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JP2009513608A - エフェクターリンパ球と標的細胞とを結合する融合タンパク質 - Google Patents

エフェクターリンパ球と標的細胞とを結合する融合タンパク質 Download PDF

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JP2009513608A
JP2009513608A JP2008537115A JP2008537115A JP2009513608A JP 2009513608 A JP2009513608 A JP 2009513608A JP 2008537115 A JP2008537115 A JP 2008537115A JP 2008537115 A JP2008537115 A JP 2008537115A JP 2009513608 A JP2009513608 A JP 2009513608A
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イヴァン スヴェンドセン,
ヴィベケ, ウェストファル ステニッケ,
ピーター, アンドレアス, ニコライ, ルーメルト ワットマン,
Original Assignee
ノボ・ノルデイスク・エー/エス
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Abstract

エフェクターリンパ球上の活性化レセプターに特異的である抗体様タンパク質ないしはその変異体に相当する第一部位と、細胞膜タンパク質の一部に相当し、細胞結合標的に結合する第二部位を含む新規の融合タンパク質が提供され、同様に、このような融合タンパク質の生産方法、該融合タンパク質を伴う使用及び方法、並びに該融合タンパク質に関する化合物及び組成物も提供される。

Description

(本発明の分野)
本発明は、新規な製薬的組成物、タンパク質及び該組成物及びタンパク質の製造方法及び使用方法、並びに更なる関連した組成物及び方法に関する。
(発明の背景)
エフェクターリンパ球には、T細胞、例えば細胞障害性Tリンパ球(CTL)、ナチュラルキラー(NK細胞)、及びナチュラルキラーT(NKT)細胞が含まれる。これらの細胞は、癌細胞やウイルスのような疾患を引き起こす薬剤に対して身体を保護するために免疫系の能力において重要な役割を果たす。
二重特異性抗体(2つの異なった標的に特異的な抗体配列をを含む抗体)は当分野で公知である。エフェクターリンパ球上に発現される活性化レセプターに対するある部位と腫瘍細胞上の抗原に特異的な他の部位を有する二重特異性抗体は、様々な疾患の治療においての効果を明らかにすることができる。例えば、抗CD16/抗CD30二重特異性抗体は、抵抗性ホジキンリンパ腫の患者の治療に非常に有効であることが示されている。例示的な他の二重特異性抗体は、例えば、悪性のB細胞リンパ腫及びT細胞の両方を結合するものである(米国特許第6129914号)。残念なことに、ヒト抗体配列から完全になる二重特異性抗体の生成は面倒でありうる。
また、非抗体部位(しばしば「イムノアドヘシン」と称する)に結合したFc抗体ドメインを含む多くの融合タンパク質が記述されている。例えば、米国特許第5225538号では、LHRとIg Fc領域の融合タンパク質が記述されており、Kurschner等 (J. Immunol., 1992;149(12): 4096-4100)は、定常のIgドメインとのIFN-γレセプターの融合タンパク質を記述した。近年では、Regunathan等は、レセプターNGK2Dを活性化するナチュラルキラー(NK)細胞の外部ドメインとヒトの免疫グロブリンG(IgG)のFc部位を含む融合タンパク質を記述した(Blood, 105(1): 233-240 (January 1, 2005))。米国公開特許第20040072256号及び同第20020142445号では同様に、NK細胞活性化レセプターNKp30、NKp44及びNKp46及びIg Fc部位の融合タンパク質が開示されている。本内容に関連して、米国公開特許第20040138417号では、ヘテロマルチマレセプターの異なる部位に相当する配列が抗体定常領域由来の多量体化ドメインによって結合されているヘテロマルチマーアドヘシンが記述されており、米国公開特許第20030195338号にはいくらか同様にFc結合レセプター配列タンパク質が記述されている。さらに他の種類のFcベースの融合タンパク質は、日本特許第JP2005206478号及びワールドワイドウェブのアドレスscancell.co.uk/pages/products/immunobody_vaccines.htm#に記述されている。
また、他の非抗体タンパク質への抗体の抗原結合性部位の融合から生産される多特異性分子も公知である。例えば、Dreier等 (Bioconjug. Chem. 9(4): 482-489 (1998))は、トランスフェリンレセプターに対するキメラのラット/マウス抗体(ch17217)のカルボキシル末端を有する融合タンパク質として、組み換えマウスサイトカインIL2及びGM-CSFの構築を記述する。米国特許第6046310号には、抗体の可変領域から得られる部位とFASリガンド部位を含む融合タンパク質が記述されている。米国公開特許第20030103984号には意図的に、「免疫賦活性、膜輸送、及び同種親和性活性」に関与するペプチドの一部と抗体の抗原結合部位を含む、抗体-ペプチド融合タンパク質が記述されている(しかし、補体ペプチドC3dの小さいアミノ酸配列を含む融合タンパク質のみはさらに詳細に記述されるようである)。欧州特許第1413316号及び米国公開特許20040038339号には、MIC-A、MIC-B又はULBPといったNKG2D-リガンドから得られるMHC I関連のタンパク質部位と腫瘍細胞抗原に対する抗体を含む融合タンパク質が提案されている。von Strandmann等, Blood(2005-05-2177;2005年10月6日にオンラインでプレ公開)では、ULBPに結合された抗CD138抗体を含む融合タンパク質が記述されている。そして、国際公開第2004056873号では、NK細胞抗原に結合する一部位とCD2、CD4、CD44、CD69又はT細胞レセプターに結合する一部位を含む融合タンパク質が提案されている。
また、エフェクターリンパ球活性化レセプターの部位を含む非抗体多特異性融合タンパク質も記述されている。例えば、米国公開特許第20040115198号では、例えば、NKG2D-DAP10融合タンパク質、及び異なる細胞外リガンド結合ドメインとNKG2Dの膜貫通ドメイン又は細胞質ドメインの融合が記述されている。
抗体融合タンパク質又は多特異性分子の他の種類は、米国特許第6407221号及び同第5359046号(膜結合型抗体融合タンパク質)において例証されている。米国公開特許第2002187151号(例えば多価NKG2D-リガンド);及び、米国特許第6881828号(例えばB2Mペプチドに結合した抗原性ペプチドを含む融合タンパク質)。
前述のことにもかかわらず、標的細胞の選択集団に対するエフェクターリンパ球の活性化を促しうる代替できる改善した多特異性分子が以前として求められている。上述の通り、文献では、例えば、例えばCD138-特異的抗体を介した腫瘍細胞、及びULBPなどのNKG2D-リガンドを介したエフェクターリンパ球上のNKG2D-レセプターを結合する融合タンパク質が提案されている。しかしながら、NKG2D-レセプターは癌において下方制御されていることが多いので、このようなコンストラクトのフレキシビリティは制限されうる(Groh等, Nature 2002 419:734-8)。さらに、抗体部位は典型的に、単一の抗原に特異的であり、その抗原の発現は腫瘍特異性でない可能性があり、腫瘍での抗原発現は、例えばいわゆる腫瘍の「エスケープ変異体」では減少しうるか欠失している。当分野のこれらの課題及び他の課題を解決するために、本発明は、新規かつ有用な分子、該分子の製造方法、及び該分子の使用方法を提供する。本明細書において示す開示内容を詳細に見ると、これら及び他の発明の特徴、態様及び更なるその利点は、通常の当業者に明らかであろう。
(発明の概要)
本発明のある例示的な態様では、抗体様タンパク質の少なくとも一部位(「抗体部位」)に相当し、エフェクターリンパ球活性化レセプターを結合することができる部位と、細胞膜結合部位の細胞外ドメインの少なくとも機能的な及び/又はリガンド結合セグメントないしはその機能的な変異体に相当する第二部位(「標的結合部位」)とを含んでなる新規の融合タンパク質を提供する。例示的な細胞膜関連タンパク質は、タイプIIレセプター(すなわち細胞の細胞質側に提示されるそれらのアミノ末端及び外側のカルボキシ末端を有するレセプター)であるもの、及び/又はそのリガンドが腫瘍細胞、ウイルス感染細胞又は他の標的細胞に発現されるものである。
さらに、本発明は、前記融合タンパク質の新規な製造方法、様々な適用法(例えば、ウイルス感染、癌などのような疾患の治療)において前記融合タンパク質を用いる方法、及び前記融合タンパク質に関する様々な更なる化合物、組成物及び方法(例えば、発明の融合タンパク質、関連したベクター、宿主細胞などの産生のためのコード核酸)に関する。
これら及び更なる例示的な発明の態様及び本発明の特徴は、具体的な本発明の態様の以下の一覧により説明され、本明細書の他の部分に広く記述される。
(発明の説明)
本明細書において記述される本発明は、新規なタンパク質及びタンパク質関連分子(例えば様々なタンパク質誘導体)、医薬組成物及び他の組成物、該組成物の新規な方法及び使用、新規なタンパク質に関連する組成物(例えば同じものをコードする核酸分子、該核酸を含む細胞など)などを含む、多くの態様を有する。本発明の様々な例示的な態様が別々に本明細書中に記載されているが、特記又は明らかに示さない限り、読者は、本明細書に示される様々な教示内容を互いに好適に組み合わせうることを理解するであろう。
本発明は、免疫系による破壊のために、例えば腫瘍細胞又はウイルス感染細胞などの標的細胞を特異的に「標識する」ために設定されるある融合タンパク質に、ある程度基づく。これは、エフェクターリンパ球に特異的に結合することができる抗体の一部を、レセプター(該レセプターのリガンドは標的細胞上に発現している)のリガンド結合部位に融合することによって達成される。
ゆえに、ある例示的な態様では、本発明は、エフェクターリンパ球活性化レセプターに特異的に結合する抗体様「第一部位」と、細胞膜タンパク質の細胞外ドメインの少なくとも機能的な部位ないしはその機能的な変異体に相当する異なる「第二部位」とを含む新規のタンパク質を提供する。本明細書中で「標的結合部位」と称する第二部位は、エフェクターリンパ球活性化レセプターと異なる少なくとも一の細胞結合標的(「二次標的」)を結合することができる。また、第二部位は「膜タンパク質細胞外ドメイン部位」と称してもよい。融合タンパク質の第一部位及び第二部分がエフェクター細胞上の活性化レセプター及び、標的細胞上の抗原に結合する場合、前者は活性化レセプターを架橋し、エフェクター細胞を誘発して、特定の抗原提示細胞を殺傷するであろう。
本発明の融合タンパク質の「第一部分」は、活性化レセプター結合抗体様タンパク質部位である。いずれか特定の種類の抗体ないしは抗体様タンパク質に限定するものではないが、便宜上、本明細書中ではこの部分を「抗体部位」と称する。抗体部位は、融合タンパク質に含まれる標的結合タンパク質を特異的に結合しない。
一般に、抗体及び標的結合部位は、任意の適切な方法で本発明の融合タンパク質内に含有されても、任意の適切な種類の高次構造、構造などを有してもよい。抗体及び標的結合部位の位置決め及び物理的性質に関する「適合性」は、問題となる融合タンパク質の(a)エフェクターリンパ球活性化レセプターを少なくとも結合し、(b)標的結合部位のレセプター又はリガンドを結合する(望ましくは所望の生理作用を促進するために生理学的条件下で十分な親和性を有して結合する)能力によって決定される。本発明の少なくともいくつかの融合タンパク質の利点は、正常な条件下でエフェクターリンパ球によって調節される特定の疾患、状態又は疾病(例えば癌、ウイルス感染など)と関係する細胞上に提示される標的を標的結合部位によって結合するとともに、エフェクターリンパ球(例えばNK細胞)上の活性化レセプターを結合して望ましくは活性化し、個体の免疫系を促進して疾患関連細胞に作用し、それによって治療的効果を誘導する又は促進する能力である。また、適合性は、免疫原性及び他の望ましくない性質(例えば毒性)、安定性、有効期間などの因子を考慮しうる。
ある態様では、抗体及び標的-結合部位は、個々のアミノ酸配列、関連のアミノ酸配列(例えば、多量体化、システイン-システイン結合又は他のメカニズムによって)又は(それぞれ)それらの組み合わせ含み、この部位に含まれる配列は互いに直接結合している。他の態様では、抗体及び標的-結合部位は、リンカー残基、配列又は適切な非アミノ酸部分リンカーによって切り離される。ある態様では、本発明は、一又は複数の関連するタンパク質鎖全体に、単一の標的-結合部位に結合した単一の抗体部位を含んでなり、この抗体部位と標的-結合部位はそれぞれN末端からC末端に方向付けられている融合タンパク質を提供する。特に例示的な面では、本発明は、単一の抗体部位(1つのタンパク質鎖上であろうと複数のタンパク質鎖上であろうと)は標的-結合部位のN末端に直接結合し、この抗体部位及び/又は標的-結合部位は場合によって融合タンパク質の末端に位置しうる融合タンパク質を提供する。
抗体部位(一又は複数)及び標的-結合部位はそれぞれ、任意の数のタンパク質鎖上に分布する任意の適切な数の標的結合(すなわちエフェクター-リンパ球活性化レセプター-結合及び二次標的-結合)アミノ酸配列を含みうる。各々の部位又は両部位(又は、該当する場合には複数例の一又は複数の該部位)は、例えば、1又は2の関連するタンパク質鎖に分布する1、2又はそれより多いアミノ酸配列を含みうる。ある例示的な態様では、本発明は、一又は複数の関連するタンパク質鎖(例えば2、4、6、10又はそれより多い鎖)に分布する2より多いエフェクターリンパ球活性化レセプター結合配列(例えば3、4、6、8、10、12の配列など)を含んでなる抗体部位を含む融合タンパク質を提供する。
ある態様では、本発明の融合タンパク質は、本発明の背景において引用した参考文献に記載のいずれかの融合タンパク質によって結合される一又は複数のエフェクターリンパ球レセプターに結合しない抗体部位、及び/又は本発明の背景において引用した参考文献に記載の融合タンパク質によって結合される一又は複数の標的に結合しない標的結合部位を含んでなることを特徴としうる。他の異なる態様では、本発明の融合タンパク質のいくつかは、NKG2Dを結合しない抗体部位、NKG2Dを結合しない標的-結合部位、CD138を結合しない抗体部位、CD138を結合しない標的結合部位、又はこれらのいずれかの組み合わせを有することを特徴としうる。
便宜上、これら2種類の融合タンパク質「部位」は、以下の項目に別々に詳述される。
抗体部位
本発明の融合タンパク質の抗体部位は、一又は複数のアミノ酸配列を含んでなり、この配列(一又は複数)はエフェクターリンパ球活性化レセプターに結合することができ、該配列(一又は複数)は抗体ないしは抗体様タンパク質の少なくとも一部に相当する該融合タンパク質の一部に関する。
本明細書中の「抗体様タンパク質」などの用語は、エフェクターリンパ球活性化レセプターに特異的に結合することができるが、レセプターの天然に生じる内在性リガンド又はレセプターの天然に生じる内在性リガンドに非常に類似するタンパク質ではないタンパク質を指す(例えば、抗体様は、概して、エフェクターリンパ球活性化レセプターの天然に生じるリガンドに、およそ75%以下、およそ70%以下、およそ65%以下、およそ60%以下、およそ55%以下、およそ50%以下、およそ45%以下、又はさらにおよそ40%以下のアミノ酸配列同一性を示す)。典型的な抗体様タンパク質には、抗体及び、アフィボディ、アンチカリン又はトリネクチンのようなタンパク質の特定の結合に関して抗体と類似して作用する他のタンパク質分子が含まれる。このような抗体様タンパク質の具体的な例は本明細書中の他のところに記述される。
典型的に、抗体部位は、抗体の機能的部位に相当する一又は複数のアミノ酸配列を含んでなる。抗体は、抗原ないしは本質的に等価な分子に応答して細胞によって産生される免疫グロブリン分子(例えば、このような細胞によって産生される免疫グロブリン分子に実質的に相当する合成して産生された免疫グロブリン分子)である。免疫グロブリンは、重鎖(例えばα、Δ、ε、γ及びμ鎖)及び軽鎖(例えばκ及びλ鎖)を含んでなる構造的に関連したタンパク質の種類である。ヒトでは、免疫グロブリンは、どの重鎖がIg分子に含有されるかによって5つの主要なクラス(IgA、IgD、IgE、IgG及びIgM)に分類されうる。免疫グロブリンの構造は十分に特徴付けられている。例としてFUNDAMENTAL IMMUNOLOGY (Paul, W., ed., 2nd ed. Raven Press, N.Y. (1989))を参照。天然に生じる抗体(保存されたフレームワーク領域(FR)によって分断された相補性決定領域(CDR)を含む)の可変領域のアミノ酸残基の番号付けは、Kabat等, SEQUENCES OF PROTEINS OF IMMUNOLOGICAL INTEREST, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD. (1991)に記述される方法を用いて都合よく実行されうる(「Kabatにおける可変ドメイン残基番号付け」、「Kabatに従う」のような語句及び本明細書中の類似の語句は、重鎖可変ドメイン又は軽鎖可変ドメインの番号付けシステムを指す)。この番号付けシステムを用いると、ペプチドの実際の線形アミノ酸配列は、可変ドメインのFR又はCDRの短縮形又はその中への挿入に相当する、より少ないアミノ酸又は追加なアミノ酸を含みうる。例えば、重鎖可変ドメインは、CDR H2の残基52の後に単一のアミノ酸の挿入(Kabatに従えば残基52a)と、重鎖FR残基82の後に挿入された残基(例えば、Kabatに従うと残基82a、82b及び82cなど)を含みうる。残基のKabat番号付けは、既知の抗体について、「標準の」Kabat番号付け配列と該抗体の配列の同一性の領域での整列によって決定されうる。
特記又は特に示さない限り、本明細書中の「抗体」なる用語にはポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体(mAb)が含まれる。「モノクローナル抗体」なる用語は、均一な構造及び特性を有する均質な抗体集団を含む組成物に関する。ポリクローナル抗体は混合した特性を有する。ポリクローナル抗体は、典型的に、免疫原的に誘発された動物の血清から得られる。モノクローナル抗体は様々な公知の手段、例えばハイブリドーマ技術、ファージディスプレイ技術又は合成方法によって生産されてもよく、その例は本明細書中の他のところで記述され、及び/又は当分野で公知である。
本発明の文脈における抗体はいずれかのアイソタイプを有し得、特定のアイソタイプの対象の抗体は従来の技術を用いて得た元の抗体に関して「アイソタイプスイッチされ(isotype switched)」うる。このような技術には、直接組換え技術(例えば米国特許第4816397号)、細胞-細胞融合技術(例えば米国特許第5916771号)、及び当分野で公知の他の適切な技術の使用が含まれる。典型的に、抗体様タンパク質は、ヒトのIgGアイソタイプ抗体の少なくとも一部に相当する。
抗体様タンパク質は、ヒト抗体を産生するように設定されたトランスジェニック動物において産生されたヒト抗体に有利に相当しうる。このような動物システムの例は、XenoMouseTM(Abgenix - Fremont, CA, USA)である(例えばGreen等 Nature Genetics 7:13-21 (1994);Mendez等 Nature Genetics 15:146-156 (1997);Green and Jakobovits J. Exp. Med. 188: 483-495 (1998);欧州特許第0463151号B1;国際特許出願第94/02602号、同第96/34096号;同第98/24893号、同第99/45031号、同第99/53049号及び同第00/037504号;及び米国特許第5916771号、同第5939598号、同第5985615号、同第5998209号、同第5994619号、同第6075181号、同第6091001号、同第6114598号及び同第6130364号を参照)。また、抗体様タンパク質は、ヒト化抗体又はキメラ抗体の一部に相当しうる。
抗体の抗原結合性機能は任意の数の適切な「断片」によって実行されうる。したがって、抗体部位は、抗体の機能的「断片」を含むか、それからなるか、又は基本的にそれからなりうる。抗体「断片」は、「完全長」抗体分子の機能的部位を含むタンパク質として特徴付けることができる。「断片」なる用語は、このような分子がどのように作られるかを定めることを意図しない。抗体「断片」は、抗体分子の実際の断片化によって、抗体分子の一部の組換え産生によって、又は他の適切な技術によって得られうる。抗体は、従来の技術を用いて断片化することができ、例えば、該断片は、所望の標的を好適に結合する能力に関して「全」又は「完全長」抗体に関して本明細書の他のところに記載と同じ方法で、有用性についてスクリーニングすることができる。例えば、F(ab')2断片は抗体をペプシンで処理することによって生成されうる。その結果として生じるF(ab')2断片は、ジスルフィド架橋を還元してFab'断片を生じるように処理することができる。Fab断片は、IgG抗体をパパインで処理することによって得ることができる;F(ab')断片は、IgG抗体のペプシン消化により得ることができる。また、F(ab')断片はFab'をチオエーテル結合又はジスルフィド結合を介して結合することによって製造することもできる。Fab'断片は、F(ab')2のヒンジ領域のジスルフィド結合を切断することによって得られる抗体断片である。Fab'断片は、ジチオトレイトールのような還元剤でF(ab')2断片を処理することによって得ることができる。また、抗体断片はこのようなペプチドをコードする核酸の、組換え細胞中における発現によっても生成されうる(例としてEvans等, J. Immunol. Meth. 184: 123-38 (1995)を参照)。例えば、F(ab')2断片の一部をコードするキメラ遺伝子は、H鎖のCH1ドメイン及びヒンジ領域をコードするDNA配列の後に、この切断型の抗体断片分子を生じるための翻訳停止コドンを含みうる。
公知の抗体断片の例には、(i) Fab断片、即ち、VL、VH、CL及びCH Iドメインから本質的になる一価の断片;(ii) F(ab)2及びF(ab')2断片、即ち、ヒンジ領域でジスルフィド架橋により結合された2つのFab断片を含んでなる二価の断片;(iii) VH及びCH1ドメインから本質的になるFd 断片;(iv) 抗体の単一アームのVL及びVHドメインから本質的になるFv 断片;(v) VHドメインから本質的になるdAb 断片(Ward等, (1989) Nature 341:544-546);及び、 (vi) 単離された相補性決定領域(CDR)が含まれる。さらに、Fv断片の2つのドメイン、即ち、VL及びVHは別々の遺伝子によってコードされるが、それらは組換え法を使用して、合成のリンカーによって連結することができ、該リンカーによってVL及びVH領域が組み合わさって一価の分子を形成する単一タンパク質として作製される(単鎖抗体又は単鎖Fv(scFv)として知られる;例としてBird等 (1988) Science 242:423-426:及びHuston等 (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883を参照)。特に明記しない限り、又は前後関係によって明らかに示されない限り、このような単一抗体もまた抗体断片及び抗体様ペプチド/分子などの用語に包含される。単鎖抗体の他の形状、例えばダイアボディも通常これらの用語に包含されることが目的とされる。ダイアボディは二価の二重特異性抗体であり、VH及びVLドメインが単一のポリペプチド鎖上に発現されるが、典型的には、これら2つのドメインを同じ鎖上で対形成させるにはあまりに短いリンカーを使用するため、これらドメインをもう一つの鎖の相補的なドメインと対にして、2つの抗原結合部位を形成する(例としてHolliger, P.,等 (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444-6448;Poljak, R. J.,等 (1994) Structure 2:1121-1123;及びCao等 (1998), Bioconjugate Chem. 9, 635-644を参照)。完全長抗体と類似の標的分子結合性質を有するにもかかわらず、抗体断片第一部位をひとまとめにして各々独立して含む融合タンパク質は、本発明の特有な特徴と考えられ、概して、「完全な」又はほぼ完全な抗体第一部分を含む融合タンパク質とは異なる生物学的性質及び/又は生理化学的性質と有用性を示す。
抗体部位に含まれる各々のエフェクターリンパ球活性化レセプター-結合アミノ酸配列は、任意の適切な長さと組成物を有しうる。典型的に、単一のレセプター-結合部位は、およそ50〜500アミノ酸長、例えばおよそ100〜450アミノ酸長である。しかしながら、また、レセプター結合抗体部位は、第一細胞性標的を結合するために共同で関与する多くの部分配列(例えば2、3、4、5、6又はそれより多い部分配列)を含みうる。このような第一標的-部分配列は、抗体部位の第一部位の一又は複数の(例えば2)鎖に分かれて存在しうる。ある例示的な態様では、本発明は、およそ75〜150アミノ酸長の第一エフェクターリンパ球活性化レセプター-結合部分配列をそれぞれ含む2つの関連するペプチド鎖を含んでなり、この鎖で区切られたレセプター-結合部位が相互作用して一又は複数の標的(例えば第一部位が所望の標的のサブセットに対して交差反応性を示す場合には単一の標的又は複数の標的)を特異的に結合するものである融合タンパク質を提供する。他の図示する態様では、本発明は、スペーサー/リンカーによって切り離される2つの第一エフェクターリンパ球活性化レセプター-結合部分配列を含む単一タンパク質鎖を含んでなり、分離された第一標的-結合部位が相互作用して一又は複数の標的を特異的に結合するものである融合タンパク質を提供する。
一実施態様では、抗体部位はそれ自体では、結合してもエフェクターリンパ球活性化レセプターを活性化しない。その代わりに、融合タンパク質の第一部位及び第二部位がエフェクター細胞上の活性化レセプター及び、標的細胞上の抗原に結合すると、前者は活性化レセプターを架橋させて、エフェクター細胞を誘導して特定の抗原提示細胞を殺すであろう。代替的な実施形態では、抗体は結合するとレセプターを活性化する。抗体又は融合タンパク質がある場合及びない場合でのリンパ球による標的細胞-殺傷能力を評価するための標準的な機能的アッセイを準備し、抗体部位の結合するレセプターを活性化する能力について評価及び/又はスクリーニングすることができる(例として実施例2及び4を参照)。
抗体部位は任意の適切な種類のエフェクターリンパ球活性化レセプター-結合抗体様タンパク質に相当するか、又はそれに由来しうる(すなわち、その変異体及び/又は誘導体である)。ある態様では、本発明は、NK細胞、T細胞及び/又はNKT細胞に発現される活性化レセプターに対する抗体に相当するか又はそれに由来する抗体部位を含んでなる融合タンパク質を提供する。
ある態様では、本発明は、哺乳動物(例えばヒト)のT細胞上に提示される(すなわち、ディスプレイされる)ペプチドに対する少なくとも抗体の一部ないしはその機能的断片に対応するアミノ酸配列を含む抗体部位を含んでなる融合タンパク質を提供する。特定の態様では、本発明は、T細胞レセプター(TCR)の一部に特異的な少なくとも抗体の一部ないしはその機能的変異体に相当する抗体部位を含んでなる融合タンパク質を提供する。ある好都合な例示的な態様では、本発明は、CD3のようなTCRの不変部位ないしは不変γ-ΔTCR鎖に特異的である抗体の少なくとも一部を含むか又は相当する抗体部位か、又は該抗体部位の機能的な変異体を含むか又は相当する抗体部位を含んでなる融合タンパク質を提供する。
様々なTCR及びTCRサブユニットの配列及び組成物は記述されているか又は知られており(GenBank寄託番号AAW31109、AAW31108、AAW31107、AAW31106、AAW31105、AAW31104及びAAW31103;及び米国特許第5169938号を参照)、TCRに対する抗体を生産するための様々な方法は既に開発されている(近年、可溶性TCRに対する、さらにより最近では、いわゆるモノクローナルTCRに対する抗体の作製を含む)。このようなタンパク質を容易に用いて抗体を生産することができ、そのTCR特異的第一部位は本発明に記載の融合タンパク質に含めるために得られうる。例示的な抗TCR抗体産生方法、抗体及び関連した原則は、例えばNecker等, Eur J Immunol. 1991 Dec;21(12): 3035-40; Brodnicki等, Mol Immunol. 1996 Feb;33(3): 253-63 and Mol Immunol 1996 May-Jun;33(7-8): 735 (erratum); Tsang等, Vet Immunol Immunopathol. 2005 Jan 10;103(1-2): 113-127; Pavlistova等, Immunol Lett. 2003 Aug 5;88(2): 105-8; Kubo等, J Immunol. 1989 Apr 15;142(8): 2736-42;及び米国特許第5616472号;同第5766947号;同第5980892号;及び同第6392020号に記載される。TCRに対する抗体は現在市販されている。市販の抗TCR Abの例には、Serotecカタログ番号(MCA987;MCA987T;MCA990;MCA990T;MCA990F;MCA990FT(Serotec, Varilhes, France)が含まれる。
また、本明細書の他のところで示されるように、本発明のある有用な態様は、CD3に特異的な抗体部位を含んでなる融合タンパク質に具体化される。抗CD3抗体、抗CD3抗体断片、該タンパク質の誘導体、そして、該抗体の産生及び使用に関連した原則は公知である(例えばDunstone等, Acta Crystallogr D Biol Crystallogr. 2004 Aug;60(Pt 8): 1425-8;Le Gall等, J Immunol Methods. 2004 Feb 1;285(1): 111-27;Renders等, Clin Exp Immunol. 2003 Sep;133(3): 307-9;Norman等, Transplantation. 2000 Dec 27;70(12): 1707-12;Cole等, J Immunol. 1997 Oct 1;159(7): 3613-21;Arakawa等, J Biochem (Tokyo). 1996 Sep;120(3): 657-62;Adair等, Hum Antibodies Hybridomas. 1994;5(1-2): 41-7;米国公開特許第20040202657号、同第20040175786号、同第20040058445号及び同第20030216551号、国際公開第91/09968号及び米国特許第6890753号;同第6750325号;同第6706265号;同第6406696号;同第6143297号;同第6113901号;同第5968509号;同第5929212号;同第5834597号;同第5658741号;同第5585097号;及び同第5527713号を参照)。市販の抗CD3抗体の例はマウスOKT3抗体である。OKT3の軽鎖及び重鎖の可変配列は、それぞれAla Ser Gly Val Pro Ala His Phe Arg Gly Ser Gly Ser Gly Thr Ser Tyr Ser Leu Thr Ile Ser Gly Met Glu Ala Glu Asp Ala Ala Thr Tyr Tyr Cys Gln Gln Trp Ser Ser Asn Pro Phe Thr Phe Gly Ser Gly Thr Lys le Ile Asn Arg Ala(配列番号:1)及び、Gln Val Gln Val Gln Gln Ser Gly Ala Glu Leu Ala Arg Pro Gly Ala Ser Val Lys Met Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Thr Arg Tyr Thr Met Leu Gly Met His Trp Val Lys Gln Arg Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Ile Gly Tyr Ile Asn Pro Ser Arg(配列番号:2)である(GenBank寄託番号BAA11539も参照)。このような配列、又は標的CD3に特異性を有する非常に類似した配列は、本発明のある態様に係る融合タンパク質において全体的にあるいは部分的に、抗体部位を形成しうる。
他の例示的な態様では、CD3を特異的に結合する抗体部位を含んでなる融合タンパク質が提供され、このときの抗体部位は、配列Met Ala Gln Val Gln Leu Gln Gln Ser Gly Pro Glu Leu Val Lys Pro Gly Thr Ser Val Lys Met Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Lys Phe Ile Ser Tyr Val Ile His Trp Val Lys Gln Lys Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Ile Gly Tyr Ile Asn Pro Tyr Asn Ala Val Thr Lys Tyr Asn Glu Lys Phe Lys Gly Lys Ala Thr Leu Thr Ser Asp Lys Ser Ser Ser Thr Ala Ser Met Glu Leu Ile Ser Leu Thr Ser Glu d Ser Thr Val Tyr Tyr Cys Thr Arg Ser Asp Tyr Tyr Asp Tyr Asp Gly Phe Ala Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Leu Ile Thr Val Ser Ala Ala Lys Thr Thr Pro Pro Ser Val Tyr Pro Leu Ser Arg Gly Ser Arg−配列番号:3)を含むか、これからなるか、又は基本的にこれからなる抗CD3抗体重鎖領域ないしはその機能的部位、及び配列Gln Ile Val Leu Thr Gln Ser Pro Ala Ile Met Ser Ala Ser Pro Gly Glu Lys Val Thr Met Thr Cys Ser Ala Ser Ser Ser Val Ser Tyr Ile His Trp Tyr Gln Gln Lys Ser Gly Thr Ser Pro Lys Arg Trp Ile Tyr Asp Ile Ser Lys Leu Ala Ser Gly Val Pro Val Arg Phe Ser Gly Ser Gly Ser Gly Thr Ser Tyr Ser Leu Thr Ile Ser Ser Val Glu Ala Glu Asp Ala Ala Thr Tyr Tyr Cys Gln Gln Trp Ser Thr Asn Pro Pro Thr Phe Gly Ala Gly Thr Lys Leu Val Leu Lys Arg Ala Asp Ala Ala Pro Thr Val Ser−配列番号:4)を含むか、これからなるか、又は基本的にこれからなる抗CD3軽鎖領域ないしはその機能的部位を含むものである。
さらに他の態様では、本発明は、配列(a) Ser-Phe-Pro-Met-Ala(配列番号:5)、(b) Thr-Ile-Ser-Thr-Ser-Gly-Gly-Arg-Thr-Tyr-Tyr-Arg-Asp-Ser-Val-Lys-Gly(配列番号:6)、(c) Phe Arg Gln Tyr Ser Gly Gly Phe Asp Tyr(配列番号:7)を含むか、これからなるか、又は基本的にこれからなる「重鎖」CDRと、配列(d) Thr Leu Ser Ser Gly Asn Ile Glu Asn Asn Tyr Val His(配列番号:8)、(e) Asp Asp Asp Lys Arg Pro Asp(配列番号:9)、及び(f) His Ser Tyr Val Ser Ser Phe Asn Val(配列番号:10)を含むか、これからなるか、又は基本的にこれからなる、典型的には重鎖CDRの異なるタンパク質鎖上の3つの「軽鎖」CDR(本明細書中の他のところに記載されるある抗体変異体/断片の場合を除く)を含む、CD3特異的抗体部位を含んでなる融合タンパク質を提供する。
他の特定の例示的態様では、本発明は、配列Met Gly Leu Ser Gln Val Gln Leu Gln Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Lys Leu Pro Gly Thr Leu Ser Leu Thr Cys Ala Val Ser Gly Gly Ser Ile Ser Ser Ser Asn Trp Trp Ser Trp Val Arg Gln Pro P Gly Lys Gly Leu Glu Trp Ile Gly Gln Ile Ser His Ser Gly Ser Thr Asn Tyr Asn Pro Ser Leu Lys Ser Arg Val Thr Ile Ser Ala Asp Thr Ser Lys Asn Gln Phe Ser Leu Lys Val Asn Ser Val Thr Ala Ala Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys Ala Arg Arg Asn Tyr Asp Ile Trp Ser Gly Gly Asp Gly Pro Phe Asp Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Leu Val Thr Val Ser(配列番号:11)を含むか、これからなるか、又は基本的にこれからなる重鎖部位と、配列Met Glu Phe Gly Leu Ser Trp Val Phe Leu Val Ala Ile Leu Glu Gly Val His Cys Glu Val Gln Leu Val Glu Ser Gly Gly Gly Leu Val Gln Pro Gly G Ser Leu Arg Leu Ser Cys Ala Ala Ser Gly Phe Thr Phe Asp Asp Tyr Tyr Leu Asn Trp Ile Arg Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Val Ala Asn Ile Lys Arg Asp Gly Arg Glu Lys Tyr Tyr Val Asp Ser Val Glu Gly Arg Phe Thr Ile Ser Arg Asp Asn Ala Gln Asn Ser Leu Phe Leu Asn Leu Asn Ser Leu Arg Ala Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys Ala Arg Arg Ser Gly Gly Thr Thr Gly Tyr Phe Asp Leu Trp Gly Arg Gly Thr Leu Val Thr Val Ser(配列番号:12)を含むか、これからなるか、又は基本的にこれからなる軽鎖部位を含む抗CD3抗体部位を含んでなる融合タンパク質を提供する。
典型的に、機能的な抗体配列の基本的な性質はその特異的な結合性質を含む。このような基本性質は、いくつかの配列に共有されてもよく、発明の融合タンパク質の前後関係において、他のアミノ酸配列との新規の組み合わせを形成してもよい。
更なる抗CD3抗体配列であって、その一部がエフェクターリンパ球活性化レセプター-結合部位として直接用いられうるか又は抗体部位に含めるための機能的な変異体を産生するために修飾されうる抗CD3抗体配列は、GenBank寄託番号AAC28461及びAAC28462(それぞれ関連の軽鎖及び重鎖の前駆体);AAA39159及びAAA39272(それぞれ関連の軽鎖及び重鎖の可変配列);AAB81028及びAAB81027(関連の重鎖及び軽鎖の可変配列);CAB63951;CAC10847;AAC62751;AAC28464;AAB81026;AAB81025;及びCAB65246;及びLeo等, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 84 (5), 1374-1378 (1987)及びBruenke等, Br J Haematol. 2004 Apr;125(2): 167-79に記録される。
他の例示的な態様では、本発明は、CD16に特異的である抗体部位を含んでなる融合タンパク質を提供する。ある態様では、本発明は、単一の抗体部位を含んでなり、この単一の抗体部位がCD16に特異的である融合タンパク質を提供する。他の態様では、本発明は、複数の抗体部位を有し、そのそれぞれがCD16に特異的である融合タンパク質を提供する。さらに他の態様では、本発明は、複数の抗体部位を含んでなり、その1つのみがCD16に特異的であり、その他が他のタンパク質に特異的であるか、又は抗体部位の特異性の一つがCD16に対するものである少なくとも一の二重特異性又は高次の多特異性抗体部位を含むことに特徴がある融合タンパク質を提供する。
ある例示的な態様では、本発明は、配列Met Asp Arg Leu Thr Ser Ser Phe Leu Leu Leu Ile Val Pro Ala Tyr Val Leu Ser Gln Val Thr Leu Lys Glu Ser Gly Pro Gly Ile Leu Gln Pro Ser Gln Thr Leu Ser Leu Thr Cys Ser Phe Ser Gly Phe Ser Leu Arg Thr Ser Gly Met Gly Val Gly Trp Ile Arg Gln Pro Ser Gly Lys Gly Leu Glu Trp Leu Ala His Ile Trp Trp Asp Asp Asp Lys Arg Tyr Asn Pro Ala Leu Lys Ser Arg Leu Thr Ile Ser Lys Asp Thr Ser Ser Asn Gln Val Phe Leu Lys Ile Ala Ser Val Asp Thr Ala Asp Thr Ala Thr Tyr Tyr Cys Ala Gln Ile Asn Pro Ala Trp Phe Ala Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Leu Val Thr Val Ser Ala(配列番号:13)を含むか、これからなるか、又は基本的にこれからなる抗CD16重鎖可変領域配列と、配列Met Glu Thr Asp Thr Ile Leu Leu Trp Val Leu Leu Leu Trp Val Pro Gly Ser Thr Gly Asp Thr Val Leu Thr Gln Ser Pro Ala Ser Leu Ala Val Ser Leu Gly Gln Arg Ala Thr Ile Ser Cys Lys Ala Ser Gln Ser Val Asp Phe Asp Gly Asp Ser Phe Met Asn Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Pro Pro Lys Leu Leu Ile Tyr Thr Thr Ser Asn Leu Glu Ser Gly Ile Pro Ala Arg Phe Ser Ala Ser Gly Ser Gly Thr Asp Phe Thr Leu Asn Ile His Pro Val Glu Glu Glu Asp Thr Ala Thr Tyr Tyr Cys Gln Gln Ser Asn Glu Asp Pro Tyr Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu Ile Lys(配列番号:14)を含むか、これからなるか、又は基本的にこれからなる抗CD16軽鎖可変領域配列を含むCD16特異的抗体部位を含んでなる融合タンパク質を提供する。
他の例示的な態様では、本発明は、配列Gln Val Thr Leu Lys Glu Ser Gly Pro Gly Ile Leu Gln Pro Ser Gln Thr Leu Ser Leu Thr Cys Ser Phe Ser Gly Phe Ser Leu Arg Thr Ser Gly Met Gly Val Gly Trp Ile Arg Gln Pro Ser Gly Lys Gly Leu Glu Trp Leu Ala His Ile Trp Trp Asp Asp Asp Lys Arg Tyr Asn Pro Ala Leu Lys Ser Arg Leu Thr Ile Ser Lys Asp Thr Ser Ser Asn Gln Val Phe Leu Lys Ile Ala Ser Val Asp Thr Ala Asp Thr Ala Thr Tyr Tyr Cys Ala Gln Ile Asn Pro Ala Trp Phe Ala Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Leu Val Thr Val Ser Ala(配列番号:15)を含むか、これからなるか、又は基本的にこれからなる重鎖可変配列と、配列Ile Val Leu Thr Gln Ser Pro Ala Ser Leu Ala Val Ser Leu Gly Gln Arg Ala Thr Ile Ser Cys Lys Ala Ser Gln Ser Val Asp Phe Asp Gly Asp Ser Phe Met Asn Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Pro Pro Lys Leu Leu Ile Tyr Thr Thr Ser Asn Leu Glu Ser Gly Ile Pro Ala Arg Phe Ser Ala Ser Gly Ser Gly Thr Asp Phe Thr Leu Asn Ile His Pro Val Glu Glu Glu Asp Thr Ala Thr Tyr Tyr Cys Gln Gln Ser Asn Glu Asp Pro Tyr Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu Leu Lys Arg(配列番号:16)を含むか、これからなるか、又は基本的にこれからなる軽鎖可変配列を含むCD16特異的抗体部位を含んでなる融合タンパク質を提供する。
本明細書において示す他の具体的かつ例示的な配列を有するように、特定のCD3特異的配列及びCD16特異的配列の変異体及び機能的断片がともに又は択一的に、本発明の融合タンパク質の抗体部位構成成分として用いられてもよい。
他の特定の態様では、本発明は、T細胞コレセプターに対する抗体の少なくとも一部に相当する抗体部位を含んでなる融合タンパク質を提供する。適切なT細胞コレセプターの例はCD28コレセプターである。CD28コレセプターに対する抗体、その製造方法、関連した方法及び組成物は当分野で公知である(例として米国公開特許20040092718号、同第20030219446号及び同第20030170232号を参照)。
他の態様では、本発明は、ナチュラルキラーT(NKT)細胞表面タンパク質に対する抗体の少なくとも一部に相当する抗体部位ないしはその該抗体部位の機能的な変異体を含んでなる融合タンパク質を提供する。
ナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)は、ナチュラルキラー(NK)及びT細胞レセプター(TCR)を発現するリンパ球の固有のサブセットである。一般に、NKT細胞はαβTCR及び共通に一又は複数のNK細胞レセプターをディスプレイする。NKT細胞は、NK1.1又はNKR-P1A(CD161)及びTCRなどの様々な細胞表面分子の存在に特徴付けられうる(NKT細胞のサブセットには様々な提案がなされている−例としてKronenberg等, Nat. Rev. Immunol., 2:557-568 (2002)及びGodfrey等, Nat. Rev. Immunol., 4:231-237 (2004)を参照)。多くのNKT細胞は限られた範囲のTCR(Vβ8.2、Vβ7又はVβ2と対になるVα14/Jα18)を含むことに特徴がありうる。ゆえに、NKTの大きな一群を標的とする融合タンパク質は、このようなTCRに結合する抗体に相当する抗体部位を含めることによって得られうる。いくつかのNKTレセプターの配列は公知であり(Lanier等, J. Immunol. 153 (6), 2417-2428 (1994)及びGenBank寄託番号I38700を参照)、NKT細胞レセプターに対する抗体は、本明細書中の他のところに記載される技術によって例示される公知の方法を用いて容易に得られうる。NKT細胞レセプター-特異的抗体の例は従来技術において周知である(Maruoka等, Biochem Biophys Res Commun. 1998 Jan 14;242(2): 413-8を参照)。
他の態様では、本発明は、CD3、CD4、CD8、CD16、CD28、CD16、NKp30、NKp44又はNKp46に対する抗体の少なくとも抗原結合部位に相当する抗体部位を含んでなる融合タンパク質を提供する。
さらに他の態様では、本発明は、NK細胞レセプターに特異的である抗体に相当する抗体部位を含んでなる融合タンパク質を提供する。より特定の態様では、第一部位がNK細胞活性調節レセプター− すなわち関連するNK細胞の活性を調整するレセプター に特異的である抗体から得られる。
ほとんどのNK細胞活性調節レセプターは、免疫グロブリン(Ig)-様レセプタースーパーファミリ(IgSF)又はCタイプレクチン様レセプター(CTLR)スーパーファミリの2種類のタンパク質のうちの1つに属する(例としてRadaev and Sun, Annu. Rev. Biomol. Struct. 2003 32:93-114を参照)。しかしながら、このようなレセプターの他の形状が公知である。多くのNK細胞活性調節レセプターの構造は明らかとなっている(Id)。本発明をより説明するために、その特定の例を参照して十分に理解されるNK細胞活性調節レセプターの種類を本明細書中に記載する。しかしながら、本明細書中に明確に記載したレセプターに加えて、いくつかの更なるNK細胞活性調節レセプターが公知である(例えばFarag等, Expert Opin. Biol. Ther. 3(2): 237-250を参照)。
活性調節レセプターは、活性化及び阻害性レセプターに分類されうる。多くのNK細胞活性化レセプターはIgスーパーファミリ(IgSF)に属する(このようなレセプターも本明細書中のIg様レセプターと称されうる)。活性化Ig様NKレセプターには、例えば、CD2、CD16、CD69、DNAXアクセサリー分子-1(DNAM-1)、2B4、NK1.1;活性化キラー免疫グロブリン(Ig)-様レセプター(KIR);ILT/LIR;及び、天然の細胞障害性レセプター(NCR)、例えばNKp44、NKp46及びNKp30が含まれる。いくつかの他のNK細胞活性化レセプターは、CLTRスーパーファミリに属する(例えば、NKRP-1、CD69;CD94/NKG2C及びCD94/NKG2Eヘテロ二量体、NKG2Dホモ二量体、及びマウスではLy49の活性化アイソフォーム(例えばLy49A-D))。さらに他のNK細胞活性化レセプター(例えば、LFA-1及びVLA-4)はインテグリンタンパク質スーパーファミリに属し、その他の活性化レセプターはさらに他の識別可能な構造を有しうる。多くのNK細胞活性化レセプターは、MHC-I分子に結合する細胞外ドメインと、相対的に短くて阻害性NKレセプターに特徴的な阻害性(ITIM)シグナル伝達モチーフを欠いている細胞質ドメインを有する。典型的に、これらのレセプターの膜貫通ドメインには、CD3ζ、FcεRIγ、DAP12及びDAP10(例えば、2B4はこの一般的な規則の例外であるようである)などのシグナル伝達関連分子との関連を促す荷電アミノ酸残基が含まれ、NK細胞活性化シグナルを増幅する「免疫レセプターチロシンベースの活性化モチーフ」(ITAM)と称する短いアミノ酸配列を含有する。レセプター2B4は、その細胞質の尾部に4つのいわゆるITSMのモチーフ(免疫レセプターチロシンベースのスイッチモチーフ)を含有する;また、ITSMモチーフは、NK細胞活性化レセプターCS1/CRACC及びNTB-Aに見られうる。
抗体部位が特異的に結合して活性化しうる活性化NK細胞レセプターの具体的な例には、2B4;NKR-P1A;NKR-P1B;NKR-P1C;NKG2C;NKG2D;NKG2E;CD16、CD244、CD69;FcεRIII;活性化KIR、例としてp50.1(KIR2DS1)、p50.2及びp50.3;天然の細胞障害性レセプター(NCR)、例としてNKp46、NKp30及びNKp44;活性化Ly49分子(例えばLy49D、Ly49H);及びILT/LIRが含まれる(多くの更なるNKレセプターは当分野で公知であり、様々な更なる例は本明細書中の他のところで示されうる)。ある態様では、本発明は、活性化NCRに特異的である抗体部位を含んでなる融合タンパク質を提供する。他の態様では、本発明は、少なくとも一のNK CTLR又はその一部(例えばCD94/NKG2C、CD94/NKG2E、NKG2D又はLy49の活性化アイソフォーム)に特異的である抗体部位を含んでなる融合タンパク質を提供する。
特定の実施態様では、抗体部位はNKG2Dを結合しない。
ヒトKIRの活性化レセプター(例えばKIR2DS及びKIR3DS)及びマウスLy-49タンパク質(例えばLy-49D及びLy-49H)はいくつかのNK細胞によって発現され、抗体部位に有益な標的でありうる。これらの活性化KIRレセプターは、それらの相対的により短い細胞質ドメインに阻害性モチーフ(ITIM)を欠き、DAP12のジスルフィド結合ダイマーなどのシグナル伝達ポリペプチドと結合する荷電の膜貫通領域を有することによって、それらの阻害性相当物とは異なる。最も一般的な白色人種のヒトのハプロタイプである「A」ハプロタイプ(47〜59%の頻度)は、唯一の活性化KIR遺伝子(KIR2DS4)を含有する。ゆえに、ある態様では、本発明は、KIR2DS4に特異的な抗体部位を含んでなる融合タンパク質を提供する。残りの「B」ハプロタイプは、非常に多様で、2〜5の活性化KIR遺伝子座(KIR2DS1、-2DS2、-2DS3、及び-2DS5)を含有する。これらの種類の各々のKIRの一又は複数(及び/又はKIR2DS4と組み合わせた一又は複数のこれらの種類のKIR)を結合して活性化する抗体部位を含んでなる融合タンパク質は、更なる本発明の特徴である。特定の態様では、本発明は、KIR2DS4及び/又はKR2DS3を結合して、活性化する一又は複数の抗体部位を含んでなる融合タンパク質を提供する。
活性化KIRは特徴付けられている(例として、KIR2DS4タンパク質に関してはGenBank寄託番号NP_036446、NP_839942、P43632、AAR16203、AAR16204、AAR26325、CAD10378、CAD10379、CAF05810及びCAF05811;KIR2DS1タンパク質に関してはQ14954、NP_055327、AAP33625及びAAB95319;KIR2DS2タンパク質に関してはNP_055034、NP_036444、NP_937758、NP_003323、CAC40718、CAC40717、P43631、AAR16202、AAR16201;KIR2DS3タンパク質に関してはNP_036445及びAAB95320;及び、KIR2DS5タンパク質に関してはNP_055328及びQ14953を参照(他の例も知られている))。したがって、抗体はこれらのレセプターに対して生成され、レセプター特異性についてスクリーニングされる;その活性化KIR特異的配列はそこから同定されうる;そして、このような抗体配列の機能的部位が、標準的な技術を用いて本発明の融合タンパク質に組み込まれうる(又は、その機能的な変異体が生成されて組み込まれる)。このようなタンパク質に対する抗体は公知であり、その配列は本発明の融合タンパク質の構築に用いられてもよい。例としてVitale等, Int Immunol. 2004 Oct;16(10): 1459-66;Shin等, Hybridoma. 1999 Dec;18(6): 521-7;及び米国公開特許第20030232051号を参照)。
他の態様では、本発明は、天然の細胞障害性レセプター(NCR)などの活性化非KIR NK細胞レセプター(NKCR)又は例えばNKG2Dに特異的である抗体部位を含んでなる融合タンパク質を提供する。このような標的の他の例にはNKG2C/CD94、及びNKRP1が含まれる。これら及び関連したタンパク質、方法及び原則は特徴付けられており、抗体がこれら及び同種のタンパク質に対して容易に生成されうる;機能的抗体は、特異性及び他の所望の性質について選択されうる;このような抗体の部位は配列決定されうる;そして、その機能的配列(又は、このような抗体配列の変異体配列)は、標準的な技術を用いて本発明の融合タンパク質に挿入されうる。このような抗体の例も記載されている。この点において、例えば、GenBank寄託番号NP_031386及びNP_031386(NKG2Dタンパク質に関して);CAA04922、AAG26338及びQ9GME8(NKG2Cタンパク質に関して);BAB91332、CAA74663、Q9MZK9、Q9MZ41、AAC50291、CAA03845、BAA24451、Q8MHY9及びQ13241(CD94タンパク質に関して)を参照されたい。また、このようなタンパク質、方法、原則及び抗体に関して米国公開特許第20040115198号、同第20040038339号、同第20040072256号、同第20050130130号、同第20040038894号及び同第20030095965号を参照。
他の態様では、本発明は、NCR(例えばNKp30、NKp46又はNKp44)に特異的である抗体部位を含んでなる融合タンパク質を提供する。多くのNCRタンパク質が記載されており、抗体はこのような標的に対して生産されうる;所望の特徴(例えばレセプター活性化)を有する機能的抗体が選択されうる;その機能的部位が配列決定される;そして、それによって得られた配列を、本発明の融合タンパク質に挿入される。この点において、例えば、GenBank寄託番号BAB78472、CAD56759、AAP13457及びCAC41081(NKp30タンパク質に関して);CAA04714、AAK63120、AAP33623、CAC41080及びQ8C567(NKp46タンパク質に関して);そして、O95944及びCAB39168(NKp44タンパク質に関して)を参照されたい。関連した方法及び原則と同様に、NCRに対する抗体もまた記載されているか、公知であり、融合タンパク質の産生に直接用いられうる(例として米国公開特許第20040072256号及び国際公開第2005051973号、同第2005000086号及び同第0136630号を参照)。
より特定の態様では、本発明は、抗体配列に相当する配列を含む抗体部位ないしはその機能的な変異体を含んでなり、融合タンパク質の抗体部位が、相当する又は由来する抗体のFc部位の有意な部位(例えばおよそ50%以下、およそ40%以下、およそ30%以下、およそ20%以下、およそ15%以下、およそ10%以下などを含む)を欠いている融合タンパク質を提供する(すなわち、変異体抗体部位の場合では配列同一性に関して最も関連がある)。
他の態様では、本発明は、アフィボディ、アンチカリンなどといった非抗体抗体様タンパク質に由来する抗体部位のみを含むか、又は有する融合タンパク質を提供する。
ある態様では、本発明は、抗体の機能的な部位に相当する抗体部位ないしはその変異体を含んでなる融合タンパク質を提供する。アフィボディは小さく非常に特異的で強い親和性のあるタンパク質のクラスであり、所望の標的タンパク質を結合するよう設定される(例として米国特許第5831012号参照)。典型的に、アフィボディはプロテインAの1つのIgG結合ドメインの足場(scaffold)に基づいて3つのヘリックスの束から構成される単純なタンパク質として特徴付けられうる。プロテインAは、バクテリア黄色ブドウ球菌由来の周知の表面タンパク質である。この足場は親和性リガンドとして優れた特長を有し、任意の標的タンパク質に対して高い親和性で結合するように設定されうる。ドメインは58のアミノ酸からなり、そのうちの13を無作為化して多数のリガンド変異体を有するアフィボディライブラリを生成する。このようなライブラリは同一の主鎖及び可変表面結合性質を有する多数のタンパク質リガンドからなりうる。現在のライブラリ(例えば、Affibody(登録商標)Teknikringen 30、floor6、Box700 04、Stockholm SE-10044、Swedenを通じて入手可能である)、は何十億もの変異体を含有する。アフィボディは、典型的に、例えば抗体と比べて、pH及び温度の上昇を含む広い範囲の物理的条件に耐えることのできる点で「強力である」ことを特徴とする。典型的におよそ150kDaである抗体の分子量と比較して、アフィボディは典型的におよそ6kDaの分子量を有する。機能においてアフィボディ分子は抗体を模倣する。これらの分子のサイズは小さいにもかかわらず、アフィボディ分子の結合部位は抗体の結合部位と非常に類似していることが示されている。アフィボディはバクテリアで、及び化学合成(例えば、コンビナトリアルタンパク質工学)によって有利に産生できる。それらはまた多量体コンストラクトを形成するよう効果的にカップリングされうる。アフィボディはさらに、他の分子へコンジュゲートして誘導体を形成し、融合して融合タンパク質を形成しうる。アフィボディは「遺伝子工学的に作り変えられ」望ましい特性(例えば、高い特異性及び親和性―典型的にはナノモル濃度レベルの親和性)を有しうる。したがって、特定のアフィボディは、典型的には、幅広い分子のうち、その標的のみに結合する。小さなサイズ(わずかおよそ60アミノ酸)、高い可溶性、多機能性コンストラクトへのさらなる遺伝子操作の簡便さ、優れた折りたたみ(folding)、システインの欠如、及び安定した足場は、低コストのバクテリア発現系を用いて多量に産生でき、アフィボディを強力な捕捉分子にする。アフィボディの設定(例えば生成)、製造及び使用に関する方法及び原則(該分子に対する典型的な更なる修飾を含む)は、例えば、Graslund等, J. Biotechnol. 99, 41;Nygren等, Curr Opin Struct Biol 7, 463-469 (1997);Nord等, Nature Biotechnol 15, 772-777 (1997);Nord等, Protein Eng 8, 601-608 (1995);Hogbom等, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 100, 3191-3196;Wahlberg等, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 100, 3185-3190;Ronnmark等, J. Immunol. Meth. 261, 199-211;Ronnmark等, J. Immunol. Meth. 281, 149-160;Karlstrom,等, J. Anal. Biochem. 295, 22-30;Nord等, J. Biotechnol. 80, 45-54;Eklund等, Proteins 48, 454-462 (2002);Gunneriusson等, Protein Eng 12, 873-878 (1999);Wikman等, Protein Engineering, Design & Selection (advance access published June 18, 2004);Sandstrom等, Protein Engineering vol. 16 no. 9 pp. 691-697, 2003;Hogbom等, Curr. Opin. Biotechnol., 15(4): 364-373 (2004);及び米国特許第6740734号に見られる。
他の例示的な態様では、本発明は、トリネクチン、モノボディ又はフィブロネクチン足場に基づく他の結合タンパク質の機能的な部位に相当する非抗体由来の抗体部位(一又は複数)を含む、又は有すると限定される融合タンパク質を提供する。トリネクチンはフィブロネクチンのドメイン(10番目のフィブロネクチンタイプIIIドメイン)に基づいているタンパク質結合の足場を含む。これらのタンパク質は、天然に生じるヒトの循環タンパク質に由来するので、これらのタンパク質がなければ治療上の有用性を妨害すると思われる免疫応答は最小化されると予測される。さらに、該分子が(抗体と比べて)低分子量で集約した構造であるので、標的抗原結合を高めうる非常に安定な構造となる。トリネクチンは、例えばXu等, Chem. Biol. 9:933, 2002及び国際公開第02/32925号に記述される。このような分子は、現在Compound Therapeutics(Waltham, MA, USA)によって所有されるPhylos, Inc. (USA)から市販されている。フィブロネクチンタイプIIIドメイン(Fn3)モノボディはモノボディと類似する分子である。通常、これらのタンパク質は、各Fn3β鎖ドメイン配列の間で連結されるループ領域配列を有する少なくとも2つのFn3β鎖ドメイン配列を含んでなり、このループ領域が標的結合配列を含むものであるポリペプチドとして特徴がある。このようなモノボディ及び関連した原則、組成物及び方法の例は、米国特許第6673901号;同第6703199号;及び同第6462189号;Koide等, (1998), J. Mol. Biol. 284, 1141-1151;Batori等, Protein Eng. 2002 Dec;15(12): 1015-20;Karatan等, Chem Biol. 2004 Jun;11(6): 835-44;及びKoide等, (2001) Biochemistry 40, 10326-10333にさらに記載される。
他の種類の非抗体抗体様タンパク質はアンチカリンである。アンチカリンはトリネクチンのように、特定の標的を結合するように遺伝子操作できる(抗体と比べて)比較的小さなタンパク質である。アンチカリンはリポカリンタンパク質の足場に基づいている。典型的には、アンチカリンは、例えば遺伝子工学方法を用いて、天然のリガンド結合ポケットにアミノ酸を置換することによって、リポカリンファミリーのタンパク質を修飾して得られる。典型的には、アンチカリンは、わずか150〜190のアミノ酸からなる小さな単量体タンパク質である。アンチカリンは小さな分子の非常に特異的な結合を示すことができ、固形腫瘍のような組織をより効率的に浸透しうる。アンチカリンはもっぱらインビトロ処理によって産生されるので、毒性又は非免疫原性のいずれかである標的へのアクセスを可能にする。アンチカリンの薬理動態学的特性は化学的修飾によって容易に調節できる。市場にあるモノクローナル抗体治療薬と比べ、アンチカリンは増強された局所的送達、肺への送達、又は鼻への送達のような、さらに優れた送達選択肢を提供しうる。アンチカリンは結合部位に衝撃を与えずに修飾されうる2つの融合末端候補を有するので、多重特異性アンチカリン及び/又は他のコンジュゲート又は、例えば免疫毒素のような融合タンパク質は容易に調製されうる。アンチカリンタンパク質の構造の主な成分は8つの逆平行鎖のβバレル構造であり、これはその開放末端で4つのループを支える。これらのループはリポカリンの天然の結合部位を形成し、インビトロでアミノ酸置換及びその他の修飾によって再形成できるので、新規の結合特異性を作出することができる。細菌ファジミドディスプレイ及びコロニースクリーニング技術を用いて、アンチカリンは無作為に生成された分子(典型的には、親和性が低ナノモル範囲のKD値である分子)のライブラリから選択できる。アンチカリンは、それらの指定されたリガンドに対して高い親和性(例えば、低いナノモル濃度又はおよそ100ピコモル濃度範囲の場合でさえある)及び特異性、並びに迅速な結合速度を有するため、それらの機能的特性は抗体のそれと同様である。しかしながら、アンチカリンは、遺伝子レベルで容易に操作できる4つの高頻度可変性ループの単純なセットを含む。アンチカリン、関連した原則、方法などは、例えばSkerra, A. (2000) Biochim. Biophys. Acta 1482, 337-350;Beste等 (1999) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96, 1898-1903;Schlehuber等 (2000) J. Mol. Biol. 297, 1105-1120;Schlehuber等 (2001) Biol. Chem. 382, 1335-1342;Skerra, A. (2001) Rev. Mol. Biotechnol. 74, 257-275;Skerra, J Biotechnol. 2001 Jun;74(4): 257-75;Weiss等, Chem Biol. 2000 Aug;7(8): R177-84;国際公開第99016873号;及び欧州特許第1017814号にさらに記載される。
また、様々な他の種類の抗体模倣抗体様タンパク質は(独占的及び非独占的ないずれにおいても)抗体部位として用いられうる。様々な前記抗体様タンパク質は公知であるか、提唱されている。例えば、MAbの第二相補性決定領域(CDR)を模倣する合成β-ループ構造を含んでなるペプチドは、提唱され、生成されている。例としてSaragovi等, Science. 1991 Aug 16;253(5021): 792-5を参照。ペプチドAb模倣物は、「活性な」抗原認識残基を決定するためのペプチドマッピング、分子モデリング及び分子動態軌道分析を用いることによっても作製されており、それにより複数のCDRの抗原接触残基を含有するペプチド模倣物を設定している。例としてCassett等, Biochem Biophys Res Commun. 2003 Jul 18;307(1): 198-205を参照。抗体部位に照らして用いられうる関連した原則、方法などの更なる考察は、例えば、Fassina, Immunomethods. 1994 Oct;5(2): 121-9に示される。
標的-結合部位
通常、本発明によって提供される融合タンパク質の標的-結合部位又は細胞膜タンパク質細胞外ドメイン部位は、細胞膜タンパク質の細胞外ドメインの機能的な部位ないしはその機能的な変異体(少なくとも一の「第二」又は「二次」細胞付随分子(cell-associated molecule)ないしは標的(典型的には、配列同一性及び他の関連性質において標的結合タンパク質が一致する又は最も関連する膜タンパク質に対するレセプター又はリガンドとして働く細胞付随タンパク質)を結合することができるもの)を含むか、これからなるか、又は基本的にこれからなる任意の一又は複数のアミノ酸配列を指す。ある態様では、二次標的は抗体部位(一又は複数)に結合しない。他の態様では、二次標的は、エフェクター-リンパ球活性化レセプターにも又はエフェクター-リンパ球活性化レセプターには結合しない。
細胞外ドメインの機能的部位はレセプター結合を与えることができる部分である。細胞外ドメインのレセプター結合部位は公知であるか、又は標準的な技術で測定されうる。標的-結合タンパク質は膜タンパク質の細胞外ドメインに制限する必要はない。ゆえに、このようなタンパク質の膜貫通配列及び/又は細胞内配列は、このような配列の存在が融合タンパク質の機能性を阻害しない場合に、本発明の融合タンパク質に含まれてもよい。
ある態様では、本発明は、タイプII膜タンパク質の細胞外ドメインに相当する標的-結合部位ないしはこのような膜タンパク質の機能的変異体を含んでなる融合タンパク質を提供する。一般に公知であるように、「タイプII膜タンパク質」は通常、細胞を橋渡しする(典型的には1回)が、(タイプIタンパク質とは対照的に)細胞の細胞質側及び外側のカルボキシ末端に提示されるアミノ末端を有するタンパク質として特徴がある。典型的には、タイプII膜タンパク質はまた、元の発現された形態の切断可能なシグナル配列を欠き、及び/又は膜に固定される相対的に長い疎水性領域を含むという特徴がある。タイプI膜タンパク質に加えて、タイプII膜タンパク質は、タイプIII及びタイプIV膜タンパク質とは区別されうる。タイプII膜タンパク質の使用は、特にタンパク質の構築の容易さに利点がある。このようなタンパク質は、主に(細胞外ドメイン以外の配列を含む)抗体配列(例えば抗体の重鎖配列)に融合しうる。この種の膜タンパク質のドメインの定位のために、標的-結合部位は、抗体部位(例えば抗エフェクターリンパ球活性化レセプター抗体の重鎖)を形成する抗体配列のN末端からC末端に(直接又は間接的に)融合されるので、機能的な融合タンパク質の生成には膜タンパク質の配列の修飾がほとんど必要ない(膜タンパク質の機能的なC末端及び抗体重鎖のN末端がそれぞれの標的を結合するために容易に利用可能であると仮定した場合)。
より特定の態様では、本発明は、ジスルフィド結合Cタイプレクチンレセプタードメインタンパク質の少なくとも機能的な部位に相当する(又は、相当する部位を含む)ことを特徴としうる標的結合部位を含んでなる融合タンパク質を提供する。
他の特定の態様では、本発明は、Cタイプレクチンレセプター(CTLR)の少なくとも機能的な部位(例えばジスルフィド結合したCTLR)に相当する(又は、相当する部位を含む)標的結合部位を含んでなる融合タンパク質を提供する。
特定の有益な態様では、本発明は、前述のいずれかに加えて、癌、ウイルス感染などのエフェクターリンパ球によって通常調節される疾患状態に関係する細胞上に提示される、又は該細胞によって発現される細胞結合分子のレセプターないしはリガンドとしても特徴があるか、又は代わりにこの特徴がある標的結合タンパク質を含んでなる融合タンパク質を提供する。ゆえに、例えば、代表的な標的-結合タンパク質は、MIC分子(例えばMIC-A又はMIC-B)又はULBP(例えばRae-1、H-60、ULBP2、ULBP3、HCMV UL18又はRae-1β)又はウイルスヘマグルチニンなどの病原体結合分子などの、細胞ストレス-結合分子のレセプターの機能的な部位に相当しうる。そのような態様では、本発明は、NK細胞レセプターの機能的な部位に相当する標的結合部位ないしはその機能的な変異体を含んでなる融合タンパク質を提供する。このようなNK細胞レセプターは、例えば、免疫グロブリンスーパーファミリ(IgSF)レセプターであってもよい。NK細胞レセプターは天然の細胞障害性レセプター(NCR)であってもよい。あるいはまた、NK細胞レセプターは活性化KIRであってもよい。ある例示的な態様では、本発明は、NKG2D、NKG2A/CD94、CD69、NKG2C/CD94、NKG23/CD94、NKG2F/CD94、LLT1、AICL、CD26及びNKRP1(CD161)から選択されるNK細胞レセプターの機能的な部位に相当する標的-結合部位ないしはその機能的な変異体を含んでなる融合タンパク質を提供する。
ある態様では、標的-結合部位はMHC分子でない、及び/又はMHC分子を結合しない。
他の態様では、本発明は、標的-結合タンパク質が阻害性NK細胞レセプターの機能的部位ないしはその機能的変異体に相当する融合タンパク質を提供する。例えば、ある態様では、本発明は、NKG2A/CD94、阻害性KIR、LIR(白血球阻害性レセプター)又はFcγRIIBの機能的部位に相当する標的-結合部位を含んでなる融合タンパク質を提供する。
ある例示的な態様では、本発明は、配列Leu Phe Asn Gln Glu Val Gln Ile Pro Leu Thr Glu Ser Tyr Cys Gly Pro Cys Pro Lys Asn Trp Ile Cys Tyr Lys Asn Asn Cys Tyr Gln Phe Phe Asp Glu Ser Lys Asn Trp Tyr Glu Ser Gln Ala Ser Cys Met Ser Gln Asn Ala Ser Leu Leu Lys Val Tyr Ser Lys Glu Asp Gln Asp Leu Leu Lys Leu Val Lys Ser Tyr His Trp Met Gly Leu Val His Ile Pro Thr Asn Gly Ser Trp Gln Trp Glu Asp Gly Ser Ile Leu Ser Pro Asn Leu Leu Thr Ile Ile Glu Met Gln Lys Gly Asp Cys Ala Leu Tyr Ala Ser Ser Phe Lys Gly Tyr Ile Glu Asn Cys Ser Thr Pro Asn Thr Tyr Ile Cys Met Gln Arg Thr Val(配列番号:17)(Ho等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 95, Issue 11, 6320-6325, 1998を参照)を有する又は基本的にそれからなるNKG2D細胞外ドメインの少なくとも機能的な部位に相当する標的-結合部位ないしはその機能的な変異体を含んでなる融合タンパク質を提供する。Pende等, J. Exp. Med. 190 (10), 1505-1516 (1999)も参照のこと。例示的な機能的な部位は該配列を含む。
他の例示的な態様では、本発明は、配列Ile Trp Val Ser Gln Pro Pro Glu Ile Arg Ala Gln Glu Gly Thr Thr Ala Ser Leu Pro Cys Ser Phe Asn Ala Ser Arg Gly Lys Ala Ala Ile Gly Ser Ala Thr Trp Tyr Gln Asp Lys Val Ala Pro Gly Met Glu Leu Ser Asn Val Thr Pro Gly Phe Arg Gly Arg Val Ala Ser Phe Ser Ala Ser Gln Phe Ile Arg Gly His Lys Ala Gly Leu Leu Ile Gln Asp Ile Gln Ser His Asp Ala Arg Ile Tyr Val Cys Arg Val Glu Val Leu Gly Leu Gly Val Gly Thr Gly Asn Gly Thr Arg Leu Val v Glu Lys Glu Pro p Gln Gln Ala Ser Asn Ala Glu Pro Glu Arg Ala Ala Tyr Thr Ser(配列番号:18)を有する又は基本的にそれからなるNKp30細胞外ドメインの少なくとも機能的部位に相当する標的-結合部位ないしはその機能的変異体を含んでなる融合タンパク質を提供する。
さらに他の具体的な態様では、本発明は、配列Thr Leu Pro Lys Pro Phe Ile Trp Ala Glu Pro His Phe Met Val Pro Lys Glu Lys Gln Val Thr Ile Cys Cys Gln Gly Asn Tyr Gly Ala Val Glu Tyr Gln Leu His Phe Glu Gly Ser Leu Phe Ala Val Asp Arg Pro Lys Pro Pro Glu Arg Ile Asn Lys Val Lys Phe Tyr Ile Pro Asp Met Asn Ser Arg Met Ala Gly Gln Tyr Ser Cys Ile Tyr Arg Val Gly Glu Leu Trp Ser Glu Pro Ser Asn Leu Leu Asp Leu Val Val Thr Glu(配列番号:19)を有する又は基本的にそれからなるNKp46細胞外ドメインの少なくとも機能的部位に相当する標的-結合部位ないしはその機能的変異体を含んでなる融合タンパク質を提供する。
更なる例示的な変更では、本発明は、配列Gln Ser Lys Ala Gln Val Leu Gln Ser Val Ala Gly Gln Thr Leu Thr Val Arg Cys Gln Tyr Pro Pro Thr Gly Ser Leu Tyr Glu Lys Lys Gly Trp Cys Lys Glu Ala Ser Ala Leu Val Cys Ile Arg Leu Val Thr Ser Ser Lys Pro Arg Thr Met Ala Trp Thr Ser Arg Phe Thr Ile Trp Asp Asp Pro Asp Ala Gly Phe Phe Thr Val Thr Met Thr Asp Leu Arg Glu Glu Asp Ser Gly His Tyr Trp Cys Arg Ile Tyr Arg Pro Ser Asp Asn Ser Val Ser Lys Ser Val Arg Phe Tyr Leu Val Val Ser Pro Ala Ser Ala Ser Thr Gln Thr Pro Trp Thr Pro Arg Asp Leu Val Ser Ser Gln Thr Gln Thr Gln Ser Cys Val Pro Pro Thr Ala Gly Ala Arg Gln Ala Pro Glu Ser Pro Ser Thr Ile Pro Val Pro Ser Gln Pro Gln Asn Ser Thr Leu Arg Pro Gly Pro Ala Ala Pro Ile Ala(配列番号:20)を有する又は基本的にそれからなるNKp44細胞外ドメインの少なくとも機能的部位に相当する標的-結合部位ないしはその機能的変異体を含んでなる融合タンパク質を提供する。
更なる具体的な態様では、本発明は、配列Lys Asn Ser Phe Thr Lys Leu Ser Ile Glu Pro Ala Phe Thr Pro Gly Pro Asn Ile Glu Leu Gln Lys Asp Ser Asp Cys Cys Ser Cys Gln Glu Lys Trp Val Gly Tyr Arg Cys Asn Cys Tyr Phe Ile Ser Ser Glu Gln Lys Thr Trp Asn Glu Ser Arg His Leu Cys Ala Ser Gln Lys Ser Ser Leu Leu Gln Leu Gln Asn Thr Asp Glu Leu Asp Phe Met Ser Ser Ser Gln Gln Phe Tyr Trp Ile Gly Leu Ser Tyr Ser Glu Glu His Thr Ala Trp Leu Trp Glu Asn Gly Ser Ala Leu Ser Gln Tyr Leu Phe Pro Ser Phe Glu Thr Phe Asn Thr Lys Asn Cys Ile Ala Tyr Asn Pro Asn Gly Asn Ala Leu Asp Glu Ser Cys Glu Asp Lys Asn Arg Tyr Ile Cys Lys Gln Gln Leu Ile(配列番号:21)を有する又は基本的にそれからなるCD94細胞外ドメインの少なくとも機能的部位に相当する標的-結合部位ないしはその機能的部位を含んでなる融合タンパク質を提供する。
変異体又は誘導体化された融合タンパク質部位
本明細書中の他のところで述べられるように、公知の抗体又はレセプターといった所定の供与源から入手可能な配列の機能的変異体を本発明の融合タンパク質の抗体部位及び標的-結合部位構成成分に用いる、又はとして用いることができる。抗体などのタンパク質の「機能的な変異体」ないしはアミノ酸配列、ドメイン、又は抗体の抗原結合部位といった他の部位は、一又は複数のアミノ酸残基置換、付加、挿入及び/又は欠失によって参照するタンパク質、配列又は部位と異なるが、タンパク質の機能的な特質の少なくともいくつか(望ましくはほとんど又はすべて)を実質的に維持しているタンパク質、配列又は部位を指す(抗体配列の場合、関連する機能的特質は、概して、所望の目的のために十分である親和性を有して同じ標的に結合している)。変異体は、配列同一性に関して有意に類似しており(例えば、少なくともおよそ40%、典型的には少なくともおよそ50%、より典型的には少なくともおよそ60%、さらにより典型的には少なくともおよそ70%、一般に少なくともおよそ80%、しばしば少なくともおよそ85%、例えば少なくともおよそ90%、95%、又はそれより高い同一性を表す)、通常少なくとも一の(参照された)タンパク質又はアミノ酸配列(「親」と称してもよく、典型的に天然に生じる(「野生型」)分子又は分子構成成分である)に類似の他の生理化学的な性質を有している。
変異体の産生に求められることが多い親配列からの有利な配列変化は、(1)タンパク質分解に対する感受性を低減する、(2)酸化に対する感受性を低減する、(3)変異体配列の結合親和性を変化する(典型的には、親和性を望ましく増大させる)、(4)関連の変異体/類似体ペプチドに他の物理化学的もしくは機能的性質を付与する、又は修飾するものである。当業者は変異体の設定、産生及び選別においてこれら及び他の因子を知っている。抗体CDR変異体に関して、典型的には、CDR構造のループ構造を支持及び/又は配向させるために必要とされる残基が保持されること;CDR構造のループ構造のおよそ10オングストローム以内にある残基(しかし場合によって、水溶媒がアクセス可能なおよそ5平方オングストローム以上の表面を有する当該領域の残基のみ)は修飾されないか、又は保存的アミノ酸残基の置換によってのみ修飾されること;及び/又はCDR構造のループ様構造が変異体において保持されるように、当該配列は制限された数の挿入及び/又は欠失(もしあれば)を受けることが望ましい(関連した技術及び関連の原則は、例えば、Schiweck等, J Mol Biol. 1997 May 23;268(5): 934-51;Morea, Biophys Chem. 1997 Oct;68(1-3): 9-16;Shirai等, FEBS Lett. 1996 Dec 9;399(1-2): 1-8;Shirai等, FEBS Lett. 1999 Jul 16;455(1-2): 188-97;Reckzo等, Protein Eng. 1995 Apr;8(4): 389-95;及びEigenbrot等, J Mol Biol. 1993 Feb 20;229(4): 969-95に示される)。
抗体断片及び部位の場合、典型的には、置換型変異体について最大の興味ある部位は、高頻度可変領域(又は特定のCDR)であるが、これに加えてあるいは別途に、一又は複数のフレームワーク(FR)変化によって特徴付けられる変異体は同様に生成されうる。例えば、フレームワーク領域又は定常ドメインにおける置換又は他の修飾(挿入、欠失、又はそれらの何れかの組み合わせ)は、親抗体よりも変異体抗体の半減期の増加に関係しうる。また、該変異抗体の免疫原性を親抗体から変化させるために、フレームワーク領域又は定常ドメインの変異を行い、他の分子に共有結合又は非共有結合するための部位を与える、又は補体固定としての係る特性を変化させるてもよい。単一の変異抗体の各々のフレームワーク領域、定常ドメイン及び/又は可変領域(又は、その一又は複数のいずれかのCDR)のそれぞれに抗体変異体の変異を行ってもよい。あるいは、抗体のフレームワーク領域、可変領域(又はその単一のCDR)、又は定常ドメインのうちの一つのみに変異を行ってもよい。
CDR変異体の設定、構築及び/又は評価において、CDR領域は、エピトープへのよりよい結合を可能にするように変化させ得るという事実に注目することができる。抗体CDRは、典型的には、エピトープが嵌合する「ポケット」又は他のパラトープ構造を形作ることによって動作する。エピトープが緊密に適合しなければ、当該抗体は最良の親和性を提供しないかもしれない。しかしながら、エピトープと同様に、パラトープ構造の中に、このほとんどの結合の原因となるいくつかの重要な残基が存在することが多い。ゆえに、同じペプチドに対する抗体間で、CDR配列は、その長さ及び組成が顕著に変化しうる。当業者は、このようなエピトープ結合に対する顕著な寄与因子であることが多いチロシン残基(例えば、CDR-H3配列に関して)のような一定の残基が、CDR変異体において典型的には望ましく維持されることを理解するであろう。
「潜在的アミノ酸相互作用」なる語句は、抗原に存在する一又は複数のアミノ酸残基と、親抗体には存在しないがその中に導入できる一又は複数のアミノ酸残基との間の接触、又はエネルギー的に有利な相互作用を指すために用いられ、該アミノ酸残基の導入は、抗原とこれら導入されたアミノ酸残基(一又は複数)を含む抗体変異体との間のアミノ酸接触を増大させるためのものである。望ましくは、抗体変異体及び抗体断片変異体は、これらの親と比較して増大した標的分子との潜在的アミノ酸相互作用に関連している。対象とするアミノ酸相互作用は、水素結合相互作用、ファンデルワールス相互作用、及び/又はイオン性相互作用から選択することができる。
典型的には、抗体部位の変異体では、およそ10未満、例としておよそ5未満、例として3又はそれより少ないアミノ酸変異(上記の方法による相違、例えば置換)は、親抗体又は抗体断片に対して変異抗体又は抗体断片のVH又はVL領域のいずれかに存在する。
本発明のアミノ酸配列に関する同一性は、任意の好適な技術により、典型的にはニードルマン−バンスク・アラインメント分析法(Needleman-Wunsch alignment analysis、Needleman and Wunsch,J.Mol.Biol.(1970)48:443-453を参照)により決定することができ、該分析法は例えば、初期ギャップペナルティを−12、伸長ペナルティを−2としたBLOSUM50スコアマトリックスを使用したALIGN2.0(ALIGNプログラムに組み込まれる包括的なアラインメント技術の考察については、Myers and Miller, CABIOS(1989)4:11-17を参照されたい)による分析とされる。ALIGN2.0プログラムのコピーは、San Diego Supercomputer (SDSC) Biology Workbenchから入手可能である。ニードルマン−バンスク・アラインメントが2つの配列の間の総括的又は包括的な同一性を測定するので、より大きなペプチド配列の一部又は部分配列(subsequence)でありうる標的配列が完全な配列と類似した方法で用いられてもよく、あるいは、局所的なアラインメント値を用いて、入手可能なプログラムにより得られうる、例えば、スミス−ウォーターマン・アラインメント(J.Mol.Biol.(1981)147:195-197)などにより決定される部分配列間の関係を評価することが可能である(同一性を分析するために適切な他の局所的なアラインメント方法には、ヒューリスティック・ローカル・アラインメントアルゴリズムを利用するプログラム、例えば、FastA及びBLASTプログラムなどが含まれる)。例えば、同一性を評価するための更なる関連の方法は、国際特許出願公開第03/048185号に記述される。あるいは、ニードルマン−バンスクアルゴリズムの改良を試みるゴトウアルゴリズムが、広域の配列アラインメントのために用いられうる。例としてGotoh, J. Mol. Biol. 162:705-708 (1982)を参照。
典型的には、変異体は主に保存的置換により「親」配列とは異なる;変異体の置換の例えば少なくともおよそ35%、およそ50%以上、およそ60%以上、およそ70%以上、およそ75%以上、およそ80%以上、およそ85%以上、およそ90%以上、およそ95%以上(例えばおよそ65〜99%)は保存的なアミノ酸残基置換である。本発明において、保存的置換は以下の3つの表のうちの一又は複数に示されるアミノ酸の分類内での置換によって定義できる:
表1−保存的置換のためのアミノ酸残基分類
Figure 2009513608
表2−オルタナティブ保存的アミノ酸残基置換分類
Figure 2009513608
表3−アミノ酸残基のオルタナティブな物理的及び機能的分類
Figure 2009513608
より保存的な置換グループ化には、バリン-ロイシン-イソロイシン、フェニルアラニン-チロシン、リジン-アルギニン、アラニン-バリン及びアスパラギン-グルタミンが含まれる。また、アミノ酸の更なるグループは、例えば、Creighton (1984) PROTEINS: STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES (2d Ed. 1993), W.H. Freeman and Companyに記述される原則を用いて体系化されうる。場合によって、このような特長の3つ以上に基づいて置換をさらに特徴づけることは有用でありうる(例えば、Thr残基などの「小さな極性」残基による置換は、適切な場面では、高度な保存的置換を示しうる)。
機能における実質的な変化は、上述の定義されたグループにおいて示されるものと比べあまり保存されていない置換を選択することによってなされうる。例えば、変化の領域、例えばαヘリックス又はβシート構造、標的部位での分子の荷電もしくは疎水性、又は側鎖の嵩のペプチド構造により有意に影響を及ぼす非保存的置換を施すことができる。ペプチドの特性において最大の変化を生じると一般に期待される置換は、1)親水性残基、例えばセリル又はトレオニルが疎水性残基に(又は疎水性残基によって)、例えばロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バリル、又はアラニルに置換されるもの、2)システイン又はプロリンがいずれかほかの残基に(又はそれによって)置換されるもの、3)正の電荷の側鎖を有する残基、例えばリジル、アルギニル又はヒスチジルが負の電荷の残基、例えばグルタミル又はアスパルチルに(又はそれによって)置換されるもの、又は4)嵩が大きな側鎖を有する残基、例えばフェニルアラニンが側鎖を持たない残基、例えばグリシンに(又はそれによって)置換されるものである。したがって、機能/構造における有意な変化が望まれる場合に、これらの及び他の非保存低置換をペプチド変異体へと導入することができ、構造/機能の保存が望まれる場合には回避される。
当業者は、ペプチド変異体の設定及び選択に有用な更なる原則を知っているであろう。例えば、ペプチドの表面に位置する残基は、典型的には、親水性アミノ酸に対して強い優先度を有する。アミノ酸の立体的な特性はタンパク質が採用するか又は好む局所的な構造に大きく影響を及ぼしうる。例えば、プロリンは、ねじれの自由度が減少するため、ペプチド骨格の高次構造がターン状態に固定され、水素結合が失われるため、タンパク質の表面ループ上に出現する残基がさらに生じることが多い。Proとは対照的に、Glyは主要なペプチド鎖について完全なねじれの自由を有するので、緊密なターン及びタンパク質の内部に埋め込まれる領域(例えば、疎水性ポケット)と関連することが多い。このような残基の特徴は二次構造への関与を制限することが多い。しかしながら、典型的に二次構造の形成に関与する残基は公知である。例えば、Ala、Leu及びGluなどの残基(嵩が大きく及び/又は極性の残基を持たないアミノ酸)は典型的にαヘリックス形成と関係しているのに対し、Val、Ile、Ser、Asp及びAsnなどの残基はαヘリックス形成を壊しうる。βシート構造形成/包含の傾向がある残基にはVal及びIleがあり、ターン構造と関係する残基にはPro、Asp及びGlyがある。当業者は、適切なペプチド変異体の設定及び選択において、これら及び同様の公知のアミノ酸特性を考慮することができ、適切な変異体が慣例の実験のみによって調製されうる。
望ましくは、疎水性/親水性特性の保存も、変異体ペプチドでは、親ペプチドと比べて実質的に保持される(例えば、個々の残基及び/又は全体に関して、親の疎水性親水性指標スコアは、変異体配列に保持される少なくともおよそ50%、少なくともおよそ60%、少なくともおよそ70%、少なくともおよそ75%、少なくともおよそ80%、少なくともおよそ85%、少なくともおよそ90%、少なくともおよそ95%又はそれ以上(例えばおよそ65〜99%)が、変異体配列において保持される)である)。残基/配列の疎水性親水性指標の特徴の保存を評価するための方法は、当分野において公知であり、SDSC Biology Workbenchから入手できるGREASEプログラムなどの入手可能なソフトウェアパッケージに組み込まれる(GREASE及び同様のプログラムに組み込まれる原則の考察については、例えばKyte and Doolittle等, J. Mol. Biol. 157:105-132(1982);Pearson and Lipman, PNAS (1988) 85:2444-2448及びPearson (1990) Methods in Enzymology 183:63-98を参照のこと)。
親の配列又はタンパク質と比較して変異体の類似アミノ酸残基の保持は、さらに又はあるいは、BLASTプログラム(例えば、NCBIから入手可能なBLAST2.2.8)の使用によって決定されるような類似性スコアによって測定されうる。典型的に、適切な変異体は、親ペプチドに少なくともおよそ45%、例えば少なくともおよそ55%、少なくともおよそ65%、少なくともおよそ75%、少なくともおよそ85%、少なくともおよそ90%、少なくともおよそ95%、又はそれを超える(例えば、およそ70〜99%)類似性を示す。
抗体配列の変異体は適切な方法によって製造することができ、その幾つかは、当業者によって普通に用いられている。例えば、標的に対する抗体の品質及び/又は多様性を改善するために、天然の免疫応答の際の抗体の親和性成熟の原因であるインビボ体細胞成熟プロセスに類似したプロセスにおいて、典型的には少なくともVH及び/又はVLのCDR3領域内において、VL/VH対(一又は複数)(又はその一部)のVL及びVH切片をランダムに突然変異させることができる。斯かるインビトロ親和性成熟は、例えば、VH CDR3又はVL CDR3をコードする配列に対してそれぞれ相補的なPCRプライマーを使用して、VH及びVLを増幅することにより達成することができ、これらプライマーは、典型的には一定の位置において4つのヌクレオチド塩基のランダム混合物で「スパイク」されており、得られたPCR生成物は、ランダム突然変異を導入されたVH及びVL切片をコードすることにより、(少なくとも幾つかの場合には)VH及び/又はVL CDR3領域における配列変異の導入をもたらすようになっている。このようなランダムに突然変異されたVH及びVL切片は、その後、ファージディスプレー又は他の適切な技術によって、標的分子に対する結合性について再スクリーニングし、有利な変異体を分析し、機能的な変異体配列を調製するために使用することができる。スクリーニングに続いて、選択された抗体をコードする核酸は、適切な場合には、ディスプレーパッケージ(例えばファージゲノム)から回収して、標準の組換え技術により適切なベクターの中にサブクローニングすることができる。所望であれば、斯かる抗体をコードする核酸は、他の抗体形態を作製するために更に操作することができる。コンビナトリアルライブラリーのスクリーニングによって単離された組換えヒト抗体を発現するために、典型的には、該抗体をコードする配列を含む核酸は、組換え発現ベクターの中にクローニングされ、核酸の発現及び抗体の産生に適した条件下で適切な宿主細胞(哺乳類細胞,酵母細胞など)の中に導入される。
置換変異体を発生させるための便利な方法は、当該技術において既知の方法を用いた、ファージを使用する親和性突然変異である。修飾のための超可変領域部位候補を特定するために、アラニン走査突然変異誘発もまた、抗原結合に顕著に寄与する超可変領域残基を同定するために実施することができる。或いは、又はこれに加えて、抗原−抗体複合体の結晶構造を分析して、抗体と抗原との間の接触点を同定することが有益であるかもしれない。このような接触残基及び隣接残基は、おそらく、置換のための適切な候補である。
CDR配列変異体の合理的な設定のために有用な方法は、例えば国際公開第91/09967号及び同第93/16184号に記述される。
CDR変異形を生成する他の方法には、例えばStudnicka等, Protein Engineering, Vol 7, 805-814 (1994)(Soderlind等, Immunotechnology. 1999 Mar;4(3-4):279-85も参照)に記載されているような非必須残基の除去、CDRウォーキング突然変異誘発及び他の人工的な親和性成熟技術(例えば、Journal of Molecular Biology, December 1995;254(3):392-403)、CDRシャッフリング技術が含まれる。CDRシャフリング技術では、典型的には、合成オリゴヌクレオチドを必要に応じて含む異なるセットの遺伝子テンプレートからCDRを増幅し、VL、VH、及び/又はCDRの定常領域を増幅し、様々な断片をポリメラーゼ鎖反応(PCR)によって混合及び集合させて(一本鎖又は二本鎖形態で)、マスターフレームワーク中に導入されたシャッフルしたCDRを運ぶ抗体断片をコード化する遺伝子産物を一セット作製し、これは、完全長の産物の産生を確保するために、挿入された制限部位を越えた部位にアニーリングする外部プライマーを用いて増幅され、該産物を選択したベクターに挿入し、変異形CDR含有タンパク質を発現させるために用いられる。
VL、VH、又は特定のCDR配列を含む抗体を生成させる際の置換又は欠失のための適切な残基を同定するために、Cunningham and Wells (1989)、Science 244:1081-1085に記載されたようなアラニン走査突然変異誘発技術を使用できるが、他の適切な突然変異誘発技術もまた適用することができる。複数のアミノ酸置換もまた、Reidhaar-Olson and Sauer, Science 241:53-57 (1988):又はBowie and Sauer Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86:2152-2156 (1989) に開示されたような既知の突然変異誘発及びスクリーニングの方法を使用して、実行及び試験することができる。変異抗体を発生させるために使用できる追加の技術には、例えば、米国公開特許第20040009498号; Marks等, Methods Mol Biol. 2004;248:327-43 (2004); Azriel-Rosenfeld等, J Mol Biol. 2004 Jan 2;335(1):177-92; Park等, Biochem Biophys Res Commun. 2000 Aug 28;275(2):553-7; Kang等, Proc Natl Acad Sci USA, 1991 Dec 15;88(24):11120-3; Zahnd等, J Biol Chem. 2004 Apr 30;279(18):18870-7; Xu等, Chem Biol. 2002 Aug;9(8):933-42; Border等, Proc Natl Acad Sci USA, 2000 Sep 26;97(20):10701-5; Crameri等, Nat Med. 1996 Jan;2(1):100-2に記載され、また、例えば国際公開第03/048185号に更に一般的に記載された、部位特異的変異発生及び他の変異体発生技術が含まれる。
新規の抗体変異体配列を調製するのに適した他の潜在的技術には、CDRウオーキング突然変異、抗体鎖シャッフリング、「倹約突然変異(parsimonious)」(Balint and Larrick Gene 137:109-118 (1993))、及び他の親和性成熟技術(例えば、Wu等 PNAS (USA) 95;6037-6-42 (1998)参照)が含まれる。レパートリークローニング法もまた、変異抗体の製造に有用であることができる(例えば、国際公開第96/33279号参照)。
抗体のアミノ酸配列変異体は、例えば、抗体をコードする核酸に適切な核酸変化を導入すること(例えば部位特異的突然変異誘発)によって、化学的ペプチド合成又は他の適切な技術によって得ることができる。このような変異体には、例えば、既知の対象とする抗体のアミノ酸配列内の残基に対する欠失、及び/又は挿入、及び/又は置換により相違する変異体が含まれる。当該変異体が本発明の方法の実施のための適切な特性を有しているとすれば(例えば、一又は複数の所望のエピトープ又は抗原決定領域に関する親抗体の親和性、特異性、及び/又は選択性の少なくとも実質的部分の保持)、所望の変異体に到達するために、欠失、挿入及び置換の何れかの組み合わせを行うことができる。親抗体に対するアミノ酸配列の変化はまた、例えばグリコシル化部位の数又は位置を変化させることによって、親抗体に対する変異型抗体の翻訳後プロセスをも変化させる可能性がある。
抗体の超可変領域の典型的な長さが知られており、斯かる情報は、超可変領域の挿入を含む変異型抗体を製造するために使用することができる。例えば、軽鎖可変ドメインの第一の超可変領域については、親抗体のCDR L1の中に挿入を導入することができる一方、実質的に同様の適切なサイズを維持することができ、これはKabat等, supraによれば、例えば典型的には全体で約9〜20(例えば約10〜17)残基である。同様に、CDR L2は典型的には約5〜10残基の全体の長さを有し;CDR L3は典型的には約7〜20の長さを有し; CDR H1は典型的には約10〜15残基の長さを有し;CDR H2は典型的には約15〜20残基の長さを有し;またCDR H3は典型的には約6〜30残基(例えば3〜25残基)の長さを有する。VH領域における挿入は、典型的にはCDR H3において、典型的には、Katatに記載された整列及び番号付けを使用して、親CDR H3の残基約97〜102のような該ドメインのC末端付近で(例えば親CDR H3配列の残基数100に隣接し、好ましくはC末端に対して連続して)行われる。
アミノ酸配列の変異は、変異型抗体において、親抗体に比較して変化されたグリコシル化パターンを生じる。「変化する」とは、親抗体に存在する1以上の糖鎖部分を欠失すること、及び/又は親抗体に存在しない1以上のグリコシル化部位を加えることを意味する。抗体のグリコシル化は、典型的には、N-結合又はO-結合されるものである。N-結合されるとは、アスパラギン残基の側鎖への糖鎖部分の結合を意味する。トリペプチドであるアスパラギン-X-セリン及びアスパラギン-X-スレオニン(ここでのXは、プロリン以外の何れかのアミノ酸である)は、アスパラギン側鎖への糖鎖部分の酵素的結合のための共通の認識配列である。従って、ポリペプチドにおけるこれらトリペプチド配列の何れかの存在は、典型的に、強力なグリコシル化部位を形成することができる。O-結合されたグリコシル化は、ヒドロキシアミノ酸、最も普通にはセリン又はスレオニンへの、N-アセチルガラクトサミン、ガラクトース、又はキシロースのような糖の結合を意味するが、5-ヒドロキシプロリン又は5-ヒドロキシリジンもまた使用されてよい。抗体へのグリコシル化部位の追加は、そのアミノ酸配列が1以上の上記トリペプチド配列(N結合グリコシル化部位のため)を含むように、該アミノ酸配列を変化させることによって都合よく達成することができる。この変化は、元の抗体の配列に対する1以上のセリン又はスレオニン残基の付加、又はこれら残基による置換によって行ってもよい(O-結合グリコシル化部位について)。
典型的には、保存的置換変異体のようなアミノ酸配列変異体は、望ましくは、親配列の構造的特長を実質的に変化させない(例えば、置換アミノ酸は、親配列の機能を特徴付ける二次構造を破壊する傾向をもつべきではない)。当該技術において認識されているポリペプチドの二次構造及び三次構造の例は、例えば、Proteins, Structures and Molecular Principles (Creighton、Ed., W. H. Freeman and Company、New York (1984)); INTRODUCTION TO PROTEIN STRUCTURE (C. Branden and J. Tooze, eds., Garland Publishing, New York、N.Y. (1991));及びThornton et at. Nature 354:105 (1991)に記載されている。ペプチド変異体の設計及び構築に関する更なる原則は、例えば、Collinet等, J Biol Chem 2000 Jun 9;275(23):17428-33において議論されている。タンパク質構造は、核磁気共鳴(NMR)分光学的構造決定技術のような、任意の適切な技術によって行うことができ、斯かる技術は当該技術分野において周知であり(例えば、Wuthrich、NMR of Proteins and Nucleic Acids, Wiley, New York, 1986; Wuthrich、K. Science 243:45-50 (1989); Clore等, Crit. Rev. Bioch. Molec. Biol. 24:479-564 (1989); Cooke等 Bioassays 8:52-56 (1988)参照)、典型的には、構造的アナログの空間的及び配向要件を得るためにコンピュータモデリング法(例えば、MACROMODELTM、INSIGHTTM、及びDISCOVERTMのようなプログラムの使用による)と組み合わせられる。これら技術及び他の適切な既知の技術によって得られた情報を用いると、合理性に基づくアミノ酸の置換、挿入、及び/又は欠失により、構造的アナログを設計及び製造することができる。また、斯かる構造的情報は、親抗体の配列情報と共に、有用な変異型抗体を設計するために使用されることが可能であり、且つ望ましいことが多い。二次構造の比較はEBI SSMプログラムを用いて行うことができる(現在http://www.ebi.ac.uk/msd-srv/ssm/で利用可能)。変異体の座標が公知であれば、DALIペアアラインメント(現在http://www.ebi.ac.uk/dali/Interactive.htmlで入手可能)、TOPSCAN(現在http://www.bioinf.org.uk/topscanで入手可能)、COMPARER(現在http://www-cryst.bioc.cam.ac.uk/COMPARER/で入手可能)、PRIDEペア(現在http://hydra.icgeb.trieste.it/pride/pride.php?method=pairで入手可能)、PINTS(現在http://www.russell.embl.de/pints/で入手可能)、SARF2(現在http: //123d.ncifcrf.gov/run2.htmlで入手可能)、構造的アラインメントサーバー(現在http://www.molmovdb.org/align/で入手可能)及びCE算出2鎖サーバー(CE Calculate Two Chains Server)(現在http://cl.sdsc.edu/ce/ce_align.htmlで入手可能)といった、アラインメント/比較プログラムによって比較することができる。初めから、タンパク質構造予測法は、必要に応じて、例えばHMM-ROSETTA又はMODELLERプログラムによって変異体配列に応用して、親配列(一又は複数)分子との比較のために構造を予測することができる。さらに又はあるいは、必要に応じて、スレッディング方法などの他の構造予測法を用いて、変異体及び/又は親配列タンパク質の構造を予測することができる。保存的置換、疎水性親水性指標特性、及び類似の検討事項について、ペプチドの類似性を評価するための方法は、例えば国際公開第03/048185号、同第03/070747号、及び同第03/027246号に記載されている。
変異体配列において保持されることが望ましい「親」配列の基本的な性質は、親に結合する標的分子に対する類似の特異性及び適切な親和性である(その標的、例えば抗CD3抗体の場合にはCD3に対する親配列の親和性の少なくとも実質的な割合を保持する)。典型的には、、標的に対する適切な親和性は、およそ10〜およそ1010−1(例えばおよそ10〜およそ10−1)の範囲にある。例えば、変異体抗体部位は、例えば表面プラスモン共鳴(SPR)スクリーニング(BIAcoreTMSPR分析装置による分析など)によって決定されるように、標的(例えば活性化NK細胞レセプター)に対しておよそ7×10−9M以上の平均解離定数(KD)を有しうる。さらに又はあるいは、典型的には、変異体配列抗体部位は、およそ100nM未満、およそ50nM未満、およそ10nM未満、およそ5nM以下、およそ1nM以下、およそ0.5nM以下、およそ0.1nM以下、およそ0.01nM以下又はさらにおよそ0.001nM以下の解離定数を有する標的結合を示すことを特徴としうる。標的-結合部位に対する親和性は、標的分子に対する親の膜タンパク質細胞外ドメインが示す親和性の、望ましくは少なくともおよそ50%台である。
他の態様では、本発明は、(アミノ酸配列組成物に関して)本明細書中に既に記述される基本的構造的特徴を含む融合タンパク質の誘導体化されたバージョンを提供する。「誘導体」は、一又は複数の異種性の置換基(例えば親油性置換基、PEG成分、適切な有機成分リンカーによって連結されるペプチド側鎖など)との共有結合によるなどして、タンパク質の一又は複数のアミノ酸残基が人工的に化学的に修飾されている(例えば、アルキル化、アシル化、エステル形成、アミド形成又は他の同種の修飾によって)タンパク質又はアミノ酸配列を指す。有意な大きさの異種性の置換基、例えばPEG成分、ペプチド側鎖などが「主鎖(backbone)」アミノ酸配列に付着している場合、この誘導体は「コンジュゲート」として記載されうる。ゆえに、誘導体化された融合タンパク質は、このような一又は複数のアミノ酸修飾を含んでなる融合タンパク質を指す。融合タンパク質誘導体がそれらの「ネイキッド」タンパク質相当物とは有意に異なるので、本発明の特定の態様とみなしうる。
通常、本発明の融合タンパク質は、任意の適切な数の前記修飾アミノ酸を含めることによって修飾されうる。この文脈における適合性は一般に、前記の修飾が存在しない場合の融合タンパク質の抗体部位(一又は複数)及び標的結合部位(一又は複数)の特異性と親和性を少なくとも実質的に保持する能力によって決定される。
誘導体は、誘導体化タンパク質に相当する抗体部位及び/又は標的結合部位を含む融合タンパク質を産生することによって、又は非誘導体化の親の抗体部位及び/又は標的結合部位の配列を含んでなる融合タンパク質を誘導体化することによって、形成されうる。
本発明の融合タンパク質への一又は複数の修飾されたアミノ酸の包含は、例えば(a)ポリペプチド血清半減期の増加、(b)ポリペプチド抗原性の低下、又は(c)ポリペプチド保存安定性の増加において有利でありうる。
アミノ酸は、例えば、組み換え産生時に翻訳と同時にもしくは翻訳後に修飾され(例えば、哺乳類細胞において発現中のN−X−S/TモチーフでN架橋されたグリコシル化)、又は合成手段によって修飾される。修飾されたアミノ酸の非限定例には、グリコシル化されたアミノ酸、硫酸化されたアミノ酸、プレニル化(例えば、ファルネシル化、ゲラニルゲラニル化)されたアミノ酸、アセチル化されたアミノ酸、アシル化されたアミノ酸、ペグ化されたアミノ酸、ビオチン化されたアミノ酸、カルボキシル化されたアミノ酸、リン酸化されたアミノ酸などがある。アミノ酸の修飾における当業者を手引きするのに適した参考文献は本明細書を通じて十分記載されている。例示的なプロトコールは、例えば、「Walker (1998) PROTEIN PROTOCOLS ON CD-ROM Humana Press, Towata, NJ」にみられる。典型的には、修飾されたアミノ酸は、グリコシル化されたアミノ酸、ペグ化されたアミノ酸、ファルネシル化されたアミノ酸、アセチル化されたアミノ酸、ビオチン化されたアミノ酸、脂質成分にコンジュゲートされたアミノ酸残基、又は有機誘導体化剤にコンジュゲートされた残基である。また、融合タンパク質は、ポリマーへの共有的コンジュゲートにより化学的に修飾でき、例えばそれらの循環半減期を増加させる。このようなポリマーをペプチドへ付着させる例示的なポリマー及び方法は、例えば米国特許第4766106号、同第4179337号、同第4495285号、及び同第4609546号において示されている。さらなる例示的ポリマーには、ポリオキシエチレン化されたポリオール及びポリエチレングリコール(PEG)成分が含まれる(例えば、融合タンパク質は分子量がおよそ1000〜およそ40000、例えばおよそ2000〜およそ20000、例えばおよそ3000〜12000の間のpEGにコンジュゲートできる)。さらに又はあるいは、融合タンパク質は、該融合タンパク質誘導体に新規の生物学的/薬理学的な特性を与えうる第二の分子、例えば放射性核種、酵素、酵素基質、補因子、蛍光マーカー、化学発光マーカー、ペプチドタグ、磁気粒子、毒素、又は他の薬物にコンジュゲートされうる。本発明の別の例示的な特長は、一又は複数の抗体断片、核酸(オリゴヌクレオチド)、ヌクレアーゼ、ホルモン、免疫調節剤、キレート剤、ホウ素化合物、光活性剤、色素などへコンジュゲートされる融合タンパク質に具現化される。
これら及び他の適切な薬剤は、本発明の融合タンパク質配列に直接又は間接的にカップリングできる。第二の薬剤を間接的にカップリングする一例は、スペーサー成分によるカップリングである。これらのスペーサーは、順に、不溶性又は可溶性のいずれかでありえ(例えば、Diener,等, Science, 231:148, 1986参照)、標的部位で及び/又は特定の条件下で融合タンパク質から薬物を放出させるよう選択できる。融合タンパク質にカップリングできる治療剤のさらなる例には、レクチン及び蛍光ペプチドが含まれる。
誘導体を産生する方法は当分野で公知である。Fab'断片へのPEGをコンジュゲートする方法及び部位特異的にコンジュゲートする方法は、例えば、Leong等, Cytokine 16(3): 106-119 (2001)及びDelgado等, Br. J. Cancer 73(2): 175-182 (1996)に記述される。典型的に、PEGスペーサーはおよそ2000〜4000のMWを有する。このようなスペーサーを用いて、誘導体化成分をコンジュゲートするか、又は異なる結合タンパク質(典型的には抗体断片のような抗体又は抗体由来の)部位の結合によって融合タンパク質を形成することもできる。また、相対的に短いスペーサー、例えばDSSPスペーサーのような短いアミノ酸配列スペーサーを用いて、同様に、抗体部位及び/又は誘導体化剤を抗体部位に結合させうる。また、適切でありうる他のリンカーは本明細書中に記述されて及び/又は当分野で公知である(単鎖Fv抗体断片のためのリンカーの選別に関連する原則については、例としてKortt等, Biomol Eng. 2001 Oct 15;18(3): 95-108を参照)。また、抗体部位、例としてFab断片又はFab含有抗体分子も様々な公知の技術により容易になされうるCys−Cys結合によって結合されうる。典型的に、連結成分へのアミノ酸鎖の結合は、化学的架橋によって(例えば米国特許第6238667号に記述される親和性架橋結合方法によって)達成される。製薬的小分子、放射性化合物などは、融合タンパク質中の又は融合タンパク質に付着したエピトープタグを特異的に結合する分子(例えばビオチン、アビジン、ストレプトアビジンなど)に付着するキレートの形態で、融合タンパク質と結合しうる。キレート基は公知であり、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、シクロヘキシル1,2-ジアミン四酢酸(CDTA)、エチレングルコールO,O'-ビス(-2-アミノエチル)-N,N,N',N'-四酢酸(EGTA)、N,N-ビス(ヒドロキシベンジル)-エチレンジアミン-N,N'-二酢酸(HBED)、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸(TTHA)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-N,N'-,N'',N'''-四酢酸(DOTA)(例として米国特許第5428156号及びLewis等 (1994) Bioconjugate Chem. 5: 565-576を参照)、ヒドロキシエチルジアミン三酢酸(HEDTA)、1,4,8,11-テトラ-アザシクロテトラデカン-N,N',N'',N'''-四酢酸(TETA)、置換されたDTPA、置換されたEDTAなどから誘導される基が含まれる。
医薬組成物
他の態様では、本発明は、本発明の融合タンパク質を含有してなる組成物、例えば有効量の本発明の融合タンパク質(例えば、治療的有効量(治療的用量)の該融合タンパク質)を含有してなる薬剤的組成物に関する。
典型的には、製薬的な使用を目的とする本発明の融合タンパク質を含有してなる組成物は、融合タンパク質の少なくとも生理学的有効量を含有し、一般に望ましくは、治療的有効量の融合タンパク質、又は融合タンパク質の組み合わせ及び更なる活性な/治療的薬剤を含有する(併用療法及び組成物は本明細書中の他で述べられる)。
「治療的有効量」とは、生物学的に活性な化合物又は組成物の量をいい、適切な用量で、適切な期間に亘り、典型的に化合物又は組成物に応答性の宿主に対して送達される場合に、宿主において所望の治療結果を達成するために十分である、及び/又は典型的に実質的に同様な宿主(例えば、治療されるべき患者と同様な特徴を有する患者など)においてそのような治療結果を達成できる。融合タンパク質の治療的有効量は、個々の疾病の状態、年齢、性別及び体重、並びに当該融合タンパク質の個々における所望の応答を引き出す能力などの因子に従って変わる。また、治療的有効量は、抗体ないしは抗体部位の任意の有毒性又は有害性の効果よりも、その治療上の有益な効果の方が上回るものである。代表的な治療効果は、例えば(a)特定の対象又は実質的に同様な対象の集団における疾患、疾病又は関連する状態の重症度の低減;(b)一又は複数の症状又は疾患、疾病又は状態と関連する生理的な状態の減少;又は(c)予防的な効果などがある。疾患の重症度の低減は、例えば(a)疾病(例えば、患者における癌の拡がり)の拡がりにおける測定可能な減少;(b)対象における正の結果の機会の増加(例えば、少なくともおよそ5%、10%、20%、25%以上など);(c)生存又は寿命を増やす変化;及び/又は(d)疾患状態の存在に関連する一又は複数の生物マーカーにおける測定可能な減少(例えば、癌治療における腫瘍の量及び/又は大きさの減少;ウイルス感染治療におけるウイルス量の減少など)などがある。治療的有効量は、個々の対象との関係において、より一般的には実質的に同様な対象の集団(融合タンパク質組成物にかかわる臨床試験に登録された同様の疾病を有する多くのヒト患者、又は、前臨床試験との関連で融合タンパク質を試験するために使用される同様な一連の特徴を有する多くの非ヒト哺乳動物)との関係において、測定される。
「予防的有効量」は、該化合物又は組成物に典型的に応答する宿主において必要な用量且つ時間に亘って有効であり、宿主において所望の予防結果が達成される、又は実質的に同様な宿主において該結果が典型的に達成できる、活性化合物又は組成物の量を指す。例示的な予防効果は、当該予防療法を受けていない同様の患者などと比較して、疾病の進行の可能性を低下すること、疾病の強さ又は拡がりを低下すること、切迫した疾病の間の生存の可能性を増加すること、疾患状態の発症を遅らせること、切迫した状態の拡がりを減少することなどを含む。典型的には、予防用量は、疾患に先駆けて又は疾患早期段階で使用されるため、当該予防的有効量は、特定の融合タンパク質の治療的有効量よりも少ないであろう。予防効果はまた、融合タンパク質組成物を受けていない実質的に同様な被検体と比較して、発病を予防すること、発病時間を遅らせること、当該疾患の結果的な重症度を低下することなどを含む。
「生理学的有効量」は、該薬剤に正常に応答する宿主への投与により、エフェクターリンパ球活性の調節に関連する少なくとも一の生理学的な効果(例えば、NK細胞関連アポトーシス;NK細胞関連IFNγ分泌の増加;など)が誘導、促進及び/又は増強する活性な薬剤の量である。典型的にはまた、治療的有効量は、予防の上で有効かつ生理学上でも有効であるが、概してその逆は真でない(すなわち、生理的有効量は治療的に有効である量よりも低すぎるか、又は高すぎるかもしれない)。
本明細書中の「治療」、「治療する」及び「処置」などの用語は、任意の症状又は疾患状態が発生するのを阻止することを目的として、又は既に生じた症状や疾患状態を和らげる、寛解する又は根絶する(治癒する)ことを目的として、本発明の融合タンパク質といった治療的活性を持つ化合物又は組成物の有効量の送達を指す。したがって「治療」なる用語は予防治療を含むことを意図する。しかしながら、本発明の治療的投薬計画及び予防的投薬計画は本発明の別々の独立した態様とみなしうることが理解されるであろう。
融合タンパク質は、一又は複数の意図される投与経路に適切な一又は複数の担体(希釈剤、賦形剤など)及び/又はアジュバントと組み合わせて、薬学的に受容可能な組成物を提供しうる。本発明の融合タンパク質の治療的用量を含有する薬学的に受容可能な組成物は、「製薬的組成物」と称されうる。組成物及びその構成成分の受容性は、通常、毒性、不都合な副作用、望ましくない免疫原性などに関してなされ、標準的な方法によって容易に決定されるであろう。
薬学的に受容可能な担体は、一般的に何れか及び全ての適切な溶媒、分散媒、コーティング、抗菌性及び抗真菌性の薬剤、等張性及び吸収遅延剤など、生理的に融合タンパク質に適合するものが含まれる。薬学的に許容される担体は、水、生理食塩水、リン酸バッファー食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなど、並びにその何れかの組み合わせを具組む。多くの場合において、望ましくは等張性剤、例えば、糖、ポリアルコール、例えば、マンニトール、ソルビトール又は塩化ナトリウムなどをそのような組成物中に含む。薬学的に受容可能な物質、例えば、湿潤剤又は少量の補助剤、例えば、湿潤剤又は乳化剤、保存剤又はバッファー、望ましくは当該融合タンパク質、関連する組成物又は組み合わせの貯蔵寿命又は有効性を高める。薬剤的組成物の担体及び他の成分に対する適合性は、当該融合タンパク質、関連する組成物又は組み合わせの所望の生物学的性質に対して有意に負の影響がないことに基づいて決定できる(例えば、エフェクターリンパ球活性化レセプター及び二次標的結合に対して実質的な影響より小さい(10%以下の相対的な阻害、5%以下の相対的な阻害など))。
本発明の融合タンパク質は、例えば、乳糖、ショ糖、パウダー(例えば、デンプンパウダーなど)、アルカン酸のセルロースエステル、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸ナトリウム及びリン酸カルシウム、硫酸ナトリウム及び硫酸カルシウム、アラビアゴム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリジン、及び/又はポリビニルアルコールと混合してもよく、場合によってさらに従来の投与のために錠剤化又はカプセル化されてもよい。あるいは、融合タンパク質は、食塩水、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、カルボキシメチルセルロースコロイド溶液、エタノール、とうもろこし油、落花生油、綿実油、胡麻油、トラガカントゴム及び/又は様々なバッファに溶解されてもよい。他の担体、アジュバント及び投与様式は製薬の分野では周知である。担体又は希釈剤は、時期を遅らせる物質、例えば、グリセリルモノステアレート又はグリセリルジステアレート単独又はワックスあるいは他の機能的に同様な物質と共に含んでもよい。
融合タンパク質組成物、関連する組成物(本明細書中の他のところに記載−例えば、本発明の融合タンパク質の一つをコードする核酸を含んでなる組成物)及び組み合わせは、種々の適切な形態であってよい。そのような形態は、例えば、液体、半固体及び固体投与量形態、例えば、液体溶液(例えば、注射可能及び注入可能な溶液)など、分散系又は懸濁液、乳液、ミクロエマルジョン、錠剤、丸剤、パウダー、リポソーム、デンドリマー(dendrimers)及び他のナノ粒子(例えば、Baek等,Methods Enzymol.2003;362:240-9;Nigaverkar等,Pharm Res.2004 Mar;21(3):476-83を参照されたい)、微小粒子及び坐薬を含む。任意の融合タンパク質関連組成物のための最適な形態は、意図される投与様式、その組成物又は組み合わせの性質、及び治療学的な適用又は他の意図される使用に依存する。剤形はまた、例えば、パウダー、ペースト、軟膏、ゼリー、蝋、油、脂質、脂質(陽イオン又は陰イオン)含有ベシクル、DNA複合体、無水吸水ペースト、水中油形及び油中水形乳液、乳液、カーボワックス(種々の分子量のポリエチレングリコール)、カーボワックスを含む半固体ゲル及び半固体混合物などを含む。前述の混合物はいずれも、融合タンパク質のその標的への結合がその剤形により著しく阻害されず、その剤形が生理学的に適合し、投与経路に耐えられるとの条件で、本発明に係る処置及び療法に適切であってよい。例えば、Powell等の文献(Powell等"Compendium of excipients for parenteral formulation" PDA J Pharm Sci Technol.52:238-311(1998))、及びその中の製薬化学者に周知の賦形剤及び担体に関する更なる情報のための引用を参照されたい。
特定の態様では、融合タンパク質はリポソーム(イムノリポソーム)で投与される。他の態様では、融合タンパク質は、リポソーム及び、NK細胞中での遺伝子を抑制するためのアンチセンスRNA、RNAiないしはsiRNA、又は標的としたNK細胞の殺傷のための毒素ないしは薬剤といった二次薬剤で投与される(併用療法のための更なる二次薬剤は本明細書中の他に記載される)。リポソームの産生は当分野で公知である。また、イムノリポソームは標準的な技術によって特定の細胞を標的としうる。
また、融合タンパク質組成物には融合タンパク質ペプチド及び好適な塩の何れかの適切な組み合わせを含んでなる組成物が含まれる。何れかの適切な塩、例えば、何れかの適切な形態(例えば、バッファー塩など)のアルカリ土塁金属塩を融合タンパク質の安定化において使用される(好ましくは、塩の量は、当該融合タンパク質の酸化及び/又は沈殿が回避されるような量である)。適切な塩は典型的に、塩化ナトリウム、コハク酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、及び塩化カルシウムを含む。ある態様では、アルミニウム塩を用いて本発明の組成物中の融合タンパク質を安定させる。このような組成物が患者に投与される場合、アルミニウム塩もアジュバントとして働きうる。また、塩基及び融合タンパク質を含んでなる組成物も提供される。他の態様では、本発明は、いずれかの塩の緊張量を基本的に欠く融合タンパク質組成物を提供する。
典型的には、注射可能な溶液又は注入可能な溶液の形態の組成物、例えば他の抗体によるヒトの受動免疫に用いられるものに類似する組成物は本発明の融合タンパク質の送達のために用いられる。融合タンパク質組成物の送達の典型的な様式は、非経口投与(例えば、静脈内、皮下、腹腔内及び/又は筋肉内投与など)による。ある態様では、融合タンパク質抗体はヒト患者に対して静脈内注入により投与される。他の態様では、融合タンパク質抗体は筋肉内又は皮下注射により投与される。また、上記のように、腫瘍内投与もある治療計画において有用でありうる。
ゆえに、本発明の融合タンパク質は、例えば、固体製剤(例えば、顆粒、パウダー、噴出性粒子、又は坐薬などを含む)、半固体形態(ゲル、クリームなど)、又は液体形態(例えば、溶液、懸濁液又は乳液など)に製剤化されてもよい。
例えば融合タンパク質は多様な溶液に適用されてもよい。本発明に係る使用に適切な溶液は、典型的に、滅菌、溶解された十分な量の抗体及び当該組成物の他の成分(例えばGM-CSF、IL-2及び/又はKGFなどの免疫賦活性サイトカイン)で、製造及び貯蔵のための条件下において安定なものであり、提案された適用のための被検体に対して有害ではない。融合タンパク質は、通常の製薬操作、例えば、滅菌などに供してもよく、及び/又は通常の補助剤、例えば、保存剤、湿潤剤、乳化剤、バッファー等を含んでもよい。組成物はまた、溶液、マイクロエマルジョン、分散系、パウダー、マクロエマルジョン、リポソーム又は他の要求される高薬物濃度のために適切な構造として製剤化される。溶液の所望の流動特性は、例えば、コーティング、例えば、レクチンの使用により、分散系の場合において必要とされる粒子サイズを維持することにより、及び界面活性剤の使用によって維持されてよい。注射可能な組成物の吸収の延長は、当該組成物に吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアレート塩及びゼラチンなどを含ませることにより達成されうる。本発明の薬学的に許容される組成物のこれら及び他の成分が、有利な特性、例えば、改善された移行、送達、耐久力などを与える。
さらに又はあるいは、医薬使用のための組成物は、種々の希釈剤、充填剤、塩、バッファー、界面活性剤(例えば、非イオン性界面活性剤、例えば、Tween-80など)、安定剤(例えば、糖又はタンパク非含有アミノ酸など)、保存剤、組織固定剤(tissue fixatives)、可溶化剤及び/又は医薬市長のための組成物への包含に適切な他の物質を含む。適切な成分の例はまた、以下の文献、例えば、Berge等, J. Pharm. Sci.,6661)1-19(1977);Wang and Hanson, J. Parenteral. Sci. Tech: 42, S4-S6(1988);米国特許第6165776号及び同第6225289号;及びここで引用される他の文献に記載される。そのような医薬組成物生物はまた、保存剤、酸化防止剤又は当業者に公知の他の添加剤を含む。更なる薬学的に許容される担体は、当該分野において公知であり、例えば、次の文献に記載される;Urquhart等, Lancet,16,367(1980), Lieberman等, Pharmaceutical Dosage Forms-Disperse Systems(2nd ed., vol. 3,1998);Ansel等, Pharmaceutical Dosage Forms & Drug Delivery Systems(7th ed. 2000); Martindale, The Extra Pharmacopeia(31st edition),Remington's Pharmaceutical Sciences(16th-20th editions); The Pharmacological Basis Of Therapeutics, Goodman and Gilman, Eds.(9th ed.-1996);Wilson and Gisvolds'TEXTBOOK OF ORGANIC MEDICINAL AND PHARMACEUTICAL CHEMISTRY, Delgado and Remers, Eds.(10th ed. -1998) 及び米国特許第5708025号及び同第5994106号。薬学的に許容される組成物を製剤化するときの原則も、例えば、以下の例に記載される;Platt, Clin. Lab Med., 7:289-99(1987), Aulton, Pharmaceutics: The Science Of Dosage Form Design, Churchill Livingstone(New York)(1988), EXTEMPORANEOUS ORAL LIQUID DOSAGE PREPARATIONS, CSHP(1998),及び"Drug Dosage", J. Kans. Med. Soc,. 70(1), 30-32(1969)。融合タンパク質組成物及び関連する組成物(例えば、融合タンパク質をコードする核酸又は融合タンパク質をコードする核酸を含むベクターを含む組成物)の特に投与に適切な更なる薬学的に受容可能な担体は、例えば国際公開第98/32859号に記載される。
融合タンパク質組成物は、迅速な放出を防ぐであろう担体、例えば、制御された放出製剤、例えば、インプラント、経皮的パッチ、及びマイクロカプセルに入れられた送達系などと共に製造される。生分解性のある生物的適合性のポリマーも使用され、それらは例えば、エチレンビニルアセテート、ポリ無水物(polyanhydrides)、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル(polyorthoesters)及びポリ乳酸、並びにそのような組成物を提供するようなその何れかの組み合わせである。そのような組成物の製造方法は公知である。例えばSustained and Controlled Release Drug Delivery Systems, J. R. Robinson, ed., Marcel Dekker, Inc., New York, 1978を参照のこと。
他の態様では、本発明の組成物は、経口投与のために、例えば、不活性希釈剤又は同化可能な食用担体と共に製剤化される。融合タンパク質(と、包含の望む場合には他の成分)もまた、硬ゼラチンカプセル又は軟シェルゼラチンカプセルに封入されてもよく、錠剤に加圧されてもよく、対象の食事に直接に混ぜてもよい。治療上の経口投与のために、当該化合物が賦形剤と共に組み込まれて、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、カシュ剤などの形態で使用される。本発明の化合物を非経口投与により投与するために、当該化合物をそれの不活性化を予防するための物質でコートする、又はそれの不活性化を予防するための物質と当該化合物を共投与することが必要かもしれない。
組み合わせ組成物の場合(本明細書中で詳述される)、融合タンパク質は、一又は複数の更なる治療剤(例えば、抗原性ペプチド及び/又は免疫賦活性サイトカイン)とともに製剤されるか及び/又はともに投与される。このような組み合わせ療法は、より少ない服用量の融合タンパク質及び/又は同時投与される薬剤を必要することがあり、したがって様々な単一療法に付随する可能性のある毒性又は合併症が回避される。
他の態様では、本発明は、本発明の融合タンパク質及び少なくとも一の第二活性剤を含有してなる組み合わせ組成物であって、該融合タンパク質と第二活性剤が所望の生理学的効果、典型的には所望の治療効果を産生するような用量及び条件下で存在するものである組み合わせ組成物を提供する。また、本発明は、ヒト患者などの被検体へ前記組み合わせの薬剤を送達することを含む治療方法及び使用方法を提供する。特に明記しない限り、特定の組み合わせ組成物又は方法に関する本明細書中に記述のすべての態様は、その他に応用されてもよい。それにもかかわらず、組み合わせ方法及び組成物が互いに異なるであろうことは理解されるであろう。
本発明の融合タンパク質と有利に組み合わされうる薬剤はたくさんあり、融合タンパク質、融合タンパク質の組成物などの意図する使用に応じてこのような薬剤が選択されるであろう。
ある状況では、本発明は、癌の状態ないしは前癌の状態に対する応答を誘導する又は促進することができる本発明の融合タンパク質と少なくとも一の第二抗癌剤とを含有してなる組み合わせ組成物及び組み合わせ療法(併用療法)を提供する。
他の態様では、本発明は、ウイルス感染に対する治療的応答を誘導する又は促進することができる本発明の融合タンパク質と少なくとも一の第二抗ウイルス剤とを含有してなる組み合わせ組成物及び組み合わせ療法(併用療法)を提供する。
ある態様では、本発明は、一又は複数のエフェクターリンパ球活性化レセプター組成物が本発明の融合タンパク質と組み合わされている組み合わせ組成物及び組み合わせ療法を提供する。例えば、融合タンパク質は、インターフェロンα(IFNα)、IFNβ、インターロイキン(IL)12(IL-12)、IL-18及び/又はIL-2と組み合わされてもよい。他の態様では、融合タンパク質は、CTL、例えばIL-2又はTヘルパー細胞などのT細胞を活性化する薬剤と組み合わされてもよい。融合タンパク質は、活性化化合物として同じ種類の細胞に作用しても、複数の活性化化合物の場合ではいくつかが重なり合っていても、又は前記方法及び組成物において組み合わされるエフェクターリンパ球活性化化合物とは異なる種類の細胞に作用してもよい。
癌を治療するため、又は癌を発症するリスクにある患者(例えば、寛解の時期にある患者、前癌症状が検出された患者など)の場合では癌に対する予防として用いられる組成物及び方法では、本発明の融合タンパク質は一又は複数の抗癌第二薬剤と組み合わされてもよい。このような第二薬剤は、任意の適切な抗新生物性治療剤、例えば抗悪性腫瘍免疫原性ペプチド、抗体ないしは小分子薬剤であってよい。
癌治療で使用される薬剤は、癌細胞に対して細胞障害性効果又は細胞増殖抑制性効果を有しうるか、又は悪性の細胞の増殖を低減しうる。癌治療の手引きを示す教本の中には、Cancer, PRINCIPLES AND PRACTICE OF ONCOLOGY, 4th Edition, DeVita等, Eds. J. B. Lippincott Co., Philadelphia, Pa. (1993)がある。関連の分野で認識されているように、適当な治療的手法は特定の種類の癌及び患者の一般的な状態などの因子に従って選択される。
ある面では、本発明は、融合タンパク質と適切な第二抗癌モノクローナル抗体(「mAb」)(完全長mAb、mAb断片又はmAb誘導体を含みうる)とを含んでなる組成物を提供する。標的に対する融合タンパク質の特異性、選択性及び/又は親和性を有意に干渉しない任意のmAbが適切でありうるが、典型的には、mAbはまた、mAbと融合タンパク質の複合効果について選択される。
他の態様では、本発明は、抗癌融合タンパク質に関連して宿主に送達される化学療法剤を伴う組み合わせ組成物及び組み合わせ療法を提供する。特定の態様では、融合タンパク質ないしは関連する組成物は、癌進行のDNA濃度に影響する化学療法剤に関連して送達される。 他の特定の態様では、融合タンパク質ないしは関連する組成物は、被検体に送達されるか又は「RNAレベル」の化学療法剤(又はその組み合わせ)との組成物に含まれる。この化学療法剤の非限定的例にはビンカアルカロイド、タキサン及びトポイソメラーゼ阻害薬が含まれる。化学療法組み合わせ組成物及び投与方法において有用な更なる組成物、方法及び関連した原則を提供しうる化学療法において用いられる細胞障害性剤の一般的な考察は、Sathe, M.等, CANCER CHEMOTHERAPEUTIC AGENTS: HANDBOOK OF CLINICAL DATA (1978) and the second edition thereof (Preston - 1982)及びCANCER CHEMOTHERAPEUTIC AGENTS (ACS Professional Reference Book) (William Foye, Ed. 1995)に示される。このような場合に有用となりうる多くの更なる薬剤は、米国特許第6524583号の表Cに記載される。
他の例示的態様では、本発明は、融合タンパク質が抗癌性核酸と組み合わされるか又は結合される、組み合わせ組成物ないしは組み合わせ投与方法を提供する。例えば、融合タンパク質は、抗癌性アンチセンス核酸(例えば、オーグメロセン/G3139、LY900003(ISIS 3521)、ISIS 2503、OGX−011(ISIS 112989)、LE−AON/LEraf−AON(リポソーム封入されたc−rafアンチセンスオリゴヌクレオチド/ISIS−5132)、MG98、及びPKCα、クラステリン、IGFBP、タンパク質キナーゼA、サイクリンD1、又はBcl−2を標的にする他のアンチセンス核酸と組み合わされることができるか、又はそれらと関連して投与できる(例としてBenimetskaya等, Clin Prostate Cancer. 2002 Jun;1(1):20-30;Tortora等, Ann N Y Acad Sci. 2003 Dec;1002:236-43;Gleave等, Ann N Y Acad Sci. 2003 Dec;1002:95-104.;Lahn等, Ann N Y Acad Sci. 2003 Dec;1002:263-70;Kim等, Int J Oncol. 2004 Jan;24(1):5-17;Stahel等, Lung Cancer. 2003 Aug;41 Suppl 1:S81-8;Stephens等, Curr Opin Mol Ther. 2003 Apr;5(2):118-22;Cho-Chung, Arch Pharm Res. 2003 Mar;26(3):183-91;及び Chen, Methods Mol Med. 2003;75:621-36を参照)。
他の態様では、融合タンパク質は、抗癌阻害的RNA分子を含む組成物と関連して送達され、又は該組成物中に組み合わされて送達される(例としてLin等, Curr Cancer Drug Targets. 2001 Nov;1(3):241-7, Erratum in: Curr Cancer Drug Targets. 2003 Jun;3(3):237;Lima等, Cancer Gene Ther. 2004 May;11(5):309-16;Grzmil等, Int J Oncol. 2004 Jan;24(1):97-105;Collis等, Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2003 Oct 1;57(2 Suppl):S144;Yang等, Oncogene. 2003 Aug 28;22(36):5694-701;及び Zhang等, Biochem Biophys Res Commun. 2003 Apr 18;303(4):1169-78を参照)。
他の面では、本発明は、融合タンパク質がリボザイムなどの抗癌性ヌクレオザイムと組み合わされる、組み合わせ組成物及び組み合わせ投与方法を提供し、その例にはアンジオザイムがある(Ribozyme Pharmaceuticals、例えばPennati等, Oncogene. 2004 Jan 15;23(2):386-94;Tong等, Clin Lung Cancer. 2001 Feb;2(3):220-6;Kijima等, Int J Oncol. 2004 Mar;24(3):559-64;Tong等, Chin Med J (Engl). 2003 Oct;116(10):1515-8;及び Orlandi等, Prostate. 2003 Feb 1;54(2):133-43を参照)。更なる他の態様では、融合タンパク質は免疫賦活性核酸と組み合わされる(例としてKrieg, Trends in Microbiol 7: 64-65 (1999);Wooldridge等, Curr Opin Oncol. 2003 Nov;15(6):440-5;Jahrsdorfer等, Semin Oncol. 2003 Aug;30(4):476-82;Jahrsdorfer等, Curr Opin Investig Drugs. 2003 Jun;4(6):686-90;及びCarpentier等, Front Biosci. 2003 Jan 1; 8:e115-27を参照)。
他の態様では、本発明は、融合タンパク質が腫瘍抑制因子コード核酸と組み合わされ又はそれと関連して送達される、組み合わせ組成物及び方法を提供する。ある例示的な態様では、腫瘍抑制因子はp53腫瘍抑制遺伝子である(例としてRoth等, Oncology (Huntingt). 1999 Oct;13(10 Suppl 5):148-54)及びNielsen等, Cancer Gene Ther. 1998 Jan-Feb;5(1):52-63を参照)。さらなる腫瘍抑制因子ターゲットには、例えばBRCA1、RB1、BRCA2、DPC4(Smad4)、MSH2、MLH1、及びDCCが含まれる。
ある態様では、本発明は、融合タンパク質が腫瘍退縮性ウイルスと組み合わされ、又はともに送達される、組み合わせ組成物及び組み合わせ投与方法を提供する。このようなウイルスの例には、腫瘍退縮性アデノウイルス及びヘルペスウイルスが含まれ、それらは修飾されたウイルスとすることができ、又は修飾されたウイルスとしないことができる(このようなウイルスの例及び関連の原則は、例えばTeshigahara等, J Surg Oncol. 2004 Jan;85(1):42-7;Stiles等, Surgery. 2003 Aug;134(2):357-64;Zwiebel等, Semin Oncol. 2001 Aug;28(4):336-43;Varghese等, Cancer Gene Ther. 2002 Dec;9(12):967-78;及び Wildner等, Cancer Res. 1999 Jan 15;59(2):410-3に記載される)。
また、ウイルス、ウイルスタンパク質などが、組み合わせ組成物及び組み合わせ投与方法において使用できる。一般にインビボで複製を1回又は僅か数回しか行えず、及び腫瘍細胞を標的とする複製欠損ウイルスは、例えばこのような組成物及び方法の有用な構成成分でありうる。このようなウイルス性薬剤は、GM−CSF及び/又はIL−2などの免疫賦活因子をコードする核酸を含むことができる、又はそれと関連付けられることができる。生来的に腫瘍退縮性のウイルス及びこの組換え腫瘍対縮性ウイルス(例えば、HSV−1ウイルス、レオウイルス、複製欠損性及び複製感受性アデノウイルスなど)も、このような方法及び組成物の有用な構成成分でありうる(例えば、Varghese等, Cancer Gene Ther. 2002 Dec;9(12):967-78;Zwiebel等, Semin Oncol. 2001 Aug;28(4):336-43;Sunarmura等, Pancreas. 2004 Apr;28(3):326-9;Shah等, J Neurooncol. 2003 Dec;65(3):203-26;及びYamanaka, Int J Oncol. 2004 Apr;24(4):919-23)参照)。
さらなる特長として、本発明は、融合タンパク質が癌抗原/腫瘍関連抗原などの抗癌性免疫原と組み合わされて送達される(例えば、上皮細胞接着分子(Ep−CAM/TACSTD1)、ムチン1(MUC1)、癌胎児性抗原(CEA)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG−72)、gp100、メラン(Melan)−A、MART−1、KDR、RCAS1、MDA7、癌関連ウイルス性ワクチン(例えば、ヒトパピローマウイルス性ワクチン)、腫瘍由来熱ショックタンパク質など)(例えば、Acres等, Curr Opin Mol Ther 2004 Feb, 6:40-7;Taylor-Papadimitriou等, Biochim Biophys Acta. 1999 Oct 8;1455(2-3):301-13;Emens等, Cancer Biol Ther. 2003 Jul-Aug;2(4 Suppl 1):S161-8;及びOhshima等, Int J Cancer. 2001 Jul 1;93(1):91-6も参照)、組み合わせ投与方法及び組み合わせ組成物が提供される。
本発明の組成物及び組み合わせ投与方法は、このような癌抗原/腫瘍関連抗原をコードするネイキッドDNAワクチンなどの核酸ワクチンの包含又は同時投与も含む(例えば、米国特許第5589466号、第5593972号、第5703057号、第5879687号、第6235523号及び第6387888号を参照)。別の態様では、組み合わせ投与方法及び/又は組み合わせ組成物は自家性ワクチン組成物を含む。更なる態様では、組み合わせ組成物及び/又は組み合わせ投与方法は全細胞ワクチン又はサイトカイン発現細胞(例えば、組み換えIL−2発現線維芽細胞、組み換えサイトカイン発現樹状細胞など)を含む(例えば、Kowalczyk等, Acta Biochim Pol. 2003;50(3):613-24;Reilly等, Methods Mol Med. 2002;69:233-57;及びTirapu等, Curr Gene Ther. 2002 Feb;2(1):79-89参照)。本発明の組み合わせ方法において有用でありうる治療用自家性細胞方法の別の例は、MyVax(登録商標)オーダーメード免疫療法(以前の名称は、GTOP−99)(Genitope Corporation、米国カリフォルニア州レッドウッド市を通じて入手可能である)である(米国特許第5972334号及び第5776746号参照)。異なる態様では、本発明の方法は、さらに又はあるいは、一般に修飾されうる及び/又は送達の前に物質(例えば一又は複数の活性化因子)との様々な接触によって修飾されうる一又は複数の種類のNK細胞(例えば、CD56dimCD16+NK細胞)の同時送達を含む方法によって実施されうる。
他の態様では、本発明は、融合タンパク質と抗癌性サイトカイン、ケモカインないしはその組み合わせを含んでなる組み合わせ組成物又は組み合わせ投与方法を提供する。任意の適切な抗癌性サイトカイン及び/又はケモカインは、本発明の方法及び組成物において融合タンパク質とともに及び/又はと組み合わせて用いられうる。好適なケモカイン及びサイトカインにより癌細胞又は関連組織(例えば、腫瘍)に対して、検出可能なより大きな及び/又はより包括的な免疫応答をインビボでもたらし、組成物/方法において融合タンパク質の結合を実質的に妨害しない。
他の態様では、本発明は、抗癌性免疫原性ペプチドと典型的にさらに組み合わせた融合タンパク質及びアジュバントを含む組み合わせ組成物又は組み合わせ投与方法を提供する。適切なアジュバントの非限定的な例はQS21、SRL−172、ヒスタミン二塩酸塩、サイモカルチン、Tio−TEPA、モノホスフォリル脂質A/ミコバクテリア組成物、ミョウバン、不完全フロイントアジュバント、Montanide ISA、リビアジュバントシステム(Ribi Adjuvant System)、タイターマックスアジュバント(TiterMax adjuvant)、シンテックスアジュバント処方(syntex adjuvant formulation)、免疫刺激性複合体(ISCOM)、 ゲルブRアジュバント、CpGオリゴデオキシヌクレオチド、リポ多糖類、及びポリイノシンン酸:ポリシチジル酸である。
更なる他の態様では、本発明は、少なくとも一の融合タンパク質又は関連分子の他に、テロメラーゼ阻害剤、テロメラーゼワクチン、又はそれらの組み合わせを含む組み合わせ組成物及び組み合わせ投与方法を提供する。このような組成物及び関連技術の例は米国特許第6440735号及び同第6713055号に記載されている。
更なる態様では、本発明の組み合わせ組成物及び/又は組み合わせ投与方法は、免疫調節性化合物又はそのモジュレーター(例えば抗阻害性免疫調節性抗体)の投与を含んでなる。このような化合物の例にはB7分子が含まれる。このような分子の他の例は、ネガティブなT細胞調節因子の阻害薬、例えばCTLA4に対する、又は他のネガティブな免疫細胞調節因子に対する抗体、例としてBTLA及びPD-1である。他の態様では、このような阻害性分子の送達は、例えば自己免疫性疾患又は他の免疫系関連の疾病の治療において望まれうる。更なる例示的な態様では、抗CD4抗体などのCD4の阻害薬は、本明細書中に示される本発明の方法の実施に関連して送達されうる。
他の面では、組み合わせ組成物又は組み合わせ投与方法は、一又は複数の免疫抑制性/免疫調節性薬剤、例として、Tリンパ球ホーミング調節因子;カルシノイリン阻害剤;又はTOR-阻害剤を含む。
他の態様では、本発明は、少なくとも一の融合タンパク質と一又は複数の細胞周期制御性/アポトーシス性制御因子(又は、細胞周期/アポトーシス「制御薬剤」)を伴う組み合わせ組成物及び組み合わせ投与方法を提供する。細胞周期制御性/アポトーシス性制御因子には、例えば、細胞周期制御性/アポトーシス性制御因子を標的として調節する一又は複数の分子が含まれる。
さらに他の態様では、本発明は、一又は複数の増殖因子阻害薬を含んでなる組み合わせ組成物及び組み合わせ投与方法を提供する。増殖因子及び成長因子レセプターに対する多くのmAbは、癌の治療を促進する際に有用となりうることが知られている。例えば、上皮腫瘍において異常に活性化される上皮性増殖因子レセプター(EGF-R)タンパク質の細胞外リガンド結合ドメインに対する抗体は、悪性の上皮細胞由来の腫瘍の治療に有用でありうる。このようなレセプターのチロシンキナーゼドメインを阻害する低分子量の分子に対する抗体もまた、組み合わせ組成物又は組み合わせ投与方法に有用となりうる。
本発明の他の特徴には、一又は複数の融合タンパク質に関連してもたらされる血管形成、血管新生及び/又は他の脈管化の阻害薬を含んでなる組み合わせ組成物及び組み合わせ投与方法が含まれる。
さらに他の態様では、本発明は、少なくとも一の融合タンパク質がホルモン制御剤、例えば抗アンドロゲン及び/又は抗エストロゲン治療剤ないしは投薬計画と組合される、組み合わせ組成物及び組み合わせ投与方法を提供する。
さらに又はあるいは、組み合わせ組成物及び組み合わせ投与方法には、「全細胞」及び「養子性(adoptive)」免疫療法が伴う。例えば、このような方法は免疫系細胞の注入又は再注入を含みうる。また、細胞溶解液はこのような方法及び組成物に有用でありうる。前記態様において有用でありうる臨床治験中の細胞内「ワクチン」には、カンバクシン(Canvaxin)TM、APC−8015(デンドレオン)、HSPPC−96(アンチゲニックス(Antigenics))、及びMelacine(登録商標)細胞溶解液が含まれる。癌細胞から流出される抗原及びそれらの混合物(例としてBystryn等, Clinical Cancer Research Vol. 7, 1882-1887, July 2001を参照)は、ミョウバンなどのアジュバントと必要に応じて混合され、このような方法における有利な構成成分及び方法でもありうる。米国特許第6699483号は、全細胞抗癌療法の別の例を提供する。融合タンパク質関連組成物及び方法において実用的に組み合わせることができるこのような全細胞免疫療法のさらなる例は、本明細書の他のところに記載されている。
他の態様では、本発明は、一又は複数の免疫系阻害薬である細胞内シグナル伝達阻害薬を含んでなる組み合わせ組成物及び組み合わせ投与方法を提供する。このような化合物の例には、チロシンキナーゼ阻害薬、rasシグナル伝達経路の調節因子、及びタンパク質輸送の制御因子が含まれる。他の例には、セリン/スレオニンキナーゼ阻害薬、タンパク質-チロシンホスファターゼ阻害薬、二重特異性ホスファターゼ阻害薬、及びセリン/スレオニンホスファターゼ阻害薬が含まれる。
さらに又はあるいは、組み合わせ組成物及び組み合わせ投与方法は、抗アネルギー剤(例えば小分子化合物、タンパク質、糖タンパク質又は腫瘍及び癌抗原に対する耐性を弱める抗体)を含みうる。
更なる他の態様では、融合タンパク質は、体内ワクチン接種方法の適用と組み合わせて患者に送達できる。体内ワクチン接種は、腫瘍細胞の薬物誘導性又は放射線誘導性の細胞死などの、患者における腫瘍細胞又は癌細胞の死を誘導することを表し、それは、典型的には、(i)腫瘍細胞全体又は(ii)腫瘍細胞の一部に向けられた免疫反応を誘発させるものであり、この腫瘍細胞の一部には(a)分泌されるタンパク質、糖タンパク質、又は他の産物、(b)膜結合タンパク質又は糖タンパク質又は、膜と結合するかもしくは膜に挿入された他の成分、及び/又は(c)細胞内タンパク質又は他の細胞内成分が含まれる。体内ワクチン接種により誘発される免疫反応は、体液性(つまり抗体-補体-媒介性)、又は細胞性(例えば、体内で殺される腫瘍細胞又はその一部を認識する内因性細胞毒性Tリンパ球の発達及び/又は増加)によるものでありうる。放射線療法に加えて、前記腫瘍細胞死の誘導及び体内ワクチン接種方法を誘導するために使用できる薬物及び薬剤の非限定的な例には、従来の化学療法剤、細胞周期阻害剤、抗血管新生剤、モノクローナル抗体、アポトーシス誘導剤、及びシグナル伝達阻害剤が含まれる。
本発明の組み合わせ組成物及び組み合わせ投与方法に含まれうる更なる薬剤には、フルオロピリミジナーカルバミン酸(fluoropyrimidiner carbamate);非ポリグルタミン酸化可能なチミジル酸合成酵素阻害剤(non-polyglutamatable thymidylate synthase inhibitor);ヌクレオシド類縁体;抗葉酸代謝物;トポイソメラーゼ阻害剤;ポリアミン類似体;mTOR阻害剤;アルキル化剤;レクチン阻害剤、;ビタミンD類似体;炭水化物処理阻害剤(carbohydrate processing inhibitor);抗代謝葉酸アンタゴニスト;チミジル酸合成酵素阻害剤(thumidylate synthase inhibitor);抗代謝剤(例えば、ラルティトレキセド);リボヌクレアーゼ還元酵素阻害剤;ジオキソレートヌクレオシド類似体;チミレート合成酵素阻害剤;ゴナドトロピン放出ホルモン(GRNH)ペプチド;ヒト絨毛性ゴナドトロピン;及び化学的に修飾されたテトラサイクリンが含まれる。
さらに又はあるいは、本発明の有用な予防的及び治療的投薬計画は、抗癌向性光線力学的治療(例えば、場合によって光感作剤の使用によって実施され抗癌性レーザー治療、例としてZhang等, J Control Release. 2003 Dec 5;93(2): 141-50を参照);抗癌性音波及び衝撃波治療(例としてKambe等, Hum Cell. 1997 Mar;10(1): 87-94を参照);抗癌性温熱治療(例として米国特許第6690976号参照)、及び/又は抗癌性機能性食品療法(例としてRoudebush等, Vet Clin North Am Small Anim Pract. 2004 Jan;34(1): 249-69、viii and Rafi, Nutrition. 2004 Jan;20(1): 78-82)を参照)と組み合わされてもよい。
さらに、本発明の融合タンパク質と関連して適用されうる癌併用療法及び併用組成物に関連する教示は、例えばBerczi等, "Combination Immunotherapy of Cancer" in NEUROIMMUNE BIOLOGY Volume 1: New foundation of Biology, Berczi I, Gorczynski R, Editors, Elsevier, 2001;pp.417-432に示される。
また、本発明は、一又は複数の融合タンパク質又は関連した薬剤(例えば、融合タンパク質コード核酸、これを含むベクター及びこれを含む細胞)を具備するキットを提供する。キットには、融合タンパク質に加えて、診断用又は治療用の薬剤が具備されうる。キットには、また、診断用又は治療用の方法に使用するための指示が具備されうる。このような指示は、例えば、キットに含まれる装置に提供されてもよい。好都合にも、このようなキットには融合タンパク質及び、下記の診断法で用いられうる診断用薬剤が具備される。他の好適な実施態様では、キットは、非常に安定した組成物と混合して間近に迫る投薬のための注射可能な組成物を形成することができる薬学的に受容可能な担体(一又は複数)と組み合わされた、融合タンパク質、関連の化合物、又は組み合わせ組成物を(凍結乾燥された形態などの)非常に安定した形態で具備する。また、前記キットは、一又は複数の他の非活性な製薬的組成物成分、例えば安定剤、防腐剤、可溶化剤、溶媒、溶質、香料、着色剤などとともに提供されうる。診断用及び特定の治療用の適用のために、本発明は、固体支持体、例えば一般に支持体抗体に用いられる類のもの(例えば、親和性クロマトグラフィカラムビーズ又は他の支持体;診断用タンパク質マイクロアレイ「チップ」;BIACORE SPR装置チップ;など)に結合される一又は複数の融合タンパク質を含んでなる組成物を提供する。
治療方法
他の態様では、本発明は、融合タンパク質、融合タンパク質組成物及び/又は関連した組成物を伴う治療方法を提供する。本発明の融合タンパク質は、例えば、癌、ウイルス感染及び免疫系関連性疾患の治療を含む様々な治療的及び予防的な投薬計画に有用となりうる。
ある例示的な態様では、本発明は、検出可能なレベルの癌細胞又は前癌細胞を有するヒト患者のような哺乳動物宿主の癌の進行を低減する方法であって、宿主の癌の進行を検出可能に低減するために十分な量の融合タンパク質、融合タンパク質組成物又は関連した組成物(例えば融合タンパク質をコードする核酸)を投与することを含んでなる方法を提供する。
特定の態様では、本発明の融合タンパク質の標的-結合部位は、NKG2D-レセプターのリガンド-結合セグメントを含む。NKG2Dは、MIC-A、MIC-B及びULBPファミリーのメンバーを含む複数のリガンドと結合する。これらのすべては、数種類の腫瘍において発現が誘導されるストレス誘導性のリガンドである。例えば、ほとんどの正常組織において、MIC-Aは発現されないが、MIC-Aは上皮胸部、肺及び結腸直腸癌、白血病及びグリオーマを含む様々な種類の腫瘍において上方制御されている(Groh等 PNAS 1999;96:6879-84))。
癌細胞は、((例えばHayflick, Exp. Cell Res., 37,614 (1965)に記載されているような)正常な細胞増殖の「ヘイフリック限界」を超えることによって)成長が制御されていない異常に分裂し、再生する細胞である。「癌」は一般に、宿主において部分的に独立した成長(例えば、良性腫瘍)又は宿主において完全に独立した成長(悪性癌)が可能である細胞の単一の又は数個のクローンからなる。癌細胞は、新生物性形質変換(「発癌」)により宿主細胞から生じる。
本明細書中における、細胞及び/又は組織の記述に関する「前新生物性」、「前悪性」及び「前癌性」などの用語は、癌性になる有意な潜在能力を意味する遺伝子型特性及び/又は表現型特性を有する細胞又は組織を指す。通常、このような細胞は、癌の進行の発症又は癌の進行が開始する有意なリスクを知らせる最も近くの非新生物性相当物との一又は複数の差異によって特徴づけられうる。このような前癌性変化は、もし検出できれば治療することができ、優れた結果となる。一般に、前癌性状態は新生物(一又は複数)又は前新生物病変(一又は複数)の発生と関連付けられるであろう。既知の前癌性で組織及び前癌性組織になり得る組織の例には、乳癌における腺管癌粘膜内成長(DCIS;ductal carcinoma in situ)、子宮頸癌における頸部上皮内異常増殖(CIN;cervical intra-epithelial neoplasia)、結腸直腸癌における結腸の腺腫性ポリープ、肺癌における異常な腺腫性肥大、及び皮膚癌における光線性角化症(AK)がある。様々な癌についての前新生物性表現型及び遺伝子型、並びに細胞の前新生物性状態の存在を評価するための方法が特徴づけされてきた。例えば、Medina, J Mammary Gland Biol Neoplasia. 2000 Oct;5(4):393-407;Krishnamurthy等, Adv Anat Pathol. 2002 May;9(3):185-97;Ponten, Eur J Cancer. 2001 Oct;37 Suppl 8:S97-113;Niklinski等, Eur J Cancer Prev. 2001 Jun;10(3):213-26;Walch等, Pathobiology. 2000 Jan-Feb;68(1):9-17;及びBusch, Cancer Surv. 1998;32:149-79を参照されたい。遺伝子発現プロファイルは、正常細胞、前癌性細胞、癌細胞を識別するために、ますます多く使用できる。例えば、家族性腺腫性ポリープ症遺伝子は結腸癌のための綿密なサーベイランスを引き起こし、突然変異を受けたp53腫瘍抑制因子遺伝子は活動的な癌へと発達する可能性がある細胞を停止させ、オステオポンチン発現レベルは前悪性細胞中で上昇し、テロメラーゼ活性の上昇も(例えば、膀胱及び肺の癌において)前癌性症状の指標となりうる。ある態様では、本発明は、前癌性細胞の治療に関する。他の態様では、本発明は、前癌性細胞の治療のための医薬の調製に関する。
「癌の進行」は、正常な非新生物性細胞の癌性の新生物性細胞への移行、このような新生物性細胞の移動、そこからの腫瘍の形成及び増殖(後者は腫瘍の進行と呼ぶことができる)を促進し又は、それらの指標となる任意の事象又は事象の組み合わせを指す。このような事象の例には、正常な非新生物性細胞の認識された前新生物性表現型への形質変換と関連した表現型の細胞内変化、及び前新生物性細胞の新生物性細胞への形質変換を示す細胞表現型変化がある。癌の典型的及び特定の時期には、細胞の危機(cell crisis)、不死化及び/又は正常なアポトーシスの失敗、不死化した及び/又は前新生物性細胞の増殖、形質変換(つまり、不死化した細胞が足場非依存性、血清非依存性、及び/又は成長因子非依存性、若しくは接触抑制非依存性の成長を呈することを可能にする変化、又は癌を示す形状変化や異数性や焦点形成と関連付けられる変化)、形質変換した細胞の増殖、転移能、移動及び転移の発達(例えば、細胞のある位置からの解離及び別の場所への転移)、新たなコロニー形成、腫瘍形成、腫瘍成長、新腫瘍形成(識別可能な位置にあり、形質変換した細胞のソースと接触しない新しい腫瘍の形成)が含まれる。癌進行の開始段階である発癌は、典型的には、宿主細胞の制御調節を迂回すること(例えば、宿主細胞の正常に活性なアポトーシス性シグナル伝達経路を迂回するか克服すること)と腫瘍抑制因子遺伝子の発現の低下により、細胞の成長を制御する遺伝子の活性化が伴う。新生物の転換は、前新生物細胞の新生物表現型を表すものへの形質転換である。さらに又はあるいは、癌の進行も、しばしば、開始、促進及び進行の一般的な段階に記載されている。腫瘍を形成する癌において、例えば、癌の進行は、しばしば、腫瘍の開始、腫瘍の促進、悪性変換、及び腫瘍の進行に関して記載される(例えば、Cancer Medicine, 5th Edition (2000) B.C. Decker Inc., Hamilton, Ontario, Canada (Blast等 eds.)参照)。癌の進行の別及びそれより後の段階において、免疫原性腫瘍は、典型的には、宿主の免疫サーベイランスを免れ、それらの成長を可能にする。癌の進行の中期及び後期の態様には、癌細胞によるアポトーシスの回避、無制限な複製能に達すること、増殖因子の発現において自己充足状態に達すること、抗増殖シグナルに対する異常な非感受性に達すること、持続した血管新生に達すること、及び転移が含まれる。転移は、患者の組織(一又は複数)中など、媒体のある部位から別の部位への癌細胞の拡がりを指す。転移はまた多くの異なる生理学的事象とも典型的に関わっており、前記生理学的事象には、リンパチャネル又はプロテアーゼ活性を介しての原発部位からの癌細胞の逃避、循環における癌細胞の生存、二次部位(一又は複数)での拘束、周囲組織への血管外遊走、増殖の開始及び維持、並びに転移性腫瘍(一又は複数)の血管新生が含まれる。
通常、本発明の融合タンパク質は、任意の癌の進行段階にある患者を治療するため(そして、癌の進行の低減、遅延又は他の治療のための医薬を調製するため)に用いられうるが、本発明の融合タンパク質及び組成物による癌進行の後期段階の患者の治療は特に有益な本発明の態様である。
癌の進行(及びそれによるその減少)は任意の様々な好適な方法によって検出されうる。癌及び癌の進行を検出するための方法には、(a)臨床検査(症状は膨潤、触診可能なしこり、大きくなったリンパ節、出血、目に見える皮膚の損傷、及び体重減少)、(b)画像化(X線技術、マンモグラフィ、大腸内視鏡検査、コンピュータ断層撮影(CT及び/又はCAT)走査、磁気共鳴画像法(MRI)等)、(c)免疫診断分析(例えば、CEA、AFP、CA125、等の検出)、(d)抗体により媒介される放射性画像化、及び(e)細胞内/組織の免疫組織化学の分析が含まれる。癌の状態及び癌の進行を評価するための適切な技術の他の例には、(例えば、癌細胞関連遺伝子又は「マーカー」の)PCR及びRT−PCR、生検、電子顕微鏡、陽電子放射型断層撮影法(PET)、コンピュータ断層撮影法、免疫シンチグラフィ及び他のシンチグラフィ技術、磁気画像共鳴法(MRI)、核型分析及び他の染色体分析、イムノアッセイ/免疫細胞化学的検出技術(例えば、異なる抗体認識)、(例えば、細胞膜の変化の)組織学的及び/又は組織病理学的分析、細胞動態研究及び細胞周期分析、超音波又は他の音波検査検出技術、放射線学的検出技術、フローサイトメトリ、内視鏡可視化技術、及び身体検査技術が含まれる。
一般に、本発明の融合タンパク質の被検体への(直接投与及び核酸からの発現のいずれかによる)送達及び本発明の他の方法の実施によって、被検体のいずれか好適な態様の癌の進行を治療、予防、さもなくば寛解をすることができる。
癌の進行の低下は、以下の事項のいずれかの検出可能な低下を含むことができる。(1)新生物性細胞(又はその任意の段階)へ形質変換している正常細胞の割合、(2)前新生物性又は新生物性細胞の増殖の速度、(3)前新生物性及び/又は新生物性表現型を呈する細胞の数、(4)前新生物性及び/又は新生物性細胞を含む細胞培地(例えば、細胞培養、組織、又は器官(例えば、哺乳類宿主における器官))の物理的面積、(5)正常細胞及び/又は前新生物性細胞が新生物性細胞へ形質変換する確率、(6)癌細胞が癌の進行の次の段階(例えば、転移能の低下)へ進む確率、又は(7)そのいずれかの組み合わせ。このような変化は上述の技術又は本分野で知られるその適切な対応物のうちのいずれかを用いて検出でき、このような技術は、その有効性を評価する典型的には治療的投与計画の投与前の適切な時間で適用される。癌の能力の低下が生じたかどうかをアッセイするための時間及び条件は、癌のタイプ、宿主へ送達される融合タンパク質、関連の組成物、又は組み合わせ組成物の種類及び量を含むいくつかの因子に依存するであろう。本発明の融合タンパク質の送達によってこれらの目的を達成することは、本発明の他の有利な態様である。
癌の進行を診断するために有用な他の方法には、腫瘍の類別方法及び段階分け方法があり、例えばAmerican Joint Commission on Cancer grading system、the National Program of Cancer Registries “General Staging”、(Summary Staging, California Staging, and SEER Staging(要約段階分け、カリフォルニア段階分け、及びSEER段階分け)としても知られる)、及び/又は一般に用いられる特殊化された段階分けシステム(例えば、高いグリーソン腫瘍階級スコアは前立腺癌において進行性の癌の指標となる。TNM(腫瘍、リンパ節、転移)段階分けシステムは直腸結腸癌の査定において有用であることが多く、そしてスカーフ−ブルーム−リチャードソンシステムは乳癌の査定のにおいて用いられることが多い)がある。癌を同定し及び/又は癌の進行を診断するためのさらなる方法には、癌遺伝子関連DNAメチル化(例えばCarmen等, J. Natl. Cancer Inst., 93(22) (2001)を参照)、DNAサイトメトリ、(頻度、正常性、又はその両者についての)有糸分裂アッセイ、多形性評価、自己分泌刺激性ループ活性の存在、細管形成測定結果、角質化アッセイ、細胞間架橋形成アッセイ、上皮真珠検出、異常なホルモンレセプター発現又は形状産生アッセイ(例えば、Her2過剰発現分析)、及び他の癌関連遺伝子発現アッセイ(例えば、PRL−3タンパク質チロシンホスファターゼ遺伝子発現分析)が含まれる。前述のいずれかのアッセイによって測定されるように、抗体部位及び標的結合部位を含んでなる融合タンパク質の送達による癌進行の低減は、本発明の他の有利な面である。
本発明の方法を用いて、任意の適切な種類の癌の進行を低減することができる。本発明によって提供される融合タンパク質、融合タンパク質組成物及び組み合わせ組成物の送達又は投与によって治療されうる癌の形状には、扁平上皮癌、白血病、急性のリンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、線毛細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、急性又は慢性の骨髄性白血病、前骨髄球白血病、線維肉腫、横紋筋肉腫;メラノーマ、精上皮腫、テラトカルシノーマ、神経芽細胞腫、膠腫、星状細胞腫、神経芽細胞腫、膠腫、シュワン細胞腫;線維肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、メラノーマ、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、精上皮腫、甲状腺濾胞性癌及びテラトカルシノーマが含まれる。また、融合タンパク質は、膀胱、胸部、大腸、腎臓、肝臓、肺、卵巣、前立腺、膵臓、胃、子宮頸部、甲状腺又は皮膚の他の上皮癌の治療に有用でありうる。また、融合タンパク質は、リンパ系の他の造血腫瘍、骨髄系の他の造血腫瘍、間充織起源の他の腫瘍、中枢又は末梢の神経系の他の腫瘍及び/又は間充織起源の他の腫瘍の治療に有用でありうる。有利なことに、本発明の方法は、前立腺癌細胞、黒色腫細胞(例えば、皮膚の黒色腫細胞、眼の黒色腫細胞、及び/又はリンパ節関連黒色腫細胞)、乳癌細胞、大腸癌細胞及び肺癌細胞における癌の進行を低減させるために使用できる。本発明の方法はまた、腫瘍化及び非腫瘍化癌(例えば、非腫瘍形成造血癌)の両者における癌の進行を低減させるためにも使用できる。本発明の方法は上皮の癌(例えば、癌腫)、及び/又は直腸結腸癌、乳癌、肺癌、膣癌、子宮頸部癌、及び/又は(例えば、頭部及び頸部の)扁平上皮癌の治療において特に有用である。さらなる標的の候補として肉腫及びリンパ腫が挙げられる。さらに有利な標的には、固形腫瘍及び/又は播種性腫瘍(例えば、急性又は慢性でありうる骨髄系及びリンパ系の腫瘍)が含まれる。
他の例示的な態様では、本発明は、哺乳動物宿主の浸潤性新生物細胞に対する静止状態の割合を増やす方法であって、該宿主における浸潤性細胞に対する静止状態の割合を増やすために、本発明の融合タンパク質(例えば融合タンパク質抗体)、関連した組成物又は組み合わせ組成物の治療的有効量を投与することを含んでなる方法を提供する。
更なる態様では、本発明は、哺乳動物宿主の癌性状態の発達リスクを低減する、癌性状態の発症時間を減らす、初期と診断された癌の重症度を低減する、及び/又は発達中の癌の作用領域を減少する方法であって、所望の生理学的効果(一又は複数)を達成するために、本発明の融合タンパク質、関連の化合物、又は組み合わせ組成物の予防的有効量を宿主に投与することを含んでなる方法を提供する。
他の態様では、本発明は、必要とする個体の腫瘍増殖及び/又は転移を阻害するための方法であって、腫瘍増殖及び/又は転移を阻害するために、ある量の本発明の融合タンパク質、関連した組成物又は組み合わせ組成物を腫瘍と接触させることを含んでなる方法を提供する。標的腫瘍には、上皮癌が含まれるがこれに限定されるものではなくてもよい。このような上皮癌には、扁平上皮癌(限定するものではないが、皮膚、子宮頸部及び外陰部の扁平上皮癌を含む)、胃上皮癌、大腸腺癌、結腸直腸上皮癌及び子宮頚癌を含むが、これに限定されるものではない。本明細書中に記述される本発明の方法によって治療されうる他の上皮癌には管性乳癌が含まれる。本明細書中に記述される本発明の方法によって治療されうる他の一般的な癌には悪性黒色腫が含まれる。
一般に、腫瘍増殖を阻害することは、治療がない場合に生じうる腫瘍増殖の量の低減及び/又は検出可能な腫瘍増殖の実質的に完全な停止を引き起こすことを意味しており、腫瘍サイズの減少及び/又は腫瘍増殖の速度の低減が含まれる。転移を阻害することは、治療がない場合、起こる腫瘍転移の量を稀釈するつもりで、相対的な減少を転移の数及び/又はサイズに含む。
更に異なる態様では、本発明の方法は、腫瘍の最前部の取り囲んでいる組織への増殖、拡がりないしは成長及び拡がり、又は腫瘍の予測される増殖、拡がり、ないしは成長及び拡がりを遅延させることによって、抗腫瘍効果を誘発、促進、及び/又は亢進するための手段を提供することができる。腫瘍細胞の増殖の阻害は、例えば本明細書に記載される他の方法及び/又は国際公開第89/06692号に記載されているような阻害アッセイを用いる任意の適切な基準及び技術によって測定されうる。
本発明の更なる態様は、必要とする患者に融合タンパク質抗体又は他の有効な融合タンパク質、関連の化合物ないしは組み合わせ組成物を送達することによって、腫瘍の周辺組織への増殖及び/又は拡がりを阻害する又は遅延させるための方法を提供することである。
更なる態様では、本発明は、癌と診断されるヒト患者の関連する期間にわたる生存の見込みを増加させる方法を提供する。例えば、本発明は、本発明の融合タンパク質組成物で治療した後、融合タンパク質組成物による治療を受けていない患者と比べ、約6か月、約9か月、約1年、約3年、又はそれより長く生存する見込みを増加させる方法を提供する(生存率は、臨床治験においてなど、例えば類似の患者の集団に対する研究によって決定することができる)。
他の態様では、本発明は、癌患者の生活の質を改善するための方法であって、その患者の生活の質を改善するために有効な量で本発明の組成物を患者に投与することを含んでなる方法を提供する。癌治療における患者の生活の質を評価するための方法は当分野において周知である(例えばMovass and Scott, Hematol Oncol Clin North Am. 2004 Feb;18(1):161-86;Dunn等, Aust N Z J Public Health. 2003;27(1):41-53;Morton and Izzard, World J Surg. 2003 Jul;27(7):884-9;Okamato等, Breast Cancer. 2003;10(3):204-13;Conroy等, Expert Rev Anticancer Ther. 2003 Aug;3(4):493-504;List等, Cancer Treat Res. 2003;114:331-51;及びShimozuma等, Breast Cancer. 2002;9(3):196-202を参照)。
更なる態様では、本明細書中に記載の本発明を適用して、脊椎動物宿主における癌細胞の数を有意に減少させて、例えば腫瘍の合計数及び/又はサイズを減少することができる。このような方法を適用して、任意の適切な種類の腫瘍、例として化学耐性腫瘍、固形腫瘍、及び/又は転移した腫瘍を治療することができる。関連した場合では、本発明は、ヒト癌患者などの脊椎動物における前新生物細胞及び/又は新生物細胞を殺傷する方法を提供する。
他の態様では、本発明は、患者又は宿主のウイルス感染を治療するための方法であって、該感染の重症度、拡がり、症状又は継続期間を低減するために、融合タンパク質、融合タンパク質組成物又は組み合わせ組成物の治療的有効量を投与するか又はさもなければ送達することを含んでなる方法を提供する。通常、エフェクターリンパ球、例えばNK細胞の活性と関係している任意のウイルスは本方法によって治療されうる。例えば、前記方法は、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザ、水痘、アデノウイルス、単純ヘルペスI型(HSV-1)、単純ヘルペス2型(HSV-2)、牛疫、ライノウイルス、エコーウイルス、ロタウイルス、呼吸器多核体ウイルス、パピローマウイルス、パピローマウイルス、サイトメガロウイルス(CMV−例えばHCMV)、エキノウイルス、アルボウイルス、ハンタウイルス、コクサッキーウイルス、おたふくかぜウイルス、はしかウイルス、風疹ウイルス、ポリオウイルス、及び/又はヒト免疫不全ウイルスI型又は2型(HIV-1、HIV-2)から選択される一又は複数のウイルスによる感染を治療するために用いることができる。このような方法の実行により、ウイルスの力価(ウイルス負荷)の減少、ウイルス感染している細胞数の減少などが生じうる。特定の態様では、これらの方法は、免疫不全/免疫抑制個体において実施される。他の態様では、これらの方法は、例えば幼児(例えばおよそ10歳以下、およそ8歳以下、およそ6歳以下、およそ5歳以下、およそ4歳以下、およそ3歳以下、およそ2歳以下、およそ1〜18か月、およそ1〜12か月、およそ1〜9か月、およそ1〜6か月又はおよそ3か月未満の子ども)、又は年輩者(例えばおよそ65歳以上、およそ70歳以上、およそ75歳以上、およそ80歳以上、およそ85歳以上の患者など)の免疫抑制の相対的に高いリスクを有する患者又は相対的に不完全な免疫系を有する患者において実施される。他の発明の方法(例えば癌の治療)では、本発明の方法は、一般的な有効性が向上すると思われる集団群に、同様に限定されてもよい。本明細書中の他で述べられるように、ある場合では、融合タンパク質の特異性により、タイプAハプロタイプを一般に有する白人といった、有意な集団群が定義されうる。例えば融合タンパク質がこのような集団に関連するKIRへの交差反応を起こしうる。
融合タンパク質は、HIV治療の場合にはプロテアーゼインヒビター(例えばアシクロビル)などの抗ウイルス剤又は抗ウイルス抗体(例えば、HIV治療の場合には抗gp41抗体;CMVの治療の場合には抗CD4抗体など)とともに又は関連して投与されうる。上記のウイルスのための多数の種類の抗ウイルス剤は、各々の種類の標的ウイルスに関して知られている。
他の態様では、本発明は、細菌、原生動物、糸状菌又は真菌類によって生じる疾患の治療する方法であって、該感染の重症度、拡がり、症状又は継続期間を低減するために、融合タンパク質又は融合タンパク質組成物の治療的有効量を、必要とする患者又は宿主に投与するか又はさもなければ送達することを含んでなる方法を提供する。
ある例示的な態様では、このような方法は、ブドウ球菌(Staphylococcus)、化膿性連鎖球菌、腸球菌(Enterococcl)、バチルス・アントラシス、乳酸桿菌属、リステリア、コリネバクテリウム・ジフテリエ、ガードネレラ・バギナリス;ノカルジア属;ストレプトミセス属;尋常性サーモアクチノミセス;Treponerna;カンピロバクター、Raeruginosa;レジオネラ;淋菌(N.gonorrhoeae);N.meningitides;F. meningosepticum;F. odoraturn;ブルセラ属;B. pertussis;B. bronchiseptica;大腸菌;クレブシエラ属;エンテロバクター属;S. marcescens;S. liquefaciens;エドバルシエラ属;P. mirabilis;P. vulgaris;ストレプトバチルス属;R. fickettsfi;C. psittaci;C. trachornatis;M. tuberculosis、M. intracellulare、M. folluiturn、M. laprae、M. avium、M. bovis、M. africanum、M. kansasii、M. intracellulare;M. lepraernurium;ノカルジア属、他のストレプトコッカス、他のバシラス属、他のガードネラ属、他のシュードモナス属、他のナイセリア属、他のフラボバクテリウム属、他のボルデテラ属、他のエシェリヒア属、他のセラシア属、他のプロテウス属、他のリケッチア科、他のクラミジア属、他のマイコバクテリウム属、リーシュマニア属、kokzidioa、トリパノソーマ属、クラミジア又はリケッチアから選択される細菌、原生動物又は寄生虫によって生じる感染症で苦しんでいる患者を治療するために用いてもよい。
他の態様では、融合タンパク質は、移植された組織への望ましくない宿主免疫応答を低減するために、移植(例えば細胞、組織(一又は複数)又は器官(一又は複数)の移植又は挿入)に関連して、患者に投与されるか、さもなくば送達される。更なる態様では、融合タンパク質は、移植耐性と関係している一又は複数の疾患を治療するために、宿主にに投与されるか、さもなければ送達されうる。
また、本発明の融合タンパク質を用いて、免疫増生病、免疫欠損症、自己免疫性疾患、炎症反応及び/又はアレルギー応答を治療することができる。
また、融合タンパク質を用いて、非癌性であるか又は前癌状態と関係する増殖性疾患を治療することができる。例えば、融合タンパク質を用いて、過形成、線維形成、血管新生、乾癬、アテローム性動脈硬化、狭窄又は再狭窄に続く血管形成から選択される一又は複数の増殖性疾患、及び血管の平滑筋増殖に特徴がある他の疾患を治療することができる。
本発明の組成物は、任意の適切な投与計画において、そして任意の好適な投与の経路及び形態によって投与されうる。用量及び投与投薬計画に関する適合性は、任意の適切な経路(一又は複数)による該当期間(典型的には1日)においての任意の回数、組成物の任意の用量回数の投与であって、所望の生理作用を生じさせる投与を指す。投与計画を調節して、最適な所望の応答(例えば治療的又は予防的な応答)を提供してもよい。例えば、単一のボーラスが投与されてもよく、いくつかに分けた用量を時間とともに投与されてもよく、又は、治療的状態の緊急性に示されるように、用量を比較的減少しても増加してもよい。投与の容易さ及び用量の均一性のために、用量単位形態に非経口組成物を調製することは、特に有益であろう。本明細書中の用量単位形態は、治療される哺乳動物の被検体に対して単位用量として適する物理的な分散単位;必要とされる製薬的担体と組み合わせて所望の治療的効果を産生するように算出された所定の量の活性化合物を含有する各々の単位を指す。本発明の用量単位形態に関する詳述は後述されており、(a)融合タンパク質、関連の組成物又は組み合わせの特定の特徴、及び(b) 達成される特定の治療又は予防的な効果に直接依存する。また、治療期間の合計時間は任意の適切な時間であり、慣例的な試験により当業者に決定可能である多くの類似の因子によって変化しうる。
上述のように、本発明の組成物は、融合タンパク質の「治療的有効量」又は「予防的有効量」を含みうる(又は、融合タンパク質と第二構成成分を含む組み合わせ組成物の場合では第一及び第二の用量;2つの融合タンパク質と二次薬剤又は融合タンパク質と2つの二次薬剤を含む組み合わせ組成物の場合では第一、第二及び第三の用量;など)。
典型的に、本発明の実施において、用いられる融合タンパク質の量又は用量範囲は、標的細胞に対して、NK細胞といったエフェクターリンパ球を効果的に(該活性化を検出可能にかつ望ましくは有意に促進、誘導及び/又は亢進する)活性化するものである。
本発明の抗体又は抗体部位の治療的有効量又は予防的有効量についての典型的で非限定的な範囲は、約0.1〜50mg/kgなどの約0.1〜100mg/kgであり、例えば、約0.1〜20mg/kgであり、特に約1〜10mg/kgである(例えば、(0.3mg/kgなどの)約0.5mg/kg、約1mg/kg、又は約3mg/kg)。一般にこのような量は1日当たり1回又はそれより少なく投与される(例えば、1週間に2〜3回、1週間に1回、又は2週ごとに1回)。
例えば、本発明の薬学的組成物中に存在する抗体は、100mg(10mL)又は500mg(50mL)の使い捨てバイアル中に、約10mg/mLの濃度で与えることができる。前記製品は、静脈内投与のために、約9.0mg/mL 塩化ナトリウム、約7〜7.5mg/mL クエン酸ナトリウム二水和物、約0.7mg/mL ポリソルベート 80、及び注射用無菌水の中に製剤化される。pHを6.5に調整する。本発明の薬学的組成物中の融合タンパク質抗体に対する例示的な適切な投与量範囲は、約10mg/mから約500mg/mの間であり得る。しかしながら、これらのスケジュールは例示的なものであり、薬学的組成物中の特定の抗体の親和性と許容性(これらは、臨床試験において決定しなければならない)を考慮しながら、最適なスケジュール及び投薬計画を適合できることが理解されるであろう。約24時間、約48時間、約72時間又は約1週間又は約1か月間、NK細胞を飽和させる、本発明の薬学的組成物中の抗体の注入量及びスケジュールは、融合タンパク質抗体の親和性及び抗体の薬物動態的なパラメーターを考慮しながら決定されるであろう。
他の態様では、融合タンパク質の典型的な用量は、約0.01μg/kg体重〜約15mg/kg体重、例えば約0.05μg/kgと約10mg/kgの間、より具体的には約1μg/kg〜約10mg/kg、さらに特には約10μg/kgと約5mg/kgの間の範囲でありうる。
更に他の態様では、体重1kgあたり約0.01〜100mgの1日投与量の活性成分(例えば融合タンパク質)が患者に供給される。通常、1日に約1〜約6回の分割された投与で又は徐放性剤形で与えられる1日あたり体重1kgあたり約1〜約5mg又は約1〜約10mgが所望の結果を得るのに効果的であり得る。
非限定的な例として、ヒト又は動物におけるエフェクターリンパ球関連病理の治療は融合タンパク質抗体などの、融合タンパク質(一又は複数)の1日投与量として、約0.1〜100mg/kg、例えば1日に体重1kgあたり0.5mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、1.5mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、又は100mgの量で、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、32日、33日、34日、35日、36日、37日、38日、39日、又は40日のうちの少なくとも一つに、あるいは、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、又は20週のうちの少なくとも一つに、又はそのいずれかの組み合わせで投与し、約24時間、12時間、8時間、6時間、4時間、又は2時間ごとの単回投与又は分割投与を用いるか、又はそれらの任意の組み合わせで提供することができる。
一般に、本発明の融合タンパク質は、任意の適切な方法で、例えば標的宿主細胞における融合タンパク質の産生のためにコードする核酸からの発現によって(例えば、誘導性プロモーターの制御下にあり、ターゲティング及び複製欠失遺伝子転移ベクターなどの好適な遺伝子転移ベクター内に包含された融合タンパク質コード核酸からの発現により)送達されうる。典型的に、本発明の融合タンパク質は、レシピエント宿主への融合タンパク質ないしは融合タンパク質組成物の直接投与によって送達される。一般に、そして必要に応じて、「投与」及び「送達」なる用語は本明細書中では互いにサポートするものと考えることができ(例えば、一般的に、融合タンパク質コード核酸は、融合タンパク質の投与に代わるものとしてネイキッド融合タンパク質を標的宿主組織に送達するために用いられると理解されるであろう)るが、各々の該方法が任意の特定の分子に関して特有の本発明の態様であり、いくつかの分子(例えば融合タンパク質コンジュゲート)が特定の形態の投与のみに受け入れられる(例えば遺伝子発現による送達の対義語となる)ということが理解されるであろう。抗体及び関連した組成物(例えばベクター)といったタンパク質の投与のための方法は公知であり、したがって、本明細書中では簡単に記述するのみである。
融合タンパク質組成物、関連の化合物、及び組み合わせ組成物は、経口、粘膜、頬側、鼻内、吸入可能、静脈内、皮下、筋内、非経口、腫瘍間、腫瘍内、又は局所の経路など任意の適切な経路を介して投与できる。このようなタンパク質はまた、ミニポンプ又は他の適切なデバイスを介して連続的に投与されてもよい。
抗体によって状態の悪化を止められる又は状態を改善させられると仮定するならば、疾患状態が存在する限り、融合タンパク質が一般に投与されるであろう。本明細書中の他で記述されるように、融合タンパク質は通常、薬学的に受容可能な組成物の一部として投与されるであろう。
また、融合タンパク質は、疾患、疾病又はこのような治療が有効でありうる状態を予防するために、予防的に投与されるか、さもなくば送達されうる。例えば、融合タンパク質は、癌を発達するリスクを低減する、癌進行における事象の発生の発症を遅延する、及び/又は癌性状態の再発のリスクを減少するために、癌性状態からの寛解状態にある患者に投与するか、さもなくば送達されうる。これは、他の生物学的因子により存在することがわかっている腫瘍の位置を決めることが難しい患者において有用であろう。
一般に、本発明の融合タンパク質(又は融合タンパク質コード核酸を含んでなるベクターなどの関連の組成物)は任意の好適な経路で投与されうるが、典型的には、既存の製薬的に受容可能な担体、アジュバントなど(安定化剤、崩壊剤、抗酸化剤等など)を含有する服用単位剤形において非経口的に投与されてもよい。本明細書で用いられる「非経口」という用語には、皮下、静脈内、動脈内、筋内、胸骨内、腱内、脊髄内、頭蓋内、胸腔内、注入技術及び腹腔内送達が含まれる。最も一般的には、融合タンパク質は本発明の治療法を実施する上で静脈内投与又は皮下投与されるであろう。注射の経路には、また筋肉内への注射(筋内IM)、皮下での注射(皮下(s.c.))、静脈への注射(静脈内(IV))、腹腔内への注射(腹腔内(IP))、及び皮膚への又は皮膚を通じての他の送達(微粒子銃注射を含みうる通常複数の注射による皮内送達)が含まれる。
上述のように、本発明は、多くの組み合わせ組成物及び組み合わせ方法を提供する。各々の融合タンパク質及び二次薬剤の運搬の用量及び経路は、レシピエント宿主において所望の治療的、予防的及び/又は生理学的な効果(例えば、NK細胞の活性化;NK細胞阻害の中和;又は患者における腫瘍の数の減少)を達成するために任意の好適な用量及び経路でありうる。前記の方法及び組成物において融合タンパク質及び二次薬剤の組み合わされた効果からみて、融合タンパク質の用量は、典型的には前記の方法及び組成物では減らされている。
一般に、本発明の組み合わせ投与方法は、同時投与(成分が混合されている又は別々になっている別々の組成物又は単一の組成物として)又は様々な活性薬剤の段階的投与を含む、任意の適切な投与様式を含みうる。
本明細書において「同時投与」及び「同時投与する」などの用語は、別段の記載がなければ、同時(又は同時発生)及び連続の関連する投与を指す。薬剤の同時投与は任意の適切な様式で、任意の適切な時間で達成できる。言い換えれば、同時投与とは、二次薬剤のみ、融合タンパク質のみ、又はその両者の投与の間中に、治療的応答の亢進をもたらす任意の時点(一又は複数)において、二次薬剤の投与前、投与と同時又は投与後に融合タンパク質を投与することを指すことができる。
一又は複数の薬剤が治療的投薬計画において本発明の融合タンパク質と組み合わせて用いられる場合、併用した結果がそれぞれの治療を別々に行う場合に観察される効果の相加である必要はない。少なくとも相加効果が通常望ましくとも、単一の療法のうちの1つを上回る抗癌効果の増加が利点の一つであろう。また、確実に可能かつ有益であるが、相乗効果を示すことが併用治療に特に必要ではない。
組み合わせた抗癌療法を実行するために、例えば、単に哺乳動物ないしは他の適切な動物に、該動物内で組み合わせた抗癌作用が生じるために有効な様式の方法又は他の抗癌剤と組み合わせて本発明の抗体組成物を単に投与することができる。したがって、薬剤又は薬剤と方法は、腫瘍又は他の癌関連の組織に対して組み合わせた効果が生じるために有効な用量かつ期間で供給又は適用されうる。この目的を達成するために、本発明の融合タンパク質及び一又は複数の二次抗癌剤は、同時に、単一の併用組成物で、又は、異なる投与経路による2つの異なる組成物として動物に投与されうる。あるいは、本発明の融合タンパク質の投与は、例えば、数分から数週及び数か月の範囲の間隔をおいて、抗癌薬剤治療に先立って、又はその後に実施されうる。本発明の組成物における二次抗癌剤及び融合タンパク質は癌に都合よく併用効果を及ぼすことが確認される。
融合タンパク質、関連の化合物、及び組み合わせ組成物を含む異なる治療的投薬計画は、癌治療及びウイルス感染の治療などの様々な疾患標的の異なる態様に関して適用できる。したがって、例えば、ある態様では、融合タンパク質は患者に抗初期化戦略(anti-initiation strategy)の一部として送達される。抗初期化治療投薬計画に関する投与、送達、又は適用のために有利な二次抗新生物製剤及び技術には、例えば、DNA修復酵素、活性酸素種及び求電子剤を除去する分子、発癌物質の解毒を高める組成物が含まれる。他の態様では、融合タンパク質、関連の組成物、又は組み合わせ組成物は、抗促進及び/又は抗増殖治療投薬計画に関して送達、投与、又は適用される。このような治療的投薬計画に関して有利な二次薬剤及び技術には、例えば、癌細胞の死を誘導する薬剤及び技術、癌細胞の増殖を抑制する薬剤及び技術(例えば、化学治療剤)、並びに癌細胞関連遺伝子発現を変化させる薬剤(例えば、癌促進遺伝子の発現を低下させる薬剤、再導入する機能的腫瘍抑制因子を含む方法など)が含まれる。
例示的な組み合わせの治療態様では、本発明は、癌性状態又は前癌性状態を治療するための方法であって、患者への放射線の適用又は患者への放射性医薬品の関連の適用(放射性医薬品を含む組み合わせ組成物は本発明の他の特徴である)を含む方法を提供する。放射線源は、治療される患者に対して体外又は体内でありうる(例えば、放射線治療は体外ビーム放射線療法(EBRT)または近接照射療法(BT)の形態でありうる)。前記方法を実施する際に用いられうる放射線活性成分には、例えばラジウム、セシウム−137、イリジウム−192、アメリシウム−241、金−198、コバルト−57、銅−67、テクネチウム−99、ヨウ化物−123、ヨウ化物−131、およびインジウム−111が含まれる。放射線製剤に組み込むことができ、前記方法に使用できるさらに有用な放射線核種は本明細書の他の箇所で考察されている。
上述のように、融合タンパク質及び/又は関連した化合物は、一又は複数の適切な抗癌及び癌予防的薬剤に関連して投与されてもよい。他の態様では、融合タンパク質(例えば融合タンパク質抗体)及び/又は関連した組成物は、低分子量のヘパリン、標準ヘパリン、五糖、トロンビン阻害剤(メラガトラン、キシメラガトランなど)及び/又は第VII因子、第VIII因子などの凝固因子のような、血栓症調節薬剤に関連して投与される。更なる態様では、融合タンパク質は、同系の及び/又は同種間の幹細胞移植に関連して投与される。更なる態様では、融合タンパク質は、抗癌遺伝子治療プロトコールに関連して投与され、このプロトコールには、癌抗原をコードするDNAワクチンなどの一又は複数の抗癌遺伝子を発現するベクター、抗癌サイトカインをコードするアデノウイルスベクターの投与などが含まれうる。また、融合タンパク質は、抗癌siRNAなどの阻害性核酸療法に関連して投与されるか、さもなければ送達されうる。
融合タンパク質の産生
他の態様では、本発明は、抗体と標的結合部位とを含んでなる融合タンパク質を生産するための方法を提供する。
ある態様では、本発明は、抗体部位をコードする配列を含む第一核酸を提供し、標的結合をコードする配列を含む第二核酸にインフレームで付着させて第三の融合核酸を形成させ、融合体核酸の発現により本タンパク質の産生が生じ、融合した核酸を発現することができる細胞に融合した核酸を形質移入し、融合タンパク質の発現に適する条件下で細胞を維持することを含んでなる方法を提供する。この態様への変更では、異なる核酸の融合を必要とすることなく、融合タンパク質をコードする核酸が設定され合成されうる。
上記の方法の「細胞」は、培養物中の細胞を指しても、脊椎動物の宿主に含まれる細胞を指してもよい。
融合タンパク質の抗体部位をコードする核酸は、エフェクターリンパ球活性化レセプターに対する抗体を選択し、抗体ないしはその機能的な部位を配列決定し、そして抗体又は機能的部位をコードする核酸配列をを調製することによって得られうる。抗体は、ELISA又はファージディスプレイ方法によってなど様々な公知の方法によってレセプター結合について選別されうる。また、レセプター活性化は、必要に応じて、検討中のレセプターの種類によって異なる標準的な方法によって決定されうる。活性化は、エフェクターリンパ球活性化によって(例えば、細胞増殖、細胞関連サイトカイン産生などによって)、又は、(利用できるのであれば)関連する細胞のレセプター関連経路の構成成分の産生を測定するなどのよりレセプター特異的な方法によって測定されうる。このような評価を行うための技術は公知である。
本発明の融合タンパク質を生産する方法を基準として、該配列の変異体を生産するために、機能的な抗体をコードする核酸配列及び/又は標的-結合配列を様々に選択するか又はランダムに修飾を加えてもよい。ゆえに、ある態様では、本発明は、抗体と標的結合部位を含んでなる融合タンパク質の産生方法であって、該配列を得て、一又は複数の付加、置換、欠失、挿入又はこれらの組合せを核酸配列(一又は複数)に導入することによって一方又は両方を修飾することを含んでなる方法を提供する。
また、本発明の融合タンパク質の産生は、特に融合タンパク質の一又は複数の部位が、抗体又は抗体断片などの多量体のタンパク質構造の形態である場合に、細胞中での複数の核酸の産生と発現を伴いうる。例えば、標的-結合部位が単一のタンパク質鎖上にあり、抗体部位が2つの鎖(例えば抗体の重鎖及び軽鎖の部位)に含まれる場合、本発明の方法は、標的-結合部位(例えばNKG2D細胞外ドメイン)に(直接的又は間接的に)融合した重鎖抗体配列(又は変異体)(例えば抗CD16重鎖配列)を含む融合したペプチドをコードする核酸を生成することを含み得、それは、抗CD16抗体の軽鎖部位を含むペプチドをコードする核酸配列と組み合わせて細胞に形質移入されて、両核酸の発現により融合タンパク質が形成される。もちろん、あるいは、分離された配列を含む単一の核酸が前記の状況で用いられてもよい。
以下の例示的な実験方法及びデータは、本発明の様々な態様をよりよく例示するために示されるが、いかなる場合にも本発明の範囲を限定するものとみなしてはならない。
実施例1
以下の例は、抗αCD3部位及びNKG2D部位を含む融合タンパク質の産生を記述する。
抗マウスCD3抗体をコードするcDNAを、ハムスター抗マウスCD3産生細胞株(145-2c11)からクローニングした。全RNAを製造業者の指示に従って精製し(Qiagen, VWR, DenmarkのRNeasy)、遺伝子配列を、InvitrogenのPlatinum(登録商標) Taq DNAポリメラーゼを有するSuperScriptTM III ワン-ステップRT-PCRシステムを用いたRT-PCR反応において、[37℃ 30分][94℃ 1分] 25×[94℃ 30秒;55℃ 30秒;72℃ 1分][72℃ 5分]の反応サイクルで、特定のプライマーを用いて増幅した。RT-PCR生成物を1%アガロースゲルの電気泳動によって分析し、GFX PCR及びゲルバンド精製キット(Amersham Biosciences, Denmark)を用いてゲルからDNAを精製した。抗マウスCD3軽鎖を得るために用いたプライマーは、オリゴヌクレオチドoVWS109とoVWS110であった。
oVWS109(145.2c11軽鎖フォワード)(配列番号:22):
5' ATGAGGGCCCCTACTGTGTATCC 3'
oVWS110(145.2c11軽鎖リバース)(配列番号:23):
5' GGACCTCTGGCTCTAACACTCATTCC 3'
cDNAを、InvitrogenのTOPO TAクローニングキットを用いてpCR2.1-TOPOベクターに導入し、TOP10コンピテント細胞に形質転換した。DNA配列を、抗マウスCD3軽鎖を生じるプライマーM13フォワードとM13リバースを用いて配列決定することによって確認した。
M13フォワードプライマー(配列番号:24)
5’ GTAAAACGACGGCCAG 3’
M13リバースプライマー(配列番号:25)
5’ CAGGAAACAGCTATGAC 3’
抗マウスCD3軽鎖(配列番号:26)
シグナル配列及び可変+定常領域を下線で示す。
Figure 2009513608
抗CD3軽鎖をコードするDNAを制限酵素PmeI及びEcoRIにて消化し、哺乳動物の発現ベクターpTT5-LC(図2)の対応する部位にライゲーションし、プライマーoVWS121とoVWS122を用いてプラスミドを配列決定することによって配列を確認した。
oVWS121 (配列番号:27)
5’ GTACTCCCTCTCAAAAGCGGGC 3’
oVWS 122 (配列番号:28)
5’ CTGAAGGGATTACATGCACTGCCC 3’
重鎖の可変領域を得るために、配列特異的なオリゴヌクレオチドoVWS106とoVWS108を、InvitrogenのPlatinum(登録商標) Taq DNAポリメラーゼを有するSuperScriptTM III ワン-ステップRT-PCRシステムを用いたRT-PCR反応において、[37℃ 30分][94℃ 1分] 25×[94℃ 30秒;55℃ 30秒;72℃ 1分][72℃ 5分]の反応サイクルに用いた。RT-PCR生成物を1%アガロースゲルの電気泳動によって分析し、GFX PCR及びゲルバンド精製キット(Amersham Biosciences, Denmark)を用いてゲルからDNAを精製し、InvitrogenのTOPO TAクローニングキットを用いてpCR2.1-TOPOベクターに導入し、TOP10コンピテント細胞に形質転換した。DNA配列を、以下の抗マウスCD3重鎖をコードする配列を生じるプライマーM13フォワードとプライマーM13リバースを用いて配列決定することによって確認した。
ハムスター抗マウスCD3重鎖(配列番号:29)
シグナル配列及び重鎖領域を下線で示す。
Figure 2009513608
oVWS 106 (145.2c11重鎖フォワード) (配列番号:30)
5’ CAGCCCTGGATTCCCAGGTCCTC 3’
oVWS108 (145.2c11重鎖リバース) (配列番号:31)
5’ TGGGGCTGTTGTTTTGGCTGAGGAG 3’
145.2c11がハムスター抗体であり、マウスのコンストラクトが所望されるので、酵素的な消化及びライゲーションによってハムスターFc部位を対応するマウスのFc配列(配列番号:32)と組み換えた。
ムス ムスクルス免疫グロブリン重鎖4(血清IgG1)(配列番号:32)
クローン化した(マウス)Fc部位を下線で示す。
Figure 2009513608
配列oVWS116を含むオリゴヌクレオチドを用いた標準的なPCRによって、コザック配列を融合タンパク質をコードする配列の上流に導入した。
oVWS116(配列番号::33)
5’ TAACATCCTTGAATTCACTTGCCACCATGAACTCAGGACTCCAATTGG 3’
マウスNKG2Dの外部ドメインを、OpenBiosystems (AL, USA)のクローンID5328432を鋳型及び特異的なプライマーとして用いたPCRによって増幅した。
mNKG2D ec フォワード(配列番号:34)
5’ GTTGAGAATCAGCTGTGCAACAAGGAAGTCCC 3’
mNKG2D ec リバース(配列番号:35)
5’ TAACCATGGCGGCCGTTTTTACACCGCCCTTTTCATGC 3’
結果として生じるcDNAを、InvitrogenのTOPO TAクローニングキットを用いてpCR2.1-TOPOベクターにクローニングし、クローンmNKG2D_D1を生じるTOP10コンピテント細胞に形質転換した。プラスミドDNAを抽出し、以下の配列を生じるプライマーM13フォワードとM13リバースを用いて配列決定した。mNKG2Dの外部ドメインをコードする配列の部分を下線で示す。
mNKG2D_D1の配列(配列番号:36)
Figure 2009513608
3つの部分(抗CD3重鎖−マウスFc部位−mNKG2Dの外部ドメイン)をライゲーションして、哺乳動物の発現ベクター(pTT5-HC)(図3)にクローニングして、プライマーoVWS121とoVWS122を配列決定することによって配列を確認した。
2つのプラスミド(pTT5-LCのaCD3Vk(図2参照)とamCD3-mFc-mNKG2D HC(図3))を、哺乳動物の細胞株(Cos-7、HEK293 6E)に同時発現させて、例示的な融合タンパク質を得た(あるいは他の細胞、例えばCHO細胞が都合よく使われてもよい)。融合タンパク質は培地に分泌され、プロテインAカラムにて精製し、様々なアッセイに用いた。αCD3-mFc-mNKG2Dコンストラクトの重鎖及び軽鎖のアミノ酸配列をここに示す。
Figure 2009513608
MRAPTVYPVLLFLWFTGAICDIQMTQSPSSLPASLGDRVTINCQASQDISNYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTNKLADGVPSRFSGSGSGRDSSFTISSLESEDIGSYYCQQYYNYPWTFGPGTKLEIKRADAKPTVSIFPPSSEQLGTGSATLVCFVNNFYPKDINVKWKVDGSEKRDGVLQSVTDQDSKDSTYSLSSTLSLTKADYERHNLYTCEVTHKTSTAAIVKTLNRNEC (軽鎖−配列番号:38)
重鎖コンストラクト配列(配列番号:37)は以下のセグメントを含む。
M1からG19:抗CD3のシグナル配列(精製されたコンストラクトの切断されるもの);
E20からV133:抗CD3可変領域;
S134からI234:Ig重鎖定常領域(抗CD3の一部);
V235からD462:マウスFc部位;及び、L463からV597:マウスNKG2Dの外部ドメイン。
この実施例は、本発明の態様と関係している特徴を有する融合タンパク質が産生されうる方法を示す。当業者は、類似の技術又は本明細書中で示される開示内容の技術の代替法を用いて類似した特徴の組み合わせを有する融合タンパク質を生産することが可能であろう。前記重鎖及び軽鎖又はこれらに類似の抗体配列を含んでなる融合タンパク質(例えば、その機能的な断片ないしはそれに非常に類似した変異体、例えばそれに対して少なくともおよそ75%、80%、85%、90%又は95%の同一性を有し、NKG2D結合を示す配列)は、更なる本発明の具体的な特徴である。
実施例2
この実施例は、本発明の例示的な融合タンパク質の機能性が評価されうる方法を示す。
実施例1で生産される融合タンパク質の機能性を、Cr51放出アッセイによってインビトロで評価した。MicAのようなNKG3Dリガンドを保有する細胞(例えばHEK293細胞)を標的細胞として用い、NKG2Dリガンドを発現しない細胞障害性T細胞をエフェクター細胞として用いた。標的細胞を、クロミウムの放射性同位体であるクロミウム51(Cr51)を含有する溶液中でインキュベートする。Cr51は自発的に細胞に取り込まれ、サイトゾルに貯蔵され、過剰なクロミウムを含有する溶液は洗い流される。次いで、活性化されたCD8細胞を細胞を含有する培地に加え、両種類の細胞をともにインキュベートする。
同時にインキュベートする間に、最終的に活性化されたCD8リンパ球は標的細胞を認識して、細胞溶解を起こす。細胞が溶解するにつれて、細胞が取り込んだクロミウムは混合物の上清に放出される。次いで、試料を遠心して残りの細胞と過剰な細胞細片をペレット化し、クロミウムを含有する上清を単離する。細胞から放出されるクロミウムの量によりCD8細胞の細胞障害性の有効性が決定される。しかしながら、明確な定量的データを決定するためには、CD8リンパ球を用いない実験などの適当な対照実験を行って、実験的な感染細胞からのCr51の自発的放出量をアッセイしなければならない。
CD8+T細胞は活性化のために2つの刺激(T細胞レセプターとCD28)を必要とし、NKG2DがCD8+T細胞に発現される場合であっても、NKG2D結合自体は増殖又はエフェクター機能を刺激するために十分でない(Ehrlich等 J Immunol. 2005;174(4): 1922-31)。ゆえに、任意のバックグラウンドの細胞殺傷性は二重特異性分子を加えると主に克服されるであろう。さらに、融合タンパク質がマウスのタンパク質から作製されるので、マウスでの構想を試験することも可能である。このような試験により、融合タンパク質の標的細胞殺傷促進能が確認されると思われる。さらに、この実施例は、本明細書において記載される発明の方法に従って生産される他の融合タンパク質の評価方法を示す。
実施例3
この実施例は、ヒト抗αCD3部位及びヒトNKG2D部位を含む融合タンパク質の生産方法を記述する。
融合タンパク質を作製するために、製造業者の指示に従って(Qiagen, VWR, DenmarkのRNeasy)、ヒトT細胞CD3に対するマウスモノクローナル抗体を発現する、ハイブリドーマ細胞株であるOKT3から全RNAを精製した。
可変重鎖(VH)及び可変軽鎖(VL)のcDNAは、1μgの精製したRNA(上記)、5' RACE CDSプライマー及びBD SMART II Aオリゴを用いて、製造業者の指示に従ってClontech (BD Bioscience, Denmark)のSMART RACE(cDNA末端の迅速な増幅)cDNA増幅キットを用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法によって増幅される。
5’ RACE CDSプライマー:
5’ (T)25VN 3’ (V= A,G, og C; N=A,C,G, or T)
BD SMART II Aオリゴ(配列番号:39):
5' AAGCAGTGGTATCAACGCAGAGTACGCGGG 3'
OKT3 cDNA(上記の通りに作製したもの)のVH及びVLの領域は、以下のプライマーを用いて製造業者に従ってPCRによって増幅する。
ユニバーサルプライマーA混合(UPM) - Long (配列番号:40)
5' CTAATACGACTCACTATAGGGCAAGCAGTGGTATCAACGCAGAGT 3'
ユニバーサルプライマーA混合(UPM) - Short (配列番号:41)
5' CTAATACGACTCACTATAGGGC 3'
VL鎖用のKK185(配列番号:42)
5' GGCCCGGGGGGCCTTAACACTCATTCCTGTTGAAGCT
VH鎖用のKK229(配列番号:43)
5'-TTATTTACCAGGAGAGTGGGAGAG
VH鎖用のKK230(配列番号:44)
5'-TCATTTACCCAGAGACCGGGAG
VH鎖用のKK231(配列番号:45)
5'-TCATTTACCCGGAGACCGGGAG
PCR生成物を1%アガロースゲルの電気泳動によって分析し、GFX PCR及びゲルバンド精製キット(Amersham Biosciences, Denmark)を用いてゲルからDNAを精製する。
精製したPCR生成物を、InvitrogenのTOPO TAクローニングキットを用いてpCR2.1-TOPOベクターに導入し、TOP10コンピテント細胞に形質転換した。
15以上のコロニーを、Taqポリメラーゼ、1×Taqポリメラーゼバッファ、dNTP(10mM)及び以下のプライマーとPCRプログラムを用いてコロニーPCRによって分析する。
PCRプログラム1:
[94℃ 1分] 25×[94℃ 30秒;55℃ 30秒;72℃ 1分] [72℃ 5分]
VL及びVHの挿入物をそれぞれ含むクローンからプラスミドDNAを抽出し、上記のプライマーM13フォワード(配列番号3)及びM13リバース(配列番号4)を用いて配列決定する。
OKT3用の結果として生じる配列:
VH(配列番号:46)
Figure 2009513608
VL(配列番号:47)
Figure 2009513608
OKT VHのマウスFc領域をヒトFcの相当する領域と組み換える。
ヒトFc IgG1(配列番号:48)
Figure 2009513608
外部ドメインhNKG2DをコードするcDNAは、ヒト脾臓マラソンレディcDNA(Clontech)及びhNKG2D特異的プライマーを用いて実施する。
hNKG2D上流(配列番号:49)
5’ AGTATTTGATGGGGTGGATTCG 3’
hNKG2D下流(配列番号:50)
5’ GATGGTTGATCATCTTTACACAGT 3’
上述のプライマーを用いたPCR反応及び基本的に上述のPCRプログラム1の後に、外部ドメインをコードするcDNAを、更なるクローニングのために制限酵素部位を導入しているプライマー(下記)を用いて、さらに増幅する。結果として生じるcDNAを、InvitrogenのTOPO TAクローニングキットを用いてpCR2.1-TOPOベクターにクローニングし、TOP10コンピテント細胞に形質転換した。プラスミドDNAを抽出し、プライマーM13フォワードとM13リバースを用いて配列決定し、NKG2Dの外部ドメインをコードする配列を単離する。
細胞外hNKG2D上流(配列番号:51)
CGTTGCGCTGCTAGCCGTTGCGCTGGATCCTTATTCAACCAAGAAGTTCAAATTCCC
細胞外hNKG2D下流(配列番号:52)
5’ CGTTGCGCTCGGCCGTTTACACAGTCCTTTGCATGCAGATGT 3’
制限酵素部位NheI、BamHI及びEagI(配列番号:53)に隣接したNKG2D cDNAの外部ドメインをコードする配列
Figure 2009513608
したがって、ヒトのFc配列を有するマウス抗ヒトCD3抗体OKT3の可変領域を含む例示的なコンストラクトの最終的な重鎖及び軽鎖のアミノ酸配列及びヒトのNKG2D配列は以下の配列に基づいてもよい。
Figure 2009513608
Figure 2009513608
Figure 2009513608
Figure 2009513608
文献(例えばKipriyanov SM等, Protein Eng. 1997;10:445-53)に記載されているOKT3配列の機能的突然変異(例えばVH)も含まれてもよい。
同様な方法を用いて、本明細書において記載される発明の原理に従った特徴を有する様々な融合タンパク質は、例えば他の抗体部分、他の標的-結合部分又は任意のリンカーを用いて、同様に設定され、構築されてもよい。
実施例4
マウスNKG2Dの抗マウスCD3マウスFc-外部ドメインの重鎖及び抗マウスCD3の軽鎖をそれぞれコードする、実施例1に記載の2つのコンストラクトを、哺乳動物細胞において同時発現させ、二量体タンパク質を発現させた。このタンパク質は、プロテインAカラム(Pharmacia)にて90%<の純度まで精製した(SDS-PAGE及びウエスタンブロットにて分析される)。
タンパク質の機能性を試験するために、FACS分析を行って、タンパク質が予想されるリガンドを結合することができたかどうかを調べた。タンパク質のN末端部分(抗mCD3)はT細胞に見られるCD3を結合すると予測され、C末端部分(mNKG2D)はRea-1を含むNKG2Dリガンドを結合すると予測された。マウスT細胞を新鮮なマウス脾臓から精製し、結合を確認するFACS分析を用いて結合を試験した。さらに、マウスの癌細胞をNKG2Dリガンドについて試験し、細胞株KLN205及びHEPA1-6を更なる研究のために選択した。発明者等は、リアルタイム電気細胞-基質インピーダンスセンシング(ECIS)(Applied BioPhysics, Troy, NY)を用いたアッセイを準備し((Solly K等 (2004) ASSAY Drug Dev Technol 2, 363-372;Lo, C. M., Keese, C. R., and Giaever, I. (1995) Biophys. J. 69, 2800-2807及びGiaever, I., and Keese, C. R. (1993) Nature 366, 591-592)、インビトロでの分子の効果を示した。細胞(KLN205 5×10個及びHEPA1-6 5×10個)を培地に懸濁し、電極に播いた。細胞をインキュベーターにて平衡化し、微小電極上の細胞増殖の速度をリアルタイムの耐性の変化としてモニターした。後日、マウス脾臓から新たに精製してIL-2(800U/ml)とともにインキュベートしたマウスT細胞を、様々な比率で指数関数的に増殖する細胞に加え、癌細胞の殺傷を少なくとも24時間続けた。
図4に示すように、KLN205細胞の増殖は、エフェクター細胞の添加に影響を受けた。エフェクター細胞が多ければ多いほど、成長は遅くなり、30:1のE:T比でKLN205細胞完全に死滅した。
10:1のE:T比で、増殖及び殺傷はほぼ一定となったが、細胞指標4まではKLN205細胞の更なる増殖がいくらかあった。発明者等は、抗mCD3-mFc-mNKG2D融合タンパク質を試験するために10:1のE:T比を選択した。
また、KLN205細胞をインキュベーターにて平衡化し、新たに精製したマウスのT細胞を後日添加した。4時間後に、非特異的なタンパク質とベヒクル又は2つの異なる濃度の融合タンパク質のいずれかを細胞に添加し、その効果を観察した。図5に示すように、KLN205細胞の殺傷は、融合タンパク質の用量に依存して影響を受けた。
HEPA1-6マウス細胞を用いて同じ実験を行ったところ、1:1のE:T比では、HEPA1-6の増殖及び殺傷はKLN205について見られるパターンに似ていた。また、図6に示すように、HEPA1-6を更に試験すると、HEPA1-6細胞の殺傷も、融合タンパク質の用量に依存して影響を受けた。
(本発明の態様)
以下の節は本発明の具体的な態様を記述する。
1. エフェクターリンパ球活性化レセプター特異的抗体の抗原結合部位ないしはその機能的変異体に相当する第一部位と、標的結合細胞膜タンパク質の一部ないしはその機能的変異体に相当する第二部位とを含む多特異性タンパク質であって、該第二部位は、該エフェクターリンパ球活性化レセプターと異なる細胞結合標的を結合し、該第一部位は該第二部位を結合しないものである、多特異性タンパク質。
2. 前記第二部位が健康な被検体においてエフェクターリンパ球によって制御される細胞上に発現される標的を結合する、第1節に記載のタンパク質。
3. 前記第二部位がタイプII膜レセプターの標的結合部位ないしはその機能的変異体を含む、第1節及び第2節に記載のタンパク質。
4. 前記標的結合細胞膜タンパク質がジスルフィド結合したCタイプレクチンである、第1節から第3節のいずれか一に記載のタンパク質。
5. 前記標的結合細胞膜タンパク質がナチュラルキラー(NK)細胞レセプターである、第1節から第4節のいずれか一に記載のタンパク質。
6. 前記NK細胞レセプターがNKG2D、NKG2A/CD94、NKRP1、NKG2C/CD94、NKG2E/CD94、NKG2F/CD94、CD69、LLT1、AICL及びCD26から選択される、第5節に記載のタンパク質。
7. 前記NK細胞レセプターがNKG2Dである、第6節に記載のタンパク質。
8. 前記第一部位がNK細胞、T細胞、NKT細胞又はそのいずれかの組み合わせに発現される活性化レセプターに対するモノクローナル抗体の少なくとも一部に相当する、第1節から第7節のいずれか一に記載のタンパク質。
9. 前記活性化レセプターがNK細胞上に発現される、第8節に記載のタンパク質。
10. 前記活性化レセプターがNKG2Dでない、第9節に記載のタンパク質。
11. 前記活性化レセプターがCD3、CD4、CD8、CD16、CD28、CD16、NKp30、NKp44又はNKp46である、第8節に記載のタンパク質。
12. 前記活性化レセプターがCD3である、第11節に記載のタンパク質。
13. 前記第一部位が第二部位に間接的に結合されており、該第一部位と第二部位がリンカーによって切り離されている、第1節から第12節のいずれか一に記載のタンパク質。
14. エフェクターリンパ球活性化レセプター特異的抗体の少なくとも抗原結合部位ないしはその機能的変異体に相当する第一部位と、ヒトNKG2Dのリガンド結合部位ないしはその機能的変異体に相当する第二部位とを含んでなり、該エフェクターリンパ球活性化レセプターがNKG2Dでない、多特異性タンパク質。
15. 前記エフェクターリンパ球活性化レセプターがNK細胞、T細胞、NKT細胞又はそのいずれかの組み合わせ上に発現される活性化レセプターである、第14節に記載の多特異性タンパク質。
16. 前記エフェクターリンパ球活性化レセプターがCD3、CD4、CD8、CD16、CD28、CD16、NKp30、NKp44又はNKp46である、第14節又は第15節に記載の多特異性タンパク質。
17. 配列番号:17のアミノ酸配列を含む、第14節から第16節のいずれか一に記載のタンパク質。
18. 第1節から第17節のいずれか一に記載のタンパク質の治療的有効量と少なくとも一の薬学的に受容可能な担体を含有してなる薬学的に受容可能な組成物。
19. さらに、少なくとも一の第二治療薬を含有してなる、第18節に記載の組成物。
20. 第1節から第17節のいずれかに記載のタンパク質、第18節に記載の組成物又は第19節に記載の組成物の、癌を治療するための医薬の調製における使用。
21. 哺乳動物の癌を治療するための方法であって、エフェクターリンパ球活性化レセプター特異的抗体の抗原結合部位ないしはその機能的変異体に相当する第一部位と、標的結合細胞膜タンパク質の一部ないしはその機能的変異体に相当する第二部位とを含んでなる多特異性タンパク質の治療的有効量を送達することを含んでなり、該第二部位がエフェクターリンパ球活性化レセプターとは異なる細胞結合標的を結合し、健康な被検体においてエフェクターリンパ球によって調節される疾患と関連があるものである、方法。
22. 前記標的結合細胞膜タンパク質がNKG2Dである、第21節に記載の方法。
23. 前記タンパク質が、治療的有効量の該タンパク質と少なくとも一の薬学的に受容可能な担体を含有してなる薬学的に受容可能な組成物の投与によって哺乳動物に送達される、第21節又は第22節に記載の方法。
24. 前記タンパク質が一又は複数の二次抗癌剤とともに前記動物に送達される、第21節から第23節のいずれか一に記載の方法。
25. 前記タンパク質と第二抗癌剤が単一の投与形態として宿主に送達される、第24節に記載の方法。
26. 前記タンパク質が、タンパク質をコードする核酸の哺乳動物への投与によって哺乳動物に送達される、第21節又は第22節に記載の方法。
27. 前記哺乳動物が癌を患っていると診断されたヒトである、第21節から第26節のいずれか一に記載の方法。
28. エフェクターリンパ球活性化レセプター特異的抗体の抗原結合部位ないしはその機能的変異体に相当する第一部位と、標的結合細胞膜タンパク質の一部ないしはその機能的変異体に相当する第二部位とを含んでなり、該第二部位がエフェクターリンパ球活性化レセプターとは異なる細胞結合標的を結合し、健康な被検体においてエフェクターリンパ球によって調節される疾患と関連があるものである多特異性タンパク質の、哺乳動物の癌の治療のための医薬の調製における使用。
29. 前記哺乳動物が癌を患っていると診断されたヒトである、第28節に記載の使用。
30. エフェクターリンパ球活性化レセプター特異的抗体の抗原結合部位ないしはその機能的変異体に相当する第一部位と、標的結合細胞膜タンパク質の一部ないしはその機能的変異体に相当する第二部位とを含んでなり、該第二部位は該エフェクターリンパ球活性化レセプターと異なる細胞結合標的を結合し、該第一部位は該第二部位を結合しないものである、多特異性タンパク質の製造方法であって、該融合した核酸の発現により多特異性タンパク質の産生が生じるように該第一部位と該第二部位をコードする配列を含む一又は複数の核酸を供給し、融合した核酸を発現することができる細胞に該融合した核酸を形質移入し、そして該タンパク質の発現に好適な条件下にて細胞を維持することを含んでなる方法。
31. 前記細胞が非ヒト脊椎動物宿主に含まれるものである、第30節に記載の方法。
ヒトのNKG2Dレセプターの一部(標的-結合部位)と抗ヒトCD3結合抗体部位(エフェクターリンパ球特異的抗体部位)とを含んでなる例示的な融合タンパク質の概略図であり、その構築は実験的データ及び方法の項目で説明される。 抗マウスCD3抗体のVk鎖をコードするpTT5-LC中の発現プラスミドaCD3Vkの模式図である。 図1に関して上記で示される例示的な融合タンパク質をコードするpTT5-HCの発現プラスミドamCD3-mFc-mNKG2D HCの模式図である。 マウスT細胞とインキュベートしたKLN205(標的細胞)の成長及び殺傷を示す。18時間の増殖後、新たに精製されたマウスT細胞(エフェクター細胞)を異なるエフェクター:標的比率で加えた。 抗マウスCD3抗体部位とマウスNKG2D標的-結合部位を含んでなる融合タンパク質の添加後の、マウスT細胞によるKLN205(標的細胞)の正規化した増殖及び殺傷を示す。18時間の増殖後、新たに精製されたマウスT細胞(エフェクター細胞)を加え(E:T 10:1)、エフェクター細胞添加の4時間後に、融合タンパク質又はコントロールを加えた。 融合タンパク質の添加後の、マウスT細胞によるHEPA1-6(標的細胞)の正規化した増殖及び殺傷を示す。18時間の増殖後、新たに精製されたマウスT細胞(エフェクター細胞)を加え(E:T 1:1)、エフェクター細胞添加の4時間後に、融合タンパク質又はコントロールを加えた。

Claims (31)

  1. エフェクターリンパ球活性化レセプター特異的抗体の抗原結合部位ないしはその機能的変異体に相当する第一部位と、標的結合細胞膜タンパク質の一部ないしはその機能的変異体に相当する第二部位とを含む多特異性タンパク質であって、該第二部位は、該エフェクターリンパ球活性化レセプターと異なる細胞結合標的を結合し、該第一部位は該第二部位を結合しないものである、多特異性タンパク質。
  2. 前記第二部位が健康な被検体においてエフェクターリンパ球によって制御される細胞上に発現される標的を結合する、請求項1に記載のタンパク質。
  3. 前記第二部位がタイプII膜レセプターの標的結合部位ないしはその機能的変異体を含む、請求項1及び2に記載のタンパク質。
  4. 前記標的結合細胞膜タンパク質がジスルフィド結合したCタイプレクチンである、請求項1から3のいずれか一に記載のタンパク質。
  5. 前記標的結合細胞膜タンパク質がナチュラルキラー(NK)細胞レセプターである、請求項1から4のいずれか一に記載のタンパク質。
  6. 前記NK細胞レセプターがNKG2D、NKG2A/CD94、NKRP1、NKG2C/CD94、NKG2E/CD94、NKG2F/CD94、CD69、LLT1、AICL及びCD26から選択される、請求項5に記載のタンパク質。
  7. 前記NK細胞レセプターがNKG2Dである、請求項6に記載のタンパク質。
  8. 前記第一部位がNK細胞、T細胞、NKT細胞又はそのいずれかの組み合わせに発現される活性化レセプターに対するモノクローナル抗体の少なくとも一部に相当する、請求項1から7のいずれか一に記載のタンパク質。
  9. 前記活性化レセプターがNK細胞上に発現される、請求項8に記載のタンパク質。
  10. 前記活性化レセプターがNKG2Dでない、請求項9に記載のタンパク質。
  11. 前記活性化レセプターがCD3、CD4、CD8、CD16、CD28、CD16、NKp30、NKp44及びNKp46から選択される、請求項8に記載のタンパク質。
  12. 前記活性化レセプターがCD3である、請求項11に記載のタンパク質。
  13. 前記第一部位が第二部位に間接的に結合されており、該第一部位と第二部位がリンカーによって切り離されている、請求項1から12のいずれか一に記載のタンパク質。
  14. エフェクターリンパ球活性化レセプター特異的抗体の少なくとも抗原結合部位ないしはその機能的変異体に相当する第一部位と、ヒトNKG2Dのリガンド結合部位ないしはその機能的変異体に相当する第二部位とを含んでなり、該エフェクターリンパ球活性化レセプターがNKG2Dでない、多特異性タンパク質。
  15. 前記エフェクターリンパ球活性化レセプターがNK細胞、T細胞、NKT細胞又はそのいずれかの組み合わせ上に発現される活性化レセプターである、請求項14に記載の多特異性タンパク質。
  16. 前記エフェクターリンパ球活性化レセプターがCD3、CD4、CD8、CD16、CD28、CD16、NKp30、NKp44及びNKp46から選択される、請求項14又は15に記載の多特異性タンパク質。
  17. 配列番号:17のアミノ酸配列を含む、請求項14から16のいずれか一に記載のタンパク質。
  18. 請求項1から17のいずれか一に記載のタンパク質の治療的有効量と少なくとも一の薬学的に受容可能な担体を含有してなる薬学的に受容可能な組成物。
  19. さらに、少なくとも一の第二治療薬を含有してなる、請求項18に記載の組成物。
  20. 請求項1から17のいずれかに記載のタンパク質、請求項18に記載の組成物又は請求項19に記載の組成物の、癌を治療するための医薬の調製における使用。
  21. 哺乳動物の癌を治療するための方法であって、エフェクターリンパ球活性化レセプター特異的抗体の抗原結合部位ないしはその機能的変異体に相当する第一部位と、標的結合細胞膜タンパク質の一部ないしはその機能的変異体に相当する第二部位とを含んでなる多特異性タンパク質の治療的有効量を送達することを含んでなり、該第二部位がエフェクターリンパ球活性化レセプターとは異なる細胞結合標的を結合し、健康な被検体においてエフェクターリンパ球によって調節される疾患と関連があるものである、方法。
  22. 前記標的結合細胞膜タンパク質がNKG2Dである、請求項21に記載の方法。
  23. 前記タンパク質が、治療的有効量の該タンパク質と少なくとも一の薬学的に受容可能な担体を含有してなる薬学的に受容可能な組成物の投与によって哺乳動物に送達される、請求項21又は22に記載の方法。
  24. 前記タンパク質が一又は複数の二次抗癌剤とともに前記動物に送達される、請求項21から23のいずれか一に記載の方法。
  25. 前記タンパク質と第二抗癌剤が単一の投与形態として宿主に送達される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記タンパク質が、タンパク質をコードする核酸の哺乳動物への投与によって哺乳動物に送達される、請求項21又は22に記載の方法。
  27. 前記哺乳動物が癌を患っていると診断されたヒトである、請求項21から26のいずれか一に記載の方法。
  28. エフェクターリンパ球活性化レセプター特異的抗体の抗原結合部位ないしはその機能的変異体に相当する第一部位と、標的結合細胞膜タンパク質の一部ないしはその機能的変異体に相当する第二部位とを含んでなり、該第二部位がエフェクターリンパ球活性化レセプターとは異なる細胞結合標的を結合し、健康な被検体においてエフェクターリンパ球によって調節される疾患と関連があるものである多特異性タンパク質の、哺乳動物の癌の治療のための医薬の調製における使用。
  29. 前記哺乳動物が癌を患っていると診断されたヒトである、請求項28に記載の使用。
  30. エフェクターリンパ球活性化レセプター特異的抗体の抗原結合部位ないしはその機能的変異体に相当する第一部位と、標的結合細胞膜タンパク質の一部ないしはその機能的変異体に相当する第二部位とを含んでなり、該第二部位は該エフェクターリンパ球活性化レセプターと異なる細胞結合標的を結合し、該第一部位は該第二部位を結合しないものである、多特異性タンパク質の製造方法であって、該融合した核酸の発現により多特異性タンパク質の産生が生じるように該第一部位と該第二部位をコードする配列を含む一又は複数の核酸を供給し、融合した核酸を発現することができる細胞に該融合した核酸を形質移入し、そして該タンパク質の発現に好適な条件下にて細胞を維持することを含んでなる方法。
  31. 前記細胞が非ヒト脊椎動物宿主に含まれるものである、請求項30に記載の方法。
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