JP2010198878A - 無電極蛍光ランプおよびそれを用いた照明器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】点灯中の昇温に伴う発光効率の低下を抑制可能な無電極蛍光ランプを提供する。
【解決手段】透光性材料からなり内部に気体が気密封止された少なくとも外殻部3と該外殻部3の内側に落ち窪んだ凹部4とを備えたバルブ2と、該バルブ2の放電空間において前記気体を励起して放電ガスにするため凹部4内に収められた誘導コイル23と、バルブ2における前記内部側の表面に前記放電ガスから放射される紫外線によって励起され発光する発光層と、を有する無電極蛍光ランプ1であり、前記発光層の少なくとも一部は、バルブ2の前記表面側から前記放電ガス側にかけて、温度消光が生ずる温度がより高い蛍光体被膜61,62,63を順に備えた多層構造の発光層6としている。
【選択図】図1
【解決手段】透光性材料からなり内部に気体が気密封止された少なくとも外殻部3と該外殻部3の内側に落ち窪んだ凹部4とを備えたバルブ2と、該バルブ2の放電空間において前記気体を励起して放電ガスにするため凹部4内に収められた誘導コイル23と、バルブ2における前記内部側の表面に前記放電ガスから放射される紫外線によって励起され発光する発光層と、を有する無電極蛍光ランプ1であり、前記発光層の少なくとも一部は、バルブ2の前記表面側から前記放電ガス側にかけて、温度消光が生ずる温度がより高い蛍光体被膜61,62,63を順に備えた多層構造の発光層6としている。
【選択図】図1
Description
本発明は、無電極蛍光ランプおよびそれを用いた照明器具に関するものである。
従来から、無電極蛍光ランプの一例として、ガラスなどの透光性材料からなり内部に気体が気密封止された少なくとも外殻部と該外殻部の内側に落ち窪んだ凹部とを備えたバルブと、該バルブの放電空間において前記気体を励起して放電ガスにするため前記凹部内に収められた誘導コイルと、前記バルブにおける前記内部側の表面に前記放電ガスから放射される紫外線によって励起され発光する発光層と、を有するものが知られている。
この無電極蛍光ランプでは、前記誘導コイルに高周波電流を流すことにより前記バルブ内の放電空間に誘導電磁界を発生させ、その誘導電磁界で前記バルブ内に封入してある前記気体が励起されて前記放電ガスとなる。ここで、前記気体として希ガスおよび水銀蒸気を用いた場合、前記希ガスが放電し前記水銀蒸気を励起する。励起された水銀蒸気は、励起状態から基底状態に戻るときに紫外線を発する。この紫外線が前記発光層の蛍光体にあたり波長変換され、前記発光層の前記蛍光体から可視光が放射される。
この種の無電極蛍光ランプは、透光性材料からなる気密容器内にフィラメントを配置した一般的な蛍光ランプ(無電極蛍光ランプと区別するために、以下では有電極蛍光ランプという)のようにフィラメントの断線に起因する不灯が原理的に生じることもなく、長寿命にすることができる。
しかしながら、無電極蛍光ランプは、放電による励起水銀および水銀イオンと前記発光層の前記蛍光体との衝突で、水銀が前記蛍光体と化学反応を起こし前記蛍光体の劣化が生じやすいと考えられている。特に、上述の無電極蛍光ランプの構成では、通電される前記誘導コイルが前記凹部に収納されていることから、ランプ点灯時に前記放電空間において前記誘導コイルが近接する側に電界が集中し、前記バルブにおける前記内部側の前記表面のうち、前記凹部の前記表面に形成された前記発光層が、前記外殻部の前記表面に形成された前記発光層よりも劣化しやすい。
ところで、前記発光層の前記蛍光体に、いわゆる希土類3波長型蛍光体を用いて演色性の高い白色の光を放出させた無電極蛍光ランプを形成する場合、前記蛍光体には、例えば、青色の光を放出する青色蛍光体として、二価のユーロピウムにより活性化されたバリウムマグネシウムアルミン酸塩〔Ba2Mg2Al16O27:Eu2+〕(以下、BAM蛍光体という)を、緑色の光を放出する緑色蛍光体として、三価のセリウムとテルビウムにより活性化されたリン酸ランタン〔LaPO4:Ce,Tb〕(以下、LAP蛍光体という)を、赤色の光を放出する赤色蛍光体として、三価のユーロピウムにより活性化された酸化イットリウム〔Y2O3:Eu3+〕(以下、YOX蛍光体という)の3種類を用いることができる。これらの蛍光体を混合して結着材で結着させることで前記無機蛍光ランプの前記発光層を形成させることができる。
しかしながら、このような前記発光層に用いられる3種類の前記蛍光体は、それぞれ劣化特性も異なる。その組成にもよるが、特に青色の光を発光するBAM蛍光体の劣化が著しい。このような観点から、前記凹部の前記表面に形成される前記発光層においては、もともと劣化の大きいBAM蛍光体はできるだけ用いないことが望ましい。
そのような観点から図6に示すように、透光性材料からなり内部に放電ガスとなる気体が封入された外殻部3と該外殻部3の内側に落ち窪んだ凹部4とを備えたバルブ2’と、該バルブ2’の内部側の表面に形成された蛍光体を有する発光層6’と、フェライトコア22の外周に巻回されて凹部4内に収納される誘導コイル23を備えたパワーカプラ部20’と、を有し、発光層6’は、外殻部3における第一の発光層6’bと、前記凹部4における前記バルブ2’の前記内部側に設けられた第二の発光層6’aからなり、該第二の発光層6’aには、最も劣化の大きい蛍光体(例えば、BAM蛍光体)を用いない構成の無電極蛍光ランプ1’が提案されている(例えば、特許文献1。)。
これにより、無電極蛍光ランプ1’の経時劣化が最も大きいBAM蛍光体を、劣化が比較的起こりやすい凹部4におけるバルブ2’の前記内部側の発光層6’から排除することにより、無電極蛍光ランプ1’の経時劣化における色変化を抑制することができる。なお、図6中において、誘導コイル23は、ハウジング13に収納された給電ワイヤ11,12を介して電源ユット34’と電気的に接続可能に構成されている。
しかしながら、この無電極蛍光ランプ1’では、プラズマ放電に起因する発光層6’の劣化しか着目されていない。例えば、無電極蛍光ランプ1’は、バルブ2’の内部の放電空間に誘導電磁界を効率よく付与するため、できるだけバルブ2’における凹部4の表面に近接して誘導コイル23を配置することが有効であり、誘導コイル23が近接した凹部4の表面は、誘導コイル23の昇温にともなって高温になる傾向にある。これは、凹部4の内部に誘導コイル23が収納されるため、凹部4の放熱性が悪くなることにも起因していると考えられる。
また、誘導コイル23により発生する誘導電磁界は、誘導コイル23に近いほど電磁界の強度が強く、バルブ2’の内部で生起される放電ガスのプラズマは誘導コイル23に近い凹部4の近傍に集中し高温になりやすい。特に、凹部4における誘導コイル23側は、フェライトコア22の内部に配置させた放熱パイプ(図示せず)を介して除熱することも可能であるものの、凹部4の放電ガス側を放熱させることは難しい。
この結果、通常の有電極ランプの発光層が形成された領域と比較して、無電極蛍光ランプ1’の凹部4は非常に高温になり、凹部4の一部が150℃〜200℃を越えるような温度になることもある。無電極蛍光ランプ1’の点灯中に前記発光層における蛍光体の温度が上昇すると、当該蛍光体の輝度が減少する温度消光が生じ、無電極蛍光ランプ1’の発光効率が低下することになるという問題がある。したがって、上記特許文献1の構成では、温度消光による効率低下を抑制することはできない。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、点灯中の昇温に伴う発光効率の低下を抑制可能な無電極蛍光ランプおよびそれを用いた照明器具を提供することにある。
請求項1の発明は、透光性材料からなり内部に気体が気密封止された少なくとも外殻部と該外殻部の内側に落ち窪んだ凹部とを備えたバルブと、該バルブの放電空間において前記気体を励起して放電ガスにするため前記凹部内に収められた誘導コイルと、前記バルブにおける前記内部側の表面に前記放電ガスから放射される紫外線によって励起され発光する発光層と、を有する無電極蛍光ランプであって、前記発光層の少なくとも一部は、2層以上の蛍光体被膜からなり、前記バルブの前記表面側から前記放電ガス側にかけて、温度消光が生ずる温度がより高い蛍光体被膜を順に備えた多層構造であることを特徴とする。
この発明によれば、前記発光層の少なくとも一部が、2層以上の前記蛍光体被膜からなり、前記バルブの前記表面側から前記放電ガス側にかけて、温度消光が生ずる温度がより高い前記蛍光体被膜を順に備えた多層構造とすることにより、蛍光体の温度消光(蛍光体の温度が上昇すると当該蛍光体のルミネッセンスの効率が減少する現象)にともなう、無電極蛍光ランプにおける発光効率の低下を抑制することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記多層構造の前記発光層は、前記バルブの内部であって、前記凹部における前記誘導コイル側と対向する前記表面と、前記放電空間を介して前記誘導コイル側と対向する前記外殻部の前記表面に設けてなることを特徴とする。
この発明によれば、無電極蛍光ランプの点灯中に放電ガスによって高温に晒される前記バルブの前記外殻部と前記凹部の特定箇所だけ前記発光層を特定の多層構造とすることにより、前記無電極蛍光ランプの発光効率の低下を防ぐことができる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記多層構造の前記発光層は、前記バルブの内部であって、前記凹部の前記表面に設けてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記バルブにおける前記凹部の前記発光層を特定の前記多層構造とするだけで、前記無電極蛍光ランプの発光効率の低下を防ぐことができる。また、前記多層構造の前記発光層の面積が小さいことから均一に形成しやすく、前記無電極蛍光ランプから放出される光に色ムラが生ずることを抑制することもできる。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記多層構造の前記発光層は、前記バルブの内部であって、前記放電空間を介して前記誘導コイル側と対向する前記外殻部の前記表面に設けてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記無電極蛍光ランプの点灯中に、前記放電空間を介して前記誘導コイル側と対向する前記外殻部の前記表面の前記発光層を特定の前記多層構造とすることにより、前記無電極蛍光ランプの発光効率の低下を防ぐことができる。また、前記多層構造の前記発光層の面積が小さいことから均一に形成しやすく、前記無電極蛍光ランプから放出される光の色ムラの影響を小さくすることができる。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1に記載の発明において、前記多層構造の前記発光層は、最も低い温度で温度消光が生じる蛍光体被膜と、最も高い温度まで温度消光を起こしにくい蛍光体被膜との間に断熱層が設けられたことを特徴とする。
この発明によれば、前記断熱層を設けることにより、最も低い温度で温度消光が生じる前記蛍光体被膜が昇温することをさらに抑制し、前記無電極蛍光ランプの発光効率の低下を低減させることができる。
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の発明において、前記多層構造の前記発光層は、前記バルブの前記表面側から前記放電ガス側にかけて、三価のセリウムとテルビウムにより活性化されたリン酸ランタンを有する第一の蛍光体被膜と、二価のユーロピウムにより活性化されたバリウムマグネシウムアルミン酸塩を有する第二の蛍光体被膜と、三価のユーロピウムにより活性化された酸化イットリウムを有する第三の蛍光体被膜と、を備えてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記第三の蛍光体被膜における三価のユーロピウムにより活性化された酸化イットリウムの発光効率を向上するとともに、前記第一の蛍光体被膜における三価のセリウムとテルビウムにより活性化されたリン酸ランタンの温度消光を低減させることができ、より発光効率の低下を抑制した前記無電極蛍光ランプとすることができる。
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の無電極蛍光ランプと、該無電極蛍光ランプを点灯させる点灯装置とを備えた照明器具であることを特徴とする。
この発明によれば、点灯中の昇温に伴う発光効率の低下を抑制可能な無電極蛍光ランプを備えた照明器具とすることで、よりエネルギー効率の高い照明器具とすることができる。
請求項1の発明では、発光層の少なくとも一部が、2層以上の蛍光体被膜からなり、バルブの表面側から放電ガス側にかけて、温度消光が生ずる温度がより高い蛍光体被膜を順に備えた多層構造の発光層とする無電極蛍光ランプにより、蛍光体の温度消光にともなう無電極蛍光ランプの発光効率の低下を抑制することができるという効果がある。
請求項7の発明では、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の無電極蛍光ランプと、該無電極蛍光ランプを点灯させる点灯装置とを備えた照明器具とすることで、よりエネルギー効率の高い照明器具とすることができるという効果がある。
(実施形態1)
以下、本実施形態の無電極蛍光ランプについて図1を用いて説明する。
以下、本実施形態の無電極蛍光ランプについて図1を用いて説明する。
本実施形態の無電極蛍光ランプ1は、図1(b)に示すように透光性材料からなり内部に気体が気密封止された少なくとも外殻部3と該外殻部3の内側に落ち窪んだ凹部4とを備えたバルブ2と、該バルブ2の放電空間において前記気体を励起して放電ガスにするため前記凹部4内に収められた誘導コイル23と、前記バルブ2における前記内部側の表面に前記放電ガスから放射される紫外線によって励起され発光する発光層と、を有する。
前記発光層の少なくとも一部は、図1(a)に示すように多層構造の発光層6であって、前記バルブ2の前記表面側から前記放電ガス側にかけて、温度消光が生ずる温度がより高くなるようにLAP蛍光体を有する第一の蛍光体被膜61と、BAM蛍光体を有する第二の蛍光体被膜62と、YOX蛍光体を有する第三の蛍光体被膜63を順に備えている。
以下、本実施形態の各構成について詳述する。
本実施形態の基本構成として、無電極蛍光ランプ1は、透光性材料(ガラス等)によって形成したバルブ2、バルブ2の底に取り付けた略円筒形の口金9で構成するランプ部10と、高周波電流が通電されることによりバルブ2内に誘導電磁界を発生させる誘導コイル23を有しランプ部10に結合されるパワーカプラ部20と、を備えている。
ランプ部10を構成するバルブ2は、全体として電球形状をしており、外殻部3と、該外殻部3の内側に窪んだ凹部4と、該凹部4内の底面から該凹部4内に立設した管状部5とから構成し、内部には希ガス(アルゴンやクリプトン等)や水銀蒸気などの気体を封入してある。また、バルブ2における内部側の表面には、アルミナ等の金属酸化物からなる保護膜(図示せず)を形成し、該保護膜上には発光層として励起された水銀が放出する紫外線を可視光に変換するための蛍光体が結着剤により固定された蛍光体被膜が形成されている。保護膜は、バルブ2のガラス成分が当該バルブ2の内部側へ溶出するのを防ぎ、ガラス成分と水銀の化学反応による光透過率の低下を防止するために好適に設けることができる。
外殻部3は、主となる発光部位で、球状の部分3aと円筒状の部分3bとが連続して形成してある。また上述の円筒状部分3bの外周には、口金9を固定するための係止溝3cを形成してある。
凹部4は、凹部4のフランジ部4aと外殻部3における円筒状の部分3bとが溶接され、円筒状の部分3bの端から外殻部3の内側に落ち窪んだ円筒状に形成され、窪みの底で底面を形成してある。
管状部5は、凹部4の円筒よりも細い円筒状に形成しており、軸方向の一端部を凹部4内の前記底面の中央部に立設し、その内部空間は外殻部3の内側と凹部4の外側で囲んだ放電空間と連通してある。管状部5は、バルブ2の内部を排気するための排気管を用いて形成したものであって、他端部が凹部4の外部に引き出され、バルブ2の内部を排気しアルゴンガスなどの気体を導入した後、管状部5内にアマルガムが収納された容器8を収め管状部5の前記他端部を封止してバルブ2を気密密封してある。
また、管状部5の内壁には、管状部5の開口部を有する前記一端部側に、内方に突起する突起部5aを形成しており、容器8を突起部5aと管状部5内に配置された円柱状の棒7で保持している。突起部5aはバルブ2の相対的に温度の高い位置として、後述の誘導コイル23の内側でバルブ2内の略中心部の位置に設けることが好ましい。
アマルガムが収納された容器8は、中空の円筒容器形状に形成した金属材料(例えば、FeNi合金)からなる容器8であり、容器8の内部に前記放電空間に水銀蒸気を供給する粒子状のアマルガムが収納されている。アマルガムは、例えばビスマスとインジウムとの合金からなる基体金属に水銀を含有させたものである。この水銀を含有するアマルガムを使用することにより、水銀単体を使用した場合に比較して、広い温度範囲でバルブ2内の水銀蒸気圧を略一定に保つことができる。また、容器8の長手方向の外周壁には水銀蒸気が出入り可能であるとともに、アマルガムの脱落を防止可能な孔を複数貫設してある(図示しない)。
ランプ部10を構成する口金9は、樹脂材等により両端が開口する円筒状に形成し、内周面には、内側に突出する係合突起9aを設け、当該係合突起9aはバルブ2の係止溝3cに係止してある。
一方、上述のパワーカプラ部20は、AlやCuなどの熱伝導性材料により形成されランプ部10の管状部5が挿入される円筒状の放熱パイプ21と、放熱パイプ21の軸方向の一端部側が挿着された円筒状のシリンダ24と、円筒状の放熱パイプ21と円筒状のシリンダ24とを支持する外鍔部25と、放熱パイプ21の他端部側で放熱パイプ21に外装されたフェライトコア22と、フェライトコア22に巻回された誘導コイル23とを備えている。このパワーカプラ部20は、シリンダ24の大部分、放熱パイプ21の大部分、フェライトコア22、誘導コイル23がランプ部10の凹部4内に収納され誘導コイル23が管状部5の軸方向に沿って巻回されている。
ここで、フェライトコア22としては、高温下でも飽和せず安定したインピーダンスを維持するように、例えば、キュリー温度が250℃以上、飽和磁束密度が0.5T以上のMnZnフェライトを好適に用いることができる。
次に、本実施形態の無電極蛍光ランプ1における発光層について詳述する。
本実施形態の発光層のうち多くの発光層は、後述する3種類の蛍光体(YOX蛍光体、LAP蛍光体、BAM蛍光体)を混合して、バルブ2における外殻部3と凹部4の表面に形成させているが(図示しない)、前記発光層の少なくとも一部については、図1(b)に示すように複数種類の混合させた蛍光体を用いた蛍光体被膜を形成することなく特定の多層構造となる発光層6に形成してある。
すなわち、上述したように無電極蛍光ランプ1は、バルブにおける特定の部位の温度が非常に高くなる。無電極蛍光ランプ1に、例えば、150Wの高周波電力を加えたとき、バルブ2の凹部4における誘導コイル23が配置された略中央部、凹部4の口金9の近傍部およびバルブ2の外殻部3における最大径部の表面の温度を下記の表に示す。
この表からもわかるように、凹部4における誘導コイル23が配置された前記略中央部の温度は、214℃であり、凹部4における口金9の近傍部の温度72℃、外殻部3における最大径部の温度105℃と比較して高くなっている。
本実施形態の多層構造の発光層6は、それぞれ異なる種類の蛍光体が結着材で覆われた複数の蛍光体被膜61,62,63を積層しており、バルブ2の表面側から放電ガス側にかけて、温度消光が生ずる温度がより高い蛍光体被膜61,62,63を順に備えている。
このような蛍光体被膜61,62,63に用いられる蛍光体を用いて白色発光可能な無電極蛍光ランプ1とするには、例えば、青色の光を放出する青色蛍光体の材料は、二価のユーロピウムにより活性化されたバリウムマグネシウムアルミン酸塩〔Ba2Mg2Al16O27:Eu2+〕としてBAM蛍光体を用いることができる。また、緑色の光を放出する緑色蛍光体の材料は、三価のセリウムとテルビウムにより活性化されたリン酸ランタン〔LaPO4:Ce,Tb〕としてLAP蛍光体を用いることができる。赤色の光を放出する赤色蛍光体の材料としては、三価のユーロピウムにより活性化された酸化イットリウム〔Y2O3:Eu3+〕としてYOX蛍光体を用いることができる。
このような赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体の材料を用いた3波長型蛍光ランプにおいて、LAP蛍光体は200℃以上の高温で著しく発光効率が低下(温度消光)し、YOX蛍光体は、BAM蛍光体やLAP蛍光体に比べて温度消光が生ずる温度が高く、高温側で発光効率が高い傾向にある。
本実施形態においては、特定の多層構造の発光層6をバルブ2の内部であって、凹部4における誘導コイル23側と対向する表面と、放電空間を介して誘導コイル23側と対向する外殻部3の表面に設けている。より具体的には、図1(a)に示すように、バルブ2の表面側から放電ガス側にかけて温度消光が生ずる温度がより高くなる、LAP蛍光体からなる緑色蛍光体を有する第一の蛍光体被膜61と、BAM蛍光体からなる青色蛍光体を有する第二の蛍光体被膜62と、YOX蛍光体からなる赤色蛍光体を有する第三の蛍光体被膜63を順に備えている。これによって、BAM蛍光体を有する第二の蛍光体被膜62に対してバルブ2の表面側に、より温度消光を起こしやすいLAP蛍光体を有する第一の蛍光体被膜61、放電ガス側が、より温度消光を起こしがたいYOX蛍光体を有する第三の蛍光体被膜63となる多層構造の発光層6にさせ、LAP蛍光体の温度消光を防ぎつつYOX蛍光体の発光効率も向上する無電極蛍光ランプ1にすることができる。
(実施形態2)
本実施形態の無電極蛍光ランプ1の基本構成は、実施形態1と略同一であり、図2に示すように特定の多層構造とした発光層6を、バルブ2の内部であって、凹部4における誘導コイル23側と対向する表面側に設け、放電空間を介して誘導コイル23側と対向する外殻部3の表面に設けていない点が相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の無電極蛍光ランプ1の基本構成は、実施形態1と略同一であり、図2に示すように特定の多層構造とした発光層6を、バルブ2の内部であって、凹部4における誘導コイル23側と対向する表面側に設け、放電空間を介して誘導コイル23側と対向する外殻部3の表面に設けていない点が相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
実施形態1に示す無電極蛍光ランプ1は、多層構造の発光層6として、3つの蛍光体被膜61,62,63からそれぞれ発光された緑色の光、青色の光および赤色の光を混色させた白色などの混色光を得るものであり、これにより発光効率の低下を抑制可能なものの、バルブ2における表面積の大きい外殻部3に各蛍光体被膜61,62,63をそれぞれ均一な膜厚で多層構造に形成させることは難い。
本実施形態の無電極蛍光ランプ1では、バルブ2の外殻部3の発光層は3つの赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体を混合して塗布して発光層を形成する一方、外殻部3よりも表面積の小さい凹部4における誘導コイル23側と対向する表面側にだけ特定の多層構造の発光層6としている。これにより、比較的均一な膜厚で特定の多層構造の発光層6を形成することができ、温度消光にともなう発光効率の低下を抑制することができる。
(実施形態3)
本実施形態の無電極蛍光ランプ1の基本構成は、実施形態2と略同一であり、図3に示すように特定の多層構成とした発光層6を、バルブ2の内部であって、凹部4における誘導コイル23側と対向する表面側だけに設けたものから、凹部4の側壁の表面全体にわたって設けた点が相違する。なお、実施形態2と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の無電極蛍光ランプ1の基本構成は、実施形態2と略同一であり、図3に示すように特定の多層構成とした発光層6を、バルブ2の内部であって、凹部4における誘導コイル23側と対向する表面側だけに設けたものから、凹部4の側壁の表面全体にわたって設けた点が相違する。なお、実施形態2と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態においては、凹部4の表面における発光層のみ多層構造としている。
凹部4に特定の多層構造の発光層6を形成させるためには、結着剤中に蛍光体を含有させたスラリー溶液中に凹部4となる材料を浸して形成する。そのため、実施形態2のごとく一部分にのみ多層構造の発光層6を形成することは難しく、凹部4全体を多層塗布することにより比較的簡単に各蛍光体被膜61,62,63が均一な膜厚からなる多層構造の発光層6を形成することができる。なお、凹部4の側壁だけでなく底面の表面にも特定の多層構造の発光層6を形成させる方がより簡便に形成させることができる。
また、各蛍光体被膜61,62,63に用いられる蛍光体を混合して、別途に外殻部3の表面に塗布形成させる。
次に、多層構造の発光層6が形成された凹部4のフランジ部4aを、外殻部3における円筒状の部分3bと溶接することで、円筒状の部分3bの端から外殻部3の内側に落ち窪んだ円筒状に形成されたバルブ2の形状とすることができる。
このようなバルブ2を用いることで、本実施形態の無電極蛍光ランプ1は、比較的簡単な構成で温度消光にともなう発光効率の低下を抑制することができる。
(実施形態4)
本実施形態の無電極蛍光ランプ1の基本構成は、先の実施形態1〜3と共通であるので、特徴となる部分について図4に基づいて説明する。なお、実施形態1〜3と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の無電極蛍光ランプ1の基本構成は、先の実施形態1〜3と共通であるので、特徴となる部分について図4に基づいて説明する。なお、実施形態1〜3と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の無電極蛍光ランプ1は、特定の多層構造の発光層6が、最も低い温度で温度消光が生じる第一の蛍光体被膜61と、最も高い温度まで温度消光を起こしにくい第三の蛍光体被膜63との間に断熱層15を設けることにより、最も低い温度で温度消光が生じる第一の蛍光体被膜61をより低温に維持することが可能としたものである。
より具体的には、図4に示すように、バルブ2の表面側から放電ガス側にかけて温度消光が生ずる温度がより高くなる、LAP蛍光体からなる緑色蛍光体を有する第一の蛍光体被膜61と、BAM蛍光体からなる青色蛍光体を有する第二の蛍光体被膜62と、YOX蛍光体からなる赤色蛍光体を有する第三の蛍光体被膜63を順に備え、最も温度消光を起こしにくい第三の蛍光体被膜63におけるバルブ2の表面側に断熱層15を設けてある。これにより、温度消光が生ずる温度が最も低い第一の蛍光体被膜61の昇温を抑制し、温度消光に起因する発光効率の低下を防ぐことが可能となる。このような断熱層15の材料としては、シリカ(SiO2)やチタニア(TiO2)などの金属酸化物を用いることができる。
(実施形態5)
本実施形態の照明器具は、図5に示すように実施形態1〜4に記載された無電極蛍光ランプ1を用いて照明器具30を構成している。なお、各実施形態と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の照明器具は、図5に示すように実施形態1〜4に記載された無電極蛍光ランプ1を用いて照明器具30を構成している。なお、各実施形態と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
この照明器具30は、上記実施形態1〜4に記載された無電極蛍光ランプ1を内部に収納し、該無電極蛍光ランプ1から放射された光を光取り出し面側に効率よく反射する碗形状の反射板31と、該反射板31の光取り出し面側に設けられた前面パネル32で密閉されている。また、無電極蛍光ランプ1は、当該無電極蛍光ランプ1を点灯させるために、商用電源(図示しない)からの電力を無電極蛍光ランプ1の誘導コイル23を駆動可能な点灯装置となる電源ユニット34を介して電気的に接続させてある。
このような照明器具30では、無電極蛍光ランプ1の長時間の点灯などにより、照明器具30の内部における無電極蛍光ランプ1の周囲温度の上昇に起因して、無電極蛍光ランプ1の内部の温度も上昇しやすい。しかしながら、上記実施形態1〜4を用いた無電極蛍光ランプ1は、無電極蛍光ランプ1の周囲温度が上昇したとしても、特定の多層構造の発光層6としていることにより、温度消光に起因する発光効率が低下することを抑制することが可能な照明器具30とすることができる。
1 無電極蛍光ランプ
2 バルブ
3 外殻部
4 凹部
5 管状部
6 発光層
15 断熱層
25 誘導コイル
30 照明器具
61 第一の蛍光体被膜
62 第二の蛍光体被膜
63 第三の蛍光体被膜
2 バルブ
3 外殻部
4 凹部
5 管状部
6 発光層
15 断熱層
25 誘導コイル
30 照明器具
61 第一の蛍光体被膜
62 第二の蛍光体被膜
63 第三の蛍光体被膜
Claims (7)
- 透光性材料からなり内部に気体が気密封止された少なくとも外殻部と該外殻部の内側に落ち窪んだ凹部とを備えたバルブと、該バルブの放電空間において前記気体を励起して放電ガスにするため前記凹部内に収められた誘導コイルと、前記バルブにおける前記内部側の表面に前記放電ガスから放射される紫外線によって励起され発光する発光層と、を有する無電極蛍光ランプであって、
前記発光層の少なくとも一部は、2層以上の蛍光体被膜からなり、前記バルブの前記表面側から前記放電ガス側にかけて、温度消光が生ずる温度がより高い蛍光体被膜を順に備えた多層構造であることを特徴とする無電極蛍光ランプ。 - 前記多層構造の前記発光層は、前記バルブの内部であって、前記凹部における前記誘導コイル側と対向する前記表面と、前記放電空間を介して前記誘導コイル側と対向する前記外殻部の前記表面に設けてなることを特徴とする請求項1に記載の無電極蛍光ランプ。
- 前記多層構造の前記発光層は、前記バルブの内部であって、前記凹部の前記表面に設けてなることを特徴とする請求項1に記載の無電極蛍光ランプ。
- 前記多層構造の前記発光層は、前記バルブの内部であって、前記放電空間を介して前記誘導コイル側と対向する前記外殻部の前記表面に設けてなることを特徴とする請求項1に記載の無電極蛍光ランプ。
- 前記多層構造の前記発光層は、最も低い温度で温度消光が生じる蛍光体被膜と、最も高い温度まで温度消光を起こしにくい蛍光体被膜との間に断熱層が設けられたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の無電極蛍光ランプ。
- 前記多層構造の前記発光層は、前記バルブの前記表面側から前記放電ガス側にかけて、三価のセリウムとテルビウムにより活性化されたリン酸ランタンを有する第一の蛍光体被膜と、二価のユーロピウムにより活性化されたバリウムマグネシウムアルミン酸塩を有する第二の蛍光体被膜と、三価のユーロピウムにより活性化された酸化イットリウムを有する第三の蛍光体被膜と、を備えてなることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の無電極蛍光ランプ。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の無電極蛍光ランプと、該無電極蛍光ランプを点灯させる点灯装置とを備えたことを特徴とする照明器具。
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JP2009041501A JP2010198878A (ja) | 2009-02-24 | 2009-02-24 | 無電極蛍光ランプおよびそれを用いた照明器具 |
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JP2009041501A Withdrawn JP2010198878A (ja) | 2009-02-24 | 2009-02-24 | 無電極蛍光ランプおよびそれを用いた照明器具 |
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- 2009-02-24 JP JP2009041501A patent/JP2010198878A/ja not_active Withdrawn
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