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JP2015103657A - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents

光電変換装置の製造方法 Download PDF

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JP2015103657A
JP2015103657A JP2013243036A JP2013243036A JP2015103657A JP 2015103657 A JP2015103657 A JP 2015103657A JP 2013243036 A JP2013243036 A JP 2013243036A JP 2013243036 A JP2013243036 A JP 2013243036A JP 2015103657 A JP2015103657 A JP 2015103657A
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Ken Kitayama
賢 北山
康太郎 谷川
Kotaro Tanigawa
康太郎 谷川
順次 荒浪
Junji Aranami
順次 荒浪
誠一郎 稲井
Seiichiro Inai
誠一郎 稲井
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Abstract

【課題】 光電変換効率の高い光電変換装置を提供する。
【解決手段】 光電変換装置11の製造方法は、電極層2上に、11族元素および13族元素が有機錯体の状態で溶解した原料溶液を用いて皮膜Mを形成し、皮膜Mをカルコゲン元素を含む雰囲気で加熱することによってI−III−VI族化合物半導体層3にする光電変
換装置11の製造方法であって、皮膜Mの厚みの中央よりも電極層2側に位置する部位を第1部位M1とし、残部を第2部位M2としたときに、13族元素の原子濃度CIIIに対
する11族元素の原子濃度Cの比率C/CIIIを第2部位M2よりも第1部位M1の
方で大きくなるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、I−III−VI族化合物半導体層を用いた光電変換装置の製造方法に関するも
のである。
太陽光発電等に使用される光電変換装置として、CISやCIGS等といったカルコパイライト構造のI−III−VI族化合物半導体によって光吸収層が形成されたものがある。
カルコパイライト構造のI−III−VI族化合物半導体は、光吸収係数が高く、光電変換装
置の薄型化と大面積化と製造コストの抑制とに適しており、カルコパイライト構造のI−III−VI族化合物半導体を用いた次世代太陽電池の研究開発が進められている。
このような光電変換装置は、ガラス等の基板の上に、Mo等の下部電極層と、光吸収層と、イオウ含有亜鉛混晶化合物等のバッファ層と、ZnO等の上部電極層とが、この順に積層されて構成されている(特許文献1参照)。
近年、光電変換装置のさらなる低コスト化が望まれており、I−III−VI族化合物半導体層を容易に作製する方法が検討されている。特許文献2では、11族元素の有機金属塩と13族元素の有機金属塩とを有機溶媒に溶解した溶液を基板上に塗布して皮膜を形成し、この皮膜を16族元素が存在する非酸化性雰囲気で加熱することによってI−III−VI族
化合物半導体層を形成することが記載されている。これによって、高コストの真空成膜装置を用いることなく、容易に半導体層を作製することが可能となる。
特開平8−330614号公報 特開2001−274176号公報
しかしながら、上記のような方法では、皮膜を加熱する際、雰囲気気体と接する皮膜の上面部では雰囲気中の16族元素との反応が良好に進行するため、良好に結晶化が進行するものの、皮膜の下面部では雰囲気中の16族元素との反応が起こり難く、結晶化が進行し難くなる。そのため、生成するI−III−VI族化合物半導体層の上面側の部位に比べ、
下面側の部位の結晶の平均粒径は小さくなる。その結果、光電変換効率を十分に高めることが困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、光電変換効率の高い光電変換装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る光電変換装置の製造方法は、電極層上に、11族元素および13族元素が有機錯体の状態で溶解した原料溶液を用いて皮膜を形成し、該皮膜をカルコゲン元素を含む雰囲気で加熱することによってI−III−VI族化合物半導体層にする光電変換
装置の製造方法であって、前記皮膜の厚みの中央よりも前記電極層側に位置する部位を第1部位とし、残部を第2部位としたときに、13族元素の原子濃度CIIIに対する11族
元素の原子濃度Cの比率C/CIIIを前記第2部位よりも第1部位の方で大きくなる
ようにする。
本発明によれば、光電変換装置の光電変換効率を高めることができる。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法を用いて作製した光電変換装置の一例を示す斜視図である。 図1の光電変換装置の断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。 光電変換装置の製造途中の様子の他の例を示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、図面においては同様な構成および機能を有する部分については同一符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。また、図面は模式的に示されたものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は正確に図示されたものではない。
<(1)光電変換装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法を用いて作製した光電変換装置11の一例を示す斜視図である。図2は、図1の光電変換装置11のXZ断面図である。なお、図1から図8には、光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。
光電変換装置11は、基板1の上に複数の光電変換セル10が並設された構成を有している。図1では、図示の都合上、2つの光電変換セル10のみが示されているが、実際の光電変換装置11には、図面のX軸方向、或いは更に図面のY軸方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配列されている。
各光電変換セル10は、下部電極層2、I−III−VI族化合物半導体層3(以下では、
I−III−VI族化合物半導体層のことを第1の半導体層ともいう)、第2の半導体層4、
上部電極層5、および集電電極7を主に備えている。光電変換装置11では、上部電極層5および集電電極7が設けられた側の主面が受光面となっている。また、光電変換装置11には、第1〜3溝部P1,P2,P3といった3種類の溝部が設けられている。
基板1は、複数の光電変換セル10を支持するものであり、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂、または金属等の材料で構成されている。例えば、基板1として、1〜3mm程度の厚さを有する青板ガラス(ソーダライムガラス)が用いられてもよい。
下部電極層2は、基板1の一主面の上に設けられた導電層であり、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、または金(Au)等の金属、あるいはこれらの金属の積層構造体からなる。また、下部電極層2は、0.2〜1μm程度の厚さを有し、例えば、スパッタリング法または蒸着法等の公知の薄膜形成方法によって形成される。
光吸収層としてのI−III−VI族化合物半導体層3(第1の半導体層3)は、下部電極
層2の+Z側の主面(一主面ともいう)の上に設けられた、第1の導電型(ここではp型の導電型)を有する半導体層であり、1〜3μm程度の厚さを有している。第1の半導体層3はカルコパイライト構造を有するI−III−VI族化合物を含む半導体層である。I−III−VI族化合物とは、11族(I−B族元素ともいう)と、13族元素(III−B族元素
ともいう)と、16族元素(VI−B族元素ともいう)とを含んだ化合物である。第1の半導体層3がp型の導電型を有する半導体層である場合、第1の半導体層3に主として含まれるI−III−VI族化合物は、11族元素をM、13族元素をMIII、16族元素をMVIとしたときにMIIII VI (Xは0.9〜1.8、Yは1.7〜3.3)と表わすことができる。なお、Mは複数種の11族元素が含まれていてもよい。MIIIも複数種の
13族元素が含まれていてもよい。MVIも複数種の16族元素が含まれていてもよい。
このようなI−III−VI族化合物の具体例としては、Cu(In,Ga)(Se,S)
(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)、CuIn(Se,S)(二セレン・イオウ化銅インジウム、CISSともいう)、CuGa(Se,S)(二セレン・イオウ化銅ガリウム、CGSSともいう)等が挙げられる。
第2の半導体層4は、第1の半導体層3の一主面の上に設けられた半導体層である。この第2の半導体層4は、第1の半導体層3の導電型とは異なる導電型(ここではn型の導電型)を有している。第1の半導体層3と第2の半導体層4との接合によって、第1の半導体層3で光電変換されて生じた正負キャリアが良好に電荷分離される。なお、導電型が異なる半導体とは、伝導担体(キャリア)が異なる半導体のことである。また、上記のように第1の半導体層3の導電型がp型である場合、第2の半導体層4の導電型は、n型でなく、i型であっても良い。更に、第1の半導体層3の導電型がn型またはi型であり、第2の半導体層4の導電型がp型である態様も有り得る。
第2の半導体層4は、例えば、硫化カドミウム(CdS)、硫化インジウム(In)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、セレン化インジウム(InSe)、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等の化合物半導体によって構成されている。そして、電流の損失が低減される観点から言えば、第2の半導体層4は、1Ω・cm以上の抵抗率を有するものとすることができる。なお、第2の半導体層4は、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法等で形成される。
また、第2の半導体層4は、第1の半導体層3の一主面の法線方向に厚さを有する。この厚さは、例えば10〜200nmに設定される。
上部電極層5は、第2の半導体層4の上に設けられた透明導電膜であり、第1の半導体層3において生じた電荷を取り出す電極である。上部電極層5は、第2の半導体層4よりも低い抵抗率を有する物質によって構成されている。上部電極層5には、いわゆる窓層と呼ばれるものも含まれ、この窓層に加えて更に透明導電膜が設けられる場合には、これらが一体の上部電極層5とみなされても良い。
上部電極層5は、禁制帯幅が広く且つ透明で低抵抗の材料を主に含んでいる。このような材料としては、例えば、ZnO、InおよびSnO等の金属酸化物半導体等が採用され得る。これらの金属酸化物半導体には、Al、B、Ga、InおよびF等のうちの何れかの元素が含まれても良い。このような元素が含まれた金属酸化物半導体の具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、BZO(Boron Zinc Oxide)、G
ZO(Gallium Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
上部電極層5は、スパッタリング法、蒸着法、または化学的気相成長(CVD)法等によって、0.05〜3.0μmの厚さを有するように形成される。ここで、第1の半導体層3から電荷が良好に取り出される観点から言えば、上部電極層5は、1Ω・cm未満の抵抗率と、50Ω/□以下のシート抵抗とを有するものとすることができる。
第2の半導体層4および上部電極層5は、第1の半導体層3が吸収する光の波長領域に対して光を透過させ易い性質(光透過性ともいう)を有する素材によって構成され得る。これにより、第2の半導体層4と上部電極層5とが設けられることで生じる、第1の半導体層3における光の吸収効率の低下が低減される。
また、光透過性が高められると同時に、光反射のロスが防止される効果と光散乱効果とが高められ、更に光電変換によって生じた電流が良好に伝送される観点から言えば、上部電極層5は、0.05〜0.5μmの厚さとなるようにすることができる。更に、上部電極層5と第2の半導体層4との界面で光反射のロスが低減される観点から言えば、上部電極層5と第2の半導体層4との間で絶対屈折率が略同一となるようにすることができる。
集電電極7は、Y軸方向に離間して設けられ、それぞれがX軸方向に延在している。集電電極7は、導電性を有する電極であり、例えば、銀(Ag)等の金属からなる。
集電電極7は、第1の半導体層3において発生して上部電極層5において取り出された電荷を集電する役割を担う。集電電極7が設けられれば、上部電極層5の薄層化が可能となる。
集電電極7および上部電極層5によって集電された電荷は、第2溝部P2に設けられた接続導体6を通じて、隣の光電変換セル10に伝達される。接続導体6は、例えば、図2に示されるように集電電極7のY軸方向への延在部分によって構成されている。これにより、光電変換装置11においては、隣り合う光電変換セル10の一方の下部電極層2と、他方の集電電極7とが、第2溝部P2に設けられた接続導体6を介して電気的に直列に接続されている。なお、接続導体6は、これに限定されず、上部電極層5の延在部分によって構成されていてもよい。
集電電極5は、良好な導電性が確保されつつ、第1の半導体層3への光の入射量を左右する受光面積の低下が最小限にとどめられるように、50〜400μmの幅を有するものとすることができる。
<(2)光電変換装置の製造方法>
図3から図8は、光電変換装置11の製造途中の様子をそれぞれ模式的に示す断面図である。なお、図3から図8で示される各断面図は、図2で示された断面に対応する部分の製造途中の様子を示す。
まず、洗浄された基板1の略全面に、スパッタリング法等を用いて、Mo等からなる下部電極層2を成膜する。そして、下部電極層2の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の基板1の上面にかけて、第1溝部P1を形成する。第1溝部P1は、例えば、YAGレーザー等によるレーザー光を走査しつつ形成対象位置に照射することで溝加工を行なう、レーザースクライブ加工によって形成することができる。図3は、第1溝部P1を形成した後の状態を示す図である。
第1溝部P1を形成した後、下部電極層2の上に、11族元素および13族元素が有機錯体の状態で溶解した原料溶液を用いて皮膜Mを形成する。このとき、皮膜Mの厚みの中央よりも下部電極層2側に位置する部位を第1部位M1とし、残部を第2部位M2とした
ときに、13族元素の原子濃度CIIIに対する11族元素の原子濃度Cの比率C/CIIIを第2部位M2よりも第1部位M1の方で大きくなるようにする。図4は皮膜Mを形成した後の状態を示す図である。
このような皮膜Mを、カルコゲン元素を含む雰囲気で加熱することによって、光電変換効率の高い第1の半導体層3を得ることができる。これは以下の理由による。11族元素と13族元素と16族元素とが反応する場合、13族元素に対する11族元素の比率(比率C/CIII)が高いほど液相の11族元素と16族元素との化合物(例えば、セレン
化銅等)が生成し易くなる。このような液相が多いと液相がフラックスとして働き、11族元素、13族元素および16族元素からなる化合物の融点を下げることで結晶化が促進される。そのため、第1部位M1において比率C/CIIIを比較的高くしておくことに
よって、雰囲気中のカルコゲン元素と接触し難い第1部位M1においても結晶粒径を大きくすることができる。一方、第2部位M2においては比率C/CIIIを第1部位M1よ
りも低くしておくことによって、第1部位M1中の11族元素を拡散し易くして、第1部位M1に11族元素が過度に含有された状態となるのを低減し、第1の半導体層3の厚み方向の全体において、良好な含有率になるようにすることができる。ここでカルコゲン元素とは16族元素のうち、酸素(O)を除く、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)のことである。
このような皮膜Mは、例えば以下のようにして作製することができる。まず、比率C/CIIIを変えた少なくとも2種類の原料溶液を作製する。なお、この原料溶液は、11
族元素および13族元素が有機錯体の状態で溶解している。有機錯体は、孤立電子対を持つ基を有した有機配位子が金属元素に配位した化合物である。このような有機配位子としては、カルボキシル基、アルコキシ基、チオール基またはセレノール基等を有する化合物や、アセチルアセトン系化合物等が挙げられる。また、原料溶液に用いられる溶媒は、上記有機配位子が溶解可能な溶媒であればよく、例えば、アルコールやアミン系溶媒等の極性の有機溶媒が挙げられる。
I−III−VI族化合物の形成をより促進するという観点からは、有機錯体として、11
族元素に有機カルコゲン化合物が配位した有機錯体(以下、I−VI錯体という)、13族元素に有機カルコゲン化合物が配位した有機錯体(以下、III−VI錯体という)、1つの
錯体分子中に11族元素、13族元素および有機カルコゲン化合物を含む有機錯体(以下、I−III−VI錯体という)を用いてもよい。なお、有機カルコゲン化合物とは、カルコゲン元素を有する有機化合物である。このように有機カルコゲン化合物が配位した有機錯体を用いることによって、各金属元素と有機カルコゲン化合物のカルコゲン元素とが接近した状態になるので、各金属元素のカルコゲン化反応がより進行しやすくなる。I−VI錯体としては、例えばCuにセレノール系化合物が配位した有機錯体が挙げられる。III−VI錯体としては、例えばInにセレノール系化合物が配位した有機錯体やGaにセレノール系化合物が配位した有機錯体が挙げられる。I−III−VI錯体としては、米国特許第7341917号明細書に記載されているような、CuとInとセレノール系化合物とを含む有機錯体や、CuとGaとセレノール系化合物とを含む有機錯体が挙げられる。このようなI−III−VI錯体の一例を下記構造式(1)および構造式(2)に示す。なお、構造式(1)および構造式(2)においてPhはフェニル基を示す。
Figure 2015103657
Figure 2015103657
そして、比率C/CIIIを変えた少なくとも2種類の原料溶液を用いて、少なくとも
2層の皮膜の積層体を作製する。皮膜Mは、上記原料溶液を、例えば、スピンコータ、スクリーン印刷、ディッピング、スプレー、ダイコータ等によって下部電極層2上に膜状に被着し、溶媒を乾燥によって除去することによって作製できる。溶媒を乾燥するときにさらに50〜430℃で加熱を行って、有機錯体中の有機成分も熱分解除去しておいてもよい。その場合、皮膜中に不純物が残存し難くなってI−III−VI族化合物半導体層3の形
成をより促進することができる。このような皮膜作製工程を原料溶液を変えて複数回繰り返すことによって、比率C/CIIIを第2部位M2よりも第1部位M1の方で大きくな
るようにすることができる。
なお、第1部位M1および第2部位M2中の11族元素の原子濃度Cおよび13族元素の原子濃度CIIIは、スパッタリングで皮膜Mを深さ方向に削りながら、X線光電子分
光(XPS:X-ray Photoelectron Spectroscopy)あるいはオージェ電子分光法(AES:Auger Electron Spectroscopy)を用いることによって測定し、この結果から第1部位M1および第2部位M2の各平均値を求めればよい。
第1の半導体層3の光電変換効率を高めるという観点からは、第1の半導体層3全体における比率C/CIIIが0.8以上0.9以下であってもよい。このような構成であれ
ば、第1の半導体層3を安定なp型半導体層とすることができ、光電変換効率を良好に高めることができる。このような第1の半導体層3を作製する場合、上記皮膜の第1部位M1における比率C/CIIIを1以上にし、第2部位M2における比率C/CIIIを0.8以下にし、第1部位M1と第2部位M2とを合わせたときの比率C/CIIIを0.8
以上1.0以下にすればよい。
第1部位M1における比率C/CIIIを1以上にする場合、この第1部位M1の作製
に用いる原料溶液としては、例えば、上記I−III−VI錯体とI−VI錯体とが溶解したも
のを用いればよい。また、第2部位M2における比率C/CIIIを0.8以下にする場
合、この第2部位M2の作製に用いる原料溶液としては、例えば、上記I−III−VI錯体
とIII−VI錯体とが溶解したものを用いればよい。
上記のようにして皮膜Mを作製した後、皮膜Mを、カルコゲン元素を含む雰囲気で450〜650℃で加熱することによって、第1の半導体層3を得ることができる。図5は第1の半導体層3を形成した後の状態を示す図である。
皮膜Mを加熱する際の雰囲気としては、カルコゲン元素が存在する非酸化性ガス雰囲気を用いることができる。非酸化性ガスとは、窒素やアルゴン等の不活性ガスまたは水素等の還元性ガスをいう。特に、皮膜M中の有機成分を良好に分解除去しやすいという観点からは、皮膜Mを加熱する際の雰囲気として水素ガス中にカルコゲン元素を含んだものを用いてもよい。そして、カルコゲン元素は、この非酸化性ガス中に、セレン蒸気、硫黄蒸気、セレン化水素、硫化水素等の状態で含まれている。非酸化性ガス中に含まれるカルコゲン元素の量としては、非酸化性ガスを構成する分子のモル数をG1としたときに、カルコゲン元素が原子のモル数換算で、例えばG1の10−6倍〜5×10−2倍程度、より好ましくはG1の10−5倍〜5×10−3倍程度含まれていればよい。
第1の半導体層3を形成した後、第1の半導体層3の上に、第2の半導体層4および上部電極層5を順に形成する。
第2の半導体層4は、溶液成長法(CBD法ともいう)によって形成することができる。例えば、塩化インジウムとチオアセトアミドとを塩酸で酸性にした水に溶解し、これに第1の半導体層3の形成まで行なった基板1を浸漬することで、第1の半導体層3の上に硫化インジウムを含む第2の半導体層4を形成することができる。
上部電極層5は、例えば、Snが含まれた酸化インジウム(ITO)等を主成分とする透明導電膜であり、スパッタリング法、蒸着法、またはCVD法等で形成することができる。図6は、第2の半導体層4および上部電極層5を形成した後の状態を示す図である。
上部電極層5を形成した後、上部電極層5の上面のうちのY方向に沿った直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第2溝部P2を形成する。第2溝部P2は、例えば、スクライブ針を用いたメカニカルスクライビング加工によって形成することができる。図7は、第2溝部P2を形成した後の状態を示す図である。第2溝部P2は、第1溝部P1よりも若干X方向(図中では+X方向)にずれた位置に形成する。
第2溝部P2を形成した後、集電電極7および接続導体6を形成する。集電電極7および接続導体6については、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散した導電性を有するペースト(導電ペーストともいう)を、所望のパターンを描くように印刷し、これを加熱することで形成できる。図8は、集電電極7および接続導体6を形成した後の状態を示す図である。
集電電極7および接続導体6を形成した後、上部電極層5の上面のうちの直線状の形成対象位置からその直下の下部電極層2の上面にかけて、第3溝部P3を形成する。第3溝部P3の幅は、例えば、40〜1000μm程度とすることができる。また、第3溝部P3は、第2溝部P2と同様に、メカニカルスクライビング加工によって形成することができる。このようにして、第3溝部P3の形成によって、図1および図2で示された光電変換装置11を製作したことになる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲において種々の変更、改良などが可能である。例えば、皮膜Mは、図9に示されるように3層以上の皮膜の積層体から成っていてもよい。その場合でも、積層体全体の厚みの中央から下部電極層2側の部位を第1部位M1とし、残部を第2部位M2とすればよい。
1:基板
2:下部電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
5:上部電極層
6:接続導体
7:集電電極
10:光電変換セル
11:光電変換装置
M:皮膜
M1:第1部位
M2:第2部位

Claims (4)

  1. 電極層上に、11族元素および13族元素が有機錯体の状態で溶解した原料溶液を用いて皮膜を形成し、該皮膜をカルコゲン元素を含む雰囲気で加熱することによってI−III
    −VI族化合物半導体層にする光電変換装置の製造方法であって、
    前記皮膜の厚みの中央よりも前記電極層側に位置する部位を第1部位とし、残部を第2部位としたときに、13族元素の原子濃度CIIIに対する11族元素の原子濃度Cの比率
    /CIIIを前記第2部位よりも第1部位の方で大きくなるようにする光電変換装置の
    製造方法。
  2. 前記第1部位における前記比率C/CIIIを1以上にし、前記第2部位における前記
    比率C/CIIIを0.8以下にし、前記第1部位と前記第2部位とを合わせたときの前
    記比率C/CIIIを0.8以上1.0以下にする、請求項1に記載の光電変換装置の製
    造方法。
  3. 前記第1部位を形成するために用いる前記原料溶液として、1つの分子内に11族元素、13族元素および有機カルコゲン化合物を有するI−III−VI錯体と、1つの分子内に11族元素および有機カルコゲン化合物を有するI−VI錯体とが溶解したものを用い、
    前記第2部位を形成するために用いる前記原料溶液として、前記I−III−VI錯体と、1
    つの分子内に13族元素および有機カルコゲン化合物を有するI−III錯体とが溶解した
    ものを用いる、請求項1または2に記載の光電変換装置の製造方法。
  4. 前記原料溶液としてCu、InおよびGaを含んだものを用い、前記雰囲気としてSeを含んだものを用いる、請求項1乃至3のいずれかに記載に光電変換装置の製造方法。
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