラインを装着した5つ口セパラブル丸底フラスコに、G−3452を550g、IPDIを162.7g、ジメチロールプロピオン酸を35.2g、NMPを297g加え、120℃、4時間反応させ、その後、反応系を60℃に冷却し、トリエチルアミンを19.9g加え、NMP入りのウレタンプレポリマーを製造した。トリエチルアミン添加前のNMP入りのウレタンプレポリマーの酸価を測定したところ、10.5mgKOH/gであった。この酸価の値は、NMPが含まれるため、実際のトリエチルアミン添加前のウレタンプレポリマー単独の酸価は、計算値で15mgKOH/gとなる。
2Lのディスポカップに、40℃の水を449.7g、トリエチルアミンを1.5g、SE−21を0.1g加え、ディスパーで5分間撹拌した後、上記ウレタンプレポリマー449.7gを、5分間かけて加え、30分間撹拌を行った。その後、エチレンジアミン/水=1/3(質量比)の水溶液を15.9g加え、さらに30分間撹拌を行った。その後、13%炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液を144.1g(ポリウレタン樹脂成分と炭酸ジルコニウムアンモニウムとの合計質量に対して5%量の炭酸ジルコニウムアンモニウムに相当する量)加え、10分撹拌させ、一液型水系樹脂組成物A−5を得た。得られたA−5の貯蔵安定性、耐食性、耐薬品性、耐アルカリ性の評価を表1に示す。
[比較例1]
ジムロート、撹拌羽根、窒素ラインを装着した5つ口セパラブル丸底フラスコに、Y9−10を400g、H−MDIを408g、ジメチロールプロピオン酸を58.9g、NMPを387g加え、120℃、4時間反応させ、その後、反応系を60℃に冷却し、トリエチルアミンを44.7g加え、NMP入りのウレタンプレポリマーを製造した。トリエチルアミン添加前のNMP入りのウレタンプレポリマーの酸価を測定したところ、19mgKOH/gであった。この酸価の値は、NMPが含まれるため、実際のトリエチルアミン添加前のウレタンプレポリマー単独の酸価は、計算値で28.4mgKOH/gとなる。
5Lのディスポカップに、40℃の水を1501g、トリエチルアミンを16g、SE−21を2.7g加え、ディスパーで5分間撹拌した後、上記ウレタンプレポリマー1295gを、5分間かけて加え、30分間撹拌を行った。その後、エチレンジアミン/水=1/3(質量比)の水溶液を81.1g加え、さらに30分間撹拌を行った。さらに、13%炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液を365.7g(ポリウレタン樹脂成分と炭酸ジルコニウムアンモニウムとの合計質量に対して5%量の炭酸ジルコニウムアンモニウムに相当する量)加え、10分撹拌させ、一液型水系樹脂組成物B−1を得た。得られたB−1の貯蔵安定性、耐食性、耐薬品性、耐アルカリ性の評価を表1に示す。
[比較例2]
ジムロート、撹拌羽根、窒素ラインを装着した5つ口セパラブル丸底フラスコに、Poly−THF1000を145.3g、H−MDIを132.5g、ジメチロールプロピオン酸を19.2g、NMPを134.8g加え、120℃、4時間反応させ、その後、反応系を60℃に冷却し、トリエチルアミンを14.7g加え、NMP入りのウレタンプレポリマーを製造した。トリエチルアミン添加前のNMP入りのウレタンプレポリマーの酸価を測定したところ、18mgKOH/gであった。この酸価の値は、NMPが含まれるため、実際のトリエチルアミン添加前のウレタンプレポリマー単独の酸価は、計算値で27.1mgKOH/gとなる。
2Lのディスポカップに、40℃の水を525.6g、トリエチルアミンを4.4g、SE−21を1g加え、ディスパーで5分間撹拌した後、上記ウレタンプレポリマー445.8gを、5分間かけて加え、30分間撹拌を行った。その後、エチレンジアミン/水=1/3(質量比)の水溶液を18.1g加え、さらに30分間撹拌を行った。さらに、13%炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液を124.4g(ポリウレタン樹脂成分と炭酸ジルコニウムアンモニウムとの合計質量に対して5%量の炭酸ジルコニウムアンモニウムに相当する量)加え、10分撹拌させ、一液型水系樹脂組成物B−2を得た。得られたB−2の貯蔵安定性、耐食性、耐薬品性、耐アルカリ性の評価を表1に示す。
[比較例3]
13%炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液の代わりに、V−02−L2を43.4g(ポリウレタン樹脂成分とV−02−L2中の有効成分との合計質量に対して3%量のV−02−L2中の有効成分に相当する量)に変更したこと以外は、実施例1と同様に行い、一液型水系樹脂組成物B−3を得た。得られたB−3の貯蔵安定性、耐食性、耐薬品性、耐アルカリ性の評価を表1に示す。
[比較例4]
13%炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様に行い、一液型水系樹脂組成物B−4を得た。得られたB−4の貯蔵安定性、耐食性、耐薬品性、耐アルカリ性の評価を表1に示す。
Figure 2018080243
表1が示すように、本発明の一液型水系樹脂組成物は、耐食性、耐薬品性、耐アルカリ性に優れた性能を有し、また、貯蔵安定性にも優れている。
これに対して、ウレタンプレポリマーの原料としてポリカーボネートジオールでないポリオールを用いた比較例1、2では、一液型水系樹脂組成物に含まれる金属架橋剤が一液型水系樹脂組成物の保管中に沈降した。このような一液型水系樹脂組成物は貯蔵安定性が劣るため、塗料として使用する直前に調製する必要があり、作業性に欠ける。
また、一液型水系樹脂組成物に添加された架橋剤が本発明の金属架橋剤でない比較例3、一液型水系樹脂組成物に架橋剤を配合しなかった比較例4では、耐食性、耐薬品性、耐アルカリ性の何れかが劣る。このような一液型水系樹脂組成物から得られる塗膜は品質が悪く、このような一液型水系樹脂組成物は塗料に適さない。
このように、本発明では、特定のポリオールすなわち(a)ポリカーボネートジオールを原料とするウレタン樹脂の水分散液に特定の安定化剤すなわち(e)金属架橋剤を配合することによって、長期間品質が安定し、かつ耐久性のある塗膜を与える一液型水系樹脂組成物を製造することができる。
本発明の一液型水系樹脂組成物は、耐食性、耐薬品性、耐アルカリ性に優れ、また経時での貯蔵安定性にも優れることから、作業性も良い樹脂組成物である。本発明の一液型水系樹脂組成物は、ガラス、スレート、コンクリートなどの無機基材や、木材、プラスチックなどの有機基材を保護するコーティング剤として広く使用することができ、産業上極めて有用である。

Claims (10)

  1. (a)ポリカーボネートジオール、(b)ポリイソシアネート、(c)アニオン性基導入剤の反応生成物であるウレタンプレポリマーと(d)鎖伸長剤との反応で得られるポリウレタン樹脂、及び、(e)金属架橋剤、水を含有する、一液型水系樹脂組成物。
  2. 上記(a)ポリカーボネートジオールが、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオールから選択される1種以上のジオールをベースとするポリカーボネートジオールであり、上記(e)金属架橋剤がジルコニウム系化合物から選択される1種以上の化合物である、請求項1に記載の一液型水系樹脂組成物。
  3. (b)ポリイソシアネートが、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及び4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートから選択される1種以上の化合物である、請求項1または2に記載の一液型水系樹脂組成物。
  4. (c)アニオン性基導入剤が、カルボキシル基を含有するポリオール類から選択される1種以上の化合である、請求項1〜3の何れかに記載の一液型水系樹脂組成物。
  5. (d)鎖伸長剤が、ジアミン類、ヒドラジド類、水和ヒドラジン、水から選択される1種以上の化合物である、請求項1〜4の何れかに記載の一液型水系樹脂組成物。
  6. (e)金属架橋剤の含有量がポリウレタン樹脂と(e)金属架橋剤の合計量に対して0.1〜15質量%である、請求項1〜5の何れかに記載の一液型水系樹脂組成物。
  7. 50℃で2週間の保管で目視による外観変化が認められない、請求項1〜6の何れかに記載の一液型水系樹脂組成物。
  8. コーティング用である、請求項1〜7の何れかに記載の一液型水系樹脂組成物。
  9. 以下の工程1〜4を含む、請求項1〜8の何れかに記載の一液型水系樹脂組成物の製造方法。
    (工程1)(a)ポリカーボネートジオール、(b)ポリイソシアネート、及び(c)アニオン性基導入剤を反応させてウレタンプレポリマーを製造する工程、
    (工程2)上記ウレタンプレポリマーを水中に分散させる工程、
    (工程3)水分散液中の上記ウレタンプレポリマーを(d)鎖伸長剤と反応させてポリウレタン樹脂を合成し、10〜70質量%の濃度でポリウレタン樹脂を含む水系ポリウレタン樹脂組成物を製造する工程、
    (工程4)上記水系ポリウレタン樹脂組成物に(e)金属架橋剤を混合して一液型水系樹脂組成物を製造する工程。
  10. 請求項1〜8の何れかに記載の一液型水系樹脂組成物からなる、塗料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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