本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。本発明に係る撮像装置は、複数の画素を有する。図2は撮像装置の画素の等価回路の一例を示している。図2が示す通り、画素は、光電変換部8と、光電変換部8とは別の場所で電荷を保持する第1保持部10と、第1保持部10に保持された電荷を光電変換部8および第1保持部10とは別の場所で保持する第2保持部12を有する。
さらに、画素は、第1保持部10へ電荷を転送する第1電荷転送部9、第1保持部10の電荷を第2保持部12へ転送する第2電荷転送部11、および第2保持部12の電荷を転送する第3電荷転送部13を含む。それぞれの電荷転送部において、制御電極に供給される電圧によって、制御電極の下の半導体領域(チャネル304、305、306)のポテンシャルが制御される。制御電極には、固定の電圧、あるいは複数の電圧が供給される。
図7に本発明に係る撮像装置の画素におけるポテンシャル状態の一例を示す。ここで、図7(b)に示されるように、3つの電荷転送部の制御電極に、それぞれの電荷転送部が非導通となる電圧が印加された場合において、第1保持部10のポテンシャルが、第2保持部12のポテンシャルより高いことが本発明の特徴である。
電荷転送部が非導通であるとは、制御電極に複数の電圧が印加される場合には、信号電荷に対するチャネルのポテンシャルが高くなる電圧が印加された状態である。また、制御電極に固定の電圧が印加される場合には、電荷転送部は非導通状態である。
なお、第1保持部10および第2保持部12がそれぞれ制御電極を含んでもよい。そこで、このような撮像装置において、第1保持部10および第2保持部12のポテンシャルを比較する際に、保持部の制御電極に印加される電圧について説明する。まず、第1保持部10の制御電極が第1電荷転送部9の制御電極と兼用されている場合は、第1保持部10の制御電極には第1電荷転送部9が非導通となる電圧が供給される。同様に、第2保持部12の制御電極が第2電荷転送部11の制御電極と兼用されている場合は、第2保持部12の制御電極には第1電荷転送部11が非導通となる電圧が供給される。つぎに、各保持部の制御電極の電圧が独立に供給される場合には、2つの保持部の制御電極に同じ電圧が印加された状態で、ポテンシャルを比較すればよい。
本発明の第1の側面としては、第1保持部10を構成する第1導電型の第1半導体領域103の不純物濃度より、第2保持部12を構成する第1導電型の第2半導体領域の不純物濃度が高い。このような構成によれば、第1保持部10のポテンシャルを第2保持部12のポテンシャルより高くすることが容易になる。ひとつの理由としては、不純物濃度が高いと、空乏層の形成により高い電圧が用いられるからである。言い換えると、不純物濃度が高い第2半導体領域により大きな逆バイアスを印加することができるからである。
本発明の第2の側面としては、第1保持部10を構成する第1導電型の第1半導体領域103の下端より、第2保持部12を構成する第1導電型の第2半導体領域の下端が基板の深い位置にある。このような構成によれば、第1保持部10のポテンシャルを第2保持部12のポテンシャルより高くすることが容易になる。ひとつの理由としては、半導体領域の体積が大きいほど、その全体を空乏化するのにより高い電圧が用いられるからである。言い換えると、第2半導体領域により大きな逆バイアスを印加することができるからである。
本発明の第3の側面としては、第1保持部10を構成する第1導電型の第1半導体領域103が第1部分と第1部分より不純物濃度が低い第2部分を有する。このような構成によれば、第1保持部10のポテンシャルを第2保持部12のポテンシャルより高くすることが容易になる。
本発明の第4の側面としては、第1半導体領域103に側面を囲まれた第2導電型の第3半導体領域が配される。このような構成によれば、第1保持部10のポテンシャルを第2保持部12のポテンシャルより高くすることが容易になる。
以下、本発明の実施例について説明する。本明細書で使用される「第1導電型」および「第2導電型」は、相互に異なる導電型を表現するために用いられる用語である。「第1導電型」がN型である場合には「第2導電型」はP型である。「第1導電型」がP型である場合には「第2導電型」はN型である。以下では、説明の簡略化のために、「第1導電型」がN型であり、「第2導電型」がP型である例を説明する。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、「第1導電型」がP型であり、「第2導電型」がN型である場合にも適用される。保持部を構成する半導体領域がN型である場合には、保持部には光電変換によって生じた電子および正孔のうち電子が蓄積されうる。保持部を構成する半導体領域がP型である場合には、保持部には光電変換によって生じた電子および正孔のうち正孔が蓄積されうる。
また、以下では、画素ごとに増幅素子を有する画素増幅型の撮像装置に本発明を適用した例を説明する。これに限られず、本発明は、電荷の保持部と、保持部に保持された電荷を転送する転送部を有する種々のセンサに適用されうる。
本発明に係る撮像装置の実施例について説明する。本実施例では、画素が第1保持部10と、第2保持部12とを有する。そして、第1保持部10を構成するN型半導体領域103の不純物濃度より、第2保持部12を構成するN型半導体領域の不純物濃度が高いことが特徴である。
図1は、本実施例の撮像装置の全体ブロック図である。撮像装置1は半導体基板を用いて1つのチップで構成することができる。撮像装置1は、撮像領域2に配された複数の画素を有している。更に、撮像装置1は制御部3を有している。制御部3は、垂直走査部4、信号処理部5及び出力部6に制御信号、電源電圧等を供給する。
垂直走査部4は撮像領域2に配された複数の画素に駆動パルスを供給する。通常、画素行ごともしくは複数の画素行ごとに駆動パルスを供給する。垂直走査部4はシフトレジスタもしくはアドレスデコーダにより構成することができる。
信号処理部5は、列回路、水平走査回路、水平出力線を含んで構成される。列回路は、各々が、垂直走査部4により選択された画素行に含まれる複数の画素の信号を受ける複数の回路ブロックにより構成されている。各回路ブロックは、メモリ部、増幅回路、ノイズ除去回路、アナログデジタル変換回路のいずれか、全て、もしくはそれらの組み合わせにより構成することができる。これらの回路は、デジタル信号を処理する回路であってもよいし、アナログ信号を処理する回路であってもよい。水平走査回路はシフトレジスタもしくはアドレスデコーダにより構成することができる。
出力部6は水平出力線を介して伝達された信号を撮像装置1外に出力する。出力部6は、バッファもしくは増幅回路を含んで構成されている。
図2に本実施例の撮像装置の等価回路を示す。ここでは、2行3列の計6画素を示しているが、更に多数の画素を配して撮像領域が構成されていてもよい。
光電変換部8は入射光を信号電荷(電子、あるいは正孔)に変換する。光電変換部8の例としてフォトダイオードを示している。
第1電荷転送部9は、光電変換部8で生成した電荷を後段の回路素子へ転送する。以降では信号電荷として電子を用いる場合を例に説明する。第1電荷転送部9は半導体基板の上に絶縁膜を介して配された制御電極を含んで構成され得る。
第1保持部10は光電変換部8で生成した電子を保持する。第2電荷転送部11は第1保持部10が保持する電子を後段の回路素子へ転送する。第2電荷転送部11は半導体基板の上に絶縁膜を介して配された制御電極を含んで構成され得る。
第2保持部12は、第1保持部10から第2電荷転送部11を介して転送された電子を保持する。第3電荷転送部13は、第2保持部12が保持する電子を後段の回路素子へ転送する。第3電荷転送部13は半導体基板の上に絶縁膜を介して配された制御電極を含んで構成され得る。
増幅素子15の入力ノード14は、第2保持部12から第3電荷転送部13を介して転送された電子を保持可能な構成である。増幅素子15の入力ノード14は半導体基板に配されたフローティングディフュージョン領域(以下、FD領域)を含んで構成することができる。増幅素子15は入力ノード14に転送された電子に基づく信号を増幅して垂直信号線20へ出力する。ここでは増幅素子15としてMOSトランジスタ(以下、増幅トランジスタ)を用いている。例えば増幅トランジスタはソースフォロワ回路を構成する。また、増幅部15の入力ノード14と第2保持部12との間の電気的経路には、第3電荷転送部13が配される。つまり、増幅部15の入力ノード14と第2保持部12とは別のノードである。このような例に限らず、2つのノードが電気的に絶縁されうる構成であれば、別のノードである。
第4電荷転送部7は光電変換部8の電子をオーバーフロードレイン領域(以下、OFD領域)へ転送する。OFD領域は、例えば電源電圧を供給する配線16に電気的に接続されたN型の半導体領域により構成することができる。第4電荷転送部7は半導体基板上に絶縁膜を介して配された制御電極を含んで構成され得る。第4電荷転送部7により電子シャッタ動作を行うことができる。つまり、第4電荷転送部7を制御することによって、光電変換部8で生じた電子を排出する期間(シャッタ期間)と、電子を蓄積する期間(露光期間)とを制御できる。
リセット部17は、増幅素子15の入力ノード14に基準電圧を供給する。リセット部17は増幅素子15の入力ノード14で保持された電子をリセットする。ここではリセット部17としてMOSトランジスタ(以下、リセットトランジスタ)を用いている。
選択部18は、各画素を選択して画素毎もしくは画素行ごとに画素の信号を垂直信号線20へ読み出す。ここでは選択部18としてMOSトランジスタ(以下、選択トランジスタ)を用いている。なお、選択部18は、増幅素子15と垂直信号線20の間の経路に配されてもよい。あるいは、選択部18が省略されてもよい。選択部18が省略される例では、リセット部17が増幅素子15の入力ノード14に供給する電圧によって、画素が選択されうる。
リセットトランジスタのドレイン及び選択トランジスタのドレインには配線19を介して所定の電圧が供給されている。所定の電圧は例えば電源電圧である。なお、選択部18が増幅部15と垂直信号線20の間の経路に配された場合、および選択部18が省略された場合には、増幅トランジスタのドレインが配線19に接続される。
リセット制御配線21は、リセットトランジスタのゲートに駆動パルスPRESを供給する。選択制御配線22は、選択トランジスタのゲートに駆動パルスPSELを供給する。第3転送制御配線23は、第3電荷転送部13を構成する制御電極(以下、第3制御ゲート)に駆動パルスPTX3を供給する。第2転送制御配線24は、第2電荷転送部11を構成する制御電極(以下、第2制御ゲート)に駆動パルスPTX2を供給する。第1転送制御配線25は第1電荷転送部9を構成する制御電極(以下、第1制御ゲート)に駆動パルスPTX1を供給する。第4転送制御配線26は第4電荷転送部7を構成する制御電極(以下、第4制御ゲート)に駆動パルスPTX4を供給する。各制御ゲートに供給されるパルス値により、各制御ゲート下の半導体領域のポテンシャル障壁の高さを変化させることが可能となる。
本実施例は、図2に例示した等価回路により示される画素構成において、光電変換部8と第1保持部10との間の電気的経路が以下の構成を有しうる。その構成とは、光電変換部8と第1保持部10との間の電気経路に配された第1電荷転送部9が非導通状態で、光電変換部8から第1保持部10へ電子が移動可能な構成である。ここで非導通状態とは、第1電荷転送部9に供給されるパルス値のうち、生じるポテンシャル障壁が最も高いパルス値を供給された状態である。したがって、第1電荷転送部9の非導通状態は、第1電荷転送部9がいわゆる完全なオフになっている必要はなく、完全にオンした場合に比べて何らかのポテンシャル障壁が生じている状態も含む。
具体的な構成としては、例えば第1電荷転送部9がMOSトランジスタであるとすると、このMOSトランジスタを埋め込みチャネル構造とすることで実現することができる。より一般的にいえば、第1電荷転送部9が非導通状態の時に表面よりも深い領域に表面よりも電子に対するポテンシャル障壁が低くなっている部分が存在している構成である。この場合には第1電荷転送部9に供給される駆動パルスを固定値とすることもできる。つまり導通状態と非導通状態との2状態を切り替え可能な構成としなくとも固定のポテンシャル障壁としても良い。
このような構成によれば、光電変換部8に光が入射した際に光電変換により生成した電子の大半が露光期間中に第1保持部10へ移動する。したがって、撮像領域2に配された全ての画素の蓄積時間を揃えることが可能となる。
更に、第1電荷転送部9が非導通状態となっていると表面に正孔が蓄積される。そして、電子が移動するチャネルが表面よりも所定深さの部分に存在するため、半導体基板と絶縁膜との界面を電子が移動する場合に比べて暗電流の影響を低減することが可能となる。
あるいは、光電変換部8と第1保持部10との間の電気的経路は別の構成を有してもよい。別の構成とは、光電変換部8と第1保持部10との間の電気経路に配された第1電荷転送部9が非導通状態で、光電変換部8から第1保持部10へ電子が移動しない構成である。ここで非導通状態とは、第1電荷転送部9に供給されるパルス値のうち、生じるポテンシャル障壁が最も高いパルス値を供給された状態である。これは言い換えると光電変換により生成した発生した電子の大半を光電変換部8に蓄積する構成である。
光電変換部8で電子を蓄積している期間において、第1電荷転送部9におけるポテンシャル障壁よりも低いポテンシャル障壁が形成されることにより、光電変換部8から第1保持部10へ電子が移動しない構成を得ることができる。具体的な構成としては、第1電荷転送部9および第4電荷転送部7が非導通状態であるときに、第1電荷転送部9の制御電極の下に形成されるポテンシャル障壁が、第4電荷転送部7の制御電極の下に形成されるポテンシャル障壁よりも高い。なお、第1電荷転送部9および第4電荷転送部7が非導通状態であるときに、光電変換部8において電子が蓄積されうる。
このような構成によれば、光電変換部8に光が入射した際に光電変換により生成した電子の大半が露光期間中に光電変換部8に蓄積される。したがって、撮像領域2に配された全ての画素において並行して、光電変換部8に蓄積された電荷を第1保持部10へ転送することにより、全ての画素の蓄積時間を揃えることが可能となる。
図3、図4を用いて、本実施例の画素の具体的な構造を説明する。図2で説明した部材と同じ名称の部材は、同様の機能を有する部材であるため詳細な説明は省略する。
図3に本実施例の撮像装置の上面図を示す。ここでは2行3列の計6画素を示しているが更に多数の画素が配されて撮像領域を構成していてもよい。
画素100は、光電変換部8を構成するN型半導体領域101、第1電荷転送部9を構成する制御電極102、第1保持部10を構成するN型半導体領域103、第2電荷転送部11を構成する制御電極104、第2保持部12を構成するN型半導体領域105、第3電荷転送部13を構成する制御電極106、FD領域107、リセットトランジスタ108、増幅トランジスタ109、選択トランジスタ110を含んで構成される。更に、画素100は、第4電荷転送部7を構成する制御電極111、OFD領域112を有している。FD領域107は、第2保持部12で保持された電子が転送されるN型半導体領域を含んで構成される。OFD領域112は、光電変換部8からの電荷が転送されるN型半導体領域を含んで構成される。
なお、OFD領域112は、リセットトランジスタ、選択トランジスタ、あるいは増幅トランジスタのいずれかのソースあるいはドレインと兼用されてもよい。つまり、第1保持部10の電荷が、リセットトランジスタ、選択トランジスタ、あるいは増幅トランジスタのいずれかのソースまたはドレインに転送される。このような構成によれば、光電変換部8の面積を大きくすることができるため、感度を向上させることができる。
N型半導体領域103の下に、P型半導体領域115aが配される。N型半導体領域103とP型半導体領域115aとがPN接合を構成している。N型半導体領域105の下に、P型半導体領域115bが配される。N型半導体領域105とP型半導体領域115bとがPN接合を構成している。なお、本実施例においてP型半導体領域115a、115bは省略されてもよい。
図4に図3のA−A’に沿った断面構造の概略図を示す。図2と同様の機能を有する部材には同様の符号を付し詳細な説明は省略する。
本実施例の撮像装置は、半導体基板300aと、その上に配された絶縁膜300bとを有する。半導体基板300aは例えばシリコンである。半導体基板300aはエピタキシャル成長によって形成された半導体領域を含みうる。絶縁膜300bは例えばシリコン酸化膜である。半導体基板300aの内部に半導体領域が形成される。また、半導体基板300aの上に絶縁膜300bを介して制御電極が配される。
半導体基板300aにN型半導体領域301が配される。N型半導体領域301の上にP型半導体領域302が配される。P型半導体領域302とPN接合を構成するように、N型半導体領域101が配される。N型半導体領域101の表面側、つまり絶縁膜300bに近い側にはP型半導体領域303が配される。P型半導体領域302、N型半導体領域101、P型半導体領域303によりいわゆる埋め込み型のフォトダイオードが構成されている。
光電変換部8で生じた電子は、第1チャネル304を移動し、第1保持部10を構成するN型半導体領域103に到達する。N型半導体領域103で保持された電子は、第2チャネル305を移動し、第2保持部12を構成するN型半導体領域105に到達する。N型半導体領域105で保持された電子は、第3チャネル306を移動し、FD領域を構成するN型半導体領域107へ到達する。また、光電変換部で生じた電子は、第4電荷転送部7を介して、OFD領域112に排出可能となっている。
制御電極102は第1チャネル304の上部に絶縁膜300bを介して配されている。本実施例では、制御電極102が、N型半導体領域103の上に配された部分102aを含んでいる。制御電極102は、第1電荷転送部9及び第1保持部10で兼用されている。つまり、制御電極102に印加される電圧によって、光電変換部8と第1保持部10との間のポテンシャルが制御される。加えて、制御電極102に印加される電圧によって、保持部10のポテンシャルが制御される。第1電荷転送部9は、第1チャネル304及び第1チャネル304上に絶縁膜を介して配された制御電極102の一部を含んで構成されている。
第1保持部10は、N型半導体領域103と、N型半導体領域103とPN接合を構成するP型半導体領域115aを含む。N型半導体領域103がPN接合容量を構成することによって、電子が蓄積されうる。具体的には、N型半導体領域103に逆バイアスが印加されることによって、N型半導体領域103に空乏層が形成される。そして、N型半導体領域103の空乏化した部分に電子が保持される。N型半導体領域103の全体が空乏化してもよい。
更に、第1保持部10は、絶縁膜を介してN型半導体領域103上に配された制御電極102の一部102aを含んで構成されている。制御電極102に印加される電圧によって、N型半導体領域103の界面300側に反転層が形成されるとよい。これにより、暗電流が第1保持部10に混入することを低減することができる。なお、信号電荷が電子の場合は、N型の半導体領域に信号電荷が保持されるように第1保持部10が構成される。信号電荷が正孔の場合は、P型の半導体領域に信号電荷が保持されるように第1保持部10が構成される。
制御電極104は第2チャネル305の上に絶縁膜300bを介して配されている。本実施例では、制御電極104が、N型半導体領域105の上に配された部分104aを含んでいる。制御電極104は、第2電荷転送部11及び第2保持部12で兼用されている。つまり、制御電極104に印加される電圧によって、第1保持部10と第2保持部12との間のポテンシャルが制御される。加えて、制御電極104に印加される電圧によって、第2保持部12のポテンシャルが制御される。第2電荷転送部11は、第2チャネル305及び第2チャネル305上に絶縁膜を介して配された制御電極104の一部を含んで構成されている。
第2保持部12は、N型半導体領域105と、N型半導体領域105とPN接合を構成するP型半導体領域115bを含む。N型半導体領域105がPN接合容量を構成することによって、電子が蓄積されうる。具体的には、N型半導体領域105に逆バイアスが印加されることによって、N型半導体領域105に空乏層が形成される。そして、N型半導体領域105の空乏化した部分に電子が保持される。N型半導体領域105の全体が空乏化してもよい。
更に、第2保持部12は、絶縁膜を介してN型半導体領域105上に配された制御電極104の一部104aを含んで構成されている。制御電極104に印加される電圧によって、N型半導体領域105の界面300側に反転層が形成されるとよい。これにより、暗電流が第2保持部12に混入することを低減することができる。なお、信号電荷が電子の場合は、N型の半導体領域に信号電荷が保持されるように第2保持部12が構成される。信号電荷が正孔の場合は、P型の半導体領域に信号電荷が保持されるように第2保持部12が構成される。
N型半導体領域103とPN接合を構成するP型半導体領域には、所定の電圧が供給される。N型半導体領域105とPN接合を構成するP型半導体領域には、所定の電圧が供給される。これにより、N型半導体領域103およびN型半導体領域105に逆バイアスを印加することができる。所定の電圧は、例えばグラウンド電圧である。本実施例では、P型半導体領域115a、115bにグラウンド電圧が供給される。さらに、P型半導体領域302、303にもグラウンド電圧が供給されてもよい。
制御電極106は第3チャネル306の上に絶縁膜300bを介して配されている。第3電荷転送部13は、第3チャネル306及び第3チャネル306上に絶縁膜を介して配された制御電極106を含んで構成されている。
FD領域107およびOFD領域112には、プラグ307が接続される。FD領域107は、プラグ307を介して増幅トランジスタのゲート電極に接続される。OFD領域112は、プラグ307を介して不図示の配線16に接続される。
また、N型半導体領域103の下に、P型半導体領域115aが配される。P型半導体領域115aは、N型半導体領域103の一部の下にのみ配されてもよいし、N型半導体領域103の全部の下に配されてもよい。N型半導体領域103とP型半導体領域115aとがPN接合を構成している。P型半導体領域115aの不純物濃度は、P型半導体領域115aより下に配されたP型の半導体領域の不純物濃度より高い。例えば、本実施例では、P型半導体領域115aの不純物濃度が、P型半導体領域302の不純物濃度より高い。このような構成によれば、N型半導体領域103からの空乏層の広がりを低減することができるので、第1保持部10から低電圧で電荷を転送することができる。
また、N型半導体領域105の下に、P型半導体領域115bが配される。P型半導体領域115bは、N型半導体領域105の一部の下にのみ配されてもよいし、N型半導体領域105の全部の下に配されてもよい。N型半導体領域105とP型半導体領域115bとがPN接合を構成している。P型半導体領域115bの不純物濃度は、P型半導体領域115bより下に配されたP型の半導体領域の不純物濃度より高い。例えば、本実施例では、P型半導体領域115bの不純物濃度が、P型半導体領域302の不純物濃度より高い。このような構成によれば、N型半導体領域105からの空乏層の広がりを低減することができるので、第2保持部12から低電圧で電荷を転送することができる。
なお、P型半導体領域115a、115bはいずれか一方あるいは両方が省略されてもよい。P型半導体領域115aが省略された例では、N型半導体領域103の下に配されたP型半導体領域302が、深くなるにつれて不純物濃度が高くなる不純物分布、あるいは一様な不純物分布を有しうる。
N型半導体領域103およびN型半導体領域105の不純物濃度は、それぞれN型半導体領域101の不純物濃度より高いことが好ましい。これにより、第1保持部10および第2保持部12の電荷保持容量を大きくすることができる。あるいは、光電変換部8の感度を向上させることができる。
P型半導体領域303の不純物濃度は、P型半導体領域302の不純物濃度より高いことが好ましい。あるいは、P型半導体領域303の不純物濃度は、N型半導体領域101の不純物濃度より高いことが好ましい。このような構成によって、光電変換部8における暗電流によるノイズを低減することができる。
遮光部材113は第1保持部10および第2保持部12の上部に配されている。遮光部材113により、第1保持部10および第2保持部が遮光されうる。好ましくは、遮光部材113が第1保持部10および第2保持部12に入射し得る光の全部を遮光する。遮光部材113の光電変換部8側の端部は、第1保持部10の光電変換部8側の端部よりも、光電変換部8に近い。遮光部材113のFD領域107側の端部は、第2保持部12のFD領域107側の端部よりも、FD領域107に近い。
しかしながらこれに限るものではなく、本実施例のように制御電極102が第1電荷転送部9と、第1保持部10とで兼用される場合には、少なくとも制御電極102の光電変換部8側の端部を覆わない構成としてもよい。このような構成によれば、光電変換部8に対する遮光部材113の影響が小さくなるため、光電変換部8の感度を向上させることができる。更に、垂直方向に対して一定の角度をもって入射する光の画素位置に対する影響を低減させることが可能となる。または、第1保持部10を構成するN型半導体領域103もしくはP型半導体領域302において光電変換された電子をN型半導体領域103において蓄積することができる。これによって画素の感度を向上させることが可能となる。
なお、第1保持部10の全部が遮光部材113によって被覆されなくてもよい。たとえば、第1保持部10を構成する制御電極102に駆動パルスを供給するための導電体を配するために、遮光部材113に開口が設けられてもよい。
第2保持部12の全部が遮光部材113によって被覆されなくてもよい。たとえば、第2保持部12を構成する制御電極104に駆動パルスを供給するための導電体を配するために、遮光部材113に開口が設けられてもよい。
遮光部材113は配線層を構成する金属を用いることができる。もしくは異なる配線層間、あるいは配線と半導体領域間の電気的接続をするためのプラグを構成する金属を用いることができる。遮光部材113はできるだけ半導体基板300aに近い場所に配された方が好ましい。複数の配線層のうち最も半導体基板300aの近くに配された配線層を構成する金属、もしくは最下層の配線層と半導体領域とを電気的に接続するプラグの金属を用いるのが良い。もしくは最下層の配線層と半導体基板との聞に遮光部材113専用の金属を配してもよい。
図4では第1保持部10の上に配された遮光部材113のみが図示されている。しかし、他の画素回路を構成するトランジスタの上にも遮光部材を配してもよい。もしくは他の画素回路を構成するトランジスタを配線により遮光してもよい。他の画素回路を構成するトランジスタは、上述のリセットトランジスタ、選択トランジスタ、増幅トランジスタなどである。
次に本実施例における第1保持部10と第2保持部12の不純物濃度について説明する。図5は、図4の直線Cおよび直線Dに沿った不純物濃度の分布を示す。点線が直線Cに沿った不純物濃度の分布を示す。実線が直線Dに沿った不純物濃度の分布を示す。縦軸が不純物濃度を示し、横軸は界面300からの深さを示している。
図5が示す通り、第1保持部10では、浅い位置、つまり界面300の近くにN型の不純物が分布し、深い位置にP型の不純物が分布している。N型の不純物はたとえばリンやヒ素である。このN型の不純物によって、N型半導体領域103が構成される。また、P型の不純物は、例えばボロンである。P型の不純物によって、P型半導体領域115aが構成される。
第2保持部12でも、浅い位置にN型の不純物が分布し、深い位置にP型の不純物が分布している。このN型の不純物によって、N型半導体領域105が構成される。また、P型の不純物によって、P型半導体領域115bが構成される。
そして、図5が示すとおり、N型半導体領域103の不純物分布のピークにおける不純物濃度は、N型半導体領域105の不純物分布のピークにおける不純物濃度より低い。つまり、N型半導体領域103の不純物濃度が、N型半導体領域105の不純物濃度より低い。
なお、不純物分布のピークの不純物濃度を比較する代わりに、同じ深さにおける不純物濃度を比較してもよい。例えば本実施例では、線B−B’で示される深さにおいて、N型半導体領域103の不純物濃度が、同じ深さにおけるN型半導体領域105の不純物濃度より低い。
続いて本実施例の駆動方法について説明する。図6に本実施例の撮像装置の駆動パルス図を示す。撮像領域2に配された全ての画素で露光期間が一致するグローパル電子シャッタ動作を行う場合のパルス図である。カッコ内の数字は行数を示しており、本図では、1行目、2行目の画素に供給される駆動パルスを示している。PSELは選択トランジスタのゲートに供給される駆動パルスを示している。PRESはリセットトランジスタのゲートに供給される駆動パルスを示している。PTX1は第1制御ゲートに供給される駆動パルスを示している。PTX2は第2制御ゲートに供給される駆動パルスを示している。PTX3は第3制御ゲートに供給される駆動パルスを示している。PTX4は第4制御ゲートに供給される駆動パルスを示している。PTSは、例えば列回路に配されたメモリ部により光信号をサンプルホールドするための駆動パルスを示している。PTNは、例えば列回路に配されたメモリ部によりノイズ信号をサンプルホールドするための駆動パルスを示している。全てハイレベルで導通状態となる。
時刻t1以前は、撮像領域2における全ての行のPRESおよびPTX4がハイレベルとなっている。ここで図6に示された他の全てのパルスはローレベルである。これによって、光電変換部8で発生した電子がOFD領域に排出される。
時刻t1において、PRESおよびPTX4がハイレベルを維持した状態で、撮像領域2に配された全ての画素において、PTX1、およびPTX2、およびPTX3がローレベルからハイレベルへ遷移する。これにより光電変換部8および第1保持部10および第2保持部12がリセットされる。
時刻t2において、撮像領域2における全ての行のPTX1、PTX2、PTX3、およびPTX4がハイレベルからローレベルへ遷移する。この動作により撮像領域2に配された全ての画素において露光期間が開始する。露光期間中は光電変換部8で生じた電子のうち所定量の電子は、第1保持部10へ移動する。
時刻t2から所定期間経過後、時刻t3において撮像領域2における全ての行のPTX1がローレベルからハイレベルへ遷移し、時刻t4において撮像領域2における全ての行のPTX1がハイレベルからローレベルへ遷移する。この動作により光電変換部8に残っていた電子が第1保持部10へ転送される。この動作により露光期間が終了する。
時刻t5において、撮像装置に配された全ての行のPTX4がローレベルからハイレベルへ遷移する。この動作により、光電変換部8と第1保持部10との間のポテンシャル障壁の高さよりも光電変換部8とOFD領域112との間のポテンシャル障壁の高さの方が低くなる。これにより光電変換部8で生じた電子が第1保持部10へ移動せずに、OFD領域112へ移動するようになる。
さらに、時刻t5において、撮像領域2に配された全ての行のPTX2がローレベルからハイレベルへ遷移し、時刻t6において、撮像領域2に配された全ての行のPTX2がハイレベルからローレベルへ遷移する。この動作により、第1保持部10で保持されていた電子が、第2保持部12へ転送される。
時刻t7において、PSEL(1)がローレベルからハイレベルへ遷移する。この動作により1行目の画素の信号が垂直信号線20に出力され得る状態となる。更に、時刻t7において、PRES(1)がハイレベルからローレベルへ遷移する。これにより、増幅素子15の入力ノード14のリセット動作が完了する。
時刻t8において、PTNがローレベルからハイレベルへ遷移し、時刻t9において、PTNがハイレベルからローレベルへ遷移する。この動作により例えば列回路に配されたノイズ信号用のメモリ部においてノイズ信号が保持される。
時刻t10において、PTX3(1)がローレベルからハイレベルへ遷移し、時刻t11においてPTX3(1)がハイレベルからローレベルへ遷移する。この動作により、1行目の画素の第2保持部12で保持されていた電子が、増幅素子15の入力ノード14に転送される。
時刻t12においてPTSがローレベルからハイレベルへ遷移し、時刻t13において、PTSがハイレベルからローレベルへ遷移する。この動作により例えば列回路に配された光信号用のメモリ部においてノイズ信号が重畳した光信号が保持される。
時刻t14において、PSEL(1) がハイレベルからローレベルへ遷移する。この動作により1行目の画素の信号の読み出し期間が終了する。1行目の画素の読み出し期間は、時刻t7から時刻t14までの期間となる。更に時刻t14において、PRES(1)がローレベルからハイレベルへ遷移する。これにより、1行目の画素の増幅素子15の入力ノード14のリセットが開始される。
この後、時刻t15から時刻t22までの期間において、2行目の画素の信号の読み出しが行われる。1行目と同様の動作であるため詳細な説明は省略する。ハイレベルとなる駆動パルスの対象が2行目となる点が異なること以外は、時刻t15から時刻t22の各時刻における動作は、時刻t7から時刻t14の各時刻における動作と同様である。
このような動作によって撮像領域2に配された全ての画素で、露光期間を等しくすることが可能となる。本動作においては、第1保持部12の転送までは撮像面全体で同時に行う。具体的な時刻としては時刻t6である。その後、読み出し動作を繰り返すことで、撮像領域2における全ての行の読み出しを行なう。
図7および図8は、図6に示した駆動パルス図のそれぞれの時刻、期間においてのポテンシャル障壁の高さの関係を示したものである。図7および図8には、OFD領域112、第4電荷転送部7、光電変換部8、第1電荷転送部9、第1保持部10、第2電荷転送部11、第2保持部12、第3電荷転送部13、および入力ノード14(FD領域107)のポテンシャルが示されている。実線で本実施例における画素のポテンシャルが示されている。
なお、本明細書においては、ポテンシャルは信号電荷の位置エネルギーである。例えば、信号電荷が電子の場合、制御電極により高い電圧が印加されるほど、制御電極の下の半導体領域のポテンシャルが低くなる。これは、電子が負の電荷だからである。電圧が高い領域では、電子の位置エネルギーは低い。一方、信号電荷が正孔の場合、制御電極により高い電圧が印加されるほど、制御電極の下の半導体領域のポテンシャルが高くなる。これは、正孔が正の電荷だからである。電圧が高い領域では、正孔の位置エネルギーは高い。図7および図8では、図の下の方が信号電荷にとって低いポテンシャルを表し、図の上の方が信号電荷にとって高いポテンシャルを表す。
図7(a)は時刻t1から時刻t2までの期間におけるポテンシャル状態を示す図である。図6で説明したように、時刻t1から時刻t2までの期間においては、第1電荷転送部9、第2電荷転送部11、第3電荷転送部13、第4電荷転送部7にすべてハイレベルのパルスが供給される。つまりすべての電荷転送部において生じるポテンシャル障壁が低い状態となっている。光電変換部8で生じた電子はOFD領域112もしくはリセットトランジスタのドレイン(不図示)に排出される。光電変換部8、第1保持部10、および第2保持部12には電子が存在しないことが好ましい。
この時の電子に対する好適なポテンシャル状態としては、光電変換部8が最も高いポテンシャルとなっている。更に、図示するように、光電変換部8から増幅素子15の入力ノード14まで順にポテンシャルが低くなっている状態が好ましい。つまり、光電変換部8のポテンシャルが、第1保持部10のポテンシャルより高くてもよい。第1保持部10のポテンシャルが第2保持部12のポテンシャルより高くてもよい。そして、第2保持部12のポテンシャルが入力ノード14のポテンシャルより高くてもよい。
図7(b)、図7(c)は時刻t2から時刻t3までの期間、つまり露光期間中のポテンシャル状態を示す図である。第1電荷転送部9が非導通状態となっている。つまり、図7(a)の場合に比べて、光電変換部8と第1保持部10との間のポテンシャル障壁の高さが高くなっている。更に、第4電荷転送部7が非導通状態となっている。つまり、図7(a)の場合に比べて光電変換部8とOFD領域112との間のポテンシャル障壁の高さが高くなっている。これにより、図7(b)では少量の電子が光電変換部8で蓄積されている。また、図7(b)の状態において、第1電荷転送部9に生じるポテンシャル障壁の高さは、第4電荷転送部7に生じるポテンシャル障壁の高さよりも低い。
図7(c)のポテンシャル状態は図7(b)と同じだが、光電変換部8へ入射した光の量が異なる。光電変換部8に一定以上の電子が生じた場合には、第1電荷転送部9に生じたポテンシャル障壁を乗り越えて、第1保持部10に電子は移動する。つまり、所定量以上の光が入射した場合、露光期間中は光電変換部8と第1保持部10とが電子を保持している。
本実施例では、図7(b)が示す通り、第1電荷転送部9、第2電荷転送部11、第3電荷転送部13が非導通の状態、つまり、それぞれのチャネルのポテンシャルが高い状態において、第1保持部10のポテンシャルが第2保持部12のポテンシャルより高い。第1保持部10を構成するN型半導体領域103の不純物濃度が、第2保持部12を構成するN型半導体領域105の不純物濃度より低いことによって、このようなポテンシャル状態を容易に得ることができる。これは、N型半導体領域103、105の全体が空乏化したときに、より不純物濃度の高いN型半導体領域105により大きな逆バイアスを印加することができるからである。
図7(d)は時刻t3から時刻t4までの期間におけるポテンシャル状態を示す図である。光電変換部8で蓄積されていた電子が第1保持部10に転送される。光電変換部8からの電子の転送効率を高めるためには、光電変換部8のポテンシャルよりも第1電荷転送部9の導通時のポテンシャル障壁が低くなっているとよい。更に、第1保持部10のポテンシャルが光電変換部8のポテンシャルよりも低い方が良い。
本実施例では、制御電極102が第1電荷転送部9と第1保持部10とで兼用されているため、第1電荷転送部9を導通させる駆動パルスが供給されると、第1保持部10のポテンシャルも低くなる。これにより、図7(d)が示すように、第1保持部10に電子がない場合のポテンシャルが、第2保持部12のポテンシャルよりも低くなっていてもよい。
図8(a)は時刻t4から時刻t5までの期間のポテンシャル状態を示す図である。第1電荷転送部9が非導通状態になった後であり、かつ、第2電荷転送部11が導通状態となる前の状態を示している。第1保持部10には第1電荷転送部9に生じるポテンシャル障壁で決まる量の電子が蓄積されている。
図8(b)は時刻t5から時刻t6までの期間のポテンシャル状態を示す図である。第4電荷転送部7が導通するため、第4電荷転送部7におけるポテンシャル障壁が、第1電荷転送部9におけるポテンシャル障壁よりも低くなる。第4電荷転送部7におけるポテンシャル障壁は、光電変換部8のポテンシャルより低くなっていることが好ましい。このようなポテンシャル状態によって、第1保持部10が電子を保持しつつ、光電変換部8で発生した電子がOFD領域112に移動することができる。
また、図8(b)では、第2電荷転送部11が導通状態になっている。これにより、第1保持部10で保持されていた電子が第2電荷転送部11を介して第2保持部12に転送される。第1保持部10からの電子の転送効率を高めるためには、第1保持部10のポテンシャルよりも第2電荷転送部11の導通時のポテンシャル障壁の高さが低い方がよい。更に、第2保持部12のポテンシャルが第1保持部10のポテンシャルよりも低い方が良い。本実施例では、制御電極104が第2電荷転送部11と第2保持部12とで兼用されているため、第2電荷転送部11を導通させる駆動パルスが供給されると、第2保持部12のポテンシャルも低くなる。
本実施例においては、第1電荷転送部9、第2電荷転送部11、第3電荷転送部13が非導通の状態、第1保持部10のポテンシャルが第2保持部12のポテンシャルより高いために、図8(b)に示されるポテンシャル状態を形成しやすい。例えば低い電圧で、図8(b)のポテンシャル状態を形成することができる。
図8(c)は、時刻t6から時刻t10までの期間における1行目の画素のポテンシャル状態、および時刻t6から時刻t18までの期間における2行目の画素のポテンシャル状態を示している。第2電荷転送部11が非導通状態となった後、第3電荷転送部13が導通するまでの期間である。この期間の長さは画素行ごとに異なりうる。第2電荷転送部11及び第3電荷転送部13がともに非導通状態となっており、これらのポテンシャル障壁により第2保持部12に電子を蓄積している。
図8(d)は、時刻t10から時刻t11までの期間における1行目の画素のポテンシャル状態、および時刻t18から時刻t19までの期間における2行目の画素のポテンシャル状態を示している。第3電荷転送部13が導通状態となる。これにより、第2保持部12で保持されていた電子が増幅素子15の入力ノード14に転送される。第2保持部12からの電子の転送効率を高めるためには、第2保持部12のポテンシャルの高さよりも第3電荷転送部13の導通時のポテンシャル障壁の高さが低い方がよい。更に、増幅素子15の入力ノード14のポテンシャルの高さが第2保持部12のポテンシャルの高さよりも低い方が良い。なお、このようなポテンシャルの関係に限られることはない。第2保持部12から増幅素子15の入力ノード14への電荷の転送には、公知の構成が用いられてよい。とくに、増幅素子15の入力ノード14が導電体に接続されたFD領域107を含んで構成される場合には、当該導電体へ印加する電圧により増幅素子15の入力ノード14のポテンシャルを任意に設定することができる。
図8(e)は、時刻t11から時刻t14までの期間における1行目の画素のポテンシャル状態、および時刻t19から時刻t22までの期間における2行目の画素のポテンシャル状態を表す図である。第3電荷転送部13が非導通状態となった後のポテンシャル状態を示す図である。光電変換部8には光が入射しているものの、第4電荷転送部7によりOFD領域へ電子は排出される。また、第1保持部10にも電子が混入し得る。しかしながら、第1電荷転送部9のポテンシャル障壁の高さに比べて、第2電荷転送部11のポテンシャル障壁の高さが高いため、第2保持部12には電荷が混入しにくい構成となっている。時刻t14以降における1行目の画素のポテンシャル、および時刻t22以降における2行目の画素のポテンシャルは、図7(a)で示された状態であってもよい。
次に、本実施例の別の駆動方法の例について説明する。別の駆動方法では、図6の時刻t2と時刻t3の間に、第2電荷転送部11を導通させる。具体的な動作について、画素のポテンシャル状態と併せて説明する。
図9は、本実施例の画素のポテンシャル状態を示す図である。図9には、OFD領域112、第4電荷転送部7、光電変換部8、第1電荷転送部9、第1保持部10、第2電荷転送部11、第2保持部12、第3電荷転送部13、および入力ノード14(FD領域107)のポテンシャルが示されている。
図9(a)は図7(c)と同じポテンシャル状態を示している。つまり、露光期間中であり、光電変換によって発生した電子が光電変換部8と第1保持部10に保持されている。
ここで、図9(b)が示すように、露光期間中に第2電荷転送部11が導通する。具体的には、第2電荷転送部11のポテンシャルが、第1保持部10のポテンシャルより低くなる。これにより、光電変換部8あるいは第1保持部10の電子が、第2保持部12に移動しうる。つまり、露光期間中に発生した電子が第2保持部12によって保持される。
その後、図9(c)が示す通り、第2電荷転送部11が非導通状態となる。そして、図9(d)に示されるように、第2電荷転送部11が非導通となった後に発生した電子が、第1保持部10に移動しうる。
このような駆動方法によれば、露光期間中に発生した電子が光電変換部8、第1保持部10および第2保持部12で保持される。その結果、飽和電荷量を向上させることが可能である。
なお、図9(d)の後の動作は、図7(d)以降の動作と同じである。また、図9(b)、(c)の動作を2回以上繰り返し行ってもよい。
続いて、本実施例の画素におけるポテンシャル状態の別の例を説明する。図10は、本実施例の画素のポテンシャル状態を示す図である。図9には、OFD領域112、第4電荷転送部7、光電変換部8、第1電荷転送部9、第1保持部10、第2電荷転送部11、第2保持部12、第3電荷転送部13、および入力ノード14(FD領域107)のポテンシャルが示されている。
図10が示すように、第1電荷転送部9のポテンシャルが第4電荷転送部7のポテンシャルと等しい。これによって、露光期間中に発生した電子が光電変換部8に蓄積され、第1保持部10へ移動しない。なお、第1電荷転送部9のポテンシャルが第4電荷転送部7のポテンシャルより高くてもよい。この場合、光電変換部8から溢れた電子が、OFD領域112に移動しやすくなるので、ノイズを低減することができる。
本実施例では、各電荷転送部を非導通状態にするために制御電極に供給される電圧が同じである。これに限らず、各電荷転送部を非導通状態にするために制御電極に供給される電圧が、異なっていてもよい。また、本実施例では、第1電荷転送部9、第2電荷転送部11の制御電極が、それぞれ第1保持部10の制御電極、第2保持部12の制御電極として兼用される。そのため、第1保持部10の制御電極と第2保持部12の制御電極とに同じ電圧が供給される。
本実施例においては、第1電荷転送部9、第2電荷転送部11、第3電荷転送部13のいずれもが非導通の状態において、第1保持部のポテンシャルが第2保持部のポテンシャルより高い。このような構成によれば、第1保持部から第2保持部への電荷の転送を効率的に行うことが可能となる。
また、本実施例においては、N型半導体領域103の不純物濃度が、N型半導体領域105の不純物濃度より低い。このような構成によれば、第1保持部のポテンシャルを第2保持部のポテンシャルより高くすることが容易になる。
また、本実施例においては、N型半導体領域105の不純物濃度を高くすることができる。このような構成によれば、第2保持部12が単位面積当たりに保持する電荷の量を大きくすることができる。これにより飽和電荷量を向上させつつ、第2保持部12の面積を小さくすることができる。そのため、光電変換部8の占める面積を大きくすることができる。また、第2保持部12の面積が小さいことで、遮光しやすくなる。第2保持部12は、シャッタ期間に電荷を保持するため、遮光性能を向上させることによってノイズを低減することができる。
本発明に係る撮像装置の実施例について説明する。本実施例については、第4電荷転送部7が、第1保持部10の電荷を排出するように構成された点において、本実施例は実施例1と異なる。他の構成はすべて実施例1と同様である。そこで、実施例1と異なる点のみを説明し、他の部分の説明は省略する。
本実施例の撮像装置の全体ブロック構成は実施例1と同様である。つまり、図1が、本実施例の撮像装置の全体ブロック図である。
図11に本実施例の撮像装置の等価回路を示す。ここでは、2行3列の計6画素を示しているが、更に多数の画素を配して撮像領域が構成されていてもよい。図2と同様の機能を有する部分には、同じ符号を付す。図2と同じ部分の詳細な説明は省略する。
本実施例においては、第4電荷転送部7が第1保持部10の電子をオーバーフロードレイン領域(以下、OFD領域)へ転送する。OFD領域は電荷が排出される電荷排出ノードである。OFD領域は、例えば電源電圧を供給する配線16に電気的に接続されたN型の半導体領域により構成することができる。第4電荷転送部7は半導体基板上に絶縁膜を介して配された制御電極を含んで構成され得る。第1電荷排出部7の制御電極に供給される電圧によって、第1保持部10の電荷の排出が制御されうる。
本実施例においては、第1電荷転送部9および第4電荷転送部7により電子シャッタ動作を行うことができる。つまり、第1電荷転送部9および第4電荷転送部7を制御することによって、光電変換部8で生じた電子を排出する期間(シャッタ期間)と、電子を蓄積する期間(露光期間)とを制御できる。
リセット制御配線21は、リセットトランジスタのゲートに駆動パルスPRESを供給する。選択制御配線22は、選択トランジスタのゲートに駆動パルスPSELを供給する。第3転送制御配線23は、第3電荷転送部13を構成する制御電極(以下、第3制御ゲート)に駆動パルスPTX3を供給する。第2転送制御配線24は、第2電荷転送部11を構成する制御電極(以下、第2制御ゲート)に駆動パルスPTX2を供給する。第1転送制御配線25は第1電荷転送部9を構成する制御電極(以下、第1制御ゲート)に駆動パルスPTX1を供給する。第4転送制御配線26は第4電荷転送部7を構成する制御電極(以下、第4制御ゲート)に駆動パルスPTX4を供給する。各制御ゲートに供給されるパルス値により、各制御ゲート下の半導体領域のポテンシャル障壁の高さを変化させることが可能となる。つまり、各電荷転送部および電荷排出部は、制御電極の下に配される電荷転送経路のポテンシャルを制御することができる。
本実施例は、図2に例示した等価回路により示される画素構成において、光電変換部8と第1保持部10との間の電気的経路が以下の構成を有しうる。その構成とは、光電変換部8と第1保持部10との間の電気経路に配された第1電荷転送部9が非導通状態で、光電変換部8から第1保持部10へ電子が移動可能な構成である。ここで非導通状態とは、第1電荷転送部9に供給されるパルス値のうち、生じるポテンシャル障壁が最も高いパルス値を供給された状態である。したがって、第1電荷転送部9の非導通状態は、第1電荷転送部9がいわゆる完全なオフになっている必要はなく、完全にオンした場合に比べて何らかのポテンシャル障壁が生じている状態も含む。
具体的な構成としては、例えば第1電荷転送部9がMOSトランジスタであるとすると、このMOSトランジスタを埋め込みチャネル構造とすることで実現することができる。より一般的にいえば、第1電荷転送部9が非導通状態の時に表面よりも深い領域に表面よりも電子に対するポテンシャル障壁が低くなっている部分が存在している構成である。この場合には第1電荷転送部9に供給される駆動パルスを固定値とすることもできる。つまり導通状態と非導通状態との2状態を切り替え可能な構成としなくとも固定のポテンシャル障壁としても良い。
このような構成によれば、光電変換部8に光が入射した際に光電変換により生成した電子の大半が露光期間中に第1保持部10へ移動する。したがって、撮像領域2に配された全ての画素において、第1保持部10から第2保持部12への電荷の転送を並行して行うことで、撮像領域2に配された全ての画素の蓄積時間を揃えることが可能となる。
更に、第1電荷転送部9が非導通状態となっていると表面に正孔が蓄積される。そして、電子が移動するチャネルが表面から所定深さに存在するため、半導体基板と絶縁膜との界面を電子が移動する場合に比べて暗電流の影響を低減することが可能となる。
あるいは、光電変換部8と第1保持部10との間の電気的経路は別の構成を有してもよい。別の構成とは、光電変換部8と第1保持部10との間の電気経路に配された第1電荷転送部9が非導通状態で、光電変換部8から第1保持部10へ電子が移動しない構成である。ここで非導通状態とは、第1電荷転送部9に供給されるパルス値のうち、生じるポテンシャル障壁が最も高いパルス値を供給された状態である。これは言い換えると光電変換により生成した発生した電子の大半を光電変換部8に蓄積する構成である。
光電変換部8で電子を蓄積している期間において、第1電荷転送部9におけるポテンシャル障壁よりも低いポテンシャル障壁が光電変換部8の周囲に形成されることにより、光電変換部8から第1保持部10へ電子が移動しない構成を得ることができる。具体的な構成としては、第1電荷転送部9が非導通状態であるときに、第1制御電極の下に形成されるポテンシャル障壁が、光電変換部8と他の回路素子との間に形成されるポテンシャル障壁よりも高い。他の回路素子とは、例えば第4電荷転送部7のOFD領域である。あるいは、他の回路素子とは、リセットトランジスタ、選択トランジスタ、増幅トランジスタなどである。
このような構成によれば、光電変換部8に光が入射した際に光電変換により生成した電子の大半が露光期間中に光電変換部8に蓄積される。したがって、撮像領域2に配された全ての画素において並行して、光電変換部8に蓄積された電荷を第1保持部10へ転送することにより、全ての画素の蓄積時間を揃えることが可能となる。
本実施例の画素の具体的な構造は実施例1と同様である。つまり、図3、図4に本実施例の画素の構造が示される。ただし、第4電荷転送部7を構成する制御電極111は、第1保持部10の電子を転送するように構成される。例えば、上面図において、制御電極111が第1保持部10を構成するN型半導体領域103と隣り合うように配される。また、OFD領域112は、第1保持部10からの電子が排出されるN型半導体領域を含んで構成される。OFD領域112は、リセットトランジスタ、選択トランジスタ、あるいは増幅トランジスタのいずれかのソースあるいはドレインと兼用されてもよい。つまり、第1保持部10の電荷が、リセットトランジスタ、選択トランジスタ、あるいは増幅トランジスタのいずれかのソースまたはドレインに転送されうる。また、第4電荷転送部7が、制御電極111、N型半導体領域103、OFD領域112で構成されるMOSトランジスタであってもよい。
本実施例において、光電変換部8の電荷は、制御電極102の下の半導体領域を通って、第1保持部10に転送されうる。つまり、光電変換部8から第1保持部10へ電荷が転送される経路が制御電極102の下に配されうる。第1保持部10の電荷は、制御電極102の下の半導体領域を通って、第2保持部12に転送されうる。つまり、第1保持部10から第2保持部12へ電荷が転送される経路が制御電極104の下に配されうる。また、第1保持部10の電荷は、制御電極111の下の半導体領域を通って、OFD領域112に排出されうる。つまり、第1保持部10から電荷が排出される経路が、制御電極111の下に配されうる。このように、光電変換部8から第1保持部10への電荷の転送経路、および第1保持部10から第2保持部12への電荷の転送経路のいずれとも異なる経路を介して、第1保持部10の電荷が排出されうる。
OFD領域112には、プラグが接続される。OFD領域112は、プラグを介して所定の電圧が供給された配線16に接続される。プラグはタングステンなどの金属で構成されうる。所定の電圧は例えば電源電圧である。
続いて本実施例の駆動方法について説明する。本実施例の駆動方法は実施例1と同様である。すなわち、図6が本実施例の撮像装置の駆動パルスを示す。ただし、第4電荷転送部7に供給される駆動パルスPTX4は、時刻t5においてローレベルに維持されたままであり、時刻t6以降にローレベルからハイレベルに遷移してもよい。たとえば、PTX4は時刻t6と時刻t7との間の時刻にローレベルからハイレベルに遷移する。
また、PTX4がハイレベルの期間には、PTX1がハイレベルになっていてもよい。これにより光電変換部8で生じた電子が第1保持部10へ移動し、第1保持部10の電子がOFD領域112へ排出される。つまり、光電変換によって生成した電子が蓄積されず、排出される。このように、本実施例では、第1電荷転送部9および第4電荷転送部7が導通しているときに、シャッタ動作が可能である。なお、露光時間は、撮像装置に配された全ての行のPTX1およびPTX4がハイレベルからローレベルへ遷移することで開始される。
本実施例では、露光期間が始まる前に第1保持部10の電子がOFD領域112に排出されうる。好適には、露光期間が始まる前に第1保持部10の全ての電子が排出される。したがって、第1保持部10での電子の蓄積を開始する時に、第1保持部10に残っている電子を少なくする、あるいは完全になくすにすることができる。その結果、ノイズを低減することができるため、画質を向上させることができる。
続いて、本実施例の好適なポテンシャル状態について説明する。第1電荷転送部9および第4電荷転送部7が非導通状態であるときは、第4電荷転送部7のポテンシャルが、第1電荷転送部9のポテンシャルより高くなっていることが好ましい。また、第1電荷転送部9および第4電荷転送部7が非導通の時に、光電変換部8のポテンシャルより第1保持部10のポテンシャルのほうが低くなっているほうが好ましい。これにより、光電変換によって生成した電荷が、光電変換部8および第1保持部10に保持される。
なお、第1電荷転送部9のポテンシャルが光電変換部8のポテンシャルより高い場合は、少量の電子は光電変換部のみに蓄積される。この場合、光電変換部8に一定以上の電子が生じた場合には、第1電荷転送部9に生じたポテンシャル障壁を乗り越えて、第1保持部10に電子は移動する。つまり、所定量以上の光が入射した場合、露光期間中は光電変換部8と第1保持部10とが電子を保持している。
第1電荷転送部9および第4電荷転送部7が導通状態であるときは、第4電荷転送部7のポテンシャルが、第1電荷転送部9のポテンシャルより低くなっていることが好ましい。これによって、光電変換部8で生成した電子が第1保持部10に移動しうる。そして、第1保持部10の電子がOFD領域112に排出される。このとき、第4電荷転送部7におけるポテンシャル障壁は、光電変換部8のポテンシャルより低くなっていることが好ましい。このようなポテンシャル状態によって、光電変換部8で発生した電子がOFD領域112に移動することができる。このように、第1保持部10の電荷がOFD領域112に排出される。つまり、第1保持部10をリセットすることができる。
本実施例においては、第1保持部10に第4電荷転送部が接続されることによって、第1保持部10の電子を排出しやすくなる。これは、光電変換部8のポテンシャルのほうが高い場合にとくに顕著である。その理由は、光電変換部8を介して第1保持部10の電子を排出することが困難だからである。
また、本実施例においては、第2電荷転送部11が導通状態のときに、第2保持部12のポテンシャルが第1保持部10のポテンシャルより低くてもよい。このようなポテンシャル状態によって、第1保持部10から第2保持部12への電荷の転送を効率的に行うことができる。あるいは、このようなポテンシャル状態によって、第1保持部10から第2保持部12への完全空乏転送が可能となる。完全空乏転送とは、第1保持部10を構成するN型半導体領域103の全体が空乏化することによって電荷が転送されることである。
第2電荷転送部11が導通状態のときに、第2保持部12のポテンシャルが第1保持部10のポテンシャルより低い構成では、増幅素子15の入力ノード14にリセット部を接続することが好ましい。これにより、増幅素子15の入力ノード14を介して第2保持部12の電子を排出することができる。つまり、増幅素子15の入力ノード14を介して第2保持部12をリセットすることができる。第1保持部10のポテンシャルのほうが高いため、第1保持部10を介して第2保持部12の電子を排出することが困難だからである。
また、第2保持部12では行によって電子を保持する期間が異なりうる。そのため、第2保持部12で生じるノイズが大きいとシェーディングとなり画質が低下する可能性がある。これに対し、第2保持部に接続されるチャネルの数を少なくすることで、第2保持部12で生じるノイズを低減することができる。チャネルはポテンシャルが制御される電荷の転送経路である。具体的には、第2保持部12に接続されるチャネルの数は2つであることが良い。1つは、第1保持部10から第2保持部12への電荷の転送経路である。もう1つは、第2保持部12から入力ノード14への電荷の転送経路である。なお、第2保持部12から溢れた電荷が移動する別の経路があってもよい。
以上に説明したように、本実施例においては、第1電荷転送部9、第2電荷転送部11、第3電荷転送部13のいずれもが非導通の状態において、第1保持部のポテンシャルが第2保持部のポテンシャルより高い。このような構成によれば、第1保持部から第2保持部への電荷の転送を効率的に行うことが可能となる。
また、本実施例においては第1保持部10の電荷を排出することができる。このような構成によれば、撮像装置の画質を向上させることができる。