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JP2008537720A - 三フッ化窒素の精製 - Google Patents

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Abstract

NFの吸着精製のための方法およびシステムである。本方法およびシステムにおいては、NFと不純物(例えばCF)とを含む粗生成物をポリアクリロニトリルベースのカーボンモレキュラーシーブと接触させて、NFの顕著な吸着を起こすことなく1種またはそれより多い不純物の少なくとも一部が該モレキュラーシーブによって吸収される。
【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
発明の分野
本発明は、高純度の三フッ化窒素(NF)を得る方法に関する。具体的には、本発明は、四フッ化炭素(CF)などの有害な不純物が低いレベルでNFを生産することができるNF精製方法に関する。
発明の背景
三フッ化窒素は、半導体材料の製造、高エネルギーレーザー、および、化学蒸着法で広く用いられている。半導体材料のエッチングのようなある種の製造工程は極めて高純度のNF源を必要とするが、これはなぜなら、たとえ少量でも不純物、特にCFが存在すると、炭素または炭化ケイ素の固形の残留物の形成が起こり、半導体をエッチング操作する際の問題の原因となる可能性があるためである。ほとんどのエレクトロニクス製造工程において有用であるためには、NFは、99.9%〜99.999%の純度を有していなければならない。
三フッ化窒素はいくつかの方法によって製造することができ、このような方法としては、例えば、溶融した一水素二フッ化アンモニウムの電気分解、フッ素ガスと酸性フッ化アンモニウムとを反応させること、および、フッ素ガスとアンモニウム氷晶石とを反応させることが挙げられる。最も工業的なNF製造工程は、反応物として元素のフッ素(F)を含む。元素のフッ素は、一般的に炭素電極を利用した電解法によって製造される。この工程の間に、炭素電極で生成したFのごく一部が電極と反応し、CFを形成することが多い。その結果、NFの製造工程で用いられるFは、一般的に、少なくとも多少のCF不純物を含む。加えて、F工程、またはそれに続くNF工程におけるその他の何らかの炭素系の不純物が、Fと反応してCFを形成する可能性もある。
US4,091,081は、溶融した一水素二フッ化アンモニウム中で行われる4NH+3F→NF+3NHFという反応によるNF製造工程を開示している。開始のF反応物が1モル%のCFを含む場合、生成物のNFは最大3モル%のCFを含む可能性がある。工業的なF製造工程における実際のCF含量は、セルの設計、操作、および、Fを生成させる目的に応じ様々である。一般的に、CF不純物は、10ppm〜1%の範囲、または、10ppm〜1%超の範囲で変動すると思われる。
商業的に製造されたNFで見出されるその他の不純物としては、N、O、CO、HO、CH、HF、SF、NO、および、COが挙げられる。
遺憾ながら、NFからCFを分離することは難しい。実際に、NFからのCFの除去は、「事実上不可能」と説明されている。J. Massonne, CHEME INGENIEUR TECHNIK, v. 41, N 12, p. 695 (1969)。NFからCFを分離することの複雑さは、常温での各化合物の低い化学反応性、それらの分子の大きさの差が小さいこと、および、それらの沸点の差が小さいこと(CF、NFの沸点は、それぞれ−128℃、−129℃)に起因する。GMELIN HANDBOOK, 1986, v.4, pp.179-180。NFとCFとの沸点が近接しているため、これらの2種の化合物の蒸留によるバルク分離が実行できなくなる。加えて、NFとCFの双極子モーメントおよび吸着熱が極めて近接しており、これは従来のバルク吸収技術でNFをバルクで回収することが実行できない程である。
それにもかかわらず当業界においてNFからCFを除去する様々な方法が知られているが、いずれも顕著な不利益を有する。例えば、米国特許第3,125,425号は、ガスクロマトグラフィー技術によるガス状のフッ化物の分離方法を開示しており、この方法では、22Åの平均孔直径を有するシリカゲルと、液状の低分子量クロロトリフルオロエチレンポリマーとを混合し、続いてこれを用いて、相分離を行う。しかしながら、この方法は、効率が低く、消費されるヘリウムまたはその他の不活性ガスが大量であり(処理される1リットルのNFあたり最大500リットル)、不純物の濃度が1体積パーセントよりも低い場合、分離の有効性が低いなどの不利益を有する。実際に、この方法により得られたNFの純度は99体積パーセントを超えず、従って、エレクトロニクス産業のためのNFを生産するには不十分である。
NFを99.99%もの高い純度で得るその他の技術が開発されている。これらの方法では、NFを特異的に吸収するゼオライト吸着剤を用いてCFからNFが分離される。例えば、米国特許第5,069,690号で開示された方法は、ガス−固体クロマトグラフィー法を利用しており、これは、不活性キャリアーガスの連続フロー中でNFおよびCFの混合物のパルスを、熱水処理したゼオライト5A、または、斜方沸石(ケイ酸カルシウムアルミニウム水和物)からなるモレキュラーシーブ吸着剤の多孔質床に通過させることを含む。この方法におけるモレキュラーシーブは、CFよりも容易にNFを動力学的に吸収する。この方法は、CFからNFを分離してNF生成物を回収するが、まず、吸着剤からCFを含むガス組成物を除去しなければならず、続いて吸着剤からNFを抽出しなければならない。
米国特許第5,069,887号では、ゼオライトのモレキュラーシーブを利用する方法のその他の例が説明されている。この文献において、CFを含むガス状のNFと、有効孔径4.9Åを有する結晶質の多孔質の合成ゼオライトとを−50℃〜10℃の温度で接触させ、NFをゼオライトに吸収させる。その後、吸着剤から残存するCFを含むガスを離脱させ、次に、モレキュラーシーブからNFを脱離させ、精製NF生成物を得る。このモレキュラーシーブの合成ゼオライトは、実験式:Ca[(AlO12(SiO12]xHOで示される化学組成を有し、「モレキュラーシーブ5A(molecular sieve 5A)」という名称で商品化されている。この特許では、この特許に記載の方法が、モレキュラーシーブ5Aの使用に具体的に限定されている。実際に、この特許では、「吸着剤としてモレキュラーシーブ5Aを使用することが必須である。異なる種類のモレキュラーシーブまたはゼオライトを用いることによって、NFおよびCFのいずれか一方のみの選択的な吸着を達成することは難しい。一般的な吸着剤である活性炭が用いられる場合、NFとCFの両方が吸収される」と記載されている(米国特許第5,069,887号,第2列,第9〜14行)。
米国特許公報番号2003/0221556A1で、NFとCFとを分離するためのゼオライトのモレキュラーシーブを利用する方法のさらにその他の例が開示されている。この特許において、実験式:(Na,K)AlSi2772x27HOを有する毛沸石タイプのゼオライトのモレキュラーシーブが開示されており、これは、米国特許第5,069,887号で説明されている方法に類似した方法で用いられる。
これらの方法はいずれも、吸着剤は、NFに混入した比較的少量の不純物でなく、標的の生成物(すなわちNF)を吸収するという深刻な不利点を有する。不純物の代わりに生成物が吸収されるため、このような方法は、生産されたNFの量に対して大量の吸着剤を必要とする。加えて、結合したNFを吸着剤から離脱させるのに大量のエネルギーが必要である。これらの精製法の効率が低いため、精製NF生成物を得る際の高い経済的コストにつながる。
本発明は、従来技術に見出される方法の上記およびその他の短所を克服する。
発明の要約
本発明は、NFを精製する方法に関し、本方法は、好ましくは、(a)NFと少なくとも1種の不純物とを含む粗生成物を提供する工程;(b)該粗生成物と、ポリアクリロニトリルベースのカーボンモレキュラーシーブを含んでなる吸着剤とを接触させる工程;および、(c)該吸着剤からNFを分離し、該粗生成物に対してより低い不純物の濃度を有する精製NF生成物を生産する工程を含む。出願人は、本発明の好ましい方法は、NFに対して所定の不純物(例えばCF)の選択的な吸着を提供することを発見した。従って、過剰な吸着剤を必要とすることなく、NFを効率的に精製することができる。
本発明のその他の形態は、NFを精製するシステムを提供し、本システムは、(a)NFと少なくとも1種の不純物とを含む粗生成物の供給流;(b)該供給流と接触するポリアクリロニトリルベースのカーボンモレキュラーシーブを含む吸着剤;および、(c)供給流よりも低い濃度の不純物を含む精製NF生成物流を含む。
図面の簡単な説明
図1は、本発明に係るNFを精製するシステムの実施態様の図解である。
詳細な説明
出願人は、相当量のNFの吸着を起こさずに、粗生成物から不純物(例えばCF)を吸着によって除去する効率的なNFを精製する方法を見出した。本明細書で用いられる用語「粗生成物」は、概して、NFと、望ましい濃度よりも高い濃度の不純物とを含む生成物を意味する。本発明は、特にその他の分離技術と組み合わせた場合、従来の方法を用いて達成しようとすると、不可能ではないにしても極めて高コストであり、かつ困難と予想される不純物(具体的にはCF不純物)レベルでNF生成物を生産することができる。
従って、本発明の一形態は、NFを精製する方法であって、本方法は、NFと、少なくとも1種の不純物を望ましい濃度よりも高い濃度で含む粗生成物とを提供する工程を含む。好ましい実施態様によれば、粗生成物中の不純物には、少なくともCFが含まれる。
好ましい具体的な実施態様において、粗生成物を提供する工程は、単に、市販の未精製のNF源から、望ましい操作に必要な量および速度で得ることを含む。三フッ化窒素は、様々な販売元から様々な純度で市販されている。あるいは、一体化されたNFの製造設備の一部として、本発明の精製方法に未精製のNFを直接提供してもよい。
三フッ化窒素の製造工程は、概して、様々なレベルのCF不純物を含む未精製NF流を生産する。未精製のNFは、一般的に、約100ppm〜約2体積パーセントのCFを含み、このような粗生成物は本発明に係る精製に適しているが、より広範なCF濃度、例えば4ppm〜5体積パーセントまたはそれより高い濃度もまた本発明によって精製することができる。十分な床のサイズおよび流速が利用されれば、特許請求された発明に従ってあらゆる濃度の不純物を有する粗生成物を加工することができると考えられる。
本発明の粗生成物はどのような相であってもよく、例えば、ガス、液体、超臨界、または、これらのいくつかの組み合わせが挙げられる。NFの様々な温度の蒸気圧が周知であり、それにより加工しようとするNFの相が決定されると予想される。例えば、大気圧(760mmHg)では、NFは−129.1℃の沸点を有する。従って、本発明の一実施態様によれば、NFは、ほぼ大気圧および約−129.1℃未満の温度で維持され、液相での操作となる。また、液相中の三フッ化窒素は、本方法を十分な圧力およびNFの臨界温度である−39.3℃未満で行うことによっても達成できる。
この本発明の形態のその他の工程は、粗生成物と、ポリアクリロニトリルベースのカーボンモレキュラーシーブを含む吸着剤とを接触させることを含み、ここで、該吸着剤は、選択的に、粗生成物中の1種またはそれより多い不純物を吸収するが、NFは実質的にほとんど吸収しない。モレキュラーシーブの選択性は、一般的に、分子の大きさと孔の直径を比較することによって評価することができる。モレキュラーシーブの構成要素の幾何学的配置、それらの組成、および、それらの保持特性との間に相互関係が存在することがわかっているが、現在この相互関係の正確な性質はわかっていない。従って、具体的なモレキュラーシーブの選択は、実験データに基づいて決定しなければならない。(例えば、Martin Harper, Sorbent Trapping of Volatile Organic Compounds from Air, J. CHROMATOGRAPHY A, 885 (2000) p. 129-151に記載の、「多くの種類のカーボンモレキュラーシーブが利用可能である(例えば、カーボシーブS−III(Carbosieve S-III)、カーボエクス1000(Carboex 1000)、カルボキセン1003(Carboxen 1003)、スフェロカーブ(Spherocarb)、アナソルブCMS(Anasorb CMS)[31.96,100])。保持体積の研究によって、これらの吸着剤との間に大きい差があることが示された。これが実用的な差に関連するかどうかは、現段階では不明である。比較が行われるまで吸着剤を等価なものとして処理せずに、具体的な方法で評価した材料だけを使用することが望ましい」(強調表示した)を参照されたい)。
好ましくは、上述のモレキュラーシーブの吸着剤は、床または充填カラム中に配置してもよく、好ましくは約60〜約100のメッシュサイズを形成するビーズとして存在する。これらのビーズは、好ましくは、約10Å〜約16Åの孔径、さらにより好ましくは約13Åの孔径を有し、約500m/g〜約1500m/gの表面積、さらにより好ましくは約1000m/gの表面積を有する。本発明に係るポリアクリロニトリルベースのカーボンモレキュラーシーブは、オールテック・アソシエイツ社(Alltech Associates, Inc)製のCARBOSPHERE(登録商標)として市販されている。
接触させる工程は、連続法、バッチ法、または、連続およびバッチ法の組み合わせによって行うことができる。好ましい具体的な実施態様に関して、接触工程は、連続法を含み、この場合、気相、液相、または液相と気相の両方を含む流れの中の粗生成物は、吸着剤上を通過するか、またはそれらの中を通過する。吸着剤の量および配置は、不純物の濃度を望ましいレベルより低く有効に減少させることができるような量および配置である。一般的に、吸着剤は、充填カラム、流動床、固定床、または、それらのいくつかの組み合わせとして配置されることが好ましい。一般的に、本発明の方法は、約0〜約200psigの運転圧力で行われる。
吸着剤による不純物の吸着の程度は、粗生成物が吸着剤と接触する時間と相関する。不純物としてCFを含む実施態様の場合、接触時間は、好ましくは約1〜約100秒であり、より好ましくは約15〜約25秒である。連続法において、接触時間は、吸着剤の上を通過する、またはそれらの中を通過する流体の流速によって決定される。バッチ法において、接触時間は、運転サイクルの持続時間によって決定される。
特異的な吸着を達成するために粗生成物を吸着剤床または吸着剤充填カラムに通過させなければならない流速は、吸着剤の量および配向に基づき、そのため、その他の具体的な方法および生成物の必要条件に基づく。加えて、流速は、粗生成物中の不純物の濃度、および、最終的な精製した生成物中の不純物の望ましいレベルに基づく。一般的に、より高い純度のレベルにするには、全てのその他のパラメーターを一定に保持した場合、吸着剤と接触する流体の滞留時間が増加するようにより低い流速が必要となる。当業者であれば、必要以上の実験を行うことなく本発明に係る具体的な生成物の純度を達成するのに必要な流速およびその他の方法のパラメーターに対する要求を理解しているものと思われる。
この本発明の形態の第三の工程に従って、吸着剤からNFを分離して、精製NF生成物を生産する。本明細書で用いられるように、用語「精製NF生成物」は、実質的にNFからなる組成物を意味し、ここで、組成物中のいずれかの具体的な不純物の濃度は、粗生成物における不純物の濃度よりも低い。当業者であれば当然ながら、所定の不純物の望ましい最大限量は、含まれる不純物や予想される精製NF生成物の用途などの多数の要因に応じてかなり様々であると予想される。例えば、エレクトロニクスグレードのNFは、好ましくは、500ppm未満のCFを含み、一方、VSLI(超大規模集積)グレードのNFは、好ましくは、20ppm未満のCFを含む。
本発明の好ましい実施態様は、CFが、10ppmv未満(総体積に基づく百万分の一分率)、さらにより好ましくは1ppmv未満の濃度を有する精製NF生成物を達成する。当然ながら、このように精製NF生成物中のCF不純物を極めて低レベルにすることを、ラージスケールの工業的な運転で従来の方法を用いて経済的に実現することは、不可能ではないにしても困難である。しかしながら、本発明は、超高純度のNFの生産のみに限定されない;比較的高いCF許容濃度を有するNF生成物の生産、例えば5体積パーセントもの高いCF濃度を有するNF生成物の生産に大きな利点を付与するためにも使用可能である。このような実施態様において、本発明により、このような材料の精製が、従来の方法に比べて極めて高い速度で、および/または、比較的低いコストで可能になると考えられる。
NFからの吸着剤の分離は、吸着剤の存在下で精製NF生成物を物理的に除去することによって達成される。例えば、連続法の場合、吸着剤が通過する際の圧力に差をつけることによって(すなわち、粗生成物流を、精製生成物流の圧力よりも高い圧力に調節することによって)、吸着剤から精製NF生成物を離脱させてもよい。バッチ法の場合、精製した生成物を含む容器から吸着剤を除去することによって、または、圧力差がCFが脱離し得るほど大きくないという圧力条件下で、吸着剤から精製NF生成物を離脱させてもよい。
精製工程が進行するにつれて、吸着剤の材料に不純物(具体的にはCF)が蓄積する。吸着剤がその飽和の限界に達するまで、精製NF生成物を生産することが可能である。床が不純物で飽和したら、仕上がった生成物中の不純物レベルが増加し始めるので、その時点で、吸着剤の材料を交換するか、または、好ましくは再生するかのいずれかである。
交換または再生は、好ましくは、「破過点」が出現する前に行われる。一般的に、「破過点」とは、精製した流れの中の標的の不純物のレベルが、望ましい最大量を超過する時点で生じたとみなされる。例えば、生成物が、予め決められた最大量の不純物である10ppmのCFを有する場合、破過点濃度は、10ppmに設定される。1ppm未満のCFを有する生成物が望ましい場合、破過点濃度は1ppmに設定される(他も同様)。
2個またはそれより多い床が連続して用いられる実施態様において、第一の床の出口における不純物のレベルは、「破過点」レベルを超過していてもよいと考えられるが、これは、連続してそれに続く1個またはそれより多い床が緩衝ゾーンを形成しており、それにより、第一の床から出た一部精製されたNFが、続いて飽和していない吸着剤と接触することによって確実に望ましい純度が獲得されると予想されるためである。このような実施態様において、通常、第一の床がラインから外され、新たに再生された床が一連の配置に導入されると予想される。あるいは、好ましい具体的な実施態様において、連続的な運転が行われる場合、精製は、少なくとも1つのカラムが精製操作のために継続的に用いられ、一方、他方のカラムは連結から外して再生できるように平行に配置された2つの充填カラムを介して行われる。
ポリアクリロニトリルベースのカーボンモレキュラーシーブの再生は十分に理解されている。これらの再生は、例えば、吸着剤を約50℃〜約200℃の温度に加熱すること(好ましくは真空中で)のような従来の手段手段によって達成することができる。その他の再生技術としては、Nのような不活性ガスを用いた吸着剤のフラッシングが挙げられる。具体的な不活性ガス、および/または、吸着剤を再生するのに必要な真空レベルは当業者既知であると予想される。
本発明のその他の形態は、NFを精製する装置である。図1を参照すると、この本発明の形態の実施態様が示され、ここで、NF粗生成物10の源は、ポリアクリロニトリルベースのカーボンモレキュラーシーブ21に連結され、これは順に、NF精製生成物の出口30に連結される。好ましい実施態様において、ポリアクリロニトリルベースのカーボンモレキュラーシーブ21は、1つの充填カラム、流動床、固定床、または、それらのいくつかの組み合わせを含む。その他の好ましい実施態様において、ポリアクリロニトリルベースのカーボンモレキュラーシーブ21は、連続して、または、平行して、複数の充填カラムまたは床を含む。
好ましい実施態様において、このような装置は、連続的な精製方法に適応するように設計される。例えば、NF粗生成物の源は、容器11から導入され、モレキュラーシーブ21に入る前に圧力調節バルブ12を通過させてもよい。粗生成物の吸着剤への曝露時間を長くするために、バルブ31を介してフローを制限することによって逆圧を発生させてもよい。
また、本発明は、好ましくは工業的な方法の一部として、精製NFが化学反応物に添加される方法の一部として実施してもよい。すなわち、化学反応物に高純度NFを供給する工程の一部として、インライン式の精製方法を提供することもできる。
以下の実施例は本発明の説明であるが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例
実施例1
60/80のメッシュサイズを有するCARBOSPHERE(登録商標)カーボンモレキュラーシーブ(10グラム)を、使用前に100℃の真空オーブン中で乾燥させた。この材料を300mLのステンレス鋼製シリンダーに充填し、約1995ppmvのCF不純物を有するNFを含む粗生成物で約23psiaに加圧した。約2.3時間後に、シリンダー中のガスをガスクロマトグラフィーで解析したところ、1ppmv未満のCFを含むことが見出された。この実施例は、CARBOSPHERE(登録商標)カーボンモレキュラーシーブは、NFよりもCFを極めて選択的に吸着することを示す。この実施例はさらに、CARBOSPHERE(登録商標)モレキュラーシーブを用いて、NFガス組成物中のCF不純物を有効に減少させることができることを示す。
実施例2
9.8グラムのCARBOSPHERE(登録商標)モレキュラーシーブをシリンダーに充填し、約2.3体積%のCFと共にNFを含む粗生成物を約25psiaの圧力でシリンダーに入れたことを除いて、実施例1に記載の手順に従ったが、ただし、。約2.1時間後、シリンダー内部のガスをガスクロマトグラフィーで解析したところ、0.12体積パーセントのCFを含むことが分かった。
実施例3
60/80のメッシュサイズを有する25グラムのCARBOSPHERE(登録商標)カーボンモレキュラーシーブを、使用前に100℃の真空オーブン中で乾燥させた。この次に、材料を、長さが12インチで直径が4分の3インチの銅製チューブに充填した。次に、195ppmvのCFを含むNFの粗生成物を、14.7psiaの圧力で吸着剤からなる床を通過させて流した。11分間後、出口流をガスクロマトグラフィーで解析したところ、1ppmv未満のCFを含むことが分かった。
以上、いくつかの本発明の具体的な実施態様を説明したが、当業者であれば、様々な変更、改変および改善を容易に施すことができると予想される。
このような変更、改変および改善はこの開示によって明確であるため、本明細書に明確に記載されていないとしてもこの説明の一部に含まれることとし、本発明の本質および範囲内とする。従って、上述の説明は単に例示であり、制限するものではない。本発明は、以下の特許請求の範囲の定義およびそれらと均等なものによってのみ限定される。
本発明に係るNFを精製するシステムの実施態様の図解である。

Claims (10)

  1. NFの精製方法であって:
    (a)NFと少なくとも1種の不純物とを含む粗生成物を提供する工程(ここで、該不純物は第一の濃度で存在する);
    (b)該粗生成物と、ポリアクリロニトリルベースのカーボンモレキュラーシーブを含む吸着剤とを接触させる工程;および、
    (c)該吸着剤からNFを分離し、該不純物を第二の濃度で有する精製NF生成物を生産すること(ここで、該第二の濃度は、該第一の濃度よりも低い)、
    を含む、上記方法。
  2. 前記吸着剤が、約500m/g〜約1500m/gの重量に対する表面積の比率、および、約10Å〜約15Åの孔径を有するビーズを含んでなる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ビーズが、約1000m/gの重量に対する表面積の比率、約13Åの孔径を有する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記不純物が、CFである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記CFの第一の濃度が、約4ppmv〜約5体積パーセントである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記第二の濃度が、1ppmv未満である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記接触させる工程が、約1〜約100秒の持続時間を有する、請求項1に記載の方法。
  8. NFを連続的に精製するシステムであって:
    (a)NFと少なくとも1種の不純物とを含む粗生成物の供給流(ここで、該不純物は第一の濃度で存在する);
    (b)該供給流と接触するポリアクリロニトリルベースのカーボンモレキュラーシーブを含む吸着剤;および、
    (c)該不純物を第二の濃度で有する精製NF生成物流(ここで、該第二の濃度は、該第一の濃度よりも低い)、
    を含む、上記システム。
  9. 前記粗生成物の供給流が、約4ppmv〜約5体積パーセントのCFを含んでなる、請求項12のシステム。
  10. 前記第二の濃度が、1ppmv未満である、請求項12のシステム。
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