以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施の形態に係るPONシステムの構成を示す図である。
図1を参照して、PONシステム301は、たとえば10G−EPONであり、ONU202A,202B,202Cと、上位ネットワークに接続された局側装置201と、スプリッタSPとを備える。ONU202A,202B,202Cと局側装置201とは、スプリッタSPおよび光ファイバOPTFを介して接続され、互いに光信号を送受信する。
図2は、本発明の実施の形態に係るPONシステムにおけるONUの構成を示す図である。
図2を参照して、ONU202は、光通信モジュール101と、PON受信処理部92と、バッファメモリ93と、UN送信処理部94と、UNI(User Network Interface)ポート95と、UN受信処理部96と、バッファメモリ97と、PON送信処理部98と、制御部99とを備える。
光通信モジュール101は、ONU202に対して脱着可能である。光通信モジュール101は、局側装置201から送信される下り光信号を受信し、電気信号に変換して出力する。
PON受信処理部92は、光通信モジュール101から受けた電気信号からフレームを再構成するとともに、フレームの種別に応じて制御部99またはUN送信処理部94にフレームを振り分ける。具体的には、PON受信処理部92は、データフレームをバッファメモリ93経由でUN送信処理部94へ出力し、制御フレームを制御部99へ出力する。
制御部99は、各種制御情報を含む制御フレームを生成し、UN送信処理部94へ出力する。
UN送信処理部94は、PON受信処理部92から受けたデータフレームおよび制御部99から受けた制御フレームをUNIポート95経由で図示しないパーソナルコンピュータ等のユーザ端末へ送信する。
UN受信処理部96は、UNIポート95経由でユーザ端末から受信したデータフレームをバッファメモリ97経由でPON送信処理部98へ出力し、UNIポート95経由でユーザ端末から受信した制御フレームを制御部99へ出力する。
制御部99は、MPCPおよびOAM等、局側装置201およびONU202間のPON回線の制御および管理に関する宅側処理を行なう。すなわち、PON回線に接続されている局側装置201とMPCPメッセージおよびOAMメッセージをやりとりすることによって、アクセス制御等の各種制御を行なう。制御部99は、各種制御情報を含む制御フレームを生成し、PON送信処理部98へ出力する。また、制御部99は、ONU202における各ユニットの各種設定処理を行なう。
PON送信処理部98は、UN受信処理部96から受けたデータフレームおよび制御部99から受けた制御フレームを光通信モジュール101へ出力する。
光通信モジュール101は、PON送信処理部98から受けた電気信号であるデータフレームおよび制御フレームを光信号に変換し、局側装置201へ送信する。
図3は、本発明の実施の形態に係るONUにおける光通信モジュールの構成を示す図である。
図3を参照して、光通信モジュール101は、バースト送信部151と、受信部152とを含む。バースト送信部151は、プリアンプ86と、出力バッファ回路(変調電流供給回路)63と、バイアス電流供給回路88と、発光回路89とを含む。発光回路89は、発光素子LDと、インダクタL1,L2とを含む。受信部152は、受光素子PDと、TIA(トランスインピーダンスアンプ)81と、LIA(制限アンプ)82と、出力バッファ85とを含む。
バースト送信部151において、プリアンプ86は、UN受信処理部96からのデータフレームおよび制御部99からの制御フレームである送信データを受けて、当該送信データを増幅して出力する。たとえば、プリアンプ86は、当該送信データを、信号線INP,INNから差動信号として受ける。
出力バッファ回路87は、プリアンプ86から受けた送信データに基づいて、発光回路89に変調電流を供給する。この変調電流は、局側装置201へ送信すべきデータの論理値に応じた大きさの電流である。
発光回路89は、上り光信号を局側装置201へ送信する。発光回路89において、発光素子LDは、固定電圧たとえば電源電圧Vdd1の供給される電源ノードにインダクタL1を介して接続され、また、バイアス電流供給回路88にインダクタL2を介して接続されている。発光素子LDは、バイアス電流供給回路88から供給されたバイアス電流、および出力バッファ回路87から供給された変調電流に基づいて発光し、かつ発光強度を変更する。
受信部152において、受光素子PDは、固定電圧たとえば電源電圧Vdd2の供給される電源ノードに接続され、局側装置201から受信した光信号を電気信号たとえば電流に変換して出力する。
TIA81は、受光素子PDから受けた電流を電圧に変換してLIA82へ出力する。
LIA82は、TIA81から受けた電圧のレベルを2値化し、受信データとして出力する。
出力バッファ85は、LIA82から受けた受信データを増幅してPON受信処理部92へ出力する。たとえば、出力バッファ85は、当該受信データを、差動信号として信号線OUTP,OUTNから出力する。
たとえば、プリアンプ86と、出力バッファ回路87と、バイアス電流供給回路88と、発光回路89におけるインダクタL1,L2と、TIA81と、LIA82と、出力バッファ85とは、光通信用リジッド基板に実装されている。また、発光素子LDは、アセンブリされた発光モジュール(以下、TOSA:Transmitter Optical Sub-Assemblyとも称する。)に内蔵されている。また、受光素子PDおよびTIA81は、アセンブリされた受光モジュール(以下、ROSA:Receiver Optical Sub-Assemblyとも称する。)に内蔵されている。これら光通信用リジッド基板とTOSAおよびROSAとは、フレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Print Circuit Board)を介して接続されている。
図4は、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールの外観の一例を示す図である。
図4を参照して、光通信モジュール101は、TOSA11と、ROSA12と、送信用フレキシブル基板13と、受信用フレキシブル基板14と、送信用コネクタ15と、受信用コネクタ16と、光通信用リジッド基板17と、ホスト用コネクタ18とを備える。
光通信モジュール101は、TOSA11およびROSA12を介して光ファイバOPTFに接続されている。
また、光通信モジュール101における光通信用リジッド基板17は、ホスト用コネクタ18を介してPON受信処理部92、PON送信処理部98および制御部99に接続されている。
ONU202における光通信モジュール101以外の一部または全部のユニットは、処理部として、光信号に変換すべき電気信号を生成して光通信用リジッド基板17へ出力し、また、受光素子PDによって変換され、光通信用リジッド基板17によって伝送等された受光素子PDからの電気信号を処理する。
TOSA11における光デバイスである発光素子LDは、電気信号を光信号に変換して送信する。この電気信号は、局側装置201への送信データを含む電気信号である。たとえば、発光素子LDによって送信される光信号は、ビットレートが2.48ギガビット/秒より大きいバースト信号である。
ROSA12における光デバイスである受光素子PDは、光信号を受信して電気信号に変換する。この電気信号は、局側装置201からの受信データを含む電気信号である。
送信用フレキシブル基板13は、TOSA11と光通信用リジッド基板17とを電気的に接続する。
受信用フレキシブル基板14は、ROSA12と光通信用リジッド基板17とを電気的に接続する。
送信用コネクタ15および受信用コネクタ16は、光通信用リジッド基板17に設けられており、たとえば光通信用リジッド基板17に表面実装されている。
送信用コネクタ15は、光通信用リジッド基板17と送信用フレキシブル基板13とを脱着可能に接続する。
受信用コネクタ16は、光通信用リジッド基板17と受信用フレキシブル基板14とを脱着可能に接続する。
光通信用リジッド基板17は、ホスト用コネクタ18を介してPON送信処理部98から受けた電気信号に対して増幅等を行って発光素子LDへ伝送するか、または受光素子PDからの電気信号に対して増幅等を行い、ホスト用コネクタ18を介してPON受信処理部92へ伝送する。
図5は、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおけるTOSA、ROSA、フレキシブル基板および光通信用リジッド基板の接続形態の一例を示す図である。
図5を参照して、TOSA11および送信用フレキシブル基板13は、半田によって電気的に接続されており、送信用フレキシブル基板13および光通信用リジッド基板17は、送信用コネクタ15によって電気的に接続されている。より詳細には、送信用フレキシブル基板13のパッド21と送信用コネクタ15のピンとが接触することにより、送信用フレキシブル基板13および光通信用リジッド基板17が電気的に接続される。
また、ROSA12および受信用フレキシブル基板14は、半田によって電気的に接続されており、受信用フレキシブル基板14および光通信用リジッド基板17は、受信用コネクタ16によって電気的に接続されている。より詳細には、受信用フレキシブル基板14のパッド22と受信用コネクタ16のピンとが接触することにより、受信用フレキシブル基板14および光通信用リジッド基板17が電気的に接続される。
また、光ファイバOPTFからの光およびTOSA11からの光が、図示しない波長フィルタによって分離され、それぞれROSA12および光ファイバOPTFへ導かれる。
図6は、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおける送信用フレキシブル基板の一部の構造を示す図である。
光通信モジュール101におけるフレキシブル基板は、フレキシブル基板用コネクタとの接続部たとえばパッド、における電気信号の伝送路のインピーダンスを調整するインピーダンス調整部を含む。この電気信号は、発光素子LDへの電気信号または受光素子PDからの電気信号である。インピーダンス調整部は、たとえばグランドパターンである。
具体的には、図6を参照して、送信用フレキシブル基板13は、主表面Aにおいて、送信用コネクタ15とのグランド用接続部としてパッド31,34を含み、かつ信号用接続部としてパッド32,33を含む。パッド31〜34は、前述のパッド21に相当する。
送信用フレキシブル基板13の主表面Aにおいて、パッド31および34は、主表面Aに設けられた接地領域、すなわちグランドパターン39に接続されている。
パッド32および33は、それぞれ、ビア36および37を介して、送信用フレキシブル基板13の主表面Bに設けられた信号ライン41および42と電気的に接続されている。信号ライン41および42を介して、たとえば、電気信号が発光素子LDへ伝送される、すなわち発光素子LDに変調電流が供給される。
また、送信用フレキシブル基板13は、主表面Bにおいて、インピーダンス調整部として接地領域すなわちグランドパターン43を含む。グランドパターン43は、主表面Bの、パッド31〜34と対向する領域に設けられている。グランドパターン43は、ビア35および38を介して主表面Aにおけるパッド31および34ならびにグランドパターン39と電気的に接続されている。
図7は、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおける送信用フレキシブル基板の層構成を概念的に示す図である。図7は、送信用フレキシブル基板13のパッド21が設けられた部分を、送信用フレキシブル基板13の側面から見た断面を示している。
図7を参照して、送信用フレキシブル基板13は、カバーPI(ポリイミド)層61と、カバー接着層62と、銅メッキ層64と、銅箔層65と、ベースPI層66と、ビア67と、銅箔層69と、銅メッキ層70と、カバー接着層71と、カバーPI層72と、接着層73と、補強PI層74とを含む。
カバーPI(ポリイミド)層61と、カバー接着層62と、銅メッキ層64と、銅箔層65とが、主表面A側の層であり、銅箔層69と、銅メッキ層70と、カバー接着層71と、カバーPI層72と、接着層73と、補強PI層74とが、主表面B側の層である。
銅メッキ層64および銅箔層65において、パッド21およびグランドパターン39が形成されており、また、銅箔層69および銅メッキ層70において、信号ライン68およびグランドパターン43が形成されている。信号ライン68は、図6に示す信号ライン41,42に相当し、ビア67は、図6に示すビア36および37に相当する。
たとえば、カバーPI層61の厚みは12.5マイクロメートルであり、カバー接着層62の厚みは25マイクロメートルであり、銅メッキ層64の厚みは15マイクロメートルであり、銅箔層65の厚みは18マイクロメートルであり、ベースPI層66の厚みは50マイクロメートルであり、銅箔層69の厚みは18マイクロメートルであり、銅メッキ層70の厚みは15マイクロメートルであり、カバー接着層71の厚みは25マイクロメートルであり、カバーPI層72の厚みは12.5マイクロメートルであり、接着層73の厚みは50マイクロメートルであり、補強PI層74の厚みは92マイクロメートルである。なお、完成した送信用フレキシブル基板13においては、たとえば各接着層は圧縮されて上記数値よりも小さい厚みとなる。
図4に示すように送信用コネクタ15および受信用コネクタ16が光通信用リジッド基板17に表面実装されている場合、主表面Aが送信用コネクタ15と接触する。すなわち、光通信用リジッド基板17を下側とすると、主表面AおよびBの上下関係は、図7と反対になる。
ここで、たとえば10G−EPONであるPONシステム301では、光信号の受信側における受信信号が微弱であるため、伝送路のインピーダンスを比較的高く設定する必要がある。一方、光信号の送信側では、装置の低電圧化の要求に伴い、発光素子LDを電流駆動する際の損失等を考慮して、伝送路のインピーダンスを比較的低く設定する必要がある。
このため、ONU202では、光送信用デバイスすなわち発光素子LDへの電気信号の伝送路のインピーダンスは、光受信用デバイスすなわち受光素子PDからの電気信号の伝送路のインピーダンスよりも小さい。すなわち、ONU202では、これら送信側の伝送路および受信側の伝送路が、実質的に上記のようなインピーダンス関係を有するように設計されている。たとえば、受光素子PDからの電気信号の伝送路のインピーダンスが、発光素子LDへの電気信号の伝送路のインピーダンスの少なくとも1.4倍になるように設計される。また、製造のばらつき等を考慮して、受光素子PDからの電気信号の伝送路のインピーダンスは、発光素子LDへの電気信号の伝送路のインピーダンスの、1.2倍から2.8倍までの範囲における実施とするのも好ましい。以下の例では、好ましい一例として、受光素子PDからの電気信号の伝送路のインピーダンスが、発光素子LDへの電気信号の伝送路のインピーダンスの2倍である例を説明する。具体的な部位で説明すると、たとえば、送信用コネクタ15における電気信号の伝送路のインピーダンスは、受信用コネクタ16における電気信号の伝送路のインピーダンスよりも小さい。
図8は、フレキシブル基板を用いて信号伝送を行って伝送路のインピーダンスを評価した結果の一例を示す図である。図8において、縦軸は正規化インピーダンスz[%]であり、横軸は時間[100ps/div]である。また、グラフG1はパッド実装面の裏面においてグランドパターンを設けないフレキシブル基板を用いた場合を示し、グラフG1は送信用フレキシブル基板13と同様にパッド実装面の裏面においてグランドパターンを設けたフレキシブル基板を用いた場合を示す。
ここでは、光信号の送信側、たとえばプリアンプ86から発光素子LDへの伝送経路が、たとえば25Ω系のシングル伝送に設計されていると仮定する。
また、25Ω系のシングルエンド信号をリジッド基板の一方端に与え、リジッド基板上の信号ラインを介してリジッド基板の他方端へ当該信号を伝送し、当該他方端に設けられたフレキシブル基板用コネクタを介して当該信号をフレキシブル基板の一方端へ出力する。フレキシブル基板の他方端は、開放されている。また、フレキシブル基板用コネクタは、一般的な100Ω系のバランス伝送用のコネクタである。また、当該信号の立ち上がり時間および立ち下がり時間は20ピコ秒に設定されている、すなわち当該信号のビットレートは10ギガビット/秒以上である。
図8を参照して、リジッド基板およびフレキシブル基板に相当する部分では、良好なインピーダンス整合が得られているが、フレキシブル基板用コネクタにおいて、インピーダンスの不整合が生じている。
具体的には、パッド実装面の裏面においてグランドパターンを設けないフレキシブル基板を用いた場合には、35.7%のインピーダンス不整合が発生している(グラフG1)。なお、このようにフレキシブル基板およびフレキシブル基板用コネクタの電気的接続部分においてインピーダンス調整がなされていない場合、当該電気的接続部分がハイインピーダンス状態となってしまう可能性がある。
これに対して、パッド実装面の裏面においてグランドパターンを設けたフレキシブル基板を用いた場合には、13.6%のインピーダンス不整合に抑えられている(グラフG2)。
したがって、光信号の送信側では、パッド実装面の裏面においてグランドパターンを設けたフレキシブル基板を用いることにより、伝送路のインピーダンスを小さくして、伝送特性を向上できることが分かる。
図9は、フレキシブル基板を用いて信号伝送を行って伝送路のインピーダンスを評価した結果の他の例を示す図である。図9において、グラフG3はパッド実装面の裏面においてグランドパターンを設けないフレキシブル基板を用いた場合を示し、グラフG4は送信用フレキシブル基板13と同様にパッド実装面の裏面においてグランドパターンを設けたフレキシブル基板を用いた場合を示す。その他の図の見方は図8と同様である。
ここでは、光信号の受信側、たとえば受光素子PDから出力バッファ85への伝送経路が、たとえば100Ω系のバランス伝送に設計されていると仮定する。
また、100Ω系の差動信号をリジッド基板の一方端に与え、リジッド基板上の信号ラインを介してリジッド基板の他方端へ当該信号を伝送し、当該他方端に設けられたフレキシブル基板用コネクタを介して当該信号をフレキシブル基板の一方端へ出力する。フレキシブル基板の他方端は、開放されている。また、フレキシブル基板用コネクタは、一般的な100Ω系のバランス伝送用のコネクタである。また、当該信号の立ち上がり時間および立ち下がり時間は20ピコ秒に設定されている、すなわち当該信号のビットレートは10ギガビット/秒以上である。
図9を参照して、リジッド基板およびフレキシブル基板に相当する部分では、良好なインピーダンス整合が得られているが、フレキシブル基板用コネクタにおいて、インピーダンスの不整合が生じている。
具体的には、パッド実装面の裏面においてグランドパターンを設けたフレキシブル基板を用いた場合には、−10.8%のインピーダンス不整合が発生している(グラフG4)。
これに対して、パッド実装面の裏面においてグランドパターンを設けないフレキシブル基板を用いた場合には、−5.25%のインピーダンス不整合に抑えられている(グラフG3)。
したがって、光信号の受信側では、パッド実装面の裏面においてグランドパターンを設けたフレキシブル基板を用いると、伝送路のインピーダンスが小さくなって伝送特性が劣化することが分かる。
そこで、前述のように光通信モジュール101では、インピーダンス調整部を、送信用フレキシブル基板13の主表面Bにおける領域であって、各パッド21のうち光送信用デバイスすなわち発光素子LDへの電気信号の伝送路となるパッド21、と対向する領域に設ける。
一方、受信用フレキシブル基板14には、送信用フレキシブル基板13と異なり、インピーダンス調整部としてのグランドパターンを設けない。
図10は、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおける受信用フレキシブル基板の一部の構造を示す図である。
図10を参照して、受信用フレキシブル基板14は、主表面Aにおいて、受信用コネクタ16との接続部としてパッド51〜54を含む。
受信用フレキシブル基板14の主表面Aにおいて、前述のパッド22に相当するパッド51および54は、主表面Aに設けられた接地領域、すなわちグランドパターン59に接続されている。
パッド52および53は、それぞれ、ビア56および57を介して、受信用フレキシブル基板14の主表面Bに設けられた信号ライン45および46と電気的に接続されている。信号ライン45および46を介して、たとえば、受光素子PDからの電気信号がLIA82へ伝送される、より詳細には、TIA81によって変換された電圧がLIA82に供給される。
なお、受信用フレキシブル基板14の層構成は、図7に示す送信用フレキシブル基板13の層構成において、グランドパターン43を削除したものとなる。
図11は、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおけるフレキシブル基板の層構成を概念的に示す図である。図11は、フレキシブル基板のパッドが設けられた部分を、フレキシブル基板の延伸方向に沿って見た断面を示している。図11では、説明を簡単にするために、送信用フレキシブル基板13および受信用フレキシブル基板14をまとめて示している。また、差動信号の各信号に対応する部分をまとめて示している。
図11を参照して、送信用フレキシブル基板13において、光信号伝送用のピン(TX)が接触する主表面Aのパッド21、と対向する主表面Bの銅箔層69および銅メッキ層70の領域に、グランドパターン43が設けられている。
一方、受信用フレキシブル基板14において、光信号伝送用のピン(RX)が接触する主表面Aのパッド22、と対向する主表面Bの銅箔層69および銅メッキ層70の領域75には、グランドパターンが設けられていない。
なお、銅箔層69および銅メッキ層70のうち、グランド用のピン(GND)が接触する主表面Aのパッド、と対向する主表面Bの銅箔層69および銅メッキ層70の領域は、たとえばグランドパターンであるが、グランドパターンとはしない構成とすることも可能である。
このように、光通信モジュール101では、フレキシブル基板のパッドの裏面にグランドパターンを設けるか否かを光信号の送信側および受信側で使い分けることにより、フレキシブル基板およびフレキシブル基板用コネクタの電気的接続部分における光信号の伝送路のインピーダンスを適宜補正している。
図12は、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおけるTOSAおよび送信用フレキシブル基板において発生するリターン電流を示す図である。
図12を参照して、信号ライン41および42を介して発光素子LDに電流Iを供給すると、リターン電流Irが磁界により発生し、発光素子LD付近のグランドパターンを通って送信用フレキシブル基板13のグランドパターン39へ流れる。
そして、リターン電流Irが、送信用フレキシブル基板13の主表面Aにおけるグランドパターン39からビア38を介してグランドパターン43へ流れ、ビア35を介して送信用フレキシブル基板13の主表面Aにおけるグランドパターン39へ流れる。そうすると、このリターン電流Irにより、光信号の伝送特性が劣化する可能性がある。
そこで、光通信モジュール101では、送信用フレキシブル基板13と送信用コネクタ15とが接続された状態において、送信用コネクタ15のグランドノード具体的にはグランド用ピン、との接続部であるグランド用接続部すなわちパッド31,34からグランドパターン39への伝送路のインピーダンスを、上記グランド用接続部から送信用コネクタ15のグランドノードへの伝送路のインピーダンスより大きく設定する。
図13は、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールにおける送信用フレキシブル基板におけるリターン電流対策の一例を示す図である。以下で説明する内容以外は図6の内容と同様である。
図13を参照して、送信用フレキシブル基板13の主表面Bには、グランド用のパッド31および34間でグランドパターン43を電気的に分離するためのパターン切り欠き部49が設けられている。
これにより、グランドパターン43を介したビア35および38間の電流経路が遮断される。そうすると、リターン電流Irは、たとえば送信用フレキシブル基板13の主表面Aにおけるグランドパターン39からグランドパターン43へは流れず、送信用フレキシブル基板13の主表面Aにおけるグランドパターン39から送信用コネクタ15のグランド用ピンへ流れることになる。
図14は、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールの変形例の外観の一例を示す図である。
図14を参照して、光通信モジュール101は、TOSA11と、ROSA12と、フレキシブル基板10と、送受信用コネクタ20と、光通信用リジッド基板17と、ホスト用コネクタ18とを備える。
この変形例では、図4に示す例と比べて、TOSA11と光通信用リジッド基板17とを電気的に接続するための送信用フレキシブル基板13と、ROSA12と光通信用リジッド基板17とを電気的に接続するための受信用フレキシブル基板14とがフレキシブル基板10として一体化されている。
また、図4に示す例と比べて、光通信用リジッド基板17と送信用フレキシブル基板13とを脱着可能に接続するための送信用コネクタ15と、光通信用リジッド基板17と受信用フレキシブル基板14とを脱着可能に接続するための受信用コネクタ16とが送受信用コネクタ20として一体化されている。
図15は、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールの変形例におけるTOSA、ROSA、フレキシブル基板および光通信用リジッド基板の接続形態の一例を示す図である。
図15を参照して、TOSA11およびROSA12とフレキシブル基板10とは、半田によって電気的に接続されており、フレキシブル基板10および光通信用リジッド基板17は、送受信用コネクタ20によって電気的に接続されている。より詳細には、フレキシブル基板10のパッド23と送受信用コネクタ20のピンとが接触することにより、フレキシブル基板10および光通信用リジッド基板17が電気的に接続される。
図16は、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールの送信用フレキシブル基板における信号ラインの一例を示す図である。
図16を参照して、一般的に、フレキシブル基板用コネクタは、バランス伝送用に設計されており、フレキシブル基板用コネクタのピンは、たとえば、グランド用ピン(G)、信号用ピン(S)、信号用ピン(S)およびグランド用ピン(G)の順番に配置されている。
光信号の伝送方式としてバランス伝送を採用する場合、たとえば、送信用フレキシブル基板13のパッド21の幅は、送信用コネクタ15の1つのピン81の間隔に対応する大きさに設定される。
図17は、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールの送信用フレキシブル基板における信号ラインの他の例を示す図である。
図17を参照して、図16に示す場合に対して、光信号の伝送方式としてシングル伝送を採用する場合には、フレキシブル基板用コネクタにおいて並んで配置されている2つの信号用ピン(S)に対して1つのパッドを接触させることができるため、たとえば送信用フレキシブル基板13の信号用のパッド21の幅を、図16に示す場合と比べて大きくすることができる。
フレキシブル基板における伝送路の特性インピーダンスZは、(L/C)の平方根で表される。
ここで、Lは、ライン幅等のパラメータで値が決まり、Cは、信号ラインおよびグランドの間隔等のパラメータで値が決まる。
信号ラインの幅を大きくするほど、Lが小さくなり、伝送路のインピーダンスZを小さくすることができる。すなわち、光信号の送信側においてシングル伝送を採用する構成により、伝送路のインピーダンスを下げやすくなる。
ところで、光通信の分野においても、各種装置の小型化等が要求されており、フレキシブル基板を効果的に用いることが望まれる。
そこで、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールでは、光デバイスは、電気信号を光信号に変換して送信するか、または光信号を受信して電気信号に変換する。光通信用リジッド基板17は、電気信号を光デバイスへ伝送するか、または光デバイスからの電気信号を伝送する。フレキシブル基板は、光デバイスと光通信用リジッド基板17とを電気的に接続する。そして、フレキシブル基板用コネクタは、光通信用リジッド基板17に設けられ、光通信用リジッド基板17とフレキシブル基板とを脱着可能に接続する。
このように、フレキシブル基板および光通信用リジッド基板17間の接続を、半田付けではなく、コネクタによって行なう構成により、寿命が短く、故障しやすい光デバイスを光通信用リジッド基板17から脱着可能とすることができる。すなわち、光デバイスの不具合による光通信用リジッド基板17を含めた光通信モジュール101全体の廃棄および交換を防ぎ、また、半田付け等のための加工コストを低減することができる。したがって、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールでは、光通信を行なう構成において、フレキシブル基板を効果的に用いることができる。
ここで、PON等の光通信システムでは、特に10G−EPONにおいて、光信号の受信側における受信信号が微弱であるため、伝送路のインピーダンスを比較的高く設定する必要があり、たとえば100Ω系のバランス伝送、または50Ω系のシングル伝送が採用される。一方、光信号の送信側では、装置の低電圧化の要求に伴い、発光素子を電流駆動する際の損失等を考慮して、伝送路のインピーダンスを比較的低く設定する必要があり、たとえば50Ω系のバランス伝送、または25Ω系のシングル伝送が採用される。具体的には、たとえば、光通信モジュール101の電源電圧は、5V以下に設定される。
すなわち、PON等の光通信システムでは、光信号の受信側および送信側において伝送路のインピーダンスを異なる値に設計する必要性が高い。
これに対して、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールでは、フレキシブル基板は、フレキシブル基板用コネクタとの接続部たとえばパッドにおける電気信号の伝送路のインピーダンスを調整するためのインピーダンス調整部を含む。
このような構成により、フレキシブル基板およびフレキシブル基板用コネクタの電気的接続部分のインピーダンスを、それぞれ光信号の送信側および受信側の伝送路のインピーダンスに近づくように調整することができる。すなわち、フレキシブル基板およびフレキシブル基板用コネクタの電気的接続部分のインピーダンス整合を向上させることにより、高速な光通信システムにおいても良好な伝送特性を得ることができる。
ここで、汎用の高周波向けフレキシブル基板用コネクタは、100Ω系のバランス伝送に対応している場合が多い。そして、このようなコネクタは、複数あるピンについて、各ピンと接続対象との接触状態が均一になるように、各ピンが機構的に均一になるように設計されている。これにより、当該コネクタの各ピンにおけるインピーダンスは一定となる。
ところが、前述のように、PON等の光通信システムでは、光信号の受信側および送信側において伝送路のインピーダンスを異なる値に設計する必要があり、フレキシブル基板およびフレキシブル基板用コネクタの電気的接続部分についても、ピンごとに異なるインピーダンスを設定する必要が生じる。
これに対して、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールでは、フレキシブル基板用コネクタとの接続部は、フレキシブル基板の第1主表面に設けられている。インピーダンス調整部は、フレキシブル基板の第2主表面の、上記接続部と対向する領域に設けられている。
このように、フレキシブル基板の電気的接続部たとえばパッド側にインピーダンス調整部を設けるのではなく、パッドの裏面においてインピーダンス調整部を設ける構成により、たとえば光信号の受信側および送信側において伝送路のインピーダンスを異なる値に設定しながら、フレキシブル基板用コネクタおよびフレキシブル基板における電気的接続部たとえばパッドの構造については均一性を確保することができる。これにより、接触不良等を低減し、装置の寿命を延ばすことができるため、光通信モジュールの信頼性を向上させることができる。
また、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールでは、インピーダンス調整部はグランドパターンである。
このような構成により、フレキシブル基板用コネクタのインピーダンスが、光信号の伝送路のインピーダンスより大きい場合において、フレキシブル基板およびフレキシブル基板用コネクタの電気的接続部分のインピーダンスを下げることができるため、当該電気的接続部分におけるインピーダンス整合を向上させることができる。
また、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールでは、フレキシブル基板用コネクタのグランドノードとの接続部であるグランド用接続部からグランドパターン43への伝送路のインピーダンスは、グランド用接続部からフレキシブル基板用コネクタのグランドノードへの伝送路のインピーダンスより大きい。
このような構成により、インピーダンス調整部であるグランドパターン43を介したリターン電流の経路が形成されることを抑制し、リターン電流を、フレキシブル基板の第1主表面におけるグランドパターンからフレキシブル基板用コネクタへ流れやすくすることができるため、伝送特性を向上させることができる。
また、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールでは、光送信用デバイスすなわち発光素子LDへの電気信号の伝送路のインピーダンスは、光受信用デバイスすなわち受光素子PDからの電気信号の伝送路のインピーダンスよりも小さい。そして、インピーダンス調整部は、フレキシブル基板の第2主表面における領域であって、上記接続部のうち光送信用デバイスへの電気信号の伝送路となる接続部、と対向する領域に設けられている。
このような構成により、光信号の受信側および送信側において伝送路のインピーダンスを簡易な構成で異ならせることができる。
また、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールでは、フレキシブル基板において、フレキシブル基板用コネクタとの接続部である信号用接続部およびグランド用接続部は、フレキシブル基板の第1主表面に設けられている。グランド用接続部は、第1主表面におけるグランドパターンに接続されている。信号用接続部は、それぞれビアを介してフレキシブル基板の第2主表面に接続されている。
このような構成により、たとえばフレキシブル基板用コネクタを光通信用リジッド基板17に表面実装した構成において、当該コネクタのグランド用ピンからフレキシブル基板のグランドパターンまでの距離を短くすることができ、また、フレキシブル基板のグランドパターンを、ビアを介さずにグランド用ピンと接続することができるため、グランド電位を安定させ、伝送特性を向上させることができる。
また、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールでは、光送信用デバイスと光通信用リジッド基板17とを電気的に接続するための送信用フレキシブル基板13と、光受信用デバイスと光通信用リジッド基板17とを電気的に接続するための受信用フレキシブル基板14とがフレキシブル基板10として一体化されている。また、光通信用リジッド基板17と送信用フレキシブル基板13とを脱着可能に接続するための送信用コネクタ15と、光通信用リジッド基板17と受信用フレキシブル基板14とを脱着可能に接続するための受信用コネクタ16とが送受信用コネクタ20として一体化されている。
このように、フレキシブル基板およびフレキシブル基板用コネクタを、光信号の送信側および受信側でそれぞれ一体化する構成により、部品コストを低減し、また、実装作業を半減させて加工コストを低減することができる。
なお、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールでは、インピーダンス調整部がフレキシブル基板に設けられる構成であるとしたが、これに限定するものではない。インピーダンス調整部は、フレキシブル基板用コネクタに設けられてもよい。具体的には、フレキシブル基板用コネクタにおいて、インピーダンス調整部としてピン間隔等を変更することにより、インピーダンス調整を行なうことも可能である。
また、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールでは、インピーダンス調整部がフレキシブル基板の接続部すなわちパッドの裏面に設けられる構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、パッドの幅を変更してインピーダンス調整を行なうことも可能である。
また、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールでは、光信号の受信側および送信側においてグランドパターンを設けるか否かによってインピーダンス調整を行なう構成であるとしたが、これに限定するものではない。光信号の受信側および送信側の両方においてグランドパターンを設け、各グランドパターンの材質を変えることにより、容量値を変更してインピーダンス調整を行なうことも可能である。
また、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールでは、光通信用リジッド基板17は、光信号を増幅するアンプが実装される構成であるとしたが、これに限定するものではない。光通信用リジッド基板17は、電気信号を増幅せず、電気信号を光デバイスすなわち発光素子LDへ単に伝送するか、または光デバイスすなわち受光素子PDからの電気信号を単に伝送する構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールでは、光通信用リジッド基板17にはバースト送信部151および受信部152が実装される構成であるとしたが、これに限定するものではない。光通信用リジッド基板17に、バースト送信部151および受信部152に加えて、光通信モジュール101以外の図2に示す他のユニットが実装されてもよい。
また、本発明の実施の形態に係る光通信モジュールは、ONU202において用いられる光通信モジュールであるとしたが、これに限定するものではなく、局側装置201において用いられる光通信モジュールであってもよい。
また、上記実施の形態では、発光素子および受光素子等の光デバイスを含む光通信モジュールを例示したが、本発明は、光通信モジュールに限らず、何らかのデバイスを含む回路モジュールにも適用可能である。
たとえば、本発明に係る回路モジュールは、光通信用に限らず、無線通信用であってもよい。あるいは、本発明に係る回路モジュールは、記録媒体に対するデータ読み出しまたはデータ書き込みを行うためのヘッド等、装置内での電気信号の送受信に用いられるものであってもよい。また、本発明に係る回路モジュールが含むデバイスは、何らかの物理的構造を伴うために、具体的にはデバイスとリジッド基板とをコネクタ等で直接接続することが困難であるために、フレキシブル基板を用いてリジッド基板に接続すると好適な、信号送信および信号受信の少なくとも一方を行う部材である。
すなわち、本発明に係る回路モジュールでは、デバイスは、電気信号を送信または受信する。リジッド基板は、電気信号をデバイスへ伝送するか、またはデバイスからの電気信号を伝送する。フレキシブル基板は、デバイスとリジッド基板とを電気的に接続する。そして、フレキシブル基板用コネクタは、リジッド基板に設けられ、リジッド基板とフレキシブル基板とを脱着可能に接続する。
このように、フレキシブル基板およびリジッド基板間の接続を、半田付けではなく、コネクタによって行なう構成により、寿命が短く、故障しやすいデバイスをリジッド基板から脱着可能とすることができる。すなわち、デバイスの不具合によるリジッド基板を含めた回路モジュール全体の廃棄および交換を防ぎ、また、半田付け等のための加工コストを低減することができる。したがって、本発明に係る回路モジュールでは、電気信号の送信および受信の少なくとも一方を行なう構成において、フレキシブル基板を効果的に用いることができる。
また、本発明に係る回路モジュールでは、フレキシブル基板は、フレキシブル基板用コネクタとの接続部たとえばパッドにおける電気信号の伝送路のインピーダンスを調整するためのインピーダンス調整部を含む。
このような構成により、フレキシブル基板およびフレキシブル基板用コネクタの電気的接続部分のインピーダンスを、それぞれ電気信号の送信側および受信側の伝送路のインピーダンスに近づくように調整することができる。すなわち、フレキシブル基板およびフレキシブル基板用コネクタの電気的接続部分のインピーダンス整合を向上させることにより、高速な電気信号を伝送するシステムにおいても良好な伝送特性を得ることができる。
また、本発明に係る回路モジュールでは、フレキシブル基板用コネクタとの接続部は、フレキシブル基板の第1主表面に設けられている。インピーダンス調整部は、フレキシブル基板の第2主表面の、上記接続部と対向する領域に設けられている。
このように、フレキシブル基板の電気的接続部たとえばパッド側にインピーダンス調整部を設けるのではなく、パッドの裏面においてインピーダンス調整部を設ける構成により、たとえば電気信号の受信側および送信側において伝送路のインピーダンスを異なる値に設定しながら、フレキシブル基板用コネクタおよびフレキシブル基板における電気的接続部たとえばパッドの構造については均一性を確保することができる。これにより、接触不良等を低減し、装置の寿命を延ばすことができるため、回路モジュールの信頼性を向上させることができる。
また、本発明に係る回路モジュールでは、インピーダンス調整部はグランドパターンである。
このような構成により、フレキシブル基板用コネクタのインピーダンスが、電気信号の伝送路のインピーダンスより大きい場合において、フレキシブル基板およびフレキシブル基板用コネクタの電気的接続部分のインピーダンスを下げることができるため、当該電気的接続部分におけるインピーダンス整合を向上させることができる。
また、本発明に係る回路モジュールでは、フレキシブル基板用コネクタのグランドノードとの接続部であるグランド用接続部からグランドパターンへの伝送路のインピーダンスは、グランド用接続部からフレキシブル基板用コネクタのグランドノードへの伝送路のインピーダンスより大きい。
このような構成により、インピーダンス調整部であるグランドパターンを介したリターン電流の経路が形成されることを抑制し、リターン電流を、フレキシブル基板の第1主表面におけるグランドパターンからフレキシブル基板用コネクタへ流れやすくすることができるため、伝送特性を向上させることができる。
また、本発明に係る回路モジュールでは、送信用デバイスへの電気信号の伝送路のインピーダンスは、受信用デバイスからの電気信号の伝送路のインピーダンスよりも小さい。そして、インピーダンス調整部は、フレキシブル基板の第2主表面における領域であって、上記接続部のうち送信用デバイスへの電気信号の伝送路となる接続部、と対向する領域に設けられている。
このような構成により、電気信号の受信側および送信側において伝送路のインピーダンスを簡易な構成で異ならせることができる。
また、本発明に係る回路モジュールでは、フレキシブル基板において、フレキシブル基板用コネクタとの接続部である信号用接続部およびグランド用接続部は、フレキシブル基板の第1主表面に設けられている。グランド用接続部は、第1主表面におけるグランドパターンに接続されている。信号用接続部は、それぞれビアを介してフレキシブル基板の第2主表面に接続されている。
このような構成により、たとえばフレキシブル基板用コネクタをリジッド基板に表面実装した構成において、当該コネクタのグランド用ピンからフレキシブル基板のグランドパターンまでの距離を短くすることができ、また、フレキシブル基板のグランドパターンを、ビアを介さずにグランド用ピンと接続することができるため、グランド電位を安定させ、伝送特性を向上させることができる。
また、本発明に係る回路モジュールでは、送信用デバイスとリジッド基板とを電気的に接続するための送信用フレキシブル基板と、受信用デバイスとリジッド基板とを電気的に接続するための受信用フレキシブル基板とがフレキシブル基板として一体化されている。また、リジッド基板と送信用フレキシブル基板とを脱着可能に接続するための送信用コネクタと、リジッド基板と受信用フレキシブル基板とを脱着可能に接続するための受信用コネクタとが送受信用コネクタとして一体化されている。
このように、フレキシブル基板およびフレキシブル基板用コネクタを、電気信号の送信側および受信側でそれぞれ一体化する構成により、部品コストを低減し、また、実装作業を半減させて加工コストを低減することができる。
ここで、装置で扱われる信号が高速になると、デバイスとリジッド基板とを、インピーダンス整合された伝送路で接続することにより、信号の伝送特性の劣化を防ぐ必要性が高くなる。このため、リード線等の代わりに、マイクロストリップラインの構造を有するフレキシブル基板を用いて、デバイスとリジッド基板とを接続する構成が広く採用されている。
すなわち、本発明に係る回路モジュールは、送信または受信する信号として、ビットレートが1ギガビット/秒以上の信号に好ましく、2.4ギガビット/秒以上の信号により好適であり、また、ビットレートが10ギガビット/秒以上の信号に対してより効果的である。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。