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JP2013217467A - 歯車装置 - Google Patents

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JP2013217467A
JP2013217467A JP2012089778A JP2012089778A JP2013217467A JP 2013217467 A JP2013217467 A JP 2013217467A JP 2012089778 A JP2012089778 A JP 2012089778A JP 2012089778 A JP2012089778 A JP 2012089778A JP 2013217467 A JP2013217467 A JP 2013217467A
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Ryohei Adachi
良平 足立
Naoki Fujii
直起 藤井
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Abstract

【課題】歯車間の力の伝達時にスラスト方向への力が発生する歯車を有する歯車装置において、歯車間での力の伝達方向が切り換えられる際でも、歯車がスラスト方向に移動して大きく振動することを抑制できる歯車装置を提供する。
【解決手段】歯車本体31の軸心に形成された孔部に歯車軸29が回転自在の状態で挿通され、歯車本体31と歯車軸29との間に、内周側で歯車軸29に接する環状弾性部材42が配設され、この環状弾性部材42の内周部に、断面部の中心からの半径よりも大きい曲率半径の湾曲接触部を形成した。
【選択図】図6

Description

本発明は電動自転車のモータ装置などに用いられている歯車装置に関する。
バッテリなどの蓄電器と、この蓄電器から給電される電動モータとを有し、ペダルに加えられる踏力による人力駆動力に、前記電動モータの補助駆動力(アシスト力)を加えることで、上り坂等でも楽に走行できる電動自転車(電動アシスト自転車)は既に知られている。また、前記電動モータにより回生動作を行ってバッテリなどの蓄電器を充電可能に構成した電動自転車も既に知られている。
このような補助駆動力(アシスト力)を加えることが可能な電動自転車では、特許文献1、2等に開示されているように、電動モータが内蔵されているモータ装置に、遊星歯車機構などからなる減速機構が組み込まれている場合が多い。この種のモータ装置では、例えば電動モータの出力軸には電動モータ出力用歯車が取り付けられ、減速機構の入力部分には電動モータからの出力を受ける減速機構側入力用歯車が取り付けられ、これらの電動モータ出力用歯車と減速機構側入力用歯車とが噛み合わされて、電動モータの駆動力が減速機構に伝達される。
また、前記減速機構として複数の遊星歯車を有する遊星歯車機構が用いられることがある。遊星歯車が配設されている箇所では、遊星歯車とこの遊星歯車を回転自在に支持する歯車軸との間に潤滑用グリスが充填(塗布)されているとともに、潤滑用グリスが外部に漏れ出ないように、歯車軸の両端部に接するように断面真円形のOリングと称される環状弾性部材を配設したり、遊星歯車の両端部に樹脂製のワッシャを外嵌させたりしている。
また、電動モータ出力用歯車と減速機構側の入力用歯車とが噛み合わされる前記モータ装置などに設けられた歯車装置においては、静音性などに優れているはすば歯車が遊星歯車として用いられることがある。はすば歯車は、平歯車と異なり、歯が斜めに形成されているので、力が伝達される際にスラスト方向(軸心方向)への力が発生する。そのため、電動モータからの駆動力を減速機構側へ出力する電動モータ駆動時には、例えば、遊星歯車が電動モータのロータなどが設けられている側に引きつけられるスラスト方向に力を受ける。一方、電動自転車が惰性走行している時や回生動作を行っている際には、遊星歯車が電動モータのロータなどが設けられている側から離れるスラスト方向に力を受ける。
特開平10−1085号公報 特開2009−12542号公報
したがって、はすば歯車など、歯車間の力の伝達時にスラスト方向への力が発生する歯車を有する従来の歯車装置では、歯車間での力の伝達方向が切り換えられる際、例えば、電動自転車において、補助駆動力の出力状態から惰性走行や回生動作の状態に切り換えられる際に、遊星歯車などの歯車がスラスト方向に移動して大きく振動することがあった。そして、この場合には、前記振動が電動自転車全体に伝わって、搭乗者に不快感を与えるおそれがあった。また、遊星歯車などの歯車がスラスト方向に近接する部品などに強く当接して、この当接時の振動が電動自転車全体に伝わって、搭乗者に不快感を与えるおそれもあった。
また、前記歯車装置において、歯車がスラスト方向に移動することを抑制する方法として、例えば、歯車軸の両端部に接した状態で配設している断面真円形の環状弾性部材(Oリング)が径方向に大きく潰れるように、前記環状弾性部材を配設する凹部または溝部の径方向寸法を、前記環状弾性部材の太さよりも大幅に小さく形成することが考えられる。しかしこの場合には、前記環状弾性部材の歯車軸との接触部や前記凹部または溝部との接触部で大きな摩擦力が発生するため、電動モータの駆動力、すなわち駆動用電流を大幅に増加させなければならない。
本発明は上記課題を解決するもので、はすば歯車などの、歯車間の力の伝達時にスラスト方向への力が発生する歯車を有する歯車装置において、歯車間での力の伝達方向が切り換えられる際でも、歯車がスラスト方向に移動して大きく振動することを抑制でき、かつ、歯車装置を駆動する電動モータなどの駆動力(駆動用電流)を大幅に増加させなくても済む歯車装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の歯車装置は、互いに噛み合う歯車同士の力の伝達時に歯車のスラスト方向への力が発生する歯車装置であって、一方の歯車の軸心に形成された孔部に歯車軸が回転自在の状態で挿通され、前記一方の歯車と、前記歯車軸との間に、内周側で前記歯車軸に接し、外周側で前記歯車に接する環状弾性部材が配設され、前記環状弾性部材は、その内周部または外周部に、断面部の中心からの半径よりも大きい曲率半径の湾曲接触部、もしくはスラスト方向に沿う直線形状の直線状接触部、またはスラスト方向に対して複数箇所で歯車軸に対して接触する複数の接触部が形成されていることを特徴とする。
上記構成により、環状弾性部材の断面形状が真円形である場合よりも環状弾性部材と歯車軸との接触面積が増加する。これにより、歯車が回転されてスラスト方向へ移動させようとする力が歯車に作用した場合でも、環状弾性部材との摩擦力により歯車のスラスト方向への移動が抑制される。したがって、歯車装置に対する力の伝達方向が切り換えられた際、歯車が歯車軸に対してスラスト方向に移動して振動することが抑制される。この結果、この歯車装置を例えば回生動作可能な電動自転車の電動モータユニットに用いていた場合には、歯車のスラスト方向に移動することに起因する振動が抑制される。また、断面形状が真円形である環状弾性部材と比較して、歯車軸などに対する接触面積が広いので、環状弾性部材の圧縮率を高めに設定して歯車装置を駆動する電動モータなどの駆動力(駆動用電流)を大幅に増加させる構成を用いなくても、歯車のスラスト方向への移動を効果的に抑制できる。
なお、環状弾性部材の断面形状は、径方向寸法よりも径方向に直交するスラスト方向寸法が大きい形状であることが好ましく、この構成によれば、環状弾性部材の歯車軸などに対する接触面積をより大きくすることができるので、これによっても、歯車および環状弾性部材がスラスト方向へ移動して振動することを抑制できる。
また、前記環状弾性部材を、その端部が歯車の側面より突出した状態で配設してもよい。この構成によれば、歯車がスラスト方向に移動した際に、歯車の近傍に配設されている部材(近傍配設部材と称す)に、環状弾性部材の突出部分が当接するので、前記近傍配設部材に歯車が当接する際の衝撃が緩和されたり、当接すること自体を阻止できたりする。
また、前記環状弾性部材における、この環状弾性部材が配設される凹部もしくは溝部の底面に接する箇所に平坦部を形成してもよい。この構成により、歯車と環状弾性部材との接触面積も増加するので、歯車に対する環状弾性部材の密着度が増加して、歯車がスラスト方向へ移動することを良好に抑制できる。
また、この構成の歯車装置を、電動モータと組み合わせたモータ装置として用いてもよい。また、電動モータの回転を減速する減速装置として用いるとともに、電動モータと組み合わせて、電動自転車の前輪または後輪のハブに内装されるハブモータ装置を構成してもよい。さらに、回生動作可能である電動自転車においてハブモータ装置として用いてもよい。
本発明によれば、環状弾性部材の内周部または外周部に、断面部の中心からの半径よりも大きい曲率半径の湾曲接触部、もしくはスラスト方向に沿う直線形状の直線状接触部、またはスラスト方向に対して複数箇所で歯車軸に対して接触する複数の接触部を形成することにより、歯車に対する力の伝達方向が切り換えられた際、歯車が歯車軸に対してスラスト方向に移動して振動することが抑制される。したがって、この歯車装置を例えば回生動作可能な電動自転車の電動モータユニットに用いた場合には、歯車のスラスト方向に移動することに起因する振動が抑制されて、搭乗者に不快感を与えることを最小限に抑えることができる。また、断面形状が真円形である環状弾性部材と比較して、歯車軸などに対する接触面積が広いので、環状弾性部材の圧縮率を高めに設定して歯車装置を駆動する電動モータなどの駆動用電流を大幅に増加させる構成を用いなくても、歯車のスラスト方向への移動を効果的に抑制できる。
また、前記環状弾性部材を、その端部が歯車の側面より突出した状態で配設することで、歯車の近傍に配設されている部材に歯車が当接する際の衝撃を緩和したり、当接すること自体を阻止できたりし、これによれば、搭乗者に不快感を与えることをさらに抑えることができる。
本発明の実施の形態に係る歯車装置としての減速装置を備えた電動自転車の側面図 同電動自転車のハブモータ装置の縦断面図 同ハブモータ装置の分解斜視図 同ハブモータ装置の減速装置などの分解斜視図 同減速装置の遊星歯車の分解斜視図 同減速装置の遊星歯車およびその近傍箇所の縦断面図で、外力が作用していない状態 (a)および(b)は、同遊星歯車の環状弾性部材の正面図および断面図 同遊星歯車の環状弾性部材を歯車軸に装着した状態を示す図 同減速装置の遊星歯車およびその近傍箇所の縦断面図で、電動モータを駆動している際の状態 同減速装置の遊星歯車およびその近傍箇所の縦断面図で、電動モータが回生動作されている際の状態 環状弾性部材のつぶし代と電動モータの駆動用電流との関係を示す図 環状弾性部材のつぶし代について説明するための図 断面真円形の環状弾性部材のつぶし代を歯車軸に装着した状態を示す図 本発明の他の実施の形態に係る遊星歯車の分解斜視図 本発明のその他の実施の形態に係る遊星歯車の、環状弾性部材を歯車軸に装着した状態を示す図
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、1は本発明の実施の形態に係る歯車装置が設けられているハブモータ装置(モータ装置の一例)3を備えた電動自転車であり、電動自転車1は前車輪2と後車輪15とペダル14などを備えており、前車輪2の中心部にハブモータ装置3が備えられている。図2に示すように、ハブモータ装置3は、前フォーク4の左右のフォーク足4aに連結固定された左右一対の固定軸5,6と、左右いずれか一方の固定軸5に設けられた固定部材7と、固定部材7に対して回転自在なハブケース8とを有している。
図2、図3に示すように、ハブケース8は、一側面に開口部9aを有する円筒状のケース本体9と、ケース本体9に取付けられて開口部9aを閉じるケース蓋10とを有している。図2に示すように、ケース本体9は一方の軸受11を介して回転自在に一方の固定軸5に支持され、ケース蓋10は他方の軸受12を介して回転自在に他方の固定軸6に支持されている。また、前車輪2の各スポーク13の内端はケース本体9の外周部に連結されている。
図2、図3などに示すように、ハブケース8内には、ハブケース8を軸心36周りに回転させる電動モータ16と、ハブケース8と同軸心周りに回転自在な内部回転部材17と、電動モータ16の出力軸18の回転速度を減速して出力軸18の回転を内部回転部材17に伝達する減速装置19とが収納されている。
電動モータ16は、ハウジング21(この実施の形態では左右に二分割されたハウジング21A、21B)内にロータ22とステータ23とを備えたブラシレス電動モータで構成されており、ロータ22に出力軸18を備えている。内部回転部材17は、内周に歯部が形成された円環状の内歯歯車26と、この内歯歯車26を外周から支持してケース蓋10の内周側に固定する円板状のギヤホルダ30とを有している。ギヤホルダ30は複数のねじ37によってケース蓋10に取付けられている。
前記減速装置19は、歯車装置の一例である。図2〜図5に示すように、減速装置19は、電動モータ16の出力軸18の一端に形成された太陽歯車25と、太陽歯車25と内歯歯車26とに噛合する複数(この実施の形態では3つ)の遊星歯車27と、電動モータ16のハウジング21Bおよび他方の固定軸6により固定された支持枠28と、前記した内歯歯車26などから構成されている。
遊星歯車27は、大径歯車部31aおよび小径歯車部31bが一体形成された歯車本体31と、これらの大径歯車部31aおよび小径歯車部31bの軸心に形成された孔部に回転自在の状態で挿通された歯車軸29などを有している。そして、歯車本体31の大径歯車部31aおよび小径歯車部31bは、歯車軸29を介して、ハウジング21Bと支持枠28とにより回転自在の状態で支持されている。歯車本体31の大径歯車部31aが太陽歯車25に噛合し、歯車本体31の小径歯車部31bが内歯歯車26に噛合している。なお、この実施の形態では、太陽歯車25の回転により、遊星歯車27(歯車本体31)は、定位置で自転するが、太陽歯車25の周囲を公転はしない。
図4、図5に示すように、互いに噛合する太陽歯車25と遊星歯車27(歯車本体31)の大径歯車部31aとは、静音化などのために、歯部がスラスト方向(歯車本体31の軸心方向)に対して傾斜して形成されているはすば歯車で構成されている(歯車本体31の大径歯車部31aのみはすば歯車を図示する)。このため、これらの太陽歯車25と歯車本体31の大径歯車部31aとは、力が伝達される際にスラスト方向への力が発生する。なお、歯部が形成されている向きによって、作用するスラスト方向は変わるが、この実施の形態では、電動モータ16からの駆動力を減速装置19側へ出力する電動モータ16の駆動時には、図2、図9に示すように、遊星歯車27の歯車本体31が電動モータ16のロータ22などが設けられている側に引きつけられるスラスト方向(図2における左側、図9におけるC方向)に力を受けるように構成されている。一方、電動自転車1が惰性走行している時や回生動作を行っている際には、前車輪2の回転に伴う回転力が、ハブケース8や減速装置19を介して電動モータ16のロータ22に伝達されるが、この際に、図2、図10に示すように、遊星歯車27(歯車本体31)が電動モータ16のロータ22などが設けられている側から離れるスラスト方向(図2における右側、図10におけるD方向)に力を受けるように構成されている。なお、電動モータ16の駆動時や回生動作時には、力の伝達側となる歯車が、力を受ける側の歯車から反力(抵抗力)を受けるため、スラスト方向への力は比較的大きいが、惰性走行時には、電動モータ16のロータ22は空回りするだけなので、スラスト方向への力は比較的小さい。したがって、場合によっては、歯車本体31は惰性走行時に、スラスト方向に沿う両方向に不安定な状態で移動する場合もある。
歯車本体31と歯車軸29との間には、歯車本体31が歯車軸29に対して円滑に回転するよう潤滑用グリス(潤滑剤:図示せず)が塗布されるなどして充填されている。また、この潤滑用グリスが外部に漏れないように、図6などに示すように、歯車本体31の内周両端部には側方に開口する凹部38、39が形成され、これらの凹部38、39にそれぞれ環状弾性部材41、42が嵌め込まれている。図6などに示すように、さらに、歯車本体31とハウジング21Bとの間に、歯車軸29を挿通させた状態で、樹脂製や金属製などからなるワッシャ43が配設されている。また、歯車本体31と支持枠28との間にも、歯車軸29を挿通させた状態で、樹脂製や金属製などからなるワッシャ44が配設されている。なお、歯車軸29には、小径となる窪み部29aが複数箇所に形成されて、この窪み部29aに潤滑用グリスが溜められている。そして、潤滑用グリスの一部が外部に流出した場合でも、窪み部29aに溜められた潤滑用グリスが歯車軸29と歯車本体31との境界面に補充されるようになっている。
ここで、この実施の形態においては、図4〜図6などに示すように、歯車本体31のハウジング21B寄りの凹部38に配設されている環状弾性部材41は、この環状弾性部材の径方向に切断した端面に相当する断面がほぼ真円形の一般的なものが用いられている。しかしながら、歯車本体31の支持枠28寄りの凹部39に配設されている環状弾性部材42は、この環状弾性部材の径方向に切断した端面に相当する断面が、真円形ではなくて、略楕円形状のものが用いられている。詳しくは、この環状弾性部材42は、図7(a)、(b)に示すように、その内周部に、幅方向の中央寄り範囲が、断面の中心Oからの半径r1よりもその曲率半径r2が大きい(すなわち曲率が小さい)湾曲接触部42aが形成されている。また、環状弾性部材42は、その断面形状が環状弾性部材42の径方向寸法よりも径方向に直交するスラスト方向寸法が大きく形成されている。
また、この実施の形態では、環状弾性部材42の外周部は平坦な形状とされた平坦部42bが形成されている。なお、環状弾性部材42の内周部における幅方向両端部や環状弾性部材42の内周部における幅方向両端角部に対応する箇所は比較的小さな曲率半径(すなわち大きな曲率)で丸められた形状とされている。そして、環状弾性部材42が歯車本体31のスラスト方向(歯車本体31の幅方向)に移動しようとした際に、環状弾性部材42が歯車軸29や歯車本体31に引っ掛かって環状弾性部材42が裏返えることのないよう図られている。
さらに、歯車本体31の支持枠28寄りの凹部39に配設されている環状弾性部材42は、ワッシャ44に臨む側の端部が歯車本体31の側面より側方に突出した状態で配設されている。
なお、図6、図9、図10に示すように、歯車本体31と、ハウジング21B側に配設されているワッシャ43との間や、歯車本体31と、支持枠28側に配設されているワッシャ44との間には、歯車本体31やハウジング21B、支持枠28などの各部品の製造誤差や組み付け誤差が生じた場合でも、歯車本体31を支障なく組み付けられるように、僅かではあるが隙間を有するよう配設されている(図6、図9、図10においては、隙間を誇張して大きめに示している)。したがって、はすば歯車からなる、太陽歯車25と遊星歯車27(歯車本体31)の大径歯車部31aとにより力が伝達される場合には、上記したように、歯車本体31がスラスト方向にも力を受ける(図9、図10参照)。
しかしながら、本発明の実施の形態によれば、歯車本体31における支持枠28寄りの凹部39に配設されている環状弾性部材42は、この環状弾性部材42の径方向に切断した端面に相当する断面が略楕円形状とされており、その内周部に、曲率半径が大きい(すなわち曲率が小さい)湾曲接触部42aが形成され、断面形状が径方向寸法よりも径方向に直交するスラスト方向寸法が大きく形成されているので、この環状弾性部材の断面形状が真円形である場合(図13に簡略的に示す)と比較して、環状弾性部材42と歯車軸29との接触面積が増加する。これにより、遊星歯車27の歯車本体31が回転されてスラスト方向へ移動させようとする力が作用した場合でも、環状弾性部材42と歯車軸29との摩擦力により歯車本体31のスラスト方向への移動が抑制される。また、環状弾性部材42の外周部に平坦部42bが形成されているので、この環状弾性部材の断面形状が真円形である場合と比較して、環状弾性部材42と歯車本体31との接触面積も増加する。これにより、歯車本体31に対する環状弾性部材42の密着度が増加する。
これにより、電動自転車1の電動モータ16が駆動状態から、回生動作に切り換えられたり、またはその逆の動作に切り換えられたりして、この歯車装置としての減速装置19に対する力の伝達方向が切り換えられた際でも、遊星歯車27の歯車本体31が歯車軸29に対してスラスト方向に移動して振動することが抑制される。この結果、上記のように、減速装置19を例えば回生動作可能な電動自転車1のハブモータ装置3として用いた場合でも、歯車本体31のスラスト方向に移動することに起因する振動が抑制され、搭乗者に不快感を与えることを最小限に抑えることができる。
さらに上記構成によれば、歯車本体31の支持枠28寄りの凹部39に配設されている環状弾性部材42は、ワッシャ44に臨む側の端部が歯車本体31の側面より側方に突出した状態で配設されている。したがって、電動モータ16が、駆動状態から回生動作状態に切り換えられて、図10に示すように、遊星歯車27の歯車本体31が支持枠28側に移動した場合でも、歯車本体31の側面がワッシャ44を介して支持枠28に当接する前に、まず、環状弾性部材42の突出部分がワッシャ44を介して支持枠28に当接する。この結果、歯車本体31がワッシャ44を介して支持枠28に当接する際の衝撃が緩和されたり、歯車本体31がワッシャ44を介して支持枠28に当接することが阻止されたりする。したがって、これにより、遊星歯車27の歯車本体31が、ワッシャ44や支持枠28に強く当接することが抑制され、搭乗者に不快感を与えることを最小限に抑えることができる。
また、環状弾性部材42の突出部分がワッシャ44を介して支持枠28に当接し始めると、環状弾性部材42の圧縮率が増加するため、環状弾性部材42の歯車軸29への摩擦力も増加し、これによっても、遊星歯車27の歯車本体31がワッシャ44を介して支持枠28側に移動することがさらに抑制される。
また、環状弾性部材42には曲率半径が大きい(すなわち曲率が小さい)湾曲接触部42aが形成されており、断面形状が真円形である環状弾性部材を用いた場合と比較して、歯車軸29に対する接触面積が広いので、環状弾性部材の圧縮率を高めに設定して歯車装置を駆動する電動モータなどの駆動力(駆動用電流)を大幅に増加させる構成を採用しなくても、歯車本体31のスラスト方向への移動を効果的に抑制できる。
ここで、環状弾性部材の圧縮率に関係する環状弾性部材のつぶし代と電動モータ16の駆動用電流とに関して以下に説明する。図12は環状弾性部材のつぶし代δを表す計算式と環状弾性部材とこの環状弾性部材を配設する部材との概略的な図とを示すものである。図12に示すように、力を与えておらず自然な状態の環状弾性部材における、内径をID、半径方向の寸法をWB、半径方向に直交する方向の寸法をWAとする。また、本実施の形態の遊星歯車27のように、外周側に配設される部材(本実施の形態の歯車本体31に相当)の内周部に形成された溝部(凹部)に環状弾性部材が配設される場合(ロッドシールと呼ばれる)において、この場合の内周側に配設される部材の外径をd、外周側に配設される部材の溝部底面間の寸法をDとする。また、内周側に配設される部材の外周部に形成された溝部(凹部)に環状弾性部材が配設される場合(ピストンシールと呼ばれる)において、この場合の外周側に配設される部材の内径をD、内周側に配設される部材の溝部底面間の寸法をdとする。これらのロッドシールやピストンシールの、いわゆる円筒部材間で環状弾性部材が配設される場合は、環状弾性部材のつぶし代δは、以下の式で表される。
δ=WB−{(D−d)/2}
また、フランジの上面などに形成された溝部に環状弾性部材が配設され、この上方に蓋体が被せられている場合に、溝部の深さをHとした場合には、環状弾性部材のつぶし代δは、以下の式で表される。
δ=WA−H
この場合に、つぶし代は、極端に低くなると、歯車本体31などの回転対象物がスラスト方向に移動することを良好には抑制できなくなるとともに、潤滑用グリスの漏れや、環状弾性部材の片当たりなどを生じて、潤滑用グリスを良好に保持できなくなるおそれがある。したがって、つぶし代はある程度の値以上とすることが望ましい。しかしながら、つぶし代を過剰に大きくすると、環状弾性部材の摩擦による抵抗力が大きくなりすぎて歯車本体31などの回転対象物の回転を阻害し、また、電動モータ16の電流値(必要なトルク)を大きくせざるを得ない。
ここで、環状弾性部材の断面形状が真円である場合には、図11において、1点鎖線で示すように、つぶし代の増加に伴って電動モータ16の電流値も大きな傾きで増加する。また、歯車本体31などの回転対象物がスラスト方向に移動することを良好に抑制しようとしたり、潤滑用グリスを良好に保持しようとしたりすると、約10%以上のつぶし代があることが望ましくなるが、この場合には、電動モータ16の電流値として、例えば1.6mA以上必要となってしまう。
これに対して、環状弾性部材42として、上記のような断面形状が略楕円形状のものを用いた場合には、つぶし代を約5%以上とすることで、歯車本体31などの回転対象物のスラスト方向への移動を良好に抑制できるとともに、潤滑用グリスを良好に保持できる。また、電動モータ16の電流値として、例えば1.4mA以下とすることで電流量を抑えることができるとともに、歯車本体31などの回転対象物の回転を阻害することも最小限に抑えることができる。したがって、つぶし代が約5%から11%の範囲内になるように、溝部(凹部)の深さなどを設定すればよい。また、つぶし代の設定範囲も比較的広いため、好適な溝部(凹部)を容易に形成できるとともに、環状弾性部材42として、良好な性能を安定して発揮させることができる。
なお、上記実施の形態では、一方の環状弾性部材42のみ断面が略楕円形状のものを用いた場合を述べたが、これに限るものではなく、図14に示すように、他方側に配設される環状弾性部材41も、環状弾性部材42と同様な断面形状(略楕円形状)のものを用いてもよい。
また、上記の実施の形態では、環状弾性部材42などとして、内周部に湾曲接触部42aが形成された略楕円の断面形状を有するものを用いた場合を述べたが、これに限るものではない。例えば、湾曲接触部42aの代わりに、スラスト方向に沿って延びる直線状接触部を形成してもよい。また、例えば、図15に示すように、内周側に複数の円形断面部45a、45bをスラスト方向に接続した形状の環状弾性部材45を用いてもよい。これによっても、単なる真円形状のものを用いた場合と比較して、歯車軸29などの接触対象物に接触する面積が増加するため、歯車本体31などの回転対象物のスラスト方向への移動を良好に抑制できるとともに、潤滑用グリスを良好に保持できる。なお、環状弾性部材45の外周部には、環状弾性部材42と同様に、平坦な形状とされた外周平坦部45cを形成することが好ましいが、これに限るものではない。
また、上記の実施の形態では、歯車本体31に凹部(溝部)39が形成され、この凹部に収容された環状弾性部材42の内周部に湾曲接触部42aが形成されている場合を述べたが、図12においてピストンシールとして示されているように、歯車軸側に溝部が形成されて、この溝部に環状弾性部材が配設されているものにも適用可能である。この場合には、環状弾性部材として、その外周部に湾曲接触部や直線状接触部が形成されているものを用いるとよい。
また、上記の実施の形態では、歯車装置が減速装置19であり、電動自転車1のハブモータ装置3に設けられている場合を述べ、この場合には、特に回生動作可能な電動自転車1において、伝導モータ16の駆動状態と回生動作が切り換えられるなどして、力の伝達方向が切り換えられる場合でも、歯車本体31が歯車軸29に対してスラスト方向に移動して振動することが抑制される。この結果、歯車本体31のスラスト方向に移動することに起因する振動が抑制され、搭乗者に不快感を与えることを最小限に抑えることができる。しかしながら、歯車装置が減速装置19である場合に限るものではなく、他の歯車装置にも同様な構造を適用できることはもちろんである。
また、上記の実施の形態では、歯車装置の互いに噛み合う歯車がはすば歯車である場合を述べたが、これに限るものではなく、互いに噛み合う歯車同士の力の伝達時に歯車のスラスト方向(軸心方向)への力が発生する歯車装置であれば、同様の構成を適用可能である。
本発明は、電動自転車に備えられるハブモータ装置に適しているが、電動自転車以外に、例えば電動式の車椅子等に備えられるハブモータ装置に適用したり、その他のモータ装置や歯車装置に適用したりすることも可能である。
1 電動自転車
2 前車輪
3 ハブモータ装置
8 ハブケース
16 電動モータ(電動機)
17 内部回転部材
18 出力軸
19 減速装置(歯車装置)
21、21A、21B ハウジング
22 ロータ
23 ステータ
25 太陽歯車
26 内歯歯車
27 遊星歯車
28 支持枠
29 歯車軸
29a 窪み部
30 ギヤホルダ
31 歯車本体
31a 大径歯車部
31b 小径歯車部
38、39 凹部
41、42、45 環状弾性部材
42a 湾曲接触部
42b 平坦部
43、44 ワッシャ

Claims (7)

  1. 互いに噛み合う歯車同士の力の伝達時に歯車のスラスト方向への力が発生する歯車装置であって、
    一方の歯車の軸心に形成された孔部に歯車軸が回転自在の状態で挿通され、
    前記一方の歯車と、前記歯車軸との間に、内周側で前記歯車軸に接し、外周側で前記歯車に接する環状弾性部材が配設され、
    前記環状弾性部材は、その内周部または外周部に、断面部の中心からの半径よりも大きい曲率半径の湾曲接触部、もしくはスラスト方向に沿う直線形状の直線状接触部、またはスラスト方向に対して複数箇所で歯車軸に対して接触する複数の接触部が形成されている
    ことを特徴とする歯車装置。
  2. 前記環状弾性部材の断面形状が、径方向寸法よりも径方向に直交するスラスト方向寸法が大きい形状であることを特徴とする請求項1記載の歯車装置。
  3. 前記環状弾性部材が、その端部が歯車の側面より突出した状態で配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の歯車装置。
  4. 環状弾性部材における、この環状弾性部材が配設される凹部もしくは溝部の底面に接する箇所に平坦部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の歯車装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の歯車装置と、電動モータとを備えていることを特徴とするモータ装置。
  6. 電動自転車の前輪または後輪のハブに内装されたハブモータ装置であって、電動モータと、この電動モータの回転を減速する減速装置とを備え、前記減速装置として請求項1〜4の何れか1項に記載の歯車装置が設けられたハブモータ装置。
  7. 請求項6に記載のハブモータ装置を備えた電動自転車であって、前記ハブモータ装置が回生動作可能に構成されていることを特徴とする電動自転車。
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