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JP2015100972A - インキ供給方法およびインキ供給装置 - Google Patents

インキ供給方法およびインキ供給装置 Download PDF

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JP2015100972A JP2013242300A JP2013242300A JP2015100972A JP 2015100972 A JP2015100972 A JP 2015100972A JP 2013242300 A JP2013242300 A JP 2013242300A JP 2013242300 A JP2013242300 A JP 2013242300A JP 2015100972 A JP2015100972 A JP 2015100972A
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正大 平野
Masahiro Hirano
正大 平野
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Abstract

【課題】印刷ジョブの切替時に、白紙印刷を行うことなく、また壺返しを行うことなく、また前の印刷ジョブの刷版の絵柄の影響を受けることなく、短時間で、次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布を形成する。
【解決手段】インキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の前の印刷ジョブの刷版の絵柄面積率に応じた補正値Δθ1〜Δθnを求め、次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキツボキー4−1〜4−nの開き量θ1b〜θnbを補正値Δθ1〜Δθnで補正して、補正された開き量θ1b’〜θnb’とする。インキローラ群6内のインキをインキ掻き取りブレード15によって除去することにより減少させた状態で、インキツボキー4−1〜4−nの開き量を補正された開き量θ1b’〜θnb’に設定した状態で、インキローラ群6に次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布を形成する。
【選択図】 図4

Description

この発明は、インキツボローラに供給されたインキをインキ呼び出しローラの呼び出し動作によりインキローラ群を介して版胴に装着されている刷版へ供給するインキ供給方法および装置に関するものである。
図47に輪転印刷機における各色の印刷ユニット内のインカー(インキ供給装置)の要部を示す。同図において、1はインキツボ、2はインキツボ1に蓄えられたインキ、3はインキツボローラ、4(4−1〜4−n)はインキツボローラ3の軸方向に複数並設して設けられたインキツボキー、5はインキ呼び出しローラ、6はインキローラ群、7は刷版、8は刷版7が装着された版胴、9はゴム胴、10は圧胴である。
このインキ供給装置は、インキツボキー4−1〜4−nの開度調整によってインキツボ1内のインキ2をインキツボローラ3に供給し、このインキツボローラ3に供給されたインキをインキ呼び出しローラ5の呼び出し動作によりインキローラ群6を介して刷版7へ供給する。
刷版7には絵柄が焼き付けられており、刷版7に供給されたインキをゴム胴9が受け取り、ゴム胴9が受け取ったインキがゴム胴9と圧胴10との間を流れる印刷用紙(被印刷体)11に転写される。
なお、インキローラ群6のインキの流動経路の末端には、刷版7に接するインキ着ローラ6−1〜6−4が設けられている。また、刷版7に対しては、インキ着ローラ6−1〜6−4を介するインキと合わせて、水舟13に蓄えられた湿し水が水着ローラ12を介して供給される。
このインキ供給装置において、印刷ジョブの切り替えを行う場合、すなわち前の印刷ジョブの刷版7を交換して次の印刷ジョブの刷版7’とする場合、インキツボキー4−1〜4−nの開度やインキツボローラ3の回転量などを次の印刷ジョブの刷版7’の絵柄に応じた値に変更し、インキツボ1内のインキ2をインキローラ群6を介して交換された刷版7’へ供給する。この場合、本刷りの前に試刷りを行って、インキ供給量を調整し、満足すべき色調を得る。これにより、インキローラ群6、版胴8およびゴム胴9に、所望のインキ膜厚分布(インキ膜厚さの勾配)が作られる。
しかしながら、従来のインキ供給装置では、刷版7を刷版7’に交換して次の印刷ジョブを行おうとした場合、前の印刷ジョブの刷版7に対するインキ膜厚分布がインキローラ群6に残っている。この場合、前の印刷ジョブの刷版7に対するインキ膜厚分布を次の印刷ジョブの刷版7’に対するインキ膜厚分布に徐々に変えて行かなければならず、満足すべき色調を得るまでにインキ供給量の調整と試刷りを過大に必要とし、「印刷前準備時間の増加」、「労働負荷の増大」、「印刷資材の浪費」、「生産効率の低下」、「コストアップ」等の問題が生じる。
このため、満足すべき色調を得るまでのインキ供給量の調整と試刷りの回数を少なくすることを目的として、特許文献1や特許文献2に示された「インキ膜厚の制御方法」が提案されている。
〔特許文献1(刷り減らし+プレインキング2)〕
特許文献1に示されたインキ膜厚の制御方法では、印刷ジョブの切り替えに際して、インキ呼び出しローラ5の呼び出し動作をオフとしたうえ、前の印刷ジョブの刷版7を装着したままの状態で本機を運転し、所定枚数の印刷(白紙印刷)を行い、これによってインキ供給装置内のインキを減らし(刷り減らし)、インキローラ群6に上流から下流になるにしたがって薄くなる印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布Ma(図48(a)参照)、すなわち刷版7の絵柄のない部分(絵柄面積率がゼロの部分)に対応する基準インキ膜厚分布Maを残す(インキリムービング)。
次に、インキツボキー4−1〜4−nの開度やインキツボローラ3の回転量などを次の印刷ジョブの刷版7’の絵柄に応じた値に設定したうえ、インキ着ローラ6−1〜6−4を脱とした状態で、本機を運転し、インキ呼び出しローラ5を所定回数呼び出し動作させて、インキローラ群6に残されている基準インキ膜厚分布Maに次の印刷ジョブの刷版7’の絵柄に応じたインキ膜厚分布Mb(図48(b)参照)を重畳する(プレインキング2)。
〔特許文献2(壺返し+プレインキング1)〕
特許文献2に示されたインキ膜厚の制御方法では、印刷ジョブの切り替えに際して、インキツボキー4−1〜4−nの開き量をゼロに設定し、その状態でインキ呼び出しローラ5を所定回数呼び出し動作させて、インキローラ群6上のインキを全てインキツボ1内に戻す(壺返し)。これにより、インキローラ群6内の各ローラがインキを保有していない状態となる。
次に、インキツボキー4−1〜4−nの開度を所定開度(例えば、50%)としたうえ、またインキツボローラ3の回転量を所定量(例えば、50%)としたうえ、インキ呼び出しローラ5を所定回数呼び出し動作させて、印刷中に必要される最低限のインキ膜厚分布(基準インキ膜厚分布)Ma(図48(a)参照)をインキローラ群6に形成する(プレインキング1の第1ステップ)。
そして、インキツボキー4−1〜4−nの開度やインキツボローラ3の回転量などを次の印刷ジョブの刷版7’の絵柄に応じた値に設定したうえ、インキ着ローラ6−1〜6−4を脱とした状態で、本機を運転し、インキ呼び出しローラ5を所定回数呼び出し動作させて、インキローラ群6に形成されている基準インキ膜厚分布Maに次の印刷ジョブの刷版7’の絵柄に応じたインキ膜厚分布Mb(図48(b)参照)を重畳する(プレインキング1の第2ステップ)。
特開平10−16193号公報 特開平11−188844号公報 特開平3−97564号公報 特開昭58−201008号公報 特開昭58−201010号公報
しかしながら、特許文献1に示されたインキ膜厚の制御方法(刷り減らし+プレインキング2)では、インキローラ群6上にインキ膜厚分布Maを残す際、白紙印刷を行うため、紙が無駄になるという問題があった。
また、特許文献2に示されたインキ膜厚の制御方法(壺返し+プレインキング1)では、インキローラ群6上の全てのインキをインキツボ1に戻し、ゼロから修正したインキ膜厚分布(Ma+Mb)を形成するため、時間がかかるという問題があった。また、この方法では、乳化したインキ(湿し水と練り合わされたインキ)をインキツボ1に戻すため、印刷障害が発生し、印刷資材が無駄になるという問題もあった。
そこで、本出願人は、インキ供給装置内のインキローラ群6を上流側と下流側に分割可能にすると共に、上流側のローラ群に残るインキを取り除くインキ掻き取りブレードを設け、インキローラ群6を上流側と下流側とに切り離した状態で上流側のローラ群に残ったインキを除去することにより減少させ、その後、上流側のローラ群と下流側のローラ群とを連結し、各インキツボキーの開き量を次の印刷ジョブの刷版7’の絵柄に応じた開き量に設定し、その状態でインキ呼び出しローラ5の呼出し動作を一定回数行い、次の印刷ジョブの刷版7’の絵柄に応じたインキ膜厚分布を重畳し、直ぐに正常な印刷物が印刷できるようにするインキ供給方法を考えている。
しかしながら、このインキ供給方法では、インキ掻き取りブレードで上流側のローラ群に残るインキを掻き取っても、各インキツボキーに対応する範囲の絵柄面積率の違いによるインキ膜厚の違いを完全に消し去ることができず、その悪影響が次の印刷ジョブの絵柄に応じたインキ膜厚分布に残り、直ぐには正常な印刷物が印刷できず、印刷資材が無駄になる、という問題が生じる。
この問題について、すなわちインキ掻き取りブレードで上流側のローラ群に残るインキを掻き取っても、各インキツボキーに対応する範囲の絵柄面積率の違いによるインキ膜厚の違いを完全に消し去ることができないことについて、図49および図50を用いて説明する。
図49は前回の印刷ジョブ(ジョブA)と今回の印刷ジョブ(ジョブB)の刷版の絵柄とその絵柄に対するインキ供給装置内のインキの膜厚(印刷状態)を例示する図である。図49における上段の図はジョブAとジョブBの刷版の絵柄を示し、下段の図はジョブAとジョブBの刷版の絵柄に対するインキ供給装置内のインキの膜厚を示している。
ジョブAは左から右へインキツボキーに対応する範囲の絵柄面積率が大(インキの膜厚が大)となっており、ジョブBはジョブAとは反対に右から左へインキツボキーに対応する範囲の絵柄面積率が大(インキの膜厚が大)となっている。なお、t1は基本インキ膜厚、t2は絵柄膜厚、Wは刷版の幅であり、基本インキ膜厚t1および絵柄膜厚t2はインキローラ群6上の上流から下流になるにしたがって薄くなるインキの膜厚の平均値を示している。
図50(a)に、ジョブAからジョブBへの印刷ジョブの切り替えに際し、特許文献1に示された方法(白紙印刷)でインキを刷り減らした後のインキの膜厚(リムービング後の膜厚)を示す。この場合、白紙印刷でインキを刷り減らしているので、ジョブAの刷版の絵柄膜厚t2が取り除かれて基準インキ膜厚t1のみが残されている。このため、各インキツボキーの開き量をジョブBの刷版の絵柄に応じた開き量に設定すれば、基準インキ膜厚t1にジョブBの絵柄膜厚t2が重畳される。
図50(b)に、ジョブAからジョブBへの印刷ジョブの切り替えに際し、インキ掻き取りブレードでインキを掻き取った後のインキの膜厚(リムービング後の膜厚)を示す。この場合、インキ掻き取りブレードはローラ幅方向に対して一律にインキを掻き取るので、各インキツボキーに対応する範囲の絵柄面積率の違いによるインキの膜厚の凹凸の影響を除去することができず、また基準インキ膜厚t1に食い込んだ形でインキが除去されてしまう。このため、各インキツボキーの開き量をジョブBの刷版の絵柄に応じた開き量に設定しても、基準インキ膜厚t1にジョブBの絵柄膜厚t2を重畳させたインキ膜厚を得ることができない。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、刷版を交換して次の印刷ジョブの印刷で使用する刷版の絵柄(次の印刷ジョブの刷版の絵柄)に応じたインキ膜厚分布を形成する際に、白紙印刷を行うことなく、また壺返しを行うことなく、また前の印刷ジョブの刷版の絵柄の影響を受けることなく、短時間で、インキローラ群に形成されているインキ膜厚分布を補正することが可能なインキ供給方法およびインキ供給装置を提供することにある。
このような目的を達成するために本発明は、インキローラ群内のインキをインキ掻き取り部材で掻き取って除去することにより減少させるインキ減少ステップと、次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じた各インキツボキーの開き量を求める開量演算ステップと、各インキツボキーに対応する範囲の前の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキの供給量を示す指標値に応じた補正値を各インキツボキーの開き量の補正値として求める補正値演算ステップと、開量演算ステップによって求められた次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じた各インキツボキーの開き量を補正値演算ステップによって求められた各インキツボキーの開き量の補正値で補正する開量補正ステップと、開量補正ステップによって補正された開き量に各インキツボキーの開き量を設定する開量設定ステップと、インキ減少ステップによってインキローラ群内のインキが減少された状態で、開量設定ステップによって各インキツボキーの開き量が補正された開き量に設定された状態で、インキ呼び出しローラの呼び出し動作を所定回数行い、インキローラ群に次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布を形成するインキ膜厚分布形成ステップとを備えることを特徴とする(請求項1)。
この発明において、例えば、インキツボキーに対応する範囲の前の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキの供給量を示す指標値をインキツボキーに対応する範囲の前の印刷ジョブの刷版の絵柄面積率とした場合、各インキツボキーに対応する範囲の前の印刷ジョブの刷版の絵柄面積率に応じた補正値が各インキツボキーの開き量の補正値として求められる。そして、次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じた各インキツボキーの開き量が各インキツボキーの開き量の補正値で補正され、インキローラ群内のインキが減少された状態で、各インキツボキーの開き量が補正された開き量に設定された状態で、インキローラ群に次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布が形成される。これにより、白紙印刷や壺返しを行うことなく、また前の印刷ジョブの刷版の絵柄の影響を受けることなく、直接次の印刷ジョブの印刷を開始することが可能となる。なお、本発明において、インキツボキーに対応する範囲の前の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキの供給量を示す指標値は、インキツボキーに対応する範囲の前の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキツボキーの開き量としてもよい(請求項7)。
また、本発明では、インキローラ群に次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布を形成した後、各インキツボキーの開き量を次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じた開き量に設定する(請求項2)。また、本発明では、前の刷版を使用しての印刷ジョブの終了後、印刷機を停止するとともに、インキローラ群のインキの流動経路の末端に位置するインキ着ローラを脱とした後、インキローラ群を複数のローラ小群に分割し、分割された複数のローラ小群のうちの一部のローラ小群内のインキをインキ掻き取り部材(ブレードやスクレイパー)で掻き取って除去することにより減少させるようにする(請求項3)。この発明では、インキローラ群を複数のローラ小群に分割するが、その数は2以上であればその数は幾つあってもよい。また、分割された複数のローラ小群のうちの一部のローラ小群内のインキを除去するが、一部のローラ小群であればその数は複数であってもよい。
例えば、本発明において、2つのローラ小群に分割可能な構成とした場合、上流側のローラ小群と下流側のローラ小群とに分割される。そして、この分割されたローラ小群のうちの一部のローラ小群として、例えば上流側のローラ小群内のインキが除去される。この場合、上流側のローラ小群内のインキは、インキ呼び出しローラの呼び出し動作が停止されているので、壺返しすることはできない。また、上流側のローラ小群が下流側のローラ小群から切り離されているので、白紙印刷によって除去することもできない。そこで、本発明では、壺返しや白紙印刷ではなく、ブレードやスクレイパーによって掻き取るようにして、上流側のローラ小群内のインキを除去して減少させるものとする。
本発明は、さらに、次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布が形成されているインキローラ群を複数のローラ小群に分割する印刷開始時のローラ群分割ステップと、印刷開始時のローラ群分割ステップによって分割された後もしくは分割される前に、複数のローラ小群のうちの少なくとも最も下流側のローラ小群と次の印刷ジョブで使用する刷版が装着されている版胴とを着状態にする着ステップと、印刷開始時のローラ群分割ステップによって分割され、着ステップによって着状態とされている版胴およびローラ小群を所定回転数回転させて、そのローラ小群内のインキを版胴に装着されている刷版に供給するインキ供給ステップとを備えることを特徴とする(請求項4)。
この発明によれば、次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布が形成されたインキローラ群が複数のローラ小群に分割される。また、分割された後もしくは分割される前に、複数のローラ小群のうちの少なくとも最も下流側のローラ小群と次の印刷ジョブで使用する刷版が装着されている版胴とが着状態とされる。すなわち、複数のローラ小群に分割された後、その分割された複数のローラ小群のうちの少なくとも最も下流側のローラ小群と版胴とが着状態とされる。あるいは、複数のローラ小群のうちの少なくとも最も下流側のローラ小群と版胴とが着状態とされた後、複数のローラ小群に分割される。そして、分割され、着状態とされている版胴およびローラ小群が所定回転数回転され、そのローラ小群内のインキが版胴に装着されている刷版に供給される。
例えば、本発明において、2つのローラ小群に分割可能な構成とした場合、上流側のローラ小群と下流側のローラ小群とに分割される。また、分割された後もしくは分割される前に、下流側のローラ小群と版胴とが着状態とされる。そして、分割され、着状態とされている版胴および下流側のローラ小群が所定回転数回転され、その下流側のローラ小群内のインキが版胴に装着されている刷版に供給される。この場合、下流側のローラ小群内の比較的薄いインキ膜厚分布のインキのみが刷版に供給されるものとなり、版胴におけるインキ膜厚分布が厚くなり過ぎることが防がれる。
なお、特許文献1に示されたインキ膜厚の制御方法(刷り減らし+プレインキング2)や特許文献2に示されたインキ膜厚の制御方法(壺返し+プレインキング1)では、インキローラ群に形成されている印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布に次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布を重畳した後、インキ着ローラを着とし、交換された次の印刷ジョブの刷版および洗浄されたゴム胴にインキローラ群内のインキを供給して印刷を開始するようにしているので、版胴およびゴム胴にインキが全くない状態から次のジョブの印刷が開始されるものとなり、版胴、ゴム胴およびインキローラ群に、印刷中に、最終的な本刷り時のインキ膜厚分布が形成されるまでは正常な印刷物が印刷できず、多くの損紙が発生し、印刷資材が無駄になる、という問題があった。
また、インキローラ群に形成されている印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚分布に次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布を重畳した後、次のジョブの印刷を開始する前に、インキ着ローラと水着ローラと版胴とゴム胴とを接触させた状態にして印刷機を所定回数回転させ、版胴およびゴム胴にもインキを供給することが考えられる(例えば、特許文献3参照)。しかし、この場合、インキ供給装置内の全てのインキがインキローラ群、版胴およびゴム胴内で均されるため、版胴およびゴム胴に過分なインキが多量に供給されてしまい、版胴およびゴム胴におけるインキ膜厚分布が厚くなり過ぎる。このため、その多量に供給された過分なインキが消費されるまで、多くの損紙が発生してしまう、という問題が発生する。これに対し、本発明では、下流側のローラ小群内の比較的薄いインキ膜厚分布のインキのみが刷版に供給される為、上記したような問題が発生しない。
なお、本発明では、版胴に装着されている刷版に供給されたインキをゴム胴を介することなく直接被印刷体に転写することも可能であるが、ゴム胴を介して転写する場合には、着ステップにおいて、印刷開始時のローラ群分割ステップによって分割された後もしくは分割される前に、複数のローラ小群のうちの少なくとも最も下流側のローラ小群と次の印刷ジョブで使用する刷版が装着されている版胴とを着状態にするとともに、当該版胴とゴム胴とを着状態にする。また、インキ供給ステップにおいて、印刷開始時のローラ群分割ステップによって分割され、着ステップによって着状態とされている版胴およびローラ小群ならびにゴム胴を所定回転数回転させて、そのローラ小群内のインキを版胴に装着されている刷版およびゴム胴に供給するようにする(請求項5)。これにより、本発明において、例えば、上流側のローラ小群と下流側のローラ小群とに分割するものとした場合、下流側のローラ小群内の比較的薄いインキ膜厚分布のインキのみが刷版およびゴム胴に供給されるものとなり、版胴およびゴム胴におけるインキ膜厚分布が厚くなり過ぎることが防がれる。
本発明は、さらに、インキ供給ステップによるインキの供給後、分割されている複数のローラ小群を連結して1つのインキローラ群に戻して、版胴に装着されている刷版を使用しての次の印刷ジョブの印刷を開始する印刷開始ステップを備えることを特徴とする(請求項6)。これにより、本発明において、例えば、上流側のローラ小群と下流側のローラ小群とに分割するものとした場合、下流側のローラ小群内のインキを供給して版胴(あるいは版胴およびゴム胴)に対してインキ膜厚分布を形成した後、上流側のローラ小群と下流側のローラ小群とを連結して1つのローラ群に戻した状態で、次の印刷ジョブの印刷が開始される。この場合、次の印刷ジョブの印刷時のインキ膜厚分布(最終的な本刷り時のインキ膜厚分布)は、印刷中に作成される。この際、下流側のローラ小群および版胴(あるいは版胴およびゴム胴)内のインキ膜厚分布は薄くなっているため、インキが上流側から下流側に速く流れ、インキローラ群および版胴(あるいは版胴およびゴム胴)に本刷り中のインキ膜厚分布が速やかに形成されるものとなる。
なお、本発明は、上述したインキ供給方法を適用した装置としても構成することが可能である。本願の請求項8〜14の発明は、請求項1〜7のインキ供給方法に係る発明を装置としたものである。
本発明によれば、各インキツボキーに対応する範囲の前の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキの供給量を示す指標値に応じた補正値を各インキツボキーの開き量の補正値として求め、次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じた各インキツボキーの開き量を各インキツボキーの開き量の補正値で補正し、インキローラ群内のインキが減少された状態で、各インキツボキーの開き量が補正された開き量に設定された状態で、インキローラ群に次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布を形成するようにしたので、印刷ジョブの切替時に、白紙印刷を行うことなく、また壺返しを行うことなく、また前の印刷ジョブの刷版の絵柄の影響を受けることなく、短時間で、インキローラ群に形成されているインキ膜厚分布を補正することが可能となる。
本発明に係るインキ供給方法の実施に用いる印刷ジョブ切替制御装置の一実施の形態(実施の形態1)を示すブロック図である。 この印刷ジョブ切替制御装置によって制御される印刷ユニット内のインキ供給装置の要部(インキローラ群を連結した状態(インキローラ群を分割する前の状態))を示す図である。 この印刷ジョブ切替制御装置によって制御される印刷ユニット内のインキ供給装置の要部(インキローラ群を分割した状態)を示す図である。 この印刷ジョブ切替制御装置によって制御される印刷ユニット内のインキ供給装置の要部(インキローラ群を分割し上流側のローラ小群内のインキをブレードで掻き取っている状態)を示す図である。 この印刷ジョブ切替制御装置におけるメモリの内容を分割して示す図である。 この印刷ジョブ切替制御装置におけるメモリの内容を分割して示す図である。 この印刷ジョブ切替制御装置を用いての印刷ジョブの切替時のインキローラ群、版胴およびゴム胴への次の印刷ジョブのインキ膜厚分布の形成過程を示す図である。 リムービング後のインキ膜厚成分J2とジョブBの絵柄膜厚成分JBとインキ除去成分J1に相当する基準膜厚補填成分JXとを示す図である。 インキローラ群をインキ装置内プレインキング後分割せずに次の印刷ジョブのインキ膜厚分布を形成するようにした場合の図7に対応するインキ膜厚分布の形成過程を示す図である。 インキローラ群を分割する前に下流側のローラ小群と版胴およびゴム胴を着状態にするようにした場合の図7に対応するインキ膜厚分布の形成過程を示す図である。 この印刷ジョブ切替制御装置の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。 図11に続くフローチャートである。 図12に続くフローチャートである。 図13に続くフローチャートである。 図14に続くフローチャートである。 図15に続くフローチャートである。 図16に続くフローチャートである。 図17に続くフローチャートである。 図18に続くフローチャートである。 図19に続くフローチャートである。 図20に続くフローチャートである。 図21に続くフローチャートである。 図22に続くフローチャートである。 図23に続くフローチャートである。 実施の形態2の印刷ジョブ切替制御装置におけるメモリの内容を分割して示す図である。 実施の形態2の印刷ジョブ切替制御装置におけるメモリの内容を分割して示す図である。 実施の形態2の印刷ジョブ切替制御装置の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。 図27に続くフローチャートである。 図28に続くフローチャートである。 図29に続くフローチャートである。 図30に続くフローチャートである。 図31に続くフローチャートである。 図32に続くフローチャートである。 図33に続くフローチャートである。 図34に続くフローチャートである。 図35に続くフローチャートである。 図36に続くフローチャートである。 図37に続くフローチャートである。 図38に続くフローチャートである。 図39に続くフローチャートである。 インキツボローラ制御装置の内部構成の概略を示すブロック図である。 インキツボローラ制御装置の処理動作を示すフローチャートである。 インキツボキー制御装置の内部構成の概略を示すブロック図である。 インキツボキー制御装置の処理動作を示すフローチャートである。 図44に続くフローチャートである。 版胴に装着されている刷版に供給されたインキをゴム胴を介することなく直接印刷用紙に転写する例を示す図である。 印刷機における各色の印刷ユニット内のインキ供給装置の要部を示す図である。 インキ供給装置のインキローラ群上に形成されるインキ膜厚分布MaおよびMbを示す図である。 前回の印刷ジョブ(ジョブA)と今回の印刷ジョブ(ジョブB)の刷版の絵柄とその絵柄に対するインキ供給装置内のインキの膜厚(印刷状態)を例示する図である。 ジョブAからジョブBへの印刷ジョブの切り替えに際して白紙印刷でインキを刷り減らした後のインキの膜厚(リムービング後の膜厚)およびインキ掻き取りブレードでインキを掻き取った後のインキの膜厚(リムービング後の膜厚)を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〔実施の形態1:インキツボキーに対応する範囲の前の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキの供給量を示す指標値を前の印刷ジョブの刷版の絵柄面積率とする例〕
図1は本発明に係るインキ供給方法の実施に用いる印刷ジョブ切替制御装置の一実施の形態(実施の形態1)を示すブロック図である。
この印刷ジョブ切替制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、入力装置104、表示器105、出力装置(プリンタ等)106、印刷停止スイッチ107、印刷ジョブ切替開始スイッチ108、印刷機の原動モータ109、原動モータドライバ110、原動モータ用ロータリーエンコーダ111、D/A変換器112、印刷機の原点位置検出器113、印刷機の回転回数カウント用カウンタ114、インキ呼び出し装置115を備えている。
また、ローラ群分割・連結用エアシリンダ116、ローラ群分割・連結用エアシリンダ用バルブ117、水着ローラ着脱用エアシリンダ118、水着ローラ着脱用エアシリンダ用バルブ119、インキ着ローラ着脱用エアシリンダ120、インキ着ローラ着脱用エアシリンダ用バルブ121、インキ掻き取りブレード着脱用エアシリンダ122、インキ掻き取りブレード着脱用エアシリンダ用バルブ123、給紙装置124、印刷ユニット125、メモリ126、入出力インターフェイス(I/O,I/F)127−1〜127−10を備えている。
図2はこの印刷ジョブ切替制御装置100によって制御される各印刷ユニット内のインキ供給装置の要部を示す図である。同図において、図47と同一符号は図47を参照して説明した構成要素と同一或いは同等構成要素を示し、その説明は省略する。このインキ供給装置において、インキローラ群6は同図に点線で示すラインL1を境として、上流側のローラ小群6Aと下流側のローラ小群6Bとに分割可能とされている。
具体的には、上流側のローラ小群6Aと下流側のローラ小群6Bとの間に位置するローラ6Cを支点P1を回動中心として揺動する揺動アーム14の一端部に軸支させ、この揺動アーム14の他端部にローラ群分割・連結用エアシリンダ116を連結して設けている。なお、揺動アーム14は、他と区別するためにここでは一点鎖線で示している。
この構造において、ローラ群分割・連結用エアシリンダ116を伸長動作させると(図3参照)、揺動アーム14が支点P1を回動中心として矢印A方向へ揺動し、この揺動に伴ってローラ6Cの周面が上流側のローラ小群6Aのインキ流動経路の最下端に位置するローラ6A1の周面から離れ、またローラ6Cの周面が下流側のローラ小群6Bのインキ流動経路の最上端に位置するローラ6B1の周面から離れる。これにより、インキローラ群6が上流側のローラ小群6Aと下流側のローラ小群6Bとに分割される。
この状態からローラ群分割・連結用エアシリンダ116を縮退動作させると、揺動アーム14が支点P1を回動中心として矢印B方向へ揺動し、この揺動に伴ってローラ6Cの周面が上流側のローラ小群6Aのインキ流動経路の最下端に位置するローラ6A1の周面に対接し、またローラ6Cの周面が下流側のローラ小群6Bのインキ流動経路の最上端に位置するローラ6B1の周面に対接する(図2参照)。これにより、上流側のローラ小群6Aと下流側のローラ小群6Bとが連結され、1つのインキローラ群6に戻される。
また、インキローラ群6に対しては、上流側のローラ小群6Aのローラ6A2の周面に接して上流側のローラ小群6A内のインキを掻き取るインキ掻き取りブレード15と、このインキ掻き取りブレード15によって掻き取られたインキを回収するインキ受け16とが設けられている。インキ掻き取りブレード15に対してはインキ掻き取りブレード着脱用エアシリンダ122が設けられている。インキを掻き取る場合には、インキ掻き取りブレード着脱用エアシリンダ122を縮退動作させて、インキ掻き取りブレード15をローラ6A2の周面に対接させる(図4参照)。インキ掻き取りブレード着脱用エアシリンダ122を伸長動作させると、インキ掻き取りブレード15がローラ6A2の周面から離れる。
この印刷ジョブ切替制御装置100において、CPU101は、インターフェイス127−1〜127−10を介して与えられる各種入力情報を得て、RAM102やメモリ126にアクセスしながら、ROM103に格納されたプログラムに従って動作する。
原動モータ用ロータリーエンコーダ111は、印刷機の原動モータ109の所定回転角毎に回転パルスを発生して、原動モータドライバ110に出力する。印刷機の原点位置検出器113は、印刷機の1回転毎の原点位置を検出し、原点位置検出信号を発生して印刷機の回転回数カウント用カウンタ114に出力する。
インキ呼び出し装置115はインキ呼び出しローラ5に対して設けられている。インキ呼び出し装置115をオンとすると、インキ呼び出しローラ5の呼び出し動作が開始され、インキ呼び出し装置115をオフとすると、インキ呼び出しローラ5の呼び出し動作が停止される。
水着ローラ着脱用エアシリンダ118は水着ローラ12に対して設けられている。水着ローラ着脱用エアシリンダ118を伸長動作させると、水着ローラ12が着状態(刷版7(7’)に接した状態)となり、水着ローラ着脱用エアシリンダ118を縮退動作させると、水着ローラ12が脱状態(刷版7(7’)から離れた状態)となる。
インキ着ローラ着脱用エアシリンダ120はインキ着ローラ6−1〜6−4に対して設けられている。インキ着ローラ着脱用エアシリンダ120を伸長動作させると、インキ着ローラ6−1〜6−4が着状態(刷版7(7’)に接した状態)となり、インキ着ローラ着脱用エアシリンダ120を縮退動作させると、インキ着ローラ6−1〜6−4が脱状態(刷版7(7’)から離れた状態)となる。
図5および図6にメモリ126の内容を分割して示す。メモリ126にはメモリM1〜M18が設けられる。メモリM1にはカウント値Nが記憶される。メモリM2には次の印刷ジョブの刷版のインキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の絵柄面積率S1b〜Snbが記憶される。メモリM3には前の印刷ジョブの刷版のインキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の絵柄面積率S1a〜Snaが記憶される。メモリM4には各印刷ユニットのインキツボキーの総数nが記憶される。メモリM5にはプレインキング時の回転速度Vprが記憶される。メモリM6には印刷機の回転回数カウント用カウンタ114のカウント値が記憶される。メモリM7にはインキ掻き取り時の印刷機の回転回数N1が記憶される。メモリM8には絵柄面積率−インキツボキー開き量変換テーブルが記憶される。メモリM9には次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキツボキー4−1〜4−nの開き量θ1b〜θnbが記憶される。
メモリM10には前の印刷ジョブの絵柄面積率に関する補正係数αが記憶される。メモリM11には前の印刷ジョブの絵柄面積率に関するインキツボキー4−1〜4−nの開き量の補正値KA1〜KAnが記憶される。メモリM12には前の印刷ジョブの絵柄面積率がゼロの時の基準補正値KA0が記憶される。メモリM13にはプレインキング時のインキツボキー4−1〜4−nの開き量の補正値Δθ1〜Δθnが記憶される。メモリM14にはプレインキング時のインキツボキー4−1〜4−nの開き量θ1b’〜θnb’が記憶される。メモリM15にはインキツボローラの回転量が記憶される。メモリM16にはプレインキング時の印刷機の回転回数N2が記憶される。メモリM17には版胴・ゴム胴プレインキング時の印刷機の回転回数N3が記憶される。メモリM18には印刷速度Vpが記憶される。
なお、図1において、200はインキ供給装置におけるインキツボローラ3を駆動するインキツボローラ制御装置、300−1〜300−nはインキ供給装置におけるインキツボキー4−1〜4−nの開き量を制御するインキツボキー制御装置である。インキツボローラ制御装置200およびインキツボキー制御装置300−1〜300−nは各色のインキ供給装置毎に設けられているが、この実施の形態では説明を簡単とするためにインキ供給装置は1つとする。すなわち、1つのインキ供給装置を代表して、その動作を説明する。
〔印刷ジョブ切替制御装置の概略的な動作〕
印刷ジョブ切替制御装置100の詳細な動作の説明に入る前に、理解を容易とするために、その概略的な動作について説明しておく。
(1)給紙を停止すると共に刷版7を用いての印刷を停止する(前の印刷ジョブを終了する)。印刷を停止すると、胴抜きが行われてゴム胴9が版胴8および圧胴10から離れると共に、インキ着けローラ6−1〜6−4が脱とされ、水着ローラ12が脱とされ、版胴8から離れる(図3参照)。この場合、インキローラ群6には、図7(a)に示すように、刷版7の絵柄に応じたインキ膜厚分布Mcが残される。すなわち、前の印刷ジョブのインキ膜厚分布Mcが残される。
(2)印刷機停止状態で、版胴8に装着されている刷版7を次の印刷ジョブの刷版7’に交換するとともにゴム胴9を洗浄する(図7(b))。
(3)インキローラ群6を上流側のローラ小群6Aと下流側のローラ小群6Bとに分割(リムービン時の分割)する。これにより、インキローラ群6のインキ膜厚分布Mcは、図7(c)に示すように、上流側のローラ小群6Aのインキ膜厚分布McAと下流側のローラ小群6Bのインキ膜厚分布McBとに分かれる。
(4)印刷機の回転速度をプレインキング時の回転速度Vprまで増速し、インキ掻き取りブレード15を上流側のローラ小群6A内のローラ6A2に着にし、その状態で印刷機を一定回転(インキ掻き取り時の回転回数N1)させ、上流側のローラ小群6A内のインキを掻き取って減少させる(図4参照)。すなわち、上流側のローラ小群6A内のインキをリムービングする。これにより、図7(d)に示されるように、上流側のローラ小群6Aにリムービング後のインキ膜厚分布MaA’が残される。この時、下流側のローラ小群6Bのインキ膜厚分布は、インキ掻き取り時の回転回数N1により均されて、平坦なインキ膜厚分布McB’となる。
この(4)の工程において、上流側のローラ小群6Aに残されるリムービング後のインキ膜厚分布MaA’は、インキ掻き取りブレード15がローラ幅方向に対して一律にインキを掻きとるので、インキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の絵柄面積率の違いによるインキの膜厚の凹凸の影響を受けた、また絵柄面積率がゼロの部分に対応する基準インキ膜厚分布に食い込んだ形でインキを除去したインキ膜厚分布となる。
すなわち、図8(b)に図50(b)のジョブAからジョブBへの印刷ジョブの切り替えに際する「リムービング後の膜厚」を転記して示すように、図8(b)における基準インキ膜厚t1×W(刷版の幅)で表される矩形の面積を基準膜厚成分J0とした場合、この基準膜厚成分J0に食い込んだ鍵状のインキ除去成分(白色で示す部分)J1を除く成分(黒色で示す部分)J2がリムービング後のインキ膜厚成分となる。このため、インキツボキー4−1〜4−nの開き量をジョブBの刷版の絵柄に応じた開き量に設定しても、基準インキ膜厚t1にジョブBの絵柄膜厚t2を重畳させたインキ膜厚を得ることができない。
(5)そこで、本実施の形態では、図8(a)に示すように、ジョブBの絵柄膜厚成分JBとインキ除去成分J1に相当する基準膜厚補填成分JXとがリムービング後のインキ膜厚成分J2に加わるように、次の印刷ジョブの刷版7’の絵柄に応じたインキツボキー4−1〜4−nの開き量を補正し、インキツボキー4−1〜4−nの開き量をその補正された開き量に設定する。また、上流側のローラ小群6Aと下流側のローラ小群6Bとを連結して1つのインキローラ群6に戻す(図7(e))。
(6)そして、印刷機の回転速度がプレインキング時の回転速度Vprとされている状態で、プレインキング時の回転回数N2だけインキ呼び出しローラ5の呼び出し動作を行わせ、インキローラ群6に残されているリムービング後のインキ膜厚成分に次の印刷ジョブの絵柄膜厚成分と基準膜厚補填成分とを加え、インキローラ群6に次の印刷ジョブの刷版7’の絵柄に応じたインキ膜厚分布Mdを形成する(図7(f))。
(7)インキ呼び出しローラ5の呼び出し動作を停止し、インキローラ群6を上流側のローラ小群6Aと下流側のローラ小群6Bとに再分割(印刷開始時の分割)する。これにより、インキローラ群6のインキ膜厚分布Mdは、図7(g)に示すように、上流側のローラ小群6Aのインキ膜厚分布MdAと下流側のローラ小群6Bのインキ膜厚分布MdBとに分かれる。
(8)インキ着ローラ6−1〜6−4および水着ローラ12を着とすると共に、版胴8とゴム胴9のみを着状態とする。すなわち、インキ着ローラ6−1〜6−4および水着ローラ12を刷版7’の版面に接した状態とすると共に、ゴム胴9を版胴8に対してのみ着とする(呼び出し動作は停止したまま)。これにより、下流側のローラ小群6Bと水着ローラ12と版胴8とゴム胴9とが着状態とされる(図7(h))。
(9)この状態で、印刷機を版胴・ゴム胴プレインキング時の回転回数N3だけ回転させ、下流側のローラ小群6B内のインキを版胴8に装着されている刷版7’およびゴム胴9に供給する(図7(i))。この場合、下流側のローラ小群6B内の比較的薄いインキ膜厚分布MdBのインキのみが刷版7’およびゴム胴9に供給されるものとなり、刷版7’およびゴム胴9におけるインキ膜厚分布が厚くなり過ぎることが防がれる。
すなわち、図9に示されるように、図7(f)に対応する図9(f)の工程の後、インキローラ群6を分割せずに、インキ着ローラ6−1〜6−4と水着ローラ12と版胴8とゴム胴9とを着状態にして(図9(g))、印刷機を所定回数回転させ、版胴8およびゴム胴9にもインキを供給することが考えられるが、この場合、インキ供給装置内の全てのインキがインキローラ群6、版胴8およびゴム胴9内で均されるため、版胴8およびゴム胴9に過分なインキが多量に供給されてしまい、版胴8およびゴム胴9におけるインキ膜厚分布が厚くなり過ぎる(図9(h))。
これに対して、図7(f)の工程の後、インキローラ群6を上流側のローラ小群6Aと下流側のローラ小群6Bとに分割することにより(図7(g))、下流側のローラ小群6B内の比較的薄いインキ膜厚分布MdBのインキのみが刷版7’およびゴム胴9に供給されるものとなり(図7(h),(i))、刷版7’およびゴム胴9におけるインキ膜厚分布が厚くなり過ぎることが防がれる。
(10)この後、上流側のローラ小群6Aと下流側のローラ小群6Bとを再連結して1つのインキローラ群6に戻して(図7(j))、インキ呼び出しローラ5の呼び出し動作を行わせ、ゴム胴9を圧胴10に対しても着状態として、すなわち版胴8、ゴム胴9および圧胴10間を接触させた胴入れ状態として(図2参照)、版胴8に装着されている刷版7’を使用しての次の印刷ジョブの印刷を開始する。
この場合、次の印刷ジョブの印刷時のインキ膜厚分布(最終的な本刷り時のインキ膜厚分布)は、印刷中に作成される。この際、下流側のローラ小群6Bおよび版胴8およびゴム胴9内のインキ膜厚分布MdB’は薄くなっているため、インキが上流側から下流側に速く流れ、インキローラ群6および版胴8およびゴム胴9に本刷り中のインキ膜厚分布Me(図7(k))が速やかに形成されるものとなる。
図9に示された方法では、版胴8およびゴム胴9におけるインキ膜厚分布が厚くなり過ぎるため(図9(h))、本刷り中のインキ膜厚分布Me(図9(i))が形成されるまでに時間がかかり、多くの損紙が発生してしまう。これに対して、本実施の形態では、版胴8およびゴム胴9に対して形成されるインキ膜厚分布が厚くなり過ぎることが防がれるので、インキが上流側から下流側に速く流れ、インキローラ群6および版胴8およびゴム胴9に本刷り中のインキ膜厚分布が速やかに形成されるものとなり、刷版7’を交換しての次の印刷ジョブの印刷開始後、短時間で正常な印刷物が得られるものとなる。
なお、図7を用いて説明した概略的な動作では、インキローラ群6を上流側のローラ小群6Aと下流側のローラ小群6Bとに分割した後に(図7(g))、下流側のローラ小群6Bを版胴8に対して着状態とするようにしたが(図7(h))、図10に示すように、インキローラ群6を上流側のローラ小群6Aと下流側のローラ小群6Bとに分割する前に下流側のローラ小群6Bを版胴8に対して着状態とし(図10(g))、その後にインキローラ群6を上流側のローラ小群6Aと下流側のローラ小群6Bとに分割する(図10(h))ようにしてもよい。
〔印刷ジョブ切替制御装置の詳細な動作〕
印刷ジョブを切り替える場合、オペレータは印刷停止スイッチ107をオンとする。すると、CPU101は、印刷停止スイッチ107がオンとされたことを確認し(図11:ステップS101のYES)、給紙装置124に給紙停止指令を出力し、印刷機への給紙を停止させるとともに(ステップS102)、胴抜き指令、インキ着ローラの脱指令、水着ローラの脱指令を印刷ユニット125に出力する(ステップS103、S104、S105)。
すなわち、胴抜き指令によって、ゴム胴9を版胴8および圧胴10から脱とする。また、インキ着ローラの脱指令によって、インキ着ローラ6−1〜6−4を脱とし、刷版7から離した状態とする。また、水着ローラの脱指令によって、水着ローラ12を脱とし、刷版7から離した状態とする。また、CPU101は、原動モータドライバ110に停止信号を出力し(ステップS106)、原動モータ109を停止させる。これにより、印刷機が停止する(図7(a))。
〔前の印刷ジョブの刷版の絵柄面積率の移し替え〕
CPU101は、メモリM1中のカウント値Nを1とし(ステップS107)、メモリM1からカウント値Nを読み出し(図12:ステップS108)、メモリM2のN番目のアドレス位置の絵柄面積率(前の印刷ジョブで使用した刷版7のN番目のインキツボキーに対応する範囲の絵柄面積率)を読み込み、メモリM3のN番目のアドレス位置に前の印刷ジョブのN番目のインキツボキーに対応する範囲の絵柄面積率として書き込む(ステップS109)。
そして、メモリM1中のカウント値Nに1を加算し(ステップS110)、メモリM4からインキツボキーの総数nを読み出し(ステップS111)、カウント値Nがインキツボキーの総数nを超えるまで(ステップS112のYES)、ステップS108〜S112の処理動作を繰り返す。これにより、インキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の前の印刷ジョブで使用した刷版7の絵柄面積率S1b〜SnbがメモリM2から読み出され、前の印刷ジョブのインキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の絵柄面積率S1a〜SnaとしてメモリM3に格納されて行く。
〔次の印刷ジョブの刷版の絵柄面積率の入力〕
次に、CPU101は、入力装置104より入力された刷版7’のインキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の絵柄面積率をメモリM2に格納する。なお、この実施の形態において、刷版7’のインキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の絵柄面積率の測定には、本出願人による特許文献4や特許文献5に示されているような「絵柄面積率測定装置」を用い、この「絵柄面積率測定装置」を用いて測定した絵柄面積率を可搬型のメモリに書き込み、この絵柄面積率が書き込まれた可搬型のメモリを入力装置104にセットすることによって、刷版7’のインキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の絵柄面積率の入力を行う。なお、CPU101と「絵柄面積率測定装置」とをオンラインで結び、「絵柄面積率測定装置」から直接、刷版7’のインキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の絵柄面積率を取り込むようにしてもよい。
CPU101は、入力装置104に可搬型のメモリがセットされると、すなわちインキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の刷版7’の絵柄面積率が入力されると(ステップS113のYES)、メモリM1中のカウント値Nを1とし(図13:ステップS114)、メモリM1からカウント値Nを読み出し(ステップS115)、N番目のインキツボキーに対応する範囲の刷版7’の絵柄面積率を可搬型のメモリから読み出して、メモリM2のN番目のアドレス位置に記憶させる(ステップS116)。
そして、メモリM1中のカウント値Nに1を加算して(ステップS117)、メモリM4からインキツボキーの総数nを読み出し(ステップS118)、カウント値Nがインキツボキーの総数nを超えるまで(ステップS119のYES)、ステップS115〜S119の処理動作を繰り返す。これにより、刷版7’のインキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の絵柄面積率が可搬型のメモリから読み出され、次の印刷ジョブのインキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の絵柄面積率S1b〜SnbとしてメモリM2に格納されて行く。
〔版交換・洗浄〕
一方、オペレータは、印刷機が停止され、インキ着ローラ6−1〜6−4および水着ローラ12が脱とされている状態で(図7(a))、版胴8に装着されている刷版7を次の印刷ジョブの刷版7’に交換するとともにゴム胴9の洗浄を行う(図7(b))。
〔インキローラ群の分割〕
CPU101は、印刷ジョブ切替開始スイッチ108がオンとされると(図14:ステップS120のYES)、インキ呼び出し装置115に動作停止信号を出力し(ステップS121)、インキ呼び出しローラ5の呼び出し動作を停止させる。そして、ローラ群分割・連結用エアシリンダ用バルブ117に分割信号を出力し(ステップS122)、インキローラ群6を上流側のローラ小群6Aと下流側のローラ小群6Bとに分割させる(図3参照)。
これにより、インキローラ群6のインキ膜厚分布Mcは、図7(c)に示すように、上流側のローラ小群6Aのインキ膜厚分布McAと下流側のローラ小群6Bのインキ膜厚分布McBとに分かれる。
〔上流側のローラ小群中のインキの掻き取り〕
次に、CPU101は、メモリM5からプレインキング時の回転速度Vprを読み出し(ステップS123)、原動モータドライバ110にD/A変換器112を介してプレインキング時の回転速度Vprを出力する(ステップS124)。これにより、印刷機が回転し始め、その速度がプレインキング時の回転速度Vprまで上昇する。
そして、CPU101は、インキ掻き取りブレード着脱用エアシリンダ用バルブ123に着信号を出力する(ステップS125)。これにより、図4に示されるように、インキ掻き取りブレード着脱用エアシリンダ122が縮退動作し、インキ掻き取りブレード15がローラ6A2の周面に対接し、上流側のローラ小群6A中のインキの掻き取り(インキの除去)が開始される。
CPU101は、この上流側のローラ小群6A中のインキの除去を、印刷機の回転回数がメモリM7中のインキ掻き取り時の回転回数N1に達するまで続ける。すなわち、CPU101は、インキ掻き取りブレード着脱用エアシリンダ用バルブ123に着信号を出力した後(ステップS125)、印刷機の回転回数カウント用カウンタ114にリセット信号およびイネーブル信号を出力し(図15:ステップS126)、印刷機の回転回数カウント用カウンタ114へのリセット信号の出力を停止させて(ステップS127)、印刷機の回転回数カウント用カウンタ114の零からのカウント動作を開始させる。そして、印刷機の回転回数カウント用カウンタ114からカウント値を読み込んでメモリM6に記憶し(ステップS128)、メモリM7中のインキ掻き取り時の回転回数N1を読み出し(ステップS129)、印刷機の回転回数カウント用カウンタ114のカウント値がインキ掻き取り時の回転回数N1に達するまで(ステップS130のYES)、ステップS128〜S130の処理動作を繰り返す。
そして、印刷機の回転回数カウント用カウンタ114のカウント値がインキ掻き取り時の回転回数N1に達した時点で(ステップS130のYES)、インキ掻き取りブレード着脱用エアシリンダ用バルブ123に脱信号を出力し(ステップS131)、上流側のローラ小群6A中のインキの除去を完了させる。
これにより、図7(d)に示されるように、上流側のローラ小群6Aにリムービング後のインキ膜厚分布MaA’が残される。この時、下流側のローラ小群6Bのインキ膜厚分布は、インキ掻き取り時の回転回数N1により均されて、平坦なインキ膜厚分布McB’となる。
この工程において、リムービング後のインキ膜厚分布MaA’は、インキ掻き取りブレード15がローラ幅方向に対して一律にインキを掻きとるので、インキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の絵柄面積率の違いによるインキの膜厚の凹凸の影響を受けた、また絵柄面積率がゼロの部分に対応する基準インキ膜厚分布に食い込んだ形でインキを除去したインキ膜厚分布となる。
〔次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じた補正されたインキツボキーの開き量の設定(プレインキング時のインキツボキーの開き量の設定)〕
次に、CPU101は、メモリM1中のカウント値Nを1とし(図16:ステップS132)、メモリM1からカウント値Nを読み出し(ステップS133)、メモリM2のN番目のアドレス位置より、次の印刷ジョブのN番目のインキツボキーに対応する範囲の絵柄面積率SNbを読み出す(ステップS134)。
そして、メモリM8中の絵柄面積率−インキツボキー開き量変換テーブルを読み出し(ステップS135)、この絵柄面積率−インキツボキー開き量変換テーブルを用いて、次の印刷ジョブのN番目のインキツボキーに対応する範囲の絵柄面積率SNbより、次の印刷ジョブのN番目のインキツボキーの開き量(次の印刷ジョブの刷版7’の絵柄に応じたN番目のインキツボキーの開き量)θNbを求め、この求めた次の印刷ジョブのN番目のインキツボキーの開き量θNbをメモリM9のN番目のアドレス位置に記憶させる(ステップS136)。
次に、CPU101は、メモリM3のN番目のアドレス位置より、前の印刷ジョブのN番目のインキツボキーに対応する範囲の絵柄面積率SNaを読み出し(ステップS137)、メモリM10から前の印刷ジョブの絵柄面積率に関する補正係数αを読み出し(図17:ステップS138)、前の印刷ジョブのN番目のインキツボキーに対応する範囲の絵柄面積率SNaに前の印刷ジョブの絵柄面積率に関する補正係数αを乗算し、前の印刷ジョブの絵柄面積率に関するN番目のインキツボキーの開き量の補正値KANを求め、メモリM11のN番目のアドレス位置に記憶させる(ステップS139)。
そして、メモリM12から前の印刷ジョブの絵柄間面積率がゼロの時の基準補正値KA0を読み出し(ステップS140)、前の印刷ジョブの絵柄間面積率がゼロの時の基準補正値KA0より前の印刷ジョブの絵柄面積率に関するN番目のインキツボキーの開き量の補正値KANを減算し、プレインキング時のN番目のインキツボキーの開き量の補正値ΔθNを求め、メモリM13のN番目のアドレス位置に記憶させる(ステップS141)。
そして、CPU101は、メモリM9のN番目のアドレス位置より次の印刷ジョブのN番目のインキツボキーの開き量θNbを読み出し(ステップS142)、次の印刷ジョブのN番目のインキツボキーの開き量θNbにプレインキング時のN番目のインキツボキーの開き量の補正値ΔθNを加算し、プレインキング時のN番目のインキツボキーの開き量θNb’(θNb’=θNb+ΔθN)を求め、メモリM14のN番目のアドレス位置に記憶させるとともに(図18:ステップS143)、N番目のインキツボキー制御装置300に送信する(ステップS144)。
ここで、次の印刷ジョブのN番目のインキツボキーの開き量θNbは、図8を用いて説明したジョブBの絵柄膜厚成分JBに相当し、プレインキング時のN番目のインキツボキーの開き量の補正値ΔθNは、図8を用いて説明した基準膜厚補填成分JXに相当する。したがって、プレインキング時のN番目のインキツボキーの開き量θNb’(θNb’=θNb+ΔθN)は、ジョブBの絵柄膜厚成分JBと基準膜厚補填成分JXとを足し合わせた膜厚成分「JB+JX」に相当するものとなる。
そして、CPU101は、メモリM1中のカウント値Nに1を加算し(ステップS145)、メモリM4からインキツボキーの総数nを読み出し(ステップS146)、カウント値Nがインキツボキーの総数nを超えるまで(ステップS147のYES)、ステップS133〜S147の処理動作を繰り返す。
これにより、インキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の刷版7’の絵柄に応じたインキツボキー4−1〜4−nの開き量θ1b〜θnbがプレインキング時のインキツボキーの開き量の補正値Δθ1〜Δθnによって補正されてプレインキング時のインキツボキーの開き量θ1b’〜θnb’とされ、このプレインキング時のインキツボキーの開き量θ1b’〜θnb’がメモリM14に記憶されて行くと共に、インキツボキー制御装置300−1〜300−nに送信されて行く。
〔インキツボキーの開き量の設定が完了していることの確認〕
次に、CPU101は、メモリM1中のカウント値Nを1とし(図19:ステップS148)、メモリM1からカウント値Nを読み出し(ステップS149)、N番目のインキツボキー制御装置300からのインキツボキーの開き量の設定完了信号の有無を確認する(ステップS150)。
ここで、N番目のインキツボキー制御装置300からインキツボキーの開き量の設定完了信号が送信されてきていなけば(ステップS150のNO)、ステップS148に戻り、メモリM1中のカウント値Nを1として、ステップS149,S150を繰り返す。
N番目のインキツボキー制御装置300からインキツボキーの開き量の設定完了信号が送信されてきていれば(ステップS150のYES)、メモリM1中のカウント値Nに1を加算し(ステップS151)、メモリM4からインキツボキーの総数nを読み出し(ステップS152)、カウント値Nとインキツボキーの総数nとを比較する(ステップS153)。
CPU101は、カウント値Nがインキツボキーの総数nに一致するまで、ステップS149〜S153の処理動作を繰り返す。そして、カウント値Nがインキツボキーの総数nを超えると(ステップS153のYES)、すなわち全てのインキツボキー制御装置300から設定完了信号が送信されてきたことを確認すると、CPU101は、インキツボキーの開き量の設定が完了していると判断し、全てのインキツボキー制御装置300(300−1〜300−n)に、全インキツボキーの開き量設定完了信号を送信する(ステップS154)。
〔インキローラ群の連結〕
次に、CPU101は、ローラ群分割・連結用エアシリンダ用バルブ117に連結信号を出力し(図20:ステップS155)、上流側のローラ小群6Aと下流側のローラ小群6Bとを連結し、1つのインキローラ群6に戻す(図7(e))。
〔プレインキング(インキ膜厚分布の形成)〕
次に、CPU101は、メモリM15に格納されているインキツボローラの回転量を読み出し(ステップS156)、その読み出したインキツボローラの回転量をインキツボローラ制御装置200に送信する(ステップS157)。
そして、インキツボローラ制御装置200からのインキツボローラの回転量受信完了信号を受けて(ステップS158のYES)、インキ呼び出し装置115に動作信号を出力し(ステップS159)、インキ呼び出しローラ5の呼び出し動作を開始させる。CPU101は、このインキ呼び出しローラ5の呼び出し動作を、印刷機の回転回数がメモリM16中のプレインキング時の回転回数N2に達するまで続ける(ステップS160〜S164(図21))。
すなわち、印刷機の回転回数カウント用カウンタ114にリセット信号およびイネーブル信号を出力し(ステップS160)、印刷機の回転回数カウント用カウンタ114へのリセット信号の出力を停止させて(ステップS161)、印刷機の回転回数カウント用カウンタ114の零からのカウント動作を開始させる。そして、印刷機の回転回数カウント用カウンタ114からカウント値を読み込んでメモリM6に記憶し(ステップS162)、メモリM16中のプレインキング時の回転回数N2を読み出し(図21:ステップS163)、印刷機の回転回数カウント用カウンタ114のカウント値がプレインキング時の回転回数N2に達するまで(ステップS164のYES)、ステップS162〜S164の処理動作を繰り返す。
これにより、インキローラ群6に残されているリムービング後のインキ膜厚成分に次の印刷ジョブの絵柄膜厚成分と基準膜厚補填成分とが加えられ、インキローラ群6に次の印刷ジョブの刷版7’の絵柄に応じたインキ膜厚分布Mdが形成される(図7(f))。
CPU101は、印刷機の回転回数カウント用カウンタ114のカウント値がプレインキング時の回転回数N2に達すると(ステップ164のYES)、インキ呼び出し装置115に動作停止信号を出力し、インキ呼び出しローラ5の呼び出し動作を停止させる(ステップS165)。
〔次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキツボキーの開き量への設定〕
次に、CPU101は、メモリM1中のカウント値Nを1とし(ステップS166)、メモリM1からカウント値Nを読み出し(ステップS167)、メモリM9のN番目のアドレス位置より、次の印刷ジョブのN番目のインキツボキーの開き量θNbを読み出し(ステップS168)、N番目のインキツボキー制御装置300に送信する(ステップS169)。そして、メモリM1中のカウント値Nに1を加算し(ステップS170)、メモリM4からインキツボキーの総数nを読み出し(ステップS171)、カウント値Nがインキツボキーの総数nを超えるまで(図22:ステップS172のYES)、ステップS167〜S172の処理動作を繰り返す。
これにより、インキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の次の印刷ジョブの刷版7’の絵柄に応じたインキツボキー4−1〜4−nの開き量θ1b〜θnbが、インキツボキー制御装置300−1〜300−nに送信されて行く。
〔インキツボキーの開き量の設定が完了していることの確認〕
次に、CPU101は、メモリM1中のカウント値Nを1とし(ステップS173)、メモリM1からカウント値Nを読み出し(ステップS174)、N番目のインキツボキー制御装置300からのインキツボキーの開き量の設定完了信号の有無を確認する(ステップS175)。
ここで、N番目のインキツボキー制御装置300からインキツボキーの開き量の設定完了信号が送信されてきていなけば(ステップS175のNO)、ステップS173に戻り、メモリM1中のカウント値Nを1として、ステップS174,S175を繰り返す。
N番目のインキツボキー制御装置300からインキツボキーの開き量の設定完了信号が送信されてきていれば(ステップS175のYES)、メモリM1中のカウント値Nに1を加算し(ステップS176)、メモリM4からインキツボキーの総数nを読み出し(ステップS177)、カウント値Nとインキツボキーの総数nとを比較する(ステップS178)。
CPU101は、カウント値Nがインキツボキーの総数nに一致するまで、ステップS174〜S178の処理動作を繰り返す。そして、カウント値Nがインキツボキーの総数nを超えると(ステップS178のYES)、すなわち全てのインキツボキー制御装置300から設定完了信号が送信されてきたことを確認すると、CPU101は、インキツボキーの開き量の設定が完了していると判断し、全てのインキツボキー制御装置300(300−1〜300−n)に、全インキツボキーの開き量設定完了信号を送信する(ステップS179)。
〔インキローラ群の分割(ローラ群再分割)〕
そして、CPU101は、ローラ群分割・連結用エアシリンダ用バルブ117に分割信号を出力し(図23:ステップS180)、インキローラ群6を上流側のローラ小群6Aと下流側のローラ小群6Bとに再分割させる(図3参照)。
これにより、インキローラ群6のインキ膜厚分布Mdは、図7(g)に示すように、上流側のローラ小群6Aのインキ膜厚分布MdAと下流側のローラ小群6Bのインキ膜厚分布MdBとに分かれる。
〔下流側のローラ小群と版胴およびゴム胴とを着状態とする〕
次に、CPU101は、水着ローラの着指令、インキ着ローラの着指令、版胴とゴム胴の着指令を印刷ユニット125に出力する(ステップS181、S182、S183)。すなわち、水着ローラの着指令によって、水着ローラ12を着とし、刷版7’に接した状態とする。また、インキ着ローラの着指令によって、インキ着ローラ6−1〜6−4を着とし、刷版7’に接した状態とする。また、版胴とゴム胴の着指令によって、版胴8とゴム胴9のみを着状態とする。すなわち、ゴム胴9を版胴8に対してのみ着とする。これにより、下流側のローラ小群6Bと版胴8およびゴム胴9とが着状態とされる(図7(h))。
〔版胴・ゴム胴プレインキング(版胴・ゴム胴へのインキの供給)〕
そして、この状態で、CPU101は、印刷機の回転回数がメモリM17中の版胴・ゴム胴プレインキング時の回転回数N3に達するまで、印刷機を回転させる(ステップS184〜S188(図24))。
すなわち、印刷機の回転回数カウント用カウンタ114にリセット信号およびイネーブル信号を出力し(ステップS184)、印刷機の回転回数カウント用カウンタ114へのリセット信号の出力を停止させて(ステップS185)、印刷機の回転回数カウント用カウンタ114の零からのカウント動作を開始させる。そして、印刷機の回転回数カウント用カウンタ114からカウント値を読み込んでメモリM6に記憶し(ステップS186)、メモリM17中の版胴・ゴム胴プレインキング時の回転回数N3を読み出し(ステップS187)、印刷機の回転回数カウント用カウンタ114のカウント値が版胴・ゴム胴プレインキング時の回転回数N3に達するまで(図24:ステップS188のYES)、ステップS186〜S188の処理動作を繰り返す。
これにより、下流側のローラ小群6B中のインキが版胴8に装着されている刷版7’およびゴム胴9に供給される(図7(i))。この場合、下流側のローラ小群6B中の比較的薄いインキ膜厚分布MdBのインキのみが刷版7’およびゴム胴9に供給されるものとなり、刷版7’およびゴム胴9におけるインキ膜厚分布が厚くなり過ぎることが防がれる。
〔次の印刷ジョブの印刷(印刷開始)〕
〔インキローラ群の連結〕
CPU101は、印刷機の回転回数カウント用カウンタ114のカウント値が版胴・ゴム胴プレインキング時の回転回数N3に達すると(ステップS188のYES)、インキ呼び出し装置115に動作信号を出力し(ステップS189)、インキ呼び出しローラ5の呼び出し動作を開始させる。
そして、CPU101は、ローラ群分割・連結用エアシリンダ用バルブ117に連結信号を出力し(ステップS190)、上流側のローラ小群6Aと下流側のローラ小群6Bとを再連結し(図2参照)、1つのインキローラ群6に戻す(図7(j))。
〔給紙&胴入れ〕
そして、CPU101は、メモリM18から印刷速度Vpを読み出し(ステップS191)、原動モータドライバ110にD/A変換器112を介して印刷速度の回転指令を出力し(ステップS192)、印刷機の速度を印刷速度Vpとする。また、給紙装置124に給紙指令を出力し(ステップS193)、印刷機への給紙を開始する。また、胴入れ指令(圧胴とゴム胴の着指令)を印刷ユニット125に出力し(ステップS194)、ゴム胴9を圧胴10に対しても着状態とする。すなわち、版胴8、ゴム胴9および圧胴10間を接触させた胴入れ状態とする(図2参照)。これにより、刷版7’を使用しての次の印刷ジョブの印刷が開始される。
この場合、次の印刷ジョブの印刷時のインキ膜厚分布(最終的な本刷り時のインキ膜厚分布)は、印刷中に作成される。この際、下流側のローラ小群6Bおよび版胴8およびゴム胴9中のインキ膜厚分布MdB’は薄くなっているため、インキが上流側から下流側に速く流れ、インキローラ群6および版胴8およびゴム胴9に本刷り中のインキ膜厚分布Meが速やかに形成されるものとなる(図7(k))。
〔実施の形態2:インキツボキーに対応する範囲の前の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキの供給量を示す指標値を前の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキツボキーの開き量とする例〕
実施の形態1では、インキツボキーに対応する範囲の前の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキの供給量を示す指標値を前の印刷ジョブの刷版の絵柄面積率とするようにしたが、実施の形態2では前の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキツボキーの開き量とする。
図25および図26に実施の形態2におけるメモリ126の内容を分割して示す。なお、実施の形態2の印刷ジョブ切替制御装置の構成は、図1に示した印刷ジョブ切替制御装置100の構成と同じであるので、この印刷ジョブ切替制御装置100の構成を流用する。
メモリ126にはメモリM21〜M39が設けられる。メモリM21にはカウント値Nが記憶される。メモリM22には次の印刷ジョブの刷版のインキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の絵柄面積率S1b〜Snbが記憶される。メモリM23には前の印刷ジョブの刷版のインキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の絵柄面積率S1a〜Snaが記憶される。メモリM24には各印刷ユニットのインキツボキーの総数nが記憶される。メモリM25にはプレインキング時の回転速度Vprが記憶される。メモリM26には印刷機の回転回数カウント用カウンタ114のカウント値が記憶される。メモリM27にはインキ掻き取り時の印刷機の回転回数N1が記憶される。メモリM28には絵柄面積率−インキツボキー開き量変換テーブルが記憶される。メモリM29には次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキツボキー4−1〜4−nの開き量θ1b〜θnbが記憶される。メモリM30には前の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキツボキー4−1〜4−nの開き量θ1a〜θnaが記憶される。
メモリM31には前の印刷ジョブのインキツボキーの開き量に関する補正係数βが記憶される。メモリM32には前の印刷ジョブのインキツボキーの開き量に関するインキツボキー4−1〜4−nの開き量の補正値KB1〜KBnが記憶される。メモリM33には前の印刷ジョブのインキツボキーの開き量がゼロの時の基準補正値KB0が記憶される。メモリM34にはプレインキング時のインキツボキー4−1〜4−nの開き量の補正値Δθ1〜Δθnが記憶される。メモリM35にはプレインキング時のインキツボキー4−1〜4−nの開き量θ1b’〜θnb’が記憶される。メモリM36にはインキツボローラの回転量が記憶される。メモリM37にはプレインキング時の印刷機の回転回数N2が記憶される。メモリM38には版胴・ゴム胴プレインキング時の印刷機の回転回数N3が記憶される。メモリM39には印刷速度Vpが記憶される。
この実施の形態2の印刷ジョブ切替制御装置100のCPU101が実行する印刷ジョブ切替動作のフローチャートを図27〜図40に分割して示す。この実施の形態2におけるCPU101が実行する処理動作のうち、ステップS201(図27)〜S231(図31)、ステップS249(図35)〜S295(図40)の処理動作は実施の形態1のステップS101(図11)〜S131(図15)、ステップS148(図19)〜S194(図24)の処理動作と同じであるので説明は省略し、実施の形態1とは異なる処理を含むステップS232(図32)〜S248(図34)の処理動作についてのみ説明する。
〔次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じた補正されたインキツボキーの開き量の設定(プレインキング時のインキツボキーの開き量の設定)〕
CPU101は、メモリM21中のカウント値Nを1とし(図32:ステップS232)、メモリM21からカウント値Nを読み出し(ステップS233)、メモリM22のN番目のアドレス位置より、次の印刷ジョブのN番目のインキツボキーに対応する範囲の絵柄面積率SNbを読み出す(ステップS234)。
そして、メモリM28中の絵柄面積率−インキツボキー開き量変換テーブルを読み出し(ステップS235)、この絵柄面積率−インキツボキー開き量変換テーブルを用いて、次の印刷ジョブのN番目のインキツボキーに対応する範囲の絵柄面積率SNbより、次の印刷ジョブのN番目のインキツボキーの開き量(次の印刷ジョブの刷版7’の絵柄に応じたN番目のインキツボキーの開き量)θNbを求め、この求めた次の印刷ジョブのN番目のインキツボキーの開き量θNbをメモリM29のN番目のアドレス位置に記憶させる(ステップS236)。
次に、CPU101は、メモリM23のN番目のアドレス位置より、前の印刷ジョブのN番目のインキツボキーに対応する範囲の絵柄面積率SNaを読み出し(ステップS237)、ステップS235で読み出した絵柄面積率−インキツボキー開き量変換テーブルを用いて、前の印刷ジョブのN番目のインキツボキーに対応する範囲の絵柄面積率SNaより、前の印刷ジョブのN番目のインキツボキーの開き量(前の印刷ジョブの刷版7の絵柄に応じたN番目のインキツボキーの開き量)θNaを求め、この求めた前の印刷ジョブのN番目のインキツボキーの開き量θNaをメモリM30のN番目のアドレス位置に記憶させる(図33:ステップS238)。
そして、CPU101は、メモリM31から前の印刷ジョブのインキツボキーの開き量に関する補正係数βを読み出し(ステップS239)、前の印刷ジョブのN番目のインキツボキーの開き量θNaに前の印刷ジョブのインキツボキーの開き量に関する補正係数βを乗算し、前の印刷ジョブのインキツボキーの開き量に関するN番目のインキツボキーの開き量の補正値KBNを求め、メモリM32のN番目のアドレス位置に記憶させる(ステップS240)。
そして、メモリM33から前の印刷ジョブのインキツボキーの開き量がゼロの時の基準補正値KB0を読み出し(ステップS241)、前の印刷ジョブのインキツボキーの開き量がゼロの時の基準補正値KB0より前の印刷ジョブのインキツボキーの開き量に関するN番目のインキツボキーの開き量の補正値KBNを減算し、プレインキング時のN番目のインキツボキーの開き量の補正値ΔθNを求め、メモリM34のN番目のアドレス位置に記憶させる(ステップS242)。
そして、CPU101は、メモリM29のN番目のアドレス位置より次の印刷ジョブのN番目のインキツボキーの開き量θNbを読み出し(ステップS243)、次の印刷ジョブのN番目のインキツボキーの開き量θNbにプレインキング時のN番目のインキツボキーの開き量の補正値ΔθNを加算し、プレインキング時のN番目のインキツボキーの開き量θNb’(θNb’=θNb+ΔθN)を求め、メモリM35のN番目のアドレス位置に記憶させるとともに(図34:ステップS244)、N番目のインキツボキー制御装置300に送信する(ステップS245)。
ここで、次の印刷ジョブのN番目のインキツボキーの開き量θNbは、図8を用いて説明したジョブBの絵柄膜厚成分JBに相当し、プレインキング時のN番目のインキツボキーの開き量の補正値ΔθNは、図8を用いて説明した基準膜厚補填成分JXに相当する。したがって、プレインキング時のN番目のインキツボキーの開き量θNb’(θNb’=θNb+ΔθN)は、ジョブBの絵柄膜厚成分JBと基準膜厚補填成分JXとを足し合わせた膜厚成分「JB+JX」に相当するものとなる。
そして、CPU101は、メモリM21中のカウント値Nに1を加算し(ステップS246)、メモリM24からインキツボキーの総数nを読み出し(ステップS247)、カウント値Nがインキツボキーの総数nを超えるまで(ステップS248のYES)、ステップS233〜S248の処理動作を繰り返す。
これにより、インキツボキー4−1〜4−nに対応する範囲の刷版7’の絵柄に応じたインキツボキー4−1〜4−nの開き量θ1b〜θnbがプレインキング時のインキツボキーの開き量の補正値Δθ1〜Δθnによって補正されてプレインキング時のインキツボキーの開き量θ1b’〜θnb’とされ、このプレインキング時のインキツボキーの開き量θ1b’〜θnb’がメモリM35に記憶されて行くと共に、インキツボキー制御装置300−1〜300−nに送信されて行く。
〔インキツボローラ制御装置〕
図41にインキツボローラ制御装置200の内部構成の概略を示す。インキツボローラ制御装置200は、CPU201、RAM202、ROM203、インキツボローラ駆動用モータ204、インキツボローラ駆動用モータドライバ205、インキツボローラ駆動用モータ用ロータリーエンコーダ206、入出力インターフェイス(I/O,I/F)207,208、メモリ209,210を備えており、インターフェイス207を介して印刷ジョブ切替制御装置100と接続されている。メモリ209には受信したインキツボローラの回転量が記憶される。メモリ210には目標とするインキツボローラの回転量が記憶される。
CPU201は、印刷ジョブ切替制御装置100よりインキツボローラの回転量が送られてくると(図42:ステップS301のYES)、その受信した回転量をメモリ209に記憶する(ステップS302)。また、印刷ジョブ切替制御装置100に、インキツボローラの回転量受信完了信号を送信する(ステップS303)。また、受信したインキツボローラの回転量を目標とするインキツボローラの回転量(目標回転量)としてメモリ210に記憶する(ステップS304)。そして、メモリ210から目標回転量を読み出し(ステップS305)、この目標回転量より目標とするインキツボローラ駆動用モータ204の回転速度を演算し(ステップS306)、インキツボローラ駆動用モータドライバ205へ送り、インキツボローラの回転量を目標回転量に合わせ込む(ステップS307)。
〔インキツボキー制御装置〕
図43にインキツボキー制御装置300(300−1〜300−n)の内部構成の概略を示す。インキツボキー制御装置300は、CPU301、RAM302、ROM303、インキツボキー駆動用モータ304、インキツボキー駆動用モータドライバ305、インキツボキー駆動用モータ用ロータリーエンコーダ306、カウンタ307、入出力インターフェイス(I/O,I/F)308,309、メモリ310〜313を備えており、インターフェイス308を介して印刷ジョブ切替制御装置100と接続されている。メモリ310には受信したインキツボキーの開き量が記憶される。メモリ311には目標とするインキツボキーの開き量が記憶される。メモリ312にはカウンタ307のカウント値が記憶される。メモリ313には現在のインキツボキーの開き量が記憶される。
CPU301は、印刷ジョブ切替制御装置100よりインキツボキーの開き量が送られてくると(図44:ステップS401のYES)、その受信した開き量をメモリ310に記憶するとともに(ステップS402)、受信したインキツボキーの開き量を目標とする開き量としてメモリ311に記憶する(ステップS403)。
そして、カウンタ307からカウント値を読み取ってメモリ312に記憶し(ステップS404)、この読み取ったカウンタ307のカウント値より現在のインキツボキーの開き量を求めてメモリ313に記憶し(ステップS405)、メモリ311から目標とするインキツボキーの開き量を読み出し(ステップS406)、現在のインキツボキーの開き量が目標とする開き量と同じであれば(ステップS407のYES)、直ちにステップS416(図45)へ進み、印刷ジョブ切替制御装置100へインキツボキーの開き量の設定完了信号を出力する。
現在のインキツボキーの開き量が目標とする開き量と同じでない場合には(ステップS407のNO)、現在のインキツボキーの開き量が目標とする開き量と同じになるまでインキツボキー駆動用モータ304を駆動した後(ステップS408〜S415(図45))、印刷ジョブ切替制御装置100へインキツボキーの開き量の設定完了信号を出力する(ステップS416)。
すなわち、現在のインキツボキーの開き量が目標とする開き量よりも小さい場合には(ステップS408のYES)、インキツボキー駆動用モータドライバ305に正転指令を送り(ステップS409)、カウンタ307よりカウント値を読み込み(ステップS411)、そのカウント値より現在のインキツボキーの開き量を演算し(ステップS412)、メモリ311から目標とするインキツボキーの開き量を読み出し(ステップS413)、現在のインキツボキーの開き量が目標とするインキツボキーの開き量と一致するまで(ステップS414のYES)、ステップS411〜S414の処理動作を繰り返す。
また、現在のインキツボキーの開き量が目標とする開き量よりも大きい場合には(ステップS408のNO)、インキツボキー駆動用モータドライバ305に逆転指令を送り(ステップS410)、カウンタ307よりカウント値を読み込み(ステップS411)、そのカウント値より現在のインキツボキーの開き量を演算し(ステップS412)、メモリ311から目標とするインキツボキーの開き量を読み出し(ステップS413)、現在のインキツボキーの開き量が目標とするインキツボキーの開き量と一致するまで(ステップS414のYES)、ステップS411〜S414の処理動作を繰り返す。
そして、ステップS414において現在のインキツボキーの開き量が目標とするインキツボキーの開き量と一致すれば(ステップS414のYES)、インキツボキー駆動用モータドライバ305に停止指令を出力し(ステップS415)、印刷ジョブ切替制御装置100へインキツボキーの開き量の設定完了信号を出力する(ステップS416)。
印刷ジョブ切替制御装置100へインキツボキーの開き量の設定完了信号を出力すると(ステップS416)、CPU301は、印刷ジョブ切替制御装置100からの全インキツボキーの開き量設定完了信号を受信した時点で(ステップS417のYES)、印刷ジョブ切替制御装置100へのインキツボキーの開き量の設定完了信号の出力を停止する(ステップS418)。
なお、上述した実施の形態では、インキローラ群6を上流側のローラ小群6Aと下流側のローラ小群6Bとに2分割するようにしたが(ローラ6Cも含めれば厳密には3分割)、3分割したり、4分割したりするなど、さらに多くのローラ小群に分割するようにしてもよい。また、その場合、分割されたローラ小群のうちの少なくとも最も下流側のローラ小群と次の印刷ジョブで使用する刷版が装着されている版胴とを着状態にすればよい。
また、上述した実施の形態では、揺動アーム14を用いてインキローラ群6を分割・連結するようにしたが、インキローラ群6を分割・連結する機構は揺動アームを用いた機構に限られるものでないことは言うまでもない。
また、上述した実施の形態では、版胴8に装着されている刷版7(7’)に供給されたインキをゴム胴9を介して印刷用紙11に転写する例で説明したが、版胴8に装着されている刷版7(7’)に供給されたインキをゴム胴9を介することなく直接印刷用紙11に転写する例においても(図46参照)、同様にして本発明を適用することが可能であり、同様の効果を得ることができる。
また、上述した実施の形態では、インキローラ群6に次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布を形成して行く際に、インキローラ群6を上流側のローラ小群6Aと下流側のローラ小群6Bとに分割するようにしたが、必ずしも分割するようにしなくてもよい。すなわち、分割・連結する機構のないインキ供給装置に本発明を適用するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、1つのインキ供給装置を代表してその動作を説明したが、各色のインキ供給装置において同様の動作が行われることは言うまでもない。すなわち、上述した実施の形態1や2のフローチャートにはプレインキング時のインキツボキーの開き量の設定など1色分の処理動作についてしか示していないが、実際には全色について同様の処理動作が行われ、各色のインキ供給装置において同様にして次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布の形成が行われるものとなる。
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
1…インキツボ、2…インキ、3…インキツボローラ、4(4−1〜4−n)…インキツボキー、5…インキ呼び出しローラ、6…インキローラ群、6−1〜6−4…インキ着ローラ、6A…上流側のローラ小群、6B…下流側のローラ小群、6A1,6A2,6B1、6C…ローラ、7,7’…刷版、8…版胴、9…ゴム胴、10…圧胴、11…印刷用紙(被印刷体)、12…水着ローラ、13…水舟、14…揺動アーム、15…インキ掻き取りブレード、16…インキ受け、101…CPU、102…RAM、103…ROM、104…入力装置、105…表示器、106…出力装置(プリンタ等)、107…印刷停止スイッチ、108…印刷ジョブ切替開始スイッチ、109…印刷機の原動モータ、110…原動モータドライバ、111…原動モータ用ロータリーエンコーダ、112…D/A変換器、113…印刷機の原点位置検出器、114…印刷機の回転回数カウント用カウンタ、115…インキ呼び出し装置、116…ローラ群分割・連結用エアシリンダ、117…ローラ群分割・連結用エアシリンダ用バルブ、118…水着ローラ着脱用エアシリンダ、119…水着ローラ着脱用エアシリンダ用バルブ、120…インキ着ローラ着脱用エアシリンダ、121…インキ着ローラ着脱用エアシリンダ用バルブ、122…インキ掻き取りブレード着脱用エアシリンダ、123…インキ掻き取りブレード着脱用エアシリンダ用バルブ、124…給紙装置、125…印刷ユニット、126…メモリ、127−1〜127−10…入出力インターフェイス(I/O,I/F)、100…印刷ジョブ切替制御装置、200…インキツボローラ制御装置、300(300−1〜300−n)…インキツボキー制御装置。

Claims (14)

  1. インキツボキーを複数備え、これらインキツボキーの開き量の調整によってインキツボ内よりインキツボローラに供給されるインキの量を調整し、このインキツボローラに供給されたインキをインキ呼び出しローラの呼び出し動作によりインキローラ群を介して刷版へ供給するインキ供給装置におけるインキローラ群に、次の印刷ジョブの印刷で使用する刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布を形成するインキ供給方法において、
    前記インキローラ群内のインキをインキ掻き取り部材で掻き取って除去することにより減少させるインキ減少ステップと、
    次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じた前記各インキツボキーの開き量を求める開量演算ステップと、
    前記各インキツボキーに対応する範囲の前の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキの供給量を示す指標値に応じた補正値を各インキツボキーの開き量の補正値として求める補正値演算ステップと、
    前記開量演算ステップによって求められた次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じた各インキツボキーの開き量を前記補正値演算ステップによって求められた各インキツボキーの開き量の補正値で補正する開量補正ステップと、
    前記開量補正ステップによって補正された開き量に前記各インキツボキーの開き量を設定する開量設定ステップと、
    前記インキ減少ステップによって前記インキローラ群内のインキが減少された状態で、前記開量設定ステップによって前記各インキツボキーの開き量が補正された開き量に設定された状態で、前記インキ呼び出しローラの呼び出し動作を所定回数行い、前記インキローラ群に次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布を形成するインキ膜厚分布形成ステップと
    を備えることを特徴とするインキ供給方法。
  2. 請求項1に記載されたインキ供給方法において、
    前記インキ膜厚分布形成ステップは、
    前記インキローラ群に次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布を形成した後、前記各インキツボキーの開き量を次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じた開き量に設定する
    ことを特徴とするインキ供給方法。
  3. 請求項1又は2に記載されたインキ供給方法において、
    前の刷版を使用しての印刷ジョブの終了後、印刷機を停止するとともに、前記インキローラ群のインキの流動経路の末端に位置するインキ着ローラを脱とするインキ着ローラ脱ステップと、
    前記インキ着ローラ脱ステップによるインキ着ローラの脱後、前記インキローラ群を複数のローラ小群に分割するリムービング時のローラ群分割ステップとを備え、
    前記インキ減少ステップは、
    前記リムービング時のローラ群分割ステップによって分割された複数のローラ小群のうちの一部のローラ小群内のインキをインキ掻き取り部材で掻き取って除去することにより減少させる
    ことを特徴とするインキ供給方法。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載されたインキ供給方法において、
    前記インキ膜厚分布形成ステップによって次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布が形成されているインキローラ群を複数のローラ小群に分割する印刷開始時のローラ群分割ステップと、
    前記印刷開始時のローラ群分割ステップによって分割された後もしくは分割される前に、前記複数のローラ小群のうちの少なくとも最も下流側のローラ小群と次の印刷ジョブで使用する刷版が装着されている前記版胴とを着状態にする着ステップと、
    前記印刷開始時のローラ群分割ステップによって分割され、前記着ステップによって着状態とされている版胴およびローラ小群を所定回転数回転させて、そのローラ小群内のインキを前記版胴に装着されている刷版に供給するインキ供給ステップと
    を備えることを特徴とするインキ供給方法。
  5. 請求項4に記載されたインキ供給方法において、
    前記着ステップは、
    前記印刷開始時のローラ群分割ステップによって分割された後もしくは分割される前に、前記複数のローラ小群のうちの少なくとも最も下流側のローラ小群と次の印刷ジョブで使用する刷版が装着されている前記版胴とを着状態にするとともに、当該版胴とこの版胴に装着されている刷版に供給されたインキを被印刷体に転写するためのゴム胴とを着状態にし、
    前記インキ供給ステップは、
    前記印刷開始時のローラ群分割ステップによって分割され、前記着ステップによって着状態とされている版胴およびローラ小群ならびにゴム胴を所定回転数回転させて、そのローラ小群内のインキを前記版胴に装着されている刷版および前記ゴム胴に供給する
    ことを特徴とするインキ供給方法。
  6. 請求項4又は5に記載されたインキ供給方法において、
    前記インキ供給ステップによるインキの供給後、前記分割されている複数のローラ小群を連結して1つのインキローラ群に戻して、前記版胴に装着されている刷版を使用しての次の印刷ジョブの印刷を開始する印刷開始ステップ
    を備えることを特徴とするインキ供給方法。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載されたインキ供給方法において、
    前記インキツボキーに対応する範囲の前の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキの供給量を示す指標値は、前記インキツボキーに対応する範囲の前の印刷ジョブの刷版の絵柄面積率である、又は前記インキツボキーに対応する範囲の前の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキツボキーの開き量である
    ことを特徴とするインキ供給方法。
  8. インキツボキーを複数備え、これらインキツボキーの開き量の調整によってインキツボ内よりインキツボローラに供給されるインキの量を調整し、このインキツボローラに供給されたインキをインキ呼び出しローラの呼び出し動作によりインキローラ群を介して刷版へ供給するインキ供給装置におけるインキローラ群に、次の印刷ジョブの印刷で使用する刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布を形成するインキ供給装置において、
    前記インキローラ群内のインキをインキ掻き取り部材で掻き取って除去することにより減少させるインキ減少手段と、
    次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じた前記各インキツボキーの開き量を求める開量演算手段と、
    前記各インキツボキーに対応する範囲の前の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキの供給量を示す指標値に応じた補正値を各インキツボキーの開き量の補正値として求める補正値演算手段と、
    前記開量演算手段によって求められた次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じた各インキツボキーの開き量を前記補正値演算手段によって求められた各インキツボキーの開き量の補正値で補正する開量補正手段と、
    前記開量補正手段によって補正された開き量に前記各インキツボキーの開き量を設定する開量設定手段と、
    前記インキ減少手段によって前記インキローラ群内のインキが減少された状態で、前記開量設定手段によって前記各インキツボキーの開き量が補正された開き量に設定された状態で、前記インキ呼び出しローラの呼び出し動作を所定回数行い、前記インキローラ群に次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布を形成するインキ膜厚分布形成手段と
    を備えることを特徴とするインキ供給装置。
  9. 請求項8に記載されたインキ供給装置において、
    前記インキ膜厚分布形成手段は、
    前記インキローラ群に次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布を形成した後、前記各インキツボキーの開き量を次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じた開き量に設定する
    ことを特徴とするインキ供給装置。
  10. 請求項8又は9に記載されたインキ供給装置において、
    前の刷版を使用しての印刷ジョブの終了後、印刷機を停止するとともに、前記インキローラ群のインキの流動経路の末端に位置するインキ着ローラを脱とするインキ着ローラ脱手段と、
    前記インキ着ローラ脱手段によるインキ着ローラの脱後、前記インキローラ群を複数のローラ小群に分割するリムービング時のローラ群分割手段とを備え、
    前記インキ減少手段は、
    前記リムービング時のローラ群分割手段によって分割された複数のローラ小群のうちの一部のローラ小群内のインキをインキ掻き取り部材で掻き取って除去することにより減少させる
    ことを特徴とするインキ供給装置。
  11. 請求項8〜10の何れか1項に記載されたインキ供給装置において、
    前記インキ膜厚分布形成手段によって次の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキ膜厚分布が形成されているインキローラ群を複数のローラ小群に分割する印刷開始時のローラ群分割手段と、
    前記印刷開始時のローラ群分割手段によって分割された後もしくは分割される前に、前記複数のローラ小群のうちの少なくとも最も下流側のローラ小群と次の印刷ジョブで使用する刷版が装着されている前記版胴とを着状態にする着手段と、
    前記印刷開始時のローラ群分割手段によって分割され、前記着手段によって着状態とされている版胴およびローラ小群を所定回転数回転させて、そのローラ小群内のインキを前記版胴に装着されている刷版に供給するインキ供給手段と
    を備えることを特徴とするインキ供給装置。
  12. 請求項11に記載されたインキ供給装置において、
    前記着手段は、
    前記印刷開始時のローラ群分割手段によって分割された後もしくは分割される前に、前記複数のローラ小群のうちの少なくとも最も下流側のローラ小群と次の印刷ジョブで使用する刷版が装着されている前記版胴とを着状態にするとともに、当該版胴とこの版胴に装着されている刷版に供給されたインキを被印刷体に転写するためのゴム胴とを着状態にし、
    前記インキ供給手段は、
    前記印刷開始時のローラ群分割手段によって分割され、前記着手段によって着状態とされている版胴およびローラ小群ならびにゴム胴を所定回転数回転させて、そのローラ小群内のインキを前記版胴に装着されている刷版および前記ゴム胴に供給する
    ことを特徴とするインキ供給装置。
  13. 請求項11又は12に記載されたインキ供給装置において、
    前記インキ供給手段によるインキの供給後、前記分割されている複数のローラ小群を連結して1つのインキローラ群に戻して、前記版胴に装着されている刷版を使用しての次の印刷ジョブの印刷を開始する印刷開始手段
    を備えることを特徴とするインキ供給装置。
  14. 請求項8〜13の何れか1項に記載されたインキ供給装置において、
    前記インキツボキーに対応する範囲の前の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキの供給量を示す指標値は、前記インキツボキーに対応する範囲の前の印刷ジョブの刷版の絵柄面積率である、又は前記インキツボキーに対応する範囲の前の印刷ジョブの刷版の絵柄に応じたインキツボキーの開き量である
    ことを特徴とするインキ供給装置。
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