JP2011142830A - 容器詰めクリームソースの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な工程により、乳風味に優れ、しかも、製造後の乳風味の経時劣化が防止された容器詰めクリームソースが製造できる容器詰めクリームソースの製造方法を提供する。
【解決手段】乳原料を無脂乳固形分として3〜20質量%含有し、水分活性が0.9以下の容器詰めクリームソースの製造方法であって、冷水溶解性増加剤を含み、80℃以上に加熱されていないクリームソースを容器に充填密封する工程を有し、前記クリームソースは、蛋白質及び脂質の割合が蛋白質100質量部に対して脂質が200〜2000質量部であり、蛋白質全体に対する乳蛋白質の割合が80〜100質量%である容器詰めクリームソースの製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】乳原料を無脂乳固形分として3〜20質量%含有し、水分活性が0.9以下の容器詰めクリームソースの製造方法であって、冷水溶解性増加剤を含み、80℃以上に加熱されていないクリームソースを容器に充填密封する工程を有し、前記クリームソースは、蛋白質及び脂質の割合が蛋白質100質量部に対して脂質が200〜2000質量部であり、蛋白質全体に対する乳蛋白質の割合が80〜100質量%である容器詰めクリームソースの製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、簡単な工程により、乳風味に優れ、しかも、製造後の乳風味の経時劣化が防止された容器詰めクリームソースが製造できる容器詰めクリームソースの製造方法に関する。
ホワイトルウや生クリーム等を加えて調製されたホワイトソースやクリームソース等は、コクのある乳風味となめらかな食感が特徴の料理である。ホワイトソース等は容器詰めされて常温保存可能な製品として市販されており、必要時に温めてハンバーグ等にかけるだけで喫食することができ便利である。
上述した容器詰めホワイトソース等は、例えば、以下のように製造される。まず、小麦粉、乳原料及び食用油脂等の原料を二重釜等の加熱設備で焦げ付かないように注意しながら撹拌加熱することにより、小麦粉に含まれる澱粉の糊化及び食用油脂の乳化等を行い適度な粘性を付与して炊き上げる。次に、得られたソースを容器に充填密封後、殺菌のためレトルト処理を施すことにより製造される。このような容器詰めホワイトソースとしては、例えば、特開2000−157228号公報(特許文献1)には、特定のカラギーナン及びショ糖脂肪酸エステルを配合したレトルト処理ホワイトソースが記載されており、また、特開平7−106号公報(特許文献2)には、特定のセルロース及び特定の乳原料を配合した加圧加熱殺菌処理がされた加工食品が記載されている。
しかしながら、上述した容器詰めホワイトソースの製造においては、原料混合液を加熱撹拌しながら炊き上げる工程において、焦げ付きが生じたり不均一なソースとなったりしないように釜等の撹拌条件や温度条件を細かく調節しながら加熱する必要があり、食品工業的にもっと簡便に製造する方法が望まれていた。更に、上述した容器詰めレトルトホワイトソースは常温保存を可能とするために過度の加熱殺菌が施され乳本来の風味が損なわれてしまうという問題もあった。
ところで、ホワイトソースの原料として用いるホワイトルウが市販されており、例えば、特開平10−337166号公報(特許文献3)や特開2005−95150号公報(特許文献4)にこのようなホワイトルウの製造技術が開示されている。これらホワイトルウは、水分活性が低いことから、小麦粉を食用油脂で炒めて製造した後、容器詰めされ加熱殺菌することなく流通されている。
本発明者等は、ホワイトソース等の容器詰め製品を製造するにあたり、乳風味を損なう過度の殺菌を不要とするためにホワイトソースの水分活性を低下させ、更に、製造条件の設定が難しいソース炊き上げ工程をなくすことを着想した。そして、水分活性が低くなるように調整したホワイトソースの原料混合液に冷水可溶性増加剤を加えて適度な粘性を付与し、得られた混合液を加熱することなく容器に充填する方法で容器詰めホワイトソースを製造することを試みた。その結果、得られたホワイトソースは、原料を混合するだけで簡便に製造することができ、また、過度の加熱殺菌がされていないため、乳本来の風味が損なわれていない好ましいものであった。
しかしながら、このようにして得られたホワイトソースは常温で長期保管すると経時的に風味が劣化して乳本来の風味が損なわれるという問題が生じた。この問題は、冷水可溶性増加剤を含む原料の混合工程においてソースが含気し、その後、ソースの脱気が充分に行われないために保存中にこの空気により経時的な風味劣化が生じていると考えられた。ソースを90℃以上に加熱撹拌しながら炊き上げて製造する従来の製造方法においては、当該加熱撹拌工程においてソースが脱気されるため、上述の問題は80℃以上に加熱されていないホワイトソースを容器に充填密封する製造方法に特有の問題であると考えられる。
そこで、本発明の目的は、簡単な工程により、乳風味に優れ、しかも、製造後の乳風味の経時劣化が防止された容器詰めクリームソースが製造できる容器詰めクリームソースの製造方法を提供することである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく使用原料等、様々な諸条件について鋭意研究を重ねた結果、冷水溶解性増加剤を含み、80℃以上に加熱されていないクリームソースを容器に充填密封するにあたり、当該クリームソースの蛋白質に対する脂質の割合、更に、蛋白質全体に対する乳蛋白質の割合を特定量とするならば、意外にも製造後の乳風味の経時劣化が防止され、製造後においても乳本来の風味を有する容器詰めクリームソースが得られることを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)、乳原料を無脂乳固形分として3〜20%含有し、水分活性が0.9以下の容器詰めクリームソースの製造方法であって、冷水溶解性増加剤を含み、80℃以上に加熱されていないクリームソースを容器に充填密封する工程を有し、前記クリームソースは、蛋白質及び脂質の割合が蛋白質100部に対して脂質が200〜2000部であり、蛋白質全体に対する乳蛋白質の割合が80〜100%である容器詰めクリームソースの製造方法、
(2)、前記クリームソースの蛋白質及び脂質の割合が蛋白質100部に対して脂質が500〜2000部である(1)記載の容器詰めクリームソースの製造方法、
である。
(1)、乳原料を無脂乳固形分として3〜20%含有し、水分活性が0.9以下の容器詰めクリームソースの製造方法であって、冷水溶解性増加剤を含み、80℃以上に加熱されていないクリームソースを容器に充填密封する工程を有し、前記クリームソースは、蛋白質及び脂質の割合が蛋白質100部に対して脂質が200〜2000部であり、蛋白質全体に対する乳蛋白質の割合が80〜100%である容器詰めクリームソースの製造方法、
(2)、前記クリームソースの蛋白質及び脂質の割合が蛋白質100部に対して脂質が500〜2000部である(1)記載の容器詰めクリームソースの製造方法、
である。
本発明の容器詰めクリームソースの製造方法によれば、冷水溶解性増加剤を加えて適度な粘性を付与し、80℃以上に加熱せずにクリームソースを調製して容器に充填密封するので、従来のように撹拌条件や加熱条件等を微調整しながら鍋等で撹拌加熱する必要がなく簡便に容器詰めクリームソースが製造できる。また、得られた容器詰めクリームソースは、水分活性が0.9以下であり過度の加熱殺菌処理を必要としないことから、乳本来の風味を有したものとなり、しかも、蛋白質に対する脂質の割合、更に、蛋白質全体に対する乳蛋白質の割合を特定量としてあることにより、製造後の乳風味の経時劣化が防止されたものとなる。したがって、本発明の容器詰めクリームソースを提供することにより、容器詰めクリームソースの更なる需要拡大が期待される。
以下、本発明の容器詰めクリームソースの製造方法を詳述する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
本発明が対象とするクリームソースとは、乳原料及び食用油脂を含有する乳化状のソースをいい、具体的には、ホワイトルーをベースとしたホワイトソース、トマトソースをベースとしたトマトクリームソース、白ワインをベースとしたヴァンブランソース等が挙げられる。
前記本発明のクリームソースは、乳原料を無脂乳固形分として3〜20%、好ましくは5〜20%含有することを特徴とし、これにより、乳風味に優れたクリームソースとなる。一方、前記範囲よりも無脂乳固形分が少ないと乳風味が充分に得られず、前記範囲よりも無脂乳固形分が多いと、後述するように蛋白質と脂質の割合を調整したとしても製造後の風味劣化が防止され難くなる傾向がある。
ここで、前記無脂乳固形分とは、乳原料の水分及び脂質を除いた残りの成分であり、蛋白質、乳糖、無機質が主な成分であり乳風味を有するものである。無脂乳固形分の測定方法は、具体的には、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年12月27日厚生省令第52号)に記載の方法により測定できる
本発明で用いる前記乳原料としては、一般的にクリームソースに含まれる乳原料であれば特に制限は無く、例えば、牛乳、クリーム、バター、チーズ、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、チーズ等が挙げられる。
一方、本発明で用いる前記食用油脂としては、例えば、乳脂、ラード、ヘット、卵黄油等の動物性油脂、あるいは、菜種油、コーン油、オリーブ油、サフラワー油、綿実油、大豆油、米油、トウモロコシ油、これらを精製したサラダ油等の植物性油脂等が挙げられる。さらに、これらの油脂を硬化、エステル交換等の処理を施したものの他、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド等のように化学的あるいは酵素的処理を施して得られる油脂等が挙げられる。これらの油脂の中でも風味の点から、乳脂、あるいは植物油脂が好ましい。
なお、本発明のクリームソースに食用油脂を配合する場合、上述の食用油脂を配合する他に、乳原料であり食用油脂を含む生クリームやバターを用いてもよい。また、バターやバターオイル等の乳脂肪分に脱脂粉乳等の無脂乳固形分、乳化剤、清水等を添加して製造した還元クリーム、乳脂肪分および植物性脂肪分に脱脂粉乳等の無脂乳固形分、乳化剤、安定剤、清水等を添加して製造したコンパウンドクリーム、植物性脂肪分に脱脂粉乳等の無脂乳固形分、乳由来以外の蛋白質、乳化剤、安定剤、清水等を添加して製造した合成クリーム等を配合してもよい。
また、前記本発明のクリームソースは、水分活性が0.9以下であり、これにより、得られたクリームソースの常温流通が可能となる。更に、過度の加熱殺菌処理を必要としないことから、乳本来の風味を有したクリームソースとなる。水分活性の調整は、常法により行えばよく、例えば、糖類や食塩等の水分活性を低下させる原料をクリームソースに配合して前記水分活性となるように調整すればよい。前記糖類としては、例えば、砂糖、オリゴ糖、澱粉分解物、ソルビトール及びトレハロース等が挙げられる。
本発明の容器詰めクリームソースの製造方法は、上述した乳原料及び食用油脂等を含む原料を混合して調製したクリームソースを容器に充填密封するが、本発明の容器詰めクリームソースの製造方法は、冷水溶解性増加剤を含み、80℃以上に加熱されていないクリームソースを容器に充填密封する工程を有することを特徴とする。従来のクリームソースの製造方法においては、原料を二重釜等の加熱設備で焦げ付かないように注意しながら90℃以上に撹拌加熱して炊き上げることにより、ソースに適度な粘性を付与してクリームソースを調製していたが、本発明においては、このように冷水溶解性増加剤を加えてソースに適度な粘性を付与し、80℃以上に加熱することなく調製したクリームソースを容器に充填することにより、簡単な工程により容器詰めクリームソースが製造できる。
前記本発明における冷水溶解性増加剤とは、熱水溶解を必要とせず、冷水(例えば、15〜25℃)に分散しただけ溶解させることができる増加剤をいう。このような冷水溶解性増加剤としては、例えば、グアーガム、キサンタンガム等のガム質の他、冷水可溶となるように調製されたα化澱粉やゼラチン等が挙げられる。
容器に充填密封するクリームソースの粘度に関し、本発明においては、上述した冷水溶解性増加剤を配合することによりソースとしての適度な粘性をクリームソースに付与するが、具体的な粘度としては、クリームソースとしての適度な粘性を得る点から、好ましくは3〜100Pa・s、より好ましくは3〜50Pa・sである。なお、本発明における粘度の測定は、当該ソースをBH型粘度計で、品温20℃、回転数20rpmの条件で、粘度が0.375Pa・s未満のときローターNo.1、0.375Pa・s以上1.5Pa・s未満のときローターNo.2、1.5Pa・s以上3.75Pa・s未満のときローターNo.3、3.75Pa・s以上7.5Pa・s未満のときローターNo.4、7.5Pa・s以上のときローターNo.5、10Pa・s以上のときローターNo.6を使用し、測定開始後ローターが3回転した時の示度により求めた値である。
クリームソースの粘度は、上述の冷水溶解性増加剤の配合量を増減することにより調整できる。クリームソースに対する冷水溶解性増加剤の含有量は、冷水溶解性増加剤の種類にもよるが、クリームソースに対して、好ましくは0.1〜10%、より好ましくは0.1〜5%である。
更に、本発明の容器詰めクリームソースの製造方法においては、容器に充填密封するクリームソースの蛋白質及び脂質の割合が、蛋白質100部に対して脂質が200〜2000部、好ましくは500〜2000部であり、蛋白質全体に対する乳蛋白質の割合が80〜100%、好ましくは90〜100%であることを特徴とする。このようにクリームソースの蛋白質に対する脂質の割合、更に、蛋白質全体に対する乳蛋白質の割合を特定量とすることにより、はじめて製造後の乳風味の経時劣化が防止されたクリームソースが得られる。これに対して、前記範囲よりも脂質が少ないと製造後の乳風味の経時劣化を充分に防止することができず、前記範囲よりも脂質が多いと、製造後のクリームソースに分離が生じる場合がある。また、例えば、通常ホワイトソースに配合される小麦粉を配合し小麦蛋白の割合が多くなって全蛋白質に占める乳蛋白質の割合が前記範囲よりも少ない場合は、製造後の風味劣化の防止効果が充分に得られない。
このように蛋白質に対して特定量以上の脂質を配合することにより、製造後の乳風味の経時劣化を防止することができるのは、原料混合工程における混合液の含気量の低減に脂質が寄与しているためであると考えられる。ここで、小麦蛋白等の乳蛋白以外の蛋白質が多く含まれると、混合液の含気量の低減効果が得られ難いと考えられる。原料混合液を鍋等で加熱撹拌しながら炊き上げる従来のホワイトソースにおいては加熱により混合液中の空気が脱気されるのに対し、混合液を80℃以上に加熱することなく容器に充填する本発明においては、このように蛋白質に対する脂質の割合及び蛋白質の種類を特定することによりクリームソースの含気量を低減し、その結果、製造後の乳風味の経時劣化が防止されると考えられる。
前記クリームソースにおける蛋白質の含有量は、クリームソースに対して、好ましくは0.5〜10%、より好ましくは2〜10%である。蛋白質含有量が前記範囲よりも少ないと、製造後のクリームソースに分離が生じる可能性が高まり、前記範囲より多いと、上述するように蛋白質と脂質の割合を調整したとしても製造後の風味劣化が防止され難くなる傾向がある。なお、蛋白質含有量は、栄養表示基準(平成15年4月24日厚生省告示第176号)別表第2の第3欄記載の窒素定量換算法に準じて測定した値である。
前記クリームソースにおける脂質の含有量は、レトルトクリームソース全体の2〜40%、好ましくは4〜35%である。脂質含有量が前記範囲よりも少ないと、クリームソースに好ましいこく付与し難く、前記範囲よりも多いと、製造後のクリームソースに分離が生じる可能性が高まるので好ましくない。なお、脂質含有量は、栄養表示基準(平成15年4月24日厚生省告示第176号)別表第2の第3欄記載のエーテル抽出法に準じて測定した値である。
なお、本発明において、上述のようにクリームソースの粘度や構成成分の含有量等を規定する場合、クリームソースが目視で均一な液状と評価できる場合には、そのままのクリームソースに対し、必要な測定、試験あるいは評価を行い、得られた結果に基づき、前述の性状や含有量を規定すればよい。他方、クリームソースにタマネギやマッシュルーム等の具材が含まれている場合には、クリームソースを10メッシュの網目に通し、網目を通り抜けた液状物に対し、必要な測定、試験、評価を行い、得られた結果に基づき、上述の粘度や含有量を規定すればよい。
また、前記クリームソースには上述した原料の他に、例えば、食塩、醤油、砂糖、液糖、グルタミン酸ナトリウム、核酸系旨味調味料等の各種調味料、ペッパー、唐辛子等の香辛料、動植物エキス等のエキス類、色素、更には、玉葱、ひらたけ、椎茸、エリンギ、しめじ、マッシュルーム、ニンニク、オリーブ等の具材等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択し配合することができる。
原料を混合してクリームソースを調製する方法としては、特に制限は無く、上述した乳原料、食用油脂、冷水溶解性増加剤、調味料、及び糖類等のその他必要な原料が略均一になるように混合処理すればよい。混合処理は、例えば、ホバートミキサー、カントーミキサー、ニーダー、攪拌装置付き二重釜、煮練機、炒め機等の混合機等を用いることにより行うことができる。
使用する容器は、特に制限は無く、例えば、樹脂性のパウチや成形容器、あるいは、缶等が挙げられる。また、本発明のクリームソースの製造方法においては、容器に充填前、あるいは、充填後、殺菌処理等を目的として80℃を超えない範囲で加熱処理を施してもよい。80℃を超えない温度であれば、クリームソースに焦げ付き等が生じることもなく、また、乳風味が損なわれることもない。
以上のように製造した本発明の容器詰めクリームソースは、製造後の乳風味の経時劣化が防止され、乳本来の風味を有するものとなり、ハンバーグ、コロッケ、パンのトッピングやフィリング等の用途の他、パスタ等と和えて用いるパスタ用の用途等の種々の用途に用いることができる。
以下、本発明について、実施例、比較例、並びに試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定するものではない。
[実施例1]
下記の配合で容器詰めクリームソースを製造した。つまり、撹拌タンクに、還元澱粉分解物、サラダ油、全粉乳、クリーム、チーズパウダー、α化澱粉、キサンタンガム、食塩、グルタミン酸ナトリウム、チキンエキス及び清水を投入し、全体が均一になるように撹拌混合してクリームソースを得た。クリームソースの粘度は40Pa・sであった。次に、得られたクリームソースを50gずつパウチに充填密封して容器詰めクリームソースを得た。なお、クリームソースは、乳原料を無脂乳固形分として10%含有しており、蛋白質含有量が6%、脂質含有量が35%であり、蛋白質100部に対して脂質が583部含有していた。また、蛋白質全体に対する乳蛋白質の割合は100%であった。更に、水分活性は0.9以下であった。
下記の配合で容器詰めクリームソースを製造した。つまり、撹拌タンクに、還元澱粉分解物、サラダ油、全粉乳、クリーム、チーズパウダー、α化澱粉、キサンタンガム、食塩、グルタミン酸ナトリウム、チキンエキス及び清水を投入し、全体が均一になるように撹拌混合してクリームソースを得た。クリームソースの粘度は40Pa・sであった。次に、得られたクリームソースを50gずつパウチに充填密封して容器詰めクリームソースを得た。なお、クリームソースは、乳原料を無脂乳固形分として10%含有しており、蛋白質含有量が6%、脂質含有量が35%であり、蛋白質100部に対して脂質が583部含有していた。また、蛋白質全体に対する乳蛋白質の割合は100%であった。更に、水分活性は0.9以下であった。
<クリームソースの配合割合>
還元澱粉分解物(固形分70%) 30%
サラダ油 30%
全粉乳 9%
クリーム(乳脂肪分45%) 4%
チーズパウダー 7%
α化澱粉 7%
キサンタンガム 0.1%
食塩 5%
グルタミン酸ナトリウム 1%
チキンエキス 0.5%
清水 6.4%
――――――――――――――――――――――――――――
合計 100%
還元澱粉分解物(固形分70%) 30%
サラダ油 30%
全粉乳 9%
クリーム(乳脂肪分45%) 4%
チーズパウダー 7%
α化澱粉 7%
キサンタンガム 0.1%
食塩 5%
グルタミン酸ナトリウム 1%
チキンエキス 0.5%
清水 6.4%
――――――――――――――――――――――――――――
合計 100%
得られた本発明の容器詰めクリームソースは分離等が生じておらず均一な状態であり、食したところ乳本来の風味を充分に有する大変好ましいものであった。また、20℃の室内に1ヵ月間保存した後、同様に製造した製造直後の対照品と比較して食味を評価したところ、保存後であっても製造直後と略同様の好ましい乳風味を有していた。
[比較例1]
実施例1のクリームソースの製造方法において、α化澱粉及びキサンタンガムを生澱粉に置き換えた以外は同様の方法で容器詰めクリームソースを製造した。なお、クリームソースの粘度は1Pa・sであった。
実施例1のクリームソースの製造方法において、α化澱粉及びキサンタンガムを生澱粉に置き換えた以外は同様の方法で容器詰めクリームソースを製造した。なお、クリームソースの粘度は1Pa・sであった。
得られた容器詰めクリームソースは、分離が生じ不均一な状態であった。
[実施例2]
下記の配合で容器詰めクリームソースを製造した。つまり、撹拌タンクに、還元澱粉分解物、サラダ油、全粉乳、クリーム、α化澱粉、グアーガム、小麦粉、食塩、グルタミン酸ナトリウム、チキンエキス及び清水を投入し、全体が均一になるように撹拌混合してクリームソースを得た。クリームソースの粘度は20Pa・sであった。次に、得られたクリームソースを50gずつパウチに充填密封した後、75℃の湯中に容器ごと浸漬して品温が70℃に達温するまで加熱殺菌を行い、容器詰めクリームソースを得た。なお、クリームソースは、乳原料を無脂乳固形分として5%含有しており、蛋白質含有量が2%、脂質含有量が32%であり、蛋白質100部に対して脂質が1600部含有していた。また、蛋白質全体に対する乳蛋白質の割合は100%であった。更に、クリームソースの水分活性は0.9以下であった。
下記の配合で容器詰めクリームソースを製造した。つまり、撹拌タンクに、還元澱粉分解物、サラダ油、全粉乳、クリーム、α化澱粉、グアーガム、小麦粉、食塩、グルタミン酸ナトリウム、チキンエキス及び清水を投入し、全体が均一になるように撹拌混合してクリームソースを得た。クリームソースの粘度は20Pa・sであった。次に、得られたクリームソースを50gずつパウチに充填密封した後、75℃の湯中に容器ごと浸漬して品温が70℃に達温するまで加熱殺菌を行い、容器詰めクリームソースを得た。なお、クリームソースは、乳原料を無脂乳固形分として5%含有しており、蛋白質含有量が2%、脂質含有量が32%であり、蛋白質100部に対して脂質が1600部含有していた。また、蛋白質全体に対する乳蛋白質の割合は100%であった。更に、クリームソースの水分活性は0.9以下であった。
<クリームソースの配合割合>
還元澱粉分解物(固形分70%) 30%
サラダ油 30%
全粉乳 7%
クリーム(乳脂肪分45%) 4%
α化澱粉 7%
グアーガム 0.5%
小麦粉 0.1%
食塩 5%
グルタミン酸ナトリウム 1%
チキンエキス 0.5%
清水 12.9%
――――――――――――――――――――――――――――
合計 100%
還元澱粉分解物(固形分70%) 30%
サラダ油 30%
全粉乳 7%
クリーム(乳脂肪分45%) 4%
α化澱粉 7%
グアーガム 0.5%
小麦粉 0.1%
食塩 5%
グルタミン酸ナトリウム 1%
チキンエキス 0.5%
清水 12.9%
――――――――――――――――――――――――――――
合計 100%
得られた本発明の容器詰めクリームソースは分離等が生じておらず均一な状態であり、食したところ乳本来の風味を充分に有する大変好ましいものであった。また、20℃の室内に1ヵ月間保存した後、同様に製造した製造直後の対照品と比較して食味を評価したところ、保存後であっても製造直後と略同様の好ましい乳風味を有していた。
[比較例2]
実施例1のクリームソースの製造方法において、クリームソースを容器に充填密封後、常法によりレトルト処理(115℃×15分間)を施して加熱殺菌を行った。
実施例1のクリームソースの製造方法において、クリームソースを容器に充填密封後、常法によりレトルト処理(115℃×15分間)を施して加熱殺菌を行った。
得られた容器詰めクリームソースは、分離が生じ不均一な状態であり、しかも、乳風味が損なわれ好ましくなかった。
[比較例3]
実施例2のクリームソースの製造方法において、α化澱粉及びグアーガムを小麦粉に置き換えた以外は同様の方法で容器詰めクリームソースを製造した。なお、クリームソースは、蛋白質全体に対する乳蛋白質の割合が77%であった。
実施例2のクリームソースの製造方法において、α化澱粉及びグアーガムを小麦粉に置き換えた以外は同様の方法で容器詰めクリームソースを製造した。なお、クリームソースは、蛋白質全体に対する乳蛋白質の割合が77%であった。
得られた本発明の容器詰めクリームソースを20℃の室内に1ヵ月間保存した後、同様に製造した製造直後の対照品と比較して食味を評価したところ、製造後の容器詰めクリームソースは製造直後の対照品に比べて乳風味が損なわれていて好ましくなかった。
[比較例4]
実施例2のクリームソースの製造方法において、サラダ油の配合量を50%に増やし、その増加分は還元澱粉分解物の配合量を減らして補正した以外は同様の方法で容器詰めクリームソースを製造した。なお、クリームソースは、蛋白質含有量が2%、脂質含有量が52%であり、蛋白質100部に対して脂質が2600部含有していた。
実施例2のクリームソースの製造方法において、サラダ油の配合量を50%に増やし、その増加分は還元澱粉分解物の配合量を減らして補正した以外は同様の方法で容器詰めクリームソースを製造した。なお、クリームソースは、蛋白質含有量が2%、脂質含有量が52%であり、蛋白質100部に対して脂質が2600部含有していた。
得られた容器詰めクリームソースは、分離が生じ不均一な状態であり好ましくなかった。
[試験例1]
本試験例においては、容器詰めクリームソースの製造方法において、クリームソースの蛋白質と脂質の含有割合の違いが、得られたクリームソースの保存後の乳風味に与える影響を調べるために以下の試験を行った。つまり、実施例1において、サラダ油の含有量を換えることにより脂質含有量が異なる4種類のクリームソースを調製し、これらを用いて容器詰めクリームソースを製造した。この際、食用油脂の増加分又は減少分は還元澱粉分解物の配合量により補正した。次に、得られた各容器詰めクリームソースを20℃の室内に1ヵ月間保存した後の乳風味について、それぞれ同様に製造した製造直後の対照品と比較して下記評価基準により食味を評価した。結果を表1に示す。
本試験例においては、容器詰めクリームソースの製造方法において、クリームソースの蛋白質と脂質の含有割合の違いが、得られたクリームソースの保存後の乳風味に与える影響を調べるために以下の試験を行った。つまり、実施例1において、サラダ油の含有量を換えることにより脂質含有量が異なる4種類のクリームソースを調製し、これらを用いて容器詰めクリームソースを製造した。この際、食用油脂の増加分又は減少分は還元澱粉分解物の配合量により補正した。次に、得られた各容器詰めクリームソースを20℃の室内に1ヵ月間保存した後の乳風味について、それぞれ同様に製造した製造直後の対照品と比較して下記評価基準により食味を評価した。結果を表1に示す。
<保存後の容器詰めクリームソースの乳風味の評価基準>
A:対照品とほぼ同様の乳風味である。
B:対照品と比べてやや乳風味が損なわれているが問題のない程度である。
C:対照品と比べてやや乳風味が損なわれている。
D:対照品と比べて乳風味が損なわれている。
A:対照品とほぼ同様の乳風味である。
B:対照品と比べてやや乳風味が損なわれているが問題のない程度である。
C:対照品と比べてやや乳風味が損なわれている。
D:対照品と比べて乳風味が損なわれている。
表1より、クリームソースの蛋白質及び脂質の割合が、蛋白質100部に対して脂質が200〜2000部である発明品1乃至3の容器詰めクリームソースは、製造後の乳風味の経時劣化が防止され、乳本来の風味を有し好ましかった。特に、蛋白質100部に対して脂質が500〜2000部である発明品2及び3の容器詰めクリームソースは、製造後の乳風味の経時劣化防止効果が高くより好ましかった。これに対して、蛋白質に対する脂質の割合が前記範囲よりも少ない比較品1は、保存後の乳風味が損なわれ好ましくなかった。
Claims (2)
- 乳原料を無脂乳固形分として3〜20質量%含有し、水分活性が0.9以下の容器詰めクリームソースの製造方法であって、冷水溶解性増粘剤を含み、80℃以上に加熱されていないクリームソースを容器に充填密封する工程を有し、前記クリームソースは、蛋白質及び脂質の割合が蛋白質100質量部に対して脂質が200〜2000質量部であり、蛋白質全体に対する乳蛋白質の割合が80〜100質量%であることを特徴とする容器詰めクリームソースの製造方法。
- 前記クリームソースの蛋白質及び脂質の割合が蛋白質100質量部に対して脂質が500〜2000質量部である請求項1記載の容器詰めクリームソースの製造方法。
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JP2013039095A (ja) * | 2011-08-18 | 2013-02-28 | Q P Corp | クリームソース類 |
JP2020191795A (ja) * | 2019-05-27 | 2020-12-03 | キユーピー株式会社 | ツインパックのソース |
WO2022118907A1 (ja) * | 2020-12-02 | 2022-06-09 | 日清フーズ株式会社 | ソース、ソースの使用方法、容器詰めソース |
-
2010
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