JP2007330468A - 内視鏡用カバー及びそれを備えた内視鏡装置 - Google Patents
内視鏡用カバー及びそれを備えた内視鏡装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007330468A JP2007330468A JP2006165125A JP2006165125A JP2007330468A JP 2007330468 A JP2007330468 A JP 2007330468A JP 2006165125 A JP2006165125 A JP 2006165125A JP 2006165125 A JP2006165125 A JP 2006165125A JP 2007330468 A JP2007330468 A JP 2007330468A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- balloon
- endoscope
- tube
- tube portion
- assisting tool
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Endoscopes (AREA)
Abstract
【課題】操作が簡単であり、且つ、径の異なる内視鏡や挿入補助具にも対応可能な内視鏡用カバー及びそれを備えた内視鏡装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る内視鏡用カバー62は、筒状に形成され、内視鏡の挿入部12が挿通された状態で該挿入部12に固定される。内視鏡用カバー62は、挿入部12が挿通されるとともに、流体が供給されることによって拡径する拡径構造のチューブ部61と、流体が供給されることによってチューブ部61よりも大きく膨張する第1バルーン60と、を備える。
【選択図】 図4
【解決手段】本発明に係る内視鏡用カバー62は、筒状に形成され、内視鏡の挿入部12が挿通された状態で該挿入部12に固定される。内視鏡用カバー62は、挿入部12が挿通されるとともに、流体が供給されることによって拡径する拡径構造のチューブ部61と、流体が供給されることによってチューブ部61よりも大きく膨張する第1バルーン60と、を備える。
【選択図】 図4
Description
本発明は内視鏡用カバー及びそれを備えた内視鏡装置に係り、特に小腸や大腸を観察する内視鏡に装着される内視鏡用カバーに関する。
内視鏡の挿入部を小腸などの深部消化管に挿入する場合、単に挿入部を押し入れていくだけでは、腸管の複雑な屈曲のために挿入部の先端に力が伝わりにくく、深部への挿入は困難である。例えば、挿入部に余分な屈曲や撓みが生じると、挿入部をさらに深部に挿入することができなくなる。そこで、内視鏡の挿入部に挿入補助具を被せて体内に挿入し、この挿入補助具で挿入部をガイドすることによって、挿入部の余分な屈曲や撓みを防止する方法が提案されている。
特許文献1には、内視鏡の挿入部の先端部に第1バルーンを設けるとともに、挿入補助具(オーバーチューブまたはスライディングチューブともいう)の先端部に第2バルーンを設けた内視鏡装置が記載されている。第1バルーンや第2バルーンは、膨張させることによって挿入部や挿入補助具を小腸等の腸管内に固定させることができる。したがって、第1バルーンや第2バルーンの膨張、収縮を繰り返しながら、挿入部と挿入補助具を交互に挿入することによって、挿入部を小腸等の複雑に屈曲した腸管の深部に挿入することができる。
特許文献1の挿入補助具は、その先端が搾られて先細形状になっている。このような挿入補助具は、その先端において挿入部との隙間が小さいので、隙間に腸壁が巻き込まれることを防止することができる。
しかし、特許文献1の挿入補助具は、外径寸法の小さい挿入部を挿通した際に、挿入補助具と挿入部の隙間が大きくなって腸壁が巻き込まれるおそれがあった。また、外径寸法の大きい挿入部を挿通した際に、挿入補助具と挿入部との隙間が小さくなって挿入部の挿抜操作性が悪くなるという問題があった。
このような問題を解消するためには、挿入補助具と挿入部との隙間量を調節可能に構成することが望まれる。特許文献2には、挿入補助具の内周面にドーナツ状のバルーンを備えた挿入補助具が記載されている。この挿入補助具によれば、バルーンを膨張させることによって、挿入補助具と挿入部との隙間量を調節することが可能である。したがって、特許文献2の挿入補助具を用いることによって、径の異なる挿入部を用いた場合にも、腸壁の巻き込みを確実に防止することができる。
特開2001−340462号公報
特開2005−118115号公報
しかしながら、特許文献2は、挿入補助具の内周面に設けたバルーンの膨縮操作が必要になるため、内視鏡装置の操作が複雑になるという問題があった。すなわち、術者は、挿入部及び挿入補助具の押し引き操作や、第1バルーン及び第2バルーンの膨縮操作に加えて、挿入補助具の内周面のバルーンの膨縮操作も必要になるため、操作の数が増えて複雑になるという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、操作が簡単であり、且つ、径の異なる内視鏡や挿入補助具にも対応可能な内視鏡用カバー及びそれを備えた内視鏡装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、筒状に形成され、内視鏡の挿入部が挿通された状態で該挿入部に固定される内視鏡用カバーにおいて、前記挿入部が挿通されるとともに、流体が供給されることによって膨張して拡径する拡径構造のチューブ部と、流体が供給されることによって膨張し、前記チューブ部よりも大きく拡径するバルーン部と、を備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、内視鏡の挿入部が挿通されたチューブ部に流体を供給することによってチューブ部が拡径するので、内視鏡用カバーを装着した挿入部を挿入補助具に挿通させた際に、挿入部と挿入補助具との隙間量を制御することができる。したがって、本発明によれば、挿入補助具と挿入部との隙間量を小さくして(あるいは零にして)腸壁等が隙間に巻き込まれることを防止することができる。また、挿入補助具と挿入部との間に所定の隙間量を確保して挿入部の挿抜操作性を向上させることもできる。
また、請求項1に記載の発明によれば、チューブ部よりも大きく膨張するバルーン部を備えているので、バルーン部を膨張させることによって挿入部を体内に固定することができる。固定用のバルーン部を備えた挿入部は、挿入補助具に対して繰り返し挿抜操作されるので、その挿抜操作性が重要になるとともに腸壁を挿入補助具内に巻き込むおそれがあるが、本発明では拡径構造のチューブ部を設けて挿入補助具と挿入部との隙間量を制御するようにしたので、挿抜操作性の向上と腸壁の巻き込み防止の両方を達成することができる。
さらに、請求項1に記載の発明によれば、内視鏡用カバーに隙間量制御用のチューブ部と固定用のバルーン部が設けられており、その両方を一緒に内視鏡の挿入部に取り付けることができる。
請求項2に記載の発明は請求項1の発明において、前記チューブ部は中空部を有する二重構造の筒状に形成され、該中空部に前記流体が供給されることを特徴とする。請求項2に記載の発明によれば、チューブ部の中空部に流体を供給するので、流体の供給圧を高めることによって挿入部を自動的に直線状に変形させることができる。また、請求項2に記載の発明によれば、流体の供給圧を調節することによって、挿入部の可撓性を調節することができる。
請求項3に記載の発明は請求項1又は2に記載の発明において、前記チューブ部と前記バルーン部が連通されることを特徴とする。請求項3の発明によれば、バルーン部を膨張した際にチューブ部が自動的に膨張して拡径されるので、バルーン部の膨縮操作とチューブ部の拡径操作とを別々に行う必要がない。したがって、請求項3の発明によれば、操作の簡略化を図ることができる。
請求項4に記載の発明は請求項3に記載の発明において、前記チューブ部及び前記バルーン部はゴムによって構成され、且つ、前記バルーン部は前記チューブ部よりも薄く形成されることを特徴とする。請求項4の発明によれば、バルーン部がチューブ部よりも薄く形成されるので、流体を供給することによってバルーン部がチューブ部よりも大きく膨張する。
請求項5に記載の発明は請求項3に記載の発明において、前記チューブ部及び前記バルーン部はゴムによって構成され、且つ、前記バルーン部は前記チューブ部よりも硬度の低いゴムによって構成されることを特徴とする。請求項5の発明によれば、バルーン部がチューブ部よりも硬度の低いゴムによって構成されるので、流体を供給することによってバルーン部がチューブ部よりも大きく膨張する。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1に記載の内視鏡用カバーが挿入部に装着された内視鏡と、筒状に形成されて前記挿入部が挿通される挿入補助具と、前記内視鏡用カバーのチューブ部及びバルーン部に流体を供給する流体供給装置と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、内視鏡の挿入部が挿通されたチューブ部に流体を供給することによってチューブ部が拡径するので、内視鏡用カバーを装着した挿入部を挿入補助具に挿通させた際に、挿入部と挿入補助具との隙間量を制御するができ、腸壁等が隙間に巻き込まれることを防止することができる。
以下添付図面に従って本発明に係る内視鏡用カバー及びそれを備えた内視鏡装置の好ましい実施の形態について詳述する。
図1は本発明に係る内視鏡用カバーが適用された内視鏡装置の一例を示すシステム構成図である。図1に示すように内視鏡装置は主として、内視鏡10、内視鏡用カバー62、挿入補助具70、及び、バルーン制御装置100で構成される。
内視鏡10は、手元操作部14と、この手元操作部14に連設され、体内に挿入される挿入部12とを備える。手元操作部14には、ユニバーサルケーブル16が接続され、このユニバーサルケーブル16の先端にLGコネクタ18が設けられる。LGコネクタ18は光源装置20に着脱自在に連結され、これによって後述の照明光学系54(図2参照)に照明光が送られる。また、LGコネクタ18には、ケーブル22を介して電気コネクタ24が接続され、この電気コネクタ24がプロセッサ26に着脱自在に連結される。
手元操作部14には、送気・送水ボタン28、吸引ボタン30、シャッターボタン32、及び機能切替ボタン34が並設されるとともに、一対のアングルノブ36、36が設けられる。手元操作部14の基端部には、L状に屈曲した管によってバルーン送気口38が形成されている。このバルーン送気口38にエア等の流体を供給、或いは吸引することによって、後述の第1バルーン60を膨張、或いは収縮させることができる。
挿入部12は、手元操作部14側から順に軟性部40、湾曲部42、及び先端部44で構成され、湾曲部42は、手元操作部14のアングルノブ36、36を回動することによって遠隔的に湾曲操作される。これにより、先端部44を所望の方向に向けることができる。
図2に示すように、先端部44の先端面45には、観察光学系52、照明光学系54、54、送気・送水ノズル56、鉗子口58が設けられる。観察光学系52の後方にはCCD(不図示)が配設され、このCCDを支持する基板には信号ケーブル(不図示)が接続される。信号ケーブルは図1の挿入部12、手元操作部14、ユニバーサルケーブル16等に挿通されて電気コネクタ24まで延設され、プロセッサ26に接続される。よって、観察光学系52で取り込まれた観察像は、CCDの受光面に結像されて電気信号に変換され、そして、この電気信号が信号ケーブルを介してプロセッサ26に出力され、映像信号に変換される。これにより、プロセッサ26に接続されたモニタ50に観察画像が表示される。
図2の照明光学系54、54の後方にはライトガイド(不図示)の出射端が配設されている。このライトガイドは、図1の挿入部12、手元操作部14、ユニバーサルケーブル16に挿通され、LGコネクタ18内に入射端が配設される。したがって、LGコネクタ18を光源装置20に連結することによって、光源装置20から照射された照明光がライトガイドを介して照明光学系54、54に伝送され、照明光学系54、54から前方に照射される。
図2の送気・送水ノズル56は、図1の送気・送水ボタン28によって操作されるバルブ(不図示)に連通されており、さらにこのバルブはLGコネクタ18に設けた送気・送水コネクタ48に連通される。送気・送水コネクタ48には不図示の送気・送水手段が接続され、エア及び水が供給される。したがって、送気・送水ボタン28を操作することによって、送気・送水ノズル56からエア又は水を観察光学系52に向けて噴射することができる。
図2の鉗子口58は、図1の鉗子挿入部46に連通されている。よって、鉗子挿入部46から鉗子等の処置具を挿入することによって、この処置具を鉗子口58から導出することができる。また、鉗子口58は、吸引ボタン30によって操作されるバルブ(不図示)に連通されており、このバルブはさらにLGコネクタ18の吸引コネクタ49に接続される。したがって、吸引コネクタ49に不図示の吸引手段を接続し、吸引ボタン30でバルブを操作することによって、鉗子口58から病変部等を吸引することができる。
図2、図3に示すように、挿入部12には内視鏡用カバー62が装着される。内視鏡用カバー61は筒状に形成されており、挿入部12が挿通された状態で挿入部12に固定される。また、内視鏡用カバー62は、チューブ部61と、第1バルーン60(バルーン部に相当)とによって構成される。
チューブ部61及び第1バルーン60は、図3に示すように、中空部を有する二重の筒構造になっており、チューブ部61の内部と第1バルーン60の内部は連通されている。また、チューブ部61及び第1バルーン60は、ゴムによって一体成形で作られており、内部に流体を供給することによって膨張(すなわち拡径)し、内部から流体を吸引することによって収縮(すなわち縮径)するようになっている。
第1バルーン60は、チューブ部61よりも硬度の低いゴムによって構成される。したがって、チューブ部61及び第1バルーン60の内部に流体を供給した際、図4に示すように、第1バルーン60はチューブ部61よりも大きく拡径される。なお、第1バルーン60はチューブ部61よりも大きく膨張するように構成されていればよく、たとえば、第1バルーン60とチューブ部61とを同一の材質で構成するとともに、第1バルーン60をチューブ部61よりも薄く形成してもよい。また、チューブ部61と第1バルーン60は一体成形に限定するものではなく、別々に製造したものを溶着或いは接着するようにしてもよい。
内視鏡用カバー62の先端には、内周面に突出した凸条部62Aが形成されており、この凸条部62Aを挿入部12の先端面に係合させることによって、内視鏡用カバー62が挿入部12に対して位置決めされる。また、内視鏡用カバー62の基端には、ゴム製の固定リング63が外嵌され、これによって内視鏡用カバー62が挿入部12に固定される。なお、チューブ部61は、挿入部12の略全体を覆うような長さに設定されており、固定リング63は手元操作部14の近傍に配置される。
内視鏡用カバー62の外周面には、ポリビニルピロリドンなどの親水性コーティングが施されている。なお、親水性コーティングは、チューブ部61の外周面だけであってもよい。
内視鏡用カバー62の内周面側には、貫通孔62Bが形成されている。この貫通孔62Bは、内視鏡用カバー62を挿入部12に装着した際に、挿入部12の通気孔64の位置に配置される。したがって、内視鏡用カバー62の中空部は貫通孔62Bを介して挿入部12の通気孔64に連通される。
挿入部12の通気孔64は、図1の手元操作部14に設けられたバルーン送気口38に連通されており、バルーン送気口38には後述のチューブ110を介してバルーン制御装置100に接続される。したがって、バルーン制御装置100によってエア等の流体を供給、吸引することによって、第1バルーン60及びチューブ部61を膨張、収縮させることができる。なお、チューブ部61は流体を供給することによってその外径が後述の挿入補助具70の内径と略同じか、あるいは挿入補助具70の内径よりも若干小さく拡径するようになっている。また、第1バルーン60は流体を供給することによってチューブ部61よりも大きな外径の略球状に膨張するようになっている。さらに、チューブ部61及び第1バルーン60は、その内部から流体を吸引することによって収縮し、挿入部12の外周面に張り付くようになっている。
一方、図1に示す挿入補助具70は、基端側に設けられた筒状の把持部72と、この把持部72に連設されたチューブ部73とで構成されており、前述した内視鏡10の挿入部12は、把持部72からチューブ部73内に挿入される。なお、把持部72は、チューブ部73と別部材で形成してもよいし、一体で形成してもよい。
チューブ部73の内周面には、ポリビニルピロリドンなどによって親水性コーティングが施されている。また、挿入補助具70には、潤滑剤(水)の注入コネクタ78が設けられており、チューブ部材73の内部に潤滑剤(水)を供給できるようになっている。したがって、チューブ部73に挿入部12を挿通させた状態で、注入コネクタ78から潤滑剤(水)を供給することによって、挿入補助具70と挿入部12(実際には内視鏡用カバー62のチューブ部61)との摩擦を減らすことができる。
挿入補助具70のチューブ部73の先端近傍には第2バルーン80が装着される。第2バルーン80は、両端が窄まった略筒状に形成されており、挿入補助具70を貫通させた状態で装着され、不図示の糸を巻回することによって固定される。
チューブ部73の外周面には、図1に示す細径のチューブ74が貼り付けられる。チューブ74の先端は、第2バルーン80の内部で開口され、チューブ74の基端にはコネクタ76が設けられる。コネクタ76にはチューブ120が接続され、このチューブ120を介してバルーン制御装置100に接続される。したがって、バルーン制御装置100でエアを供給、吸引することによって、第2バルーン80を膨張、収縮させることができる。第2バルーン80は、エアを供給することによって略球状に膨張し、エアを吸引することによって挿入補助具70の外周面に貼りつくようになっている。
図1のバルーン制御装置100は、第1バルーン60及びチューブ部61にエア等の流体を供給・吸引するとともに、第2バルーン80にエア等の流体を供給・吸引する装置である。バルーン制御装置100は主として、装置本体102、及びリモートコントロール用のハンドスイッチ104で構成される。
装置本体102の前面には、電源スイッチSW1、停止スイッチSW2、第1圧力表示部106、第2圧力表示部108、及び第1機能停止スイッチSW3、第2機能停止スイッチSW4が設けられる。第1圧力表示部106、第2圧力表示部108はそれぞれ、第1バルーン60、第2バルーン80の圧力値を表示するパネルであり、バルーン破れ等の異常発生時にはこの圧力表示部106、108にエラーコードが表示される。
第1機能停止スイッチSW3、第2機能停止スイッチSW4はそれぞれ、内視鏡用制御系統、挿入補助具用制御系統の機能をON/OFFするスイッチであり、第1バルーン60と第2バルーン80の一方のみを使用する場合には、使用しない方の機能停止スイッチSW3、SW4を操作して機能をOFFにする。機能がOFFになった制御系統では、エアの供給、吸引が完全に停止し、その系統の圧力表示部106、又は108もOFFになる。機能停止スイッチSW3、SW4は両方をOFFにすることによって、初期状態の設定等を行うことができる。例えば、両方の機能停止スイッチSW3、SW4をOFFにして、ハンドスイッチ104の全スイッチSW5〜SW9を同時に押下操作することによって、大気圧に対するキャリブレーションが行われる。
装置本体102の前面には、第1バルーン60とチューブ部61へのエア供給・吸引を行うチューブ110、及び第2バルーン80へのエア供給・吸引を行うチューブ120が接続される。各チューブ110、120と装置本体102との接続部分にはそれぞれ、第1バルーン60、或いは第2バルーン80が破れた時の体液の逆流を防止するための逆流防止ユニット112、122が設けられる。逆流防止ユニット112、122は、装置本体102に着脱自在に装着された中空円盤状のケース(不図示)の内部に気液分離用のフィルタを組み込むことによって構成されており、装置本体102内に液体が流入することをフィルタによって防止する。
一方、ハンドスイッチ104には、装置本体102側の停止スイッチSW2と同様の停止スイッチSW5と、第1バルーン60及びチューブ部61の加圧/減圧を指示するON/OFFスイッチSW6と、第1バルーン60及びチューブ部61の圧力を保持するためのポーズスイッチSW7と、第2バルーン80の加圧/減圧を指示するON/OFFスイッチSW8と、第2バルーン80の圧力を保持するためのポーズスイッチSW9とが設けられており、このハンドスイッチ104はコード130を介して装置本体102に電気的に接続されている。なお、図1には示してないが、ハンドスイッチ104には、第1バルーン60や第2バルーン80の送気状態、或いは排気状態を示す表示部が設けられている。
上記の如く構成されたバルーン制御装置100は、第1バルーン60、チューブ部61、第2バルーン80にエアを供給して膨張させるとともに、そのエア圧を一定値に制御して第1バルーン60、チューブ部61、第2バルーン80を膨張した状態に保持する。また、第1バルーン60、チューブ部61、第2バルーン80からエアを吸引して収縮させるとともに、そのエア圧を一定値に制御して第1バルーン60、チューブ部61、第2バルーン80を収縮した状態に保持する。なお、チューブ部61を膨張させた際のエア圧は、挿入補助具70の内径寸法に応じて制御することが好ましく、具体的には、膨張させたチューブ部61の外径寸法が挿入補助具70の内径寸法と略同じになるように制御することが好ましい。
バルーン制御装置100は、バルーン専用モニタ82に接続されており、第1バルーン60、チューブ部61、第2バルーン80を膨張、収縮させる際に、それらの圧力値や膨張・収縮状態をバルーン専用モニタ82に表示する。なお、第1バルーン60、チューブ部61、第2バルーン80の圧力値や膨張・収縮状態は、内視鏡10の観察画像にスーパーインポーズしてモニタ50に表示するようにするようにしてもよい。
次に上記の如く構成された内視鏡装置の操作方法について図5(a)〜図5(f)に従って説明する。
まず、内視鏡用カバー62を内視鏡10の挿入部12に装着する。そして、その挿入部12を挿入補助具70に挿通させた状態で、図5(a)に示すように挿入部12を肛門90Aから腸管(大腸)90内に挿入する(挿入操作)。このとき、第1バルーン60及び第2バルーン80は収縮させておく。
次に、図5(a)の如く、挿入部12の先端がS状結腸90Bに達した状態で第1バルーン60にエアを供給して膨張させ、挿入部12の先端を腸管90に固定する(固定操作)。その際、第1バルーン60と連通するチューブ部61(図4参照)にもエアが供給されるので、チューブ部61は膨張されて拡径される。これにより、図6に示すように挿入補助具70の内周面と挿入部12の外周面との間には、膨張したチューブ部61が充填され、隙間が無くなった状態になる。
次いで、挿入補助具70を押し込むことによって、挿入補助具70を挿入部12に沿わせて挿入する(押し込み操作)。その際、挿入補助具70と挿入部12との隙間がチューブ部61によって無くなった状態になっているので、腸壁等が隙間に引き込まれて巻き込まれるおそれがない。また、挿入補助具70の内周面とチューブ部61の外周面との間には、注入コネクタ78(図1参照)から注入された潤滑剤が供給され、且つ、挿入補助具70の内周面とチューブ61の外周面に親水性コーティングが施されているので、挿入補助具70とチューブ61との摩擦が小さく、挿入補助具70をチューブ部61に対してスムーズに摺動させることができる。
上記の押し込み操作によって、図5(b)に示すように、挿入補助具70の先端部を第1バルーン60の近傍まで持っていった後、第2バルーン80にエアを供給して膨張させる。これにより、第2バルーン80が腸管90に固定され、腸管90が第2バルーン80を介して挿入補助具70に把持された状態になる。
次に図5(c)に示すように、挿入補助具70を手繰り寄せ、腸管90の余分な撓みや屈曲を無くす(手繰り寄せ操作)。
次いで第1バルーン60からエアを吸引し、第1バルーン60を収縮させる。その際、第1バルーン60と連通するチューブ部61からもエアが吸引されるので、チューブ部61は図7に示すように収縮される。よって、挿入補助具70の内周面と挿入部12の外周面との間に所定の隙間量が確保される。
次に、図5(d)に示すように、挿入部12を腸管90の深部に(例えば下行結腸90Cの上端の屈曲部まで)挿入する(挿入操作)。その際、図7に示したように、挿入部12と挿入補助具70との間に所定の隙間量が確保されているので、挿入部12をスムーズに挿入することができる。なお、挿入部12の挿入操作を行う際は、挿入部12が挿入補助具70に対して押し出される方向に移動するので、腸壁等を挿入補助具70内に引き込んで巻き込むおそれがない。
挿入操作の後、上述したように、第1バルーン60を膨張させる固定操作、挿入補助具70を挿入部12に沿わせて押し込む押し込み操作を行った後、第2バルーン80を膨張させて把持操作し、挿入補助具70による手繰り寄せ操作を行う。これにより、図5(e)に示す如く、腸管90の余分な撓みや屈曲が取り除かれる。
このような一連の操作(挿入操作、固定操作、押し込み操作、把持操作、手繰り寄せ操作)を繰り返し行うことによって、挿入部12の先端を腸管90の深部に徐々に挿入することができる。また、挿入補助具70によって腸管90の余分な撓みを取り除くことができる。以上のように押し込み操作時に腸壁等が挿入補助具70と挿入部12との隙間に巻き込まれる可能性があるため、押し込み操作時にチューブ部61を膨張させなければならない。押し込み操作は、第1バルーン60を膨張した状態で行われるため、第1バルーン60とチューブ部61を連通しておけば押し込み操作時に特別な操作をすることなくチューブ部61も膨張させることができる。
例えば図5(f)は、挿入部12の先端を横行結腸90Dの端部まで挿入し、挿入補助具70を手繰り寄せ操作して腸管90の余分な撓みを取り除いた状態である。
以上の操作によって、挿入部12の先端を大腸の深部に挿入してことができる。その際、挿入補助具70は半ループ状を形成するようになり、挿入部12を腸管90のさらに深部に挿入することができる。
次に上記の如く構成された内視鏡用カバー62の作用について説明する。
挿入補助具70の内周面と挿入部12の外周面との隙間量が小さい場合、挿入部12を挿入補助具70に対してスムーズに挿抜することができなくなる。逆に隙間量が大きい場合には、挿入部12を挿入補助具70に対して相対的に引き入れた際に、腸壁を隙間に引き込んで巻き込みやすくなる。このため、従来の内視鏡装置では、挿入部12の挿抜操作性の向上と、腸壁の巻き込み防止の両方を同時に達成することができない。
これに対して、本実施の形態では、内視鏡用カバー62に拡径構造のチューブ部61が設けられており、流体を供給してチューブ部61を拡径させることによって挿入補助具70と挿入部12との隙間量を調節することができる。たとえば、挿入部12を挿入補助具70に対して相対的に引き入れる際には、図6に示すようにチューブ部61を膨張させて隙間量を略零にしている。したがって、本実施の形態によれば、腸壁の巻き込みを確実に防止することができる。
また、挿入部12を挿入補助具70に対して相対的に押し出す際には、図7に示すようにチューブ部61を縮小させ、所定の隙間量を確保している。したがって、挿入部12を挿入補助具70に対してスムーズに移動させることができる。よって、本実施の形態の内視鏡用カバー62によれば、挿入部12の挿抜操作性の向上と、腸壁の巻き込み防止の両方を達成することができる。
また、本実施の形態の内視鏡用カバー62は、第1バルーン60とチューブ部61とが連通されているので、第1バルーン60の膨縮操作によってチューブ部61を膨縮させることができ、チューブ部61の膨縮操作を個別に行う必要がない。したがって、本実施の形態によれば、操作の数を増やすことなく、挿入部12の挿抜操作性の向上と腸壁の巻き込み防止を達成することができる。
なお、上述した実施形態は、挿入部12と挿入補助具70との隙間量が零になるようにチューブ部61を拡径させたが、これに限定するものではなく、腸壁の巻き込みが生じない程度まで隙間量が小さくなるようにチューブ部61を拡径させるのであればよい。したがって、挿入補助具70と挿入部12(実際には内視鏡用カバー62)との間に若干の隙間が形成されるようにチューブ部61の膨張時の大きさを制御してもよい。
また、上述した実施形態は、チューブ部61が挿入部12の略全体を覆うように設定したが、チューブ部61の長さはこれに限定するものではなく、上述の一連の操作を行った際に挿入補助具70の先端位置にチューブ部61が常に存在するように設定されていればよい。
また、上述した実施形態は、チューブ部61と第1バルーン60とを連通したが、これに限定するものではなく、チューブ部61の内部と第1バルーン60の内部とが遮断した構造であってもよい。その場合、チューブ部61と第1バルーン60とを別々の管路でバルーン制御装置100に連通し、バルーン制御装置100によってそれぞれの内圧を別々に制御するとよい。この場合にも第1バルーン60の膨縮操作時にチューブ部61が同時に膨縮するように制御するとよい。
また、上述した実施形態は、挿入部12側から内視鏡用カバー62に流体を供給するようにしたが、これに限定するものではなく、内視鏡用カバー62に流体の管路を取り付けてもよい。すなわち、図8に示すように、チューブ部61に細径のチューブ66を接続し、このチューブ66の端部に設けたコネクタ68を図1のチューブ110を接続するようにしてもよい。これにより、挿入部12に管路のない内視鏡10にも、内視鏡用カバー62を装着することができる。
さらに上述した実施形態は、内視鏡用カバー62を二重の筒状に形成したが、内視鏡用カバー62の構成はこれに限定するものではなく、流体の供給によって膨張して拡径する構成であればよい。たとえば、図9に示す内視鏡用カバー62は、筒状に形成されたチューブ部61と、筒状に形成された第1バルーン60とによって構成されている。チューブ部61はゴムによって作られており、第1バルーンはチューブ部61よりも膨張率の大きいゴムによって作られている。また、第1バルーン60の基端部とチューブ部61の先端部は全周にわたって溶着または接着されている。さらに第1バルーン60の先端部は、固定リング63によって挿入部12に固定され、チューブ部61の基端部は、固定リング63によって挿入部12に固定されている。上記の如く構成された内視鏡用カバー62によれば、内視鏡用カバー62に流体を供給することによってチューブ部61が膨張して拡径するとともに第1バルーン62がチューブ部61よりも大きく膨張する。
なお、上述した実施形態において、チューブ部61にエアを供給することによってチューブ部61の内圧を高めて挿入部12を自動的に略直線状に変形させるようにしてもよい。これにより、第1バルーン60を膨張する固定操作の際に、挿入部12を自動的に直線状に変形させることができ、腸管の余分な撓みや屈曲を取り除くことができる。
上述した実施形態は、ダブルバルーン式内視鏡装置の例で説明したが、挿入補助具70に第2バルーン80がない内視鏡装置や、挿入補助具70を使用しない内視鏡装置にも本発明を適用することができる。挿入補助具70を使用しない場合、内視鏡用カバー62に流体を供給することによって挿入部12を直線状に変形させたり、あるいは挿入部12の可撓性を調節したりすることができる。
10…内視鏡、12…挿入部、14…手元操作部、60…第1バルーン、61…チューブ部、62…内視鏡用カバー、70…挿入補助具、73…チューブ部、80…第2バルーン
Claims (6)
- 筒状に形成され、内視鏡の挿入部が挿通された状態で該挿入部に固定される内視鏡用カバーにおいて、
前記挿入部が挿通されるとともに、流体が供給されることによって膨張して拡径する拡径構造のチューブ部と、
流体が供給されることによって膨張し、前記チューブ部よりも大きく拡径するバルーン部と、
を備えたことを特徴とする内視鏡用カバー。 - 前記チューブ部は中空部を有する二重構造の筒状に形成され、該中空部に前記流体が供給されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用カバー。
- 前記チューブ部と前記バルーン部が連通されることを特徴とする請求項1又は2に記載の内視鏡用カバー。
- 前記チューブ部及び前記バルーン部はゴムによって構成され、且つ、前記バルーン部は前記チューブ部よりも薄く形成されることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡用カバー。
- 前記チューブ部及び前記バルーン部はゴムによって構成され、且つ、前記バルーン部は前記チューブ部よりも硬度の低いゴムによって構成されることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡用カバー。
- 請求項1〜5のいずれか1に記載の内視鏡用カバーが挿入部に装着された内視鏡と、
筒状に形成されて前記挿入部が挿通される挿入補助具と、
前記内視鏡用カバーのチューブ部及びバルーン部に流体を供給する流体供給装置と、
を備えたことを特徴とする内視鏡装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006165125A JP2007330468A (ja) | 2006-06-14 | 2006-06-14 | 内視鏡用カバー及びそれを備えた内視鏡装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006165125A JP2007330468A (ja) | 2006-06-14 | 2006-06-14 | 内視鏡用カバー及びそれを備えた内視鏡装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007330468A true JP2007330468A (ja) | 2007-12-27 |
Family
ID=38930505
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006165125A Pending JP2007330468A (ja) | 2006-06-14 | 2006-06-14 | 内視鏡用カバー及びそれを備えた内視鏡装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007330468A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103462582A (zh) * | 2013-08-03 | 2013-12-25 | 徐怀 | 一种观察角度可调的内窥探头 |
CN103462583A (zh) * | 2013-08-03 | 2013-12-25 | 徐怀 | 一种调节内窥镜观察角度的方法 |
-
2006
- 2006-06-14 JP JP2006165125A patent/JP2007330468A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103462582A (zh) * | 2013-08-03 | 2013-12-25 | 徐怀 | 一种观察角度可调的内窥探头 |
CN103462583A (zh) * | 2013-08-03 | 2013-12-25 | 徐怀 | 一种调节内窥镜观察角度的方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4149987B2 (ja) | 内視鏡装置 | |
JP5095124B2 (ja) | 内視鏡 | |
JP5001082B2 (ja) | 内視鏡装置 | |
JP4836653B2 (ja) | 内視鏡装置 | |
JP4000485B2 (ja) | 内視鏡装置 | |
JP5171076B2 (ja) | 内視鏡装置 | |
JP2008278968A (ja) | 内視鏡用挿入補助具 | |
JP4665262B2 (ja) | 内視鏡用フード | |
JP2008006000A (ja) | 内視鏡装置 | |
JP5116985B2 (ja) | 内視鏡 | |
JP4776317B2 (ja) | 医療用カプセルの保持方法及びそれに用いる内視鏡装置 | |
JP2007268137A (ja) | 大腸用内視鏡装置 | |
JP4800120B2 (ja) | 挿入補助具及びそれを備えた内視鏡装置 | |
JP3804069B1 (ja) | バルーン及びそれを装着した内視鏡、挿入補助具、並びに内視鏡装置 | |
JP4768365B2 (ja) | 内視鏡用の挿入補助具及び内視鏡装置 | |
JP3864315B2 (ja) | 内視鏡装置 | |
JP2007330468A (ja) | 内視鏡用カバー及びそれを備えた内視鏡装置 | |
JP4977503B2 (ja) | 内視鏡 | |
JP4786985B2 (ja) | 内視鏡 | |
JP2007089813A (ja) | 内視鏡装置 | |
JP3888379B2 (ja) | 挿入補助具及び内視鏡装置 | |
JP3864345B2 (ja) | 内視鏡の挿入補助具 | |
JP2007260287A (ja) | 内視鏡挿入補助具 | |
JP5474914B2 (ja) | 挿入補助具の製造方法 | |
JP2007260130A (ja) | 内視鏡及び内視鏡装置 |