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JP2014125263A - 蓋材 - Google Patents

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JP2014125263A
JP2014125263A JP2012285687A JP2012285687A JP2014125263A JP 2014125263 A JP2014125263 A JP 2014125263A JP 2012285687 A JP2012285687 A JP 2012285687A JP 2012285687 A JP2012285687 A JP 2012285687A JP 2014125263 A JP2014125263 A JP 2014125263A
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JP2012285687A
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Hiroshi Katayama
洋 片山
Yuri Miyamoto
優里 宮本
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Kyodo Printing Co Ltd
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Kyodo Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】蓋材の内面にハーフカットを形成する精度が高く、紙などの第一の基材と易剥離性樹脂層の間のラミネート強度が安定化されており、かつ製造の容易な蓋材の提供。
【解決手段】容器の開口部を密封するための蓋材であって、前記蓋材は、前記蓋材の外面から前記蓋材の内面へ向かって順に、第一の基材、ニトロセルロース又はポリウレタン系メジューム層、易剥離性樹脂層及び第二の基材を含み、前記易剥離性樹脂層は、前記第二の基材との界面で剥離可能であり、第一のハーフカットが、前記内面から前記界面に概ね達する深さで形成されており、かつ/又は第二のハーフカットが、前記外面から前記界面に概ね達する深さで形成されている、容器の開口部を密封するための蓋材。
【選択図】図1

Description

本発明は、容器の開口部を密封するための蓋材などに関する。
従来、複数の層から成る蓋材であって、容器から蓋材を分離する前に蓋材の少なくとも1つの層を剥離して蓋材の残りの層に開孔を形成することができる蓋材が知られている。残りの層に形成された開孔は、例えば、蓋材の内面にハーフカットを刻設することにより形成されており、そして容器の内容物(例えば、液体、固体、気体、ゲルなど)を通過させるか、又はストローなどの他の物品を残りの層を通して容器の開口部に挿入するために、使用されることができる。
より詳細には、蓋材の外面から内面へ向かって順に、紙、第一のポリエチレンテレフタレート(PET)シート、易剥離性樹脂層、第二のPETシート、アルミ箔及びシーラント層を有する蓋材が、提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載の蓋材において、第一のPETシート又は第二PETシートのいずれか一方は、粗面を有しており、易剥離性樹脂層との接着性が高められているので、蓋材の剥離面は、粗面を有していないPETシートと易剥離性樹脂層との界面となる。
また、蓋材の外面から内面へ向かって順に、紙、ポリエチレン層、PETシート、アルミ箔及びシーラント層を有する蓋材も提案されている(特許文献2)。特許文献2に記載の蓋材の剥離面は、ポリエチレン層とPETシートの界面である。
また、蓋材の外面から内面へ向かって順に、紙、目止めニス層、剥離ニス層、接着性樹脂層、金属箔及びシーラント層を有する蓋材も提案されている(特許文献3)。特許文献3に記載の蓋材において、剥離ニス層は、蓋材の外面の一部を剥離させて、蓋材の内面に形成されている開孔を露出させるために、開孔の輪郭に沿って、目止めニス層と接着性樹脂層の間に部分的に形成されている。また、特許文献3に記載の蓋材の剥離面は、目止めニス層と剥離ニス層の界面である。
国際公開第2012/073274号 特開2012−148805号公報 特開2000−219278号公報
しかしながら、特許文献1に記載の蓋材は、蓋材1つ当たり2つのPETシートを有するので、蓋材1つ当たり1つのPETシートを有する蓋材よりも費用効率が低い。また、特許文献1に記載の蓋材は、蓋材の剥離面を形成するために、紙層の表面に絵柄などのパターンを印刷する工程及び紙層とPETシートをドライラミネート接着剤で積層する工程という2つの工程を必要とする点においても費用効率が低い。
また、特許文献2に記載の蓋材には、紙にポリエチレンを押出積層したときに、紙とポリエチレン層の間のラミネート強度が不安定になり、蓋材の内面又は外面にハーフカットを刻設する精度も不安定になるという問題がある。
また、特許文献3に記載の蓋材には、蓋材の外面の一部を剥離させて、蓋材の内面に開孔を露出させるために、開孔の輪郭に沿って、剥離ニスを部分的に適用する必要があるので、内面に開孔を形成するために内面からハーフカットを刻設するときの見当合わせについては未だに検討の余地がある。
したがって、本発明は、蓋材の内面にハーフカットを形成する精度が高く、紙などの第一の基材と易剥離性樹脂層の間のラミネート強度が安定化されており、かつ製造の容易な蓋材を提供することを目的とする。
本発明者らは、蓋材の外面から蓋材の内面へ向かって順に、第一の基材、ニトロセルロース又はポリウレタン系メジューム層、易剥離性樹脂層及び第二の基材を含む構成を採用することにより、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
[1] 容器の開口部を密封するための蓋材であって、
前記蓋材は、前記蓋材の外面から前記蓋材の内面へ向かって順に、第一の基材、ニトロセルロース又はポリウレタン系メジューム層、易剥離性樹脂層及び第二の基材を含み、
前記易剥離性樹脂層は、前記第二の基材との界面で剥離可能であり、
第一のハーフカットが、前記内面から前記界面に概ね達する深さで形成されており、かつ/又は第二のハーフカットが、前記外面から前記界面に概ね達する深さで形成されている、
容器の開口部を密封するための蓋材。
[2] 前記メジューム層の内面側が、粗面化されている、[1]に記載の蓋材。
[3] 前記メジューム層は、ニトロセルロース、ニトロセルロースとポリアミドの混合物、又はニトロセルロースとアルキド樹脂の混合物で形成されている、[1]又は[2]に記載の蓋材。
[4] 前記易剥離性樹脂層は、ポリエチレンと環状オレフィンコポリマーとの混合物で形成されている、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の蓋材。
[5] 前記第二の基材の外面側が、粗面化されている、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の蓋材。
[6] 第一の基材にニトロセルロース又はポリウレタン系メジュームを適用して、第一の部材を得るメジューム適用工程;
第二の基材を提供する提供工程;
前記第一の部材の前記メジュームの適用部分と前記第二の基材との間に、易剥離性樹脂を適用し、前記第一の部材と前記第二の基材を積層して、積層体を得る積層工程;及び
前記積層体の内面側から前記易剥離性樹脂の適用部分に概ね達する深さで第一のハーフカットを形成し、かつ/又は前記積層体の外面側から前記易剥離性樹脂の適用部分に概ね達する深さで第二のハーフカットを形成するハーフカット形成工程
を含む、容器の開口部を密封するための蓋材の製造方法。
[7] 前記メジューム適用工程は、前記第一の基材に前記メジュームを印刷することにより行なわれる、[6]に記載の方法。
[8] 前記第一の部材の内面側を粗面化する工程をさらに含む、[6]又は[7]に記載の方法。
[9] 前記第二の基材の外面側を粗面化する工程をさらに含む、[6]〜[8]のいずれか1項に記載の方法。
[10] 前記積層工程は、前記第一の部材の前記メジュームの適用部分と前記第二の基材との間に、前記易剥離性樹脂を押出積層することにより行なわれる、[6]〜[9]のいずれか1項に記載の方法。
本発明によれば、第一の基材と易剥離性樹脂層の間にPETシートなどの樹脂シートがないので、この位置にPETシートを有する蓋材よりも費用効率を向上させることができる。
また、本発明によれば、第一の基材の少なくとも1つの面に印刷パターンを形成しながら同時に、その他の面にニトロセルロース又はポリウレタン系メジュームを印刷し、それにより蓋材の製造プロセスを簡略化することができる。
また、本発明によれば、ニトロセルロース又はポリウレタン系メジューム層と易剥離性樹脂層のラミネート強度を保つことができる。
また、本発明によれば、第一の基材にニトロセルロース又はポリウレタン系メジュームを印刷して第一の基材を硬質化させ、それにより蓋材の外面又は内面に刃を入れ易くして、蓋材の外面又は内面にハーフカットを形成する精度を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る蓋材の平面図である。 図1の線II−IIにおける蓋材の断面図であり、蓋材の最小層構成を示す。 図1の線III−IIIにおける蓋材の断面図であり、蓋材の層構成を示す。 本発明の実施形態に係る蓋材の使用法を示す概略図である。 本発明の別の実施形態に係る蓋材の平面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々変形して実施されることができる。また、実施形態を図面に基いて説明するときには、同一の符号は、同一の要素を示す。
<第一の実施形態>
実施形態では、図1及び2に示されるように、蓋材は、蓋材の外面(1)から蓋材(A)の内面(2)へ向かって順に、第一の基材(3)、ニトロセルロース又はポリウレタン系メジューム層(4)、易剥離性樹脂層(5)及び第二の基材(6)を含む積層体から形成されることができる。
蓋材は、積層体を蓋の形状に打ち抜くことによって作製できる。
また、図3に示されるように、第一の基材(3)上に印刷パターン(12)を形成し、そして第二の基材(6)下に内層を配置することもできる。内層としては、バリア層(10)及び/又はシーラント層(11)を挙げることができる。この場合、蓋材は、蓋材の外面(1)から蓋材の内面(2)へ向かって順に、印刷パターン(12)、第一の基材(3)、ニトロセルロース又はポリウレタン系メジューム層(4)、易剥離性樹脂層(5)、第二の基材(6)、バリア層(10)及びシーラント層(11)を含む積層体から形成されることができる。
図2及び3に示されるように、第一のハーフカット(8)が、蓋材の内面(2)から、易剥離性樹脂層(5)と第二の基材(6)の界面(7)に概ね達する深さで形成されている。また、第二のハーフカット(9)が、蓋材の外面(1)から界面(7)に概ね達する深さで形成されている。
図1及び3に示されるように、第一のハーフカット(8)は、外面剥離トリガー用ハーフカット(8a)又は開孔用環状線ハーフカット(8b)として形成されることができる。
図4に示されるように、第二のハーフカット(9)は、第一のハーフカット(8)を覆っている外面(1)の領域(1a)と外面(1)の他の領域(1b)を画定するように形成されることができる。
図1及び4(a)に示されるように、蓋材は、蓋材の周縁に少なくとも1つのタブを有することができる。タブとしては、例えば、外面剥離トリガー用タブ(13)及び/又は蓋材分離用タブ(14)が挙げられる。
図4(b)に示されるように、易剥離性樹脂層(5)は、第二の基材(6)との界面(7)で剥離可能である。したがって、外面剥離トリガー用タブ(13)を摘んで引き上げて、界面(7)を剥離面として蓋材の外面(1)の領域(1a)を剥離すると、開孔部(16)が形成されることができる。
<第二の実施形態>
別の実施形態では、図5に示されるように、蓋材の内面には、第一のハーフカットが、直線及び/又は開線として形成されることができる。さらに、直線として形成された第一のハーフカットは、外面剥離トリガー用ハーフカットであることがより好ましく、そして開線として形成された第一のハーフカットは、開孔用ライン状ハーフカットであることがより好ましい。
一方で、蓋材の外面には、第二のハーフカットが形成されることができる。
<構成要素>
以下、蓋材の構成要素について、それぞれ説明する。
<蓋材の外面>
蓋材の外面は、蓋材が容器に取り付けられたときに、蓋付容器の最外面となる面である。
例えば、図2又は3に示されるように、外面(1)は、第一の基材(3)又は印刷パターン(12)の表面である。
<蓋材の内面>
蓋材の内面は、蓋材が容器に取り付けられたときに、蓋付容器の最内面となる面である。
また、蓋材の内面の少なくとも一部分は、容器を密封するために、容器の少なくとも一部分と結合されることができる。内面と容器を結合する手段としては、例えば、シール法、嵌合法などが挙げられ、特に、シール法が好ましい。
シール法としては、例えば、熱溶融法、接着剤法、機械的結束法などが挙げられる。蓋材と成形容器をシールするときには、熱溶融法が好ましく、ヒートシール法がより好ましい。
例えば、図2又は3に示されるように、内面(2)は、第二の基材(6)又はシーラント層(11)の表面である。内面(2)と容器のヒートシール性を向上させるために、内面(2)は、シーラント層(11)の表面であることが好ましい。
<第一の基材>
第一の基材は、蓋材に所定の強度又は剛性を付与する要素である。
また、第一の基材は、蓋材に所定のデッドホールド性を付与することが好ましい。例えば、インスタント焼きそば、及びその具材又はソースを含む包装体などである場合には、図4(a)に示される状態で蓋材分離用タブ(14)を摘んで引き上げ、容器(15)の開口部を部分的に露出させ、具材又はソースを含む包装体を取り出してから、所望により、部分的に露出している容器(15)の開口部に具材を戻し、そして部分的に露出している容器(15)の開口部に注湯する。注湯する際に蓋が閉じてしまうと注湯が困難になるため、第一の基材にデッドホールド性があると好ましい。
第一の基材の材料としては、例えば、紙、金属箔、樹脂、天然又は合成繊維などが挙げられる。一般に、第一の基材としては、例えば、上質紙、コート紙、アート紙などの紙が、使用されることができる。第一の基材に印刷パターンを形成するという観点からも、第一の基材としては紙が好ましい。
例えば、図4(b)に示されるように、外面(1)の領域(1a)を第二の基材(6)から剥がすときに、領域(1a)を過剰に湾曲させず、内面(2)に形成された開孔用環状線ハーフカット(8b)に囲まれた部分を外面(1)と付着随伴させるために、第一の基材(3)は、55g/m以上170g/m以下の坪量を有する紙から形成されることがより好ましい。
第一の基材の厚さは、限定されるものではないが、8μm以上であってよく、また、この厚さは、250μm以下であってよい。
<メジューム層>
ニトロセルロース又はポリウレタン系メジューム層は、ニトロセルロース又はポリウレタン系メジュームから形成される層である。
また、ニトロセルロース又はポリウレタン系メジューム層は、易剥離性樹脂層と強く接着することができる。さらに、ニトロセルロース又はポリウレタン系メジューム層は、印刷により形成されることが好ましい。
ニトロセルロース又はポリウレタン系メジュームは、ニトロセルロース又はポリウレタンが溶媒に溶解又は分散している組成物である。
また、ニトロセルロース又はポリウレタン系メジュームは、印刷により第一の基材に適用されることが好ましい。
ニトロセルロース又はポリウレタン系メジューム層は、易剥離性樹脂層との密着性を確保するために、粗面化処理された面(以下、「粗面」という)を有し、当該粗面上に易剥離性樹脂層を押出積層することができる。この場合、第一の基材と易剥離性樹脂層の間にニトロセルロース又はポリウレタン系メジューム層を配置することにより、ニトロセルロース又はポリウレタン系メジューム層と易剥離性樹脂層のラミネート強度を保つことができるので好ましい。
粗面化処理としては、例えば、コロナ放電処理、エレクトロマイグレーション、イオンマイグレーション、ブラスト、エアスプレー、エッチングなどが挙げられる。
理論に拘束されることを望むものではないが、ニトロセルロース又はポリウレタンを含むメジュームは、比較的硬度が高いメジュームである。そのため、第一の基材の表面が、ニトロセルロース又はポリウレタン系メジュームにより硬質化され、そして第一の基材の硬質化面は、第一のハーフカットを蓋材の内面から易剥離性樹脂層に概ね達する深さで形成するときに、深さを一定に保つための補強層となる。特に、ニトロセルロース系メジュームは、紙などの基材を構成している天然繊維と絡み合うことにより、基材の硬度をより向上させることができると考えられるため、特に好ましい。
例えば、蓋材の内面からロータリーダイカッターを挿入するときに、易剥離性樹脂層が延伸することによって、第一のハーフカットの深さが変動することがある。これに対して、ニトロセルロース又はポリウレタン系メジューム層は、易剥離性樹脂層の延伸を防ぐための補強層となることにより、第一のハーフカットの深さの変動を抑制することができるので好ましい。
ニトロセルロース又はポリウレタン系メジューム層の厚さは、限定されるものではないが、0.5μm以上であってよく、また、この厚さは、3μm以下であってよい。
ニトロセルロース又はポリウレタン系メジュームとしては、例えば、ニトロセルロースを主成分とするメジューム、ポリウレタンを主成分とするメジューム、ニトロセルロースとポリアミドの混合物、ニトロセルロースとアルキド樹脂の混合物などが挙げられ、具体的には、東洋インキ製造株式会社製「GNCST」、「CCST」、「CCTF」及び「ファインスター」が例示される。
また、ニトロセルロース又はポリウレタン系メジュームは、環境への影響及び原料コストの観点から、実質的にトルエンを含まないことが好ましい。さらに、ニトロセルロース又はポリウレタン系メジュームは、樹脂硬度及び原料コストの観点から、ニトロセルロース系メジュームであることがより好ましい。
<易剥離性樹脂層>
易剥離性樹脂層は、易剥離性樹脂で形成されている層である。
例えば、図4(b)に示されるように、易剥離性樹脂層(5)は、第二の基材(6)との界面(7)で剥離可能である。
易剥離性樹脂は、ポリオレフィンに環状オレフィンコポリマー(COC)を所定の比率で混合した樹脂であることが好ましい。
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプ口ピレン樹脂などが挙げられ、低密度ポリエチレン(LDPE)を使用することが好ましい。LDPEとしては、例えば、東ソー株式会社製の商品名「ペトロセン」、旭化成ケミカルズ株式会社製の商品名「サンテック」などが挙げられる。
ポリオレフィンのMFR(Melt Flow Rate)は、温度190℃のとき、0.01g/10分以上であってよく、また、このMFRは、温度190℃のとき、60g/10分以下であってよい。
ポリオレフィンの密度は、0.89g/cm以上であってよく、また、この密度は、0.94g/cm以下であってよい。
本明細書では、「環状オレフィンコポリマー(COC)」とは、α−オレフィンと環状オレフィンとを、へキサン、へプタン、オクタン、シクロへキサン、べンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒中で、いわゆるチーグラー触媒、メタロセン触媒などの触媒を調合することにより得ることができる共重合体をいう。このような共重合体としては、例えば、三井化学株式会社製の商品名「アペル」などが挙げられる。
COCのMFRは、温度190℃のとき、0.1g/10分以上であってよく、また、このMFRは、温度190℃のとき、40g/10分以下であってよい。
易剥離性樹脂層は、LDPEとCOCとの混合比率を変えることにより、第二の基材との界面剥離強度を制御し、かつ所望の値に調整することができる。
易剥離性樹脂中のCOCの含有量は、1質量%以上であってよく、また、この含有量は、24質量%以下であってよい。COCの含有量は、1質量%以上24質量%以下であると、易剥離性樹脂層と第二の基材の剥離強度が最適化され、両者の剥離強度の制御が容易になるので好ましい。
易剥離性樹脂層の厚さは、第二の基材との剥離性及び第二の基材との接着性を両立させるために、8μm以上であってよく、また、この厚さは、30μm以下であってよい。
<第二の基材>
第二の基材は、易剥離性樹脂層との界面で剥離可能な要素である。
第二の基材は、易剥離性樹脂層との界面で剥離可能であるために、表面濡れ張力が、3.5×10−2N/m(すなわち、35dyn/cm)以上、又は4.0×10−2N/m以上であってよく、また、この表面濡れ張力は、6.0×10−2N/m(すなわち、60dyn/cm)以下、又は5.0×10−2N/m(すなわち、50dyn/cm)以下であってよい。
第二の基材の表面濡れ張力は、最適な接着力を保つために調整されており、3.5×10−2N/m以上であると、不用意な剥離が抑制され、一方で、6.0×10−2N/m以下であると、易剥離性樹脂層との界面剥離が達成されるので好ましい。
例えば、図4(b)に示されるように、外面剥離トリガー用タブ(13)を摘んで引き上げるときに、内面(2)に開孔部(16)を形成するために易剥離性樹脂層(5)に付着随伴することになる第二の基材(6)の領域は、易剥離性樹脂層(5)との接着力を保つという観点から、粗面を有することもできる。
第二の基材(6)の少なくとも一部分を粗面化する手段は、上記で説明されたニトロセルロース又はポリウレタン系メジューム層(4)の粗面化処理と同じでよい。
第二の基材の材料としては、例えば、紙、金属箔、樹脂、天然又は合成繊維などが挙げられるが、ポリエステルを主成分とする樹脂が好ましい。
ポリエステルを主成分とする樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)などが挙げられる。より詳細には、第二の基材は、PETフィルムから形成されることが好ましい。
第二の基材の厚さは、8μm以上であってよく、また、この厚さは、250μm以下であってよい。
<内層>
内層は、蓋材の第二の基材上に形成された層である。
内層としては、限定されるものではないが、例えば、バリア層、シーラント層、接着剤層、ポリマー層、印刷パターン、帯電防止層、ニス層などが挙げられる。また、内層は、バリア層及び/又はシーラント層であることが好ましい。
<バリア層>
バリア層は、蓋材の硬度、ガスバリア性又はデッドホールド性を維持するための層である。
バリア層としては、例えば、アルミニウム箔などの金属箔、アルミ若しくはシリカを蒸着した無機蒸着フィルム、又はポリ塩化ビニリデン、ナイロン、エチレン−ビニルアルコールコポリマー(EVOH)などのガスバリア性の高い合成樹脂フィルムが使用されることができる。
<シーラント層>
シーラント層は、蓋材によって封止すべき容器へ蓋材をヒートシールするための層である。
シーラント層の材料は、封止対象の材質によって選択されるが、例えば、LDPE、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの樹脂である。この樹脂は、例えば、延伸若しくは無延伸フィルム、塗料などの形態でよい。
より詳細には、シーラント層は、アイセロ化学株式会社製「スズロンL」、又は三井・デュポンポリケミカル株式会社製「CMPS(登録商標)」イージーオープンフィルムから形成されることができる。
<印刷パターン>
印刷パターンは、基材上に印刷されたパターンである。
例えば、図3に示されるように、印刷パターン(12)は、蓋材の外面(1)として印刷された任意のパターンでよい。
印刷パターンには、任意の形状、色及び用途があり、例えば、文字、イラスト、模様、凹凸、光透過性領域と光不透過性領域の組み合わせなどの形状;白黒、グレースケール、カラーなどの色;容器の識別力を高めるためのパターン、容器を管理するためのパターン、容器に様々な機能を付与するためのコーティングパターンなどがある。
<ハーフカット>
ハーフカットは、蓋材の表面から蓋材の厚さ未満の深さで形成された切り込みである。
例えば、ハーフカットは、蓋材の表面にカッターなどの切断器を入れることにより、形成されることができる。また、ハーフカットは、蓋材の内面及び/又は外面に形成されることができる。
<第一のハーフカット>
第一のハーフカットは、蓋材の内面から、易剥離性樹脂層と第二の基材の界面に概ね達する深さで形成されることができる。
例えば、図2又は3に示されるように、第一のハーフカット(8)は、蓋材の内面(2)から界面(7)付近に達する深さで形成され、より詳細には、内面(2)から易剥離性樹脂層(5)に達する深さ、又は内面(2)から界面(7)に達する深さで形成されることが好ましく、内面(2)から界面(7)に達する深さで形成されることがより好ましい。
図3に示されるように、蓋材に内層が存在するときには、内層の厚さと第二の基材(6)の厚さの合計と概ね等しい刃長を有するロータリーダイカッターを用いて、蓋材に第一のハーフカット(8)を刻設することが好ましい。
一方で、図2に示されるように、蓋材に内層が存在しないときには、第二の基材(6)の厚さと概ね等しい刃長を有するロータリーダイカッターを用いて、蓋材に第一のハーフカット(8)を刻設することが好ましい。
図1及び5に示されるように、第一のハーフカット(8)は、容器の内容物を通過させるための開孔を形成するために、ストローなどの物品を容器の開口部に挿入するための開孔を形成するために、又は第二の基材(6)からの易剥離性樹脂層(5)の剥離を開始するための領域を画定するために、蓋材の内面(2)に刻設されることができる。
第一のハーフカットの数は、単数又は複数でよいが、複数であることが好ましい。
図1及び5に示されるように、第一のハーフカット(8)は、蓋材の内面(2)に直線、開線及び/又は環状線として形成されることが好ましく、直線及び環状線として形成されることがより好ましい。
図1、3、4及び5に示されるように、直線として形成された第一のハーフカット(8)は、外面剥離トリガー用ハーフカット(8a)であってよい。
また、図5に示されるように、開線として形成された第一のハーフカットは、開孔用ライン状ハーフカットであってよい。
さらに、図1、3及び4に示されるように、環状線として形成された第一のハーフカット(8)は、開孔用環状線ハーフカット(8b)であってよい。
図4に示されるように、外面剥離トリガー用ハーフカット(8a)は、外面剥離トリガー用タブ(13)を摘んで引き上げたときに引っ張り力を界面(7)に作用させるために、外面剥離トリガー用タブ(13)を横断して、蓋材の内面(2)から開孔用環状線ハーフカット(8b)とほぼ同じ深さで形成されることができる。したがって、第二の基材(6)からの易剥離性樹脂層(5)の剥離を開始するための蓋材の領域が、外面剥離トリガー用ハーフカット(8a)により画定されており、かつ外面剥離トリガー用タブ(13)を構成している。
また、図5に示されるように、開孔用ライン状ハーフカットは、第一のハーフカットを覆う外面の領域を蓋材の内面から剥離したときに、容器の内容物を通過させるための、又はストローなどの物品を通過させて所定の位置に固定するための切り込みになることができる。
さらに、開孔用環状線ハーフカット(8b)については、図4に示されるように、開孔用環状線ハーフカット(8b)を覆う外面(1)の領域(1a)を第二の基材(6)から剥離するときに、開孔用環状線ハーフカット(8b)に囲まれた内面(2)の部分が、外面(1)の領域(1a)に付着した状態で随伴除去されることによって、開孔部(16)が形成されることができる。
開孔部(16)は、例えば、容器の内容物を通過させるか、又はストローなどの物品を容器の開口部に挿入するために、使用されることができる。
開孔用環状線ハーフカットの形状としては、限定されるものではないが、円形に加えて、楕円形、角丸長方形、卵形、三角形、四角形、五角形以上の多角形などを自由に選択できるが、開孔用環状線ハーフカットに囲まれた部分を抜き取る際の引っ掛かりを発生させないように、角のない円形、楕円形、角丸長方形、卵形などが好ましい。
開孔用環状線ハーフカットの数は、単数又は複数でよいが、通常は、被包装物を流出させない大きさで液体を素早く排出するために複数であることが好ましい。
<第二のハーフカット>
第二のハーフカットは、蓋材の外面から、易剥離性樹脂層と第二の基材の界面に概ね達する深さで形成されることができる。
例えば、図2又は3に示されるように、第二のハーフカット(9)は、蓋材の外面(1)から界面(7)付近に達する深さで形成され、より詳細には、外面(1)から易剥離性樹脂層(5)に達する深さ、外面(1)から界面(7)に達する深さ、又は外面(1)から第二の基材(6)に達する深さで形成されることが好ましく、外面(1)から界面(7)に達する深さで形成されることがより好ましい。
図1及び4に示されるように、第一のハーフカット(8a、8b)を覆う外面(1)の領域(1a)を、外面(1)の他の領域(1b)から切り離し、かつ蓋材の内面(2)から剥離させるために、第二のハーフカット(9)は、外面(1)を横断して、又は外面(1)に環状線として、刻設されることが好ましい。
また、第一の基材にニトロセルロース又はポリウレタン系メジュームを印刷することにより、第一の基材が硬質化されて、第一の基材の切断性も向上するので、第二のハーフカットの深さの変動が、抑制されることができる。
<タブ>
蓋材の周縁にはタブが形成されることができる。
タブは、蓋材の少なくとも一部分を摘み易くするための要素である。また、タブは、つまみ、摘み片、摘み部、突出部、突出片、ツメ、プルタブ、プルトップと呼ばれることもある。
さらに、タブは、蓋材の周縁の少なくとも一部分から外方へ突出するように形成されることができる。
タブとしては、限定されるものではないが、図4に示されるように、外面剥離トリガー用タブ(13)、蓋材分離用タブ(14)などが挙げられる。
外面剥離トリガー用タブ(13)は、第二の基材(6)からの易剥離性樹脂層(5)の剥離を開始するための領域として形成されている。また、蓋材分離用タブ(14)は、容器からの蓋材の分離を開始するための領域として形成されている。
<容器>
容器は、開口部を有し、かつ開口部に物を入れることができる器である。また、容器の開口部は、蓋材により密封されることができる。
また、容器は、例えば、容器の開口部の周縁に、蓋材を結合させるために使用されるフランジ部を有していてもよい。また、フランジ部には、蓋材との結合を促進するために、接着剤などの結合促進剤が配置されていてもよい。
容器には、固体、液体、気体、ゲルなどの内容物を収納することができる。例えば、飲料、ポットヌードル、やきそば、パスタ、野菜、卵の水煮などの食料品;化学薬品、化粧品、洗剤、芳香剤、医薬品などの物品;空気、酸素などのガス状物質を容器に収納することができる。
<使用方法>
図4を参照して、蓋材が取り付けられた容器(15)の使用方法を以下に説明する。
容器(15)の内容物が水を含む場合には、図4(b)に示されるように、外面剥離トリガー用タブ(13)を摘んで引き上げ、外面剥離トリガー用ハーフカット(8a)を介して、開孔用環状線ハーフカット(8b)を覆う外面(1)の領域(1a)を他の領域(1b)から切り離し、内面(2)から剥離して除去する。外面(1)の領域(1a)の剥離時に、開孔用環状線ハーフカット(8b)に囲まれた内面(2)の領域が、易剥離性樹脂層(5)に付着した状態で外面(1)に随伴して除去され、開孔部(16)が形成される。容器(15)を開孔部(16)側へ傾けることによって、容器(15)内の水を、開孔部(16)を通じて排出することができる。また、開孔部(16)のサイズを内容物のサイズより小さくしておくことにより、内容物の流出も防止することができる。水の排出後、図4(c)に示されるように、蓋材分離用タブ(14)を摘んで引き上げ、蓋材全体を容器(15)から剥がし、容器(15)から内容物を取り出すことができる。
容器の内容物が、例えば、インスタント焼きそば、及びその具材又はソースを含む包装体などである場合には、図4(a)に示される状態で蓋材分離用タブ(14)を摘んで引き上げ、容器(15)の開口部を部分的に露出させ、具材又はソースを含む包装体を取り出してから、所望により、部分的に露出している容器(15)の開口部に具材を戻し、そして部分的に露出している容器(15)の開口部に注湯する。所望により、蓋材分離用タブ(14)を引き下げて容器(15)を再び密封する。インスタント焼きそばの特性に応じて、所定の時間が経過した後に、図4(b)に示されるように、開孔部(16)を形成して湯切りを行なう。その後、図4(c)に示されるように、容器(15)を全開して、具材又はソースを投入することができる。
<製造方法>
容器の開口部を密封するための蓋材は、以下の工程を含む方法により製造されることができる:
第一の基材にニトロセルロース又はポリウレタン系メジュームを適用して、第一の部材を得るメジューム適用工程;
第二の基材を提供する提供工程;
第一の部材のメジューム適用部分と第二の基材との間に、易剥離性樹脂を適用し、第一の部材と第二の基材を積層して、積層体を得る積層工程;及び
積層体の内面側から易剥離性樹脂適用部分に概ね達する深さで第一のハーフカットを形成し、かつ/又は積層体の外面側から易剥離性樹脂適用部分に概ね達する深さで第二のハーフカットを形成するハーフカット形成工程。
所望により、メジューム適用工程と第二の基材の提供工程の順序は、変更されることができる。例えば、メジューム適用工程と第二の基材の提供工程を個別に行なって、第一の部材と第二の基材を得た後に、積層工程を行なうことができる。
所望により、ハーフカット形成工程において、第一のハーフカットの形成と第二のハーフカットの形成の順序は、変更されることができる。例えば、蓋材の内面に第一のハーフカットを刻設する工程の前、間又は後に、蓋材の外面に第二のハーフカットを刻設する工程を行なうことができる。
メジューム適用工程は、以下の工程をさらに含むことが好ましい:
第一の基材を提供する工程;
第一の基材に印刷パターンを形成する工程;
第一の基材にニトロセルロース又はポリウレタン系メジュームを適用する工程;
第一の基材にニトロセルロース又はポリウレタン系メジューム層が積層されている第一の部材を得る工程;及び
第一の部材の少なくとも一部分を粗面化する工程。
所望により、第一の基材に印刷パターンを形成する工程は、省略されることができる。
また、第一の基材に印刷パターンを形成する工程と、第一の基材にメジュームを適用する工程との順序は、変更されることができるが、蓋材の製造プロセスを簡略化して蓋材の製造コストを減らすために、両工程は、同時に行なわれることが好ましい。
第一の基材に印刷パターンを形成する工程では、印刷機を用いてインクなどの塗料を第一の基材に塗布することにより、文字、絵、背景色などの所定のパターンが、第一の基材に印刷されることができる。
第一の基材にメジュームを適用する工程と、第一の基材にメジューム層が積層されている第一の部材を得る工程とは、同時に行なわれることが好ましく、例えば、第一の基材の内面側に、ニトロセルロース又はポリウレタン系メジュームを印刷するか、又は金型を用いてニトロセルロース又はポリウレタン系メジューム層を成型することにより、行なわれることができる。より好ましくは、両工程は、印刷パターンが形成されていない第一の基材の部分に、ニトロセルロース又はポリウレタン系メジュームを印刷することにより行なわれる。
第一の部材の少なくとも一部分を粗面化する工程は、上記で説明されたニトロセルロース又はポリウレタン系メジューム層の粗面化処理と同様に行なわれることができる。
また、第一の部材の被粗面化部分は、第一の部材の内面側であることが好ましい。
第二の基材を提供する提供工程の後に、第二の基材の外面側を粗面化する工程をさらに行なうことも好ましい。第二の基材の粗面化は、上記で説明されたニトロセルロース又はポリウレタン系メジューム層の粗面化処理と同様に行なわれることができる。
第二の基材を提供する提供工程の後に、好ましくは積層工程前に、第二の基材の易剥離性樹脂を適用されない面に、バリア層、シーラント層、接着剤層、ポリマー層、印刷パターン、帯電防止層、ニス層などの追加的な層を、内層として積層する工程をさらに行なうことも好ましい。
追加的な層の中でも、バリア層及びシーラント層は、第二の基材に積層されることが好ましい。
例えば、第二の基材とバリア層の間に、ドライラミネート接着剤などの接着剤を適用して、第二の基材とバリア層を接着し、次に、第二の基材のバリア層側とシーラント層とを積層することにより、第二の基材の易剥離性樹脂を適用されない面にバリア層及びシーラント層が積層されている第二の部材を得ることができる。
積層工程は、第一の部材のメジューム適用部分と第二の基材又は第二の部材の内面側との間に、易剥離性樹脂を押出して、易剥離性樹脂層を介して第一の部材と第二の基材又は第二の部材とを押出積層することにより行われることが好ましい。この場合、易剥離性樹脂層を挟んで向かい合う第一の部材と第二の基材又は第二の部材とを有する積層体を得ることができる。
得られた積層体は、積層体を容器に適した形状に打ち抜くか、若しくは切り抜くか、又は積層体を容器に結合した後に、容器の周縁部に沿って積層体を切り抜くことにより、蓋状に形成されることができる。
所望により、積層体をロール又はシートの形態で得るために、積層体を蓋状に形成する工程を省略してもよい。
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例で得られる積層体又は蓋材の評価について、以下に説明する:
(1)ラミネート強度
実施例又は比較例で調製された積層体を25mm幅に切り出し、引張試験機(東洋精機製ストログラフ)を用いて積層体の内面(すなわち、易剥離性樹脂層、PETシート、アルミ層及びシーラント層)を重力方向にクランプし、積層体の外面(すなわち、紙層)を重力方向と反対の方向にクランプして、積層体のT字剥離を行なう。下記の評価基準に従って、積層体のラミネート強度を等級分けする:
○:材破が観察される。
×:紙層と易剥離性樹脂層の間、メジューム層と易剥離性樹脂層の間、又はポリアミド系樹脂層と易剥離性樹脂層の間に、部分的又は全体的な剥離が観察される。
なお、本明細書では、「材破」とは、紙層と易剥離性樹脂層が、強固に接着しているので、積層体をT字剥離した際に、紙層が破ける状態をいう。
(2)蓋材の内面に形成されたハーフカットの精度
実施例又は比較例で調製された蓋材を5個用意する。次に、蓋材の内面に形成されたハーフカットを覆っている蓋材の外面の領域を引き上げて、蓋材の外面の他の領域から切り離す。下記の評価基準に従って、蓋材の内面に形成されたハーフカットの精度を等級分けする:
◎:易剥離性樹脂層とPET層の界面で剥離したときに、5個の蓋材の全てについて、ハーフカットの刻設不足による開孔形成の不良、又は基材の破れが発生しない。
○:易剥離性樹脂層とPET層の界面で剥離したときに、1個〜3個の蓋材について、ハーフカットの刻設不足による開孔形成の不良、又は基材の破れが発生する。
×:易剥離性樹脂層とPET層の界面で剥離したときに、4個又は5個の蓋材について、ハーフカットの刻設不足による開孔形成の不良、又は基材の破れが発生する。
[実施例1]
以下に示される材料を用意した:
紙:坪量80g/m(厚さ:80μm)を有する大王製紙株式会社製「竜王コート80g/m
メジューム:ニトロセルロース系メジューム、東洋インキ製造株式会社製「CCTF(CCST)」
易剥離性樹脂:95質量%のLDPEと5質量%のCOCの混合物
LDPE:東ソー株式会社製「ペトロセン226」
COC:三井化学株式会社製「アペル6013T」
PETフィルム:東洋紡績株式会社製「E5100」(厚さ:12μm)
ドライラミネート接着剤:三井化学株式会社製「タケラックA−310」及び「タケネートA−3」
アルミ箔:JIS規格による合金記号「1N30」に分類されるアルミ箔(厚さ:7μm)
シーラント:三井・デュポンポリケミカル株式会社製「CMPS VN503」
この実施例で得た積層体は、紙/メジューム層/易剥離性樹脂層/PETフィルム/アルミ箔/シーラント層という層構成を有していたので、紙が露出している面を積層体又は蓋材の外面として定義し、一方で、シーラント層が露出している面を積層体又は蓋材の内面として定義した。
<外面側部材a’の作製>
印刷機を使用し、メジューム層の厚さを約2.0μmに設定し、下記印刷条件に従って、紙の裏面にメジュームを印刷し、部材aを得た。
<印刷条件>
版 :175線(35μm)
メジューム粘度:19秒〜21秒(ZC #3)
印刷速度 :30m/分
乾燥温度 :80℃
部材aをコロナ放電処理に供して、部材a’を得た。
<内面側部材b’の作製>
ラミネーターを使用し、ドライラミネート接着剤の膜厚を約2.0μm〜約3.5μmに設定し、PETフィルムとアルミ箔をドライラミネート接着剤を介して接着して、部材bを得た。
ラミネーターを使用し、シーラントの膜厚を約20μm〜約25μmに設定し、部材bのアルミ箔露出面にシーラントを積層して、部材b’を得た。
<外面側部材a’と内面側部材b’の積層>
ラミネーターを使用し、易剥離性樹脂層の厚さを約20μmに設定し、部材a’のメジューム露出面と部材b’のPETフィルム露出面を向かい合わせ、約320℃〜約345℃の温度で、メジューム露出面とPETフィルム露出面の間に易剥離性樹脂を押し出しながら、部材a’と部材b’を押出積層して、積層体を得た。
<ラミネート強度の評価>
積層体のラミネート強度を上記のように評価し、結果を下記表1に示した。
<蓋材の作製>
積層体をロータリーダイカッターで蓋の形状に打ち抜いて、蓋材を得た。
蓋材におけるシーラント層からPETフィルムまでを足した厚さ(すなわち、部材b’の厚さ)に相当する刃長を有するロータリーダイカッターを用いて、蓋材の内面に外面剥離トリガー用ハーフカット及び開孔用環状線ハーフカットを、蓋材の内面から易剥離性樹脂層に達する深さで刻設した。
蓋材における紙の厚さと易剥離性樹脂層の厚さを足した長さに相当する刃長を有するロータリーダイカッターを用いて、蓋材の外面に剥離用ハーフカットを、蓋材の外面から易剥離性樹脂層に達する深さで、蓋材の内面に形成された開孔用環状線ハーフカットを覆う領域を画定するように刻設した。
<ハーフカット精度の評価>
蓋材の内面に形成されたハーフカットの精度を上記のように評価し、結果を下記表1に示した。
[実施例2]
メジュームとしてウレタン系樹脂(東洋インキ製造株式会社製「ファインスター」)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、積層体及び蓋材を得た。積層体のラミネート強度及び蓋材の内面に形成されたハーフカットの精度を上記のように評価して、結果を下記表1に示した。
[比較例1]
メジュームを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、紙/易剥離性樹脂層/PETフィルム/アルミ箔/シーラント層という層構成を有する積層体を得て、積層体から蓋材も調製した。積層体のラミネート強度及び蓋材の内面に形成されたハーフカットの精度を上記のように評価して、結果を下記表1に示した。
[比較例2]
メジュームの代わりにポリアミド系樹脂(東洋インキ製造株式会社製「PANNECO」)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、紙/ポリアミド系樹脂層/易剥離性樹脂層/PETフィルム/アルミ箔/シーラント層という層構成を有する積層体を得て、積層体から蓋材も調製した。積層体のラミネート強度及び蓋材の内面に形成されたハーフカットの精度を上記のように評価して、結果を下記表1に示した。
Figure 2014125263
本発明は、開口部を有する容器を密封するための蓋の製造に利用されることができる。
1 外面
1a 第一のハーフカットを覆う領域
1b 他の領域
2 内面
3 第一の基材
4 ニトロセルロース又はポリウレタン系メジューム層
5 易剥離性樹脂層
6 第二の基材
7 易剥離性樹脂層と第二の基材の界面
8 第一のハーフカット
8a 外面剥離トリガー用ハーフカット
8b 開孔用環状線ハーフカット
9 第二のハーフカット
10 バリア層
11 シーラント層
12 印刷パターン
13 外面剥離トリガー用タブ
14 蓋材分離用タブ
15 容器
16 開孔部

Claims (10)

  1. 容器の開口部を密封するための蓋材であって、
    前記蓋材は、前記蓋材の外面から前記蓋材の内面へ向かって順に、第一の基材、ニトロセルロース又はポリウレタン系メジューム層、易剥離性樹脂層及び第二の基材を含み、
    前記易剥離性樹脂層は、前記第二の基材との界面で剥離可能であり、
    第一のハーフカットが、前記内面から前記界面に概ね達する深さで形成されており、かつ/又は第二のハーフカットが、前記外面から前記界面に概ね達する深さで形成されている、
    容器の開口部を密封するための蓋材。
  2. 前記メジューム層の内面側が、粗面化されている、請求項1に記載の蓋材。
  3. 前記メジューム層は、ニトロセルロース、ニトロセルロースとポリアミドの混合物、又はニトロセルロースとアルキド樹脂の混合物で形成されている、請求項1又は2に記載の蓋材。
  4. 前記易剥離性樹脂層は、ポリエチレンと環状オレフィンコポリマーとの混合物で形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓋材。
  5. 前記第二の基材の外面側が、粗面化されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓋材。
  6. 第一の基材にニトロセルロース又はポリウレタン系メジュームを適用して、第一の部材を得るメジューム適用工程;
    第二の基材を提供する提供工程;
    前記第一の部材の前記メジュームの適用部分と前記第二の基材との間に、易剥離性樹脂を適用し、前記第一の部材と前記第二の基材を積層して、積層体を得る積層工程;及び
    前記積層体の内面側から前記易剥離性樹脂の適用部分に概ね達する深さで第一のハーフカットを形成し、かつ/又は前記積層体の外面側から前記易剥離性樹脂の適用部分に概ね達する深さで第二のハーフカットを形成するハーフカット形成工程
    を含む、容器の開口部を密封するための蓋材の製造方法。
  7. 前記メジューム適用工程は、前記第一の基材に前記メジュームを印刷することにより行なわれる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記第一の部材の内面側を粗面化する工程をさらに含む、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 前記第二の基材の外面側を粗面化する工程をさらに含む、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記積層工程は、前記第一の部材の前記メジュームの適用部分と前記第二の基材との間に、前記易剥離性樹脂を押出積層することにより行なわれる、請求項6〜9のいずれか1項に記載の方法。
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